JPH06273884A - ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

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JPH06273884A
JPH06273884A JP5064199A JP6419993A JPH06273884A JP H06273884 A JPH06273884 A JP H06273884A JP 5064199 A JP5064199 A JP 5064199A JP 6419993 A JP6419993 A JP 6419993A JP H06273884 A JPH06273884 A JP H06273884A
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JP
Japan
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layer
silver halide
emulsion
sensitive material
coating
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JP5064199A
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English (en)
Inventor
Akio Fujita
章夫 藤田
Takeo Arai
健夫 荒井
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空密着性に優れ、しかもピンホールの点で
優れたハロゲン化銀写真感光材料の製造方法を提供す
る。 【構成】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン
化銀乳剤層が塗設され、かつ支持体の両面に少なくとも
1層ずつの親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真
感光材料の製造方法において、マット剤を含有する両面
の最上層の下側に隣接する層を構成する塗布液の粘度を
35℃で20cp以上、マット剤の粒径を5μm以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷製版用のハロゲン
化銀写真感光材料(以下、単に感光材料という)の製造
方法に関し、さらに詳しくは真空密着性に優れ、かつピ
ンホールの点で優れた感光材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷製版業界においては、近年、露光時
の真空密着時間短縮の要望が強く、いわゆる返し工程を
中心としてバキューム時間10秒以内でも問題なく露光で
きるような感光材料の提供が望まれていた。本発明者等
は、例えば特開平3-91738号において、比較的大粒径の
マット剤を実質的に含有し、しかも特殊な緩慢乾燥条件
を組み合わせることで画期的に真空密着性を改良する技
術を見いだした。しかしながら、寸度安定化のための低
ゼラチン化及び又は省銀化を行うことにより、マット剤
が自らの重みにより、乳剤中に沈み込み「マットピンホ
ール」の原因となることがわかった。
【0003】この様に低ゼラチン化、省銀が進む中でマ
ットピンホールを更に改良する技術が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
し、本発明の目的は真空密着性に優れ、しかもピンホー
ルの点で優れた感光材料の製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を
塗設してなり、かつ支持体の両面に少なくとも1層ずつ
の親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料
の製造方法において、少なくとも一方のマット剤を含有
する最上層の下側に隣接する層を構成する塗布液の粘度
が35℃において20cp以上であることを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料の製造方法により達成される。
【0006】また該最上層に含有されるマット剤の粒径
が5μm以上であること及び支持体上に塗布される乳剤
層及び/又はバッキング層よりも上部に位置する層が2
層以上であることが好ましい実施態様である。
【0007】更に好ましくは最も上部に位置する層にマ
ット剤を含有するものである。
【0008】尚、上記感光材料の両面の表面スムースタ
ー値はそれぞれ25mmHg以上であることが好ましい。
【0009】また、本発明において使用されるマット剤
の粒径は5μm以上であり、かつ添加量が2mg/m2
上、好ましくは4mg/m2以上である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】フィルム間の真空密着性を高めるためには
大粒径のマット剤を使用するのが好ましい。しかし、粒
径の大きいマット剤はマットピンホールと称する故障の
原因ともなるため、使用量には制限があった。
【0012】しかし、マット剤含有層の下側に隣接する
層を、35℃で20cp以上の粘度を有する塗布液により構成
する前記本発明による技術の発見により解決することが
できた。
【0013】さらに、塗布液粘度を上昇させることによ
り、塗布速度を上げることが可能となり生産性の向上が
期待できる。
【0014】感光材料の塗布乾燥は、通常ゼラチンのご
とき親水性コロイドをバインダーとする組成物よりなる
塗布液を支持体に塗布した後、一般に−10〜15℃の乾球
温度を有する低温空気中で冷却凝固せしめ、次いで温度
を高めて塗布層における水分を蒸発除去せしめるのであ
る。この時ゼラチンと水分の重量比は塗布直後は2000%
前後が普通である。
【0015】本発明において、水とゼラチンの重量比が
800〜200%における塗布表面温度は、乾燥風の湿球温度
で表され、19℃以下が好ましく、特に好ましくは17℃以
下である。また800%から200%までの乾燥時間は35秒以
上が好ましく、特に好ましくは40秒以上である。
【0016】本発明においては、特開平3-91739号記載
の様な帯電防止層を設けてもよい。
【0017】この場合、帯電防止層を設けた側の表面比
抵抗は1.0×1011Ω以下であることが好ましく、特に好
