JP3246036B2 - 湿し水不要平版印刷用原版の現像装置 - Google Patents

湿し水不要平版印刷用原版の現像装置

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JP3246036B2
JP3246036B2 JP4370193A JP4370193A JP3246036B2 JP 3246036 B2 JP3246036 B2 JP 3246036B2 JP 4370193 A JP4370193 A JP 4370193A JP 4370193 A JP4370193 A JP 4370193A JP 3246036 B2 JP3246036 B2 JP 3246036B2
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brush
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卓 磯部
昌宏 小國
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿し水不要平版印刷用原
版の現像装置に関するものであり、さらに詳しくは、基
板上に、インキを受容しうる感光層、インキを反発しう
るシリコーンゴム層とをこの順に設けてなる湿し水不要
平版印刷用原版を、版搬送ローラにより搬送し、表面側
をブラシで擦りながら現像する湿し水不要平版印刷用原
版の現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム層をインキ反
発層とする湿し水不要平版印刷用原版が知られている。
特公昭44−23042号、特公昭46−16044
号、特公昭54−26923号、特公昭55−2278
1号、特公昭61−54219号、特公昭61−542
22号公報等には、基板上に感光層、およびシリコーン
ゴム層をこの順に設けた湿し水不要平版印刷用原版が開
示されている。これらの湿し水不要平版印刷用原版は特
開昭60−59351、特開昭63−163357号公
報等において開示された現像方法により現像される。
【0003】しかしながら、これらの現像方法を用いた
現像装置では、湿し水不要平版印刷用原版(以下「版」
と略す)の画線部のシリコーンゴム層を除去するため
に、炭化水素系現像液を塗布してシリコーンゴム層を大
きく膨潤させながらブラシで擦るのであるが、これによ
って非画線部のシリコーンゴム層に傷がつくという問題
点があった。
【0004】その解決を図るため、現像部の中間に仕切
板を設け、その前半部(以下これを「前処理部」とす
る)において、特公昭63−33140号、特開平3−
167553号、特開平3−167554号、特開平4
−245249号公報等において開示されたアルコール
系現像液(前処理液)を塗布して、シリコーンゴム層を
あまり大きく膨潤させずに感光層の一部を溶解または膨
潤させ、次に、その後半部(以下、改めてこれを「現像
部」とする)において、シリコーンゴム層を膨潤させず
感光層も冒さない水を主成分とする処理液を塗布しなが
ら、ブラシで擦ることにより画線部のシリコーンゴム層
を除去することとした。これら2工程に分離することに
より傷の問題は解消した。
【0005】しかし、現像部に水を主成分とする処理液
を用いるために、現像部内の水蒸気圧が上昇し、前処理
部と現像部とは仕切り等はあっても搬送経路を通じてつ
ながっている(閉鎖系である)ために、前処理部内の水
蒸気圧も上昇する。そして前処理部に収容した上記アル
コール系前処理液の水分率が上昇し、感光層の一部を溶
解する効果が低下するという問題点が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点の解決を図るもので、前処理部に収容した前処
理液の効果を維持できる湿し水不要平版印刷用原版の現
像装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
湿し水不要平版印刷用原版の画線部の感光層の一部を溶
解または膨潤させる前処理部と、画線部のシリコーンゴ
ム層を除去する現像部とを備えた湿し水不要平版印刷用
原版の現像装置であって、該前処理部と該現像部との間
に換気ゾーンを設けることを特徴とする湿し水不要平版
印刷用原版の現像装置により達成される。
【0008】本発明にかかる現像装置が適用できる湿し
水不要平版印刷用原版は、基板上に感光層、およびシリ
コーンゴム層をこの順に設けた湿し水不要平版印刷用原
版であり、公知のものを使用することができる。
【0009】
【作用】本発明の現像装置によると、現像水の主成分が
水であることから、現像槽内の空気の水蒸気圧が上昇
し、さらにこの空気が搬送経路の現像部入口のスリット
孔から洩れ出てくるが、換気ゾーンがあることから、こ
の空気は前処理槽には伝わらない。したがって、換気ゾ
ーンのない閉鎖系の場合に問題となる、前処理槽内の空
気の水蒸気圧の上昇のために、前処理液の水分率が上昇
し、感光層の一部を溶解または膨潤させる効果が低下す
るのを防ぐことができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明の詳細を添付図面を参照して説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0011】図1には本発明が適用された湿し水不要平
版印刷用原版の現像装置1の実施例が示されている。こ
の現像装置1は前処理部2、現像部3、染色部4、洗浄
部5、除液部6とからなり、湿し水不要平版印刷用原版
7を前処理・現像・染色処理した後に、洗浄し、さらに
洗浄液を除去することができる。ここで使用される湿し
水不要平版印刷用原版7としては、以下の方法により作
製されたものを用いた。
【0012】厚さ0.3mmのアルミ板上に下記の感光
液を塗布し、110℃、2分で加熱乾燥し、厚さ6μm
の塗膜(感光層)を形成した。
【0013】 (a)N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシ−3−メタクロイルオ キシプロピル)−m−キシリレンジアミン(グリシジルメタクリレートとm−キ シリレンジアミンの4:1モル比反応物) 100重量部 (b)“パンテックス”T−5201(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレ タン樹脂) 150重量部 (c)N−メチルアクリドン 5重量部 (d)4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 5重量部 (e)クリスタルバイオレットと4−トルエンスルホン酸ナトリウム塩との反応 生成物 0.5重量部 (f)ジメチルホルムアミド 800重量部 この感光層の上に、次の組成を有するシリコーン溶液を
塗布、90℃、2分で加熱乾燥し、厚さ3μmのシリコ
ーンゴム層を設けた。
【0014】 (a)両末端シラノール基のポリジメチルシロキサン(平均分子量35000) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 12重量部 (c)ジブチルスズジアセテート 0.2重量部 (d)n−ヘプタン 120重量部 このようにして設けたシリコーンゴム層の表面に厚さ1
2μmのポリエチレンテレフタレートフィルム”ルミラ
ー”(東レ(株)製)をカレンダーローラでラミネート
し、湿し水不要平版印刷用原版7とした。この印刷用原
版にポジフィルムを真空密着させて、3kWの高圧水銀
灯を用いて1mの距離から90秒露光した。露光後、カ
バーフィルムを剥離した後、本発明の現像装置にて現像
を行なった。
【0015】前処理部2で使用される前処理液8には、
以下の組成を有する液を用いた。
【0016】 (a)ポリプロピレングリコール(平均分子量200) 90重量部 (b)ポリプロピレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル(平均分子量15 00) 10重量部 現像部3で使用される現像水9には、水を用いた。
【0017】染色部4で使用される染色液10には、以
下の組成を有する液を用いた。
【0018】 (a)Brilliant Basic Cyanine 6GH(保土谷化学 工業(株)製の塩基性染料) 0.2重量部 (b)“ハイテノール”12(第一工業製薬(株)乳化剤) 0.2重量部 (c)ブチルカルビトール 5重量部 (d)水 84.6重量部 洗浄部5で使用される洗浄液11には、水を用いた。
【0019】まず、前処理部2について説明する。
【0020】本実施例における前処理部2の前処理槽2
1は、逆山形状で、底部に、上面を開口させた前処理タ
ンク22を有しているが、前処理槽21は逆山形状に限
らず、箱形など他の形状でもよく、また、前処理槽21
と独立させて前処理タンク22を設けることも可能であ
る。前処理タンク22には前処理液8が収容される。前
処理槽21は保守・点検のために上部を開口させている
が、通常は上蓋23を載せて、前処理液8への塵埃の混
入を防止し、かつ前処理液8の放熱を抑えている。
【0021】前処理槽21の上部には、湿し水不要平版
印刷用原版7(以下これを版7と略す)の入口側から順
に搬送ローラ対24、25が配置されている。搬送ロー
