JP2811721B2 - フルオロオレフィン共重合体水性分散体 - Google Patents

フルオロオレフィン共重合体水性分散体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的安定性、顔料分散性が良好で、かつ
耐候性、耐薬品性、フイルム形成性、付着性に優れるフ
ルオロオレフィン共重合体水性分散体に関する。
〔従来の技術〕
フルオロオレフィン共重合体は高耐候性、高耐薬品性
をもたらすバインダーとして公知であり、有機溶剤溶液
の形態のものが既に市販されている。しかしながら、有
機溶剤を多量に含むため、火災の危険性、有害性、大気
の汚染などの問題があり、又省資源の観点からも有機溶
剤の放出があることは好ましくない。
これに対して、テトラフルオロエチレン、ふっ化ビニ
リデン、ヘキサフルオロプロピレン等のフルオロオレフ
ィンポリマーの水分散体が提唱されているが、これらは
高温での乾燥又は焼付けが必要で、例えば、特開昭57−
38845号公報に開示された技術では、ふっ化ビニリデン
とヘキサフルオロプロピレン共重合体の固有粘度〔η〕
を0.1〜0.5の低分子量にしているにもかかわらず、180
〜230℃の温度で1〜3分間の焼付を要している。それ
故に常温で塗膜を形成せしめる必要のある野外塗料、屋
内塗料等の用途には適用できない。更に、フルオロオレ
フィンモノマーは高価であり、共重合体の全量をフルオ
ロオレフィンで構成することは価格的に不利にならざる
を得ない。
一方、本願出願人は、このような問題点の解決方法と
して、10〜55モル%のフルオロオレフィン、10〜70モル
%のアルキルビニルエーテル、5〜80モル%のカルボン
酸ビニルエステルからなる共重合体の水性分散体が低温
造膜性良好で、経済的にも有利なることを見出し、既に
提案した(特開昭61−261367号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記水性分散体は、機械的安定性、顔
料分散性、付着性等の点においていまだ充分満足のいく
ものではなかった。
本発明者らはかかる問題点を解決し、機械的安定性、
顔料分散性及び付着性に優れるフルオロオレフィン共重
合体水性分散体を得るべく鋭意努力した結果、フルオロ
オレフィンと、ビニルエステル及び/又はビニルエーテ
ルとにさらに内部可塑化単量体としてエチレンの如きオ
レフィンを共重合するとともにクロトン酸の如き比較的
共重合性のよいエチレン性不飽和酸を共重合することに
より、機械的安定性、顔料分散性に優れ、又、種々の基
材に対する付着性、耐候性、耐薬品性等の良好なフイル
ムをもたらす水性分散体が得られることを見出し、本発
明を完成したものである。
本発明の目的は、機械的安定性、顔料分散性が良好
で、常温もしくは比較的低温の加熱によって皮膜が形成
でき、基材への付着性に優れ、耐水性、耐候性、耐薬品
性が良好である皮膜をつくることができるフルオロオレ
フィン共重合体水性分散体を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明のフルオロオレフ
ィン共重合体水性分散体は、10〜80重量%のフルオロオ
レフィンと、5〜30重量%のオレフィンと、10〜80重量
%のビニルエステル及び/又はビニルエーテルと、0.1
〜3.0重量%の共重合可能なエチレン性不飽和酸と、を
乳化重合してなるものである。
本発明で用いられるフルオロオレフィンはふっ化ビニ
ル、ふっ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、
エトラフルオロエチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフル
オロエチレン、1−クロロ−2,2ジフルオロエチレン、
1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロピレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレ
ン、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン、3,3,3−トリ
フルオロプロピレン、1,1,2−トリフルオロプロピレン
等のフルオロオレフインであり、好ましくはテトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレンの1種又は2種以上のものである。
