JP2827332B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光磁気ディスク等のディスク状記録媒体を
収納した状態で記録再生可能としたディスクカートリッ
ジに関する。

〔発明の概要〕

本発明は、ディスク状記録媒体を回転自在に収納する
ディスクカートリッジであって、カートリッジ本体の記
録媒体の一部が外方に臨む開口部を開閉するシャッタに
一対のガイド片を形成し、この両ガイド片を夫々カート
リッジ本体の異なる部面に形成されたガイド溝に係合さ
せたことにより、シャッタの脱落が防止されると共に開
閉において揺動することなく円滑な開閉動作を確保でき
るようにしたものである。

〔従来の技術〕

光ディスクを回転自在に収納し、且つ光ヘッド装置に
よって収納された光ディスクに信号の書込みや読み取り
を行えるようにしたディスクカートリッジとして、例え
ば実願平１−22572号や実願平１−63698号において提案
されたものがある。

これらのディスクカートリッジには光ヘッド装置によ
る信号の書込み・読み取り（記録・再生）を行なうため
に収納光ディスクの一部を外方に臨ませる開口部が形成
されており、そして、この開口部から異物、塵埃等が侵
入したり、ディスク面に手指が不用意に触れることがな
いように、この開口部を閉塞するシャッタが取り付けら
れている。

このシャッタは、ガイド片が設けられてカートリッジ
本体に形成されたガイド溝に係合され、このガイド溝に
沿って開口部方向に摺動自在とされると共に、開口部を
常時閉塞するようにバネ材により偏倚されており、不使
用時には開口部は閉塞状態で保持され、記録再生装置に
装着した時に装置側のシャッタ解除機構がバネ材の偏倚
力に抗してシャッタを押し開き、これにより開口部が開
放されて収納光ディスクが外方に臨むような構造とされ
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述の構造を有するディスクカートリッジにおいて、
カートリッジ本体に設けられた開口部を閉塞するために
取り付けられるシャッタは、ステンレス板等の金属の薄
板を開口部の形状等に応じて打抜き、折曲加工すること
により形成される。

このシャッタの形成において開口部に対応する閉塞面
部と同時に前述したガイド片及びバネ材と係合する係合
片等も同時に形成されるが、ガイド片は閉塞面部に比べ
て著しく幅狭の舌片を折曲げ加工することにより形成さ
れることから外力に弱い形状となり、外方に向かって変
形、即ち折り曲げが戻り易く、このため、カートリッジ
本体に設けられたガイド溝から外れ、シャッタが不用意
にカートリッジ本体から脱落するおそれがある。

また、シャッタにガイド片を一片だけ形成したもの
は、このシャッタの開口部を開閉するカートリッジ本体
に対する摺動において揺動し易く、円滑な開閉動作が行
えなくなる不具合がある。

前述した従来技術の、実願平１−63698号において提
案されるものは、シャッタにガイド片が一対形成されて
カートリッジ本体に対して円滑に摺動動作できるように
なされているが、シャッタの両ガイド片はカートリッジ
本体の主面に形成されたガイド溝に挿入係合されてお
り、このガイド溝はカートリッジ本体の一方のハーフの
主面の前縁に沿って形成されているので、このガイド溝
が設けられている部分の肉厚が薄くなり、このためカー
トリッジ本体の強度が低下し、特に記録再生装置への装
着の際、シャッタから衝撃が加わることにより破損する
おそれがある。

また、シャッタ自体の形状も複雑で加工工程が煩雑に
なりコスト高になる不都合があった。

本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、カ
ートリッジ本体の強度を低下させることなく、簡単な構
成でシャッタの円滑な開閉動作を確保できるようにした
ディスクカートリッジを提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明によるディスクカ
ートリッジは、上ハーフ及び下ハーフが組み合わされ、
ディスクを回転自在に収納すると共にディスクの一部を
外方に臨ませる一対の開口部が形成されたカートリッジ
本体と、カートリッジ本体の一方の主面にカートリッジ
本体と平行に形成された第１のガイド溝と、カートリッ
ジ本体のひとつの側面に設けられた第２のガイド溝と、
開口部を各々開閉する一対の面部と一対の面部を連結す
る連結部と一対の面部のいずれか一方の面部に連結部と
平行に形成された第１のガイド片と連結部に面部と平行
に形成され段差部が設けられた第２のガイド片とを有
し、カートリッジ本体に開口部を面部によって開閉可能
に取り付けられたシャッタと、第２のガイド溝を上下ハ
ーフのうちの何れか一方のハーフに形成された溝部と他
方のハーフの上下ハーフが組み合わされたときに溝部と
相対向するように形成された凹段面とから構成し、第１
のガイド片を第１のガイド溝に係合させるとともに第２
のガイド片を第２のガイド溝に挿入して第２のガイド片
の段差部を溝部の内面に係合させて構成したものであ
る。

