JP2821506B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印刷製版用のハロゲン化銀写真感光材料
(以下、単に感光材料という)及びその製造方法に関
し、さらに詳しくは真空密着性に優れ、かつ生産効率の
高い感光材料の製造方法に関する。
〔発明の背景〕
印刷製版業界においては、近年、露光時の真空密着時
間短縮の要望が強く、いわゆる返し工程を中心としてバ
キューム時間10秒以内でも問題なく露光できるような感
光材料の提供が望まれていた。本発明者等は、例えば特
願平1−228762号において、比較的大粒径のマット剤を
実質的に含有し、しかも特殊な緩慢乾燥条件を組み合わ
せることで画期的に真空密着性を改良する技術を見いだ
した。しかしながらこの緩慢な乾燥条件による製造方法
によれば、従来当業界で用いられてきた感光材料の製造
方法に比べ、生産性の低下を招くものであり、ひいては
感光材料のコストアップという問題が生じてくる。
〔発明の目的〕
上記のような問題に対し、本発明の目的は真空密着性
に優れ、しかも生産性が高い感光材料の製造方法を提供
することである。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも1層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層を塗設してなり、かつ支持体の
両面に少なくとも1層ずつの親水性コロイド層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法において、両面の
親水性コロイド層を水とゼラチンの重量比が800%から2
00%に減少するまで表面温度を19℃以下に保ちつつ同時
に乾燥し、かつ両面の最外層にそれぞれ粒径4μm以上
のマット剤を少なくとも4mg/m2以上含有し、更に両面の
表面スムースター値がそれぞれ25mmHg以上であることを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法により
達成される。
ここで、スムースター値とは、物体表面の平滑性を示
す数値であり、“紙とパルプのためのTAPPI試験法No.5
−74"に定められた方法によりエア・マイクロメータ型
試験機を用いて測定する。
この方法は、測定すべき物体表面に円盤状のエア・サ
クションユニット(同心円状に溝を切った吸引孔を有す
る)を密着させ、ロータリー真空ポンプにて減圧し、系
内の圧力(mmHg)を計測するものである。物体表面の平
滑性が少ないほど空気が入り込み易いので、高い数値を
示す。
本発明においては、実施例でも触れるが、試料を23℃
・48%RHで2時間調湿した後、同環境下で東映電子工業
(株)製SM−6Bにより測定した。
尚、上記感光材料構成層に少くとも1層の帯電防止層
を有することが望ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。
フィルム間の真空密着性を高めるためには大粒径のマ
ット剤を使用するのが好ましい。しかし、粒径の大きい
マット剤はマットピンと称する故障の原因となるため、
使用量には制限があった。しかし乾燥時のバインダーと
水の重量比が800〜200%となる時間を35秒とすることで
マット剤の沈むこみを少なくする前記技術の発見により
解決し得たが、緩慢乾燥のためには塗布速度を遅くする
か、長い乾燥ゾーンを必要とした。このような生産性の
低下の問題に対しては、本発明では、感光材料の乾燥を
両面同時乾燥を行うことにより対処し得ることを見いだ
した。すなわち通常片面ずつ塗布乾燥するところを、両
面同時塗布乾燥することにより、たとえ緩慢乾燥であっ
ても生産性の低下を防ぎ、むしろ生産性の向上が期待で
きることにより、本発明の目的を達成できることを見い
だしたのである。
両面の同時乾燥による効果は生産性向上のみでなくマ
ット性に対しても好結果をもたらす。この改良の効果の
機構としては従来の2パス乾燥方式では乾燥面より反対
側の面にあてられていた風の熱が支持体の温度を上げる
作用を有していたが、1パスの場合は両面に被乾燥層を
有するので、乾燥風が本来の乾燥すなわち水分蒸発に使
用される結果、支持体の温度が上昇しないことに関連す
るものと予想されるが、その具体的機構は明らかでな
い。
感光材料の塗布乾燥は、通常ゼラチンのごとき親水性
コロイドをバインダーとする組成物よりなる塗布液を支
持体に塗布した後、一般に−10〜15℃の乾球温度を有す
る低温空気中で冷却凝固せしめ、次いで温度を高めて塗
布層における水分を蒸発除去せしめるのである。この時
ゼラチンと水分の重量比は塗布直後は2000%前後が普通
である。本発明者等は検討の結果、乾燥工程において、
水とゼラチンの重量比が800〜200%における乾燥時間及
び塗布表面温度が経時での濃度低下に驚くべき改良効果
を有することを見いだした。
本発明において水とゼラチンの重量比が800〜200%に
おける塗布表面温度とは乾燥風の湿球温度で表され、19
℃以下が好ましく、特に好ましくは17℃以下である。ま
た800%から200%までの乾燥時間は35秒以上が好まし
く、特に好ましくは40秒以上である。
また、近年は感光材料の帯電防止機能の向上が図られ
ており、本発明者等は表面スムースター値を高め、帯電
防止層を設けるという構成が感光材料のゴミ付着防止に
効果を持つことを特願平1−228763号等に示してきた。
本発明の塗布乾燥方式によれば帯電防止層を設けるこ
とが、表面スムーター値を高める効果を有することは予
想外の結果であった。
この場合、帯電防止層を設けた側の表面比抵抗は1.0
×1012Ω以下であることが好ましく、特に好ましくは8
×1011Ω以下である。
上記帯電防止層は、水溶性導電性ポリマー、疎水性ポ
リマー粒子及び硬化剤の反応物を含有する帯電防止層あ
るいは微粒金属酸化物を含有する帯電防止層等が好まし
い。
上記水溶性導電性ポリマーとしては、スルホン酸基、
硫酸エステル基、4級アンモニウム塩、3級アンモニウ
ム塩、カルボキシル基、ポリエチレンオキシド基から選
ばれる少なくとも1つの導電性基を有するポリマーが挙
げられる。これらの基のうちスルホン酸基、硫酸エステ
ル基、4級アンモニウム塩基が好ましい。導電性基は水
溶性導電性ポリマー1分子当たり5重量%以上を必要と
する。また水溶性の導電性ポリマー中にカルボキシル
基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、アジリジン
基、活性メチレン基、スルフィン酸基、アルデヒド基、
ビニルスルホン基等が含まれるが、これらのうちカルボ
キシル基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、アジ
リジン基、アルデヒド基が含まれていることが好まし
い。これらの基はポリマー1分子当たり5重量%以上含
まれていることが必要である。水溶性導電性ポリマーの
数平均分子量は、3000〜100000であり、好ましくは3500
〜50000である。
また上記金属酸化物としては酸化スズ、酸化イソジウ
ム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、あるいはこれらの金属
酸化物に金属リンや金属イソジウムをドーピングした物
等が好ましく用いられる。これらの金属酸化物の平均粒
径は1μ〜0.01μが好ましい。
本発明において用いられるマット剤としては、公知の
ものをいずれも用いることができる。例えばスイス特許
330,158号に記載のシリカ、仏国特許1,296,995号に記載
のガラス粉、英国特許1,173,181号に記載のアルカリ土
類金属又はカドミウム、亜鉛などの炭酸塩などの無機物
粒子;米国特許2,322,037号に記載の澱粉、ベルギー特
許625,451号或いは英国特許981,198号に記載された澱粉
誘導体、特公昭44−3643号に記載のポリビニルアルコー
ル、スイス特許330,158号に記載されたポリスチレン或
いはポリメチルメタアクリレート、米国特許3,079,257
号に記載のポリアクリロニトリル、米国特許3,022,169
号に記載のポリカーボネートのような有機物粒子を含む
ことができる。
これらマット剤はそれぞれ単独で用いてもよく、併用
してもよい。マット剤の形状は定形のマット剤としては
球形が好ましいが、他の形例えば平板状、立方形であっ
てもよい。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に
換算したときの直径で表される。本発明においてマット
粒形とはこの球形換算した直径の事を指すものとする。
本発明の好ましい形態は、乳剤面側の最外層が、マッ
ト粒径として4μm以上の定形及び/又は不定形のマッ
ト剤の少なくとも1種を4〜80mg/m2含有する。さらに
