JP2899813B2 - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JP2899813B2 JP1151502A JP15150289A JP2899813B2 JP 2899813 B2 JP2899813 B2 JP 2899813B2 JP 1151502 A JP1151502 A JP 1151502A JP 15150289 A JP15150289 A JP 15150289A JP 2899813 B2 JP2899813 B2 JP 2899813B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料の画像形成方法に
関し、さらに詳しくは迅速処理適性を有する印刷感光材
料の画像形成方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、ハロゲン化銀写真感光材料の消費量は、増加の
一途をたどっている。このためハロゲン化銀写真感光材
料の現像処理枚数が増加し、現像処理の迅速化、つまり
同一時間内での処理量を増加させることが要求されてい
る。
上記傾向は、印刷製版分野でも見受けられる。即ち、
情報の即時性や回数の増加が急増している為、印刷製版
の作業も短納期にしかもより多くの量をこなす必要が出
てきている。この様な印刷製版業界の要望を満たすに
は、印刷工程の簡易化を促進するとともに、印刷製版用
フィルムを一層迅速に処理する必要がある。
しかし、処理時間を短縮化すると残色の劣化や残色ム
ラが発生し好ましくない。
〔発明の目的〕
上記のごとき問題に対し、本発明の目的は、超迅速処
理を行った時にも、残色が良く残色ムラのないハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、支持体上に、少なくとも1層の
感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、支持体に対し該ハロ
ゲン化銀乳剤層を含む側における親水性コロイド層中の
少なくとも1層中に、下記一般式〔I〕で表される増感
色素を含有し、かつ該乳剤層中の銀とゼラチンとの重量
比(銀/ゼラチン)が1.0以上である印刷製版用ネガ型
ハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理時間19秒以内で
処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法により達成される。
また上記ネガ型ハロゲン化銀写真感光材料をDry to D
ryの全処理時間を20秒〜60秒として処理することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法が有効に適
用できる。
一般式〔I〕 〔但し一般式〔I〕中R1はアルキル基、Zは5又は6員
環の複素環を形成するのに必要な非金属原子群、Qは5
員環の複素環を形成するために必要な非金属原子群、m
は1または2を表す。〕 以下本発明について詳細に説明する。
本発明において、Dry to Dryとは感光材料に先端を自
動現像機に挿入し現像、定着、水洗、乾燥を経て該先端
が自動現像機から出てくるまでの全時間である。即ち各
槽の渡り部分を含む処理ラインの全長(m)をライン搬
送速度(m/sec)で割った商(sec)であり、その値が60
秒以下であることを特徴としている。
また、本発明の態様におけるゼラチン量とは、支持体
に対して感光性ハロゲン化銀乳剤槽を含む側における1
層以上のゼラチン量の総和のことであり、ハロゲン化銀
乳剤層のゼラチン量に限定されるものではない。また銀
量も支持体に対して同じ側において複数の層の塗設され
ているような場合は、各層の合計の銀量に対して定義さ
れる。
次に一般式〔I〕について説明する。
一般式〔I〕 〔但し一般式〔I〕中R1はアルキル基、具体的には例え
ば炭素数1〜8のアルキル基、例えばメチル基、エチル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、
2−アセトキシエチル基、カルボキシメチル基、2−カ
ルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カ
ルボキシブチル基、スルホエチル基、3−スルホプロピ
ル基、3−スルホブチル基、4−スルホブチル基、ビニ
ールメチル基、ベンジル基、フェネチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が好ましい。Z
は5員環または6員環の複素環を形成するのに必要な非
金属原子群であり、前記複素環としては例えばチアゾー
ル環、セレナゾール環、オキサゾール環、ベンゾチアゾ
ール環、ベンゾセレナゾール環、ベンズオキサゾール
環、ナフトチアゾール環、ナフトセレナゾール環、ナフ
トオキサゾール環、ビリジン環、キノリン環等を挙げる
ことができ、さらにこれら複素環は置換基を有していて
もよく、これら置換基は例えばハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)、例えばアルキル基好ましくは炭
素原子数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基等)、ハロゲン化アルキル基(例え
ばトリフルオロメチル基等)、アルコキシ基好ましくは
炭素原子数1〜4のアルコキシ基(例えばメトキシ基、
エトキシ基、n−プロピルオキシ基等)、ヒドロキシ
基、アリール基(例えばフェニル基等)等が挙げられ
る。Q1は5員環の複素環を形成するのに必要な非金属原
子群を表わし、これらの複素環としては例えばローダニ
ン環、チオヒダントイン環、チオオキサゾリジンジオン
環、チオセレナゾリジンジオン環等を挙げることがで
き、これら複素環は置換基を有していてもよく、これら
置換基はアルキル基好ましくは炭素原子数1〜8のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチルオキシ
エチル基、2−メトキシエチル基、2−アセトキシエチ
ル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、
3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、
2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スル
ホブチル基、4−スルホブチル基、ベンジル基、フェネ
チル基、n−プロピル基、n−ブチル基等)、アリール
基(例えばフェニル基、p−スルホフェニル基等)、ビ
リジル基(例えば2−ピリジル基、3−ピリジル基、4
−ピリジル基、4−メチル−2−ピリジル基等)が挙げ
られる。またmは1または2を表わす。〕 上記一般式〔I〕で示される化合物は、例えば以下I
−1〜I−26が挙げられる。
本発明で用いる上記一般式〔I〕で示される化合物
は、例えば米国特許第2,161,331号公報および西独特許
第936,071号公報等に記載されている方法に基づいて容
易に合成することができる。上記一般式〔I〕で示され