ましくは8×1011Ω以下である。
【0018】上記帯電防止層は、水溶性導電性ポリマ
ー、疎水性ポリマー粒子及び硬化剤の反応物を含有する
帯電防止層あるいは微粒金属酸化物を含有する帯電防止
層等が好ましい。
【0019】上記水溶性導電性ポリマーとしては、スル
ホン酸基、硫酸エステル基、4級アンモニウム塩、3級
アンモニウム塩、カルボキシル基、ポリエチレンオキシ
ド基から選ばれる少なくとも一つの導電性基を有するポ
リマーが挙げられる。これらの基のうちスルホン酸基、
硫酸エステル基、4級アンモニウム塩基が好ましい。導
電性基は水溶性導電性ポリマー1分子当たり5重量%以
上を必要とする。また水溶性の導電性ポリマー中にカル
ボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、
アジリジン基、活性メチレン基、スルフィン酸基、アル
デヒド基、ビニルスルホン基等が含まれるが、これらの
うちカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポ
キシ基、アジリジン基、アルデヒド基が含まれているこ
とが好ましい。これらの基はポリマー1分子当たり5重
量%以上含まれていることが必要である。水溶性導電性
ポリマーの数平均分子量は、3000〜100000であり、好ま
しくは3500〜50000である。
【0020】また上記金属酸化物としては酸化スズ、酸
化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、あるいはこ
れらの金属酸化物に金属リンや金属インジウムをドーピ
ングした物等が好ましく用いられる。これらの金属酸化
物の平均粒径は1μm〜0.01μmが好ましい。
【0021】本発明において用いられるマット剤として
は、公知のものをいずれも用いることができる。例えば
スイス特許330,158号に記載のシリカ、仏国特許1,296,9
95号に記載のガラス粉、英国特許1,173,181号に記載の
アルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛などの炭酸塩な
どの無機物粒子、米国特許2,322,037号に記載の澱粉、
ベルギー特許625,451号或いは英国特許981,198号に記載
された澱粉誘導体、特公昭44‐3643号に記載のポリビニ
ルアルコール、スイス特許330,158号に記載されたポリ
スチレン或いはポリメチルメタアクリレート、米国特許
3,079,257号に記載のポリアクリロニトリル、米国特許
3,022,169号に記載のポリカーボネートのような有機物
粒子を含むことができる。これらマット剤はそれぞれ単
独で用いてもよく、併用してもよい。マット剤の形状は
定形のマット剤としては球形が好ましいが、他の形例え
ば平板状、立方形であってもよい。マット剤の大きさは
マット剤の体積を球形に換算したときの直径で表され
る。本発明においてマット粒径とはこの球形換算した直
径の事を指すものとする。
【0022】本発明の好ましい形態は、乳剤面側の最上
層が、マット粒径として5μm以上の定形及び/又は不
定形のマット剤の少なくとも一種を4〜80mg/m2含有す
る。さらに好ましくは粒径5μm未満の定形及び/又は
不定形のマット剤の少なくとも一種を4mg/m2〜80mg/m2
あわせ含有することである。
【0023】またマット剤が最上層に含有されるとは、
マット剤のうち少なくとも一部が最上層に含まれていれ
ばよく、マット剤の一部が最上層より下層の層にまで達
していてもよい。
【0024】またマット剤の基本的機能を果たすため、
マット剤の一部は表面に露出していることが望ましい。
また表面に露出しているマット剤は添加したマット剤の
一部でもよく、総てでも良い。マット剤の添加方法は、
あらかじめ塗布液中に分散させて塗布する方法であって
もよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前に
マット剤を噴霧する等の方法を用いてもよい。また複数
種の異なるマット剤を添加する場合、両方の方法を併用
してもよい。
【0025】本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳
剤には、ハロゲン化銀として、臭化銀、沃臭化銀、塩化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤
に使用される任意のものを用いることができ、好ましく
は、ネガ型ハロゲン化銀乳剤として50モル%以上の塩化
銀を含む塩臭化銀である。ハロゲン化銀粒子は、酸性
法、中性法及びアンモニア法のいずれで得られたもので
もよい。本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は単一の
組成であってもよく又複数の異なる組成の粒子を単一層
内あるいは複数の層に分けて含有させても良い。
【0026】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任
意のものを用いることができる。好ましい一つの例は、
{100}面を結晶表面として有する立方体である。又、米
国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55‐26589
号、特公昭55‐42737号等や、ザ・ジャーナル・オブ・
フォトグラフィック・サイエンス(J.Photgr.Sc
i).21.39(1973)等の文献に記載された方法によ
り、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子
をつくり、これを用いることもできる。更に、双晶面を
有する粒子を用いてもよい。
【0027】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の
形状からなる粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子
が混合されたものでもよい。
【0028】又、いかなる粒子サイズ分布を持つものを
用いてもよく、粒子サイズ分布の広い乳剤(多分散乳剤
と称する)を用いてもよいし、粒子サイズ分布の狭い乳
剤(単分散乳剤と称する。)を単独又は数種類混合して
もよい。又、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いて