好ましくは粒径4μm未満の定形及び/又は不定形のマ
ット剤の少なくとも1種を4mg/m2〜80mg/m2あわせ含有
することである。
またマット剤が最外層に含有されるとは、マット剤の
うち少なくとも1部が最外層に含まれていればよく、マ
ット剤の1部が最外層より下層の層にまで達していても
よい。
またマット剤の基本的機能を果たすため、マット剤の
一部は表面に露出していることが望ましい。また表面に
露出しているマット剤は添加したマット剤の一部でもよ
く、総てでも良い。マット剤の添加方法は、あらかじめ
塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、
塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を
噴霧する等の方法を用いてもよい。また複数種の異なる
マット剤を添加する場合、両方の方法を併用してもよ
い。
本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤には、ハ
ロゲン化銀として、臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用され
る任意のものを用いることができ、好ましくは、ネガ型
ハロゲン水銀乳剤として50モル%以上の塩化銀を含む塩
臭化銀である。ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法及
びアンモニア法のいずれで得られたものでもよい。本発
明に使用されるハロゲン化銀乳剤は単一の組成であって
もよく又複数の異なる組成の粒子を単一層内あるいは複
数の層に分けて含有させても良い。
本発明に係るハロンゲン化銀粒子の形状は任意のもの
を用いることができる。好ましい1つの例は、{100}
面を結晶表面として有する立方体である。又、米国特許
4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55−26589号、特
公昭55−42737号等や、ザ・ジャーナル・オブ・フォト
グラフィック・サイエンス(J.Photgr.Sci).21.39(19
73)等の文献に記載された方法により、8面体、14面
体、12面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用い
ることもできる。更に、双晶面を有する粒子を用いても
よい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の形状からな
る粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子が混合され
たものでもよい。
又、いかなる粒子サイズ分布を持つものを用いてもよ
く、粒子サイズ分布の広い乳剤(多分散乳剤と称する)
を用いてもよいし、粒子サイズ分布の狭い乳剤(単分散
乳剤と称する。)を単独又は数種類混合してもよい。
又、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以上のハロ
ゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
本発明において、単分散乳剤が好ましい。単分散乳剤
中の単分散のハロゲン化銀粒子としては、平均粒径を
中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重量
が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であるものが好
ましく、特に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%
以上である。
ここに平均粒径は、粒径riを有する粒子の頻度niと
ri3との積ni×ri3が最大となるときの粒径riを定義す
る。
(有効数字3桁、最小桁数字は4捨5入する。) ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合
は、その直径、又球状以外の形状の粒子の場合は、その
投影像を周面積の円像に換算した時の直径である。
粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍から5万倍
に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又は投影
時の面積を実測することによって得られることができ
る。(測定粒子個数は無差別に1000個以上である事とす
る。) 本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は によって定義した分布の広さが20%以下のものであり、
更に好ましくは15%以下のものである。
ここに平均粒径及び粒径標準偏差は前記定義のriから
求めるものとする。
単分散乳剤は特開昭54−48521号、同58−49938号及び
同60−122935号等を参考にして得ることができる。
感光性ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行わないで、
いわゆる未後熟(Primitive)乳剤のまま用いることも
できるが、通常は化学増感される。化学増感のために
は、前記Glafkides又は、Zelikmanらの著書、或いはH.F
rieser編デ・グルンドラーゲン・デル・フォトグラフィ
シェン・プロツエセ・ミト・ジルベルハロゲニーデン
(Die Grundlagen der Photographischen Prozesse mit
silberhalogeniden、Akademische Verlagsgesellschaf
t、1968)に記載の方法を用いることができる。
すなわち、銀イオンと反応し得る硫黄を含む化合物や
活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、還元性物質を用いる
還元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増
感法等を単独または組合せて用いることができる。硫黄
増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール
類、ローダニン類、その他の化合物を用いることがで
き、それらの具体例は、米国特許1,574,944号、同2,41
0,689号、同2,278,947号、同2,728,668号、同3,656,955
号に記載されている。還元増感剤としては、第一すず
塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン酸、シラン化合物等を用いることができ、それら
の具体例は米国特許2,487,850号、同2,419,974号、同2,
518,698号、同2,983,609号、同2,983,610号、同2,694,6
37号に記載されている。貴金属増感のためには金錯塩の
ほか、白金、イリジウム、パラジウム等の周期律表VII
族の金属の錯塩を用いることができ、その具体例は米国
特許2,399,083号、同2,448,060号、英国特許618,061号
等に記載されている。
また、化学増感時のpH、pAg、温度等の条件は特に制
限はないが、pH値としては4〜9、特に5〜8が好まし
く、pAg値としては5〜11、特に8〜10に保つのが好ま
しい。又温度としては、40〜90℃、特に45〜75℃が好ま
しい。
本発明で用いる写真乳剤は、前述した硫黄増感、金・
硫黄増感の他、還元性物質を用いる還元増感法:貴金属
化合物を用いる貴金属増感法などを併用することもでき
る。
感光性乳剤としては、前記乳剤を単独で用いてもよ
く、二種以上の乳剤を混合してもよい。
本発明の実施に際しては、上記のような化学増感の終
了後に、例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン、5−メルカプト−1−フェニ
ルテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等を
始め、種々の安定剤も使用できる。更に必要であればチ
オエーテル等のハロゲン化銀溶剤、又はメルカプト基含
有化合物や増感色素のような晶癖コントロール剤を用い
てもよい。
本発明の乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子は、粒子
を形成する過程及び/又は成長させる過程で、カドミウ
ム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又は錯
塩、ロジウム塩又は錯塩、鉄塩又は錯塩を用いて金属イ
オンを添加し、粒子内部に及び/又は粒子表面に包含さ
せる事ができる。
