JP3126005B2 - ダイヤモンドの製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はダイヤモンドの製造方
法に関し、さらに詳しく言うと、ダイヤモンドを高速で
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、高い表面硬度と耐摩耗性とが要求される切削工具、
および研磨工具等の工具類や機械部品等の耐摩耗性部材
に、硬度や耐摩耗性などの点で著しく優れたダイヤモン
ドが利用されている。例えば、工具類や耐摩耗性部材等
の基材の表面をダイヤモンド薄膜で被覆することによ
り、工具類や耐摩耗性部材に高度の表面硬度と耐摩耗性
とを付与したものが用いられている。また、気相合成法
で得られたダイヤモンド薄膜は半導体デバイスなど電子
材料としても期待されている。
【0003】基材表面をダイヤモンド薄膜で被覆する方
法として、ダイヤモンドの気相合成法が良く採用されて
いる。ダイヤモンドの気相合成法には、マイクロ波や高
周波を用いたプラズマCVD法、熱フィラメント法、ス
パッタリング法などがあり、いずれの方法においても原
料ガスを励起して得られたプラズマガスを基材に接触さ
せることにより基材上にダイヤモンドを生成させてい
る。
【0004】これら各種の手法の内マイクロ波プラズマ
CVD法によるダイヤモンド膜の合成が盛んに行われて
いるが、高品質のダイヤモンドを高い合成速度で製造す
ることができるには至っていない。マイクロ波プラズマ
CVD法により高い合成速度でダイヤモンド膜を製造す
ることができないという問題点を解決する方法として、
特開平2−102197号公報には、パルス状に変調し
たマイクロ波を用いる手法が開示されているが、ダイヤ
モンドを高速で製造することができるとは言い難い。
【0005】この発明は前記課題を解決することを目的
とする。すなわち、この発明の目的は、ダイヤモンドを
高速で製造することのできる新規な方法を提供すること
にある。また、この発明の他の目的は、ダイヤモンドの
均一な薄膜を基材上に高速で形成することのできる新規
な方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、炭素源ガスにマイクロ波を
照射することにより生じた励起プラズマを基材に接触さ
せる気相合成法によりダイヤモンドを合成するダイヤモ
ンドの製造方法において、励起プラズマの電子状態温度
を0.92エレクトロンボルト以上にすることを特徴と
するダイヤモンドの製造方法であり、請求項2に記載の
発明は、前記マイクロ波は、パルス状に変調されてな
り、その周波数が150Hz〜13.56MHzであ
り、放電電力の先頭出力が1kW以上である前記請求項
1に記載のダイヤモンドの製造方法であり、請求項3に
記載の発明は、前記基材が、マイクロ波の照射方向の中
心から外れた位置に配置される前記請求項1に記載のダ
イヤモンドの製造方法である。
【0007】以下に、この発明の方法について詳細に説
明する。この発明においては、炭素源ガスにマイクロ波
を照射することにより生じた励起プラズマの電子状態温
度を0.92エレクトロンボルト以上にし、このような
高温の励起プラスマを基材に接触させる。
【0008】−炭素源ガス− 炭素源ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等のパラフィン系炭化水素;エチレン、プロ
ピレン、ブチレン等のオレフィン系炭化水素;アセチレ
ン、アリレン等のアセチレン系炭化水素;ブタジエン、
アレン等のジオレフィン系炭化水素;シクロプロパン、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂
環式炭化水素;シクロブタジエン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素;アセト
ン、ジエチルケトン、ベンゾフェノン等のケトン類;メ
タノール、エタノール等のアルコール類;このほかの含
酸素炭化水素;トリメチルアミン、トリエチルアミン等
のアミン類;このほかの含窒素炭化水素;炭酸ガス、一
酸化炭素、過酸化炭素;さらに、単体ではないが、ガソ
リン等の消防法危険物第4類、第1類、ケロシン、テレ
ピン油、しょうのう油等の第2石油類、重油等の第3石
油類、ギヤー油、シリンダー油等の第4石油類も使用す
ることができる。また前記各種の化合物を混合して使用