る化合物をハロゲン化銀乳剤に使用するには、塗布液中
に添加溶解せしめるか、水あるいはメタノール、エタノ
ール、アセトン等の有機溶媒の単独もしくはそれらの混
合物に溶解して任意の時期に塗布液中に添加すればよ
い。通常は熟成終了後から塗布直前までの任意の時期に
添加すればよい。好ましくは、ハロゲン化銀乳剤層に添
加する。但し、必要に応じて写真性能上影響のない範囲
でハロゲン化銀乳剤層に隣接する層、例えば保護層、中
間層等にも添加することができる。
また、本発明で用いる上記一般式〔I〕で示される化
合物をハロゲン化銀乳剤に添加する場合の使用量につい
ては、ハロゲン化銀乳剤の種類、化合物の種類によって
異なるが、通常ハロゲン化銀1モルあたり1mgから2g、
更に好ましくは10mg〜1gであり、適宜効果の得られる最
適量を任意に選択することができる。
本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤には、ハ
ロゲン化銀として、臭化銀、塩化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用され
る任意のものを用いる事ができ、ハロゲン化銀粒子は、
酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得られたも
のでもよい。
ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一なハロゲン
化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部と表面層と
でハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒子であって
もよく、潜像が主として表面に形成されるような粒子で
あっても、また主として粒子内部に形成されるような粒
子でもよい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを
用いることができる。好ましい1つの例は、{100}面
を結晶表面として有する立方体である。又、米国特許4,
183,756号、同4,225,666号、特開昭55−26589号、特公
昭55−42737号等の明細書や、ザ・ジャーナル・オブ・
フォトグラフィック・サイエンス(J.Photgr.Sci).2
1.39(1973)等の文献に記載された方法により、8面
体、14面体、12面体等の形状を有する粒子をつくり、こ
れを用いることもできる。更に、双晶面を有する粒子を
用いてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の形状からな
る粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子が混合され
たものでもよい。
又、いかなる粒子サイズ分布を持つものを用いてもよ
く、粒子サイズ分布の広い乳剤(多分散乳剤と称する)
を用いてもよいし、粒子サイズ分布の狭い乳剤(単分散
乳剤と称する。)を単独又は数種類混合してもよい。
又、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以上のハロ
ゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
本発明において、単分散乳剤が好ましい。単分散乳剤
中の単分散のハロゲン化銀粒子としては、平均粒径rを
中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重量
が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であるものが好
ましく、特に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%
以上である。
ここに平均粒径は、粒径riを有する粒子の頻度niと
ri3との積ni×ri3が最大となるときの粒径riを定義す
る。
(有効数字3桁、最小桁数字は四捨五入する。) ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合
は、その直径、又球状以外の形状の粒子の場合は、その
投影像を周面積の円像に換算した時の直径である。
粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍から5万倍
に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又は投影
時の面積を実測することによって得られることができ
る。(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある事とす
る。) 本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は によって定義した単分散度が20以下のものであり、更に
好ましくは15以下のものである。
ここに平均粒径及び粒径標準偏差は前記定義のriから
求めるものとする。単分散乳剤は特開昭54−48521号、
同58−49938号及び同60−122935号公報等を参考にして
得ることができる。
感光性ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行わないで、
いわゆる未後熟(Primitive)乳剤のまま用いることも
できるが、通常は化学増感される。化学増感のために
は、前記Glafkides又は、Zelikmanらの著書、或いはH.F
rieser編デ・グルンドラーゲン・デル・フォトグラフィ
シェン・プロツェセ・ミト・ジルベルハロゲニーデン
(Die Grundlagen der Photographischen Prozesse mit
Silberhalogeniden、Akademicche Verlagsgesellschag
t、1968)に記載の方法を用いることができる。
即ち、銀イオンと反応し得る硫黄を含む化合物や活性
ゼラチンを用いる硫黄増感法、還元性物質を用いる還元
増感法、金その他の貴金属化合物を用いることができ
る。硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チ
アゾール類、ローダニン類、その他の化合物を用いるこ
とができ、それらの具体例は、米国特許1,574,944号、
同2,410,689号、同2,278,947号、同2,728,668号、同3,6
56,955号に記載されている。還元増感剤としては、第一
すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジス
ルフィン酸、シラン化合物等を用いることができ、それ
らの具体例は米国特許2,487,850号、同2,419,974号、同
2,518,698号、同2,983,609号、同2,983,610号、同2,69
4,637号に記載されている。貴金属増感のためには金錯
塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム等の周期律表