本発明の乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了後に
不要な可溶性塩類を除去しても良いし、あるいは含有さ
せたままでも良い。該塩類を除去する場合には、リサー
チ・ディスクロジャー17643号記載の方法に基づいて行
う事が出来る。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において写真
乳剤は、増感色素によって比較的長波長の青色光、緑色
光、赤色光または赤外光に分光増感されても良い。用い
られる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複
合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラー
シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、及び
ヘミオキソノール色素等が包含される。特に有用な色素
はシアニン色素、メロシアニン色素及び複合メロシアニ
ン色素に属する色素である。これらの色素類には、塩基
性異節環核としてシアニン色素類に通常利用される核の
いずれをも適用できる。すなわち、ピロリン核、オキサ
ゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール
核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、
テトラゾール核、ピリジン核等、これらの核に脂環式炭
化水素環が融合した核、及びこれらの核に芳香族炭化水
素環が融合した核、即ち、インドレニン核、ベンズイン
ドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナ
フトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチア
ゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール
核、キノリン核等が適用できる。これらの核は、炭素原
子上に置換されていてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オ
ン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダ
ニン核、チオバルビツール酸核等の5〜6員異節環核を
適用することができる。
本発明で用いる増感色素は、通常のネガ型ハロゲン化
銀乳剤に用いられると同等の濃度で用いられる。特に、
ハロゲン化銀乳剤の固有感度を実質的に落とさない程度
の色素濃度で用いるのが有利である。ハロゲン化銀1モ
ル当り増感色素の約1.0×10-5〜約5〜10-4モルが好ま
しく、特にハロゲン化銀1モル当り増感色素の約4×10
-5〜2×10-4モルの濃度で用いることが好ましい。
本発明の増感色素を1種又は2種以上組合せて用いる
ことができる。本発明において有利に使用される増感色
素としてはより具体的には例えば次のごときものを挙げ
ることができる。
即ち、青感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられる増感
色素としては、例えば西独特許929,080号、米国特許2,2
31,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同2,519,00
1号、同2,912,329号、同3,656,956号、同3,672,897号、
同3,694,217号、同4,025,349号、同4,046,572号、英国
特許1,242,588号、特公昭44−14030号、同52−24844
号、特開昭48−73137号、同61−172140号等に記載され
たものを挙げることができる。又緑感光性ハロゲン化銀
乳剤に用いられる増感色素としては、例えば米国特許1,
939,201号、同2,072,908号、同2,739,149号、同2,945,7
63号、英国特許505,979号、特公昭48−42172等に記載さ
れているごときシアニン色素、メロシアニン色素又は複
合シアニン色素をその代表的なものとして挙げることが
できる。更に、赤感光性及び赤外感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられる増感色素としては、例えば米国特許2,26
9,234号、同2,270,378号、同2,442,710号、同2,454,629
号、同2,776,280号、特公昭49−17725号、特開昭50−62
425号、同61−29836号、同60−80841号等に記載されて
いるごときシアニン色素、メロシアニン色素又は複合シ
アニン色素をその代表的なものとして挙げることができ
る。
これらの増感色素は単独で用いてもよく、又これらを
組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特に、強色
増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は、米国
特許2,688,545号、同2,977,229号、同3,397,060号、同
3,522,052号、同3,527,641号、同3,617,293号、同3,62
8,964号、同3,666,480号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,703,377号、同3,769,301号、同3,814,609号、
同3,837,862号、同4,026,707号、英国特許1,344,281
号、同1,507,803号、特公昭43−4936号、同53−12375
号、特開昭52−110618号、同52−109925号等に記載され
ている。
本発明において用いられるスムースターの値は東映電
子工業〔株〕製SM−6Bにより測定したものである。
また本発明の感光材料には印刷製版用として硬調化す
るためテトラゾリウム化合物の少なくとも1種及び/又
はヒドラジン化合物の少なくとも1種を含有することが
望ましい。
本発明において用いられるテトラゾリウム化合物とし
ては下記一般式〔I〕で表される化合物を使用すること
ができる。
上記一般式〔I〕において、R1ないしR3が表す置換基
の好ましい例としてアルキル基(例えばメチル、エチ
ル、シクロプロピル、プロピル、イソプロピル、シクロ
ブチル、ブチル、イソブチル、ペンチル、シクロヘキシ
ル等)、アミノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルア
ミノ)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ
等)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ)、ハロ
ゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、カルバモイ
ル基、アシルチオ基(例えばアセチルチオ)、アルコキ
シカルボニル基(例えばエトキシカルボニル)、カルボ
キシル基、アシル基(例えばアセチル)、シアノ基、ニ
トロ基、メルカプト基、スルホオキシ基、アミノスルホ
キシ基のような基が挙げられる。
前記X で示されるアニオンとしては、例えば塩化物
イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイ
オン、硝酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホ
ン酸、カルボン酸等の有機酸の酸根、アニオン系の活性
剤、具体的にはp−トルンエンスルホン酸アニオン等の
低級アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、p−ドデシ
ルベンゼンスルホン酸アニオン等の高級アルキルベンゼ
ンスルホン酸アニオン、ラウリルスルフェートアニオン
等の高級アルキル硫酸エステルアニオン、テトラフェニ
ルボロン等の硼酸系アニオン、ジ−2−エチルヘキシル
スルホサクシネートアニオン等のジアルキルスルホサク
シネートアニオン、セチルポリエテノキシサルフェート
アニオン等のポリエーテルアルコール硫酸エステルアニ
オン、ステアリン酸アニオン等の高級脂肪族アニオン、
ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに酸根のついたも
の等を挙げることができる。
以下、本発明に用いられる一般式〔I〕で表される化
合物の具体例を表Tに挙げるが、本発明の化合物はこれ
に限定されるものではない。
本発明に用いられるテトラゾリウム化合物は、例えば
ケミカル.レビュー(Chemical Reviews)第55巻、第33