もよい。ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した二種以上
のハロゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
【0029】本発明において、単分散乳剤が好ましい。
単分散乳剤中の単分散のハロゲン化銀粒子としては、平
均粒径ravを中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロ
ゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上で
あるものが好ましく、特に好ましくは70%以上、更に好
ましくは80%以上である。
【0030】ここに平均粒径ravは、粒径riを有する粒
子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となるときの粒径
riを定義する。(有効数字3桁、最小桁数字は4捨5入
する。)ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子
の場合は、その直径、又球状以外の形状の粒子の場合
は、その投影像を周面積の円像に換算した時の直径であ
る。
【0031】粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍
から5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直
径又は投影時の面積を実測することによって得られるこ
とができる。(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある
事とする。)本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は (粒径標準偏差/平均粒径)×100=分布の広さ(%) によって定義した分布の広さが20%以下のものであり、
更に好ましくは15%以下のものである。
【0032】ここに平均粒径及び粒径標準偏差は前記定
義のriから求めるものとする。
【0033】単分散乳剤は特開昭54-48521号、同58-499
38号及び同60-122935号等を参考にして得ることができ
る。
【0034】感光性ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行
わないで、いわゆる未後熟(Primitive)乳剤のまま用
いることもできるが、通常は化学増感される。化学増感
のためには、銀イオンと反応し得る硫黄を含む化合物や
活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、還元性物質を用いる
還元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増
感法等を単独または組み合わせて用いることができる。
硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾ
ール類、ローダニン類、その他の化合物を用いることが
できる。還元増感剤としては、第一すず塩、アミン類、
ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラ
ン化合物等を用いることができる。貴金属増感のために
は金錯塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム等の周
期律表VII族の金属の錯塩を用いることができる。
【0035】また、化学増感時のpH、pAg、温度等の条
件は特に制限はないが、pH値としては4〜9、特に5
〜8が好ましく、pAg値としては5〜11、特に8〜10に
保つのが好ましい。又温度としては、40〜90℃、特に45
〜75℃が好ましい。
【0036】本発明で用いる写真乳剤は、前述した硫黄
増感、金・硫黄増感の他、還元性物質を用いる還元増感
法、貴金属化合物を用いる貴金属増感法などを併用する
こともできる。
【0037】感光性乳剤としては、前記乳剤を単独で用
いてもよく、二種以上の乳剤を混合してもよい。
【0038】本発明の実施に際しては、上記のような化
学増感の終了後に、例えば、4‐ヒドロキシ‐6‐メチル
‐1,3,3a,7‐テトラザインデン、5‐メルカプト‐1‐
フェニルテトラゾール、2‐メルカプトベンゾチアゾー
ル等を始め、種々の安定剤も使用できる。
【0039】更に必要であればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤、又はメルカプト基含有化合物や増感色素の
ような晶癖コントロール剤を用いてもよい。
【0040】本発明に係る乳剤に用いられるハロゲン化
銀粒子は、粒子を形成する過程及び/又は成長させる過
程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリ
ジウム塩又は錯塩、ロジウム塩又は錯塩、鉄塩又は錯塩
を用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び/又は粒
子表面に包含させる事ができる。
【0041】本発明に係る乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去しても良いし、
あるいは含有させたままでも良い。該塩類を除去する場
合には、リサーチ・ディスクロジャー17643号記載の方
法に基づいて行う事が出来る。
【0042】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて写真乳剤は、増感色素によって比較的長波長の青
色光、緑色光、赤色光または赤外光に分光増感されても
良い。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル
色素、及びヘミオキソノール色素等が包含される。
【0043】本発明で用いる増感色素は、通常のネガ型
ハロゲン化銀乳剤に用いられると同等の濃度で用いられ
る。特に、ハロゲン化銀乳剤の固有感度を実質的に落と
さない程度の色素濃度で用いるのが有利である。ハロゲ
ン化銀1モル当たり増感色素の約1.0×10-5〜約5×10
-4モルが好ましく、特にハロゲン化銀1モル当たり増感
色素の約4×10-5〜2×10-4モルの濃度で用いることが
好ましい。
【0044】本発明の増感色素を一種又は二種以上組み
合せて用いることができる。
【0045】本発明において用いられるスムースターの
