JP2799738B2 - 車両のアンチロック制御方法 - Google Patents
車両のアンチロック制御方法Info
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- JP2799738B2 JP2799738B2 JP1173902A JP17390289A JP2799738B2 JP 2799738 B2 JP2799738 B2 JP 2799738B2 JP 1173902 A JP1173902 A JP 1173902A JP 17390289 A JP17390289 A JP 17390289A JP 2799738 B2 JP2799738 B2 JP 2799738B2
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- wheel
- turning
- vehicle
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- Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の制動時における車輪のロックを防止す
るためのアンチロック制御方法に関する。
るためのアンチロック制御方法に関する。
(従来技術) 一般に車両のアンチロック制御装置は、制動時におけ
る車両の操舵性、走行安定性の確保および制動距離の短
縮を目的として、車輪速度センサで検出された車輪速度
(回転速度)をあらわす電気信号にもとづいてブレーキ
液圧の制御モードを決定して、常開型電磁弁よりなるホ
ールドバルブおよび常閉型電磁弁よりなるディケイバル
ブを開閉し、これによりブレーキ液圧を加圧、保持また
は減圧するようにマイクロコンピュータを含むコントロ
ールユニットで制御している。
る車両の操舵性、走行安定性の確保および制動距離の短
縮を目的として、車輪速度センサで検出された車輪速度
(回転速度)をあらわす電気信号にもとづいてブレーキ
液圧の制御モードを決定して、常開型電磁弁よりなるホ
ールドバルブおよび常閉型電磁弁よりなるディケイバル
ブを開閉し、これによりブレーキ液圧を加圧、保持また
は減圧するようにマイクロコンピュータを含むコントロ
ールユニットで制御している。
第5図はこのようなアンチロック制御を実施するため
の従来の3系統(3チャンネル)アンチロック制御装置
を示すブロック図で、車輪速度センサ1〜4の出力は演
算回路5〜8に送られて演算され、各車輪速度Vw1〜Vw4
をそれぞれあらわす信号が得られる。そして左前輪速度
Vw1および右前輪速度Vw2はそのまま第1系統速度Vs1お
よび第2系統速度Vs2としてそれぞれ第1および第2の
制御ロジック回路9、10に送られるが、左後輪速度Vw3
および右後輪速度Vw4のうちの低速側の車輪速度がロー
セレクト回路11で選択されて第3系統速度Vs3として第
3の制御ロジック回路12に送られる。
の従来の3系統(3チャンネル)アンチロック制御装置
を示すブロック図で、車輪速度センサ1〜4の出力は演
算回路5〜8に送られて演算され、各車輪速度Vw1〜Vw4
をそれぞれあらわす信号が得られる。そして左前輪速度
Vw1および右前輪速度Vw2はそのまま第1系統速度Vs1お
よび第2系統速度Vs2としてそれぞれ第1および第2の
制御ロジック回路9、10に送られるが、左後輪速度Vw3
および右後輪速度Vw4のうちの低速側の車輪速度がロー
セレクト回路11で選択されて第3系統速度Vs3として第
3の制御ロジック回路12に送られる。
また、各車輪速度Vw1〜Vw4をあらわす信号は擬似車体
速度演算回路13に送られるが、この演算回路13は、4つ
の車輪速度Vw1〜Vw4のうちの最高速の車輪速度VwHを選
択し(4輪セレクトハイ)、さらにこの最高速の車輪速
度に対する追従限界を±1Gの範囲に限定した速度を擬似
車体速度Vvとして各制御ロジック回路9、10、12に出力
する。各制御ロジック回路9、10、12では、上記系統速
度Vs1〜Vs3をそれぞれ各チャンネルの制御対象車輪速度
(以下これを系統速度「Vs」と呼ぶ)とし、この系統速
度Vsを基準としてホールドバルブHVおよびディケイバル
ブDVのON・OFF制御を行なっている。
速度演算回路13に送られるが、この演算回路13は、4つ
の車輪速度Vw1〜Vw4のうちの最高速の車輪速度VwHを選
択し(4輪セレクトハイ)、さらにこの最高速の車輪速