上記構成において、上記第１のガイド片と上記第２の
ガイド片のうちいずれか一方のガイド片が、上記シャッ
タの当該シャッタの開閉方向の一方の側に形成されてい
るとともに他方のガイド片が上記シャッタの当該シャッ
タの開閉方向の他方の側に形成されるものである。

〔作用〕

第１と第２のガイド片が、カートリッジ本体の別個の
部面に形成されたガイド溝に係合して摺動されることに
より、がたついたり、脱落することなく、安定して円滑
に開閉動作され、また、カートリッジ本体にはシャッタ
のガイド片のガイド溝を別個の部面に形成したことによ
り、強度が低下することなくディスクを確実に保持でき
る。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

図において（１）はディスクカートリッジの全体を示
し、合成樹脂で形成された略平板状で方形状をなす上下
ハーフ（２），（３）を合体して成るカートリッジ本体
（４）内にディスク状記録媒体としての光磁気ディスク
（以下、光ディスクと云う）Ｄを回転自在に収納させた
もので、上下ハーフ（２），（３）は上下に突き合され
て溶着等により合体され、後面部に形成された口部
（５）から光ディスクＤを挿入して収納し、この口部
（５）は蓋（６）により開口する。

上下ハーフ（２），（３）には記録ディスクＤの中心
孔ｄに対応する中央部から一側面部、即ち前面部にわた
って開口部（７），（８）が設けられており、この開口
部（７），（８）から光ディスクＤの中心孔ｄの周囲面
部及びその周囲面から外周、即ちチャッキング部から信
号記録面にかけての一部面を外方に臨ませるようになさ
れている。この開口部（７），（８）の光ディスクＤの
中心孔ｄに対応する内半部側には、上ハーフ（２）の開
口部（７）においてはチャッキングプレートが、一方、
下ハーフ（３）の開口部（８）においてはターンテーブ
ルが挿入され、また開口部（７）の外半部側には磁界発
生用コイル（バイアスマグネット）が対応され、一方、
開口部（８）の外半部側には光学ヘッドが対応される。

このカートリッジ本体（４）の開口部（７），（８）
の外端部側の連結部を肉薄部面（2a），（3a）として形
成して、上下ハーフ（２），（３）の外面（主平面）よ
り低位面になされており、この低位面により記録再生装
置に装填する際の光学ヘッド系に対する逃げ部となり、
即ち光ディスクＤが光磁気ディスクの場合は薄肉連結部
（2a）と（3a）は磁界発生用コイル（バイアスマグネッ
ト）と光学ピックアップの逃げ部となって、これにより
光磁気ディスク面を磁界発生用コイル及び光学ピックア
ップに近接することができて消費電力の低減、コイル発
熱の低下等が可能となる。

また、この上下ハーフ（２），（３）の内面には前半
部側が開口部（７），（８）の内端部側、即ち上記チャ
ッキング部に対応する部位を中心として収納光ディスク
Ｄの外径よりやや大きい半円弧状とし、後半部側がこの
半円弧状部の両端から平行に連続する平行状としたリブ
（９），（10）が立上り形成されて、このリプ（９），
（10）の内側には収納光ディスクＤの外径より小径の円
形凹面（11），（12）が形成され、さらにこの凹面（1
1），（12）の内面側には凹面の外周囲面と同じ高さの
断面かまぼこ状の円形リブ（13），（14）が形成されて
いる。