VII族の金属の錯塩を用いることができ、その具体例は
米国特許2,399,083号、同2,448,060号、英国特許618,06
1号等に記載されている。
又、化学増感時のpH、pAg、温度等の条件は特に制限
はないが、pH値としては4〜9、特に5〜8が好まし
く、pAg値としては5〜11、特に7〜9に保つのが好ま
しい。又温度としては、40〜90℃、特に45〜75℃が好ま
しい。
本発明で用いる写真乳剤は、前述した硫黄増感、金・
硫黄増感の他、還元性物質を用いる還元増感法:貴金属
化合物を用いる貴金属増感法などを併用することもでき
る。
感光性乳剤としては、前記乳剤を単独で用いてもよ
く、二種以上の乳剤を混合してもよい。
本発明の実施に際しては、上記のような化学増感の終
了後に、例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン、5−メルカプト−1−フェニ
ルテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等を
始め、種々の安定剤も使用できる。更に必要であればチ
オエーテル等のハロゲン化銀溶剤、又はメルカプト基含
有化合物や増感色素のような晶癖コントロール剤を用い
てもよい。
本発明の乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子は、粒子
を形成する過程及び/又は成長させる過程で、カドミウ
ム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又は錯
塩、ロジウム塩又は錯塩、鉄塩又は錯塩を用いて金属イ
オンを添加し、粒子内部に及び/又は粒子表面に包含さ
せる事ができる。
本発明の乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了後に
不要な可溶性塩類を除去しても良いし、あるいは含有さ
せたままでもよい。該塩類を除去する場合には、リサー
チ・ディスクロジャー17643号記載の方法に基づいて行
うことができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料においては、
更に増感色素を添加して併用してもよい。用いられる色
素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニ
ン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン
色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキサ
ノール色素等が包含される。特に有用な色素はシアニン
色素、メロシアニン色素及び複合メロシアニン色素に属
する色素である。これらの色素類には、塩基性異節環核
としてシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも
適用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、
チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾー
ル核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核等、これらの核に脂環式炭化水素環が融
合した核、及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合し
た核、即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、
インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾ
ール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベ
ンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン
核等が適用できる。これらの核は、炭素原子上で置換さ
れていてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オ
ン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダ
ニン核、チオバルビツール酸核等の5〜6員異節環核を
適用することができる。
本発明で用いる増感色素は、通常のネガ型ハロゲン化
銀に用いられると同等の濃度で用いられる。特に、ハロ
ゲン化銀乳剤の固有感度を実質的に落とさない程度の色
素濃度で用いるのが有利である。ハロゲン化銀1モル当
り増感色素の約1.0×10-5〜約5×10-4モルが好まし
く、特にハロヘン化銀1モル当り増感色素の約4×10-5
〜約2×10-4モルの濃度で用いることが好ましい。
本発明の増感色素を1種又は2種以上組合せて用いる
ことができる。本発明において有利に使用される増感色
素としてはより具体的には例えば次のごときものを挙げ
ることができる。
即ち、青感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられる増感
色素としては、例えば西独特許929,080号、米国特許2,2
31,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同2,519,00
1号、同2,912,329号、同3,656,956号、同3,672,897号、
同3,694,217号、同4,025,349号、同4,046,572号、英国
特許1,242,588号、特公昭44−14030号、同52−24844
号、特開昭48−73137号、同61−172140号に記載された
ものを挙げることができる。又緑感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられる増感色素としては、例えば米国特1.939,
201号、同2,072.908号、同2,739,149号、同2,945,763
号、英国特許505,979号、特公昭48−42172等に記載され
ているごときシアニン色素、メロシアニン色素又は複合
シアニン色素をその代表的なものとして挙げることがで
きる。更に、赤感光性及び赤外感光性ハロゲン化銀乳剤
に用いられる増感色素としては、例えば米国特許2,269,
234号、同2,270,378号、同2,442,710号、同2,454,629
号、同2,776,280号、特公昭49−17725号、特開昭50−62
425号、同61−29836号、同60−80841号等に記載されて
いるごときシアニン色素、メロシアニン色素又は複合シ
アニン色素をその代表的なものとして挙げることができ
る。
これらの増感色素は単独で用いてもよく、又これらを
組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特に強色増
感の目的でしばしば用いられる。その代表例は、米国特
許2,688,545号、同2,977,229号、同3,397,060号、同3,5
