JP3455373B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JP3455373B2
JP3455373B2 JP23365696A JP23365696A JP3455373B2 JP 3455373 B2 JP3455373 B2 JP 3455373B2 JP 23365696 A JP23365696 A JP 23365696A JP 23365696 A JP23365696 A JP 23365696A JP 3455373 B2 JP3455373 B2 JP 3455373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感光材料を処理
液により処理する感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム、印画紙、印刷版等の感光材料
は、画像が記録された後に、現像液、定着液、安定化
液、水洗水等の処理液によって処理される。このような
処理を行う感光材料の処理装置としては、複数の搬送ロ
ーラ対等により構成される搬送手段により処理液を貯留
した処理槽中に感光材料を搬送し、感光材料を処理液中
に浸漬することにより処理を行う浸漬型の処理装置が知
られている。
【0003】このような浸漬型の処理装置においては、
感光材料の処理に伴う処理疲労、あるいは大気中の炭酸
ガスや酸素による経時疲労等により処理液が劣化するた
め、処理液に補充液を補充することにより処理液の劣化
を回復させている。このため、処理開始時の処理液の成
分と、その後も処理を継続した場合の処理液の成分とは
異なることになり、厳密に均一な処理を行うことは不可
能である。また、このような浸漬型の処理装置は、処理
液の廃液量が多く、また、装置のメンテナンス性が悪い
という問題もある。
【0004】このような問題点を解消するための感光材
料処理装置として、感光材料を処理液中に浸漬するかわ
りに、感光材料の処理に必要な量の処理液を感光材料の
感光面に塗布して処理を行う塗布方式の処理装置も使用
されている。例えば、特開昭62−237455号公報
においては、このような塗布方式の処理装置として、複
数の処理液吐出孔を有する処理液供給ノズルから、その
表面に溝を形成すること等によりその表面を粗面化した
ローラ(以下「粗面化ローラ」と呼称する)に処理液を
吐出すると共に、この粗面化ローラを感光材料と当接し
て回転させることにより、当該粗面化ローラを介して感
光材料に処理液を塗布する処理装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような粗面化ロー
ラを使用した塗布方式の処理装置において、感光材料に
対する処理液の塗布を継続した場合においては、処理液
より銀スラッジ等の汚染物質(以下「銀スラッジ等」と
いう)が発生する。そして、この銀スラッジ等は粗面化
ローラにおける溝等の凹部に付着する。
【0006】このように、粗面化ローラにおける溝等の
凹部が銀スラッジ等により覆われた場合においては、感
光材料に塗布される処理液の塗布量が減少することによ
り、感光材料への処理液の塗布量が不足したり、不均一
になる。そして、感光材料に塗布される処理液の量が不
足したり不均一となった場合には、現像処理後の感光材
料に処理むらが発生したり、この感光材料により印刷を
行った場合に耐刷力が低下したりする。このような現象
は、感光材料として現像の進行が速い銀錯塩拡散転写法
(DTR法)を利用する平版印刷版を使用した場合にお
いて特に顕著となる。
【0007】このため、オペレータが粗面化ローラを度
々清掃して、粗面化ローラに付着した銀スラッジ等を除
去することが必要となる。
【0008】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その表面が粗面化された塗布ローラに
付着する銀スラッジ等の物質をバックアップローラによ
って除去することにより、処理液の塗布量を一定に維持
することができ、メンテナンス性を向上させることがで
きる感光材料処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、感光材料の感光面側に配設されその表面が粗面化さ
れた塗布ローラと、感光材料の感光面と反対側に配設さ
れ前記塗布ローラに当接するバックアップローラとを備
え、前記塗布ローラと前記バックアップローラとの間に
感光材料を通過させることにより感光材料に処理液を塗
布する感光材料処理装置であって、前記塗布ローラの周
速度と前記バックアップローラの周速度とを異ならせた
ことを特徴とする。
【0010】なお、ここでいう「前記塗布ローラの周速
度と前記バックアップローラの周速度とを異ならせる」
とは、塗布ローラとバックアップローラの両者を互いに
逆方向に回転させる場合のみならず、塗布ローラとバッ
クアップローラのいずれか一方を停止させる場合や、両
者を同一方向に回転させることによりその表面を互いに
異なる方向に移動させる場合をも含む概念である。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記塗布ローラと前記バックアップロ
ーラを互いに逆方向に回転させると共に、前記塗布ロー
ラの周速度を前記バックアップローラの周速度の0.9
倍以下、または、1.1倍以上としている。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2いずれかに記載の発明において、前記バックアップロ
ーラは、少なくともその表面がスポンジから構成されて
いる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記バックアップローラの表面硬度を
10°乃至40°としている。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4
いずれかに記載の発明において、前記塗布ローラの駆動
軸と前記バックアップローラの駆動軸とを歯車列により
連結して駆動を伝達するとともに、前記塗布ローラと前
記バックアップローラとの直径の比と前記歯車列による
速比とを異ならせることにより、前記塗布ローラとバッ