値は東英電子工業〔株〕製SM−6Bにより測定したも
のである。
【0046】また本発明の感光材料には印刷製版用とし
て硬調化するためテトラゾリウム化合物の少なくとも一
種及び/又はヒドラジン化合物の少なくとも一種を含有
することが望ましい。本発明において用いられるテトラ
ゾリウム化合物としては、例えば特開平3-288843号公報
第6頁に記載されている一般式〔I〕で表される化合物
を使用することができ、具体的化合物としては同公報第
7頁記載の化合物No.I−1〜I−27が挙げられる。
【0047】本発明に用いられるテトラゾリウム化合物
は、例えばケミカル.レビュー(Chemical Reviews)
第55巻、第335頁〜483頁に記載の方法にしたがって容易
に合成することができる。 本発明で用いるテトラゾリウム化合物は、本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料に含有されるハロゲン化銀1モル
当たり約1mg以上約10gまで、好ましくは約10mg以上約
2gの範囲で用いられる。
【0048】本発明において用いられるテトラゾリウム
化合物は、一種を用いてもまた二種以上を適宜の比率で
組み合わせて用いてもよい。さらに本発明のテトラゾリ
ウム化合物と本発明外のテトラゾリウム化合物を適宜の
割合で組み合わせて用いてもよい。
【0049】本発明において、本発明のテトラゾリウム
化合物と結合し、本発明のテトラゾリウム化合物の親水
性を下げるアニオンを併用すると、特に好ましい結果が
得られる。このようなアニオンとしては、例えば過塩素
酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等の有機
酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp-トルエン
スルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼンスルホン
酸アニオン、p-ドデシルベンゼンスルホン酸アニオン
類、アルキルナフタレンスルホン酸アニオン類、ラウリ
ルサルフェートアニオン類、テトラフェニールボロン
類、ジ-2-エチルヘキシルスルホサクシネートアニオン
類等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、セチル
ポリエテノキシサルフェートアニオン等のポリエーテル
アルコール硫酸エステルアニオン、ステアリン酸アニオ
ン類等、ポリアクリル酸アニオン類等を挙げることがで
きる。
【0050】このようなアニオンは、本発明のテトラゾ
リウム化合物と予め混合した後、親水性コロイド層へ添
加してもよいし、また、単独で本発明のテトラゾリウム
を含有もしくは含有しないハロゲン化銀乳剤層または親
水性コロイド層に添加することができる。
【0051】本発明に用いられるヒドラジン化合物とし
ては、例えば特開平3-288843号公報第7頁に記載されて
いる一般式〔II〕で表される化合物を使用することがで
き、具体的化合物としては同公報第8頁〜第11頁記載の
II−1〜II−59が挙げられる。
【0052】ヒドラジン化合物の添加位置はハロゲン化
銀乳剤層及び/または支持体上のハロゲン化銀乳剤層側
にある非感光層であるが、好ましくは、ハロゲン化銀乳
剤層及び/またはその下層である。添加量は、10-5〜10
-1モル/銀1モルが好ましく、更に好ましくは10-4〜10
-2モル/銀1モルである。
【0053】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、親水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等が包
含される場合に、それらはカチオン性ポリマー等によっ
て媒染されてもよい。
【0054】上記の写真乳剤には、ハロゲン化銀写真感
光材料の製造工程、保存中或いは処理中の感度低下やカ
ブリの発生を防ぐために種々の化合物を添加することが
できる。即ち、アゾール類、ヘテロ環メルカプト化合物
類、メルカプトピリジン類、カルボキシル基やスルホン
基等の水溶性基を有する上記のヘテロ環メルカプト化合
物類、チオケト化合物類、アザインデン類、ベンゼンチ
オスルホン酸類、ベンゼンスルフィン酸等のような安定
剤として知られた多くの化合物を加えることができる。
【0055】使用できる化合物の一例は、K.Mees著、ザ
・セオリー・オブ・ザ・ホトグラフィック・プロセス
(The Theory of the Photographic Process、第3版、
1966年)に原文献を挙げて記載されている。
【0056】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には下
記各種添加剤を含んでもよい。増粘剤又は可塑剤として
例えばスチレン‐マレイン酸ソーダ共重合体、デキスト
ランサルフェート等、硬膜剤としては、アルデヒド系、
エポキシ系、エチレンイミン系、活性ハロゲン系、ビニ
ルスルホン系、イソシアネート系、スルホン酸エステル
系、カルボジイミド系、ムコクロル酸系、アシロイル系
等の各種硬膜剤、紫外線吸収剤としては、例えば2‐
(2′‐ヒドロキシ‐5‐3級ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′,5′‐ジ‐3級ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることがで
きる。さらに、塗布助剤、乳化剤、処理液等に対する浸
透性の改良剤、消泡剤或いは感光材料の種々の物理的性
質をコントロールするために用いられる界面活性剤とし
ては、アニオン性、カチオン性、非イオン性或いは両性
の化合物を使用することができるが、これらのうち特に
スルホン基を有するアニオン界面活性剤、例えばコハク
酸エステルスルホン化物、アルキルナフタレンスルホン
化物、アルキルベンゼンスルホン化物等が好ましい。
【0057】また帯電防止剤としては、特公昭46‐2415
9号、特開昭48-89979号、米国特許2,882,157号、同2,97
2,535号、特開昭48-20785号、同48-43130号、同48-9039
1号、特公昭46-24159号、同46-39312号、同48-43809
号、特開昭47-33627号に記載されている化合物がある。
本発明の製造方法において、塗布液のpHは5.3〜7.5の