22,052号、同3,527,641号、同3,617,293号、同3,628,96
4号、同3,666,480号、同3,672,898号、同3,679,428号、
同3,703,377号、同3,769,301号、同3,814,609号、同3,8
37,862号、同4,026,707号、英国特許1,344,281号、同1,
507,803号、特公昭43−4936号、同53−12375号、特開昭
52−110618号、同52−109925号等に記載されている。
本発明の感光材料には下記一般式〔II〕でしめされる
化合物を含有させることが好ましい。
一般式〔II〕 〔式中、R1,R2及びR3は各々水素原子又は置換基を有
し、X はアニオンを表す。〕 前記一般式〔II〕において、R1、R2ないしR3が表す置
換基の好ましい例としてアルキル基(例えばメチル、エ
チル、シクロプロピル、プロピル、イソプロピル、シク
ロブチル、ブチル、イソブチル、ペンチル、シクロヘキ
シル等)、アミノ基、アシルアミノ基(例えばアセチル
アミノ)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えばメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ
等)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ)、ハロ
ゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、カルバモイ
ル基、アシルチオ基(例えばアセチルチオ)、アルコキ
シカルボニル基(例えばエトキシカルボニル)、カルボ
キシル基、アシル基(例えばアセチル)、シアノ基、ニ
トロ基、メルカプト基、スルホオキシ基、アミノスルホ
キシ基のような基が挙げられる。
前記X で示されるアニオンとしては、例えば塩化物
イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイ
オン、硝酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホ
ン酸、カルボン酸等の有機酸の酸根、アニオン系の活性
剤、具体的にはp−トルエンスルホン酸アニオン等の低
級アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、p−ドデシル
ベンゼンスルホン酸アニオン等の高級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、ラウリルスルフェートアニオン等
の高級アルキル硫酸エステルアニオン、テトラフェニル
ボロン等の硼酸系アニオン、ジ−2−エチルヘキシルス
ルホサクシネートアニオン等のジアルキルスルホサクシ
ネートアニオン、セチルポリエテノキシサルフェートア
ニオン等のポリエーテルアルコール硫酸エステルアニオ
ン、ステアリン酸アニオン等の高級脂肪族アニオン、ポ
リアクリル酸アニオン等のポリマーに酸根についたもの
等を挙げることができる。
以下、本発明に用いられる一般式[II]で表される化
合物の具体例を第1表に挙げるが、本発明の化合物はこ
れに限定されるものではない。
本発明に用いられるテトラゾリウム化合物は、例えば
ケミカル・レビュー(Chemical Reviews)第55巻、第33
5頁〜483頁に記載の方法に従って容易に合成することが
できる。
本発明の一般式〔II〕で表されるテトラゾリウム化合
物は、本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に含有され
るハロゲン化銀1モル当り約1mg以上10gまで、好ましく
は約10mg以上約2gまでの範囲で用いられるのが好まし
い。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料には、親水性
コロイド層にフィルター染料として、あるいはイラジエ
ーション防止、ハレーション防止をの他種々の目的で水
溶性染料を含有してもよい。このような染料には、オキ
ソノール染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、
メロシアニン染料、シアニン染料及びアゾ染料等が包含
される。中でもオキサノール染料;ヘミオキサノール染
料及びメロシアニン染料が有用である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、親
水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等が包含される場
合に、それらはカオチン性ポリマー等によって媒染され
てもよい。
上記の写真乳剤には、ハロゲン化銀写真感光材料の製
造工程、保存中或いは処理中の感度低下やカブリの発生
を防ぐために種々の化合物を添加することができる。即
ち、アゾール類例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイ
ンダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール
類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ−又はハロゲン
置換体)、ヘテロ環メルカプト化合物類例えばメルカプ
トチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メ
ルカプトチアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特
に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メル
カプトピリジン類、カルボキシ基やスルホン基等の水溶
性基を有する上記のヘテロ環、メルカプト化合物類、チ
オケト化合物例えばオキサゾリンチオン、アザインデン
類例えばテトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置
換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ベンゼンチオ
スルホン酸類、ベンゼンスルフィン酸等のような安定剤
として知られた多くの化合物を加えることができる。
使用できる化合物の一例は、K.Mees著、ザ・セオリー
・オブ・ザ・ホトグラフィック・プロセス(The Theory
of the Photographic Process、第3版、1966年)に原
文献を挙げて記載されている。
これらの更に詳しい具体例及びその他の使用方法につ
いては、例えば米国特許3,954,474号、同3,982,947号、
同4,021,248号又は特公昭52−28660号の記載を参考にで
きる。
又、本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、写真構成
層中に米国特許3,411,911号、同3,411,912号、特公昭45
−5331号等に記載のアルキルアクリレート系ラテックス
を含むことができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に下記各種添加剤