度に対する追従限界を±1Gの範囲に限定した速度を擬似
車体速度Vvとして各制御ロジック回路9、10、12に出力
する。各制御ロジック回路9、10、12では、上記系統速
度Vs1〜Vs3をそれぞれ各チャンネルの制御対象車輪速度
(以下これを系統速度「Vs」と呼ぶ)とし、この系統速
度Vsを基準としてホールドバルブHVおよびディケイバル
ブDVのON・OFF制御を行なっている。
第6図はこのようなアンチロック制御における系統速
度Vs、系統速度の加速度・減速度dVs/dtおよびブレーキ
液圧Pwの変化と、ホールドバルブおよびディケイバルブ
を開閉するためのホールド信号HSおよびディケイ信号DS
を示す制御状態図である。なお、系統速度Vsは前記3つ
の系統速度Vs1〜Vs3のうちの任意の1つを示す。
度Vs、系統速度の加速度・減速度dVs/dtおよびブレーキ
液圧Pwの変化と、ホールドバルブおよびディケイバルブ
を開閉するためのホールド信号HSおよびディケイ信号DS
を示す制御状態図である。なお、系統速度Vsは前記3つ
の系統速度Vs1〜Vs3のうちの任意の1つを示す。
車両の走行中においてブレーキが操作されていない状
態では、ブレーキ液圧Pwは加圧されておらず、かつホー
ルド信号HSおよびディケイ信号DSがともにOFFであるか
ら、ホールドバルブは開、ディケイバルブは閉の状態に
あるが、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧Pwは時点t0
から加圧されて急上昇し(通常モード)、これにより系
統速度Vsは減少して行く。この系統速度Vsに対して一定
の速度ΔVだけ低い速度差をもって追従する擬似車輪速
度Vfが設定されており、この擬似車輪速度Vfは、系統速
度Vsの減速度(負の加速度)dVs/dtが時点t1において所
定のしきい値、例えば−1.1Gに達すると、この時点t1か
らアンチロック制御が開始される。この擬似車輪速度Vf
は時点t1以降は−1.1Gの減速勾配θをもって直線的に減
少して行くように設定されている。そして系統速度の減
速度dVs/dtが所定の最大減速度をあらわすしきい値−G
max(例えば−2G)に達した時点t2においてホールド信
号HSをONにしてホールドバルブを閉じ、ブレーキ液圧Pw
を保持する。
態では、ブレーキ液圧Pwは加圧されておらず、かつホー
ルド信号HSおよびディケイ信号DSがともにOFFであるか
ら、ホールドバルブは開、ディケイバルブは閉の状態に
あるが、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧Pwは時点t0
から加圧されて急上昇し(通常モード)、これにより系
統速度Vsは減少して行く。この系統速度Vsに対して一定
の速度ΔVだけ低い速度差をもって追従する擬似車輪速
度Vfが設定されており、この擬似車輪速度Vfは、系統速
度Vsの減速度(負の加速度)dVs/dtが時点t1において所
定のしきい値、例えば−1.1Gに達すると、この時点t1か
らアンチロック制御が開始される。この擬似車輪速度Vf
は時点t1以降は−1.1Gの減速勾配θをもって直線的に減
少して行くように設定されている。そして系統速度の減
速度dVs/dtが所定の最大減速度をあらわすしきい値−G
max(例えば−2G)に達した時点t2においてホールド信
号HSをONにしてホールドバルブを閉じ、ブレーキ液圧Pw
を保持する。
このブレーキ液圧Pwの保持により系統速度Vsはさらに
減少して、時点t3において系統速度Vsと擬似車輪速度Vf
とが等しくなるが(Vs=Vf=Va)、この時点t3において
ディケイ信号DSをONにしてディケイバルブを開き、ブレ
ーキ液圧Pwの減圧を開始する。この減圧により、系統速
度Vsは時点t4におけるローピークを境にして加速に転じ
るが、このローピーク時点t4(Vs=Vl)において、ディ
ケイ信号DSをOFFとし、ディケイバルブを閉じてブレー
キ液圧Pwの減圧を終了してブレーキ液圧Pwを保持する。
減少して、時点t3において系統速度Vsと擬似車輪速度Vf
とが等しくなるが(Vs=Vf=Va)、この時点t3において
ディケイ信号DSをONにしてディケイバルブを開き、ブレ
ーキ液圧Pwの減圧を開始する。この減圧により、系統速
度Vsは時点t4におけるローピークを境にして加速に転じ
るが、このローピーク時点t4(Vs=Vl)において、ディ
ケイ信号DSをOFFとし、ディケイバルブを閉じてブレー
キ液圧Pwの減圧を終了してブレーキ液圧Pwを保持する。
