JP2737989B2 - フルオロオレフィン共重合体水性分散体 - Google Patents

フルオロオレフィン共重合体水性分散体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的安定性、顔料分散性、エマルジョン
粒子の沈降安定性が良好で、かつ耐候性、耐薬品性、フ
ィルム形成性、付着性に優れるフルオロオレフィン共重
合体水性分散体に関する。
〔従来の技術〕
フルオロオレフィン共重合体は高耐候性、高耐薬品性
をもたらすバインダーとして公知であり、有機溶剤溶液
の形態のものが既に市販されている。しかしながら、有
機溶剤を多量に含むため、火災の危険性、有害性、大気
の汚染などの問題があり、又省資源の観点からも有機溶
剤の放出があることは好ましくない。
これに対して、テトラフルオロエチレン、ふっ化ビニ
リデン、ヘキサフルオロプロピレン等のフルオロオレフ
ィンポリマーの水分散体が提唱されているが、これらは
高温での乾燥又は焼付けが必要で、例えば、特開昭57−
38845号公報に開示された技術では、ふっ化ビニリデン
とヘキサフルオロプロピレン共重合体の固有粘度〔η〕
を0.1〜0.5の低分子量にしているにもかかわらず、180
〜230℃の温度で1〜3分間の焼付を要している。それ
故に常温で塗膜を形成せしめる必要のある野外塗料、屋
内塗料等の用途には適用できない。更に、フルオロオレ
フィンモノマーは高価であり、共重合体の全量をフルオ
ロオレフィンで構成することは価格的に不利にならざる
を得ない。
一方、本願出願人は、このような問題点の解決方法と
して、10〜55モル%のフルオロオレフィン、10〜70モル
%のアルキルビニルエーテル、5〜80モル%のカルボン
酸ビニルエステルからなる共重合体の水性分散体が低温
造膜性良好で、経済的にも有利なることを見出し、既に
提案した(特開昭61−261367号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記水性分散体は、機械的安定性、顔
料分散性、付着性等の点においていまだ充分満足のいく
ものではなかった。
本発明者らはかかる問題点を解決し、機械的安定性、
顔料分散性及び付着性に優れるフルオロオレフィン共重
合体水性分散体を得るべく鋭意努力した結果、フルオロ
オレフィンと、ビニルエステル及び/又はビニルエーテ
ルとにさらに内部可塑化単量体としてエチレンの如きオ
レフィンを共重合するとともにビニルスルホン酸又はそ
の塩のごときスルホン基又はサルフェート基を有するエ
チレン性不飽和単量体及びクロトン酸の如き比較的共重
合性のよいエチレン性不飽和酸を共重合することによ
り、機械的安定性、顔料分散性に優れ、又、種々の基材
に対する付着性、耐候性、耐薬品性等の良好なフイルム
をつくる水性分散体が得られることを見出し、本発明を
完成したものである。
本発明の目的は、機械的安定性、顔料分散性が良好
で、常温もしくは比較的低温の加熱によって皮膜が形成
でき、基材への付着性に優れ、耐水性、耐候性、耐薬品
性が良好である皮膜をもたらすことができるフルオロオ
レフィン共重合体水性分散体を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明のフルオロオレフ
ィン共重合体水性分散体は、10〜80重量%のフルオロオ
レフィンと、5〜30重量%のオレフィンと、10〜80重量
%のビニルエステル及び/又はビニルエーテルと、0.1
〜3.0重量%のスルホン基及び/又はサルフェート基並
びにエチレン性不飽和基を同一分子中に含む共重合可能
な反応性乳化剤と、0.1〜3.0重量%の共重合可能なエチ
レン性不飽和酸と、を乳化共重合してなるものである。
本発明で用いられるフルオロオレフィンはふっ化ビニ
ル、ふっ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフル
オロエチレン、1−クロロ−2,2ジフルオロエチレン、
1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロピレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレ
ン、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン、3,3,3−トリ
フルオロプロピレン、1,1,2−トリフルオロプロピレン
等のフルオロオレフインであり、好ましくはテトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレンの1種又は2種以上のものである。
かかるフルオロオレフインの含有量は共重合体中10〜
80重量%であり、好ましくは20〜50重量%である。この
量が10重量%未満では共重合体中のふっ素含量が低いも
のになり、耐水性、耐候性の劣るものになる。又、フル
オロオレフインが80重量%を越えると水性分散体の造膜
性が不良となり良好なフイルム或は塗膜が得られなくな
る。
オレフインとしてはエチレンが好ましく、プロピレ
ン、ブテン−1なども場合により使用することが出来
る。オレフインの共重合量は5〜30重量%であり、好ま
しくは10〜25重量%である。オレフィンが5重量%未満
では得られる水性分散体の造膜性或いはフイルムのフレ
キシビリテイが低下し、又、30重量%を越えると共重合
体が過剰に可塑化され、水性分散体フイルムの耐ブロッ
キング性、耐久性等が低下する。
ビニルエステルとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、バーサチツク酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香
酸ビニル、サルチル酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル等
であり、好ましくは炭素数4から17までの脂肪族、芳香
族、脂環族のカルボン酸ビニルエステルである。
ビニルエーテルとしては、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、イソアミル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−
エチルヘキシル等のアルキル基、又は、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシブチル等の置換基含有アルキル基を有す
るビニルエーテルであり、好ましくは炭素数2〜4のア
ルキル基を有するものである。
カルボン酸ビニルエステル及び/又はアルキルビニル
エーテルの量は10〜80重量%であり、好ましくは10〜50
重量%である。この量が10重量%未満では基材への付着
性が劣り、又80重量%を越えると共重合体中のふっ素及
びエチレン含量が低くなり、塗膜物性が劣る。
このビニルエステルとビニルエーテルは、いずれのモ
ノマーもフルオロオレフィンに対する反応性が高く、単
独でも使用でき、又併用してもよいものである。
スルホン基及び/又はサルフェート基並びにエチレン
性不飽和基を同一分子中に含む共重合可能な反応性乳化
剤としては、ビニルスルホン酸及び/又はその塩が好ま
しく、又アルキルアリルスルホコハク酸の塩、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び/又は
その塩も用いることができる。これらの反応性乳化剤の
量は、0.1〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%であ
る。この量が0.1重量%未満では、機械的安定性、顔料
分散性が不充分であり、一方3.0重量%を越えると耐水
性が低下するので好ましくない。
共重合可能なエチレン性不飽和酸としてはクロトン酸
が好ましく、又、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル
エステルも用いることができる。
これらの不飽和酸の量は0.1〜3.0重量%、好ましくは
0.5〜2.0重量%であり、0.1重量%未満では充分な機械
的安定性、顔料分散性、付着性の向上が得られず、又、
3.0重量%を越えると耐水性、耐アルカリ性の低下をも
たらすので好ましくない。
上記の反応性乳化剤とエチレン性不飽和酸は、さらに
好ましくは上記範囲において、合計量が1.0重量%〜3.0