クアップローラとを異なる周速度で回転させている。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記塗布ローラを前記バックアップロ
ーラに対して上下移動可能な状態で支持することにより
前記塗布ローラをその自重により前記バックアップロー
ラに当接させるとともに、前記塗布ローラの駆動軸に配
設された第1の歯車と前記バックアップローラの駆動軸
に配設された第2の歯車とを噛合させることにより駆動
を伝達し、かつ、前記塗布ローラが前記バックアップロ
ーラに当接した状態において、前記第1の歯車のピッチ
円と第2の歯車のピッチ円とを前記第1、第2の歯車の
歯末のたけの合計値より小さい距離だけ離隔するように
配置している。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記塗布ローラを前記バックアップロ
ーラに対して上下移動可能な状態で支持することにより
前記塗布ローラをその自重により前記バックアップロー
ラに当接させるとともに、前記塗布ローラの駆動軸に配
設された第1の歯車と前記バックアップローラの駆動軸
に配設された第2の歯車に駆動伝達手段を介して連結さ
れる第3の歯車とを噛合させることにより駆動を伝達
し、かつ、前記第3の歯車を前記第1の歯車の側方に配
置している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る感光材料
処理装置を備えた平版印刷版の製版装置の概要図であ
る。
【0018】この製版装置は、感光材料として銀錯塩拡
散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版Mを使用し、
この平版印刷版Mに対して画像の露光と現像処理とを行
うものであり、平版印刷版Mに対して露光を行う露光装
置2と、露光後の平版印刷版Mに対して現像処理を行う
現像処理装置3とから構成される。
【0019】なお、銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用
いた平版印刷版、特に、ハロゲン化銀乳剤層の上に物理
現像核層を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第
3,728,114号、同4,134,769号、同
4,160,670号、同4,336,321号、同
4,501,811号、同4,510,228号、同
4,621,041号明細書等に記載されており、露光
されたハロゲン化銀はDTR現像により化学現像を生起
し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一方、未
露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により
銀錯体となって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存
在により物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀
を主体とする画線部を形成する。このような銀錯塩拡散
転写法(DTR法)を用いた平版印刷版は、特に現像初
期の段階において、銀錯体が移動しやすいことから現像
液の乱れにより像流れが生じやすく、また、現像の進行
が速いことから現像液の供給量のむらに起因する現像む
らが生じやすいという特性を有する。
【0020】先ず、露光装置2の構成について説明す
る。この露光装置2は、原稿ホルダー12に装着された
原稿からの反射光を、投影光学系13によって平版印刷
版Mの表面に投影することにより、平版印刷版Mに原稿
の画像を露光するものである。
【0021】原稿ホルダー12は、原稿を載置するため
の透光板14と、この透光板14に対して開閉可能な上
蓋15とを有し、モータ16の駆動により原稿を保持し
た状態で、図1において実線で示す位置と二点鎖線で示
す位置との間を左右方向に往復移動可能に構成されてい
る。また、投影光学系13は、原稿ホルダー12の往復
移動経路の下方に固設され、原稿ホルダー12に保持さ
れて水平移動する原稿の表面に照明光を照射するための
ロッド状の光源17と、光源17による原稿からの反射
光を案内するための複数の折返しミラー18と、複数の
折返しミラー18により案内された反射光を平版印刷版
Mに投影するための投影レンズ19とを備える。
【0022】この露光装置2により平版印刷版Mに原稿
の画像を露光する際には、原稿ホルダー12を図1にお
いて実線で示す位置に配置し、上蓋15を開放して透光
板14上に原稿を載置した上で上蓋15を閉じることに
より、原稿を原稿ホルダー12に装着する。そして、光
源17を点灯した状態で、原稿ホルダー12を図1にお
ける左方向に移動させる。また、これと同期して、複数
の搬送ローラ22およびガイド部材23により、ロール
状に巻回された平版印刷版Mの先端を、原稿ホルダー1
2の移動速度と同一の速度で搬送する。これにより、原
稿ホルダー12に保持された原稿は、順次光源17から
の光の照射を受ける。そして、原稿からの反射光は複数
の折返しミラー18および投影レンズ19を介して原稿
ホルダー12と同一の速度で移動する平版印刷版Mの表
面に照射され、平版印刷版Mには原稿の画像が露光され
る。
【0023】画像が露光された平版印刷版Mは、露光装
置2から順次後段の現像処理装置3に搬送されて処理さ
れる。また、露光装置2の出口側には、平版印刷版Mの
搬送方向と垂直な方向に移動するカッター24を備えた
切断装置25が配設されており、この切断装置25は平
版印刷版Mを露光終了部分の後端で切断する。
【0024】なお、露光装置2における平版印刷版Mの
搬送速度は現像処理装置3における平版印刷版Mの搬送
速度より低速であるため、平版印刷版Mを単純に露光装
置2と現像処理装置3とに亘って搬送することはできな
い。また、切断装置25による平版印刷版Mの切断時に
は、平版印刷版Mの搬送を停止する必要がある。このた
め、露光装置2と現像処理装置3との間には平版印刷版
Mのバッファ部26が配設されており、露光装置2にお
いて露光の終了した平版印刷版Mの搬送時に、バッファ
部26に配設された一対のローラ27、28の回転を一