5頁〜483頁に記載の方法にしたがって容易に合成するこ
とができる。
本発明に用いる一般式〔I〕で表されるテトラゾリウ
ム化合物は、本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含有
されるハロゲン化銀1モル当たり約1mg以上約10gまで、
好ましくは約10mg以上約2gの範囲で用いられる。
本発明において用いられる一般式〔I〕で表されるテ
トラゾリウム化合物は、1種を用いてもまた2種以上を
適宜の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに本発明
のテトラゾリウム化合物と本発明外のテトラゾリウム化
合物を適宜の割合で組み合わせて用いてもよい。
本発明において、本発明のテトラゾリウム化合物と結
合し、本発明のテトラゾリウム化合物の親水性を下げる
アニオンを併用すると、特に好ましい結果が得られる。
このようなアニオンとしては例えば過塩素酸等の無機酸
の酸根、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸の酸根、ア
ニオン系の活性剤、具体的にはp−トルエンスルホン酸
アニオン等の低級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸アニオン類、アル
キルナフタレンスルホン酸アニオン類、ラウリルサルフ
ェートアニオン類、テトラフェニールボロン類、ジ−2
−エチルヘキシルスルホサクシネートアニオン類等のジ
アルキルスルホサクシネートアニオン、セチルポリエテ
ノキシサルフェートアニオン等のポリエーテルアルコー
ル硫酸エステルアニオン、ステアリン酸アニオン類等、
ポリアクリル酸アニオン類等を挙げることができる。
このようなアニオンは、本発明のテトラゾリウム化合
物と予め混合した後、親水性コロイド層へ添加してもよ
いし、また、単独で本発明のテトラゾリウムを含有もし
くは含有しないハロゲン化銀乳剤層または親水性コロイ
ド層に添加することができる。
本発明に用いられるヒドラジン化合物は、好ましくは
下記一般式〔II〕で表される化合物である。
式中、R1は1価の有機残基を表し、R2は水素原子また
は1価の有機残基を表し、Q1及びQ2は水素原子、アルキ
ルスルホニル基(置換基を有するものも含む)、アリー
ルスルホニル基(置換基を有するものも含む)を表し、
X1は酸素原子またはイオウ原子を表す。一般式〔II〕で
表される化合物のうち、X1が酸素原子であり、かつR2
水素原子である化合物が更に好ましい。
上記R1及びR2の1価の有機残基としては、芳香族残
基、複素環残基及び脂肪族残基が包含される。
芳香族残基としては、フェニル基、ナフチル基及びこ
れらに置換基(例えばアルキル基、アルコキシ基、アシ
ルヒドラジノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシカル
ボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキ
ルチオ基、ヒドロキシ基、スルホニル基、カルバモイル
基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、チオウレア基など)のついたものを含む。置換基の
ついたものの具体例として、例えば、4−メチルフェニ
ル基、4−エチルフェニル基、4−オキシエチルフェニ
ル基、4−ドデシルフェニル基、4−カルボキシフェニ
ル基、4−ジエチルアミノフェニル基、4−オクチルア
ミノフェニル基、4−ベンジルアミノフェニル基、4−
アセトアミド−2−メチルフェニル基、4−(3−エチ
ルチオウレイド)フェニル基、4−〔2−(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル基、
4−〔2−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ブチ
ルアミド〕フェニル基などを挙げることができる。
複素環残基としては、酸素、窒素、硫黄、またはセレ
ン原子のうち少なくとも一つを有する五員もしくは六員
の単環または縮合環で、これらに置換基がついてもよ
い。具体的には例えば、ピロリン環、ピリジン環、キノ
リン環、インドール環、オキサゾール環、ベンゾオキサ
ゾール環、ナフトオキサゾール環、イミダゾール環、ベ
ンゾイミダゾール環、チアゾリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール
環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環など
の残基を挙げることが出来る。
これらの複素環は、メチル基、エチル基等炭素数1〜
4のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等炭素数1〜
4のアルコキシ基、フェニル基等の炭素数6〜18のアリ
ール基や、クロル、ブロム等のハロゲン原子、アルコキ
シカルボニル基、シアノ基、アミノ基等で置換されてい
てもよい。
脂肪族残基としては、直鎖及び分岐のアルキル基、シ
クロアルキル基及びこれらに置換基のついたもの、並び
にアルケニル基及びアルキニル基を含む。
直鎖及び分岐のアルキル基としては、例えば炭素数1
〜18、好ましくは1〜8のアルキル基であって、具体的
には例えばメチル基、エチル基、イソブチル基、1−オ
クチル基等である。
シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜10のも
ので、具体的には例えばシクロプロピル基、シクロヘキ
シル基、アダマンチル基等である。アルキル基やシクロ
アルキル基に対する置換基としてはアルコキシ基(例え
ばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基
等)、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ヒド
ロキシ基、アルキルチオ基、アミド基、アシロキシ基、
シアノ基、スルホニル基、ハロゲン原子(例えば塩素、
臭素、弗素、沃素など)、アリール基(例えばフェニル
基、ハロゲン置換フェニル基、アルキル置換フェニル
基)等であり、置換されたものの具体例としては例えば
3−メトキシプロピル基、エトキシカルボニルメチル
基、4−クロロシクロヘキシル基、ベンジル基、p−メ
チルベンジル基、p−クロロベンジル基などを挙げるこ
とができる。また、アルケニル基としては例えばアリル
(allyl)基、アルキニル基としては例えばプロパルギ
ル基を挙げることができる。
本発明のヒドラジン化合物の好ましい具体例を以下に
示すが、本発明は何等これによって限定されるものでは
ない。
II−1 1−ホルミル−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒ
ドラジン II−2 1−ホルミル−2−(4−ジエチルアミノフェ
ニ)ヒドラジン II−3 1−ホルミル−2−(p−トリル)ヒドラジン II−4 1−ホルミル−2−(4−エチルフェニル)ヒ
ドラジン II−5 1−ホルミル−2−(4−アセトアミド−2−
メチルフェニル)ヒドラジン II−6 1−ホルミル−2−(4−オキシエチルフェニ
ル)ヒドラジン II−7 1−ホルミル−2−(4−N,N−ジヒドロキシ
エチルアミノフェニル)ヒドラジン II−8 1−ホルミル−2−〔4−(3−エチルチオウ
レイド)フェニル)ヒドラジン II−9 1−チオホルミル−2−{4−〔2−(2,4−
ジ−tert−ブチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニ
ル}ヒドラジン II−10 1−ホルミル−2−(4−ベンジルアミノフェ
ニル)ヒドラジン II−11 1−ホルミル−2−(4−オクチルアミノフェ
ニル)ヒドラジン II−12 1−ホルミル−2−(4−ドデシルフェニル)
ヒドラジン II−13 1−アセチル−2−{4−2−2,4−ジ−tert
−ブチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラ
ジン II−14 4−カルボキシフェニルヒドラジン II−15 1−アセチル−1−(4−メチルフェニルスル
ホニル)−2−フェニルヒドラジン II−16 1−エトキシカルボニル−1−(4−メチルフ
ェニルスルホニル)−2−フェニルヒドラジンII−17
1−ホルミル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−メチルフェニルスルホニル)−ヒドラジン II−18 1−(4アセトキシフェニル)−2−ホルミル
−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−ヒドラジン II−19 1−ホルミル−2−(4−ヘキサノキシフェニ