重量%で用いるのが良く、これにより機械安定性、顔料
安定性が良好で、付着性、耐久性に優れるフィルム又は
塗膜をつくるフルオロオレフィン共重合体水性分散液を
得ることができる。
更に本発明の効果を損なわない範囲で共重合しうるビ
ニルモノマー、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル、アクリル酸エステル(炭素数1〜
8)、メタクリル酸エステル(炭素数1〜8)、アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジル
アクリルレート、ヒドロキシ含有アクリレート等の官能
基含有モノマーを共重合させることもできるが、これら
は概して本発明の主成分単量体に対し乳化共重合性がよ
くないので、これらの特定の効果を得るための最低必要
量に限定すべきであり、通常は用いる必要はない。
本発明の水性分散液は乳化重合によって得られるポリ
マー水性分散液である。その際の乳化重合においては水
あるいは水を主成分とし少量の有機溶剤を含む水溶液中
で、乳化剤により上記モノマー混合物を乳化させ、ラジ
カル開始剤(触媒)の熱あるいはレドックス分解によ
り、重合を行なわしめる常法の手段が一般的である。
乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、
リン酸エステル塩、パーフルオロアルキル脂肪酸塩等の
アニオン乳化剤;アルキルフエノールエチレンオキサイ
ド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドブロツクコ
ポリマー等のノニオン乳化剤であり、更にはポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、エチレン−無水
マレイン酸共重合体等の水溶液性高分子を保護コロイド
として使用できる。
ラジカル開始剤としてはカリウムパーサルフエート、
アンモニウムパーサルフエート等の水溶性触媒あるいは
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエー
ト等の油溶性触媒の単独もしくは亜硫酸ナトリウム、ロ
ンガリツト、アスコルビン酸等の水溶性還元剤の併用に
よって行われる。その他重合系には連鎖移動剤、架橋性
モノマー、pH緩衝剤を任意に使用できる。
通常の乳化重合においては、モノマーの合計量100重
量部に対して水50〜500重量部、乳化剤は1〜10重量
部、触媒は0.5〜3重量部が使用されるが、この範囲に
限定されない。
本発明のフルオロオレフィン共重合体水性分散体は、
不揮発分20〜65重量%のものが好ましい。
さらに、本発明に係るフルオロオレフィン共重合体水
性分散体には、作業性ならびに加工特性などの諸性能に
応じて、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウムまたはポリアクリル酸ナトリウムの如き、各
種の分散剤;前掲したような各種のノニオン乳化剤の如
き、種々の湿潤剤;前掲したような各種の保護コロイド
の如き、種々の増粘剤;シリコーン油または鉱油の如
き、各種の消泡剤;あるいはジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ブチルカルビトールアセテートまた
はブチルセロソルプの如き、各種の可塑剤ないしは造膜
助剤などをはじめ、さらには、酸化チタンおよび/また
は公知慣用の種々の、エマルジョン塗料に用いられる部
類の着色顔料;炭酸カルシウム、クレーまたはシリカな
どで代表されるような種々の充填顔料;防腐剤;防黴
剤;pH調整剤;ならびにアクリル系、酢酸ビニル系、塩
化ビニル系、アクリル−スチレン系、エチレン−酢酸ビ
ニル系またはエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル系など
で代表されるような種々の重合体エマルジョンなどを、
適宜、添加せしめることができる。
〔実施例〕
以下実施例をあげて本発明を更に説明する。
尚、以下の説明において、部及び%となるのは全て重
量部及び重量%である。
実施例1 撹拌機付き耐圧オートクレーブ中に次の組成より成る