定時間停止することにより、平版印刷版Mを一定長さだ
けこのバッファ部26に貯留した後、現像処理装置3に
搬送するように構成されている。
【0025】次に、この発明に係る現像処理装置3の構
成について説明する。図2は、図1における現像処理装
置3を拡大して示す概要図であり、図3はその配管系を
示す概要図である。
【0026】この現像処理装置3は、露光後の平版印刷
版Mに現像液(アクチベータ)を塗布して現像処理する
現像部32と、現像処理後の平版印刷版Mに安定液(ス
タビライザー)を塗布して安定化処理する安定部33
と、安定化処理後の平版印刷版Mを乾燥するための乾燥
部34とから構成される。
【0027】現像部32は、バッファ部26のローラ2
7、28によって現像部32に搬送された平版印刷版M
を挟持して搬送する一対の導入ローラ41、42と、一
対の導入ローラ41、42によって搬送された平版印刷
版Mの感光面に一定量の現像液を計量して塗布するため
の、後程詳細に説明する現像液塗布機構43と、現像処
理に供された現像液を平版印刷版Mから除去するための
一対の絞りローラ44、45と、平版印刷版Mを案内す
るための複数のガイド部材46、47、48、49、5
0とを有する。
【0028】前記一対の導入ローラ41、42のうち下
側のローラ41は、そこを通過する平版印刷版Mを加熱
するため、ヒータを内蔵したヒートローラとなってい
る。現像処理に先立って平版印刷版Mを予め加熱するの
は、温度制御された少量の現像液を平版印刷版Mに塗布
して現像処理する際に、平版印刷版Mの熱容量により平
版印刷版Mに接触した現像液の温度が低下することを防
止するためである。
【0029】現像液塗布機構43は、図3に示すよう
に、現像液を貯留する現像液タンク52とポンプ53を
介して接続されている。また、現像液塗布機構43の下
方には回収トレイ54が設置されている。現像液タンク
52内の現像液はポンプ53により現像液塗布機構43
に圧送され、平版印刷版M上に供給される。そして、平
版印刷版Mの両端部や後端部から流出した現像液等の平
版印刷版Mに塗布されなかった現像液は、回収トレイ5
4上に滴下する。さらに、この現像液は、再使用が可能
なため、回収トレイ54の下端部に設けられた回収管5
5を介して現像液タンク52の液受部56に滴下し、現
像液タンク52内に回収される。現像液タンク52に
は、パネルヒータ57が内蔵されており、現像液タンク
52から現像液塗布機構43に至る現像液の循環路中を
循環する現像液を所定の温度に維持するように構成され
ている。
【0030】また、一対の絞りローラ44、45の下方
には回収トレイ58が設置されている。一対の絞りロー
ラ44、45によって平版印刷版Mから除去された疲労
現像液は、一対の絞りローラ44、45の下方に設けら
れた液受け部材62の回収孔63を介して回収トレイ5
8上に滴下する。そして、さらにこの現像液は、再使用
できないため、回収トレイ58の下端部に設けられた回
収管59を介して排液タンク64に排出される。
【0031】なお、上述した現像液塗布機構43の構成
および平版印刷版Mへの現像液の塗布動作については、
後程詳細に説明する。
【0032】安定部33は、現像部32より搬送された
平版印刷版Mの感光面に一定量の安定液を計量して塗布
するための安定液塗布機構73と、安定化処理に供され
た安定液を平版印刷版Mから除去するための一対の絞り
ローラ74、75と、平版印刷版Mを案内するための複
数のガイド部材76、77、78とを有する。
【0033】安定液塗布機構73は、図3に示すよう
に、安定液を貯留する安定液タンク82とポンプ83を
介して接続されている。また、安定液塗布機構73の下
方には回収トレイ84が設置されている。安定液タンク
82内の安定液はポンプ83により安定液塗布機構73
に圧送され、平版印刷版M上に供給される。そして、平
版印刷版Mの両端部や後端部から流出した安定液等の平
版印刷版Mに塗布されなかった安定液は、再使用が可能
なため、回収トレイ84上に滴下する。そして、さらに
この安定液は、回収トレイ84の下端部に設けられた回
収管85を介して安定液タンク82の液受部86に滴下
し、安定液タンク82内に回収される。
【0034】また、一対の絞りローラ74、75の下方
には回収トレイ88が設置されている。一対の絞りロー
ラ74、75によって平版印刷版Mから除去された安定
液は、一対の絞りローラ74、75の下方に設けられた
液受け部材92の回収孔93を介して回収トレイ88上
に滴下する。そして、さらにこの安定液は、再使用でき
ないため、回収トレイ88の下端部に設けられた回収管
89を介して排液タンク64に排出される。
【0035】安定液塗布機構43は、図6に示すよう
に、その下方に複数の吐出孔131が穿設された安定液
供給管132と、その下端部に安定液を流下させるため
の複数の開口部133を穿設した安定液受け部134
と、その表面が単泡性のスポンジより構成され平版印刷
版Mと当接して回転する塗布ローラ135と、その表面
が凹凸状に形成され安定液受け部134の開口部133
から流下した安定液を塗布ローラ135に案内するため
の拡散フィルム136と、平版印刷版Mを塗布ローラ1
35に向けて付勢する板バネ138とを有する。なお、
図4における矢印は、平版印刷版Mの搬送方向を示して
いる。
【0036】安定液供給管132は、前述した安定液タ
ンク82とポンプ83を介して接続されており、安定液
はポンプ83の駆動により複数の吐出孔131から吐出
される。この安定液は、安定液受け部134に一旦受け
取られた後、複数の開口部133から拡散フィルム13
6に向けて流下する。安定液受け部134の開口部13
3から流下した安定液は、塗布ローラ135と拡散フィ
ルム136との当接部分に一旦貯留されて、平版印刷版
Mの搬送方向と直交する方向に拡散される。そして、こ
の安定液は、塗布ローラ135の回転に伴い、拡散フィ
ルム136表面の凹凸による開口部を通過して塗布ロー
ラ135と板バネ138との当接部方向に移動し、そこ
に液溜めを形成する。
【0037】そして、平版印刷版Mがこの液溜めを通過
するときに、平版印刷版Mの感光面に安定液が塗布され
る。このとき、平版印刷版Mの感光面は板バネ138に
