JP4770094B2 - 炭素材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素材の製造方法に関する。特に、リチウム二次電池負極材として好適に用いられる炭素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラやノート型パソコンなどのポータブル機器の普及に伴い、移動用電源として小型高容量の二次電池に対する需要が高まり、リチウム二次電池の使用が拡大されてきた。
上記に示したリチウム二次電池の負極材用炭素材としては、特開平5−74457号公報記載の黒鉛を使用しているものが挙げられる。黒鉛は、サイクル性が非常によいことが特長であるが、理論充放電容量が372mAh/gであるため、これ以上の充放電容量は望めないという欠点がある。また、黒鉛材料以外では、特開平5−28996号公報、特開平7−73868号公報に示されるピッチコークスを使用した負極材が挙げられる。この材料は易黒鉛化炭素材であるが、焼成温度が2000℃を超える領域では黒鉛化が進行する。黒鉛になってしまうと充放電容量が決定されてしまう。また黒鉛化される前の温度域(1000〜1800℃)においては充放電容量の高い炭素材が得られている。しかしながら、サイクル性が乏しく、ピッチコークスは不純物を多く含んでおり、電池特性に悪影響を及ぼす。
【0003】
また、熱処理温度が500℃〜700℃程度の低温で処理された炭素負極は、次世代の高容量型炭素負極の有力候補の一つである。可逆容量で850mAh/gと、重量あたりの容量で黒鉛をこえる。また、低温処理であるため、エネルギーメリットも高い。しかしながら、電位が高く、充放電での電位のヒステリシスが大きいのが難点である。
炭素以外のリチウムイオン負極材として注目されているのが特開平5−166536号公報に示される金属酸化物含有炭素材、及び特開平6−290782号公報に示される窒素含有炭素材である。しかしながら、これらの炭素材では充放電容量800mAh/gと非常に大容量ではあるが、瞬間放電量が非常に高いことからその制御が困難であるとされている。
【0004】
また、リチウムイオンのインターカレーション能が非常に高い材料としてケイ素元素があり、それを用いたケイ素含有炭素材として、特開平05−14474公報,特開平7−315822公報,再表98/024135公報,特開平08−231273公報等がある。これらにおいて、有機ケイ素化合物、無機ケイ素化合物を使用している場合、ケイ素と結合している有機又は無機元素の影響を受けケイ素元素が持っている充放電容量が十分に活かされていない。また、ケイ素元素を使用している場合でも、易黒鉛化炭素前駆体,難黒鉛化炭素前駆体又は炭素材にケイ素元素を混合し炭化処理している。この場合、ケイ素の炭素材への分散性は良い。しかし、炭素材表面へのケイ素元素の露出により容量は高いが、充放電効率が悪い。あるいは、ケイ素元素の炭素材表面への露出は少ないが、ケイ素元素へのリチウムイオンのインターカレーションによるケイ素元素の膨張による炭素材の破損を押える事が困難で、充放電効率を低下させる傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、充放電容量が高く、優れた充放電効率を発揮することができ、リチウム二次電池負極材として好適に用いられる炭素材の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1)ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を含む原料を混合する工程、前記工程で得られた混合物を最高温度400〜700℃で熱処理する工程、炭素化処理する工程を有することを特徴とする炭素材の製造方法。
(2)ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を含む原料を混合する工程、前記工程で得られた混合物を最高温度400〜700℃で熱処理する工程、前記熱処理したものを粉砕する工程、次いで前記粉砕物を炭素化処理する工程を有することを特徴とする炭素材の製造方法。
(3)前記原料は、ケイ素含有炭素前駆体と炭素質小球体とを重量比で20:80〜70:30で混合したものである前記(1)又は(2)記載の炭素材の製造方法。
(4)前記熱処理工程は、昇温速度10〜200℃/時間で400〜700℃まで昇温し、該温度で0.5〜20時間熱処理するものである前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
