JP2798320B2 - 感光性平版印刷版の自動現像機 - Google Patents

感光性平版印刷版の自動現像機

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JP2798320B2
JP2798320B2 JP4062471A JP6247192A JP2798320B2 JP 2798320 B2 JP2798320 B2 JP 2798320B2 JP 4062471 A JP4062471 A JP 4062471A JP 6247192 A JP6247192 A JP 6247192A JP 2798320 B2 JP2798320 B2 JP 2798320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性平版印刷版材料
を搬送しながら現像液が貯留された現像槽へ浸漬して現
像処理し、水洗水による水洗処理、ガム液による不感脂
化処理して画像を得る感光性平版印刷版の自動現像機に
関する。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版を処理する感光性平版
印刷版自動現像機(以下「PS版プロセッサー」とい
う)では、一般に装置内でPS版を略水平搬送しながら
現像、水洗、ガム処理等の処理を行っている。
【0003】焼付装置等で画像が記録されたPS版は、
このPS版プロセッサーへ送られ現像槽内を搬送されな
がら現像液に浸漬され、或いは現像液が画像記録面(表
面)に吹きつけられて現像処理される。
【0004】現像処理されたPS版は、水洗部で水洗さ
れた後(水洗処理)、フィニッシャー部でガム液が塗布
されて版面保護され(不感脂化処理)、次いで乾燥処理
される。
【0005】ところが、現像液等の処理液は、外気に晒
されることにより疲労度が増加し(CO2 疲労、O2
労)、現像能力が低下することがある。現像能力の低下
が早いと、補充液の補充時期を早めることになり、補充
液の消費量が増大する。このため、例えば、特開平3−
87833号向上に開示されているように、現像液を貯
留している現像槽の液面に浮き蓋等を配設して、外気と
の接触を軽減することが考えられているが、上記浮き蓋
のみでは、隙間が多く存在し、不十分である。また、自
動現像機には、現像液を加温する目的等、発熱部があ
り、現像液中の水分の蒸発がかなり多い。その結果、搬
送ローラのニップ部への成分の析出乾燥によるローラへ
の固着、版上への固着物の転写、スプレーパイプの孔の
つまり、現像液の能動変化等が発生し、保守が大変であ
った。
【0006】これを解消するために、現像槽回りをケー
シングで覆うことが考えられる。この場合、PS版の挿
入口及び排出口には、通常は弾性力で当接し合ってこの
挿入口及び排出口を閉塞する一対のブレードがそれぞれ
取付けられ、挿入口及び排出口からの外気の侵入を防止
するようにしている(一例として特開平3−23124
5号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、挿入口
及び排出口の各々の開口部を一対のブレードで閉塞して
おくと、このブレードがPS版の通過時には感光面に接
触することになる。挿入口側、すなわち現像前では、ブ
レードの接触時の押圧力を小さくしておけば、ほとんど
問題はないが、排出口、すなわち現像が終了したPS版
の感光面にブレードが接触していると、画質に影響を及
ぼすことになり好ましくない。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、現像槽を取り
囲むケーシングの挿入口及び排出口を確実に閉塞すると
共に感光性平版印刷版の感光面を傷付けることなく排出
口を通過させることができる感光性平版印刷版の自動現
像機を得ることが目的である。
【0009】請求項1に記載の発明は、感光性平版印刷
版を搬送しながら現像液が貯留された現像槽へ浸漬して
現像処理し、水洗水による水洗処理、ガム液による不感
脂化処理して画像を得る感光性平版印刷版の自動現像機
であって、前記感光性平版印刷版の挿入口及び排出口が
設けられ少なくも前記現像槽回りを取り囲んで現像液が
外気に晒されることを抑止するケーシングと、前記ケー
シングの挿入口に設けられ感光性平版印刷版通過時にの
み該感光性平版印刷版が接触しながら通過して非通過時