より塗布ローラ135の表面に押しつけられていること
から、平版印刷版Mの感光面に塗布された安定液は、塗
布ローラ135表面の単泡スポンジによる多数の孔によ
り一定量に計量される。従って、板バネ138と塗布ロ
ーラ135との当接部を通過した平版印刷版Mの感光面
には、常に安定に必要な一定量の安定液が塗布されてい
ることになる。
【0038】なお、板バネ138には、板バネ138と
塗布ローラ135との当接部に必要以上の安定液が貯留
され、液溜めが過度に大きくなることを防止するための
オーバフロー孔137が設けられている。
【0039】乾燥部34は、安定部33より搬送された
平版印刷版Mを支持して搬送するゴムローラ102と、
ゴムローラ102に対して所定の圧力をもって当接する
ことにより平版印刷版Mの乾燥むらを防止する鏡面ロー
ラ103と、鏡面ローラ103に対してゴムローラ10
2を介して洗浄液を供給するための洗浄液貯留部104
と、ファン105およびヒータ106を有し平版印刷版
Mに温風を吹き付けて乾燥する乾燥機構107と、平版
印刷版Mを搬送するための複数の搬送ローラ108、1
09、110とを有する。洗浄液貯留部104は、図3
に示すように、現像部32における一対の絞りローラ4
4、45に対して洗浄液を供給するための洗浄液供給管
105とポンプ106を介して接続されている。
【0040】この現像処理装置3による平版印刷版Mの
現像処理は以下のようにしてなされる。
【0041】すなわち、前段の露光装置2により画像を
記録された平版印刷版Mは、一対の導入ローラ41、4
2によって搬送され、現像液塗布機構43により、平版
印刷版Mの現像処理に必要な量の現像液を塗布される。
現像処理に必要な量の現像液のみを塗布された平版印刷
版Mは、現像液塗布機構43から一対の絞りローラ4
4、45に至る空間現像部を搬送される間に、その感光
面において現像処理が完了する。そして、平版印刷版M
に付着している現像処理に供された現像液は、一対の絞
りローラ44、45により除去される。続いて、平版印
刷版Mは、安定液塗布機構73により、平版印刷版Mの
安定処理に必要な量の安定液を塗布される。安定処理に
必要な量の安定液のみを塗布された平版印刷版Mは、一
対の絞りローラ74、75まで搬送される間に安定化処
理され、平版印刷版Mに付着している安定化処理に供さ
れた安定液は、一対の絞りローラ74、75により除去
される。そして、安定化処理の終了した平版印刷版M
は、鏡面ローラ103によって押圧されることにより乾
燥むらを予防された後、乾燥機構107により乾燥処理
され、図1に示す排出トレイ29上に排出される。
【0042】この現像処理装置3においては、平版印刷
版Mに現像処理に必要な量の現像液のみが塗布されて現
像処理が行われるため、処理に要する現像液の使用量を
減少することが可能となる。また、平版印刷版Mに対し
て、実質的に未使用の処理液が供給されることとなるた
め、平版印刷版Mに対して常に均一な処理を施すことが
可能となる。
【0043】次に、この発明の特徴部分である現像液塗
布機構43の構成について説明する。図4は現像液塗布
機構43の構成を示す概要図である。
【0044】この現像液塗布機構43は、その下方に複
数の吐出孔121が穿設された現像液供給管122と、
その下端部に現像液を流下させるための複数の開口部1
23を穿設した現像液受け部124と、現像液受け部1
24の開口部123から流下した現像液を平版印刷版M
と当接して回転する塗布ローラ125に案内するための
拡散フィルム126と、塗布ローラ125と当接する逆
流防止フィルム127と、塗布ローラ125に当接する
バックアップローラ128とを有する。なお、図4にお
ける矢印は、平版印刷版Mの搬送方向を示している。
【0045】現像液供給管122は、前述した現像液タ
ンク52とポンプ53を介して接続されており、ポンプ
53の駆動により複数の吐出孔121から現像液を吐出
する。この吐出孔121は、図5に示すように、平版印
刷版Mの搬送方向と直交する方向に3個並設されてい
る。
【0046】現像液受け部124は、現像液供給管12
2より吐出された現像液を一旦受け取って、平版印刷版
Mの搬送方向と直交する方向に拡散するための第1の処
理液拡散部として機能する。図5に示すように、この現
像液受け部124の下端部には、平版印刷版Mの搬送方
向と直交する方向に6個の開口部123が穿設されてい
る。そして、この開口部123は、平版印刷版Mの搬送
方向と直交する方向において、現像液供給管122の3
個の吐出孔121の各々の位置に相当する位置の両側に
それぞれ配置されている。すなわち、各吐出孔121か
ら現像液受け部124への3カ所の現像液の流下位置の
各々の両側に、開口部123が配置されていることにな
る。
【0047】拡散フィルム126は、0.3mm程度の
厚さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)製
のフィルムからなり、取付板130により現像液受け部
124の側壁に付設されている。拡散フィルム126に
おける現像液受け部124よりの垂下部分の上端部は、
現像液受け部124の開口部123と近接して配置され
ており、また、その下端部は塗布ローラ125の表面に
弾性力をもって当接している。
【0048】塗布ローラ125は、図10に示すよう
に、直径14mm程度の金属製のローラ125aの表面
に0.4mm程度の金属製のワイヤー125bを巻回し
たワイヤーバーから構成されている。このため、塗布ロ
ーラ125の表面には、平版印刷版Mの搬送方向と略平
行な方向にワイヤー125bによる複数の溝が形成され
る。従って、この塗布ローラ125と拡散フィルム12
6とが当接した状態においては、塗布ローラ125と拡
散フィルム126との当接部分に塗布ローラ125の溝
による複数の開口部125cが形成される。この開口部
125cの大きさは、平版印刷版Mへ塗布する現像液を
計量する際の塗布量の基準となる。なお、この塗布ロー
ラ125の溝による開口部125cの総面積は、前述し
た現像液受け部124に穿設された6個の開口部123
の総面積より小さくなるように、現像液受け部124の
開口部123の大きさや塗布ローラ125に巻回された
ワイヤー125bの直径等が選択されている。
