JP2798713B2 - 気相法ダイヤモンド膜の合成法 - Google Patents

気相法ダイヤモンド膜の合成法

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JP2798713B2
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邦雄 小巻
興司 嵐田
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昭和電工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は気相法によるダイヤモンド〔ダイヤモンドラ
イク炭素(以下、DLCという)をも含む〕膜の合成法に
関し、さらに詳しくはSi、Mo、SiC等の基板の表面に気
相法により高強度のダイヤモンド膜を析出させるダイヤ
モンド膜の合成法に関する。
〔従来の技術〕
気相法によるダイヤモンドの合成はメタン、エタン、
メチルアルコール、アセトン等の有機化合物を用い、プ
ラズマによりダイヤモンド生成反応を起こさせSi、Mo等
の基板に膜状あるいは粒状のダイヤモンドを析出させる
のが通常である。
この場合、基板の上にダイヤモンド、SiC等の微粒子
を撒布しておき、この微粒子表面にダイヤモンドを析出
させる方法もある。
しかし、これらは一般的にダイヤモンドの析出形態や
結晶性の選択制御が十分でなく、薄膜では母地との付着
強度や薄膜自身の強度不足等から用途が限定されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ダイヤモンド生成領域中に設置した基板表面へダイヤ
モンドを析出する場合、その形態や結晶性は基板の種類
(例えばSi、Mo、SiC等の基板の種類)あるいは表面状
態(例えば欠陥密度の大小)の依存性が大きく、十分な
選択制御ができないという問題があり、又析出構造の緻
密性や均一性の不足により十分な強度が得られないこと
等から用途が限定されていた。
本願の目的は析出ダイヤモンド粒子サイズを微細化
し、且つその微細化粒子間の結合状態を緻密、均一に制
御することによる高強度ダイヤモンド膜を合成すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本件発明者は上記の目的を達成するため鋭意研究した
結果、特定の振動モードで基板を振動させることによ
り、ダイヤモンド形態、結晶性が大きく変化し、析出状
態が微粒子で結合状態が緻密、均一なダイヤモンド膜が
得られることを見出し、本件発明を完成するに至った。
すなわち、本件発明の要旨は、気相法によりダイヤモ
ンド膜を合成する方法において、基板をダイヤモンド生
成領域中で1KHz以上の振動数で振動させることにより基
板表面に高強度のダイヤモンド膜を析出させることを特
徴とする気相法ダイヤモンド膜の合成法にある。
以下、本発明の実施に用いられる装置の一例を図面に
示し、これを参考にして具体的に本発明を説明するが、
本発明はこれら図示に限定されるものではない。
図1は熱フィラメント法による場合を示したもので、
1がMo製の皿状容器、2はこの容器を振動させる為の軸
棒、3はタングステンフィラメント、4はMo基板であ
る。
容器1はMoの他、W、SUSなどの材質でもよい。形状
は円、長方形など特に限定はない。深さは5〜30mm程度
が好ましい。基板4はダイヤモンド、Si、SiC、W、W
C、等でもよい。
基板を入れた容器のおかれる位置は基板がダイヤモン
ド生成領域内にあるようにする。図1で示すフィラメン
トの場合では、振動中における基板表面とフィラメント
の下端部の距離は2〜7mmが適当で、その位置で基板を
容器下端部へ固定する。励起法がマイクロ波、高周波、
燃焼炎法等の場合にも、ダイヤモンド生成領域はその出
力等により予めわかるので、その領域に基板があるよう
にする。ダイヤモンドが析出する基板温度は650〜1200
℃程度である。
基板を振動させるには一つの方法として容器を軸棒2
に連結した振動装置(図示せず)により振動させる。振
動は上下方向でもよいがこれはわずかな横方向の振動を
加えてもよい。振幅は0.1〜2mmの範囲が好ましい。
本発明の主眼となるのは振動数である。即ち1KHz以上
の高振動数ではサブミクロン以下の微細ダイヤモンド粒
子から成る緻密で均一な膜状物質が得られる。1KHz以下
の低振動数ではミクロンオーダーの単結晶に近い微粒ダ
イヤモンドが析出する。さらに振動を停止した場合は基
板の種類や表面状態により生成ダイヤモンドは薄膜ある
いは粒状と形態が一定しないのみならず結晶性もまちま
ちであり結晶子間結合強度も低い。
本発明においてダイヤモンド合成の他の条件は公知の
ものと特に変りはない。原料ガスとしてはメタン、エタ
ン、ベンゼン等の炭化水素、メタノール、エタノール、
アセトン、酢酸等の含酸素化合物、その他C,H以外にN,C
l等を含む化合物も使用できる。そして、これらにH2、A
r等のキャリアガスを混合して使用されるのが普通であ
る。励起は熱フィラメント、マイクロ波、高周波、直流
アーク放電、電子線照射、燃焼炎法などにより行なわれ
る。
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説
明する。
〔実施例〕
容積約4の反応槽(直径20cm、高さ20cm)内に図1
に示すようなタングステンフィラメント及びモリブデン
製の皿状容器をセットし、皿の底面にモリブデン基板を
取付け、フィラメント(らせんの下端)との距離を5mm
とした。皿には1.2KHzの振動を与え基板を振動させた。
振幅は約1mmである。
ダイヤモンド合成はエチルアルコール2容積%を含有
する水素ガスを用い、その流量を80cc/分とし、熱フィ
ラメントの温度を2200℃、反応槽内の圧力は100Torrの
条件で行った。この条件で7時間保った。その結果SEM
観察により緻密なサブミクロン〜2μm径のダイヤモン
ド薄膜が基板表面を覆っていた。ダイヤモンド薄膜の厚
さは約35μmであった。
このダイヤモンド薄膜のラマンスペクトルは1334cm-1
のかなり鋭いダイヤモンドピークのみを検出した。
次にダイヤモンド薄膜の付着しているモリブデン基板
を酸溶解し、薄膜強度を測定した。薄膜強度測定として
はヤング率を用い1.2KHzで振動させ合成した薄膜は4600
kg・f/mm2であった。
比較例1 振動数を50Hzの条件とした以外は実施例と同様の実験
を行い、SEM観察した結果、単結晶状の6〜8μmのダ
イヤモンド粒がMo基板に付着していた。
比較例2 振動を停止した以外は実施例と同様の実験を行ない、
SEM観察した結果、1〜4μmのダイヤモンド粒子から
成る薄膜がMo基板に付着していた。
このダイヤモンド薄膜のラマンスペクトルは1334cm-1
のかなり鋭いダイヤモンドピークのみを検出した。
次に薄膜強度を実施例のものと比較する為、Mo基板を
酸溶解し、約35μm厚みの部分についてヤング率を測定
したところ3800kg・f/mm2であった。
〔発明の効果〕
本発明の方法により微細構造で且つ高強度のダイヤモ
ンド膜が合成できることになり、切削工具、研削工具、
ダイヤモンド複合砥粒等の用途に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】 図1は本発明の方法に用いられる装置の一部断面図であ
る。 1……皿状容器、2……軸棒 3……フィラメント、4……基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相法によりダイヤモンド膜を合成する方
    法において、基板をダイヤモンド生成領域中で1KHz以上
    の振動数で振動させることにより基板の特定表面に高強
    度のダイヤモンド膜を析出させることを特徴とする気相
    法ダイヤモンド膜の合成法。
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