ラ対24、25は図示していない側板に支持され、図示
していない駆動手段の駆動力が伝達されて回転し、版7
を図1の矢印A方向へ所定速度で搬送するようになって
いる。搬送ローラ対24、25の表面にはゴムが巻か
れ、搬送する版7の表面を傷つけないように配慮されて
いる。ゴムの材質としては、シリコーンゴム、ポリブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリクロロプレ
ンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチ
ルゴム、フッ化炭化水素ゴム等が挙げられるが、これら
に限定されない。ゴムの硬度は10〜100度が好まし
く、より好ましくは20〜40度である。搬送ローラ対
24は、前処理槽21内の版7の搬送経路の最前部に配
置されて、版7の上に塗布された前処理液8をせき止め
る役目を果たしている。また、搬送ローラ対25は、前
処理槽21内の版7の搬送経路の最後部に配置されて、
版7から前処理液を絞り取る役目を果たしている。ここ
で、搬送性を向上させるため、搬送ローラ対24と25
との間に、搬送ローラ対を一対以上設けることは任意で
ある。また、本実施例では、搬送ローラとして上下一対
のローラを用いたが、これに限らず版面上のみローラと
し、裏面側はローラ以外の板状、網状のものなどであっ
てもよい。搬送ローラ対24、25の版7の挾持圧力
は、例えば0.01〜20kg/cm2 (好ましくは
0.03〜2.0kg/cm2 )に設定することができ
る。
【0022】搬送ローラ対24と25との間には、搬送
ガイド26が配置されており、版7が、その自重と塗布
された前処理液8の重さにより垂れ下がって、搬送経路
から外れることを防止している。搬送ガイド26の材質
としては、前処理液8に侵されず、版7の表面を傷付け
ないようなものであれば何でもよいが、シリコーンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴ
ム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニウム、銅、ステン
レス、ニッケルチタン等の金属あるいは合金類、および
これらの複合材料等が用いられる。
【0023】搬送ローラ対24の上側ローラの上部に接
してローラ構造のスキージ部材27が設けられている。
スキージ部材27は搬送ローラ対24、25と同様に図
示していない側板によって支持され、搬送ローラ対24
の回転に従動して回転するように構成されている。スキ
ージ部材27によって搬送ローラ対24についた余分な
前処理液を絞り取ることができ、装置の外に前処理液が
流出するのを防ぐことができる。スキージ部材27の全
長は、搬送ローラ対24の全長と等しくなっているが、
これに限定されない。ただし、搬送ローラ対24の全長
より短い場合には、前処理液を絞りとる効果は低下す
る。ここで、搬送ローラ対25の上部にスキージ部材2
7と同様のスキージ部材を設けることは任意である。ス
キージ部材27の形状としては、ローラ構造に限定され
ず、例えば非回転式の板状のスキージ部材であってもよ
い。スキージ部材27の材質としては、前処理液8に侵
されず、搬送ローラ対を傷付けないようなものであれば
よく、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニト
リルゴム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム
類、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アル
ミニウム、銅、ステンレス、ニッケルチタン等の金属あ
るいは合金類、およびこれらの複合材料等が用いられ
る。
【0024】搬送ローラ対24の上方にはシャワーパイ
プ28が配置されている。このシャワーパイプ28に
は、搬送ローラ対24の上側のローラに対向してシャワ
ー吐出口28Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設けら
れている。このシャワーパイプ28は流量調節バルブ2
9を介してシャワー配管30で後述する前処理液循環装
置と連通されている。これによって前処理液8がシャワ
ーパイプ28へ送りこまれ、搬送ローラ対24の上側の
ローラへ吐出され、版7上へ塗布されるようになってい
る。
【0025】搬送性を向上させるため、搬送ローラ対2
4と25との間に、さらに搬送ローラ対を設けた場合
は、搬送ローラ対24同様、その上方にシャワーパイプ
を配置することが好ましい。
【0026】前処理液循環装置は、循環ポンプ31、圧
力計32、フィルタ交換用バルブ33と35、フィルタ
34、シャワー配管30、およびバイパス管36で構成
されている。
【0027】循環ポンプ31は市販の汎用ポンプが使用
でき、制御部37により、その動作が制御される。循環
ポンプ31の吸入口側は前処理タンク22の底部と連通
され、吐出口側はシャワー配管30に連通されている。
この循環ポンプ31の運転によって、前処理タンク22
の前処理液8がシャワー配管30を通ってシャワーパイ
プ28へ送られるようになっている。
【0028】シャワー配管30の途中にはフィルタ3
4、およびフィルタ交換用バルブ33、35が配置され
ている。このフィルタ34によって、シャワー配管30
内を通る前処理液中のゴミを濾過し、シャワーパイプの
シャワー吐出口28Aの目詰まりを防止している。フィ
ルタ34には、濾過精度が10〜1000μmのものが
使用されている。また、フィルタ交換用バルブ33、3
5は、フィルタ交換の際、これらのバルブを閉じること
により前処理タンク22内の前処理液8が流れ出るのを
防ぐために設けられている。
【0029】循環ポンプ31とフィルタ34との間には
圧力計32が設けられており、フィルタ34に入る前処
理液8の圧力が検出されるようになっている。圧力計3
2は制御部37と結線されており、圧力検出結果は制御
部37に伝達される。この圧力計32の代わりに流量計
を用いてもよい。フィルタ34に入る前処理液8の圧力
が所定値以上になった場合、制御部37に接続された表
示器38にフィルタ34の交換を促す表示がなされる。
【0030】バイパス管36を設けることにより、前処
理タンク内の前処理液8は循環攪拌され、前処理全体の
温度は均一になる。
【0031】また、前処理タンク22内には温度検出器
39、ヒータ40、およびフロートスイッチ41が配置
されている。温度検出器39は制御部37と結線されて
おり、温度検出結果が制御部37に伝達されるようにな
っている。ヒータ40は制御部37内の電源と接続され
ており、温度検出結果に基づいて電源が入切される。こ
れによって前処理液8の温度は10〜60℃、好ましく
は20〜50℃に制御される。また、フロートスイッチ
41は前処理液8の減少を検知するものであり、制御部
37と結線されている。前処理液37の減少を検知した
場合、ヒータ40の電源が切られ、循環ポンプ31が停
止するようになっている。これにより、ヒータ40の電
熱面が液面から露出した状態でヒータ40に電源が入る
こと、および空気を噛み込んだ状態で循環ポンプ31が
空運転することを防いでいる。そして表示器38に前処
理液8の補充を促す表示がなされるようになっている。
【0032】次に、現像部3について説明する。
【0033】本実施例における現像部3の現像槽51
は、逆山形状で、底部に、上面を開口させた現像タンク
52を有しているが、現像槽51は逆山形状に限らず、
箱形など他の形状でもよく、また、現像槽51と独立さ
せて現像タンク52を設けることも可能である。現像タ
ンク52には現像水9が収容される。
【0034】現像槽51は保守・点検のため上部を開口
させているが、通常は上蓋53を載せて、現像水9への
塵埃の混入を防止し、かつ現像水9の放熱を抑えてい
る。
【0035】現像槽51の上部には、版7の入口側から
順に搬送ローラ対54、55が配置されている。搬送ロ
ーラ対54、55は図示していない側板に支持され、図
示していない駆動手段の駆動力が伝達されて回転し、版
7を矢印A方向へ所定速度で搬送するようになってい
る。搬送ローラ対54、55の表面にはゴムが巻かれ、
搬送する版7の表面を傷つけないように配慮されてい
る。ゴムの材質としては、搬送ローラ対24、25の表
面のゴムと同様のものが使用できる。ゴムの硬度は10
〜100度が好ましく、より好ましくは20〜40度で
ある。搬送ローラ対54は、現像槽51内の版7の搬送
経路の最前部に配置されて、版7の上に塗布された現像
水9をせき止める役目を果たしている。本実施例ではブ
ラシローラ56の上流側に搬送ローラ対を一対配置して
いるが、二対以上設けてもよい。また、搬送ローラ対5
5は、現像槽51内の版7の搬送経路の最後部に配置さ
れて、版7から現像水9を絞り取る役目を果たしてい
る。本実施例ではブラシローラ56の下流側に搬送ロー
ラ対を一対配置しているが、版7の上に塗布された現像
水9を絞り取るために、二対以上設けてもよい。また、
本実施例では、搬送ローラとして上下一対のローラを用
いたが、これに限らず版面上のみローラとし、裏面側は
ローラ以外の板状、網状のものなどであってもよい。搬
送ローラ対54、55の版7の挾持圧力は、例えば0.