することもできる。これらの中でも、好ましいのはメタ
ン、エタン、プロパン等のパラフィン系炭化水素、エタ
ノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、ベン
ゾフェノン等のケトン類、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン等のアミン類、炭酸ガス、一酸化炭素であり、
特に一酸化炭素が好ましい。なお、これらは一種単独で
用いても良く、二種以上を混合ガス等として併用しても
よい。また、これらは水素等の活性ガスやヘリウム、ア
ルゴン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性ガスと混合
して用いても良い。
【0009】−基板− 前記基板としては、この発明の目的を阻害しない限り、
特に制限はなく、たとえばSi、Al、Ti、W、M
o、Co、GeおよびCrなどの金属、これらの酸化
物、窒化物および炭化物、これらの合金、Al23
Fe系、TiC−Ni系、TiC−Co系およびB4
−Fe系等のサーメットならびに各種セラミックス等を
挙げることができる。この外、窒化ケイ素やα−サイア
ロン、β−サイアロン等の窒化ケイ素系セラミックス、
あるいは炭化タングステン−炭化チタン−炭化タンタル
−コバルト合金、炭化タングステン−炭化チタン−コバ
ルト合金などの超硬合金も基材として使用することがで
きる。基材の形状についても特に制限がなく、円盤状、
方形状、あるいは工具や耐摩耗性部材の形状をしていて
も良い。
【0010】−ダイヤモンド合成条件− この発明の方法においては、以下の条件下に反応が進行
して、前記基材上にダイヤモンドが析出する。すなわ
ち、前記基材の表面の温度は、通常、室温〜1,200
℃、好ましくは600〜1,000℃である。この温度
が室温より低い場合には、ダイヤモンドの合成速度が遅
くなったり、非ダイヤモンド成分を多量に含んだ品質の
劣るダイヤモンドが合成されることがある。一方、1,
200℃より高い場合には、基材上に堆積したダイヤモ
ンドがエッチングにより削られてしまい、合成速度の向
上が見られないことがある。反応圧力は、通常、10-5
〜103 torr、好ましくは10-3〜103 torr
である。反応圧力が10-5torrよりも低い場合に
は、ダイヤモンドの合成速度が遅くなったり、ダイヤモ
ンドが析出しなくなったりすることがある。一方、10
3 torrより高くしてもそれに相当する効果が得られ
ないことがある。
【0011】本発明においては、上記温度および圧力の
条件下に、炭素源ガスにマイクロ波を照射することによ
り励起プイラズを発生させ、その電子状態温度を前記の
0.92エレクトロンボルト以上、好ましくは0.92
〜5エレクトロンボルト、更に好ましくは0.95〜5
エレクトロンボルトにするのが望ましい。電子状態温度
が0.92エレクトロンボルト未満であると、高速でダ
イヤモンドを合成することができない。この発明の方法
では、ダイヤモンドを2μm/時間の速度で合成するこ
とができることを、一例として挙げる。
【0012】ここで、電子状態温度とは、次の式、電子
状態温度=0.6613×{ln[0.2577(I H
α/I Hβ)]}-1で示すことができる。ただし、I H
αは水素のバルマー系列のαの発光強度であり、I Hβ
は水素のバルマー系列のβの発光強度である。そして、
測定値に対しては相対感度補正がされている。上式は、
電子状態がマックスウエル・ボルツマン分布を有するも
のと仮定して成り立ち、水素原子についての励起の分布
を温度に換算したものと、意味付けることができる。
【0013】電子状態温度を0.92エレクトロンボル
ト以上にするには、炭素源ガスに照射するマイクロ波を
パルス状に変調することにより、特に周波数が150H
z〜13.56MHz、好ましくは200Hz〜1MH
z、さらに好ましくは300Hz〜5,000Hzであ
るパルスに変調することにより、しかも放電電流の先頭
出力を1kW以上にするのが良い。
【0014】前記周波数が、150Hzよりも小さい
と、高い励起レベルの励起プラズマが充分に得られず、
この発明の目的が達成されない。また、前記周波数が1
3.56MHzを超えると、マイクロ波に変調をかけた
効果がうすれ、連続波を用いて原料ガスを励起した場合
とかわりなくなる。
【0015】マイクロ波をパルス状に変調するには、マ