範囲であることが好ましい。多層塗布の場合は、それぞ
れの層の塗布液を塗布量の比率で混合した塗布液のpH
が上記の5.3〜7.5の範囲であることが好ましい。pHが
5.3よりより小さいと硬膜の進行がおそくて好ましくな
く、pHが7.5より大きいと写真性能に悪影響を及ぼすこ
とが好ましくない。
【0058】本発明の感光材料において構成層にはスベ
リ剤として高級脂肪族の高級アルコールエステル、カゼ
イン、高級脂肪酸カルシウム塩、シリコン化合物などを
含んでもよい。流動パラフィンの分散物などもこの目的
に用いることができる。
【0059】蛍光増白剤としては、スチルベン系、トリ
アジン系、ピラゾリン系、クマリン系、アセチレン系の
蛍光増白剤を好ましく用いることができる。
【0060】これらの化合物は水溶性のものでもよく、
又不溶性のものを分散物の形で用いてもよい。
【0061】アニオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル
類、N-アシル-アルキルタウリン類、スルホコキハク酸
エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリ
ン酸エステル類などのような、カルボキシル基、スルホ
基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むものが好ましい。
【0062】両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸
類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸
又は燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキ
シド類等が好ましい。
【0063】カチオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルアミン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニ
ウム塩類、ピリジウム、イミダゾリウムなどの複素環第
4級アンモニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホ
スホニウム又はスルホニウム塩類等が好ましい。
【0064】ノニオン性界面活性剤としては、例えばサ
ポニン、アルキレンオキシド誘導体、グリシード誘導
体、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキル
エステル類等が好ましい。
【0065】又、ポリマーラテックスをハロゲン化銀乳
剤層、バッキング層に含有させ、寸法安定性を向上させ
る技術も、用いることができる。
【0066】本発明に用いる感光材料のバインダーとし
てはゼラチンを用いるが、ゼラチン誘導体、セルロース
誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、そ
れ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一或
いは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コ
ロイドも併用して用いることができる。
【0067】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか
酸処理ゼラチン、ビュレチン・オブ・ソサエティー・オ
ブ・ジャパン (Bull. Soc. Sci. Phot. Japan)No16,30
頁(1966)に記載されたような酸素処理ゼラチンを用い
てもよく、又ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用い
ることができる。ゼラチン誘導体としては、ゼラチンに
例えば酸ハライド、酸無水物、イソシアナート類、プロ
モ酢酸、アルカンサルトン類、ビニルスルホンアミド
類、マレインイミド化合物類、ポリアルキレオンキシド
類、エポキシ化合物類等種々の化合物を反応させて得ら
れるものが用いられる。
【0068】蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、
セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エ
ステル、又は糖誘導体としてはアルギン酸ソーダ、でん
粉誘導体をゼラチンと併用してもよい。
【0069】前記ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マーとしてはゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸、
それらのエステル、アミドなどの誘導体、アクリロニト
リル、スチレンなどの如きビニル系モノマーの単一(ホ
モ)又は共重合体をグラフトさせたものを用いることが
できる。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリ
マー例えばアクリル酸、アクリルアミド、メタアクリル
アミド、ヒドロキシアルキルメタアクリレート等の重合
体とのグラフトポリマーが好ましい。
【0070】本発明の感光材料には、更に目的に応じて
種々の添加剤を用いることができる。これらの添加剤
は、より詳しくは、リサーチディスクロージャー第176
巻Item17643(1978年12月)及び同187巻Item18716(19
79年11月)に記載されており、その該当個所を以下にま
とめて示した。
【0071】 添 加 剤 種 類 RD17643 RD18716 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 2.感度上昇剤 同上 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 強色増感剤 649頁右欄 4.増白剤 24頁 5.カブリ防止剤 24〜25頁 649頁右欄 及び安定剤 6.光吸収剤、フィルター 25〜26頁 649右欄〜650左欄 染料紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8.色素画像安定剤 25頁 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10.バインダー 26頁 同上 11.可塑剤・潤滑剤 27頁 650右欄 12.塗布助剤・表面活性剤 26〜27頁 同上 13.スタチック防止剤 27頁 同上 本発明の感光材料に用いられる支持体には、α-オレフ