溶液を入れた。
イオン交換水 ……500部 ノイゲンEA−120(第1工業製薬(株)製品、ポリオキ
シエチレンアルキルフエノールエーテル) ……12部 プルロニツクF68(旭電化工業(株)製品、オキシエチ
レンオキシプロピレンブロツクコポリマー) ……18部 エマールO(花王(株)製品、ラウリル硫酸ナトリウ
ム) ……3部 ビニルスルホン酸ナトリウム ……6部 クロトン酸 ……6部 NaHCO3 ……6部 次いで酢酸ビニル総量300部のうち30部及びクロロト
リオロエチレン総量300部のうち5部及び過硫酸カリウ
ム総量6部のうち3部をオートクレーブに仕込み、エチ
レンを導入して反応系内の空気を除去した後エチレンを
導入して撹拌加熱し80℃に昇温した。この時オートクレ
ーブの内圧が50kg/cm2になる様に調節した。
次いで、80℃、50kg/cm2の圧力を保持しながら、残り
の酢酸ビニル270部、及び残りのクロロトリフルオロエ
チレン295部を4時間にわたって均等に滴下した。それ
と同時に残りの過硫酸カリウム3部をイオン交換水100
部に溶解した溶液を5時間にわたって均等に滴下した。
このようにして得た水性分散液を水で希釈して固形分濃
度50%に調節し、共重合体水性分散液を得た。この共重
合体水性分散液の粘度(BM型回転粘度計60rpm)は、40c
ps、pHは4.0であった。
また、この共重合体水性分散体中の重合固体の組成分
析値は、 クロロトリフルオロエチレン(フルオロオレフィン)
41 重量% 酢酸ビニル(カルボン酸ビニル) 44 重量% クロトン酸(エチレン性不飽和酸) 0.9 重量% ビニルスルホン酸ナトリウム(反応性乳化剤) 0.9
重量% エチレン(オレフィン) 13.2 重量% であった。
上記した共重合体の組成分析は、次のようにして行っ
たものである。
すなわち、まず、フルオロオレフィンは、アリザリン
コンプレクソン法により、ふっ素含有量を求めて、該フ
ルオロオレフィン分(含有率)に換算せしめたものであ
るし、また、ビニルエーテル、カルボン酸ビニル、反応
性乳化剤およびエチレン性不飽和酸の分(含有率)は、
NMRならびに熱分解ガスクロマトグラフィーの測定から
求めたものである。
次いで、エチレン分は、全体(100重量%)から、フ
ルオロオレフィン、ビニルエーテル、カルボン酸ビニ
ル、反応性乳化剤およびエチレン性不飽和酸の各含有率
(重量%)を差し引いたものである。
得られた共重合体水性分散液の安定性及び顔料分散性
等の物性を測定し、第1表に示した。
比較例1 ビニルスルホン酸ナトリウムを全く使用しない以外
は、実施例1と同様にして共重合体水性分散液を得た。
得られた共重合体水性分散液の安定性及び顔料分散性
等の物性を測定し、第1表に示した。
比較例2 クロトン酸を全く使用しない以外は、実施例1と同様
にして共重合体水性分散液を得た。
得られた共重合体水性分散液の安定性及び顔料分散性
等の物性を測定し、第1表に示した。
各物性の試験方法は次の通りである。
(1)重合中の凝集物生成量:重合終了後生成水分散液
を100メッシュの金網で濾過、沈澱物の重量を測り、水
分散液1000g当りの量(g)に換算したもの。
(2)機械安定性:水分散液をイオン交換水で5%濃度
に希釈した後、その300gを用いホモミキサー(1/6HP)
で5000rpm、10分間撹拌して24時間放置後の沈澱物の有
無を目視にて判定。
(3)希釈安定性:水分散液に固形分濃度5%となるよ
うにイオン交換水を加えよく撹拌し希釈した試料を遠心
分離機にて2000rpm、15分間遠心分離を行った後の沈澱
物の有無を目視にて判定。
(4)最低造膜温度:温度勾配熱板型最低造膜温度測定
機により測定(ISO 2115)。
(5)顔料分散性:共重合体水分散液100重量部、水分
散顔量5重量部(大日本インキ化学工業(株)製のディ
スパーズカラーSD−902)に配合せしめ、ポリスマンに
よって均一に撹拌してから、試験管に採取をして、静置
せしめる。その後、配合物の分離ないしは凝集の発生の
有無を、目視によって判定(目視判定)した。
◇塗膜物性試片作成条件:3ミリ厚のフレキシブル板(5c
m×15cm)へ顔料分散性を観た着色配合物を刷毛にて200