01〜20kg/cm2 (好ましくは0.03〜2.0
kg/cm2 )に設定することができる。
【0036】搬送ローラ対54の上側ローラの上部に接
してローラ構造のスキージ部材57が設けられている。
スキージ部材57は搬送ローラ対54、55と同様に図
示していない側板によって支持され、搬送ローラ対54
の回転に従動して回転するように構成されている。スキ
ージ部材57によって搬送ローラ対54についた余分な
現像水を絞り取ることができ、装置の外あるいは前処理
槽21側へ現像水9が流出するのを防ぐことができる。
スキージ部材57の全長は、搬送ローラ対54の全長と
等しくなっているが、これに限定されない。ただし、搬
送ローラ対54の全長より短い場合には、現像液を絞り
とる効果は低下する。ここで、搬送ローラ対55の上部
にスキージ部材57と同様のスキージ部材を設けること
は任意である。スキージ部材57の形状としては、ロー
ラ構造に限定されず、例えば非回転式の板状のスキージ
部材であってもよい。スキージ部材57の材質として
は、現像水9に侵されず、搬送ローラ対54を傷付けな
いようなものであればよく、スキージ部材27と同様の
ものが使用できる。
【0037】搬送ローラ対54と55との間にはブラシ
ローラ56が配置されている。このブラシローラ56
は、版7の表面を擦ることによって版面上の画線部に相
当するシリコーンゴム層を掻き取るためのものである。
ブラシローラ56も搬送ローラ対54、55と同様に図
示していない側板によって支持され、図示していない駆
動手段の駆動力が伝達されて、搬送ローラ対54、55
の回転方向と同じ方向(反時計方向(B方向))に回転
するようになっている。また、場合によっては、搬送ロ
ーラ対54、55の回転方向の逆方向へ回転してもよ
い。
【0038】ブラシローラ56としては、直径20〜5
00μmのブラシ素材を金属あるいはプラスチック等の
溝型材に列状に植え込んだものを芯に取り付けたものが
一般的だが、上記ブラシ素材を金属あるいはプラスチッ
ク等の芯に放射状に植え込んだものでもよく、上記ブラ
シ素材をプラスチックシートあるいは布等の基材に植え
込んだものを芯に巻いたものでもの等でもよい。
【0039】ブラシローラ56のブラシ材質をポリ塩化
ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、およびポリプロピレンの群
より選ばれる少なくとも1種とすることにより、ブラシ
により版面を傷付けることなく、またブラシの力不足に
より画線部のシリコーンゴムを除去できず、現像不良を
起こすのを防止できる。このブラシローラ56の回転数
は10〜1000rpm(好ましくは200〜600r
pm)に設定されている。
【0040】またブラシローラ56を、回転すると共に
軸方向へ往復運動させることにより、版7の画線部のシ
リコーンゴム層を掻き取る効果が向上する。
【0041】ブラシローラ56の下流側であって、版7
の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板58が設けられ
ている。撥ね上げ防止板58は図示していない側板に支
持されている。ブラシローラ56が搬送ローラ対54、
55の回転方向と同じ方向に回転する場合、版7の末端
がブラシローラ56の下流側で撥ね上げられ版が曲がる
のを、撥ね上げ防止板58によって防止することができ
る。ブラシローラ56が逆回転する場合、撥ね上げ防止
板58をブラシローラ56の上流側に設ければ、版7の
先端が撥ね上げられ版7が本来の搬送経路から外れるの
を防ぐことができる。
【0042】撥ね上げ防止板58の材質としては、版を
傷付けないものであればどのようなものでもよいが、シ
リコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴ
ム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニウ
ム、銅、ステンレス、ニッケルチタン等の金属あるいは
合金類、およびこれらの複合材料等が用いられる。
【0043】ブラシローラ56の下部にはブラシ受台5
9が設けられている。版7が通過する際は、版7がたわ
まないようにブラシ受台59によって版7を裏面から支
持し、ブラシローラ56によって表面を強く擦ることに
より、画線部に相当するシリコーンゴム層を掻き取れる
ようになっている。
【0044】このブラシ受台59の材質は搬送をスムー
ズに行なえるものであればどのようなものでもよく、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアセタール等の樹脂類、
鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル、チタン
等の金属あるいは合金類、およびこれらの複合材料等が
用いられる。このブラシ受台59に表面粗さ5〜200
0μm(好ましくは10〜200μm)の範囲の加工を
施すことにより、ブラシ受台59の表面に付着した現像
水の上を版7が搬送される際、現像水の粘性により版の
搬送と逆方向に力が働き、搬送不良を起こすのを防ぐこ
とができる。
【0045】搬送ローラ対54とブラシローラ56との
間には、シャワーパイプ60が配置されている。このシ
ャワーパイプ60には、ブラシローラ56に対向してシ
ャワー吐出口60Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設
けられている。このシャワーパイプ60は流量調節バル
ブ61を介してシャワー配管62で後述する現像水循環
装置と連通されている。これによって現像水9がシャワ
ーパイプ60へ送りこまれ、ブラシローラ56へ吐出さ
れ、版7上へ塗布されるようになっている。
【0046】またシャワーパイプ63はブラシローラ5
6と搬送ローラ対55との間に配置されている。このシ
ャワーパイプ63には、搬送ローラ対55に対向してシ
ャワー吐出口63Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設
けられている。このシャワーパイプ63は流量調節バル
ブ64を介してシャワー配管62から分岐している管路
で後述する現像水循環装置と連通されている。これによ
って現像水9がシャワーパイプ63へ送りこまれ、搬送
ローラ対55へ吐出され、版7上へ塗布されるようにな
っている。
【0047】ブラシローラ56の上方には断面形状が略
コ字状のブラシカバー65が配置されている。このブラ
シカバー65はブラシローラ56による現像水9の他へ
の飛散を防止している。
【0048】現像水循環装置は、循環ポンプ66、圧力
計67、フィルタ交換用バルブ68と70、フィルタ6
9、シャワー配管62、およびバイパス管71で構成さ
れている。
【0049】循環ポンプ66は市販の汎用ポンプが使用
でき、制御部37により、その動作が制御される。循環
ポンプ66の吸入口側は現像タンク52の底部と連通さ
れ、吐出口側はシャワー配管62に連通されている。こ
の循環ポンプ66の運転によって、現像タンク52の現
像水9がシャワー配管62を通ってシャワーパイプ6
0、63へ送られるようになっている。
【0050】シャワー配管62の途中にはフィルタ6
9、およびフィルタ交換用バルブ68、70が配置され
ている。このフィルタ69によって、シャワー配管62
内を通る現像水中のかす(主に版7の表面から擦り取っ
た現像かす)を濾過し、シャワーパイプのシャワー吐出
口60A,63Aの目詰まりを防止している。フィルタ
69には、濾過精度が10〜500μm、好ましくは1
0〜300μmのものが使用されている。また、フィル
タ交換用バルブ68、70は、フィルタ交換の際、これ
らのバルブを閉じることにより現像タンク52内の現像
水9が流れ出るのを防ぐために設けられている。
【0051】循環ポンプ66とフィルタ69との間には
圧力計67が設けられており、フィルタ69に入る現像
水9の圧力が検出されるようになっている。圧力計67
は制御部37と結線されており、圧力検出結果は制御部
37に伝達される。この圧力計67の代わりに流量計を
用いてもよい。フィルタ69に入る現像水9の圧力が所
定値以上になった場合、制御部37に接続された表示器