ィンポリマー (例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン/ブデン共重合体)等をラミネートした紙、合成
紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝酸セルロー
ス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネイト、ポリアミド等の半合成又
は合成高分子からなるフィルムや、これらのフィルムに
反射層を設けた可撓性支持体、金属などが含まれる。
中でもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0072】本発明に用いることができる下引き層とし
てはポリヒドロキシベンゼン類を含む有機溶剤系での下
引き加工層、水系ラテックス下引き加工層が挙げられ
る。更に塩化ビニリデン系下引、ポリオレフィンにより
ポリエチレンテレフタレート支持体を被覆する下引方法
等が挙げられる。
【0073】又、該下引き層は通常、表面を化学的ない
し物理的に処理することができる。該処理としては薬品
処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線
処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処
理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表
面活性化処理が挙げられる。
【0074】下引き層は、本発明に係る塗設層とは区別
され、塗設時期や条件に何ら制限はない。
【0075】本発明においては、フィルター染料、或い
はハレーション防止その他種々の目的で染料を用いるこ
とができる。用いられる染料には、トリアリル染料、オ
キサノール染料、ヘミオキサノール染料、メロシアニン
染料、シアニン染料、スチリル染料、アゾ染料が包含さ
れる。なかでもオキサノール染料;ヘミオキサノール染
料及びメロシアニン染料が有用である。
【0076】特に明室返し感光材料においてはこれらの
染料を用いるのが好適であり、400nmの光に対する感度
が360nmの光に対する感度の30倍以上入れるように用い
るのが特に好ましい。
【0077】更に本発明の実施に際しては、特開昭61-2
6041号等に記載のポーラログラフの陽極電位と陰極電位
の和が正である有機減感剤を用いることもできる。
【0078】本発明の感光材料は、該感光材料を構成す
る乳剤層が感度を有しているスペクトル領域の電磁波を
用いて露光できる。光源としては自然光(日光)、タング
ステン電灯、蛍光灯、ヨーソクォーツ灯、水銀灯、マイ
クロ波発光のUV灯、キセノナーク灯、炭素アーク灯、キ
セノンフラッシュ灯、陰極線管フライングスポット、各
種レーザー光、発光ダイオード光、電子線、X線、γ
線、α線などによって励起された蛍光体から放出される
光等、公知の光源のいずれをも用いることができる。又
特開昭62-210458号等のUV光源に370nm以下の波長を吸収
する吸収フィルターを装着したり、発光波長を370〜420n
mにを主波長にするUV光源を用いたりしても、好ましい
結果が得られる。
【0079】露光時間は通常カメラで用いられる1ミリ
秒から1秒の露光時間は勿論、1マイクロ秒より短い露
光、例えば陰極線管やキセノン閃光管を用いた100ナノ
秒〜1マイクロ秒の露光を用いることもでき、又1秒よ
り長い露光を与えることも可能である。これらの露光は
連続して行われても、間欠的に行われてもよい。
【0080】本発明は、印刷用、X-レイ用、一般ネガ
用、一般リバーサル用、一般ポジ用、直接ポジ用等の各
種感光材料に適用することができるが、極めて高い寸度
安定性を要求される印刷用感光材料に適用した場合特に
著しい効果が得られる。
【0081】本発明において、感光材料の現像処理に
は、公知の方法による黒白、カラー、反転などの各種現
像処理を用いることができるが、高コントラストを与え
る印刷用感光材料のための処理を行う場合特に有効であ
る。
【0082】本発明において、処理の際に用いることが
できる定着液には、チオ硫酸塩、亜硫酸塩の他、種々の
酸、塩、定着促進剤、湿潤剤、界面活性剤、キレート
剤、硬膜剤等を含有させることができる。例を挙げれ
ば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩としてはこれらの酸のカリウ
ム、ナトリウム、アンモニウムの塩、酸としては硫酸、
塩酸、硝酸、ほう酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュ
ウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸等が挙げ
られ、塩としては、これらの酸のカリウム、ナトリウ
ム、アンモニウム等の塩が挙げられる。定着促進剤とし
ては、チオ尿素誘導体、分子内に3重結合を有したアル
コール、チオエーテル、又はアニオンをフリー化するシ
クロデキストランエーテル体、クラウンエーテル類、ジ
アザビシクロウンデセンやジ(ヒドロキシエチル)ブタ
ノールアミン等が挙げられる。湿潤剤としてはアルカノ
ールアミン、アルキレングリコール等が挙げられる。キ
レート剤としては、ニトリロトリ酢酸、EDTA等のアミノ
酢酸が挙げられる。硬膜剤としてはクロム明ばん、カリ
明ばんの他Al化合物等を含有させることができる。
【0083】本発明において定着液は、感光材料の硬膜
性を上げるためにAl化合物を含有させることが好まし
く、その含有量が使用液中のAl換算量で0.1〜3g/リッ
トルであるときにさらに好ましい。
【0084】定着液に含まれる好ましい亜硫酸濃度は0.
03〜0.4モル/リットルであり、より好ましくは0.04〜
0.3モル/リットルである。
【0085】好ましい定着液pHは3.9〜6.5である。最
も好ましい液pHは4.2〜5.3である。
【0086】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
現像温度は50℃以下が好ましく、特に25℃〜40℃前後が
好ましく、又現像処理時間は2分以内に終了することが
一般的であるが、特に5〜60秒の迅速処理であっても好
