JP2824824B2 - 球状炭素粉末,球状黒鉛粉末およびその製造方法 - Google Patents
球状炭素粉末,球状黒鉛粉末およびその製造方法Info
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Description
状であり充填性にすぐれた球状炭素粉末又は球状黒鉛粉
末に関するもので、またかかる球状炭素粉末又は球状黒
鉛粉末を、従来のように多量の溶剤を使用することなく
製造する方法に関する。
性などを付与する黒鉛質フィラーやリチウム電池を主と
する各種の電池の充填剤として、炭素粉末または黒鉛粉
末が使用されている。
鉛粉末,天然黒鉛粉末などの黒鉛粉末は、結晶化性にす
ぐれ導電性は充分に備えているが、形状が球状でないた
め、充填性に問題があり、リチウム電池等の用途には不
向きである。
をベースとした炭素粉末が使用されることもあるが、こ
れらは結晶化性が悪く、充分な導電性が得られない。
分に備えかつ球形であり、充填性のよい炭素、黒鉛材料
としてメソカーボンマイクロビーズが使用されている。
しかしこのメソーカーボンマイクロビーズは、例えば特
開平1ー219010号公報、特開平1−212208
号公報の発明のように、製造の際にマトリックスピッチ
からビーズを分離するのに多量の溶剤を使用するため、
製造時の環境面、コスト面で問題があった。
解決するために、本発明者は、結晶化性が高く導電性に
すぐれ、かつ球状であり充填性にもすぐれた炭素又は黒
鉛粉末を提供しようとするものである。また前記の球状
炭素粉末または球状黒鉛粉末を、多量の溶剤を使用する
ことなく、環境面、コスト面で有利に製造できる方法を
提案するものである。
ために、発明者が提案するのは、キノリン可溶分が95
%以上であるバルクメソフェーズピッチを3μm〜25
μmに微粉砕して、これを空気中で200℃〜350℃
で酸素含有率が5wt%〜15wt%になるまで熱処理
することにより表層のみを酸化処理した後、不活性雰囲
気下で800〜3000℃で熱処理して得られる球状炭
索粉末または球状黒鉛粉末の製造方法であり、前記の方
法で得られる球状炭素粉末または球状黒鉛粉末である。
およびその製造方法について以下に詳細に説明する。本
発明においては、出発原料として加熱下で軟化溶融する
バルクメソフェーズピッチを使用する。このバルクメソ
フェーズピッチを得る方法として代表的なものは、特開
昭64ー33186号記載の方法である。すなわちコー
ルタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出
し、これを水素添加、重質化処理を行うことによって得
られるメソフェーズピッチである。また前記の重質化処
理後、微粉砕し、次いでベンゼンまたはトルエンにより
溶剤可溶分を除去して得られるメソフエーズピッチであ
る。
てまたは大部分が、キノリン可溶分(QS)であり、キ
ノリン可溶分(QS)が95%以上、キノリン不溶分
(QI)が5%以下のものとする。キノリン可溶分(Q
S)が95%未満のものを使用すると表層のみ酸化して
も、一般に軟化点が350℃と高いため、内部が液相炭
化せず、固相炭化するため製品が破砕状のままとなり、
球状のものが得られない。
m〜25μmに微粉砕をする。25μm以上に粉砕する
と実使用上粒子径が大きくなり過ぎ好ましくなく、3μ
m以下であると、充填性が低下し不都合が生じる。
ッチを空気中で約200℃〜350℃で熱処理すること
により、軽度に酸化処理する。この酸化処理によって、
バルクメソフェーズピッチは表面のみ不融化され、次工
程の熱処理の際の溶融、融着が防止される。
ッチは酸素含有率が5wt%〜15wt%である。5w
t%より少ないと熱処理時の融着が激しいので好ましく
なく、15wt%より多いと粒子内部まで酸素化されて
しまい、形状が破砕状のまま炭素化し球状のものが得ら
れなくなる。
ズピッチを窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、約
800〜3000℃で熱処理することにより、球状炭素
粉末または黒鉛粉末が得られる。このようにして得られ
た球状炭素粉末または黒鉛粉末は、真球状である。また
結晶性も高く導電性にもすぐれている。
ば硬度にすぐれた炭素質の球状粉末が得られ、摺動材用
フィラー等の用途に好適である。熱処理温度が2000
℃〜3000℃ならば導電性にすぐれた黒鉛質の球状粉
末が得られ、リチウム電池、自己制御性面状発熱体、異
方導電感圧スイッチ、接点用導電性フィラー等にすぐれ
た特性を発揮できる。
9%,キノリン不溶分(QI) 1wt%,キノリン可溶分
(QS) 99wt%、軟化点310℃のバルクメソフェー
ズピッチを粉砕し、3〜25μmとし、熱風循環式炉内
で、300℃/h の昇温速度で270℃保持なしの熱処
理を行い、酸素含有率8wt%の酸素化バルクメソフェ
ーズピッチ粉を得た。
昇温速度で1000℃で30min保持して炭素化粉を
得、続いて1500℃/hの昇温速度で3000℃で1
5min保持し、黒鉛化粉を得た。これらの粉を電子顕
微鏡(SEM)観察したところ、いずれも角のない球状
粉であることが観察された。また、X線回折により黒鉛
化粉の結晶子サイズを測定したところ、d(002)=
3.361Å、Lc(002)=920Åであった。
々の物性のバルクメソフェーズピッチを酸素化条件を変
えて処理し、表1のような結果を得た。
である。電子顕微鏡(SEM)観察結果の1000℃品
とは1000℃にて熱処理した炭素質のもので、300
0℃品は3000℃で熱処理して得られた黒鉛質のもの
である。
たは球状黒鉛粉末は、真球状であり充填性にすぐれてお
り、リチウム電池を始め各種電池など最密充填を要求さ
れる用途に有効である。また結晶性が高いため、導電性
にすぐれ、各種の材料の導電性フィラーとして好適であ
る。
な特性を有する球状炭素粉末または球状黒鉛粉末を、こ
れまでのように多量の溶剤を使用することなく、環境
面、経費面で有利に製造でき、この点でも工業上有用で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】キノリン可溶分が95%以上であるバルク
メソフェーズピッチを3μm〜25μmに粉砕して、こ
れを空気中で200〜350℃で酸素含有率が5wt%
〜15wt%になるまで熱処理することにより表層のみ
を酸化処理した後、不活性雰囲気下で800〜3000
℃で熱処理して得られる球状炭素粉末または球状黒鉛粉
末の製造方法。 - 【請求項2】請求項1の方法で得られる球状炭素粉末ま
たは球状黒鉛粉末。
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JP6036369A JP2824824B2 (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 球状炭素粉末,球状黒鉛粉末およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07223808A JPH07223808A (ja) | 1995-08-22 |
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JP6036369A Expired - Fee Related JP2824824B2 (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 球状炭素粉末,球状黒鉛粉末およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1994
- 1994-02-10 JP JP6036369A patent/JP2824824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN102971379B (zh) * | 2010-04-08 | 2015-02-18 | 大丰工业株式会社 | 加石墨的树脂类滑动材料及滑动部件 |
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