38にフィルタ69の交換を促す表示がなされる。
【0052】バイパス管71を設けることにより、現像
タンク内の現像水9は循環攪拌され、現像水全体の温度
は均一になる。
【0053】現像タンク52内には、新現像水供給口7
2およびオーバーフロー口73が設けられている。新現
像水供給口72は電磁弁74、フィルタ75、バルブ7
6を介して新現像水供給管77で図示していない新現像
水供給装置と連通されている。これによって新しい現像
水が現像タンク52内へ供給される。電磁弁74は制御
部37内の電源と接続されており、処理枚数に応じて開
閉される。フィルタ75は新現像水供給管77内を通る
新しい現像水中の異物を濾過するために設けられてい
る。バルブ76は、新しい現像水の供給量の調節と、フ
ィルタ75の交換の際に新現像水が流れ出るのを防ぐた
めに設けられている。
【0054】オーバーフロー口73はオーバーフロー管
78で図示していない廃液処理装置に連通されている。
これによって、新しい現像水の供給による現像水9の余
剰分が廃液処理装置へ排出されるようになっている。オ
ーバーフロー口73の上方には、かさ79が設けられて
おり、シャワーパイプ60、63より吐出した現像水が
直接オーバーフロー口73に入り、排出量が供給量を上
回って現像水9が減少することを防止している。排出し
た現像水は前処理液8と現像かすを含んでいるが、これ
らを除去して現像水を再利用してもよい。
【0055】前処理部2において、前処理液8を搬送ロ
ーラ対25で絞り取っているが、完全には除去できない
ため現像部3に運ばれ、現像水9に混入する。現像水9
中の前処理液濃度が上昇すると、版7の非画線部のシリ
コーンゴム層に傷がつきやすい状態になり、ブラシロー
ラ56に擦られると傷がつくという問題が生じる。しか
し新現像水を供給しオーバーフローさせることにより、
現像水9中の前処理液濃度を一定値以下の抑えることが
できるため、非画線部のシリコーンゴム層に傷がつくこ
ともなく、また現像水交換作業も不必要となる。
【0056】現像タンク52内には温度検出器80、ヒ
ータ81、およびフロートスイッチ82が配置されてい
る。温度検出器80は制御部37と結線されており、温
度検出結果が制御部37に伝達されるようになってい
る。ヒータ81は制御部37内の電源と接続されてお
り、温度検出結果に基づいて電源が入切される。これに
よって現像水9の温度は10〜60℃、好ましくは20
〜50℃に制御される。また、フロートスイッチ82は
現像水9の減少を検知するものであり、制御部37と結
線されている。現像水9の減少を検知した場合、ヒータ
81の電源が切られ、循環ポンプ66が停止するように
なっている。これにより、ヒータ81の電熱面が液面か
ら露出した状態でヒータ81に電源が入ること、および
空気を噛み込んだ状態で循環ポンプ66が空運転するこ
とを防いでいる。そして表示器38に現像水9が異常に
減少しているという表示がなされるようになっている。
【0057】次に、換気ゾーン83について説明する。
【0058】前処理部2と現像部3との間には換気ゾー
ン83が設けられている。換気ゾーン83は外気とつな
がる開放系となっている。現像水9の主成分が水である
ことから現像槽51内の空気の水蒸気圧が上昇し、さら
にこの空気が搬送経路の現像部入口のスリット孔から洩
れ出てくるが、換気ゾーン83があることから、この空
気は前処理槽21には入らずに外気に排出され、現像部
3内の水蒸気圧の上昇は前処理部2には伝わらない。し
たがって、換気ゾーンのない閉鎖系の場合に問題とな
る、前処理槽21内の空気の水蒸気圧が上昇し、前処理
液8の水分率が上昇することによる感光層の一部を溶解
または膨潤させる効果の低下を防ぐことができる。版7
に撓み、歪みなどがあっても、前処理部出口および現像
部入口等のスリット孔の上下に版7が触れないようにス
リット孔の高さは10mm以上が好ましく、より好まし
くは20mm以上である。この場合、版7の表面からの
高さは5mm以上が好ましく、より好ましくは10mm
以上である。スリット孔の高さの上限については特に制
限されないが、あまり大きすぎると外気中の水分が前処
理部内に入り、前処理液の水分率が上昇することも考え
られるので、500mm以下が好ましく、より好ましく
は100mm以下である。これに対し、換気ゾーン83
の長さは10mm以上が好ましく、より好ましくは20
mm以上である。換気ゾーン83の長さの上限は、版7
がスムーズに搬送される長さであれば特に制限されない
が、500mm以下が好ましく、より好ましくは300
mm以下である。換気ゾーン83内あるいは換気ゾーン
83の上下左右いずれかにファンなどの強制的な換気手
段を設け、空気の流れを作ると換気の効果はより向上す
る。このような換気ゾーン83を設けることにより、版
7の表面の膨潤の様子や前処理液の絞り取りの具合も確
認することが可能となる。
【0059】現像槽51内の空気の水蒸気圧が上昇しな
いように、現像槽51に換気する手段を設けることも考
えられるが、現像槽51内に塵埃・異物が入りやすくな
り、これらによってフィルタ69が詰まりやすくなる、
あるいは画線部のシリコーンゴム層の除去を妨害すると
いう問題が生じる。
【0060】前処理槽21内の空気の水蒸気圧が上昇し
ないように、前処理槽21に換気する手段を設けること
も考えられるが、現像槽51と同じ理由により問題が生
じる。
【0061】次に、染色部4について説明する。
【0062】本実施例における染色部4の染色槽91
は、逆山形状で、底部に上面を開口させた染色タンク9
2を有しているが、染色槽91は逆山形状に限らず、箱
形など他の形状でもよく、また、染色槽91と独立して
染色タンク92を設けることも可能である。染色タンク
92には染色液10が収容される。
【0063】染色槽91は保守・点検のため上部を開口
させているが、通常は上蓋93を載せて、染色液10へ
の塵埃の混入を防止し、かつ染色液10の放熱を抑えて
いる。
【0064】染色槽91の上部には版7の入口側から順
に搬送ローラ対94、95が配置されている。搬送ロー
ラ対94、95は、図示していない側板に支持され、図
示していない駆動手段の駆動力が伝達されて回転し、版
7を矢印A方向へ所定速度で搬送するようになってい
る。搬送ローラ対94、95の表面にはゴムが巻かれ、
搬送する版7の表面を傷付けないように配慮されてい
る。ゴムの材質としては、搬送ローラ対24、25の表
面のゴムと同様のものが使用できる。ゴムの硬度は10
〜100度が好ましく、より好ましくは20〜40度で
ある。搬送ローラ対94は、染色槽91内の版7の搬送
経路の最前部に設置されて、版7の上に塗布された染色
液10をせき止める役目を果たしている。本実施例では
ブラシローラ96の上流側に搬送ローラ対を一対配置し
ているが、二対以上設けてもよい。また、搬送ローラ対
95は、染色槽91内の版7の搬送経路の最後部に設置
されて、版7から染色液10を絞り取る役目を果たして
いる。本実施例ではブラシローラ96の下流側に搬送ロ
ーラ対を一対配置しているが、版7の上に塗布された染
色液10を絞り取るために、二対以上設けてもよい。本
実施例では、染色槽91の下流側に搬送ローラ対115
を一対配置しているが、二対以上設けてもよく、また、
設けなくてもよい。また、本実施例では搬送ローラとし
て上下一対のローラを用いたが、これに限らず版面上の
みローラとし、裏面側はローラ以外の板状、網状のもの
などであってもよい。搬送ローラ対94、95の版7の
挾持圧力は、例えば0.01〜20kg/cm2 (好ま
しくは0.03〜2.0kg/cm2 )に設定すること
ができる。
【0065】搬送ローラ対94の上側ローラの上部に接
してローラ構造のスキージ部材97が設けられている。
スキージ部材97は搬送ローラ対94、95と同様に図
示していない側板によって支持され、搬送ローラ対94
の回転に従動して回転するように構成されている。スキ
ージ部材97によって搬送ローラ対94についた余分な
染色液を絞り取ることができ、装置の外あるいは現像槽
51側へ染色液10が流出するのを防ぐことができる。
スキージ部材97の全長は、搬送ローラ対94の全長と
等しくなっているが、これに限定されない。ただし、搬