ましい写真画像が得られる。
【0087】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示すが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0088】実施例1 明室返し用感光材料としてネガ型のハロゲン化銀感光材
料を下記の様にして作成した。
【0089】(乳剤の調製)下記のようにして臭化銀含
有率2モル%の塩臭化銀乳剤を調製した。
【0090】硝酸銀60g当たり23.9mgのペンタブロモロ
ジウムカリウム塩、塩化ナトリウム及び臭化カリウムを
含有する水溶液と硝酸銀水溶液とをゼラチン水溶液中に
撹拌しつつ、 40℃で25分間で同時混合して平均粒径0.20
μmの塩臭化銀乳剤を作成した。この乳剤に安定剤として
6‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐1,3,3a,7‐テトラザインデ
ンを200mg加えた後、水洗、 脱塩した。
【0091】これに20mgの6‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐
1,3,3a,7‐テトラザインデンを加えた後、イオウ増感し
た。 イオウ増感後、それぞれ必要な分のゼラチンを加
え、安定剤として6‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐1,3,3a,7
‐テトラザインデンを加え、次いで水にて260mlに仕上
げて乳剤を調製した。
【0092】(乳剤添加用ラテックス(Lx)の作成)水4
0リットルに名糖産業製KMDS(デキストラン硫酸エステル
ナトリウム塩)を0.25kg及び過硫酸アンモニウム0.05kg
加えた液に液温81℃で撹拌しつつ窒素雰囲気下でn‐ブ
チルアクリレート4.51kg、 スチレン5.49kg及びアクリル
酸0.1kgの混合液を1時間かけて添加、その後過硫酸ア
ンモニウムを0.005kg加え、更に1.5時間撹拌後、冷却、
更にアンモニア水にてpHを6に調整した。
【0093】得られたラテックス液をWhotman社製GF
/Dフィルターで瀘別し、水で50.5kgに仕上げる事で平
均粒径0.25μmの単分散なラテックス(Lx)を作成し
た。
【0094】前記乳剤に以下の添加剤を加えて、ハロゲ
ン化銀乳剤塗布液を下記の様に調製した。
【0095】(乳剤塗布液の調製)前記乳剤液に殺菌剤
として化合物(A)を9mg加えた後、0.5規定水酸化ナト
リウム液を用いてpHを6.5に調整、次いで下記化合物
(T)を360mg加え、更に、ハロゲン化銀1モル当たり
サポニン20%水溶液を5ml、ドデシルベンゼンスルフォ
ン酸ナトリウムを180mg、5‐メチルベンゾトリアゾール
を80mg、 前記乳剤液添加用ラテックス液(Lx)を43ml加
え、下記化合物(M)を60mg、 及び増粘剤としてスチレン
‐マレイン酸共重合体水性ポリマーを、水にて475mlに
仕上げた時に表1の粘度になる様に加え、乳剤塗布液A
〜Dを調製した。
【0096】
【表1】
【0097】次いで乳剤保護膜塗布液を下記の様にして
調製した。
【0098】(乳剤保護膜塗布液の調製)ゼラチンに純
水を加え、膨潤後40℃で溶解、次いで塗布助剤として、
下記化合物(Z)を32.7mg/m2、 フィルター染料として
下記の化合物(N)を100mg/m2、及び下記化合物(D)
を70mg/m2順次加え、更にマット剤として不定形シリカ
を表2に示すような粒径、添加量で加え、クエン酸液で
pH5.4とし、乳剤保護膜塗布液E〜Jを作成した。
【0099】
【表2】
【0100】
【化1】
【0101】
【化2】
【0102】次いでバッキング層を塗布するのに用いる
バッキング塗布液Cを下記の様にして調製した。
【0103】(バッキング塗布液Cの調製)ゼラチン36
gを水に膨潤し、加温して溶解後、染料として下記化合
物(C─1)を1.6g、(C─2)を310mg、(C─3)を1.9g、
前記化合物(N)を2.9g、水溶液にして加え、次にサポニ
ンの20%水溶液を11ml、物性調整剤として下記化合物
(C─4)を5g加え更に、メタノール溶液として、下記
化合物(C─5)を63mg加えた。この液に増粘剤として、
スチレン-マレイン酸共重合体水溶性ポリマーを800g加
え粘度調整し、更にクエン酸水溶液を用いてpH5.4に調
整し、最後にグリオキザールを144mg加え、水にて960m
lに仕上げてバッキング塗布液Kを調製した。
【0104】
【化3】
【0105】
【化4】
【0106】次いでバッキング層の保護膜層塗布用とし
て保護膜塗布液Lを下記の様にして調製した。
【0107】(バッキング層保護膜塗布液Lの調製)ゼ
ラチン50gを水に膨潤し、加温溶解後、スルホこはく酸
ビス(2-エチルヘキシル)エステルナトリウム塩を340mg
加え、塩化ナトリウムを3.4g加え、更にグリオキザール
を1.1g、ムコクロル酸を540mg加えた。これにマット剤
として平均粒径4μmの球形のポリメチルメタクリレー
トを40mg/m2となるように添加し、水にて1000mlに仕上
げてそれぞれ保護膜塗布液Lを調製した。
【0108】尚、塗布時には、乳剤面、バッキング面と
も硬膜剤として(CH2=CHSO2CH22O及び HCHO を含有す
る液を塗布直前に塗布液に混合した。
【0109】〔評価試料の作成〕支持体として特開昭59
-19941号公報の実施例1の下引き層を施したポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)を用い、支持
体に近い側からバッキング層塗布液K及びバッキング層
保護膜塗布液Lを同時塗布した。
【0110】次にそれぞれの支持体上の反対側の面に、
支持体に近い側から乳剤層塗布液A〜D及び乳剤保護膜
塗布液E〜Jを表3に示した組み合わせで同時重層塗布
した。
【0111】塗布に際しては、スライドホッパーで塗布
液A〜D、E〜Jを塗布後、冷風セットゾーンを通過さ
せてA〜D、E〜J層をセットさせた後、K、L層を塗
布し、冷風セットゾーンを通過してK、L層をセットさ
せ、引き続き乾燥ゾーンを通過させて両面を同時に乾燥
した。K、L層塗布後は乾燥終了巻き取りまでローラー
その他には一切無接触の状態で搬送した。
【0112】各々の塗布乾燥に際し、水とゼラチンの重
量比が200%以下となってからは34℃,30%RHの空気で
乾燥し、フィルム表面温度が33℃となってより10秒後か