【0049】現像液受け部124の開口部123から流
下した現像液は、塗布ローラ125と拡散フィルム12
6との当接部分に一旦貯留されて、平版印刷版Mの搬送
方向と直交する方向に拡散される。そして、この現像液
は、塗布ローラ125の回転に伴い、塗布ローラ125
の溝による開口部125cを通過して塗布ローラ125
とバックアップローラ128との当接部方向に移動す
る。従って、この塗布ローラ125と拡散フィルム12
6は、現像液受け部124の開口部123から流下した
現像液を一旦受け取って、平版印刷版Mの搬送方向と直
交する方向に拡散するための第2の処理液拡散部として
機能する。
【0050】逆流防止フィルム127は、拡散フィルム
126と同様、ポリエチレンテレフタレート(PET)
製のフィルムからなり、取付板120により現像液受け
部124に付設されている。また、この逆流防止フィル
ム127の下端部は、塗布ローラ125の回転方向に対
して塗布ローラ125と拡散フィルム126の当接部分
の上流側において、塗布ローラ125の表面と当接して
いる。この逆流防止フィルム127は、現像液受け部1
24の開口部123から流下した現像液が塗布ローラ1
25の回転方向に対して上流側へ流出することを防止す
る規制手段として機能する。
【0051】バックアップローラ128は、平版印刷版
Mの搬送を補助するために平版印刷版Mに駆動力を付与
する搬送補助機能および平版印刷版Mを塗布ローラ12
5の表面に向けて付勢する付勢機能の他に、後述するよ
うに、塗布ローラ125の表面を洗浄する洗浄機能を有
する。
【0052】このバックアップローラ128は、平版印
刷版Mに現像液を塗布していない状態においては、常に
塗布ローラ125と当接していることから、塗布ローラ
125の表面に損傷を与えない材質であることが必要で
ある。また、後述するように、このバックアップローラ
128は、塗布ローラ125表面の溝の洗浄に使用され
ることから、溝内を洗浄しうる適度の弾性を有する必要
がある。このバックアップローラ128としては、例え
ば、シリコンゴム、クロロプレンゴム(CR)、ニトリ
ルブタジエンゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴ
ム(EPDM)等の材質からなり、10乃至40°程度
のJIS硬度を有するスポンジ構造のローラを採用する
ことができる。
【0053】バックアップローラ128と塗布ローラ1
25との当接部には、塗布ローラ125と拡散フィルム
126との間を通過した現像液の液溜めが形成される。
そして、平版印刷版Mがバックアップローラ128を介
して搬送されてこの液溜めを通過するときに、平版印刷
版Mの感光面に現像液が塗布される。このとき、平版印
刷版Mの感光面はバックアップローラ128により塗布
ローラ125の表面に押しつけられていることから、平
版印刷版Mの感光面に塗布された現像液は、塗布ローラ
125の溝による開口部125cにより一定量に計量さ
れる。従って、バックアップローラ128と塗布ローラ
125との当接部を通過した平版印刷版Mの感光面に
は、常に現像に必要な一定量の現像液が塗布されている
ことになる。
【0054】このような現像液塗布機構43において
は、平版印刷版Mの現像処理に伴って、平版印刷版Mか
ら銀や銀錯体からなる銀スラッジ等が発生し、塗布ロー
ラ125の表面のワイヤー125bによる複数の溝内に
付着する。このため、この現像液塗布機構43において
は、塗布ローラ125とバックアップローラ128とを
互いに異なる周速度で回転させることにより、塗布ロー
ラ125に付着した銀スラッジ等をバックアップローラ
128により除去するようにしている。
【0055】図7は、塗布ローラ125とバックアップ
ローラ128とを異なる周速度で回転させるための駆動
伝達機構の概要を示す概要図であり、図8はその部分拡
大図である。
【0056】これらの図において、161は塗布ローラ
125の駆動軸165に連結された平歯車であり、16
2はそのピッチ円である。また、163はバックアップ
ローラ128の駆動軸166に連結された平歯車であ
り、164はそのピッチ円である。なお、図7において
は、平歯車161、163は、そのピッチ円162、1
64のみで表現している。
【0057】バックアップローラ128の駆動軸166
は、装置本体に軸支されている。また、塗布ローラ12
5の駆動軸165は、装置本体に対して上下移動可能な
状態で支持されている。このため、塗布ローラ125
は、バックアップローラ128に対して上下移動可能な
状態で、その自重によりバックアップローラ128に当
接している。
【0058】バックアップローラ128の端部に固設さ
れた平歯車163は、図示しない駆動源と連結されてお
り、バックアップローラ128は、その周速度が現像液
塗布機構43における平版印刷版Mの搬送速度と同一の
速度になるように反時計方向に回転する。一方、塗布ロ
ーラ125の端部に固設された平歯車161は、バック
アップローラ128の端部に固設された平歯車163と
噛合している。そして、この平歯車161と163との
歯数の比、即ち、平歯車161と163との速比は、塗
布ローラ125とバックアップローラ128との直径の
比とは異なる値に設定されている。このため、塗布ロー
ラ125は、バックアップローラ128の周速度とは異
なる周速度で時計方向に回転する。
【0059】従って、塗布ローラ125とバックアップ
ローラ128とは、互いに異なる周速度で回転すること
になる。このため、バックアップローラ128と塗布ロ
ーラ125との間を平版印刷版Mが通過していない状態
においては、塗布ローラ125の表面はバックアップロ
ーラ128により常時拭き取られることになり、塗布ロ
ーラ125の溝部分への銀スラッジ等の堆積が防止され
る。
【0060】なお、バックアップローラ128の表面
は、上述したように、塗布ローラ125表面の溝内を洗
浄しうる適度の弾性を有する必要があるため軟質のスポ
ンジ構造となっていることから、バックアップローラ1
28が金属製の塗布ローラ125の表面と当接して異な
る周速度での回転を継続した場合には、バックアップロ
ーラ128の摩耗により、バックアップローラ128の