かかるフルオロオレフインの含有量は共重合体中10〜
80重量%であり、好ましくは20〜50重量%である。この
量が10重量%未満では共重合体中のふっ素含量が低いも
のになり、耐水性、耐候性の劣るものになる。又、フル
オロオレフインが80重量%を越えると水性分散体の造膜
性が不良となり良好なフイルム或は塗膜が得られなくな
る。
オレフインとしてはエチレンが好ましく、プロピレ
ン、ブテン−1なども場合により使用することが出来
る。オレフインの共重合量は5〜30重量%であり、好ま
しくは10〜25重量%である。オレフィンが5重量%未満
では得られる水性分散体の造膜性或いはフイルムのフレ
キシビリテイが低下し、又、30重量%を越えると共重合
体が過剰に可塑化され、水性分散体フイルムの耐ブロッ
キング性、耐久性等が低下する。
ビニルエステルとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、バーサチツク酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香
酸ビニル、サルチル酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル等
であり、好ましくは炭素数4から17までの脂肪族、芳香
族、脂環族のカルボン酸ビニルエステルである。
ビニルエーテルとしては、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、イソアミル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−
エチルヘキシル等のアルキル基、又は、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシブチル等の置換基含有アルキル基を有す
るビニルエーテルであり、好ましくは炭素数2〜4のア
ルキル基を有するものである。
カルボン酸ビニルエステル及び/又はアルキルビニル
エーテルの量は10〜80重量%であり、好ましくは10〜50
重量%である。この量が10重量%未満では基材への付着
性が劣り、又80重量%を越えると共重合体中のふっ素及
びエチレン含量が低くなり、水性分散体フイルムの物性
が劣る。
このビニルエステルとビニルエーテルは、いずれのモ
ノマーもフルオロオレフィンに対する反応性が高く、単
独でも使用でき、又併用してもよいものである。
共重合可能なるエチレン性不飽和酸としては、クロト
ン酸の使用が望ましいし、さらには、イタコン酸や、イ
タコン酸モノアルキルエステル類などをも用いることが
できるが、アクリル酸の使用は望ましくない。
これらの不飽和酸の量は0.1〜3.0重量%、好ましくは
0.5〜2.0重量%であり、0.1重量%未満では充分な機械
的安定性、顔料分散性、付着性の向上が得られず、又、
3.0重量%を越えると耐水性、耐アルカリ性の低下をも
たらすので好ましくない。
更に本発明の効果を損なわない範囲で共重合しうるビ
ニルモノマー、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル、アクリル酸エステル(炭素数1〜
8)、メタクリル酸エステル(炭素数1〜8)、アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジル
アクリルレート、ヒドロキシ含有アクリレリート等の官
能基含有モノマーを共重合させることもできるが、これ
らは概して本発明の主成分単量体に対し乳化共重合性が
よくないので、これらの特定の効果を得るための最低必
要量に限定すべきであり、通常は用いる必要はない。
本発明の水性分散液は乳化重合によって得られるポリ
マー水性分散液である。その際の乳化重合においては水
あるいは水を主成分とし少量の有機溶剤を含む水溶液中
で、乳化剤により上記モノマー混合物を乳化させ、ラジ
カル開始剤(触媒)の熱あるいはレドックス分解によ
り、重合を行なわしめる常法の手段が一般的である。
乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、
リン酸エステル塩、パーフルオロアルキル脂肪酸塩等の
アニオン乳化剤;アルキルフエノールエチレンオキサイ
ド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドブロツクコ
ポリマー等のノニオン乳化剤であり、更にはポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ポリアクリル酸ソーダ、エチレン−無水マレ