(5)前記炭化処理工程は、最高温度800〜1200℃で炭化するものである前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
(6)前記炭化処理工程は、10〜200℃/時間で800〜1200℃まで昇温し、該温度で1〜10時間保持するものである前記(5)記載の炭素材の製造方法。
(7)前記原料を混合する工程の後に、前記原料を溶融し、その後粉砕する工程を有するものである前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
【0007】
以下、本発明の炭素材の製造方法について詳細に説明する。
本発明の炭素材の製造方法は、ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を含む原料を混合する工程、前記工程で得られた混合物を熱処理する工程、前記工程で得られたものを粉砕する工程、前記粉砕物を炭素化処理する工程を有しているものである。
【0008】
本発明の炭素材の製造方法は、初めに、ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を含む原料を混合する工程を有するものである。これにより、ケイ素含有炭素前駆体と炭素質小球体を均一に分散させ、ケイ素含有炭素前駆体中のケイ素のうち、炭素前駆体で被覆されていないケイ素を少なくとも部分的に覆うことができる。その結果、本発明で得られる炭素材を二次電池に用いた場合に充放電容量を維持しながら効率を高めることができる。
前記原料を混合する方法は、例えばブレンド、粉砕混合、溶液混合、溶融混合等をあげることができる。これらの中でも溶融混合が好ましい。これにより、原料を均一に混合することができる。その結果、本発明で得られる炭素材を二次電池に用いた場合に充放電効率を向上することができる。
溶融混合する温度は、特に限定されないが150〜250℃で行うことが好ましく、特に180〜220℃が好ましい。混合時間は、前記温度範囲で均一に混合される時間であればよく、特に限定されるものではない。前記原料を溶融混合するには、具体的にはニーダー、二軸押し出し機等の装置を用いることができる。
【0009】
本発明で用いる原料の一つであるケイ素含有炭素前駆体としては、例えば、シロキサン,シラザン等の有機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物と石油ピッチ,石炭ピッチ等の易黒鉛化炭素前駆体又はフェノール樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂等の難黒鉛化炭素前駆体との混合物、及びケイ素又はケイ素酸化物,ケイ素炭化物等の無機ケイ素化合物と前記易黒鉛化炭素前駆体又は難黒鉛化炭素前駆体との混合物等が挙げられ、特に限定されない。これらの中でもケイ素粉末と易黒鉛化炭素前駆体又は難黒鉛化炭素前駆体との混合物が好ましい。これにより、本発明の炭素材を二次電池に用いた場合に高充放電容量を発揮することができる。さらには、ケイ素粉末とピッチとの混合物であることが好ましい。これにより、酸素含有量が少なく、炭素化率を上がることができるので、上記の効果に加え、二次電池に用いた場合に放電容量保持率を向上することができる。
また、前記ケイ素粉末は、前記ケイ素含有炭素前駆体の15〜60重量%が好ましく、特に20〜50重量%が好ましい。前記ケイ素粉末が前記範囲内であると、ケイ素の特性を損なうことなく、二次電池の高充放電容量を発揮することができる。
【0010】
また、前記ケイ素含有炭素前駆体は、特に限定されないが、ケイ素粉末、アルミナ粉末およびピッチとの混合物であることが好ましい。これにより、本発明で得られた炭素材を二次電池に用いた場合に充放電効率の低下を抑制し、充放電効率を更に向上することができる。
この場合、前記ケイ素粉末及びアルミナ粉末の配合量については、特に限定されないが、ケイ素粉末は、前記ケイ素含有炭素前駆体の15〜60重量%が好ましく、特に20〜50重量%が好ましく、ケイ素粉末とアルミナ粉末の合計量は、前記ケイ素含有炭素前駆体の16〜80重量%が好ましく、特に25〜70重量%が好ましい。前記範囲内であると二次電池に用いた場合に高充放電容量を保持したまま、充放電効率が向上することができる。
【0011】