を含んでもよい。増粘剤又は可塑剤として例えば米国特
許2,960,404号、特公昭43−4939号、西独国出願公告1,9
04,604号、特開昭48−63715号、ベルギー国特許762,833
号、米国特許3,767,410号、ベルギー国特許588,143号の
各明細書に記載されている物質、例えばスチレン−マレ
イン酸ソーダ共重合体、デキストランサルフェート等、
硬膜剤としては、アルデヒド系、エポキシ系、エチレン
イミン系、活性ハロゲン系、ビニルスルホン系、イソシ
アネート系、スルホン酸エステル系、カルボジイミド
系、ムコクロル酸系、アシロイル系等の各種硬膜剤、紫
外線吸収剤としては、例えば米国特許3,253,921号、英
国特許1,309,349号の各明細書等に記載されている化合
物、特に2−(2′−ヒドロキシ−5−3級ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−3級ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−3′−3級ブチル−5′−
ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−3級ブチルフェ
ニル)−5−クロルベンゾトリアゾール等を挙げること
ができる。更に、塗布助剤、乳化剤、処理液等に対する
浸透性の改良剤、消泡剤或いは感光材料の種々の物理的
性質をコントロールするために用いられる界面活性剤と
しては英国特許548,532号、同1,216,389号、米国特許2,
026,202号、同3,514,293号、特公昭44−26580号、同43
−17922号、同43−17926号、同43−3166号、同48−2078
5号、仏国特許202,588号、ベルギー国特許773,459号、
特開昭48−101118号等に記載されているアニオン性、カ
チオン性、非イオン性或いは両性の化合物を使用するこ
とができるが、これらのうち特にスルホン酸を有するア
ニオン界面活性剤、例えばコハク酸エステルスルホン化
物、アルキルベンゼンスルホン化物等が好ましい。又、
帯電防止剤としては特公昭46−24159号、特開昭48−899
79号、米国特許2,882,157号、同2,972,535号、特開昭48
−20785号、同48−43130号、同48−90391号、特公昭46
−24159号、同46−39312号、同48−43809号、特開昭47
−33627号の各公報に記載されている化合物がある。
本発明の製造方法において、塗布液のpHは5.3〜7.5の
範囲であることが好ましい。多層塗布の場合は、それぞ
れの層の塗布液を塗布量の比率で混合した塗布液のpHが
上記5.3〜7.5の範囲であることが好ましい。pHが5.3よ
りより小さいと硬膜の進行がおそらく好ましくなく、pH
が7.5より大きいと写真性能に悪影響を及ぼすことが好
ましくない。
本発明の感光材料において構成層にはマット化剤、例
えばスイス特許330,158号に記載のシリカ、仏国特許1,2
96,995号に記載のガラス粉、英国特許1,173,181号に記
載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛などの炭酸
塩などの無機物粒子;米国特許2,322,037号に記載の澱
粉、ベルギー特許625,451号或いは英国特許981,198号に
記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号に記載のポリ
ビニルアルコール、スイス特許330,158号に記載された
ポリスチレン或いはポリメチルメタアクリレート、米国
特許3,079,257号に記載のポリアクリロニトリル、米国
特許3,022,169号に記載のポリカーボネートのような有
機物粒子を含むことができる。
本発明の感光材料において構成層にはスベリ剤、例え
ば米国特許2,588,756号、同3,121,060号に記載の高級脂
肪族の高級アルコールエステル、米国特許3,295,979号
に記載のカゼイン、英国特許1,263,722号に記載の高級
脂肪族カルシウム塩、英国特許1,313,384号、米国特許
3,042,522号、同3,489,567号に記載のシリコン化合物な
どを含んでもよい。流動バラフィンの分散物などもこの
目的に用いることができる。
本発明の感光材料には、更に目的に応じて種々の添加
剤を用いることができる。これらの添加剤は、より詳し
くは、リサーチディスクロージャー第176巻I tem17643
(1978年12月)及び同187巻I tem18716(1979年11月)
に記載されており、その該当個所を後掲の表にまとめて
示した。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の実施において、
例えば乳剤層その他の層は写真感光材料に通常用いられ
る可撓性支持体の片面又は両面に塗布して構成すること
ができる。可撓性支持体として有用なものは、硝酸セル
ロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート等の半合成又は合成高分子からな
るフィルム、バライタ層又はα−オレフィンポリマー
(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ブ
テン共重合体)等を塗布又はラミネートした紙などであ
る。支持体は、染料や顔料を用いて着色されてもよい。
遮光の目的で黒色にしてもよい。これらの支持体の表面
は一般に、乳剤層等との接着をよくするために下塗処理
される。下塗処理は、特開昭52−104913号、同59−1894
9号、同59−19940号、同59−11941号公報に記載されて
いる処理が好ましい。
支持体表面は、下塗処理の前又は後にコロナ放電、紫
外線照射、火陥処理等を施してもよい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、写
真乳剤層その他の親水性コロイド層は種々の塗布法によ
り支持体上又は他の層の上に塗布できる。塗布には、デ
ィップ塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗布法、押出
し塗布法等を用いることができる。
本発明における現像時間が19秒以内好ましくは、17秒
以内で処理される現像・定着・水洗・乾燥工程について
記す。
本発明に使用する黒白現像液に用いる現像主薬には良
好な性能を得やすい点で、ジヒドロキシベンゼン鎖と1
−フェニル−3−ピラゾリドン類の組合わせが最も好ま
しい。勿論この他にp−アミノフェノール系現像主薬を
含んでもよい。
本発明に用いるジヒドロキシベンゼン現像主薬として
はハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイ
ドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイ
ドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジク
ロロハイドロキノン、2,3−ジブロムハイドロキノン、