そして、この上下ハーフ（２），（３）間の後面側の
口部（５）を閉口する蓋（６）の内面側には上下ハーフ
（２），（３）の後部間に挿入される挿入板（15）が一
体に設けられて、この挿入板（15）の内面側は前述した
リブ（９），（10）の半円弧状部と対応する凹弧状面
（15a）に形成され、この凹弧状面（15a）と互いに突き
合されるリブ（９），（10）とによりディスク収納部
（16）が構成される。

なお、蓋（６）は下ハーフ（３）の後縁部の一端側に
後方へ回動可能に軸着して上ハーフ（２）に対応する方
形状を形成するようになされている。

さらに、カートリッジ本体（４）の外面側には、上下
ハーフ（２），（３）の開口部（７），（８）を開閉す
るシャッタ（17）が摺動自在に取付けられており、また
カートリッジ本体（４）の前面側内部には誤記録防止部
材（18）及びシャッタ（17）を閉塞方向に付勢するトー
ションバネ（19）が取り付けられ、上下ハーフ（２），
（３）の外面側にはシャッタガイド部材（20），（21）
が取り付けられている。

このシャッタ（17）は、ステンレス板等の金属板を折
曲形成してなるものであって、上ハーフ（２）側の開口
部（７）を閉塞する第１の閉塞面部（17a）と下ハーフ
（３）側の開口部（８）を閉塞する第２の閉塞面部（17
b）とこれら第１及び第２の閉塞面部（17a），（17b）
を連結する連結面部（17c）とから断面コ字状に形成さ
れてなる。このように形成されたシャッタ（17）は、第
１及び第２の閉塞面部（17a），（17b）が上下ハーフ
（２），（３）の開口部（７），（８）上に延在するよ
うにしてカートリッジ本体（４）の前面側から外面側に
亘って嵌合すると共にこの両閉塞面部（17a），（17b）
の先端部（17a₁），（17b₁）をシャッタガイド部材（2
0），（21）によって形成されたガイド溝内に挿入する
ことによりカートリッジ本体（４）の平面部側を摺動す
るように取付けられる。また、このシャッタ（17）は、
カートリッジ本体（４）の前面側の一方のコーナ部に配
設されるトーションバネ（19）によって開口部（７），
（８）を閉塞する方向に常時摺動付勢され、連結面部
（17c）の一端側に形成された操作ピン挿入係合孔（2
2）に係合される装置側の操作ピンによって移動操作さ
れて開蓋操作される。従って、シャッタ（17）は、開口
部（７），（８）を閉塞する位置からこれら開口部
（７），（８）を開放するカートリッジ本体（４）の一
側方側位置に亘る範囲で移動操作される。

このように動作されるシャッタ（17）には、このシャ
ッタ（17）をカートリッジ本体（４）に係止し、また円
滑な摺動を実現するためのガイド片（23），（24）及び
トーションバネ（19）の一端を係合するための係合片
（25）が設けられている。

ガイド片（23），（24）はカートリッジ本体（４）に
形成されるガイド溝（26），（27）に係合され、シャッ
タ（17）はこれらガイド溝（26），（27）に沿って摺動
されるもので次の如く形成されている。

即ち、一方のガイド片（23）は、シャッタ（17）の第
２の閉塞面部（17b）の一側縁にこの面と同一面上に突
設した突片部（28）の内縁端側に第１の閉塞面部（17
a）に向かって直角に折り曲げて形成されている。ま
た、他方のガイド片（24）は、連結面部（17c）と他側
部、即ち前記一方のガイド片（23）と相反する側の側端
部に、内方に向かって直角（第１及び第２の閉塞面部
（17a），（17b）と平行）に折り曲げて形成した支持片
部（29）の側端部を延長して前側に段差部（24a）を有
して形成されている。

そして、このシャッタ（17）の一方のガイド片（23）
は、カートリッジ本体（４）の下側主平面、即ち下ハー
フ（３）の外面側にその前面と平行に形成されたガイド
溝（26）に係合される。また他方のガイド片（24）はカ
ートリッジ本体（４）の前面側、即ち上下ハーフ
（２），（３）の前端面間に形成されたガイド溝（27）
に係合される。