には常時閉状態となる第1の蓋体と、前記ケーシングの
排出口に設けられ感光性平版印刷版が前記ケーシング内
から排出されるときにのみ開放されて排出口から排出さ
れる感光性平版印刷版とは非接触となる開閉可能な第2
の蓋体と、を有している。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記現像槽に貯
留された現像液の表面に接して空気から遮断する液面蓋
を配置したことを特徴としている。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、感光性平
版印刷版が挿入口へ至ると、この感光性平版印刷版の搬
送力により第1の蓋体が開放され、感光性平版印刷版は
円滑にケーシング内に挿入される。このとき、感光性平
版印刷版が前記第1の蓋体を接触しながら通過するた
め、通過時においても外気が内部に入り込まず、現像液
を外気に晒すことの抑制効果を常に維持できる。第1の
蓋体としては、例えば弾性力を有する一対のブレード
適用可能であり、この一対のブレードを挿入口に配設し
ておけば、通常は弾性力で互いに接触し合い、挿入口を
常時閉塞することができる。一方、前記感光性平版印刷
版の挿入時には、この感光性平版印刷版の搬送時の押圧
力によって、ブレードが弾性変形し、感光性平版印刷版
の肉厚寸法分開放するため、感光性平版印刷版が挿入口
から円滑に挿入されると共に、外気の侵入を防止するこ
とができる。
【0012】感光性平版印刷版は現像槽内の現像液に浸
漬され、次いで水洗処理、不感脂化処理がなされた後、
排出口へ至る。ここで、排出口に配設された第2の蓋体
は、通常は閉状態であり、少なくとも感光性平版印刷版
がケーシング内から排出されるときのみ開放状態と
る。このため、感光性平版印刷はこの蓋体とは非接触で
排出口から排出される。すなわち、感光性平版印刷版の
感光面に形成された画像を損傷する等の不具合がなく、
画質を保護することができる。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、ケーシン
グと共に現像蓋を併用して、現像槽の現像液の表面に接
して空気からの遮断をより完全なものにすることができ
る。
【0014】ここで、従来の装置では1日の現像処理面
積が少ないほど水分の蒸発量が影響して、処理面積当た
りの現像液の補充量を多くする必要があったが、本発明
によれば、蒸発の問題がないため、1日の処理面積に関
係なく極めて少ない一定の補充量でよくなり、複雑高価
な自動補充装置が不要となる。また、装置コストを安く
することができる。
【0015】また、同じ理由で処理液の乾固物がローラ
駆動機構、スプレー孔に析出しないし、処理槽内の壁の
汚れも少なくなるので、装置の保守が良くなる。
【0016】さらに、処理液の疲労が少ないこと、及び
補充量が版の処理面積に依存しないという前記のような
メリットの他、処理の安定性の向上という効果もある。
【0017】さらにまた、補充量が少ない、廃液量が少
なくなるということから、ランニングコストも安くなる
という効果もある。
【0018】
【実施例】図1及び図2には、本実施例に係る感光性平
版印刷版自動現像機(以下「PS版プロセッサー」と言
う)10が示されている。PS版プロセッサー10は、
図示しない焼付装置によって画像が焼付けられた感光性
平版印刷版(以下「PS版」と言う)12をこのPS版
プロセッサー10で現像処理した後に乾燥するようにな
っている。
【0019】図1に示されるように、PS版プロセッサ
ー10は、内部の処理部が外板パネル14で覆われてい
る。外板パネル14には、PS版12(図2参照)を内
方へ送り込むための挿入台16が取り付けられている。
PS版12は、この挿入台16に載置されて挿入台16
の奥側の開口から外板パネル14内部へ挿入される。
【0020】外板パネル14の内部には、図2に示され
る如く、PS版12を現像処理するための現像槽18を
備えた現像部22と、PS版12に付着した現像液を水
洗して水洗処理する水洗部24と、水洗後のPS版12
にガム液を塗布して不感脂化処理するフィニッシャー部
26と、が配設されている。
【0021】なお、水洗部24には、水洗槽28が配設
され、フィニッシャー部26には、ガム液槽30が配設
されている。
【0022】図2及び図3に示される如く、上記の現像