なお、アンチロック制御の2サイクル目以降において
は、前サイクルにおける路面μの判定結果が低μ路であ
る場合、ローピーク速度Vlから速度が若干回復した時点
t5(Vs=Vb)まで減圧を継続するようにしている。
は、前サイクルにおける路面μの判定結果が低μ路であ
る場合、ローピーク速度Vlから速度が若干回復した時点
t5(Vs=Vb)まで減圧を継続するようにしている。
一方、加圧開始時点の判定基準として、擬似車体速度
Vvより△V1だけ低い速度差をもって追従する加圧開始判
定しきい値VT1が設けられている。そして系統速度Vsが
このしきい値VT1以上であり、かつ系統速度の加速度dVs
/dtが+0.2G以下となり、さらに系統速度Vsがしきい値V
T1を超えてから所定時間T1が経過したことを加圧開始判
定条件として、これら3つの加圧開始判定条件が満足さ
れた時点t6から再びブレーキ液圧Pwの加圧を開始する。
ここでの加圧は、ホールド信号HSを比較的小刻みにON・
OFFすることにより、ブレーキ液圧Pwの加圧と保持とを
交互に反復し、これによりブレーキ液圧Pwを緩慢に上昇
させて(スロービルド)車輪速度Vwを減少させ、時点t7
(t3対応)から再び減圧モードを発生させている。
Vvより△V1だけ低い速度差をもって追従する加圧開始判
定しきい値VT1が設けられている。そして系統速度Vsが
このしきい値VT1以上であり、かつ系統速度の加速度dVs
/dtが+0.2G以下となり、さらに系統速度Vsがしきい値V
T1を超えてから所定時間T1が経過したことを加圧開始判
定条件として、これら3つの加圧開始判定条件が満足さ
れた時点t6から再びブレーキ液圧Pwの加圧を開始する。
ここでの加圧は、ホールド信号HSを比較的小刻みにON・
OFFすることにより、ブレーキ液圧Pwの加圧と保持とを
交互に反復し、これによりブレーキ液圧Pwを緩慢に上昇
させて(スロービルド)車輪速度Vwを減少させ、時点t7
(t3対応)から再び減圧モードを発生させている。
ところで、上述のようなアンチロック制御を旋回制動
時に行なう場合、以下に述べるような問題を生じる。
時に行なう場合、以下に述べるような問題を生じる。
すなわち、旋回制動時においては、内輪と外輪との間
に大きな速度差が生じる。したがって、上述のような4
輪セレクトハイによる最高速の車輪速度にもとづいて擬
似車体速度Vvを設定し、かつこの速度Vvに対して所定の
速度差ΔV2だけ低い速度を加圧開始判定しきい値VT1と
して設定する従来の制御方法では、擬似車体速度Vvが、
旋回時の外輪側の車輪速度にもとづき算出されるため、
加圧開始判定しきい値も直進時に比べ高めに設定され
る。一方、旋回時の内輪の車輪速度は外輪側よりも低く
なるため、この低速の内輪側の車輪速度は上記しきい値
VT1を超えるまでには至らず、ブレーキ液圧の加圧が行
なわれないことになり、液圧不足となって制動距離の増
大を招くという問題があった。
に大きな速度差が生じる。したがって、上述のような4
輪セレクトハイによる最高速の車輪速度にもとづいて擬
似車体速度Vvを設定し、かつこの速度Vvに対して所定の
速度差ΔV2だけ低い速度を加圧開始判定しきい値VT1と
して設定する従来の制御方法では、擬似車体速度Vvが、
旋回時の外輪側の車輪速度にもとづき算出されるため、
加圧開始判定しきい値も直進時に比べ高めに設定され
る。一方、旋回時の内輪の車輪速度は外輪側よりも低く
なるため、この低速の内輪側の車輪速度は上記しきい値
VT1を超えるまでには至らず、ブレーキ液圧の加圧が行
なわれないことになり、液圧不足となって制動距離の増
大を招くという問題があった。
(発明の目的) そこで本発明は、旋回制動時における内輪側の車輪速
度が低速なことに起因するブレーキ液圧不足による制動
距離の増大を防止することができるアンチロック制御方
法を提供することを目的とする。
度が低速なことに起因するブレーキ液圧不足による制動
距離の増大を防止することができるアンチロック制御方
法を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、車両が旋回制動中であることを判定し、こ
の判定がなされた場合、これに応答して上記加圧開始判
定しきい値の上記擬似車体速度に対する所定の速度差
を、より大なる値に変更するようにしたことを特徴とす
る。
の判定がなされた場合、これに応答して上記加圧開始判
定しきい値の上記擬似車体速度に対する所定の速度差