本発明で用いる炭素質小球体は、炭素材として、あるいは炭化処理して炭素材となる球体又は曲面を有する形状の粉末をいう。例えば、球状のフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド,メソフェーズ小球体等、あるいはこれらを炭化処理し得られる炭素質小球体等の易黒鉛化炭素前駆体や難黒鉛化炭素前駆体、あるいは前記易黒鉛化炭素前駆体や難黒鉛化炭素前駆体を炭化処理した後、機械的に球体近い形状に粉砕処理した粉末、又は紡糸し繊維化したものを炭化処理し粉砕した粉末等が挙げられる。
これらの中でもメソフェーズ小球体、これを炭化処理して得られるメソフェーズ含有炭素質小球体、あるいは黒鉛化処理して得られるメソカーボンマイクロビーズが好ましく、この中でも特にメソカーボンマイクロビーズが好ましい。これにより、ケイ素のリチウムとの反応による膨張収縮力を球体の曲面で分散させることにより、二次電池に用いた場合に高い充放電効率を発揮することができる。
また、前記炭素質小球体の粒径は、特に限定されないが、平均粒径1〜50μmが好ましく、特に5〜30μmが好ましい。前記炭素質小球体の粒径が前記範囲内であると上述の効果に加え、負極材作製時の取り扱い性が良く、また、作製後の負極材塗布面が平滑となる。
【0012】
前記ケイ素含有炭素前駆体の混合割合は、特に限定されないが、炭素材用原料の20〜70重量%で有ることが好ましく、特に30〜60重量%が好ましい。前記ケイ素含有炭素前駆体が前記範囲内であると二次電池に用いた場合に高充放電容量を発揮することができる効果に加え、放電容量保持率を向上することができる。
また、前記炭素質小球体の混合割合は、特に限定されないが、炭素材用原料全体の30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。前記炭素質小球体が前記範囲内であるとケイ素の高容量特性を維持しながら、二次電池に用いた場合に高充放電効率を発揮することができる。
また、前記原料は、特に限定されないが、ケイ素含有炭素前駆体と炭素質小球体とを重量比で20:80〜70:30で混合したものが好ましく、特に30:70〜60:40が好ましい。前記範囲内であると二次電池の高容量特性および高充放電効率の維持に加え、充放電効率の劣化を抑制することができる。
【0013】
本発明では、前記工程で得られた混合物を熱処理する工程を有する。これにより、揮発性成分を放出し、最終炭化構造の骨格を制御することができる。前記熱処理工程の昇温温度は、最高温度400〜700℃にまで昇温するものであり、特に500〜600℃が好ましい。これにより、上記効果を良好に発現することができる。また、昇温速度は、特に限定されないが、10〜200℃/時間で昇温するのが好ましく、特に50〜120℃/時間が好ましい。また、昇温後は、特に限定されないが、前記昇温温度で0.5〜20時間保持することが好ましく、特に1〜10時間保持することが好ましい。これにより、揮発成分が徐々に放出され、最終炭素材の細孔を小さく制御することができる。その結果、二次電池の充放電効率を高くすることができる。また、前記熱処理工程は、特に限定されないが、還元雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、窒素、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素等の雰囲気下で行う。
【0014】
本発明では、好ましくは、前記熱処理工程で得られたものを粉砕する工程を有する。これにより、負極材を作製し易くすることができる。粉砕する粒径は、特に限定されないが、100μm以下が好ましく、特に1〜60μmが好ましい。これにより、負極材表面を平滑とすることができる。また、粉砕する方法としては、例えばボールミル、カッターミル、ジェットミル等を用いる方法をあげることができる。
【0015】
次に、本発明では、前記粉砕物を炭素化処理する工程を有する。これにより、炭素構造を固定するとともに、二次電池の導電性を向上し、充放電容量、充放電効率を向上することができる。
前記炭素化処理工程の昇温温度は、特に限定されないが、最高温度800〜1200℃まで昇温するのが、好ましく、特に900〜1000℃が好ましい。これにより、上記効果を良好に発現することができる。また、昇温速度は、特に限定されないが、10〜200℃/時間で昇温するのが好ましく、特に80〜120℃/時間が好ましい。また、昇温後は、特に限定されないが、前記昇温温度で1〜10時間保持することが好ましく、特に1〜5時間保持することが好ましい。これにより、炭素構造のバラツキを押さえ、一定の特性を発揮することができる。