このガイド溝（27）は図示例においては下ハーフ
（３）の前端部、即ち開口部（８）の前側肉薄部（3a）
の内面前縁側に前端面に平行に形成されたアンダーカッ
ト状溝部（27a）と上ハーフ（２）の前縁部、即ち開口
部（７）の前側肉薄部（2a）の内面側に前端面から下ハ
ーフ（３）の溝部（27a）に対応する部位にかけて形成
された凹段面（27b）により上下ハーフ（２），（３）
を突き合せ合体することによって構成される。

このように上下ハーフ（２），（３）の前端部間に構
成されるガイド溝（27）に凹段面（27b）によってスリ
ット部が形成され、このスリット部の内側にアンダーカ
ット状溝部（27a）を有することになり、スリット部に
シャッタ（17）のガイド片（24）に連続する支持片部
（29）が挿入されることにより、ガイド片（24）が溝部
（27a）に係合されて、このガイド片（24）の段差部（2
4a）の前端縁が溝部（27a）の内側前面に対向すること
になる。

また、トーションバネ（19）の一端を係合する係合片
（25）はシャッタ（17）の連結面部（17c）の一側部、
即ち前記一方のガイド片（23）と対応する側の側端部の
中間部に内方に向かって直角（第１及び第２の閉塞面部
（17a），（17b）と平行）に切起し状に折り曲げて形成
されている。

そして、この係合片（25）に、カートリッジ本体
（４）の両側の一方のコーナ部に収容されたトーション
バネ（19）、即ち上下ハーフ（２），（３）の一方のコ
ーナ部の前壁部及び側壁部とリブ（９），（10）の円弧
状部とにより囲まれ、前壁部の切欠き凹部（2b），（3
b）により開放部が形成される中空部（30）に収容され
て他端部が側壁部に突き当たり係止されるトーションバ
ネ（19）の一端部を係合することによりシャッタ（17）
を常時閉塞方向に付勢するようになされている。

以上のようにカートリッジ本体（４）に取り突けられ
るシャッタ（17）は一対のガイド片（23），（24）のう
ち一方のガイド片（23）がカートリッジ本体（４）の一
方の主平面を形成する下ハーフ（３）の外面側に形成さ
れたガイド溝（26）に係合される。また他方のガイド片
（24）はカートリッジ本体（４）の前面側において上下
ハーフ（２），（３）の前端部間に挟持された状態でガ
イド溝（27）に係合される。即ち、ガイド片（24）は支
持片部（29）がガイド溝（27）の凹段面（27b）によっ
て形成されるスリット部に位置した状態でアンダーカッ
ト状溝部（27a）に位置して段差部（24a）の端縁が溝部
（27a）の前側内面に係合される。従ってシャッタ（1
7）はカートリッジ本体（４）に対して直交する二方向
から係合することになてってカートリッジ本体（４）か
らの脱落が防止され、開口部（７），（８）の開閉方向
に安定して円滑に摺動されてカートリッジ本体（４）内
に収納される光ディスクＤの記録再生が確実に行える。

またディスクカートリッジの不使用時には、トーショ
ンバネ（19）の弾性力によって常に開口部（７），
（８）が第１の閉塞面部（17a）、第２の閉塞面部（17
b）によって閉塞されるように付勢されて使用者が不用
意に収納光ディスクＤに触れるおそれがなく、またカー
トリッジ本体（４）内への異物や塵埃等の進入が防止さ
れる。

以上の構成において、ガイド溝（27）のアンダーカッ
ト状溝部（27a）を上ハーフ（２）の前側内面に、また
スリット部を形成する凹段面（27b）を下ハーフ（３）
の前側内面にそれぞれ形成してもよい。

なお、上下ハーフ（２），（３）の前側肉薄部（2
a），（3b）間には金属板等から形成される剛性補強片
（31）を介在させてあり、図示の例では上ハーフ（２）
の前側肉薄部（2a）の内面に埋込むように接合させてあ
る。これにより上下ハーフ（２），（３）の前側、即ち
開口部（７），（８）の外端側連結部を肉薄部（2a），
（3a）として形成しても強度が損なわれることはない。