を、より大なる値に変更するようにしたことを特徴とす
る。
(実 施 例) 以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に
説明する。
説明する。
第1図は本発明によるアンチロック制御方法を適用し
た3チャンネル・アンチロック制御装置を示すブロック
図である。この第1図の構成においては、加圧開始点判
定回路14〜16および旋回判定回路17を除き第5図の構成
と同一であるから、共通部分に同一符号を付して重複す
る説明は省略する。
た3チャンネル・アンチロック制御装置を示すブロック
図である。この第1図の構成においては、加圧開始点判
定回路14〜16および旋回判定回路17を除き第5図の構成
と同一であるから、共通部分に同一符号を付して重複す
る説明は省略する。
第1図の構成において、各制御ロジック回路9、10、
12には加圧開始点判定回路14、15、16が設けられてお
り、この加圧開始点判定回路14、15、16は、上記ロジッ
ク回路9、10、12とスイッチSW1、SW2、SW3を介して接
続されている。そして上記スイッチSW1、SW2、SW3は制
御ロジック回路9、10、12からの出力により、各系統別
に、減圧開始時点から加圧開始時点までの期間はONにな
り、それ以外の期間はOFFになるように制御される。ま
た、上記加圧開始点判定回路14〜16の各出力は上記旋回
判定回路17に与えられる。一方、各車輪速度Vw1〜Vw4を
あらわす信号は上記旋回判定回路17に送られ、ここで車
両が旋回中であるか否かの判定を行ない、さらにこの判
定回路17の出力は各制御ロジック回路9、10、12に送ら
れる。
12には加圧開始点判定回路14、15、16が設けられてお
り、この加圧開始点判定回路14、15、16は、上記ロジッ
ク回路9、10、12とスイッチSW1、SW2、SW3を介して接
続されている。そして上記スイッチSW1、SW2、SW3は制
御ロジック回路9、10、12からの出力により、各系統別
に、減圧開始時点から加圧開始時点までの期間はONにな
り、それ以外の期間はOFFになるように制御される。ま
た、上記加圧開始点判定回路14〜16の各出力は上記旋回
判定回路17に与えられる。一方、各車輪速度Vw1〜Vw4を
あらわす信号は上記旋回判定回路17に送られ、ここで車
両が旋回中であるか否かの判定を行ない、さらにこの判
定回路17の出力は各制御ロジック回路9、10、12に送ら
れる。
第2図は上記旋回判定回路17の動作を示すフローチャ
ートである。まずステップS1では、式 VA=|(Vw1+Vw3)−(Vw2+Vw4)|/2 であらわされる外輪側の前後2輪の平均速度から内輪側
の前後2輪の平均速度を減じた内外輪間の速度差VAを演
算する。次のステップS2では、式 C=Vv×K(但し、
Kは定数で、例えばK=0.04とする)であらわされる設
定速度差Cを演算し、ステップS3へ進む。このステップ
S3では、上記速度差VAと上記設定速度差Cとを比較し、
VA≧Cであれば、次のステップS4においてVA≧Cである
時間TMが所定時間TM1(例えば500mS)以上となったか否
かを判定する。そしてTM<TM1である間はステップS5で
上記時間TMをインクリメントしてステップS1へ戻る。次
にステップS4の判定で、時間TMが所定時間TM1に達した
場合、このことをもって旋回中であると判定し、ステッ
プS4からステップS6へ進んで全系統に対して旋回フラグ
をONにする。なお、上記ステップS3の判定結果がVA<C
となった場合には、ステップS7でTM=0とする。
ートである。まずステップS1では、式 VA=|(Vw1+Vw3)−(Vw2+Vw4)|/2 であらわされる外輪側の前後2輪の平均速度から内輪側
の前後2輪の平均速度を減じた内外輪間の速度差VAを演
算する。次のステップS2では、式 C=Vv×K(但し、
Kは定数で、例えばK=0.04とする)であらわされる設
定速度差Cを演算し、ステップS3へ進む。このステップ
S3では、上記速度差VAと上記設定速度差Cとを比較し、
VA≧Cであれば、次のステップS4においてVA≧Cである
時間TMが所定時間TM1(例えば500mS)以上となったか否
かを判定する。そしてTM<TM1である間はステップS5で
上記時間TMをインクリメントしてステップS1へ戻る。次
にステップS4の判定で、時間TMが所定時間TM1に達した
場合、このことをもって旋回中であると判定し、ステッ