部22、水洗部28及びフィニッシャー部26は、外板
パネル14は別の箱型のケーシング100に覆われてい
る。すなわち、本実施例のPS版プロセッサー10は、
このケーシング100と外板パネル14との二重構造と
されている。ケーシング100には、スリット状の挿入
口102及び排出口104がそれぞれ設けられ、挿入口
102は、前記挿入台16の奥側開口と対応して設けら
れている。一方、排出口104は、図1に示される如
く、フィニッシャー部26の下流側に設けられた乾燥部
31の入口と対応して設けられている。ケーシング10
0には、基本的には挿入口102及び排出口104以外
の開口はない。
【0023】乾燥部31は、図示しない多数のローラに
よって、フィニッシャー部26から送り出されたPS版
12(図2参照)を搬送しながら、このPS版12の表
面に温風を吹きつけて乾燥するようになっている。乾燥
されたPS版12は、PS版プロセッサー10から排出
されて、例えば、PS版12を立て掛けて貯版するスト
ッカー(図示省略)等に排出される。
【0024】図2に示される如く、現像部22の現像槽
18へのPS版12の挿入側には、一対の搬送ローラ3
2が配設されており、この一対の搬送ローラ32の間に
画像が焼付けられたPS版12が前記ケーシング100
の挿入口102から挿入されるようになっている。一対
の搬送ローラ32は、PS版12を水平方向に対して1
5°の角度で現像槽18へ向けて送り出すようになって
いる。
【0025】この挿入口102の内面側には、その上下
方向の縁部に弾性力を有する一対のゴム製ブレード10
6が取付けられている。これらのブレード106は、中
間部が円弧状に屈曲されており、その先端はPS版12
の搬送方向下流側に向けられている。
【0026】この状態で、ブレード106の先端部同士
は互いの弾性力によって接触し、挿入口102を閉塞し
ている。
【0027】ここで、PS版12が挿入口102へ搬送
されてくると、このPS版12の搬送時の押圧力によっ
て一対のブレード106は、それぞれ弾性力に抗して拡
開される構成となっている。このため、PS版12を円
滑にケーシング100内へ送り込むことができる。
【0028】また、この挿入口102の近傍には、PS
版12の有無を検出するセンサ108が取付けられてい
る。このセンサ108によってPS版12がケーシング
100内に存在することが認識できる。
【0029】現像槽18は上方が開口され底部中央部が
下方に向けて突出された略逆山形状とされている。この
現像槽18内には、現像液が収容されている。また、現
像槽18内には、底部に沿って同じ径の多数のガイドロ
ーラ34が配設されている。これらのガイドローラ34
は、串型ローラであり現像槽18の一対の側板の間に回
転可能に掛け渡されている。
【0030】上流のガイドローラ34の上方には、ガイ
ドローラ34より大径のガイドローラ36が、下流部の
ガイドローラ34の上方には、回転ブラシローラ38及
びガイドローラ40が各々配設され、現像槽18の一対
の側板の間に回転可能に支持されている。
【0031】また、現像槽18内の中央部には、PS版
12の表面をスクイズする機能を備えた一対の絞りロー
ラ42が配設されている。これらのガイドローラ34、
36、40、回転ブラシローラ38及び絞りローラ42
には、図示しない駆動手段の駆動力が伝達されて回転
し、PS版12を一定速度で搬送する。
【0032】なお、現像槽18の底部近傍では、一対の
絞りローラ42及びこれに隣接する複数のガイドローラ
34とによって、PS版12を300〜350mmの曲率
半径で搬送するように配置されている。したがって、一
対の搬送ローラ32に挟持搬送されて現像槽18へ挿入
されたPS版12は、ガイドローラ34とガイドローラ
36との間を通って斜めに搬送され、複数のガイドロー
ラ34によって斜め下方に搬送されて絞りローラ42の
間へ挿入される。絞りローラ42は、PS版12の感光
層側(図2の紙面上方側)から現像液中に溶出して老廃
物をその表面から除去し、老廃物がPS版12の移動と
共に下流側へ搬送されないように隔離する。
【0033】絞りローラ42から送り出されたPS版1
2は、ガイドローラ34によって斜め上方へ向けられ、
回転ブラシローラ38、ガイドローラ40によって案内
されて現像槽18から排出される。これによって、PS