一方、誤記録防止部材（18）はカートリッジ本体
（４）の前面側近傍であってシャッタ（17）の移動領域
中に入らない部位に取り付けられる。

即ち、カートリッジ本体（４）の前面側の他方のコー
ナ部に誤記録防止部材（18）の第１、第２及び第３の被
検出子（32a），（32b），（32c）がそれぞれ嵌合して
臨む第１、第２及び第３の検出孔（33a），（33b），
（33c）が設けられている。第１の検出孔（33a）は、カ
ートリッジ本体（４）の前面のシャッタ（17）によって
覆われない部分に形成されている。第１の検出孔（33
a）を構成するため、上下ハーフ（２），（３）の前面
を構成する立上り壁には、切欠き凹部（33a₁），（33
a₂）が切欠き状に形成されている。また、第２の検出孔
（33b）は、前面に対し直交するカートリッジ本体
（４）の一方の主平面である上面を構成する上ハーフ
（２）に設けられ、第３の検出孔（33c）は、第２の検
出孔（33b）と対向するカートリッジ本体（４）の他方
の主平面である下面を構成する下ハーフ（３）に設けら
れている。即ち、第１、第２及び第３の検出孔（33
a），（33b），（33c）は、カートリッジ本体（４）の
異なる三面にそれぞれ設けられている。なお、第１、第
２及び第３の検出孔（33a），（33b），（33c）は、第
１、第２及び第３の被検出子（32a），（32b），（33
c）を第１の位置及び第２の位置にそれぞれ移動可能と
なす大きさに形成されている。

また、誤記録防止部材（18）は、第９図及び第10図に
示すように、第１、第２及び第３の被検出子（32a），
（32b），（32c）を一体に形成して構成されている。そ
して、上記第１、第２及び第３の被検出子（32a），（3
2b），（32c）は、誤記録防止部材（18）をカートリッ
ジ本体（４）内に配設したとき、第１、第２及び第３の
被検出孔（33a），（33b），（33c）にそれぞれ嵌合し
得るように設けられている。すなわち、上下に連続する
第２及び第３の被検出子（32b），（32c）に直交するよ
うに第１の被検出子（32a）を突設させて構成されてい
る。この誤記録防止部材（18）の第１の被検出子（32
a）が突設された側と対向する基端側には、両端に係止
突条部（34a），（34b）を設けた弾性変位可能なスライ
ドガイド片（34）が設けられている。

上述のように構成された誤記録防止部材（18）は、第
１、第２及び第３の被検出子（32a），（32b），（32
c）が、第10図に示すように、第１、第２及び第３の検
出孔（33a），（33b），（33c）にそれぞれ嵌合し得る
ようにして上下ハーフ（２），（３）間に形成された嵌
合凹部（35）内に配設される。この嵌合凹部（35）は、
第１、第２及び第３の被検出子（32a），（32b），（32
c）が第１、第２及び第３の検出孔（33a），（33b），
（33c）内の第１の位置及び第２の位置に亘って移動し
得るように、誤記録防止部材（18）を移動可能に支持す
る大きさに形成されている。そして、誤記録防止部材
（18）は、第３の被検出子（32c）を第３の検出孔（33
c）に係合して嵌合凹部（35）の下ハーフ（３）側内に
嵌合し、この状態で下ハーフ（３）に対して上ハーフ
（２）を突き合せ合体することにより、スライドガイド
片（34）が嵌合凹部（35）の背面壁（36）に圧接するよ
うにして取付けられる。そして、背面壁（36）の上ハー
フ（２）側の壁部（36a）には、第１、第２及び第３の
被検出氏（32a），（32b），（32c）が第１、第２及び
第３の検出孔（33a），（33b），（33c）内の第１の位
置及び第２の位置に移動されるに応じてスライドガイド
片（34）の係止突条部（34a），（34b）が選択的に係合
する４個の被係止凹部（37a），（37b），（37c），（3
7d）が形成されている。誤記録防止部材（18）は、スラ
イド操作され係止突条部（34a），（34b）を４個の被係
止凹部（37a）〜（37d）の２個ずつに選択的に係合させ
ることによって、第１、第２及び第３の被検出子（32
a），（32b），（32c）を第１、第２及び第３の検出孔
（33a），（33b），（33c）内の第１の位置又は第２の
位置に選択的に保持させる。