プS4からステップS6へ進んで全系統に対して旋回フラグ
をONにする。なお、上記ステップS3の判定結果がVA<C
となった場合には、ステップS7でTM=0とする。
次に、上述のような旋回判定がなされた場合の処理を
第3図を参照して説明する。図において、内輪側車輪速
度Vwは、旋回時の内輪に相当する車輪の速度が系統速度
となった場合の速度変化をあらわし、加圧開始判定しき
い値VT1は擬似車体速度Vvに対し所定の速度差ΔV2また
はΔV3(但し、ΔV2<ΔV3であり、例えばΔV2=3km/
h、ΔV3=10km/hとする)をもって追従する速度しきい
値である。また、上記擬似車体速度Vvに対し所定の速度
差ΔV1(例えば、2km/h)をもって追従する速度しきい
値を旋回判定解除しきい値Vrとして設定し、各系統にお
いてその系統速度Vsが上記しきい値Vr以上となった場合
は、旋回判定フラグをOFFにするようにしている。車両
が旋回中と判定され、上記第2図のステップS7におい
て、旋回フラグがONになっており、かつ系統速度Vsとし
きい値Vrとの関係がVs<Vrの場合、上記加圧開始判定し
きい値VT1の擬似車体速度Vvに対する速度差を通常のΔV
2より大きな値であるΔV3に切換える。すなわち、ブレ
ーキ液圧の加圧開始判定条件の1つである上記しきい値
VT1をより低い速度に下げるようにしている。
第3図を参照して説明する。図において、内輪側車輪速
度Vwは、旋回時の内輪に相当する車輪の速度が系統速度
となった場合の速度変化をあらわし、加圧開始判定しき
い値VT1は擬似車体速度Vvに対し所定の速度差ΔV2また
はΔV3(但し、ΔV2<ΔV3であり、例えばΔV2=3km/
h、ΔV3=10km/hとする)をもって追従する速度しきい
値である。また、上記擬似車体速度Vvに対し所定の速度
差ΔV1(例えば、2km/h)をもって追従する速度しきい
値を旋回判定解除しきい値Vrとして設定し、各系統にお
いてその系統速度Vsが上記しきい値Vr以上となった場合
は、旋回判定フラグをOFFにするようにしている。車両
が旋回中と判定され、上記第2図のステップS7におい
て、旋回フラグがONになっており、かつ系統速度Vsとし
きい値Vrとの関係がVs<Vrの場合、上記加圧開始判定し
きい値VT1の擬似車体速度Vvに対する速度差を通常のΔV
2より大きな値であるΔV3に切換える。すなわち、ブレ
ーキ液圧の加圧開始判定条件の1つである上記しきい値
VT1をより低い速度に下げるようにしている。
次に第4図は旋回フラグがONになった場合の各系統に
おける加圧開始判定回路の動作を示すフローチャートで
ある。まずステップS10で旋回フラグがONであるか否か
を判定し、フラグONであれば、次のステップS11へ進
み、また、フラグOFFであるならば直接ステップS14へ進
むことになる。ステップS11では、擬似車体速度Vvより
もΔV1(例えば2km/h)だけ低い速度Vrを旋回判定解除
しきい値として設定し、次のステップS12で系統速度Vs
が上記しきい値Vr以上であるか否かを判定する。そして
Vs<VrであればステップS13へ進み、ここで旋回フラグ
がONであるか否かの判定をする。旋回フラグがOFFであ
る場合は、ステップS14で加圧開始判定しきい値VT1を、
擬似車体速度VvよりもΔV2(例えば3km/h)だけ低い速
度とする。一方、ステップS13において旋回フラグがON
であればステップS15で上記しきい値VT1の擬似車体速度
Vvに対する速度差をΔV3(例えば10km/h)に変更する。
次のステップS16では、系統速度Vsと上記しきい値VT1と
を比較し、Vs≦VT1であれば、系統速度Vsがしきい値VT1
に達した時点からの経過時間Tの計時を開始し、次のス
テップS17で系統速度の加速度・減速度dVs/dtが+0.2G
以下であるか否かの判定をする。この判定結果が「YE
S」であれば、次のステップS18で上記時間Tをインクリ
メントして次のステップS19でこの時間Tが所定時間T1
以上となったか否かの判定を行なう。また、ステップS1
6あるいはステップS17における判定結果が「NO」の場合
は共にステップS20で計時を中止し、T=0にする。上
記ステップS19でT≧T1となった場合、ここではじめて
ステップS21へ進み、ホールドバルブHV、ディケイバル
ブDV共にOFFにしてブレーキ液圧の加圧を開始する。
おける加圧開始判定回路の動作を示すフローチャートで
ある。まずステップS10で旋回フラグがONであるか否か