版12は無理な力が加えられことなく滑らかにかつ確実
に現像液に浸漬されながら搬送される。
【0034】絞りローラ42の下流側の最も接近したガ
イドローラ34はその軸の外周に弾性回転部材が複数個
軸支された串型ローラであって、ローラ軸は中空パイプ
で構成されている。この中空パイプは、軸方向に沿って
弾性回転部材の間に吐出口が開口されたスプレーパイプ
44を形成している。また、PS版12の搬送路の上方
で、一対の絞りローラ42の近傍には、スプレーパイプ
46、48が配設されている。スプレーパイプ46、4
8は中空パイプの外周面に軸方向に沿って内部と連通す
る図示しない多数の吐出口が設けられ、軸方向が搬送路
の幅方向に沿うように配置されている。これらのスプレ
ーパイプ46、48及びガイドローラ34のスプレーパ
イプ44は、現像液をPS版12の表面及び裏面に向け
て吐出するようになっている。スプレーパイプ44、4
6、48は、現像液をPS版12の上流へ向けて吐出す
るもので、現像初期のPS版12の老廃物をPS版12
の表面から排除して新鮮な現像液を供給する。
【0035】現像槽18内の現像液表面には、液面蓋5
0が配置されている。この液面蓋50は回転ブラシ38
に対応する部分が略円弧状に突出しており、ガイドロー
ラ36と46との間の現像液表面と空気との接触をでき
るだけ少なくするため現像液表面に浮かせる。材質とし
てはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド等の軽
量な材質が選ばれる。
【0036】
【0037】現像槽18の最下流部には、現像槽18か
ら排出されたPS版12を挟持して搬送すると共に、P
S版12の表面から現像液を絞り取るローラ対54が配
置されている。
【0038】一方、PS版プロセッサー10には、現像
部22の下流側に水洗部24の水洗槽28が配設されて
いる。水洗槽28の上方には、図4及び図5に示される
如く、一対の搬送ローラ52が配設されている。これら
の搬送ローラ52は、図示しない側板に回転可能に支持
されており、図示しない駆動手段の駆動力が伝達されて
回転するようになっており、現像部22から送られたP
S版12の搬送路を形成している。
【0039】水洗槽28には、現像槽18から送り出さ
れたPS版12から現像液を洗い落とした後の水洗水が
貯留されている。搬送ローラ52の上流側、かつ搬送路
よりも上側には、スプレーパイプ56が配設されてお
り、このスプレーパイプ56の外周には内部と連通する
3個の吐出口58(図4参照)が設けられている。この
水洗水はスプレーパイプ56からPS版12の表面に滴
下され、PS版12の表面が水洗水によって洗浄され
る。
【0040】また、スプレーパイプ56の上流側には、
可撓性を有するブレード60が配置されている。ブレー
ド60は、その先端が搬送路の移動軌跡と干渉する位置
に配置されており、搬送されるPS版12の表面と当接
するようになっている。このため、ブレード56は、ス
プレーパイプ56から滴下された水洗水を滞留させる役
目を有している。
【0041】また、下側の搬送ローラ52の下部は、受
け皿62に収容されている。受け皿62には、水洗水が
貯留されるようになっており、下側の搬送ローラ52で
汲み上げられて、PS版12の裏面を洗浄すると共に上
側の搬送ローラ52が乾くのを抑えている。
【0042】図4に示される如く、スプレーパイプ56
から水洗水が滴下し、ブレード60上に至ると、この水
洗水は、このブレード60、PS版12の表面及び上側
の搬送ローラ52によって受け部が形成されるため、少
ない量でPS版12上に貯留され、PS版12の幅方向
に沿って拡散することになる。このため、搬送されてく
るPS版12の表面を順次水洗することができる。
【0043】ここで、貯留される水洗水は、ブレード6
0の先端部がPS版12の表面と当接しているため、逆
流することが防止されている。
【0044】また、PS版12の表面上を幅方向へ拡散
した水洗水は、PS版12の幅方向両端部から下方の受
け皿62へ落ちる構成となっている。
【0045】図2に示される如く、フィニッシャー部2
6のガム液槽30の上方には、一対の搬送ローラ78が
設けられている。この搬送ローラ78と前記一対の搬送
ローラ52との間には、搬送路の下側に串型ローラとさ
れたガイドローラ80が配設されている。搬送ローラ5