イン酸共重合体等の水溶液性高分子を保護コロイドとし
て使用できる。
ラジカル開始剤としてはカリウムパーサルフエート、
アンモニウムパーサルフエート等の水溶性触媒あるいは
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエー
ト等の油溶性触媒の単独もしくは亜硫酸ソーダ、ロンガ
リツト、アスコルビン酸等の水溶性還元剤の併用によっ
て行われる。その他重合系には連鎖移動剤、架橋性モノ
マー、pH緩衝剤を任意に使用できる。
通常の乳化重合においては、モノマーの合計量100重
量部に対して水50〜500重量部、乳化剤は1〜10重量
部、触媒は0.5〜3重量部が使用されるが、この範囲に
限定されない。
本発明のフルオロオレフイン共重合体水性分散体は、
不揮発分20〜65重量%のものが好ましい。
更に、本発明の水性分散体には作業性、加工特性等の
性能に応じて、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン
酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダの如き分散剤、前記ノ
ニオン乳化剤の如き湿潤剤、前記保護コロイドの如き増
粘剤、シリコーン油、鉱油の如き消泡剤、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、ブチルカルビトールア
セテート、ブチルセロソルブの如き可塑剤或いは造膜助
剤、二酸化チタン及び/又は通常のエマルジヨン塗料に
用いられる着色顔料、炭酸カルシウム、クレー、シリカ
などの充填顔料、防腐剤、防バイ剤、pH調整剤並びにア
クリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル−スチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル−塩
化ビニルの如き重合体エマルジヨンの添加も可能であ
る。
〔実施例〕
以下実施例をあげて本発明を更に説明する。
尚、以下の説明において、部及び%とあるのは全て重
量部及び重量%である。
実施例1 撹拌機付き耐圧オートクレーブ中に次の組成より成る
溶液を入れた。
イオン交換水 ……700部 エマルゲン920(花王(株)製品、ポリオキシエチレン
アルキルフエニルエーテル) ……18部 プルロニツクF68(旭電化工業(株)製品、オキシエチ
レンオキシプロピレンブロツクコポリマー) ……12部 レベノールWZ(花王(株)製品、ポリオキシエチレンア
ルキルフエニルエーテル硫酸ソーダ) ……6部 クロトン酸 ……6部 NaHCO3 ……6部 次いで酢酸ビニル総量300部のうち300部及びクロロト
リオロエチレン総量300部のうち5部及び過硫酸カリウ
ム総量6部のうち3部をオートクレーブに仕込み、エチ
レンを導入して反応系内の空気を除去した後エチレンを
導入して撹拌加熱し80℃に昇温した。この時オートクレ
ーブの内圧が50kg/cm2になる様に調節した。
次いで、80℃、50kg/cm2の圧力を保持しながら、残り
の酢酸ビニル270部、及び残りのクロロトリフルオロエ
チレン295部を4時間にわたって均等に滴下した。それ
と同時に残りの過硫酸カリウム3部をイオン交換水100
部に溶解した溶液を5時間にわたって均等に滴下した。
このようにして得た水性分散液を水で希釈して固形分濃
度40%に調節し、共重合体水性分散液を得た。この共重
合体水性分散液の粘度(BM型回転粘度計60rpm)は、40c
ps、pHは4.0であった。また、この共重合体水性分散液
中の重合固体は、エチレンの14%、酢酸ビニルの44%、
クロロトリフルオロエチレンの41%およびクロトン酸の
1%からなるものであった。
上記した共重合体の組成分析は、次のようにして行っ
た。フルオロオレフィンの方は、アリザリン・コンプレ
クソン(以下、アリザリコンプレクソンともいう。)法
により、ふっ素含量を求めて、フルオロオレフィン量に
換算をしているし、他方の、それぞれ、ビニルエーテ
ル、カルボン酸ビニルおよびエチレン性不飽和酸の含有
率(%)は、NMRならびに熱分解ガス・クロマト・グラ
フィー(以下、ガスクロマトグラフィーともいう。)の
測定から求めた。そして、エチレン含量の方は、全体
(100%)から、それぞれ、フルオロオレフィン、ビニ
ルエーテルおよび/またはカルボン酸ビニルの含有率
(%)と、エチレン性不飽和酸の含有率(%)とを差し