なお、この誤記録防止部材（18）のスライド操作はペ
ン先等の通常使用者の手元にあるもので行なえるように
検出孔、図示例では第３の検出孔（33c）の両端に挿入
溝（33c₁），（33c₂）を形成してある。

上述のように構成される。そして、誤記録防止部材
（18）は、第１、第２及び第３の被検出子（32a），（3
2b），（32c）のいずれか（図示例では第３の被検出子
（32c））を押圧操作することにより移動操作され、第
１、第２及び第３の被検出子（32a），（32b），（32
c）を、第１、第２及び第３の検出孔（33a），（33
b），（33c）内の一方に移動された第１の位置及び他方
に移動された第２の位置に選択的に移動させる。上記第
１、第２及び第３の被検出子の第１、第２及び第３の検
出孔内における位置を可変させることにより、当該ディ
スクカートリッジが記録可能な状態にあるか記録を禁止
する状態にあるかを表示する。

また、カートリッジ本体（４）を構成する下ハーフ
（３）の外側面の両側部にはこのディスクカートリッジ
を記録再生装置内のディスク装着部に装着したとき、デ
ィスクカートリッジの位置決めをなす位置決めピンが係
合する位置決め孔（38），（39）が第５図に示すように
設けられている。すなわち、誤記録防止部材（18）は、
一方の位置決め孔（38）の近傍位置に配設されてなる。
そのため、ディスクカートリッジを記録再生装置の装着
したとき、誤記録防止部材（18）の記録再生装置側に設
けられる検出装置に対し正確な位置決めが図られる。

このように構成されたディスクカートリッジによれ
ば、第１、第２及び第３の被検出子（32a），（32b），
（32c）が、カートリッジ本体（４）の互いに異なる三
面に位置するので、検出装置を取付け位置に制約を受け
ることなく配置することができる。

また、このディスクカートリッジは、記録再生装置内
の所定装着位置に装着される前にシャッタ（17）を移動
操作して開口部（７），（８）を開放する必要がある。
そこで、この種のディスクカートリッジは、シャッタ
（17）の取付けられた前面側から記録再生装置に装着さ
れていく。上述のように誤記録防止部材（18）をシャッ
タ（17）が配設される前面側に位置して設けることによ
り、ディスクカートリッジの記録再生装置への装着操作
時に上記第１、第２及び第３の被検出子（32a），（32
b），（32c）のいずれかの位置検出を行なう構成となす
ことができる。特にディスクカートリッジ装着操作用の
カートリッジホルダーを用いて装着操作を行なうように
構成した記録再生装置にあっては、上記カートリッジホ
ルダー内に検出装置を設けることができ、迅速な誤記録
の検出操作を行なうことができる。

上述の実施例では、誤記録防止部材（18）をカートリ
ッジ本体（４）の前面側に設けた例を挙げて説明した
が、シャッタ（17）が嵌合配設される前面側と対向する
後面側のコーナ部に設けるようにしてもよい。このよう
に構成したものであっても、記録再生装置側に設けられ
る検出装置の取付け位置の制約を解除することができ
る。

また、被検出子（32a），（32b），（32c）は、カー
トリッジ本体（４）の前面、あるいは側面又は後面のい
ずれかの一側面と、いずれか一方の平面に臨むように設
けることにより、ディスク回転駆動装置が配設される側
に少なくとも検出装置を位置させることができ、上記デ
ィスク回転駆動装置側に機構の簡素化を達成できる。

さらに、上述の実施例では、ディスク状記録媒体を収
納したディスクカートリッジの例を挙げて説明したが、
磁気テープ等のテープ状記録媒体を収納するものにも適
用でき、上記実施例と同様の作用効果を実現できる。

以上、本発明を適用した具体的な実施例について説明
したが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
く、各部材の形状、材質、大きさ及び配置関係は本発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能であ
る。