を判定し、フラグONであれば、次のステップS11へ進
み、また、フラグOFFであるならば直接ステップS14へ進
むことになる。ステップS11では、擬似車体速度Vvより
もΔV1(例えば2km/h)だけ低い速度Vrを旋回判定解除
しきい値として設定し、次のステップS12で系統速度Vs
が上記しきい値Vr以上であるか否かを判定する。そして
Vs<VrであればステップS13へ進み、ここで旋回フラグ
がONであるか否かの判定をする。旋回フラグがOFFであ
る場合は、ステップS14で加圧開始判定しきい値VT1を、
擬似車体速度VvよりもΔV2(例えば3km/h)だけ低い速
度とする。一方、ステップS13において旋回フラグがON
であればステップS15で上記しきい値VT1の擬似車体速度
Vvに対する速度差をΔV3(例えば10km/h)に変更する。
次のステップS16では、系統速度Vsと上記しきい値VT1と
を比較し、Vs≦VT1であれば、系統速度Vsがしきい値VT1
に達した時点からの経過時間Tの計時を開始し、次のス
テップS17で系統速度の加速度・減速度dVs/dtが+0.2G
以下であるか否かの判定をする。この判定結果が「YE
S」であれば、次のステップS18で上記時間Tをインクリ
メントして次のステップS19でこの時間Tが所定時間T1
以上となったか否かの判定を行なう。また、ステップS1
6あるいはステップS17における判定結果が「NO」の場合
は共にステップS20で計時を中止し、T=0にする。上
記ステップS19でT≧T1となった場合、ここではじめて
ステップS21へ進み、ホールドバルブHV、ディケイバル
ブDV共にOFFにしてブレーキ液圧の加圧を開始する。
一方、上記ステップS12において、系統速度Vsが旋回
判定解除しきい値Vr以上になっていればステップS22で
旋回フラグをOFFにするとともにステップS23で第2図の
フローチャートにおけるVA≧Cである時間TMをゼロとす
る。
判定解除しきい値Vr以上になっていればステップS22で
旋回フラグをOFFにするとともにステップS23で第2図の
フローチャートにおけるVA≧Cである時間TMをゼロとす
る。
以上が本発明によるアンチロック制御方法の実施例の
説明であるが、本実施例においては、車両の旋回を判定
するために、4輪セレクトハイ速度と4輪セレクトロー
速度との速度差VAを算出するとともに、この速度差VAの
比較基準として所定速度差Cを設定し、かつ上記速度差
Cの継続状態を判定するために所定時間TM1を設定して
いる。
説明であるが、本実施例においては、車両の旋回を判定
するために、4輪セレクトハイ速度と4輪セレクトロー
速度との速度差VAを算出するとともに、この速度差VAの
比較基準として所定速度差Cを設定し、かつ上記速度差
Cの継続状態を判定するために所定時間TM1を設定して
いる。
そして、上記速度差VAの上記設定速度差C以上である
状態がTM1時間以上継続した場合は、車両は旋回中であ
ると判定し、加圧開始判定しきい値VT1の擬似車体速度V
vに対する速度差を通常時のΔV2からΔV3(但し、ΔV2
<ΔV3)に変更することによって、旋回制動時における
制動力の不足を防止している。
状態がTM1時間以上継続した場合は、車両は旋回中であ
ると判定し、加圧開始判定しきい値VT1の擬似車体速度V
vに対する速度差を通常時のΔV2からΔV3(但し、ΔV2
<ΔV3)に変更することによって、旋回制動時における
制動力の不足を防止している。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明では、車両が
旋回制動中であることを判定し、この判定がなされた場
合、これに応答して加圧開始判定しきい値VT1を、これ
よりも低速のものに変更するようにしているので、旋回
時の内輪側の系統速度Vsがこのしきい値VT1を超えるこ
とができ、したがってブレーキ液圧の不足による制動距
離の増大を防止することができる。
旋回制動中であることを判定し、この判定がなされた場
合、これに応答して加圧開始判定しきい値VT1を、これ
よりも低速のものに変更するようにしているので、旋回
時の内輪側の系統速度Vsがこのしきい値VT1を超えるこ
とができ、したがってブレーキ液圧の不足による制動距
離の増大を防止することができる。
第1図は本発明を適用した3系統アンチロック制御装置
のブロック図、第2図はその旋回判定回路の動作を示す
フローチャート、第3図は本発明の説明に供する図、第