送ローラ対24の全長より短い場合には、染色液を絞り
とる効果は低下する。ここで、搬送ローラ対95の上部
にスキージ部材97と同様のスキージ部材を設けること
は任意である。スキージ部材97の形状としては、ロー
ラ構造に限定されず、例えば非回転式の板状のスキージ
部材であってもよい。スキージ部材97の材質として
は、染色液10に侵されず、搬送ローラ対94を傷付け
ないようなものであればよく、スキージ部材27と同様
のものが使用できる。
【0066】搬送ローラ対94と95との間にはブラシ
ローラ96が配置されている。このブラシローラ96
は、版7の表面を擦ることによって、現像部3で取り残
した版面上の画線部のシリコーンゴム層を除去し、さら
に染色液10による染色を均一に行なうためのものであ
る。ブラシローラ96も搬送ローラ対94、95と同様
に図示していない側板に支持され、図示していない駆動
手段によって駆動力が伝達され、搬送ローラ対94、9
5の回転方向の逆方向(時計方向(C方向))に回転す
るようになっている。また、場合によっては、搬送ロー
ラ対94、95の回転方向の順方向へ回転してもよい。
【0067】ブラシローラ96としては、ブラシローラ
56と同様のものが使用できる。
【0068】ブラシローラ96のブラシ材質をポリ塩化
ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、およびポリプロピレンの群
より選ばれる少なくとも1種とすることにより、ブラシ
により版面を傷付けることなく、またブラシの力不足に
より画線部のシリコーンゴムを除去できず、現像不良を
起こすのを防止でき、かつ確実に染色することができ
る。このブラシローラ96の回転数は10〜1000r
pm(好ましくは100〜500rpm)に設定されて
いる。
【0069】また、ブラシローラ96を、回転すると共
に軸方向へ往復運動させることにより、版7の画線部の
シリコーンゴム層を除去する効果および染色液10によ
る染色効果が向上する。
【0070】ブラシローラ96の上流側であって、版7
の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板98が設けられ
ている。撥ね上げ防止板98は図示していない側板に支
持されている。ブラシローラ96が搬送ローラ対94、
95の回転方向の逆方向に回転する場合、版7の先端が
ブラシローラ96の上流側で撥ね上げられ版7が本来の
搬送経路から外れるのを撥ね上げ防止板98によって防
止することができる。ブラシローラ96が順回転する場
合、撥ね上げ防止板98をブラシローラ96の下流側に
設ければ、版7の末端が撥ね上げられ版が曲がるのを防
ぐことができる。
【0071】撥ね上げ防止板98の材質としては、版を
傷つけないものであればどのようなものでもよく、撥ね
上げ防止板58と同様のものが使用できる。
【0072】ブラシローラ96の下部にはブラシ受台9
9が設けられている。版7が通過する際は、版7がたわ
まないようにブラシ受台99によって版7を裏面から支
持し、ブラシローラ96によって表面を強く擦ることに
より、現像部2で取り残した画線部のシリコーンゴム層
を除去し、かつ均一に染色されるようになっている。こ
のブラシ受台99の材質は搬送をスムーズに行なえるも
のであればどのようなものでもよく、ブラシ受台59と
同様のものが使用できる。このブラシ受台99に表面粗
さ5〜2000μm(好ましくは10〜200μm)の
範囲の加工を施すことにより、ブラシ受台99の表面に
付着した染色液の上を版7が搬送される際、染色液の粘
性により版の搬送と逆方向に力が働き、搬送不良を起こ
すのを防ぐことができる。
【0073】搬送ローラ対94とブラシローラ96との
間には、シャワーパイプ100が配置されている。この
シャワーパイプ100には、ブラシローラ96に対向し
てシャワー吐出口100Aが、軸方向に沿って適当な間
隔で設けられている。このシャワーパイプ100は流量
調節バルブ101を介してシャワー配管102で後述す
る染色液循環装置と連通されている。これによって染色
液10がシャワーパイプ100に送りこまれ、ブラシロ
ーラ96へ吐出され、版7へ塗布されるようになってい
る。
【0074】またシャワーパイプ103はブラシローラ
96と搬送ローラ対95との間に配置されている。この
シャワーパイプ103には、搬送ローラ対95に対向し
てシャワー吐出口103Aが、軸方向に沿って適当な間
隔で設けられている。このシャワーパイプ103は流量
調節バルブ104を介してシャワー配管102から分岐
している管路で後述する染色液循環装置と連通されてい
る。これによって染色液10がシャワーパイプ103に
送りこまれ、搬送ローラ対95へ吐出され、版7へ塗布
されるようになっている。
【0075】ブラシローラ96の上方には断面形状が略
コ字状のブラシカバー105が配置されている。このブ
ラシカバー105はブラシローラ96による染色液10
の他への飛散を防止している。
【0076】染色液循環装置は循環ポンプ106と、圧
力計107、フィルタ交換用バルブ108および11
0、フィルタ109、シャワー配管102、およびバイ
パス管111で構成されている。
【0077】循環ポンプ106は市販の汎用ポンプが使
用でき、制御部37により、その動作が制御される。循
環ポンプ106の吸入口側は、染色タンク92の底部と
連通され、吐出口側はシャワー配管102に連通されて
いる。この循環ポンプ106の運転によって、染色タン
ク92内の染色液10がシャワー配管102を通ってシ
ャワーパイプ100、103へ送られるようになってい
る。
【0078】シャワー配管102の途中にはフィルタ1
09、およびフィルタ交換用バルブ108、110が配
置されている。このフィルタ109によって、シャワー
配管102内を通る染色液中のかす(主に版7の表面か
ら擦り取った現像かす)を濾過し、シャワーパイプのシ
ャワー吐出口100A,103Aの目詰まりを防止して
いる。フィルタ109には、濾過精度が10〜500μ
m、好ましくは10〜300μmのものが使用されてい
る。また、フィルタ交換用バルブ108および110
は、フィルタ交換の際、これらのバルブを閉じることに
より染色タンク92内の染色液10が流れ出るのを防ぐ
ために設けられている。
【0079】循環ポンプ106とフィルタ109の間に
は、圧力計107が設けられており、フィルタ109に
入る染色液10の圧力が検出されるようになっている。
圧力計107は制御部37と結線されており、圧力検出
結果は制御部37に伝達される。この圧力計107の代
わりに流量計を用いてもよい。フィルタ109に入る染
色液10の圧力が所定値以上になった場合、制御部37
に接続された表示器38にフィルタ109の交換を促す
表示がなされる。
【0080】バイパス管111を設けることにより、染
色タンク92内の染色液10は循環攪拌され、染色液全
体の温度は均一になる。
【0081】染色タンク92内には温度検出器112、
ヒータ113、およびフロートスイッチ114が配置さ
れている。温度検出器112は制御部37と結線されて
おり、温度検出結果が制御部37に伝達されるようにな
っている。ヒータ113は制御部37内の電源と接続さ
れており、温度検出結果に基づいて電源が入切される。
これによって染色液10の温度は5〜60℃、好ましく
は5〜50℃に制御される。またフロートスイッチ11
4は染色液10の減少を検知するものであり、制御部3
7と結線されている。染色液6の減少を検知した場合、
ヒータ113の電源が切られ、循環ポンプ106が停止
するようになっている。これにより、ヒータ113の電
熱面が液面から露出した状態でヒータ113に電源が入
ること、および空気を噛み込んだ状態で循環ポンプ10
6が空運転することを防いでいる。そして表示器38に
染色液10の補充を促す表示がなされるようになってい
る。
【0082】次に、洗浄部5について説明する。
【0083】本実施例における洗浄部5の洗浄槽121
は、逆山形状で、底部に上面を開口させた洗浄タンク1
22を有しているが、洗浄槽121は逆山形状に限ら
ず、箱形でも他の形状でもよく、また、洗浄槽121と
独立して洗浄タンク122を設けることも可能である。