〔発明の効果〕

以上のように本発明のディスクカートリッジにおいて
は、ディスクの一部を外方に臨ませる一対の開口部が形
成されたカートリッジ本体の一方の主面に第１のガイド
溝が形成されるとともにひとつの側面に第２のガイド溝
が設けられ、このカートリッジ本体に開口部を開閉可能
に取り付けられたシャッタに一対の面部のいずれか一方
の面部に連結部と平行に第１のガイド片を形成するとと
もに段差部を有し連結部に面部と平行に第２のガイド片
を形成し、第１のガイド片を第１のガイド溝に係合させ
るとともに第２のガイド片を第２のガイド溝に挿入して
第２のガイド片の段差部を溝部の内面に係合させること
によって、シャッタがカートリッジ本体の主面及び側面
の２方向から係合してシャッタのカートリッジ本体の移
動の際にがたつくことを防止するのみならず、第２のガ
イド片の段差部が第２のガイド溝の溝部の内面に係合さ
せることによってシャッタのカートリッジ本体から抜け
又はカートリッジ本体の主面と平行な方向のショッタの
移動を規制することができる。

また、このようにカートリッジ本体の側面に形成され
る第２のガイド溝を上下ハーフのうちの何れか一方のハ
ーフに形成された溝部と他方のハーフの上下ハーフが組
み合わされたときに溝部と相対向するように形成された
凹段面とから構成しているので、ディスクカートリッジ
全体としての厚みの薄い場合であってもガイド溝の深さ
を充分に確保することができるのでシャッタの第２のガ
イド片との係合を充分に確保することができてシャッタ
はカートリッジ本体に対して脱落が防止されると共に安
定して円滑に摺動できて開口部の開閉動作を常に確実に
行なうことができ、収納ディスクの保護と良好な記録再
生動作を確保でき、信頼性の高いディスクカートリッジ
を提供できるものである。

また、シャッタの第２のガイド片が係合される、溝部
と凹段面部とにより形成される第２のガイド溝は、上ハ
ーフと下ハーフの組み合わせにより容易に形成できるの
でカートリッジ本体自体の作製も簡単化される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるディスクカートリッジに適用する
シャッタの一例の要部概略斜視図、第２図は本発明によ
るディスクカートリッジの一例の要部の縦断面図、第３
図は同、要部の横断面図、第４図は同、ディスクカート
リッジの表面側斜視図、第５図は裏面側斜視図、第６図
は分解斜視図、第７図は同、ディスクカートリッジの上
ハーフの内面側斜視図、第８図は第４図のＡ−Ａ線拡大
断面図、第９図は誤記録防止部の斜視図、第10図は第４
図のＢ−Ｂ線拡大断面図である。 図中、（２）は上ハーフ、（３）は下ハーフ、（４）は
カートリッジ本体、（７），（８）は開口部、（17）は
シャッタ、（23），（24）はガイド片、（26），（27）
はガイド溝、Ｄはディスクである。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上ハーフ及び下ハーフが組み合わされ、デ
   ィスクを回転自在に収納すると共にディスクの一部を外
   方に臨ませる一対の開口部が形成されたカートリッジ本
   体と、 上記カートリッジ本体の一方の主面に上記カートリッジ
   本体と平行に形成された第１のガイド溝と、 上記カートリッジ本体の上記ひとつの側面に設けられた
   第２のガイド溝と、 上記開口部を各々開閉する一対の面部と上記一対の面部
   を連結する連結部と上記一対の面部のいずれか一方の面
   部に上記連結部と平行に形成された第１のガイド片と上
   記連結部に上記面部と平行に形成され段差部が設けられ
   た第２のガイド片とを有し、上記カートリッジ本体に上
   記開口部を上記面部によって開閉可能に取り付けられた
   シャッタと、 上記第２のガイド溝を上記上下ハーフのうちの何れか一
   方のハーフに形成された溝部と他方のハーフの上記上下
   ハーフが組み合わされたときに上記溝部と相対向するよ
   うに形成された凹段面とから構成し、上記第１のガイド
   片を上記第１のガイド溝に係合させるとともに上記第２
   のガイド片を上記第２のガイド溝に挿入して上記第２の
   ガイド片の上記段差部を上記溝部の内面に係合させたデ
   ィスクカートリッジ。
2. 【請求項２】上記第１のガイド片と上記第２のガイド片
   のうちいずれか一方のガイド片が、上記シャッタの当該
   シャッタの開閉方向の一方の側に形成されているととも
   に他方のガイド片が上記シャッタの当該シャッタの開閉
   方向の他方の側に形成されている特許請求の範囲１に記
   載のディスクカートリッジ。