2によって挟持されて送り出されたPS版12は、この
ガイドローラ80によって搬送ローラ78へ案内される
ようになっている。
【0046】また、ガイドローラ80と搬送ローラ78
との間には、搬送路の上方にスプレーパイプ82が配設
されている。これらのスプレーパイプ82にも前記のス
プレーパイプ56と同様の外周に内部と連通する吐出口
(図示省略)が設けられている。このスプレーパイプ8
2からは、ガム液が吐出され、次に述べるように搬送ロ
ーラ78の表面を介してPS版12の表面に供給され
る。
【0047】上側の搬送ローラ78の外周の一部は、可
撓性を有するブレード84の先端が当接している。ブレ
ード84と上側の搬送ローラ78との境界付近に上方よ
りスプレーパイプ82からのガム液が滴下されると、搬
送ローラ78の当接面に沿ってPS版12の幅方向両端
部へ拡がり、上側の搬送ローラ78の幅方向に行き渡り
液膜が形成され、搬送ローラの表面に搬送ローラの回転
と共にブレード84と搬送ローラ78との間の隙間で計
量されてPS版12の幅方向全域に行き渡るようになっ
ている。このため、少ないガム液量でPS版12の表面
のガム液塗布処理を行うことができる。
【0048】搬送ローラ78は、PS版12を挟持して
搬送すると共に、PS版12の表面に付着したガム液を
スクイズするようになっている。PS版12の表面から
スクイズされたガム液は、ガム液槽30に回収される。
【0049】また、下側の搬送ローラ78の下部には、
受け皿86が配設されており、搬送ローラ78によって
スクイズされたガム液の一部が貯留されるようになって
いる。下側の搬送ローラ78の一部は、この受け皿86
に貯留されたガム液に浸されており、PS版12の裏面
側は、下側の搬送ローラ78が、受け皿86からガム液
を汲み上げることにより、塗布処理を行っている。これ
によって、搬送ローラ78がガム液を持ち出してPS版
12の裏面の不感脂化処理を行うと共に上側の搬送ロー
ラ78の乾きが抑えられ、搬送ローラ78の表面に処理
液の成分が析出しないようになっている。
【0050】このフィニッシャー部26での処理が終了
したPS版12は、ケーシング100の排出口104を
通過して、前記乾燥部31へ送り出されるようになって
いる。
【0051】ここで、排出口104には、蓋体110が
設けられている。この蓋体110は、平板状とされ、上
辺が軸線がPS版12の幅方向と平行とされた軸112
に固着され、この軸112は、排出口104の上端部に
取付けられたブラケット114に軸支されている。この
ため、蓋体110は、軸112を中心に回動可能とさ
れ、蓋体110が垂直位置にあるときには、バネにより
又は重力で前記排出口104が閉塞されるようになって
いる。
【0052】軸112は図示しない駆動手段で(例えば
ソレノイド)回動可能とされており、この軸112の回
動に伴って蓋体110は、略90°の範囲で揺動される
ようになっている。ここで、蓋体110が略水平位置に
あるときは、排出口104が開放されることになる。
【0053】この軸112の回転は、挿入口102の近
傍に設けられた前記センサ108によるPS版12の検
出に基づいてなされる。すなわち、センサ108でPS
版12を検出している間及び検出しなくなってから(後
端を検出してから)所定時間経過するまでの間は蓋体1
10は略水平(排出口104の開放状態)で保持され、
それ以外は垂直(排出口104の閉塞状態)とされるよ
うになっている。
【0054】このため、PS版12が排出口104を通
過する際には、このPS版12と蓋体110との接触は
一切ない。
【0055】以下に本実施例の作用を説明する。まず、
PS版プロセッサー10によって、PS版12の現像処
理が行われていない状態では、ケーシング100の挿入
口102は、一対のブレード106の弾性力によって互
いに接触し合っているため、閉塞されている。一方、排
出口104は、センサ108でPS版12を検出してい
ないので、蓋体110が垂直状態とされ、この排出口1
04も閉塞されている。このため、現像槽18内の現像
液は、外気に晒されることはなく、CO2 疲労は殆ど無
い。このため、経時的劣化による現像能力の低下を抑え
ることができるので、補充液の補充量を激減することが
できる。特に、現像槽18の現像液表面は液面蓋50で
覆われているので現像液と外気との接触防止の効果は大
きい。