洗浄タンク122には洗浄液11が収容される。
【0084】洗浄槽121は保守・点検のため上部を開
口させているが、通常は上蓋123を載せて、洗浄液1
1への塵埃の混入を防止し、かつ洗浄液11の放熱を抑
えている。
【0085】洗浄槽121の上部には版7の入口側から
順に搬送ローラ対124、125が配置されている。搬
送ローラ対124、125は、図示していない側板に支
持され、図示していない駆動手段の駆動力が伝達されて
回転し、版7を矢印A方向へ所定速度で搬送するように
なっている。搬送ローラ対124、125の表面にはゴ
ムが巻かれ、搬送する版7の表面を傷付けないように配
慮されている。ゴムの材質としては、搬送ローラ対2
4、25の表面のゴムと同様のものが使用できる。ゴム
の硬度は10〜100度が良く、好ましくは20〜40
度がよい。搬送ローラ対124は、洗浄槽121内の版
7の搬送経路の最前部に配置されて、版7の上に塗布さ
れた洗浄液11をせき止める役目を果たしている。本実
施例ではブラシローラ126の上流側に搬送ローラ対を
一対配置しているが、二対以上設けてもよい。また、搬
送ローラ対125は、洗浄槽121内の版7の搬送経路
の最後部に設置されて、版7から洗浄液を絞り取る役目
を果たしている。本実施例ではブラシローラ126の下
流側に搬送ローラ対を一対配置しているが、版7の上に
塗布された洗浄液11を絞り取るために、二対以上設け
てもよい。また、本実施例では搬送ローラとして上下一
対のローラを用いたが、これに限らず版面上のみローラ
とし、裏面側はローラ以外の板状、網状のものなどであ
ってもよい。搬送ローラ対124、125の版7の挾持
圧力は、例えば0.01〜20kg/cm2 (好ましく
は0.03〜2.0kg/cm2 )に設定することがで
きる。
【0086】搬送ローラ対124の上側ローラの上部に
接してローラ構造のスキージ部材127が設けられてい
る。スキージ部材127は搬送ローラ対124、125
と同様に図示していない側板によって支持され、搬送ロ
ーラ対124の回転に従動して回転するように構成され
ている。スキージ部材127によって搬送ローラ対12
4についた余分な洗浄液を絞り取ることができ、装置の
外あるいは染色槽91側へ洗浄液11が流出するのを防
ぐことができる。スキージ部材127の全長は、搬送ロ
ーラ対124の全長と等しくなっているが、これに限定
されない。ただし、搬送ローラ対124の全長より短い
場合には、洗浄液を絞りとる効果は低下する。ここで、
搬送ローラ対125の上部にスキージ部材127と同様
のスキージ部材を設けることは任意である。スキージ部
材127の形状としては、ローラ構造に限定されず、例
えば非回転式の板状のスキージ部材であってもよい。ス
キージ部材127の材質としては、染色液に侵されず、
搬送ローラを傷付けないようなものであればよく、スキ
ージ部材27と同様のものが使用できる。
【0087】搬送ローラ対124と125との間にはブ
ラシローラ126が配置されている。このブラシローラ
126は搬送ローラ対124、125と同様に図示して
いない側板に支持され、図示していない駆動手段によっ
て駆動力が伝達され、搬送ローラ対124、125の回
転方向の逆方向(時計方向(D方向))に回転するよう
になっている。また、場合によっては、搬送ローラ対1
24、125の回転方向の順方向へ回転してもよい。版
の搬送速度を速くすると、現像部3および染色部4にお
いて、各ブラシローラ56、96が版7の表面を擦る回
数が減少するため、画線部のシリコーンゴム層が完全に
除去できないという問題があるが、洗浄部のブラシロー
ラ126で擦ることによって、その残ったシリコーンゴ
ム層を除去することができる。すなわち、逆にいえば、
ブラシローラ126を設けることにより搬送速度を向上
することができる。さらに、ブラシローラ126は、洗
浄液11による洗浄効果を向上する役目も果たしてい
る。
【0088】ブラシローラ126としては、ブラシロー
ラ56と同様のものが使用できる。ブラシローラ126
のブラシ材質をポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、お
よびポリプロピレンの群より選ばれる少なくとも1種と
することにより、ブラシにより版面を傷付けることな
く、現像部3および染色部4で取り残した画線部のシリ
コーンゴム層を除去し、かつ確実に洗浄することができ
る。このブラシローラ126の回転数は10〜1000
rpm(好ましくは100〜500rpm)に設定され
ている。
【0089】また、ブラシローラ126を、回転させる
と共に軸方向へ往復運動させることにより、版7の画線
部のシリコーンゴム層を除去する効果および洗浄液によ
る洗浄効果が向上する。
【0090】ブラシローラ126の上流側であって、版
7の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板128が設け
られている。撥ね上げ防止板128は図示していない側
板に支持されている。ブラシローラ126が搬送ローラ
対124、125の回転方向の逆方向に回転する場合、
版7の先端がブラシローラ126の上流で撥ね上げられ
版7が本来の搬送経路から外れるのを撥ね上げ防止板1
28によって防止することができる。ブラシローラ12
6が順回転する場合、撥ね上げ防止板128をブラシロ
ーラ126の下流側に設ければ、版7の末端が撥ね上げ
られ版が曲がるのを防ぐことができる。撥ね上げ防止板
128の材質としては、版を傷つけないものであればど
のようなものでもよく、撥ね上げ防止板58と同様のも
のが使用できる。
【0091】ブラシローラ126の下部にはブラシ受台
129が設けられている。版7が通過する際は版7がた
わまないようにブラシ受台129によって版7を裏面か
ら支持し、ブラシローラ126によって表面を強く擦る
ことにより、現像部3および染色部4で取り残した画線
部のシリコーンゴム層を除去し、かつ洗浄効果を向上す
るようになっている。
【0092】このブラシ受台129の材質は搬送をスム
ーズに行なえるものであればどのようなものでもよく、
ブラシ受台59と同様のものが使用できる。このブラシ
受台129に表面粗さ5〜2000μm(好ましくは1
0〜200μm)の範囲の加工を施すことにより、ブラ
シ受台129の表面に付着した洗浄液の上を版7が搬送
される際、洗浄液の粘性により版の搬送と逆方向に力が
働き、搬送不良を起こすのを防ぐことができる。
【0093】本実施例では、版表面を擦るブラシローラ
と版裏面を支持する受台を一対設けているが、二対以上
設けてもよく、さらに版裏面を擦るブラシローラと版表
面を支持する受台を一対以上設けてもよい。
【0094】搬送ローラ124とブラシローラ126と
の間には、シャワーパイプ130が配置されている。こ
のシャワーパイプ130には、ブラシローラ126に対
向してシャワー吐出口130Aが、軸方向に沿って適当
な間隔で設けられている。このシャワーパイプ130は
流量調節バルブ131を介してシャワー配管132で後
述する洗浄液循環装置と連通されている。これによって
洗浄液11が、シャワーパイプ130に送りこまれ、ブ
ラシローラ126へ吐出され、さらに版7の表面に供給
されるようになっている。
【0095】またシャワーパイプ133はブラシローラ
126と搬送ローラ対125との間に配置されている。
このシャワーパイプ133には、搬送ローラ対125に
対向してシャワー吐出口133Aが、軸方向に沿って適
当な間隔で設けられている。このシャワーパイプ133
は流量調節バルブ134を介してシャワー配管132か
ら分岐している管路で後述する洗浄液循環装置と連通さ
れている。これによって洗浄液11が、シャワーパイプ
133に送りこまれ、搬送ローラ対125の上側のロー
ラへ吐出され、版7の表面に供給されるようになってい
る。
【0096】搬送ローラ対124とブラシ受台129と
の間で搬送経路よりも下側(版の裏面側)に、シャワー
パイプ135が配置されている。このシャワーパイプ1
35にはシャワー吐出口135Aが上向きに形成されて
いる。このシャワーパイプ135は流量調節バルブ13
6を介してシャワー配管132で後述する洗浄液循環装
置と連通されている。これによって洗浄液11が、シャ