4図はその加圧開始点判定回路の動作を示すフローチャ
ート、第5図は従来のアンチロック制御方法における3
系統アンチロック制御装置のブロック図、第6図は従来
のアンチロック制御における制御状態図である。 1〜4……車輪速度センサ 5〜8……演算回路 9、10、12……制御ロジック回路 11……ローセレクト回路 13……擬似車体速度演算回路 14〜16……加圧開始点判定回路 17……旋回判定回路
のブロック図、第2図はその旋回判定回路の動作を示す
フローチャート、第3図は本発明の説明に供する図、第
4図はその加圧開始点判定回路の動作を示すフローチャ
ート、第5図は従来のアンチロック制御方法における3
系統アンチロック制御装置のブロック図、第6図は従来
のアンチロック制御における制御状態図である。 1〜4……車輪速度センサ 5〜8……演算回路 9、10、12……制御ロジック回路 11……ローセレクト回路 13……擬似車体速度演算回路 14〜16……加圧開始点判定回路 17……旋回判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−109789(JP,A) 特開 平1−148647(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/58 B60T 8/66
Claims (1)
- 【請求項1】車両の4つの車輪速度のうちの最速の車輪
速度にもとづいて擬似車体速度を算出するとともに、こ
の擬似車体速度に対して所定の速度差をもって追従する
速度を加圧開始判定しきい値として設定し、加速中の車
輪速度が上記加圧開始判定しきい値を超えた後にブレー
キ液圧の加圧を開始するようにしたアンチロック制御方
法において、 左前後輪の平均速度と右前後輪の平均速度との差が所定
速度以上である状態が所定時間継続した場合には車両が
旋回制動中であると判定し、この判定がなされた場合、
これに応答して上記加圧開始しきい値の上記擬似車体速
度に対する所定の速度差を、より大なる値に変更するよ
うにしたことを特徴とするアンチロック制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1173902A JP2799738B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 車両のアンチロック制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1173902A JP2799738B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 車両のアンチロック制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0342366A JPH0342366A (ja) | 1991-02-22 |
JP2799738B2 true JP2799738B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=15969203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1173902A Expired - Fee Related JP2799738B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 車両のアンチロック制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2799738B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49109789A (ja) * | 1973-02-21 | 1974-10-18 | ||
JPH01148647A (ja) * | 1987-12-04 | 1989-06-12 | Akebono Brake Ind Co Ltd | アンチロック制御方法 |
-
1989
- 1989-07-07 JP JP1173902A patent/JP2799738B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0342366A (ja) | 1991-02-22 |
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