【0056】次に、PS版12の処理手順について説明
する。図示しない焼付装置等によって画像が記録された
PS版12は、挿入台16に載置されこの挿入台16の
奥側へ送り込まれる。これにより、PS版12は、ケー
シング100の挿入口102へと至る。ケーシング10
0の挿入口102へと至ったPS版12は、その搬送時
の押圧力でブレード106を弾性力に抗して拡開させ
る。このため、PS版12は円滑にケーシング100内
へ挿入される。
【0057】また、このPS版12の先端が挿入口10
2を通過すると、センサ108によってこれを検出し、
軸112を回動させて排出口104の蓋体110を垂直
状態から略水平状態に揺動させる。これにより、排出口
104は開口される。なお、センサ108がPS版12
の先端を検出したときに信号をCPUへ入力し、搬送速
度から適正なタイミングで排出口を開口するようにして
もよい。
【0058】ケーシング100内に挿入されたPS版1
2は、まず、現像部22に送られる。PS版プロセッサ
ー10はPS版12が挿入されると、搬送ローラ32に
よって現像槽18へ送り込まれる。
【0059】PS版12は搬送ローラ32によって水平
に対して15°の角度で送りだされ、ガイドローラ34
等によって現像槽18内を搬送される。この際、PS版
12には、スプレーパイプ44、46、48によって現
像液が吹き付けられながら搬送されて現像処理される。
【0060】スプレーパイプ44、46、48から現像
槽18の液中で吐出される比較的新鮮な現像液が、PS
版12の現像の進行と共にその感光層側近傍に溶出した
老廃物を吹き飛ばして現像を促進する。また、スプレー
パイプ44、46、48から吐出される現像液は、絞り
ローラ42により老廃物が排除されたPS版12の表面
に供給されるので、さらに、PS版12の現像を促進さ
せることができる。しかる後に、PS版12の感光層側
表面は、回転ブラシ38でこすられて現像が促進され、
非画像部分の感光層が除去される。
【0061】現像処理されたPS版12は、水洗部24
へ送られ、搬送ローラ52によって挟持搬送される。こ
の際、PS版12には、スプレーパイプ56から吐出さ
れる水洗水によって洗浄される。
【0062】ここで、水洗部24における水洗処理を詳
細に説明すると、搬送ローラ52に挟持された状態でP
S版12の表面には、ブレード60の先端が当接してい
る。このため、ブレード60、PS版12の表面及び上
側の搬送ローラ52によってスプレーパイプ56から吐
出される水洗水の受け部が形成される。
【0063】従って、水洗水が少量であってもこの水洗
水を貯留しておくことができるため、スプレーパイプ5
6からの水洗水の吐出量は極めて少なくて済む。本実施
例では、スプレーパイプ56に3個の吐出口58を形成
し、少量の水洗水を供給している。
【0064】受け部に貯留された水洗水は、PS版12
の幅方向両端部に拡がり、この結果、PS版12の表面
には、液膜が形成され、確実に表面の洗浄を行うことが
できる。また、ブレード60によって水洗水の逆流が防
止されているため、現像部への流出はない。
【0065】PS版12の幅方向両端部に至った水洗水
は表面上から落下して受け皿62へと至る。この受け皿
62には、長手方向両端部から流入される。
【0066】受け皿62に浸漬されている下側の搬送ロ
ーラ52は、回転によってこの受け皿60内の水洗水を
汲み上げ、PS版12の裏面側の洗浄を行う。
【0067】水洗処理が終了すると、PS版12は、ガ
イドローラ80に案内されてフィニッシャー部26へ送
られ、搬送ローラ78によって挟持搬送される。ここ
で、スプレーパイプ82から吐出されるガム液によって
不感脂化処理される。
【0068】フィニッシャー部26において、ブレード
84は上側の搬送ローラ78の周面に接触しており、ス
プレーパイプ82から吐出されたガム液は、このブレー
ド84と上側の搬送ローラ78との間に貯留され、PS
版12の幅方向両端部に拡がって、液膜が形成される。
このため、PS版12の表面の不感脂化処理を確実に行
うことができる。また、PS版12の裏面側は受け皿8
6に貯留されたガム液を下側の搬送ローラ78が汲み上
げて処理するため、このPS版12の裏面側の不感脂化
処理も確実になされる。
【0069】フィニッシャー部26から排出されたPS
版12は、ケーシング100の排出口104へと至る。