引くということによって求めた。
得られた共重合体水性分散液の安定性及び顔料分散性
等の物性を測定し、第1表に示した。
比較例1 クロトン酸を全く使用しない以外は、実施例1と同様
にして共重合体水性分散液を得た。
得られた共重合体水性分散液の安定性及び顔料分散性
等の物性を測定し、第1表に示した。
比較例2 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート、不活性ガ
ス導入口を備えたガラス製2フラスコに、ネオゲンR1
8部、エマルゲン940(ポリオキシエチレンノニルフエノ
ールエーテル、花王(株)製)30部及びイオン交換水90
0部の水溶液を窒素ガス気流中80℃に保持し、メチルメ
タクリレート396部、2−エチルヘキシルアクリレート1
83部及びアクリル酸21部のモノマー混合液を4時間にわ
たって滴下する一方、カリウムパーサルフエート1.8部
をイオン交換水75部に溶解した触媒液を同時に滴下し、
滴下終了後2時間維持して反応を完了せしめ共重合体水
分散液を得た。
得られた共重合体水性分散液の安定性及び顔料分散性
等の物性を測定し、第1表に示した。
(第1表において、判定表示は、 である。) 各物性の試験方法は次の通りである。
(1)重合中の凝集物生成量:重合終了後生成水分散液
を100メツシユの金網で濾過、沈澱物の重量を測り、水
分散液1000g当りの量(g)に換算したもの。
(2)機械安定性:水分散液をイオン交換水で5%濃度
に希釈した後、その300gを用いホモミキサー(1/6HP)
で3000rpm、10分間撹拌して24時間放置後の沈澱物の有
無を目視にて判定。
(3)希釈安定性:水分散液をイオン交換水で5%濃度
に希釈した後、試料を遠心分離機にて2000rpm、15分間
遠心分離を行った後の沈澱物の有無を目視にて判定。
(4)最低造膜温度:温度勾配熱板型最低造膜温度測定
機により測定(ISO 2115) (5)顔料分散性:共重合体水分散液100重量部、水分
散顔量5重量部(大日本インキ化学工業(株)製デイス
パースカラーSD−902)に配合し、ポリスマンにて均一
に撹拌した後、試験管に採り、静置する。配合物の分
離、凝集を目視にて確認。
◇塗膜物性試片作成条件:3ミリ厚のフレキシブル板(5c
m×15cm)へ顔料分散性を観た着色配合物を刷毛にて200
g/cm2塗布し、70℃×10分間乾燥機中にて乾燥した。
(6)付着性:上記条件で作成した試片にナイフにて切
り込みを入れ、辺2mmのゴハン目を25個作成。セロテー
プにて剥離テストを行い、塗膜剥離状態(塗膜残存)を
目視判定。
(7)耐候性:上記条件で作成した試片をQUVウエザメ
ーター(スガ試験機(株)製)に500時間かけた後、塗
面の光沢低下、クラツク等を目視判定。
(8)耐水性:上記条件で作成した試片を水中へ15日間
浸漬後、塗面の白化、膨潤。プリスタリング、軟化、光
沢等を目視にて判定。
(9)耐アルカリ性:上記条件で作成した試片をCa(O
H)飽和、2%NaOH水溶液中へ15日間浸漬後、塗面の
白化、膨潤、プリスタリング、軟化、光沢低下等を目視
にて判定。
第1表に示された結果から、クロトン酸を用いない場
合、重合中の凝集物生成量が増え、水性分散液の安定性
も低下し、顔料分散性及び塗膜の付着性が劣ることがわ
かった。又、実施例1に示した本発明のフルオロオレフ
ィン共重合体水性分散液は、従来のアクリル系水性分散
液と比較して、耐候性及び耐アルカリ性に優れているこ
とが明らかとなった。
実施例2 実施例1と同じ乳化剤及びクロトン酸配合溶液をオー
トクレーブ中に仕込んだ。次いで酢酸ビニル総量250部
のうち25部、“VeoVa10"(シエル社製品、下記一般式で
示される第三級カルボン酸ビニルエステル、 上式中、R1,R2及びR3の合計炭素数は8)150部のうち15
部、クロロトリフルオロエチレン総量200部のうち5部
及びハイドロサルファイトナトリウム4部を仕込みエチ
レンを導入して50℃に昇温した。この時オートクレーブ
内圧を60kg/cm2に調節した。次いで50℃、60kg/cm2の圧
力を保持しながら残りの酢酸ビニル225部、“VeoVa10"1
30部及びクロロトリフルオロエチレン195部を1時間毎
に5回均等分割添加した。それと同時に過酸化水素(30
%)3部をイオン交換水100部に溶解した溶液を6時間
にわたって均一連続滴下した。
このようにして得た水性分散液を水で希釈し固形分濃
度40%に調節し、共重合体水性分散液を得た。
この共重合体水性分散液の粘度は10cps、pH4.0であっ