2,5−ジメチルハイドロキノンなどがあるが特にハイド
ロキノンが好ましい。
本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾリドン又は
その誘導体の現像主薬としては1−フェニル−4,4−ジ
メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル
−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンな
どがある。
本発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬とし
てはN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフ
ェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノ
フェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリジ
ン、2−メチル−p−アミノフェノール、p−ベンジル
アミノフェノール等があるが、なかでもN−メチル−p
−アミノフェノールが好ましい。
現像主薬は通常0.01モル/l〜1.2モル/lの量で用いる
のが好ましい。
本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤としては亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アン
モニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウ
ム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。
亜硫酸塩は0.2モル/l以上特に0.4モル/l以上が好まし
い。また、上限は2.5モル/lまでとするのが好ましい。
本発明に用いる現像液のpHは9〜13までの範囲のもの
が好ましい。更に好ましくはpH10から12までの範囲であ
る。
pHの設定のために用いるアルカリ剤には水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウムの如き
pH調節剤を含む。
特開昭61−28708号(ホウ酸塩)、特開昭60−93439号
(例えば、サッカロース、アセトオキシム、5−スルホ
サルチル酸)、リン酸塩、炭酸塩などの緩衝剤を用いて
もよい。
上記成分以外に用いられる添加剤としては、臭化ナト
リウム、臭化カリウム、沃化カリウムの如き現像抑制
剤:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールの如き有機溶剤:1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール−5−ス
ルホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合物、5−ニ
トロインダゾール等のインダゾール系化合物、5−メチ
ルベンツトリアゾール等のベンツトリアゾール系化合物
などのカブリ防止剤を含んでもよく、更に必要に応じて
色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、特開昭56−
106244号記載のアミノ化合物などを含んでもよい。
本発明においては現像液に銀汚れ防止剤、例えば特開
昭56−24347号に記載の化合物を用いることができる。
本発明の現像液には、特開昭56−106244号に記載のア
ルカノールアミンなどのアミノ化合物を用いることがで
きる。
この他L.F.A.メソン著「フォトグラフィック・プロセ
シン・ケミストリー」、フォーカル・プレス刊(1966
年)の226〜229頁、米国特許第2,193,015号、同2,592,3
64号、特開昭48−64933号などに記載のものを用いても
よい。
本発明において「現像時間」、「定着時間」とは各
々、処理する感光材料が自現機の現像タンク液に浸漬し
てから次の定着液に浸漬するまでの時間、定着タンク液
に浸漬してから次の水洗タンク液(安定液)に浸漬する
までの時間を言う。
また「水洗時間」とは、水洗タンク液に浸漬している
時間をいう。
また「乾燥時間」とは通常35℃〜100℃で好ましくは4
0℃〜80℃の熱風が吹きつけられる乾燥ゾーンが、自現
機には設置されているが、その乾燥ゾーンに入っている
時間をいう。
現像温度及び時間は約25℃〜50℃で19秒以下であるが
好ましくは30℃〜40℃で6秒〜17秒である。
定着液はチオ硫酸塩を含む水溶液であり、pH3.8以
上、好ましくは4.2〜5.5を有する。
定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモ
ニウムがあるが、チオ硫酸イオンとアンモニウムイオン
とを必須成分とするものであり、定着速度の点からチオ
硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の使用量は適
宜変えることができ、一般には約0.1〜約6モル/lであ
る。
定着液には硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム
塩を含んでも良く、それらには、例えば塩化アルミニウ
ム、硫酸アンモニウム、カリ明ばんなどがある。
定着液には、酒石酸、クエン酸あるいはそれらの導体
を単独で、あるいは2種以上、併用することができる。
これらの化合物に定着液1につき0.005モル以上含む
ものが有効で、特に0.01モル/l〜0.03モル/lが特に有効
である。
具体的には、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリ
ウム、酒石酸カリウムナトリウム、クエン酸、クエン酸
ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、ク
エン酸アンモニウムなどがある。
定着液には所望により保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重
亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硝酸)、pH調整
剤(例えば硫酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特願
昭60−213562号記載の化合物を含むことができる。
定着温度及び時間は約20℃〜約50℃で6秒〜40秒が好
ましいが30℃〜40℃で6秒〜30秒がより好ましく、更に
好ましくは30℃〜40℃で6秒〜20秒である。
定着液濃縮液が本発明の方法で自動現像機に、感光材
料が処理されるに従って、それを希釈する水と共に補充
される場合、定着液濃縮液は1剤で構成されることが最
も好ましいことは現像液の場合と同じである。
1剤として定着液現液が安定に存在しうるのはpH4.5
以上であり、より好ましくはpH4.65以上である。pH4.5
未満では、特に定着液が実際に使われるまでの期間長年