ル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)−ヒドラ
ジン II−20 1−ホルミル−2−〔4−(テトラヒドロ−2H
−ピラン−2−イルオキシ)−フェニル〕−2−(4−
メチルフェニルスルホニル)−ヒドラジン II−21 1−ホルミル−2〔4−(3−ヘキシルウレイ
ドフェニル)〕−2−(4−メチルフェニルスルホニ
ル)−ヒドラジン II−22 1−ホルミル−2−(4−メチルフェニルスル
ホニル)−2−〔4−(フェノキシチオカルボニルアミ
ノ)−フェニル〕−ヒドラジン II−23 1−(4−エトキシチオカルボニルアミノフェ
ニル)−2−ホルミル−1−(4−メチルフェニルスル
ホニル)−ヒドラジン II−24 1−ホルミル−2−(4−メチルフェニルスル
ホニル)−2−〔4−(3−メチル−3−フェニル−2
−チオウレイド)−フェニル〕−ヒドラジン II−25 1−{{4−{3−〔4−(2,4−ビス−t−
アミルフェノキシ)−ブチル〕−ウレイド}−フェニ
ル}}−2−ホルミル−1−(4−メチルフェニルスル
ホニル)−ヒドラジン 一般式〔II〕で表わされるヒドラジン化合物の添加位
置はハロゲン化銀乳剤層及び/または支持体上のハロゲ
ン化銀乳剤層側にある非感光層であるが、好ましくは、
ハロゲン化銀乳剤層及び/またはその下層である。添加
量は、10-5〜10-1モル/銀1モルが好ましく、更に好ま
しくは10-4〜10-2モル/銀1モルである。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、親
水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等が包含される場
合に、それらはカチオン性ポリマー等によって媒染され
てもよい。
上記の写真乳剤には、ハロゲン化銀写真感光材料の製
造工程、保存中或いは処理中の感度低下やカブリの発生
を防ぐために種々の化合物を添加することができる。即
ち、アゾール類例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイ
ンダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール
類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ−又はハロゲン
置換体)、ヘテロ環メルカプト化合物類例えばメルカプ
トチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メル
カプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾー
ル類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリジン
類、カルボキシル基やスルホン基等の水溶性基を有する
上記のヘテロ環、メルカプト化合物類、チオケト化合物
例えばオキサゾリンチオン、アザインデン類例えばテト
ラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,
7)テトラアザインデン類)、ベンゼンチオスルホン酸
類、ベンゼンスルフィン酸等のような安定剤として知ら
れた多くの化合物を加えることができる。
使用できる化合物の一例は、K.Mees著、ザ・セオリー
・オブ・ザ・ホトグラフィック・プロセス(The Theory
of the Photographic Process、第3版、1966年)に原
文献を挙げて記載されている。
これらの更に詳しい具体例及びその使用方法について
は、例えば米国特許3,954,474号、同3,982,947号、同4,
021,248号又は特公昭52−28660号の記載を参考にでき
る。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に下記各種添加剤
を含んでもよい。増粘剤又は可塑剤として例えば米国特
許第2,960,404号、特公昭43−4939号、西独国出願公告
1,904,604号、特開昭48−63715号、特公昭45−15462
号、ベルギー国特許762,833号、米国特許3,767,410号、
ベルギー国特許558,143号に記載されている物質、例え
ばスチレン−マレイン酸ソーダ共重合体、デキストラン
サルフェート等、硬膜剤としては、アルデヒド系、エポ
キシ系、エチレンイミン系、活性ハロゲン系、ビニルス
ルホン系、イソシアネート系、スルホン酸エステル系、
カルボジイミド系、ムコクロル酸系、アシロイル系等の
各種硬膜剤、紫外線吸収剤としては、例えば米国特許3,
253,921号、英国特許1,309,349号等に記載されている化
合物、特に2−(2′−ヒドロキシ−5−3級ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−3′,5′−ジ−3級ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2−ヒドロキシ−3′−3級ブチル−5′
−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−3級ブチルフ
ェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール等を挙げるこ
とができる。さらに、塗布助剤、乳化剤、処理液等に対
する浸透性の改良剤、消泡剤或いは感光材料の種々の物
理的性質をコントロールするために用いられる界面活性
剤としては英国特許548,532号、同1,216,389号、米国特
許2,026,202号、同3,512,293号、特公昭44−26580号、
同43−17922号、同43−17926号、同43−13166号、同48
−20785号、仏国特許202,588号、ベルギー国特許773,45
9号、特開昭48−101118号等に記載されているアニオン
性、カチオン性、非イオン性或いは両性の化合物を使用
することができるが、これらのうち特にスルホン基を有
するアニオン界面活性剤、例えばコハク酸エステルスル
ホン化物、アルキルナフタレンスルホン化物、アルキル
ベンゼンスルホン化物等が好ましい。
また帯電防止剤としては、特公昭46−24159号、特開
昭48−89979号、米国特許2,882,157号、同2,972,535
号、特開昭48−20785号、同48−43130号、同48−90391
号、特公昭46−24159号、同46−39312号、同48−43809
号、特開昭47−33627号に記載されている化合物があ
る。
本発明の製造方法において、塗布液のpHは5.3〜7.5の
範囲であることが好ましい。多層塗布の場合は、それぞ
れの層の塗布液を塗布量の比率で混合した塗布液のpHが
上記の5.3〜7.5の範囲であることが好ましい。pHが5.3
よりより小さいと硬膜の進行がおそくて好ましくなく、
pHが7.5より大きいと写真性能に悪影響を及ぼすことが
好ましくない。
本発明の感光材料において構成層にはスベリ剤、例え
ば米国特許2,588,756号、同3,121,060号に記載の高級脂
肪族の高級アルコールエステル、米国特許3,295,979号
に記載のカゼイン、英国特許1,263,722号に記載の高級
脂肪族カルシウム塩、英国特許1,313,384号、米国特許
3,042,522号、同3,489,567号に記載のシリコン化合物な
どを含んでもよい。流動パラフィンの分散物などもこの
目的に用いることができる。
蛍光増白剤としては、スチルベン系、トリアジン系、
ピラゾリン系、クマリン系、アセチレン系の蛍光増白剤
を好ましく用いることができる。
これらの化合物は水溶性のものでもよく、又不溶性の
ものを分散物の形で用いてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルカル
ボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキ
ル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−ア
シル−アルキルタウリン類、スルホコキハク酸エステル
類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エス
テル類などのような、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ
基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含む
ものが好ましい。
両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸類、アミノ
アルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又は燐酸エ
ステル類、アルキルベンタイン類、アミンオキシド類等
が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミ
ン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニウム塩類、
ピリジウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモ
ニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム
又はスルホニウム塩類等が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばサポニン(ス
テロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポ
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリ
プロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコール
アルキルエーテル類又はポリエチレングリコールアルキ
ルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステ
ル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、
ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド
類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、
グリシード誘導体(例えばアルケニルコハク酸ポリグリ
セリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価ア
ルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類
等が好ましい。
又、ポリマーラテックスをハロゲン化銀乳剤層、バッ
キング層に含有させ、寸法安定性を向上させる技術も、
用いることができる。これらの技術は、例えば特公昭93
−4272号、同39−17702号、同43−13482号、米国特許2,
376,005号、同2,763,625号、同2,772,166号、同2,852,3
86号、同2,853,457号、同3,397,988号等に記載されてい
る。
本発明に用いる感光材料のバインダーとしてはゼラチ
ンを用いるが、ゼラチン誘導体、セルロース誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子のグラフトポリマー、それ以外の蛋
白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一或いは共重合
体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも併
用して用いることができる。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか酸処理ゼラ
チン、ビュレチン・オブ・ソサエティー・オブ・ジャパ
ン(Bull.Soc.Sci.Phot.Japan)No16,30頁(1966)に記
載されたような酸素処理ゼラチンを用いてもよく、又ゼ
ラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができ
る。ゼラチン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハラ
イド、酸無水物、イソシアナート類、プロモ酢酸、アル
カンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイ
ミド化合物類、ポリアルキレオンキシド類、エポキシ化
合物類等種々の化合物を反応させて得られるものが用い
られる。その具体例は米国特許2,614,928号、同3,132,9
45号、同3,186,846号、同3,312,553号、米国特許861,41
4号、同1,033,189号、同1,005,784号、特公昭42−26845
号などに記載されている。
蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、セルロース
誘導体としてはヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、セルロースの硫酸エステル、又は
糖誘導体としてはアルギン酸ソーダ、でん粉誘導体をゼ
ラチンと併用してもよい。
前記ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマーとして
はゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸、それらのエ
ステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、スチ
レンなどの如きビニル系モノマーの単一(ホモ)又は共
重合体をグラフトさせたものを用いることができる。こ
とに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー例えば
アクリル酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ヒ
ドロキシアルキルメタアクリレート等の重合体とのグラ
フトポリマーが好ましい。これらの例は、米国特許2,76
3,625号、同2,831,767号、同2,956,884号などに記載さ
れている。
本発明の感光材料には、更に目的に応じて種々の添加
剤を用いることができる。これらの添加剤は、より詳し
くは、リターチディスクロージャー第176巻I tem17643
(1978年12月)及び同187巻I tem18716(1979年11月)
に記載されており、その該当個所を後掲の表にまとめて
示した。
本発明の感光材料に用いられる支持体には、α−オレ
フィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン/ブデン共重合体)等をラミネートした
紙、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝
酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリアミド
等の半合成又は合成高分子からなるフィルムや、これら
のフィルムに反射層を設けた可撓性支持体、金属などが
含まれる。
中でもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明に用いることができる下引き層としては特開昭
49−3972号記載のポリヒドロシベンゼン類を含む有機溶
剤系での下引き加工層、特開昭49−11118号、同52−104
913号、同59−19941号、同59−19940号、同59−18945
号、同51−112326号、同51−117617号、同51−58469
号、同51−114120号、同51−121323号、同51−123139
号、同51−114121号、同52−139320号、同52−65422
号、同52−109923号、同52−119919号、同55−65949
号、同57−128332号、同59−19941号等に記載の水系ラ
テックス下引き加工層が挙げられる。更に米国特許2779
684号、4645731号に記載されているような塩化ビニリデ
ン系下引、また米国特許3630742号、特開昭60−3627号
等に記載されているポリオレフィンによりポリエチレン
テレフタレート支持体を被覆する下引方法等が挙げられ
る。
又、該下引き層は通常、表面を化学的ないし物理的に
処理することができる。該処理としては薬品処理、機械
的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周
波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー
処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表面活性化処理
が挙げられる。
下引き層は、本発明に係る塗設層とは区別され、塗設
時期や条件に何ら制限はない。
本発明においては、フィルター染料、或いはハレーシ
ョン防止その他種々の目的で染料を用いることができ
る。用いられる染料には、トリアリル染料、オキサノー
ル染料、ヘミオキサノール染料、メロシアニン染料、シ