た。また、この共重合体水性分散液中の重合固体は、エ
チレンの20.1%、クロロトリフルオロエチレンの26.0
%、酢酸ビニルの33.5%、“Veova10"の19.5%およびク
ロトン酸の0.9%からなるものであった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
比較例3 エチレン圧力を170kg/cm2とした以外は、実施例2と
同様にして共重合体水性分散液を製造した。
この共重合体水性分散液中の重合固体は、エチレンの
34.1%、クロロトリフルオロエチレンの20.0%、酢酸ビ
ニルの28.0%、“Veova10"の17.0%およびクロトン酸の
0.9%からなるものであった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
比較例4 実施例1と同じ乳化剤およびクロトン酸配合溶液を、
オートクレーブ中に仕込んだ。次いで、使用すべきモノ
マーの使用量を、それぞれ、酢酸ビニルの400部、“Veo
va10"の150部およびクロロトリフルオロエチレンの50部
に変更すると共に、しかも、エチレン圧力を15kg/cm2
変更した以外は、実施例2と同様にして、共重合体水性
分散液を調製した。
この共重合体水性分散液中の重合固体は、それぞれ、
エチレンの8.2%、クロロトリフルオロエチレンの7.5
%、酢酸ビニルの60.5%、“Veova10"の23.0%およびク
ロトン酸の0.8%からなるものであった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
比較例5 実施例1と同じ乳化剤およびクロトン酸配合溶液を、
オートクレーブ中に仕込んだ。次いで、使用すべきモノ
マーの使用量を、それぞれ、酢酸ビニルの20部、“Veov
a10"の20部およびクロロトリフルオロエチレンの560部
に変更すると共に、しかも、エチレン圧力を60kg/cm2
変更した以外は、実施例2と同様にして、共重合体水性
分散液を調製した。
この共重合体水性分散液中の重合固体は、それぞれ、
エチレンの13.1%、クロロトリフルオロエチレンの80.0
%、酢酸ビニルの3.0%、“Veova10"の3.5%およびクロ
トン酸の0.5%からなるものであった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
試験方法は第1表の場合と同様に行った。第1表に示さ
なかった試験方法は次の通りである。
(10)耐ブロツキング性:塗面へ1辺3cmのクラフト紙
を置き、1kg分銅を乗せ、23℃、65%湿度中へ24時間静
置後、クラフト紙をはがし、クラフト紙のはがれ抵抗具
合や、塗面への残り具合にて判定。
第2表および第3表に示した結果から、ビニルエステ
ルおよび/またはビニルエーテルの含量が増加すると、
耐水性、耐アルカリ性、耐候性が低下することがわかっ
た。又、クロロトリフルオロエチレンが増加すると、顔
料分散性、希釈安定性、付着性が低下することがわかっ
た。
実施例3〜5 クロトン酸の仕込み量(共重合体の計算収量当りの仕
込み量%)を0.5%(実施例3)、1.0%(実施例4)及
び2.0%(実施例5)と変えた以外は実施例1と同様に
して乳化重合を行ない、それぞれの共重合体水分散液を
得た。それぞれの重合中の凝集物生成量は、0.4g(実施
例3)、0.1g(実施例4)及び0.1g(実施例5)であっ
た。
それぞれの共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は
第4表に示す如くであった。
比較例6〜8 クロトン酸の仕込み量(共重合体の計算収量当りの仕
込み量%)を0%(比較例6)、4.0%(比較例7)及
び5.0%(比較例8)と変えた以外は実施例1と同様に
して乳化重合を行ない、それぞれの共重合体水分散液を
得た。それぞれの重合中の凝集物生成量は、3.5g(比較
例6)、0.1g(比較例7)及び0.1g(比較例8)であっ
た。
それぞれの共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は
第4表に示す如くであった。
試験方法は第1表の場合と同様に行った。
第4表の結果から、クロトン酸が含まれないと、重合
中の凝集物生成量が増え、水性分散液の安定性が低下
し、付着性も劣ることがわかった。又、クロトン酸の量
が増えると、重合中の凝集物生成量や水性分散液の安定
性は向上するが、塗膜の耐水性が低下することがわかっ