イクロ波発信管へ印加されるプレート電圧と、パルス発
振器から出力されるパルス信号とを混合すればよい。前
記変調されたマイクロ波のパルス形状としては、立ち上
がりの急激なパルス波形が好ましい。前記の立ち上がり
が急激なパルス状の変調マイクロ波は、電子状態温度を
高温にし、ダイヤモンドの中間体を多量に発生する作用
乃至機能を有する。
【0016】変調マイクロ波により形成されるパルスの
形状としては、たとえば、図1、図2に示すように、垂
直に立ち上がる三角波パルス、図3に示すような三角波
と方形波との合成パルス、図4に示すような減衰期が下
に凸状の曲線であるパルス等を挙げることができる。な
お、図1〜図4においては説明の便宜のためにパルス状
に変調されたマイクロ波の包絡線をもってパルス変調さ
れたマイクロ波を簡略化して描いてある。
【0017】このように、前記パルスは、図1〜図4に
示すような90度の立ち上がりを示すものが好ましい
が、この発明においては、このようなパルスに限定され
るものではなく、この発明の目的を阻害しないかぎりに
おいて特に制限はなく、たとえば、立ち上り時間(τ
1 )が、一つのパルス波形を形成するに要する時間、す
なわちマイクロ波を出力している時間すなわちパルス励
起時間(t1 )の2分の1以内であればよい。なお、前
記立ち上り時間(τ1 )とは、最大振幅の10%から9
0%に達するまでに要する時間をいう。
【0018】このパルスは、通常、前記パルス励起時間
(t1 )に対する、パルス波形の形成を停止している時
間、すなわちマイクロ波の出力を停止している時間(t
2 )の比[t1 /t2 ](以下、パルス比ということが
ある。)が1/1,000〜1,000であり、好まし
くは、1/1,000〜100である。前記パルス比
が、1/1,000より小さいと、安定したプラズマ状
態を維持することができなくなる。もっとも、前記変調
周波数や反応圧力、原料ガス等の反応条件を適宜に選定
すると、パルス比が、1/1,000より小さくてもプ
ラズマ状態を維持できる。また、パルス比が1,000
よりも大きいと、目的とする電子状態温度が得られない
ことがある。
【0019】−ダイヤモンド合成装置および合成方法− この発明の方法によりダイヤモンドを基板上に合成する
には、従来から公知のマイクロ波プラズマCVD装置を
使用することができるのであるが、図5および図6に示
す合成装置を使用するのが好ましい。図5および図6に
示すように、反応管として垂直に立設する内径50mm
の石英管1の中に、その軸芯を共有する支持棒2が昇降
可能に立設して配置され、その支持棒2の先端部には円
錐台形状の支持体3が結合されている。この支持体3
は、直径15mmの円形上面を有する。この支持体3の
円錐台形上面に、例えば円盤状の基材4が載置される。
前記石英管1における前記支持体3が配置された位置に
対応する外周には、この石英管1を挟んで相対向して配
置された一対の導波管5a,5bが配置される。この導
波管5a,5bは、その垂直断面が、内側横幅(X方向
長さ)115mm及び内側縦長さ(Z方向長さ)55m
mのほぼ長方形になるように設計されている。一対の導
波管5a,5bの内一方の導波管5aはマイクロ波発振
器(図示せず。)に接続され、他方の導波管5bには、
前後動可能な反射板を備えたプランジャー(図示せ
ず。)が配置される。前記石英管1における前記支持体
3が配置された位置に対応する外周および導波管5a,
5bの外周には、支持体3の近傍で発生する高温の励起
プラズマによる発熱で加熱される石英管1および導波管
5a,5bを冷却するための、水冷ジャケット6が設け
られている。この水冷ジャケットには、石英管1内部を
観察するための観察窓7が設けられている。なお、この
水冷ジャケットは全体として直方体状をなし、外側横幅
が130mm、外側縦長さが80mm及び外側奥行き長
さ(Y方向長さ)が140mmの寸法を有している。
【0020】図5及び図6に示す合成装置を使用するこ
とにより、次のようにしてダイヤモンドが合成される。
ダイヤモンド薄膜を被覆するための円盤状の基材4を支
持体3の上面に載置する。石英管1の上方から炭素源ガ
スを導入すると共に、石英管1の下方から真空ポンプ等
の排気手段により排気することにより、石英管1内を所
定の圧力に維持する。導波管5a中を導波するマイクロ
波を基材4に向けて照射し、基材4の回りの炭素源ガス
から励起プラズマ8を発生させる。励起プラズマを基材