g/cm2塗布し、70℃×10分間乾燥機中にて乾燥した。
(6)付着性:上記条件で作成した試片にナイフにて切
り込みを入れ、辺2mmのゴハン目を25個作成。セロテー
プにて剥離テストを行い、塗膜剥離状態(塗膜残存)を
目視判定。
(7)耐候性:上記条件で作成した試片をQUVウエザメ
ーター(スガ試験機(株)製)に500時間かけた後、塗
面の光沢低下、クラツク等を目視判定。
(8)耐水性:上記条件で作成した試片を水中へ15日間
浸漬後、塗面の白化、膨潤。プリスタリング、軟化、光
沢等を目視にて判定。
(9)耐アルカリ性:上記条件で作成した試片をCa(O
H)飽和、2%NaOH水溶液中へ15日間浸漬後、塗面の
白化、膨潤、プリスタリング、軟化、光沢低下等を目視
にて判定。
第1表に示された結果から、ビニルスルホン酸ナトリ
ウムを全く使用しないで製造した水性分散液及びクロト
ン酸を使用しないで製造した水性分散液は重合中の凝集
物生成量が増え、水性分散液の安定性や塗膜の付着性が
低下することが明らかとなった。
実施例2 実施例1と同じ乳化剤及びクロトン酸配合溶液をオー
トクレーブ中に仕込んだ。次いで酢酸ビニル総量250部
のうち25部、“VeoVa10"(シエル社製品、下記一般式で
示される第三級カルボン酸ビニルエステル、 上式中、R1,R2及びR3の合計炭素数は8)150部のうち15
部、クロロトリフルオロエチレン総量200部のうち5部
及びハイドロサルファイトナトリウム4部を仕込みエチ
レンを導入して50℃に昇温した。この時オートクレーブ
内圧を60kg/cm2に調節した。次いで50℃、60kg/cm2の圧
力を保持しながら残りの酢酸ビニル225部、“VeoVa10"1
35部及びクロロトリフルオロエチレン195部を1時間毎
に5回均等分割添加した。それと同時に過酸化水素(30
%)3部をイオン交換水100部に溶解した溶液を6時間
にわたって均一連続滴下した。
このようにして得た水性分散液を水で希釈し固形分濃
度50%に調節し、共重合体水性分散液を得た。
この共重合体水性分散液の粘度は40cps、pH4.0であっ
た。
また、この共重合体水性分散体中の重合固体の組成分
析値は、 クロロトリフルオロエチレン(フルオロオレフィン)
25.5 重量% 酢酸ビニル(カルボン酸ビニル) 33.6 重量% Veova10(カルボン酸ビニル) 20.5 重量% クロトン酸(エチレン性不飽和酸) 0.8 重量% ビニルスルホン酸ナトリウム(反応性乳化剤) 0.8重
量% エチレン(オレフィン) 18.8 重量% であった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
比較例3 エチレン圧力を170kg/cm2とした以外は、実施例2と
同様にして共重合体水性分散液を製造した。
また、この対照用の共重合体水性分散体中の重合固体
の組成分析値は、 クロロトリフルオロエチレン(フルオロオレフィン)
20.6 重量% 酢酸ビニル(カルボン酸ビニル) 27.6 重量% Veova10(カルボン酸ビニル) 16.8 重量% クロトン酸(エチレン性不飽和酸) 0.6 重量% ビニルスルホン酸ナトリウム(反応性乳化剤) 0.6
重量% エチレン(オレフィン) 33.8 重量% であった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
比較例4 モノマーの使用量を酢酸ビニル400部、“VeoVa10"150
部、クロロトリフルオロエチレン50部、エチレン圧力を
15kg/cm2に変えた以外は、実施例2と同様にして共重合
体水性分散液を製造した。
この対照用の共重合体水性分散体中の重合固体の組成
分析値は、 クロロトリフルオロエチレン(フルオロオレフィン)
7.7 重量% 酢酸ビニル(カルボン酸ビニル) 61.5 重量% Veova10(カルボン酸ビニル) 23.0 重量% クロトン酸(エチレン性不飽和酸) 0.9 重量% ビニルスルホン酸ナトリウム(反応性乳化剤) 0.9
重量% エチレン(オレフィン) 6.0 重量% であった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
比較例5 モノマーの使用量を酢酸ビニル20部、“VeoVa10"20