アニン染料、スチリル染料、アゾ染料が包含される。な
かでもオキサノール染料;ヘミオキサノール染料及びメ
ロシアニン染料が有用である。用い得る染料の具体例は
西独特許616,007号、英国特許584,609号、同1,177,429
号、特公昭26−7777号、同39−22069号、同54−38129
号、特開昭48−85130号、同49−99620号、同49−114420
号、同49−129537号、同50−28827号、同52−108115
号、同57ほ185038号、同59ほ24845号、米国特許1,878,9
61号、同1,884,035号、同1,912,797号、同2,09,891号、
同2,150,695号、同2,274,782号、同2,298,731号、同2,4
09,612号、同2,461,484号、同2,527,583号、同2,533,47
2号、同2,865,752号、同2,956,879号、同3,094,418号、
同3,125,448号、同3,148,187号、同3,177,078号、同3,2
47,127号、同3,260,601号、同3,282,699号、同3,409,43
3号、同3,540,887号、同3,575,704号、同3,653,905号、
同3,718,472号、同3,865,817号、同4,070,352号、同4,0
71,312号、PBレポート74175号、フォトグラフィック・
アブストラクト(Photo.Abstr.) 28(′21)等およ
び米国特許4857446号等に記載の固体分散染料に記載さ
れたものである。
特に明室返し感光材料においてはこれらの染料を用い
るのが好適であり、400nmの光に対する感度が360nmの光
に対する感度の30倍以上入れるように用いるのが特に好
ましい。
更に本発明の実施に際しては、特開昭61−26041号等
に記載のポーラログラフの陽極電位と陰極電位の和が正
である有機減感剤を用いることもできる。
本発明の感光材料は、該感光材料を構成する乳剤層が
感度を有しているスペクトル領域の電磁波を用いて露光
できる。光源としては自然光(日光)、タングステン電
灯、蛍光灯、ヨーソクォーツ灯、水銀灯、マイクロ波発
光のUV灯、キセノナーク灯、炭素アーク灯、キセノンフ
ラッシュ灯、陰極線管フライングスポット、各種レーザ
ー光、発光ダイオード光、電子線、X線、γ線、α線な
どによって励起された蛍光体から放出される光等、公知
の光源のいずれをも用いることができる。又特開昭62−
210458号等のUV光源に370nm以下の波長を吸収する吸収
フィルターを装着したり、発光波長を370〜420nmにを主
波長にするUV光源を用いたりしても、好ましい結果が得
られる。
露光時間は通常カメラで用いられる1ミリ秒から1秒
の露光時間は勿論、1マイクロ秒より短い露光、例えば
陰極線管やキセノン閃光管を用いた100ナノ秒〜1マイ
クロ秒の露光を用いることもでき、又1秒より長い露光
を与えることも可能である。これらの露光は連続して行
われても、間欠的に行われてもよい。
本発明は、印刷用、X−レイ用、一般ネガ用、一般リ
バーサル用、一般ポジ用、直接ポジ用等の各種感光材料
に適用することができるが、極めて高い寸法安定性を要
求される印刷用感光材料に適用した場合特に著しい効果
が得られる。
本発明において、感光材料の現像処理には、公知の方
法による黒白、カラー、反転などの各種現像処理を用い
ることができるが、高コントラストを与える印刷用感光
材料のための処理を行う場合特に有効である。
本発明において、処理の際に用いることができる定着
液には、チオ硫酸塩、亜流酸塩の他、種々の酸、塩、定
着促進剤、湿潤剤、界面活性剤、キレート剤、硬膜剤等
を含有させることができる。例を挙げれば、チオ硫酸
塩、亜硫酸塩としてはこれらの酸のカリウム、ナトリウ
ム、アンモニウムの塩、酸としては硫酸、塩酸、硝酸、
ほう酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸等が挙げられ、塩と
しては、これらの酸のカリウム、ナトリウム、アンモニ
ウム等の塩が挙げられる。定着促進剤としては、特公昭
45−35754号、特開昭58−122535号、同58−122536号記
載のチオ尿素誘導体、分子内に3重結合を有したアルコ
ール、米国特許4,126,459号記載のチオエーテル、又は
アニオンをフリー化するシクロデキストランエーテル
体、クラウンエーテル類、ジアザビシクロウンデセンや
ジ(ヒドロキシエル)ブタミン等が挙げられる。湿潤剤
としてはアルカノールアミン、アルキレングリコール等
が挙げられる。キレート剤としては、ニトリロトリ酢
酸、EDTA等のアミノ酢酸が挙げられる。硬膜剤としては
クロム明ばん、カリ明ばんの他Al化合物等を含有させる
ことができる。
本発明において定着液は、感光材料の硬膜性を上げる
ためにAl化合物を含有させることが好ましく、その含有
量が使用液中のAl換算量で0.1〜3g/であるときにさら
に好ましい。
定着液に含まれる好ましい亜硫酸濃度は0.03〜0.4モ
ル/であり、より好ましくは0.04〜0.3モル/であ
る。
好ましい定着液pHは3.9〜6.5である。最も好ましい液
pHは4.2〜5.3である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の現像温度は
50℃以下が好ましく、特に25℃〜40℃前後が好ましく、
又現像処理時間は2分以内に終了することが一般的であ
るが、特に5〜60秒の迅速処理であっても好ましい写真
画像が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的実施例を示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
実施例1 明室返し用感光材料としてネガ型のハロゲン化銀感光
材料を下記の様にして作成した。
(乳剤の調製) 下記のようにして臭化銀含有率2モル%の塩臭化銀乳
剤を調製した。
硝酸銀60g当り23.9mgのペンタプロモロジウムカリウ
ム塩、塩化ナトリウム及び臭化カリウムを含有する水溶
液と硝酸銀水溶液とをゼラチン水溶液中に撹拌しつつ、
40℃で25分間で同時混合して平均粒径0.20μmの塩臭化
銀乳剤をそれぞれ作成した。
この乳剤に安定剤として6−メチル−4−ヒドロキシ
−1,3,3a,7−テトラザインデンを200mgを加えた後、水
洗、脱塩した。
これに20mgの6−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7
−テトラザインデンを加えた後、イオウ増感した。イオ
ウ増感後、それぞれ必要な分のゼラチンを加え、安定剤
として6−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラ
ザインデンを加え、次いで水にて260mlに仕上げて乳剤
を調製した。
(乳剤添加用ラテックス(L)の作成) 水40に名糖産業製KMDS(デキストラン硫酸エステル
ナトリウム塩)を0.25kg及び過硫酸アンモニウム0.05kg
を加えた液に液温81℃で撹拌しつつ窒素雰囲気下でn−
ブチルアクリレート4.51kg、スチレン5.49kg及びアクリ
ル酸0.1kgの混合液を1時間かけて添加、その後過硫酸
アンモニウムを0.005kg加え、更に1.5時間撹拌後、冷
却、更にアンモニア水にてpHを6に合せた。
得られたラテックス液をWhotman社製GF/Dフィルター
で濾別し、水で50.5kgに仕上げる事で平均粒径0.25μの
単分散なラテックス(L)を作成した。
前記乳剤に以下の添加剤を加えて、ハロゲン化銀乳剤
塗布液を下記の様に調製した。
(乳剤塗布液の調製) 前記乳剤液に殺菌剤として化合物(A)を9mg加えた
後、0.5規定水酸化ナトリウム液を用いてpHを6.5に調
整、次いで下記化合物(T)を360mg加え、更に、ハロ
ゲン化銀1モル当りサポニン20%水溶液を5ml、ドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを180mg、5−メチ
ルベンズトリアゾールを80mg、前記乳剤液添加用ラテッ
クス液(L)を43ml加え、以下化合物(M)を60mg、及
び増粘剤としてスチレン−マレイン酸共重合体水性ポリ
マーを280mgを順次加えて、水にて475mlに仕上げて乳剤
塗布液を調製した。
次いで乳剤保護膜塗布液Bを下記の様にして調製し
た。
(乳剤保護膜塗布液Bの調製) ゼラチンに対して純水を加え、膨潤後40℃で溶解、次
いで、塗布助剤として、下記化合物(Z)を32.7mg/
m2、フィルター染料として下記の化合物(N)を100mg/
m2、及び下記化合物(D)を70mg/m2順次加え、更にマ
ット剤として不定形シリカを粒径4μm未満のものを5m
g/m2、粒径4μm以上のものを20mg/m2添加し、クエン