4の表面に接触させることにより基材4の表面にダイヤ
モンド薄膜を形成させる。
【0021】このとき、石英管中における導波管の水平
方向の中心線を中心とする一定の領域が、マイクロ波に
よる電界が最も大きくなる。そこで、支持棒を昇降させ
ることにより、石英管中における基材の位置が導波管の
中心線に一致するように、基材の位置を微調整すると、
基材および励起プラズマの温度を上昇させやすく、ダイ
ヤモンド合成の効率が良い。
【0022】ところで、窒化ケイ素などのセラミックス
系の基材を用いる場合には、このような材料は絶縁体で
あることから、上記した方法で特に問題は生じない。し
かし、炭化タングステン合金系の基材や、セラミックス
に導電性の合金を混合して焼結した複合部材を用いた基
材などの導電性を有する基材を用いるときには、マイク
ロ波による電界が乱され、基材の尖った部分、例えば基
材のコーナー部やエッジ部等に励起プラズマが集中して
しまう。その結果、基材表面の中央部と周縁部とでは、
その表面温度差が例えば50〜100℃にも達する。そ
して、基材のコーナー部やエッジ部等には基材の中央部
に対して相対的に厚いダイヤモンド薄膜が、基材の中央
部には相対的に薄いダイヤモンド薄膜が形成されること
になる。つまり、均一な厚みのダイヤモンド薄膜が形成
されないことがある。不均一な厚みのダイヤモンド薄膜
を有する基材を工具ホルダーに装着し、クランプ等で締
めつけると、基材表面からダイヤモンド薄膜が剥離した
り、ダイヤモンド薄膜の欠損を生じたりするなどの問題
が生じることがある。
【0023】そこで、この発明においては、導電性を有
する超硬合金などで作成された基材の表面にダイヤモン
ド薄膜を形成しようとするときには、基材の石英管中に
おける設置位置を、導波管の水平方向における中心線に
対応する位置から、幾分上方または下方に移動させ、プ
ラズマによる電界の最強部位を避けた位置にすることに
より、前記励起プラズマの集中による問題を解消するの
が良い。
【0024】このように、励起プラズマによる電界の最
も強い位置から、幾分上方あるいは下方の位置に基材を
設置するのが好ましいのであるが、反面これにより熱効
率が低下し、ダイヤモンドの合成速度が低下する恐れも
ある。この新たに生じる問題は、マイクロ波をパルス状
に変調させ、電子状態温度を高くすることにより容易に
解消することができる。
【0025】基材の設置位置が、導波管の水平方向にお
ける中心線に対応する位置にあるときには、励起プラズ
マの基材のへの集中によって反応温度が高くなり過ぎて
しまうという問題がなきにしもあらずではあるが、基材
の設置位置をこの中心線より幾分上方あるいは下方にず
らすことにより、電子状態温度の高い励起プラズマを使
用しても、反応温度が高くなり過ぎるということがなく
なる。
【0026】以上のようにして、この発明の方法によ
り、ダイヤモンドを高速で製造することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)基材として、窒化ケイ素70容量%と炭化
タングステン30容量%との焼結体からなり、SPGN
120308形状をしたスローアウェイチップを、図5
及び図6に示す合成装置における支持体の上面に載置し
た。この基材の中心高さが、導波管の縦方向長さ55m
mにおいてその中心線より27mm低い位置になるよう
に、基材の位置を調整した。
【0028】次いで、この石英管の上方から、炭素源ガ
スとして一酸化炭素ガス15容量%と水素ガス85容量
%との混合ガスを100sccmの流量で供給し、導波
管からは、変調周波数1kHz、パルス比t1 /t2
1、先頭出力1.1kW、平均出力800Wのマイクロ
波を導入し、電子状態温度が0.95エレクトロンボル
ト(eV)の励起プラズマを基板の周囲に形成させた。
この励起プラズマが基板の表面に接触することにより、
基板の表面にダイヤモンド薄膜が形成された。
【0029】この場合、石英管中の圧力を40torr
に維持し、基材の温度を950℃にし、反応時間を10
時間にした。この結果、基材表面に形成されたダイヤモ
ンド薄膜の平均膜厚は24μmであった。又、このダイ
ヤモンド薄膜の厚みムラを調べるために、基板の各部位
におけるダイヤモンド膜厚を測定した。その結果を表1
に示した。
【0030】(実施例2)基板の設置高さを、導波管を
水平方向の中心線と同一の高さとした外は、前記実施例
1と同様に実施した。その結果、基材のコーナー部に励