放置された場合にチオ硫酸塩が分解して最終的には硫化
してしまうためである。従ってpH4.5以上の範囲では亜
硫酸ガスの発生も少なく、作業環境上も良くなる。pHの
上限はそれ程厳しくないが余り高pHで定着されると、以
後水洗されても膜pHが高くなって膜膨潤が大きくなり従
って乾燥負荷が大きくなるのでpH7まで位が限度であ
る。アルミニウム塩を使って硬膜する定着液ではアルミ
ニウム塩の析出沈澱防止pH5.5までが限界である。
本発明は現像液または定着液のいずれかが上記のよう
な希釈水を必要としない(すなわち原液のままで補充す
る)いわゆる使用液であっても構わない。
各濃縮液の処理タンク液への供給量及び希釈水との混
合割合はそれぞれ濃縮液の組成に依存して種々変化させ
ることができるが、一般に濃縮液対希釈水は1対0〜8
の割合で、これらの現像液、定着液各々の全量は感光材
料1m2に対して50mlから1500mlであることが好ましい。
本発明においては感光材料は現液、定着した後、水洗
又は安定化処理を施される。
水洗又は安定化処理は本分野で公知のあらゆる方法を
適用することができ、本分野で公知の種々の添加剤を含
有する水を水洗水又は安定化液として用いることもでき
る。防黴手段を施した水を水洗水又は安定化液に使用す
ることにより、感光材料1m2当たり3l以下の補充量とい
う節水処理も可能となるのみならず、自現機設置の配管
が不要となり更にストック槽の削減が可能となる。即ち
現像液及び定着液用の調液希釈水及び水洗水又は安定化
液を共通の一槽のストック槽から供給でき、自動現像機
の一層のコンバクト化が可能となる。
防黴手段を施した水を水洗水又は安定化液に併用する
と、水垢の発生等が有効に防止し得るため、感光材料1
m2当たり0〜3l、好ましくは0〜1、の節水処理を行
うことができる。
ここで、補充量が0の場合とは、水洗槽中の水洗水が
自然蒸発等により減少した分だけ適宜補充する以外は全
く補充を行なわない、即ち実質的に無補充のいわゆる
「ため水」処理方法を行なう場合をいう。
補充量を少なくする方法として、古くより多段向流方
式(例えば2段、3段など)が知られている。この多段
向流方式を本発明に適用すれば定着液の感光材料はだん
だんと清浄な方向、つまり定着液で汚れていない処理液
の方に順次接触して処理されて行くので、更に効率の良
い水洗がなされる。これによれば、不安定なチオ硫酸塩
等が適度に除去され、変退色の可能性が一層小さくなっ
て、更に著しい安定化効果が得られる。水洗水も従来に
比べ津、非常に少ない量ですむ。
少量の水洗水で水洗するときには特願昭60−172968号
に記載のスクイズローラー洗浄槽を設けることがより好
ましい。
更に水洗又は安定化浴に防黴手段を施した水を処理に
応じて補充することによって生ずる水洗又は安定化浴か
らのオーバーフロー液の一部又は全部は特願昭60−2351
33号に記載されているようにその前の処理工程である定
着能を有する処理液に利用することもできる。こうする
ことによって上記ストック水の節水ができ、しかも廃液
がより少なくなるためより好ましい。
防黴手段としては、特開昭60−263939号に記された紫
外線照射法、同60−263940号に記された磁場を用いる方
法、同61−131632号に記されたイオン交換樹脂を用いて
純水にする方法、特願昭60−253807号、同60−295894
号、同61−63030号、同61−51396号に記載の防菌剤を用
いる方法を用いることができる。
更には、L.E.West“Water Quality Criteria"Photo S
ci & Eng.Vol.9No.6(1965)、M.W.Beach“Microbiolo
gical Growths in Motion−Picture Processing"SMPTE
Journal Vol.85,(1976).R.O.Deegan,“Photo Procees
ing Wash Water Biocides"J.Imaging Tech.Vol.10,No.6
(1984)及び特開昭57−8542号、同57−58143号、同58
−105145号、同57−132146号、同58−18631号、同57−9
7530号、同57−157244号などに記載されている防菌剤、
防バイ剤、界面活性剤などを併用することもできる。
更に水洗浴には、R.T.Kreiman著J.Image,Tech 10,
(6)242(1984)に記載されたイソチアゾリン系化合
物、RESEARCH DISCLOSURE 第205巻、Item20526(1981
年、5月号)に記載されたイソチアゾリン系化合物、同
第228巻、Item 22845(1983年、4月号)に記載された
イソチアゾリン系化合物特願昭61−51396号に記載され
た化合物、などを防菌剤(Microbiocide)として併用す
ることもできる。
更に防バイ剤の具体例としては、フェノール、4−ク
ロロフェノール、ペンタクロロフェノール、クレゾー
ル、O−フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロ
フェン、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、ク
ロルアセトアミド、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、
2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、ベンゾ
イソチアゾリン−3−オン、ドデシル−ベンジル−ジメ
チルアンモニウム−クロライド、N−(フルオロジクロ
ロメチルチオ)−フタルイミド、2,4,4′−トリクロロ
−2′−ハイドロオキシジフェニルエーテルなどであ
る。
防黴手段を施して水ストック槽に保存された水は前記
現像液定着液などの処理液原液の希釈水とその添加量は
好ましくは0.01〜10g/l、より好ましくは0.1〜5g/lであ
る。
更に水洗中には銀画像安定化剤の他に水滴むらを防止
する目的で、各種の界面活性剤を添加することができ
る。界面活性剤としては、陽イオン型、陰イオン型、非
イオン型および両イオン型のいずれを用いてもよい。界
面活性剤の具体例としてはたとえば工学図書(株)発行
の「界面活性剤ハンドブック」に記載されている化合物
などがある。
上記安定化浴中には画像を安定化する目的で各種化合
物が添加される。例えば膜pHを調整する(例えばpH3〜
8)ための各種の緩衝剤(例えばホウ酸塩、メタホウ酸
塩、ホウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリ、水酸化ナ
トリウム、アンモニウム水、モノカルボン酸、ジカルボ
ン酸、ポリカルボン酸などを組み合わせて使用)やホル
マリンなどのアルデヒドを代表例として挙げることがで
きる。その他、キレート剤、殺閑剤(チアゾール系、イ
ソチアゾール系、ハロゲン化フェノール、スルファニル
アミド、ベンゾトリアゾールなど)、界面活性剤、蛍光
増白剤、硬膜剤などの各種添加剤を使用してもよく、同
一もしくは異種の目的の化合物を2種以上併用しても良
い。