部、クロロトリフルオロエチレン560部、エチレン圧力
を60kg/cm2に変えた以外は、実施例2と同様にして共重
合体水性分散液を製造した。
この対照用の共重合体水性分散体中の重合固体の組成
分析値は、 クロロトリフルオロエチレン(フルオロオレフィン)
82.0 重量% 酢酸ビニル(カルボン酸ビニル) 3.1 重量% Veova10(カルボン酸ビニル) 2.9 重量% クロトン酸(エチレン性不飽和酸) 0.9 重量% ビニルスルホン酸ナトリウム(反応性乳化剤) 0.9
重量% エチレン(オレフィン) 10.2 重量% であった。
この共重合体水性分散液の性状を第2表に、また塗膜
物性を第3表にそれぞれ示した。
試験方法は第1表の場合と同様に行った。第1表に示
さなかった試験方法は次の通りである。
(10)耐ブロツキング性:塗面へ1辺3cmのクラフト紙
を置き、1kg分銅を乗せ、23℃、65%湿度中へ24時間静
置後、クラフト紙をはがし、クラフト紙のはがれ抵抗具
合や、塗面への残り具合にて判定。
第2表及び第3表に示した結果から、エチレン含量が
33.8%であると、耐ブロッキング性が劣り、カルボン酸
ビニルエステル量が増加すると、耐水性、耐アルカリ
性、耐候性が低下することがわかった。又、クロロトリ
フルオロエチレンが増加すると、顔料分散性や塗膜の付
着性の低下が認められた。
実施例3〜8 ビニルスルホン酸ナトリウム及びクロトン酸の仕込み
量(共重合体の計算収量当りの仕込み量%)をそれぞれ
0.5%及び1.5%(実施例3)、1.0%及び1.0%(実施例
4)、1.5%及び0.5%(実施例5)、1.5%及び1.5%
(実施例6)、0.5%及び0.5%(実施例7)、2.0%及
び2.0%(実施例8)と変えた以外は実施例1と同様に
して乳化重合を行ない、それぞれの共重合体水分散液を
得た。それぞれの重合中の凝集物生成量は、0.2g(実施
例3)、0.1g(実施例4)、0.1>g(実施例5)、0.1
>g(実施例6)、0.4g(実施例7)、1g(実施例8)
であった。
それぞれの共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は
第4表に示す如くであった。
比較例6〜9 ビニルスルホン酸及びクロトン酸の仕込み量(共重合
体の計算収量当りの仕込み量%)をそれぞれ0%及び1.
5%(比較例6)、1.5%及び0%(比較例7)、3.0%
及び0%(比較例8)、0%及び3.0%(比較例9)と
変えた以外は実施例1と同様にして乳化重合を行ない、
それぞれの共重合体水分酸液を得た。それぞれの重合中
の凝集物生成量は、5g(比較例6)、2g(比較例7)、
2g(比較例8)及び4g(比較例9)であった。
それぞれの共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は
第4表に示す如くであった。
試験方法は第1表の場合と同様に行った。
第4表の結果から、ビニルスルホン酸ナトリウム又は
クロトン酸のいずれか一方しか使用しない場合は、重合
中の凝集物生成量が増え、水性分散液の安定性も劣るこ
とが認められた。
実施例9 2ステンレス製オートクレーブに15部のネオゲンR
(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第一工業製
薬(株)製)、10部のノイゲンEA−120(ポリオキシエ
チレンノニルフェノールエーテル、第一工業製薬製)、
5部のビニルスルホン酸ナトリウム、5部のクロトン
酸、5部の炭素水素アンモニウムを650部のイオン交換
水に溶解した水溶液を入れ、次いで150部のピバリン酸
ビニルを仕込んだ後、エチレンで10kg/cm2加圧し脱気し
た。エチレン加圧及び脱気の操作を2回繰り返した後、
112部のエチルビニルエーテルとあらかじめ液化捕集し
たヘキサフルオロプロピレン233部とをガラス製耐圧管
よりエチレン加圧にてオートクレーブに圧入し、エチレ
ンにより圧力を40kg/cm2となるように調節した。オート
クレーブを60℃に調温し、5部のアンモニウムパーサル
フエートを90部のイオン交換水に溶解した触媒液を6時
間にわたって滴下し、更に2時間反応を継続した。重合