ワーパイプ135に送りこまれ、版7の裏面に供給され
るようになっている。
【0097】また、シャワーパイプ137はブラシ受台
129と搬送ローラ対125との間で搬送経路よりも下
側(版の裏面側)に配置されている。このシャワーパイ
プ137にはシャワー吐出口137Aが上向きに形成さ
れている。このシャワーパイプ137は流量調節バルブ
138を介してシャワー配管132から分岐している管
路で後述する洗浄液循環装置と連通されている。これに
よって洗浄液11が、シャワーパイプ137に送りこま
れ、版7の裏面に供給されるようになっている。
【0098】すなわち、画線部を染色処理する染色部に
おいて、版に塗布した染色液をゴムローラで絞り取って
いるが、完全には除去できずに残ることから、版を運搬
する作業者の手が染色液で汚れるという問題点がある。
この問題の解決のために、染色部から出た版の表面を洗
浄する技術が開示されているが、それだけでは不十分で
あり、さらに、表裏両面に染色液が残っている版を複数
枚重ねると、染色液により表面と裏面が互いに貼り付い
てしまう、あるいは染料が非画線部であるシリコーンゴ
ム層に固着してインキ反発性を低下させるという問題点
がある。本実施例では、版7の裏面にも洗浄液11を供
給しているので、この問題点を解決することができる。
【0099】ブラシローラ126の上方には断面形状が
略コ字状のブラシカバー139が配置されている。この
ブラシカバー139はブラシローラ126による洗浄液
11の他への飛散を防止している。
【0100】洗浄液循環装置は循環ポンプ140と、圧
力計141、フィルタ交換用バルブ142および14
4、フィルタ143、シャワー配管132、およびバイ
パス管145で構成されている。
【0101】循環ポンプ140は市販の汎用ポンプが使
用でき、制御部37により、その動作が制御される。循
環ポンプ140の吸入口側は、洗浄タンク122の底部
と連通され、吐出口側はシャワー配管132に連通され
ている。この循環ポンプ140の運転によって、洗浄タ
ンク122内の洗浄液11がシャワー配管132を通っ
てシャワーパイプ130、133、135、137へ送
られるようになっている。
【0102】シャワー配管132の途中にはフィルタ1
43、およびフィルタ交換用バルブ142、144が配
置されている。このフィルタ143によって、シャワー
配管132内を通る洗浄液中のかす(主に版7の表面か
ら擦り取った現像かす)を濾過し、シャワーパイプのシ
ャワー吐出口130A,133A、135A、137A
の目詰まりを防止している。フィルタ143には、濾過
精度が10〜500μm、好ましくは10〜300μm
のものが使用されている。また、交換バルブ142およ
び144は、フィルタ交換の際、これらのバルブを閉じ
ることにより洗浄タンク122内の洗浄液11が流れ出
るのを防ぐために設けられている。
【0103】循環ポンプ140とフィルタ143の間に
は、圧力計141が設けられており、フィルタ143に
入る洗浄液11の圧力が検出されるようになっている。
圧力計141は制御部37と結線されており、圧力検出
結果は制御部37に伝達される。この圧力計141の代
わりに流量計を用いてもよい。フィルタ143に入る洗
浄液11の圧力が所定値以上になった場合、制御部37
に接続された表示器38にフィルタ143の交換を促す
表示がなされる。
【0104】バイパス管145を設けることにより、洗
浄タンク122内の洗浄液11は循環攪拌され、洗浄液
全体の温度は均一になる。
【0105】洗浄タンク122内には、新洗浄液供給口
146およびオーバーフロー口147が設けられてい
る。新洗浄液供給口146は電磁弁148、フィルタ1
49、バルブ150を介して新洗浄液供給管151で図
示していない新洗浄液供給装置と連通されている。これ
によって新しい洗浄液が洗浄タンク122内へ供給され
る。電磁弁148は制御部37内の電源と接続されてお
り、処理枚数に応じて開閉される。バルブ150は、新
しい洗浄液の供給量の調節と、フィルタ149の交換の
際に新洗浄液が流れ出るのを防ぐために設けられてい
る。
【0106】オーバーフロー口147はオーバーフロー
管152で図示していない廃液処理装置に連通されてい
る。これによって、新しい洗浄液の供給による洗浄液1
1の余剰分が廃液処理装置へ排出されるようになってい
る。オーバーフロー口147の上方には、かさ153が
設けられており、シャワーパイプ130、133、13
5、137から吐出した洗浄液が直接オーバフロー口に
入り、排出量が供給量を上回って洗浄液11が減少する
ことを防止している。排出した洗浄液は前処理液と染色
液と現像かすを含んでいるが、これらを除去して洗浄液
を再利用してもよい。
【0107】染色部4において、染色液10を搬送ロー
ラ対95で絞り取っているが、完全には除去できないた
め洗浄部5に運ばれ、洗浄液11に混入する。洗浄液1
1中の染色液濃度が上昇すると、版7を洗浄する洗浄力
が低下するという問題が生じる。しかし新洗浄液を供給
しオーバーフローさせることにより、洗浄液11中の染
色液濃度を一定値以下に抑えることができるため、洗浄
力が安定し、また洗浄液交換作業も不要となる。
【0108】洗浄タンク122内には温度検出器15
4、ヒータ155、およびフロートスイッチ156が配
置されている。温度検出器154は制御部37と結線さ
れており、温度検出結果が制御部37に伝達されるよう
になっている。ヒータ155は制御部37内の電源と接
続されており、温度検出結果に基づいて電源が入切され
る。これによって洗浄液11の温度は5〜60℃、好ま
しくは5〜50℃に制御される。またフロートスイッチ
156は洗浄液11の減少を検知するものであり、制御
部37と結線されている。洗浄液11の減少を検知した
場合、ヒータ155の電源が切られ、循環ポンプ140
が停止するようになっている。これにより、ヒータ15
5の電熱面が液面から露出した状態でヒータ155に電
源が入ること、および空気を噛み込んだ状態で循環ポン
プ140が空運転することを防いでいる。そして表示器
38に洗浄液11が異常に減少しているという表示がな
されるようになっている。
【0109】次に、除液部6について説明する。
【0110】版の表裏両面に残った染色液を洗浄によっ
て除去できたとしても、その洗浄液が残った状態で複数
枚重ねると、やはり表面と裏面が互いに貼り付いてしま
うという問題点が生じる。そこで、版を加熱して残った
洗浄液を蒸発させることも考えられるが、洗浄液に混入
した染料は蒸発せずに残るため、貼り付きは解消しない
という問題点がある。これは、本実施例のように、洗浄
部の後ろに除液部を設けることによって解決することが
できる。
【0111】本実施例における除液部6の除液槽161
は、箱形で、底部を開口させてある。
【0112】除液槽161の上部には版7の入口側から
順に搬送ローラ対162、163が配置されている。搬
送ローラ対162、163は図示していない側板に支持
され、図示していない駆動手段の駆動力が伝達されて回
転し、版7を矢印A方向へ所定速度で搬送するようにな
っている。搬送ローラ対162、163の表面には吸水
性の布地162A、162Bが巻かれ、洗浄部5の搬送
ローラ対125で絞り切れずに残った版7上の洗浄液を
吸い取るようになっている。吸水性の布地162A、1
62Bとしては、吸水性の高いものほど好ましく、バイ
レック法(JIS L 1096)による吸水速度の評
価値が3mm/10min以上のものが好ましい。より
好ましくは30mm/10min以上のものである。そ
のような吸水性の高い布地としては、例えば、印刷機の
湿し水装置に用いられる、綿のタオル状の材料(一般に
モルトンと呼ばれているもの)などを使用することがで
きる。本実施例では吸水性の布地を巻いた搬送ローラ対
を二対配置しているが、一対でもよく、洗浄液を確実に
吸い取るために三対以上設けてもよい。搬送ローラ対1
62、163の版7の挾持圧力は、例えば0.01〜2
0kg/cm2 (好ましくは0.03〜2.0kg/c
2 )に設定することができる。
【0113】除液槽161の上面にはファン164が設
けられている。ファン164によって除液槽161内に