【0070】この排出口104には、蓋体110が配設
されているが、前記センサ108によるPS版12の検
出によって軸112が回動され、蓋体110は略水平状
態とされているため、排出口104を通過するPS版1
2とこの蓋体110との干渉は一切ない。従って、現像
処理されたPS版12の感光面を擦るようなことがな
く、画質を保護することができる。
【0071】また、前記センサ108でPS版12の後
端を検出した後、所定時間経過すると蓋体110は、垂
直状態、すなわち排出口104を閉塞することになる
が、ケーシング100内を通過する時間は一定であるた
め、PS版12の後端が確実に排出口104を抜け出た
後に蓋体110は揺動して排出口104を閉塞する。
【0072】排出口104を通過したPS版12は、乾
燥部31で乾燥処理されて、PS版プロセッサー10か
ら排出されて処理は終了する。
【0073】なお、現像液と外気との接触をできるだけ
少なくするという本発明の目的から、蓋体110の開い
ている時間をできるだけ短くする方がよい。従って、P
S版12が通過している間のみ開いていて、それ以外の
間は閉じている構造が好ましい。そのために、例えば、
排出口の内側近傍にセンサを配し、PS版12の先端を
検知して蓋体110を開き、PS版の後端が通過したら
後端が排出口から完全に出るまでの時間を、PS版搬送
速度から決定して、その時間をタイマーに設定して蓋体
110を閉じるようにすることができる。
【0074】さらにまた、上記実施例においては自動現
像機全体をケーシングで囲んだ例について説明したが、
各処理槽間を隙間のない構成とし、処理槽全体の上面に
隙間なくカバーを設けたものでもよい。また、現像槽の
みをカバーする構造も有効である。
【0075】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る感光性平
版印刷版の自動現像機は、現像槽を取り囲むケーシング
の挿入口及び排出口を確実に閉塞すると共に感光性平版
印刷版の感光面を傷付けることなく排出口を通過させる
ことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るPS版プロセッサーの斜視図で
ある。
【図2】本実施例に係るPS版プロセッサーの概略構成
図である。
【図3】本実施例に係るケーシングの斜視図である。
【図4】水洗部の斜視図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【符号の説明】
10 PS版プロセッサー 12 PS版 22 現像部 24 水洗部 26 フィニッシャー部 100 ケーシング 102 挿入口 104 排出口 106 ブレード(第1の蓋体) 110 蓋体(第2の蓋体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−87833(JP,A) 特開 平2−2570(JP,A) 特開 平1−310355(JP,A) 実開 昭64−49935(JP,U) 実開 昭59−168754(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性平版印刷版を搬送しながら現像液
    が貯留された現像槽へ浸漬して現像処理し、水洗水によ
    る水洗処理、ガム液による不感脂化処理して画像を得る
    感光性平版印刷版の自動現像機であって、 前記感光性平版印刷版の挿入口及び排出口が設けられ少
    なくも前記現像槽回りを取り囲んで現像液が外気に晒さ
    れることを抑止するケーシングと、 前記ケーシングの挿入口に設けられ感光性平版印刷版通
    過時にのみ該感光性平版印刷版が接触しながら通過して
    非通過時には常時閉状態となる第1の蓋体と、 前記ケーシングの排出口に設けられ感光性平版印刷版
    前記ケーシング内から排出されるときにのみ開放されて
    排出口から排出される感光性平版印刷版とは非接触とな
    開閉可能な第2の蓋体と、 を有する感光性平版印刷版の自動現像機。
  2. 【請求項2】 前記現像槽に貯留された現像液の表面に
    接して空気から遮断する液面蓋を配置したことを特徴と
    する請求項1記載の感光性平版印刷版の自動現像機。
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