直径が徐々に小さくなるという現象が発生する。そし
て、バックアップローラ128の直径が過度に小さくな
った場合には、塗布ローラ125がバックアップローラ
128と自重により当接している場合であっても、平歯
車161と163との噛み合わせにより駆動軸165と
166とは一定距離以下には近接しないことから、塗布
ローラ125とバックアップローラ128との間に隙間
が生じてしまい、バックアップローラ128を交換する
ことが必要となる。
【0061】このため、この現像液塗布機構43におい
ては、図8に示すように、塗布ローラ125がバックア
ップローラ128に自重で当接した状態において、平歯
車161のピッチ円162と平歯車163のピッチ円1
64とは、平歯車161と163の歯末のたけH1、H
2の合計値H1+H2より小さい距離Dだけ互いに離隔
するように、塗布ローラ125やバックアップローラ1
28の外形等が決定されている。このため、バックアッ
プローラ128の半径が摩耗によりDだけ小さくなった
時点で、平歯車161と163のピッチ円162、16
4が互いに一致する通常の状態となり、これよりさらに
バックアップローラ128の半径が一定の寸法だけ小さ
くなるまで、このバックアップローラ128を使用する
ことができる。従って、軟質で摩耗しやすいバックアッ
プローラ128を長期間使用することが可能となる。
【0062】なお、図7に示すように塗布ローラ125
の駆動軸165に連結された平歯車161のピッチ円1
62とバックアップローラ128の駆動軸166に連結
された平歯車163のピッチ円164とを距離Dだけ互
いに離隔させるかわりに、図9に示すように、塗布ロー
ラ125の駆動軸165に連結された平歯車161とバ
ックアップローラ128の駆動軸166に連結された平
歯車163とを、ピッチ円172を有する第3の平歯車
171およびピッチ円174を有する第4の平歯車17
3を介して連結すると共に、第3の平歯車171を平歯
車161の側方に配置してもよい。
【0063】この場合においては、バックアップローラ
128の半径が摩耗により小さくなった場合において
も、平歯車161と163は直接噛合していないことか
ら、塗布ローラ125はバックアップローラ128の半
径の減少に応じて下方に移動し、常にバックアップロー
ラ128と当接した状態を維持する。このとき、第3の
平歯車171は、塗布ローラ125の駆動軸165に連
結された平歯車161の側方に配置されているため、塗
布ローラ125が下方に移動した場合においても、平歯
車161と平歯車171との連結関係が外れることはな
い。
【0064】以上のように、この現像液塗布機構43に
おいては、現像液供給管122における3個の吐出孔1
21より吐出された現像液は、現像液受け部124に流
下し、さらに、現像液受け部124に設けられた6個の
開口部123から拡散フィルム126に向かって流下す
る。このとき、3個の吐出孔121から現像液受け部1
24に流下した現像液は、平版印刷版Mの搬送方向と直
交する方向において各吐出孔121の両側に配置された
各々2個の開口部123に分配され、平版印刷版Mの搬
送方向と直交する方向に拡散される。そして、この現像
液はさらに拡散フィルム126と塗布ローラ125との
当接部に流下し、塗布ローラ125の溝による開口部1
25cを通過する。このとき、現像液は平版印刷版Mの
搬送方向と直交する方向にさらに拡散される。
【0065】このように、この現像液塗布機構43にお
いては、第1の処理液拡散部として機能する現像液受け
部124と、第2の処理液拡散部として機能する塗布ロ
ーラ125および拡散フィルム126との二段階で現像
液を拡散することから、現像液を平版印刷版Mの搬送方
向と直交する方向に均一に拡散することが可能となる。
【0066】従って、バックアップローラ128と塗布
ローラ125との間を平版印刷版Mが通過している状態
においては、平版印刷版Mに対して現像液を極めて均一
に供給することが可能となり、現像液の供給量が少量で
ある場合においても、平版印刷版Mを現像むらを生じる
ことなく現像処理することができる。また、バックアッ
プローラ128と塗布ローラ125との間を平版印刷版
Mが通過していない状態においては、塗布ローラ125
の表面はバックアップローラ128により常時拭き取ら
れることになり、塗布ローラ125の溝部分への銀スラ
ッジ等の堆積が防止される。
【0067】このため、その現像処理に伴って銀スラッ
ジ等を発生する感光材料として、現像の進行が速く、現
像液の塗布が不均一になると現像むらを生じやすい銀錯
塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版Mに現像
液を塗布してその現像処理を行う場合に特に有効とな
る。
【0068】上述した実施の形態においては、その表面
が粗面化された塗布ローラとして、金属製のローラ12
5aの表面に0.4mm程度の金属製のワイヤー125
bを巻回した塗布ローラ125を使用した場合について
説明したが、例えばネジ切り加工や溝加工を施したロー
ラなど、その表面に処理液を計量しうる凹凸状の加工を
施して粗面化した各種のローラを採用することができ
る。
【0069】また、上述した実施の形態においては、バ
ックアップローラ128の表面に単泡のスポンジを使用
しているため、このスポンジが塗布ローラ125の表面
のワイヤー125bによる複数の溝内に進入して銀スラ
ッジ等を除去することができ、また、バックアップロー
ラ128の表面に接触した現像液がバックアップローラ
128の内部にまで進入することを防止することが可能
となる。このバックアップローラ128におけるスポン
ジの硬度としては、発泡ゴムの硬度に関するJIS規格
であるJIS−Cにおいて規定される10°乃至40°
の値とすることが好ましい。硬度が10°より小さくな
った場合にはローラの摩耗が著しい。また、硬度が40
°を越えた場合には、塗布ローラ125の溝内の銀スラ
ッジ等の除去が困難となる。なお、バックアップローラ
128表面の材質としてスポンジ以外の材質を使用する
場合においては、上記硬度と相当する硬度のものを使用
することが好ましい。
【0070】さらに、上述した実施の形態においては、
塗布ローラ125とバックアップローラ128とを互い