外気が流入し、除液槽161底面の開口部から槽内の空
気が流出する。搬送ローラ対に巻かれた布地162A、
163Aは、洗浄部5で絞り切れなかった洗浄液を吸っ
て湿ってくるが、ファン164が作る空気の流れによっ
て乾燥が促進される。本実施例では除液槽161の上面
にファン164を取り付け、底面を開口させたが、除液
槽の前後左右上下いずれの面にファンを取り付けてもよ
く、また、いずれの面を開口させてもよい。開口面積が
大きいほど、乾燥が促進される。
【0114】また図2に示すように、除液槽161内に
遠赤外線ヒータ等の熱源165を設け、除液槽161内
の空気を温めるのも、布地の乾燥には効果的である。さ
らに、この温かい空気をブロワ166を用いて循環し、
温風ノズル167、168より布地162A,163A
に吹き付けると、より一層効果的である。
【0115】搬送ローラ162、163に吸水性の布地
を巻かず、熱源、ブロワ、温風ノズル等だけで版7上の
洗浄液を蒸発させることも考えられるが、洗浄液中に混
入した染料は蒸発せずに残るため、版を複数枚重ねた場
合、この染料により表面と裏面が互いに貼り付いてしま
うという問題が生じる。
【0116】次に、本実施例の現像装置を用いた版の現
像方法について説明する。
【0117】前述の湿し水不要平版印刷用原版7(以下
「版7」と略す)を、図示しない露光装置により画像を
露光し、露光後カバーフィルムを剥ぎとり、図1に示さ
れた現像装置1の挿入台171の上にのせる。挿入台1
71の上部に版7がのせられたことを入口センサ172
が感知すると現像装置1は始動し、搬送ローラ対24に
よって版7は前処理部2内に引き込まれる。ここで版7
の露光部は硬化しており、未露光部の感光層は前処理液
8によって一部溶解あるいは膨潤可能な状態となってい
る。
【0118】前処理部2に引き込まれた版7は、矢印A
方向へ所定速度で搬送されながら、所定温度にコントロ
ールされた前処理液8が塗布される。これによって版7
の未露光部(画線部)の感光層の一部が溶解または膨潤
してシリコーンゴム層が剥がれやすくなる。搬送ローラ
対25によって前処理液8が絞られた後、版7は現像部
3へ搬送される。
【0119】搬送ローラ対54によって現像部3に引き
込まれた版7は、ブラシローラ56とブラシ受台59と
の間に搬送される。ブラシローラ56を介して、所定温
度にコントロールされた現像水9が塗布されながら、回
転するブラシローラ56で擦られることにより、版7の
未露光部(画線部)のシリコーンゴム層が除去され、版
7上にポジ画像が形成される。
【0120】版7の表面に塗布された現像水9は、擦り
取られた現像かすと共に、現像タンク52に回収され
る。
【0121】現像タンク52には、新現像水供給口72
から新現像水が供給され、余剰分はオーバーフロー口か
ら排出される。これによって、搬送ローラ対25で絞り
切れずに現像水に混入する前処理液の、現像水中におけ
る濃度を一定値以下に抑え、非画線部のシリコーンゴム
層が傷付きやすい状態になることを防止している。
【0122】現像水9の主成分が水であることから、現
像槽51内の空気の水蒸気圧が上昇し、さらにこの空気
が搬送経路であるスリット孔から洩れ出てくるが、換気
ゾーンにより、この空気は前処理槽21に入らずに外気
に排出される。
【0123】搬送ローラ対55によって現像水9が絞ら
れた後、版7は染色部4へ搬送される。
【0124】搬送ローラ対94によって染色部4に引き
込まれた版7は、ブラシローラ96とブラシ受台99と
の間に搬送される。ブラシローラ96を介して、所定温
度にコントロールされた染色液10が塗布されながら、
回転するブラシローラ96で擦られることにより、現像
部3で取り残した画線部のシリコーンゴム層が除去さ
れ、さらに画線部の感光層が染色される。これによって
画線部と非画線部に明確な差がつき、検版を容易にする
ことができる。
【0125】版7の表面に塗布された染色液10は、擦
り取られた現像かすと共に、染色タンク92に回収され
る。
【0126】搬送ローラ対95によって染色液10が絞
られた後、版7は洗浄部5へ搬送される。
【0127】搬送ローラ対124によって洗浄部5に引
き込まれた版7は、現像機能を有するブラシローラ12
6とブラシ受台129との間に搬送される。ブラシロー
ラ126を介して、所定温度にコントロールされた洗浄
液11が塗布されながら、回転するブラシローラ126
で擦られることにより、現像部3と染色部4で取り残し
た画線部のシリコーンゴム層が除去され、かつ版7の表
面が洗浄される。また、搬送経路の下側に設けた、上向
きのシャワーパイプ135、137から供給される洗浄
液11により、版7の裏面が洗浄される。
【0128】版7の表裏両面に塗布された洗浄液11
は、擦り取られた現像かすと、洗い流された染色液と共
に、洗浄タンク122に回収される。
【0129】洗浄タンク122には、新洗浄液供給口1
46から新洗浄液が供給され、余剰分はオーバーフロー
口から排出される。これによって、洗浄液11に混入す
る染色液の、洗浄液中における濃度を一定値以下に抑
え、洗浄効果を安定させている。
【0130】搬送ローラ対125によって洗浄液11が
絞られた後、版7は除液部6へ搬送される。
【0131】搬送ローラ対162によって版7は除液部
6に引き込まれる。搬送ローラ対125で絞り切れずに
版7に残った洗浄液は、搬送ローラ対162、163に
巻かれた吸水性の布地162A、163Aに吸い取られ
る。これによって版7の表面と裏面に残った洗浄液およ
び洗浄液に混入した染料はすべて除去される。
【0132】搬送ローラ163によって版7は市販のオ
ートストッカー173に搬出され、重ねてストックされ
る。
【0133】版7が完全に搬出されたことを出口センサ
174が感知すると、現像装置1は停止する。
【0134】なお、本実施例においては、露光された部
分が硬化して非画線部となるポジ型の湿し水不要平版印
刷用原版の現像について述べたが、本発明の現像装置は
露光された部分が分解して画線部となるネガ型湿し水不
要平版印刷用原版の現像にも用いることができる。
【0135】
【発明の効果】本発明によると、前処理液の水分率上昇
が抑えられ、感光層の一部を溶解または膨潤する効果を
維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる湿し水不要平版印刷用原版の現
像装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明にかかる湿し水不要平版印刷用原版の現
像装置の他の例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:現像装置 2:前処理部 3:現像部 4:染色部 5:洗浄部 6:除液部 7:湿し水不要平版印刷用原版 83:換気ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−285962(JP,A) 特開 昭61−241747(JP,A) 特開 平6−295068(JP,A) 特開 平6−5507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/30 G03F 7/00 G03F 7/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿し水不要平版印刷用原版の画線部の感光
    層の一部を溶解または膨潤させる前処理部と、画線部の
    シリコーンゴム層を除去する現像部とを備えた湿し水不
    要平版印刷用原版の現像装置であって、該前処理部と該
    現像部との間に換気ゾーンを設けることを特徴とする湿
    し水不要平版印刷用原版の現像装置。
  2. 【請求項2】現像部の後ろに、画線部を染色処理する染
    色部を設けることを特徴とする請求項1記載の湿し水不
    要平版印刷用原版の現像装置。
  3. 【請求項3】染色部の後ろに、湿し水不要平版印刷用原
    版を洗浄する洗浄部を設けることを特徴とする請求項2
    記載の湿し水不要平版印刷用原版の現像装置。
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