また、前記炭素化処理工程は、特に限定されないが、還元雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、窒素、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素等の雰囲気下で行う。
【0016】
また、本発明では、特に限定されないが、ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を混合する工程後に、前記原料を溶融し、その後に粉砕する工程を加えることが好ましい。これにより、次工程で均一な熱処理が出来、特性のバラツキの少ない炭素材を得ることができる。前記粉砕は、特に限定されないが、500μm以下の粒径にするのが好ましく、特に1〜200μmが好ましい。これにより、熱処理工程で均一な熱処理を容易に行うことができ、その後の工程である粉砕も容易に行いうる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
(実施例1)
<炭素材の製造>
▲1▼ケイ素含有炭素前駆体の作製
軟化点120℃の石油ピッチ500重量部を1Lのフラスコに入れ、180〜240℃でピッチを溶解した。溶解したピッチにケイ素粉末(平均粒径10μm)150重量部、アルミナ粉末(平均粒径10μm)25重量部を徐々に逐添し、添加終了後、更に1時間攪拌した後、室温まで冷却し、粗砕しケイ素含有炭素前駆体Aを得た。
【0019】
▲2▼炭素材用原料の混合
上記にて得られたケイ素含有炭素前駆体Aを全体の40重量%使用し、炭素質小球体としてメソカーボンマイクロビーズであるKMFC(川崎製鉄(株)製)を全体の60重量%使用し、V型ブレンダーを用いて30分間混合した。次いで、衝撃式粉砕機でスクリーン1mmφで100μm以下に粉砕した。
【0020】
▲3▼熱処理
上記粉砕品を窒素雰囲気下で100℃/時間で550℃まで昇温して1.5時間保持した。その後、冷却して振動ボールミルを用いて45μm以下まで粉砕した。
【0021】
▲4▼炭素化処理
上記粉砕品を100℃/時間で1000℃まで昇温して3時間保持した。その後、冷却して45μm篩で篩い、炭素材を得た。
【0022】
<二次電池の製造>
▲1▼上述の炭素材に結合剤としてポリフッ化ビニリデン10重量%、アセチレンブラック3重量%を添加し、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極混合物を調整した。調整した負極スラリー状混合物を10μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。但し、負極両端10mmの部分は銅箔が露出しており、この一方に負極タブを圧着した。
【0023】
▲2▼正極は正極活物質をLiCoO2300重量部、アセチレンブラック15重量部、ポリフッ化ビニリデン15重量部を添加し、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の正極混合物を調製した。得られた正極スラリー状混合物を25μmのアルミ箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ280mmの大きさに切り出し正極を作製した。但し、正極両端10mmの部分はアルミ箔が露出しており、この一方に正極タブを圧着した。
▲3▼前記正極、セパレータ(ポリプロピレン製多孔質フィルム:幅45mm、厚さ25μm)、前記負極、セパレータ、前記正極…の順で前記負極が外側になるよう渦巻き状に捲回して電極を作製した。作製した電極を単三型の電池缶に挿入し負極タブを缶底と溶接する。電解液として体積比が1:1のエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液に6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解させたものを電池缶に注入した後、正極タブを正極蓋に溶接し、正極蓋をかしめ付けて二次電池を作製した。
【0024】
(実施例2)
実施例1で得たケイ素含有炭素前駆体Aの使用量を全体の30重量%とし、KMFCの使用量を全体の70重量%とした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
実施例1において、アルミナ粉末の添加量をピッチ500重量部及びケイ素粉末150重量部に対して70重量部としたケイ素含有炭素前駆体Bを使用した以外は、実施例1と同様にした。
【0025】
(実施例4)
熱処理時の昇温速度を40℃/時間にした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