酸液でpH5.4とした。
次いでバッキング層を塗布するのに用いるバッキング
塗布液Cを下記の様にして調製した。
(バッキング塗布液Cの調製) ゼラチン36gを水に膨潤し、加温して溶解後、染料と
して下記化合物(C−1)を1.6、(C−2)を310mg、
(C−3)を1.9g、前記化合物(N)を2.9g、水溶液に
して加え、次にサポニンの20%水溶液を11ml、物性調整
剤として下記化合物(C−4)を5g加え更に、メタノー
ル溶液として、下記化合物(C−5)を63mg加えた。こ
の液に増粘剤として、スチレン−マレイン酸共重合体水
溶性ポリマーを800g加え粘度調製し、更にクエン酸水溶
液を用いてpH5.4に調製し、最後にグリオキザールを144
mg加え、水にて960mlに仕上げてBC塗布液Cを調製し
た。
次いでバッキング層Cの保護膜層塗布用として保護膜
塗布液Dを下記の様にして調製した。
(バッキング層保護膜塗布液Dの調製) ゼラチン50gを水に膨潤し、加温溶解後、2−スルホ
ネート−コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)エステル
ナトリウム塩を340mg加え、塩化ナトリウムを3.4g加
え、更にグリオキザールを1.1g、ムコクロル酸を540mg
加えた。これにマット剤として平均粒径4μmの球形の
ポリメチルメタクリレートを40mg/m2となるように添加
し、水にて1000mlに仕上げてそれぞれ保護膜塗布液Dを
調製した。
尚、塗布時には、乳剤面、バッキング面とも硬膜剤と
して(CH2=CHSO2CH22O及びHCHOを含有する液を塗布
直前に塗布液に混合した。
〔評価試料の作成〕
支持体として特開昭59−19941の実施例1の下引き層
を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ10
0μm)を用い、支持体に近い側からバッキング層塗布
液C及びバッキング層保護膜塗布液Dを同時塗布した。
次にそれぞれの支持体上の反対側の面に支持体に近い
側から乳剤層塗布液A及び乳剤保護膜塗布液Bを同時重
層塗布した。
塗布に際しては、スライドホッパーで塗布液A、Bを
塗布後、冷風セットゾーンを通過させてA、B層をセッ
トさせた後、C、D層を塗布し、冷風セットゾーンを通
過してC、D層をセットさせ、引き続き乾燥ゾーンを通
過させて両面を同時に乾燥した。C、D層塗布後は乾燥
終了巻き取りまでローラーその他には一切無接触の状態
で搬送した。以下、この方式を1パス方式という。
また比較として、まずバッキングC、D層を塗布乾燥
し、一旦巻き取ってから後、乳剤層A、B層を塗布乾燥
した。この方式を2パス方式という。表1にこれらの塗
布乾燥条件を示し、試料No.1〜4を作成した。
各々の塗布乾燥に際し、水とゼラチンの重量比が200
%以下となってからは34℃,30%RHの空気で乾燥し、フ
ィルム表面温度が33℃となってより10秒後から50℃,25
%RHの空気に45秒間接触させた。巻き取りは25℃,45%R
Hで行い、以後絶対湿度をその条件に保ったまま断裁・
包装した。
その際、塗布ゼラチン量としてはバッキング層2.0g/m
2、バッキング保護層1.5g/m2、乳剤層2.0g/m2、乳剤保
護層1.0g/m2であり、銀量は3.5g/m2であった。
以上、作成した各試料について下記に示す評価を行
い、結果を表1に示した。
(評価方法) スムースター値 スムースター値は試料を未露光のまま後記の条件で現
像処理した後、23℃48%RHで2時間調湿した後同じ環境
で東映電子工業(株)製SM−6Bにより測定した。
マットピンホール 試料の乳剤面を貼り込みベースに密着させ、濃度2.0
を与えるように露光処理、現像処理して目視評価した。
評価は5段階とし、5が優れ1が劣る。
現像処理条件 工程 温度(℃) 時間(秒) 現像 34 15 定着 34 15 水洗 常温 10 乾燥 40 9 〔現像液処方〕 (組成A) 純水(イオン交換水) 150ml エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 2g ジエチレングリコール 50g 亜硫酸カリウム(55%W/V水溶液) 100ml 炭酸カリウム 50g ハイドロキノン 15g 5−メチルベンゾトリアゾール 200mg 1−フエニル−5−メルカプトテトラゾール 30mg 水酸化カリウム 使用液のpHを10.9にする量 臭化カリウム 4.5g (組成B) 純水(イオン交換水) 3ml ジエチレングリコール 50g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 25mg 酢酸(90%水溶液) 0.3ml 5−ニトロインダゾール 110mg 1−フェニル−3−ピラゾリドン 500mg 現像液の使用時に水500ml中に上記組成物A、組成物
Bの順に溶かし、1に仕上げて用いた。
〔定着液処方〕
(組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5%W/V水溶液) 230ml 亜硫酸ナトリウム 9.5g 酢酸ナトリウム・3水塩 15.9g 硼酸 6.7g クエン酸ナトリウム・2水塩 2g 酢酸(90%W/W水溶液) 8.1ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50%W/Wの水溶液) 5.8g 硫酸アルミニウム (Al2O3換算含量が8.1%W/Wの水溶液) 26.5g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの
順に溶かし、1に仕上げて用いた。この定着液のpHは
約4.3であった。
表1の結果から本発明の試料No.1は対応する比較試料
No.3に対して表面スムースター値、マットピンホールと
もに改良されている。また塗布速度を速くし、乾燥後期
の乾燥条件が比較的速い本発明の試料No.2も対応する比
較試料No.4より優れており、本発明の乾燥速度の異なる
No.1とNo.2についても乾燥速度を速くしてもほぼ同様の
結果が得られていることが分かる。
実施例2 実施例1において用いた支持体のバッキング側に帯電
防止効果を有する下記組成の層をあらかじめ塗布した支
持体を使用して実施例1,2と同様な方法で試料5〜8を
得た。
帯電防止層の塗布 下引き済みのポリエチレンテレフタレートベース上に
50W/(m・min)でコロナ放電をかけた後、下記組成に
てロールフィットコーティングパン及びエアーナイフを
使用して塗布を行った。
尚、乾燥は90℃、2分続いて140℃、90秒で行った。
乾燥後のこの表面比抵抗は23℃、55%RHで1×108Ωで
あった。 単位はg/m2 結果を表2に示す。
表2の結果から、表1の結果より帯電防止層を設ける
ことにより、表面の表面スムースター値すなわちマット
性はさらに改良されていることが分かる。
実施例3 実施例2において、ベースの下引きを、塩化ビニリデ
ン95wt%ポリメチルアクリレート3wt%イタコン酸2wt%
の共重合ラテックスをポリエチレンテレフタレート同時
に延伸させ、更に25w/(m・min)のコロナ放電処理を
した後、塩化ビニリデン下引きの上部に乾燥膜厚0.1μ
mのゼラチン層を塗布した下引きに変え、かつもう1種
の帯電防止層としてバッキング面側にシリカを含有する
ゼラチン層を厚さ1.5μm、0.5g/m2となるように塗布し
た。
このベースを用いて実施例1,2と同様の実験を行い、
結果を表3に示した。
表3の結果からも実施例2の表2と同様の結果が得ら
れることが分かる。
〔発明の効果〕
本発明により生産性及びマット性すなわち真空密着性
に優れたハロゲン化銀写真感光材料の製造方法を提供す
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を塗設してなり、かつ支持体の両面に少な
    くとも1層ずつの親水性コロイド層を有するハロゲン化
    銀写真感光材料の製造方法において、両面の親水性コロ
    イド層を水とゼラチンの重量比が800%から200%に減少
    するまで表面温度を19℃以下に保ちつつ同時に乾燥し、
    かつ両面の最外層にそれぞれ粒径4μm以上のマット剤
    を少なくとも4mg/m2以上含有し、更に両面の表面スムー
    スター値がそれぞれ25mmHg以上であることを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
  2. 【請求項2】構成層中に、少なくとも1層の帯電防止層
    を有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    写真感光材料の製造方法。
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