ら50℃,25%RHの空気に45秒間接触させた。巻き取りは2
5℃,45%RHで行い、以後絶対湿度をその条件に保ったま
ま断裁・包装し試料No.1〜20を作成した。
【0113】その際、塗布ゼラチン量としてはバッキン
グ層2.0g/m2、バッキング保護層1.5g/m2、乳剤層2.0g/m
2、乳剤保護層1.0g/m2であり、銀量は3.5g/m2であっ
た。
【0114】以上、作成した各試料について下記に示す
評価を行い、結果を表3に示した。
【0115】(評価方法)スムースター値 スムースター値は試料を未露光のまま後記の条件で現像
処理した後、23℃48%RHで2時間調湿した後同じ環境で
東英電子工業(株)製SM-6Bにより測定した。
【0116】マットピンホール 試料の乳剤面を貼り込みベースに密着させ、濃度2.0を
与えるように露光処理、現像処理して目視評価した。評
価は5段階とし、5が優れ1が劣る。
【0117】現像処理条件 工程 温度(℃) 時間(秒) 現像 34 15 定着 34 15 水洗 常温 10 乾燥 40 9 〔現像液処方〕 (組成A) 純水(イオン交換水) 150ml エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 2g ジエチレングリコール 50g 亜硫酸カリウム(55%W/V水溶液) 100ml 炭酸カリウム 50g ハイドロキノン 15g 5─メチルベンゾトリアゾール 200mg 1-フエニル-5-メルカプトテトラゾ−ル 30mg 臭化カリウム 4.5g 水酸化カリウム 使用液のpHを10.9にする量 (組成B) 純水(イオン交換水) 3ml ジエチレングリコ−ル 50g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 25mg 酢酸(90%水溶液) 0.3ml 5-ニトロインダゾ−ル 110mg 1-フェニル-3-ピラゾリドン 500mg 現像液の使用時に水500ml中に上記組成物A、組成物B
の順に溶かし、1リットルに仕上げて用いた。
【0118】〔定着液処方〕 (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5%W/V水溶液)230ml 亜硫酸ナトリウム 9.5g 酢酸ナトリウム・三水塩 15.9g 硼酸 6.7g クエン酸ナトリウム・二水塩 2g 酢酸(90%W/W水溶液) 8.1ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50%W/Wの水溶液) 5.8g 硫酸アルミニウム (Al2O3換算含量が8.1%W/Wの水溶液) 26.5g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順
に溶かし、1リットルに仕上げて用いた。この定着液の
pHは約4.3であった。
【0119】
【表3】
【0120】表3から、本発明の試料No.9〜20は、同
一の乳剤保護膜を塗布した比較試料No.1〜8にくら
べ、乳剤へのマット剤の沈み込みが少ないために、マッ
トピンホール、スムースター値がともに優れていること
がわかる。
【0121】実施例2 明室返し用感光材料としてのネガ型ハロゲン化銀感光材
料を下記の様にして作成した。
【0122】乳剤層塗布液の調製は実施例1と同様に行
ったが本実施例においては、塗布液B(粘度15cp/35
℃)を使用した。
【0123】乳剤保護膜第1層用塗布液の調製は、実施
例1の乳剤保護膜塗布液の調製と同様に行い、マット剤
を表4に示すような粒径、添加量で加え塗布液M〜Rを
作成した。
【0124】なお、これらの塗布液は乳剤保護膜最上層
用塗布液となるものである。
【0125】
【表4】
【0126】次いで、乳剤保護膜第2層用塗布液S〜V
を、上記乳剤保護膜第1層用塗布液からマット剤を除い
て調製した。
【0127】塗布液の粘度を表5に示す。なお、これら
の塗布液は乳剤保護膜最上層の下部に隣接する層に用い
るものである。
【0128】
【表5】
【0129】次に、バッキング層塗布液及びバッキング
層保護膜塗布液を実施例1と同様の方法で調製した。下
引き層を施したポリエチレンテレフタレートフィルム
(厚さ100μm)を用い、支持体に近い側からバッキング
層塗布液及びバッキング層保護膜塗布液を同時塗布し
た。
【0130】続いて、それぞれの支持体上の反対側の面
に、支持体に近い側から乳剤層塗布液B及び乳剤保護膜
第2層用塗布液S〜V、乳剤保護膜第1層用塗布液M〜
Rを表6に示した組み合せで同時重層塗布した。
【0131】実施例1と同様の方法で乾燥、巻き取り、
断裁、包装して試料No.21〜40を作成した。
【0132】作成した各試料について、実施例1と同様
にしてスムースター値及びマットピンホールを評価し
た。結果を表6に示す。
【0133】
【表6】
【0134】表から明らかな様に、マット剤を含有する
乳剤保護膜最上層の下部に隣接する層の塗布液の粘度を
20cp以上とした本発明による試料No.29〜40は、比較試
料にくらべ、スムースター値、マットピンホールとも優
れていることがわかる。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば真空密着性に優れ、しか
もピンホールの点で優れたハロゲン化銀写真感光材料を
製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を塗設してなり、かつ支持体の両面に少
    なくとも1層ずつの親水性コロイド層を有するハロゲン
    化銀写真感光材料の製造方法において、少なくとも一方
    のマット剤を含有する最上層の下側に隣接する層を構成
    する塗布液の粘度が35℃において20cp以上であることを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 該最上層に含有されるマット剤の粒径が
    5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に塗設される最下層のハロゲン
    化銀乳剤層及び/又はバッキング層よりも上部に位置す
    る層が2層以上であることを特徴とする請求項1に記載
    のハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
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