熱処理時の昇温速度を180℃/時間にした以外は、実施例1と同様に実施した。
【0026】
(実施例6)
熱処理温度を450℃に、処理時間を5時間にした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
熱処理温度を700℃にした以外は、実施例1と同様に実施した。
【0027】
(実施例8)
炭素化時の昇温速度を200℃/時間にした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例9)
炭素化時の昇温速度を50℃/時間にした以外は、実施例1と同様に実施した。
【0028】
(比較例1)
炭素質小球体を使用しない以外は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
ケイ素含有炭素前駆体Aを使用しない以外は、実施例1と同様に実施した。
【0029】
(比較例3)
ケイ素を含有しない炭素前駆体(大阪化成製TGP)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例4)
熱処理後に粉砕しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。
【0030】
上記の各実施例および比較例により得られた結果を表1に示す。
なお、比表面積は、炭素材製造後にユアサアイオニクス社製NOVA1200を用いて、窒素ガスBET3点法で測定した。
2.5V放電容量、初回充放電効率および放電容量保持率については、二次電池製造後に測定した。充電条件は、電流25mA/gの低電流で1mVになるまで保持し、その後、1.25mAh/g以下に電流が減衰するまでとした。また、放電条件のカットオフ電位は2.5Vとした。放電容量保持率は初回放電容量に対する300サイクル後の放電容量の保持率とした。
【0031】
【表1】
【0032】
表1に示すように、実施例1〜9は、ケイ素含有炭素前駆体を使用しているため放電容量に優れる。特に実施例1,3,4,6,は、熱処理時に不融化又は炭素化が密に進行し、不要な細孔生成を制御するため充放電効率に優れる。また、実施例3,4,9は、炭素化時の発生ガスによる新たな細孔生成が制御されるため放電容量保持率も優れる。
【0033】
【発明の効果】
本発明による炭素材の製造方法によれば、得られた炭素材は、二次電池に使用した場合、高充放電容量を発揮することができる。
特に、ケイ素含有ピッチとメソカーボンマイクロビーズからなる混合物を炭化処理した炭素材を用いる場合、特に二次電池の放電容量保持率を保持及び充放電効率を向上することができる。また、熱処理工程や炭素化処理工程を特定の条件にて行うことにより、炭素材の細孔を制御することができ、更に放電容量保持率と充放電効率を向上することができる。
Claims (7)
- ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を含む原料を混合する工程、前記工程で得られた混合物を最高温度400〜700℃で熱処理する工程、炭素化処理する工程を有することを特徴とする炭素材の製造方法。
- ケイ素含有炭素前駆体および炭素質小球体を含む原料を混合する工程、前記工程で得られた混合物を最高温度400〜700℃で熱処理する工程、前記熱処理したものを粉砕する工程、次いで前記粉砕物を炭素化処理する工程を有することを特徴とする炭素材の製造方法。
- 前記原料は、ケイ素含有炭素前駆体と炭素質小球体とを重量比で20:80〜70:30で混合したものである請求項1又は2記載の炭素材の製造方法。
- 前記熱処理工程は、昇温速度10〜200℃/時間で400〜700℃まで昇温し、該温度で0.5〜20時間熱処理するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
- 前記炭化処理工程は、最高温度800〜1200℃で炭化するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
- 前記炭化処理工程は、10〜200℃/時間で800〜1200℃まで昇温し、該温度で1〜10時間保持するものである請求項5記載の炭素材の製造方法。
- 前記原料を混合する工程の後に、前記原料を溶融し、その後粉砕する工程を有するものである請求項1ないし6のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
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