起プラズマが集中することが、観察窓を通して観察され
た。生成したダイヤモンド薄膜の基材各部における厚み
ムラが生じた。基材各部におけるダイヤモンド薄膜の厚
みの測定結果を表1に示した。
【0031】(実施例3)基材の設置高さを、導波管の
水平方向の中心線より32mm低い位置に設置した外
は、前記実施例1と同様にした。このとき、基材表面
は、石英管中に発生した励起プラズマから外れた位置に
あった。そしてダイヤモンド薄膜の合成速度は0.6μ
m/時間であり、前記実施例1の結果と比べると、低い
値である。
【0032】(比較例1)平均出力が800Wである無
変調の連続波であるマイクロ波を使用することにより前
記実施例1と同様にすることにより電子状態温度が0.
85エレクトロンボルトである励起プラズマを形成し
た。この励起プラズマを基材の表面に接触させることに
より基材の表面にダイヤモンド薄膜を形成した。その結
果、ダイヤモンド薄膜の合成速度は0.8μm/時間で
あり、前記実施例1の結果と比較すると、極めて小さな
ダイヤモンド合成速度であることが明らかである。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】この発明の方法によると、ダイヤモンド
薄膜を高速で合成することができる。又、ダイヤモンド
薄膜を形成するべき基材の反応管中における設置位置
を、マイクロ波の照射方向と適切な関係に調節すること
により、均一な厚みのダイヤモンド薄膜を高速で合成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はパルス変調したマイクロ波の波形を示す
説明図である。
【図2】図2はパルス変調したマイクロ波の波形を示す
説明図である。
【図3】図3はパルス変調したマイクロ波の波形を示す
説明図である。
【図4】図4はパルス変調したマイクロ波の波形を示す
説明図である。
【図5】図5はダイヤモンド合成装置を示す斜視図であ
る。
【図6】図6は図5に示すダイヤモンド合成装置の断面
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 石英管 2 支持棒 3 支持体 4 基材 5a,5b 導波管 6 水冷ジャケット 7 観察窓 8 励起プラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−239195(JP,A) 特開 平2−102197(JP,A) 特開 平4−132684(JP,A) 特開 平5−239655(JP,A) 実開 平4−114569(JP,U) 勝又聡,「ダイヤモンド生成プラズマ の解析」,出光技報,34巻,6号,1991 年11月,p.715−722 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素源ガスにマイクロ波を照射すること
    により生じた励起プラズマを基材に接触させる気相合成
    法によりダイヤモンドを合成するダイヤモンドの製造方
    法において、励起プラズマの電子状態温度を0.92エ
    レクトロンボルト以上にすることを特徴とするダイヤモ
    ンドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ波は、パルス状に変調され
    てなり、その周波数が150Hz〜13.56MHzで
    あり、放電電力の先頭出力が1kW以上である前記請求
    項1に記載のダイヤモンドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基材が、マイクロ波の照射方向の中
    心から外れた位置に配置される前記請求項1に記載のダ
    イヤモンドの製造方法。
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JP6775771B2 (ja) * 2015-09-10 2020-10-28 国立研究開発法人産業技術総合研究所 マイクロ波プラズマcvd装置及びそれを用いたダイヤモンドの合成方法

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勝又聡,「ダイヤモンド生成プラズマの解析」,出光技報,34巻,6号,1991年11月,p.715−722

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