に反対方向に回転させた場合について説明したが、塗布
ローラ125とバックアップローラ128のいずれか一
方を停止させてもよく、また、これらを同一方向に回転
させてもよい。但し、平版印刷版Mの搬送性を考慮する
と、塗布ローラ125とバックアップローラ128を互
いに逆方向に回転させることが好ましく、また、この場
合には、銀スラッジ等の除去性能を考慮すると、塗布ロ
ーラ125の周速度をバックアップローラ128の周速
度の0.9倍以下、または、1.1倍以上とすることに
より、両ローラ間の周速比を10%以上とすることが好
ましい。即ち、上記実施の形態においては、バックアッ
プローラ128の周速度を現像液塗布機構43における
平版印刷版Mの搬送速度と同一の速度としていることか
ら、塗布ローラ125の周速度を平版印刷版Mの搬送速
度の0.9倍以下、または、1.1倍以上とすることが
好ましい。但し、塗布ローラ125の周速度を過度に大
きくした場合には、現像液の泡立ち現象により現像むら
を生じるため、塗布ローラ125の周速度は平版印刷版
Mの搬送速度の5倍以下とすることが好ましい。
【0071】さらに、上述した実施の形態においては、
いずれも、感光材料として銀錯塩拡散転写法(DTR
法)を用いた平版印刷版Mを使用した場合について説明
したが、この発明は、その他の各種の感光材料を使用す
る感光材料処理装置にも適用することが可能である。
【0072】
【実施例】以下、この発明を銀錯塩拡散転写法を利用し
た平版印刷版に適用した場合の実施例について説明す
る。
【0073】図2乃至図8に示す構成の現像処理装置3
を作成した。塗布ローラ125としては、長さ460m
m、直径12mmの金属ローラに線径0.4mmのワイ
ヤーを巻回したものを使用した。バックアップローラ1
28は、長さ460mm、直径25mmで、その表面が
単泡スポンジ構造を有するJIS硬度25°のニトリル
ブタジエンゴム(NBR)からなるものを使用した。ま
た、塗布ローラ125の周速度がバックアップローラ1
28の周速度の0.65倍となるようにした。また、平
版印刷版Mの搬送速度を20mm/sec、平版印刷版
Mの感光面への現像液の塗布量を35g/m2 とした。
平版印刷版Mは、ポリエステルフィルム支持体上にハレ
ーション防止層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層を
順次塗布した幅414mm、長さ500mmのものを用
い、連続で300版(約60m2)を現像処理した。現
像液の温度は摂氏30度とした。
【0074】現像処理後の塗布ローラ125を観察した
ところ、銀スラッジ等の付着は肉眼では観察されなかっ
た。また、この塗布ローラ125による現像液の塗布量
も、初期に設定した35g/m2 を維持していた。
【0075】上記により作成した平版印刷版Mの1版目
と300版目をオフセット印刷機に装着し、不感脂化液
を反面にくまなく与え、給湿液を用いて印刷を行ったと
ころ、1版目と300版目との平版印刷版Mはいずれも
有為差がなく、十分に高い耐刷力を示した。
【0076】また、上記と同様の条件において、塗布ロ
ーラ125の周速度をバックアップローラ128の周速
度の1.5倍となるようにした場合においても、塗布ロ
ーラ125の周速度をバックアップローラ128の周速
度の0.65倍とした場合と同様の結果を得られた。
【0077】一方、前記と同様の条件において、塗布ロ
ーラ125の周速度とバックアップローラ128の周速
度とを同一にし、300版の平版印刷版Mを現像処理し
た。現像処理後の塗布ローラ125を観察したところ、
銀スラッジ等が多く、所々に白っぽい汚れが付着してい
た。また、この塗布ローラ125による現像液の塗布量
も、初期に設定した35g/m2 をはるかに下回る22
g/m2 となっており、現像処理に最低必要な30g/
2 をも下回っていた。
【0078】上記により作成した平版印刷版Mの1版目
と300版目をオフセット印刷機に装着し、前期と同様
の条件で印刷を行ったところ、300版目の平版印刷版
Mは十分な現像がなされていないため、耐刷力が1版目
に比べて劣っていた。
【0079】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、塗布ロ
ーラの周速度とバックアップローラの周速度とを異なら
せていることから、塗布ローラの表面はバックアップロ
ーラにより常時拭き取られることになり、塗布ローラに
おける粗面化された表面への銀スラッジ等の堆積を防止
することができる。このため、粗面化された塗布ローラ
による処理液の塗布量を一定に維持することができ、ま
た、メンテナンス性を向上させることができる。
【0080】請求項2に記載の発明によれば、塗布ロー
ラとバックアップローラを互いに逆方向に回転させると
共に、塗布ローラの周速度をバックアップローラの周速
度の0.9倍以下、または、1.1倍以上としているこ
とから、感光材料の搬送性に支障を生じることなく、塗
布ローラへの銀スラッジ等の堆積を防止することができ
る。
【0081】請求項3に記載の発明によれば、バックア
ップローラの表面がスポンジから構成されていることか
ら、当該スポンジ部分が塗布ローラにおける粗面化され
た表面の凹部にまで侵入して、塗布ローラにおける粗面
化された表面を確実に清掃して銀スラッジの堆積を防止
することができる。
【0082】請求項4に記載の発明によれば、バックア
ップローラの表面硬度を10°乃至40°としているこ
とから、当該スポンジ部分の塗布ローラにおける粗面化
された表面の凹部への侵入がより容易となり、塗布ロー
ラにおける粗面化された表面を確実に清掃して銀スラッ
ジの堆積を防止することができる。
【0083】請求項5に記載の発明によれば、塗布ロー
ラとバックアップローラとの直径の比と歯車列による速
比とを異ならせることにより、塗布ローラとバックアッ
プローラとを異なる周速度で回転させていることから、
簡易な構成で両ローラの周速度差を一定の値に制御する
ことができる。
【0084】請求項6に記載の発明によれば、第1の歯
車のピッチ円と第2の歯車のピッチ円とを第1、第2の
歯車の歯末のたけの合計値より小さい距離だけ離隔する
ように配置していることから、バックアップローラの摩