また、処理液の膜pH調整剤として塩化アンモニウム、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム等の
各種アンモニウム塩を添加するのが画像保存性を良化す
るために好ましい。
上記の方法による水洗または安定浴温度及び時間は0
℃〜50℃で6秒〜40秒が好ましいが15℃〜40℃で6秒か
ら30秒がより好ましく、更には15℃〜40℃で6秒から15
秒が好ましい。
本発明の方法によれば、現像、定着及び水洗された写
真材料は水洗水をしぼり切る、すなわちスクイズローラ
法を経て乾燥される。乾燥は約40℃〜約100℃で行なわ
れ、乾燥時間は周囲の状態によって適宜変えられるが、
通常が約5秒〜40秒でよいが、より好ましくは40℃〜80
℃で約5秒〜30秒である。
本発明においては、感光材料における膨潤百分率を低
減する程その乾燥時間を短縮できるという更に優れた効
果を発揮する。
本発明の方法によれば、現像、定着、水洗及び乾燥さ
れるまでのいわゆるDry to Dryの処理時間は60秒以内で
処理されることである。
ここで“dry to dry"とは処理される感材の先端が自
現機のフィルム挿入部分に入った瞬間から、処理され
て、同先端が自現機から出てくる瞬間までの時間を言
う。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
平均粒径0.25μmの、塩化銀含有量が75モル%である
塩臭化銀乳剤をコントロールダブルジェット法で調製し
た。
この乳剤を金硫黄増感し、安定剤として、6−メチル
−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザインデンを加え
た。乳剤を分割し、本発明に係る一般式〔I〕−7で示
される化合物を3×10-4モル/モルAg添加したものを得
た。
又本発明に係る化合物で色素増感されたハロゲン化銀
写真乳剤及び比較の乳剤にII−11を250mg/モルAg、n−
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム600mg/Ag1モル
を加え、ポリマーラテツクス下引きを施した100μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に常用の保護層
とともに同時塗布した。この時の銀量に対するゼラチン
量は表1に示す通りである。
このようにして得られた試料を、下記一般式の現像液
と定着液を用いて、通常のローラ型自動現像機にて下記
条件にて処理し、残色を評価した。
なお、残色は10段階に分けて評価し、10が最良であり
1〜4が使用不可、5以上が使用可能なレベルである。
表1より本発明のものは、残色が良いことがわかる。
処理条件 (工 程) (温 度) (時 間) 現 像 35 ℃ 15 秒 定 着 34 ℃ 15 秒 水 洗 常 温 12 秒 乾 燥 50 ℃ 10 秒 各工程時間は次工程までのいわゆる渡り搬送時間も含
む。Dry to Dry時間は52秒である。
現像液処方 (組成A) 純水(イオン交換水) 150ml エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 2g ジエチレングリコール 50g 亜硫酸カリウム(55% w/v水溶液) 100ml 炭酸カリウム 50g ハイドロキノン 15g 5−メチルベンゾトリアゾール 200mg 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 30mg 水酸化カリウム、使用後のpHを10.4にする量 臭化カリウム 4.5g (組成B) 純水(イオン交換水) 3ml ジエチレングリコール 50g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 25mg 酢酸(90%水溶液) 0.3ml 5−ニトロインダゾール 110mg 1−フェニル−3−ピラゾリドン 700mg ブチルアミンジエタノールアミン 15mg 現像液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの
順に溶かし、1に仕上げて用いた。
定着液処方 (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5% w.v水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6g クエン酸ナトリウム・2水塩 2g 酢酸(90% w/v水溶液) 13.6ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50% w/v水溶液) 4.7g 硫酸アルミニウム (Al2O3換算含量が8.1% w/vの水溶液) 26.5g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの
順に溶かし、1に仕上げて用いた。この定着液のpHは
約4.3であった。
〔発明の効果〕
本発明により、超迅速処理を行っても残色が少く、画
質低下する事がないハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法を提供することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−127620(JP,A) 特開 昭59−212827(JP,A) 特開 昭62−157028(JP,A) 特開 昭61−176920(JP,A) 特開 昭62−32444(JP,A) 特開 平1−92737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 5/29 501 G03C 1/16 G03C 1/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、支持体に対し該ハロゲン化銀乳
    剤層を含む側における親水性コロイド層中の少なくとも
    1層中に、下記一般式〔I〕で表される増感色素を含有
    し、かつ該親水性コロイド層中の銀とゼラチンとの重量
    比(銀/ゼラチン)が1.0以上である印刷製版用ネガ型
    ハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理時間19秒以内で
    処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。 一般式〔I〕 〔但し一般式〔I〕中R1はアルキル基、Zは5又は6員
    環の複素環を形成するのに必要な非金属原子群、Qは5
    員環の複素環を形成するために必要な非金属原子群、m
    は1または2を表す。〕
  2. 【請求項2】請求項1記載のネガ型ハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法で、Dry to Dryの全処理時間が20秒〜
    60秒であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
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