の進行に従い圧力は低下したが、エチレンの新たな補充
は行わなかった。
次いで30℃に冷却後水性分散体を取り出し、共重合体
水性分散液を得た。
この共重合体水性分散液の固形分濃度は40.1%で、粘
度950cpsであった。
この共重合体水性分散体中の重合固体の組成分析値
は、 ヘキサフルオロプロピレン(フルオロオレフイン) 3
7.0 重量% ピバリン酸ビニル(カルボン酸ビニル)27.0 重量% エチルビニルエーテル(ビニルエーテル)21.0 重量
% クロトン酸(エチレン性不飽和酸) 0.9 重量% ビニルスルホン酸ナトリウム(反応性乳化剤) 0.9
重量% エチレン(オレフィン) 13.2 重量% であった。
この共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は第5表
に示す如くであった。
比較例10 エチレンを用いず、窒素で加圧した以外は実施例9と
同様に重合して共重合体水性分散液を製造した。
この共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は第5表
に示す如くであった。
比較例11 ビニルスルホン酸ナトリウム及びクロトン酸を用い
ず、アクリル酸を6部用いた以外は実施例9と同様に重
合して共重合体水性分散液を製造した。
この共重合体水性分散液の性状及び塗膜物性は第5表
に示す如くであった。
試験方法は第1表の場合と同様に行った。
第5表の結果から、エチレンを用いない場合には、付
着性ならびに耐水性などが、顕著に劣るようになるし、
また、ビニルスルホン酸ナトリウムとクロトン酸との併
用の替わりに、アクリル酸のみを用いるというような場
合には、とりわけ、重合中の凝集物の生成量が増大した
りして、水性分散液それ自体の安定性や、顔料分散性な
どの、顕著なる低下が認められた。
〔発明の効果〕
本発明の水性分散体は、エマルジョン粒子の沈降安定
性、機械的安定性、顔料分散性が良好で常温もしくは比
較的低温の加熱によって皮膜が形成でき、基材への付着
性に優れ、耐水性、耐候性、耐薬品性が良好である皮膜
をもたらすことができる。
このような特長により、本発明の水性分散体は、外装
建築塗料、外装建材塗装剤、紙及び繊維加工剤などの用
途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 127/12 C09D 127/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜80重量%のフルオロオレフィンと、5
    〜30重量%のオレフィンと、10〜80重量%のビニルエス
    テル及び/又はビニルエーテルと、0.1〜3.0重量%のス
    ルホン基及び/又はサルフェート基並びにエチレン性不
    飽和基を同一分子中に含む共重合可能な反応性乳化剤
    と、0.1〜3.0重量%の共重合可能なエチレン性不飽和酸
    と、を乳化共重合してなることを特徴とするフルオロオ
    レフィン共重合体水性分散体。
  2. 【請求項2】共重合可能な反応性乳化剤が、ビニルスル
    ホン酸ナトリウム及び/又はエチレン性不飽和基含有ア
    ルキルスルホコハク酸ナトリウムである、請求項(1)
    に記載のフルオロオレフィン共重合体水性分散体。
  3. 【請求項3】共重合可能なエチレン性不飽和酸がクロト
    ン酸である、請求項(1)又は(2)に記載のフルオロ
    オレフィン共重合体水性分散体。
  4. 【請求項4】フルオロオレフィンがクロロトリフルオロ
    オレフィンである、請求項(1)、(2)又は(3)に
    記載のフルオロオレフィン共重合体水性分散体。
  5. 【請求項5】オレフィンがエチレンである、請求項
    (1)、(2)、(3)又は(4)に記載のフルオロオ
    レフィン共重合体水性分散体。
  6. 【請求項6】ビニルエステルが酢酸ビニル及び/又はバ
    ーサチツク酸ビニルである、請求項(1)、(2)、
    (3)、(4)又は(5)に記載のフルオロオレフィン
    共重合体水性分散体。
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