耗によりその外形が小さくなった場合においても、塗布
ローラとバックアップローラとの間の隙間の発生を遅延
させることができ、このバックアップローラを長期間使
用することが可能となる。
【0085】請求項7に記載の発明によれば、塗布ロー
ラの駆動軸に配設された第1の歯車とバックアップロー
ラの駆動軸に配設された第2の歯車に駆動伝達手段を介
して連結される第3の歯車とを噛合させることにより駆
動を伝達し、かつ、第3の歯車を前記第1の歯車の側方
に配置していることから、バックアップローラの摩耗に
よりその外形が小さくなった場合においても、塗布ロー
ラとバックアップローラとの間の隙間の発生を防止する
ことができ、このバックアップローラを長期間使用する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平版印刷版の製版装置の概要図である。
【図2】現像処理装置3の概要図である。
【図3】現像処理装置3の配管系を示す概要図である。
【図4】現像液塗布機構43を示す概要図である。
【図5】吐出孔121と開口部123との関係を示す斜
視図である。
【図6】安定液塗布機構73を示す概要図である。
【図7】駆動伝達機構の概要を示す概要図である。
【図8】駆動伝達機構の概要を示す部分拡大図である。
【図9】他の実施形態に係る駆動伝達機構の概要を示す
概要図である。
【図10】塗布ローラ125の一部を拡大して示す断面
図である。
【符号の説明】
2 露光装置 3 現像処理装置 32 現像部 33 安定部 34 乾燥部 43 現像液塗布機構 122 現像液供給管 125 塗布ローラ 128 バックアップローラ 161 平歯車 162 ピッチ円 163 平歯車 164 ピッチ円 171 平歯車 173 平歯車 H1 歯末のたけ H2 歯末のたけ M 平版印刷版
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 邦弘 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 三菱製紙株式会社内 (72)発明者 宮坂 英二 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (72)発明者 川口 靖弘 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (56)参考文献 特開 平4−362946(JP,A) 実開 昭59−35948(JP,U) 特公 昭45−11794(JP,B1) 特公 昭44−3666(JP,B1) 実公 昭40−2867(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03D 5/06 G03D 9/00 G03D 13/00 G03F 7/30 501

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料の感光面側に配設されその表面
    が粗面化された塗布ローラと、感光材料の感光面と反対
    側に配設され前記塗布ローラに当接するバックアップロ
    ーラとを備え、前記塗布ローラと前記バックアップロー
    ラとの間に感光材料を通過させることにより感光材料に
    処理液を塗布する感光材料処理装置であって、 前記塗布ローラの周速度と前記バックアップローラの周
    速度とを異ならせたことを特徴とする感光材料処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記塗布ローラと前記バックアップロー
    ラを互いに逆方向に回転させると共に、前記塗布ローラ
    の周速度を前記バックアップローラの周速度の0.9倍
    以下、または、1.1倍以上とした請求項1に記載の感
    光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記バックアップローラは、少なくとも
    その表面がスポンジから構成される請求項1または2い
    ずれかに記載の感光材料処理装置。
  4. 【請求項4】 前記バックアップローラの表面硬度を1
    0°乃至40°とした請求項3に記載の感光材料処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記塗布ローラの駆動軸と前記バックア
    ップローラの駆動軸とを歯車列により連結して駆動を伝
    達するとともに、前記塗布ローラと前記バックアップロ
    ーラとの直径の比と前記歯車列による速比とを異ならせ
    ることにより、前記塗布ローラとバックアップローラと
    を異なる周速度で回転させる請求項2乃至4いずれかに
    記載の感光材料処理装置。
  6. 【請求項6】 前記塗布ローラを前記バックアップロー
    ラに対して上下移動可能な状態で支持することにより前
    記塗布ローラをその自重により前記バックアップローラ
    に当接させるとともに、前記塗布ローラの駆動軸に配設
    された第1の歯車と前記バックアップローラの駆動軸に
    配設された第2の歯車とを噛合させることにより駆動を
    伝達し、かつ、前記塗布ローラが前記バックアップロー
    ラに当接した状態において、前記第1の歯車のピッチ円
    と第2の歯車のピッチ円とを前記第1、第2の歯車の歯
    末のたけの合計値より小さい距離だけ離隔するように配
    置した請求項5に記載の感光材料処理装置。
  7. 【請求項7】 前記塗布ローラを前記バックアップロー
    ラに対して上下移動可能な状態で支持することにより前
    記塗布ローラをその自重により前記バックアップローラ
    に当接させるとともに、前記塗布ローラの駆動軸に配設
    された第1の歯車と前記バックアップローラの駆動軸に
    配設された第2の歯車に駆動伝達手段を介して連結され
    る第3の歯車とを噛合させることにより駆動を伝達し、
    かつ、前記第3の歯車を前記第1の歯車の側方に配置し
    た請求項5に記載の感光材料処理装置。
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