た。
実施例6 2ステンレス製オートクレーブに15部のネオゲンR
(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、第一工業製薬
(株)製)、10部のエマルゲン920(ポリオキシエチレ
ンアルキルフエニルエーテル、花王株式会社製)、5部
のクロトン酸、5部の炭素水素アンモニウムを650部の
イオン交換水に溶解した水溶液を入れ、次いで150部の
ピバリン酸ビニルを仕込んだ後、エチレンで10kg/cm2
圧し脱気した。エチレン加圧及び脱気の操作を2階繰り
返した後、112部のエチルビニルエーテルとあらかじめ
液化捕集したヘキサフルオロプロピレン233部とをガラ
ス製耐圧管よりエチレン加圧にてオートクレーブに圧入
し、エチレンにより圧力を40kg/cm2となるように調節し
た。オートクレーブを60℃に調温し、5部のアンモニウ
ムパーサルフエートを90部のイオン交換水に溶解した触
媒液を6時間にわたって滴下し、更に2時間反応を継続
した。重合の進行に従い圧力は低下したが、エチレンの
新たな補充は行わなかった。
次いで30℃に冷却後水性分散体を取り出し、共重合体
水性分散液を得た。
この共重合体水性分散液を固形分濃度は40.5%で、粘
度860cpsであった。
また、この共重合体水性分散液中の重合固体は、それ
ぞれ、ヘキサフルオロプロピレンの37.0%、エチレンの
14.1%、エチルビニルエーテルの21.0%、ピバリン酸ビ
ニルの27.0%およびクロトン酸の0.9%からなるもので
あった。
この共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は第5表
に示す如くであった。
比較例9 エチレンを用いず、窒素で加圧した以外は実施例6と
同様に重合して共重合体水性分散液を製造した。
この共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は第5表
に示す如くであった。
比較例10 クロトン酸を用いず、アクリル酸を6部用いた以外は
実施例6と同様に重合して共重合体水性分散液を製造し
た。
この共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は第5表
に示す如くであった。
試験方法は第1表の場合と同様に行った。
第5表の結果から、エチレンを用いない場合、付着
性、耐水性が劣り、クロトン酸にかわりアクリル酸を用
いると、重合中の凝集物の生成量が増え、水性分散液の
安定性も低下し、更に塗膜物性も劣ることが認められ
た。
〔発明の効果〕
本発明の水性分散体は、機械的安定性、顔料分散性が
良好で常温もしくは比較的低温の加熱によって皮膜が形
成でき、基材への付着性に優れ、耐水性、耐候性、耐薬
品性が良好である皮膜をもたらすことができる。
このような特長により、本発明の水性分散体は、外装
建築塗料、外装建材塗装剤、紙及び繊維加工剤などの用
途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 214/18 C08F 218/04 C08F 216/14 C08L 27/12 C09D 127/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜80重量%のフルオロオレフィンと、5
    〜30重量%のオレフィンと、10〜80重量%のビニルエス
    テルおよび/またはビニルエーテルと、0.1〜3.0重量%
    の、アクリル酸を除く、共重合可能なエチレン性不飽和
    酸と、を乳化重合してなることを特徴とするフルオロオ
    レフィン共重合体水性分散体。
  2. 【請求項2】共重合可能なエチレン性不飽和酸がクロト
    ン酸である、請求項(1)記載のフルオロオレフィン共
    重合体水性分散体。
  3. 【請求項3】フルオロオレフィンがクロロトリフルオロ
    エチレンである、請求項(1)記載のフルオロオレフィ
    ン共重合体水性分散体。
  4. 【請求項4】オレフィンがエチレンである、請求項
    (1)記載のフルオロオレフィン共重合体水性分散体。
  5. 【請求項5】ビニルエステルが酢酸ビニルおよび/また
    はバーサチック酸ビニルである、請求項(1)、
    (2)、(3)または(4)記載のフルオロオレフィン
    共重合体水性分散体。
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