JP2761604B2 - 感材処理装置 - Google Patents

感材処理装置

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JP2761604B2
JP2761604B2 JP2285179A JP28517990A JP2761604B2 JP 2761604 B2 JP2761604 B2 JP 2761604B2 JP 2285179 A JP2285179 A JP 2285179A JP 28517990 A JP28517990 A JP 28517990A JP 2761604 B2 JP2761604 B2 JP 2761604B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、印画紙,ダイレクト製版用の感光紙もしく
はフィルムなどの銀塩タイプの感材を処理する感材処理
装置に関する。
【従来の技術】
従来、軽印刷用の刷版を直接製版する複写カメラで
は、露光した感材を静止現像液により処理していた。こ
うした用途に用いられる感材は、例えば耐水処理を施し
たベース(紙)の表面に、ハレーションを防止する層,
光に感じる銀塩乳剤層,銀などの物理現像核が分散した
ゼラチンを主体とする親水性の層などが形成されてい
る。乳剤層は光の照射を受けてその性質を変えるが、光
を受けた乳剤層では、現像液が作用しても還元した銀の
表面層への拡散は阻害される。一方、光の照射を受けな
かった乳剤層では、ハロゲン化銀が錯化されて表面層に
拡散し、そこで物理現像されて金属銀を析出し、感脂化
される。その後、安定化処理を行なって不感脂化処理を
施せば、金属銀の析出したところだけが親油性を示して
印刷インキが載るので、刷版が得られることになる。 こうした感材は、現像液などの処理液との反応が極め
て短時間に進むため、処理液中で短時間停止しただけで
も、あるいは処理液が波立つだけでも処理にむらができ
ることが知られている。従って、従来、大きな槽に大量
の処理液を満たし、静止現像液中を、波立たないように
感材をゆっくりと搬送する浸漬式現像処理を行なう装置
が用いられていたのである。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浸漬式現像を用いた装置では、大量の
処理液を処理槽にためておく必要があり、処理する感材
の数に応じて処理液が劣化したり、通常アルカリ性の現
像液が酸化したりすることによる現像性能の変化が避け
られないという問題があった。また、大量の処理液を必
要とするため、装置の使用開始時に、処理液の温度を処
理に適した温度まで昇温する、いわゆるウォームアップ
に時間を要するという問題もあった。ウォームアップの
時間を短縮しようとすれば温度調整用のヒータ等を大電
力のものにしなければならない。 更に、こうした浸漬式現像を用いる場合には、現像時
あるいは現像液絞り工程時に発生するスラッジが処理液
を満たした槽の底面に堆積しヘドロ化するという問題が
あった。スラッジは、ロール状の感材を所定寸法に切断
する切断工程での感材の切り粉の発生や、感材表面層を
形成するゼラチン質の溶出により生じる。スラッジはヘ
ドロ化するため、処理液を単に排出しただけでは流れ出
ず、処理槽の水洗を要するという問題があった。水洗を
怠ると、処理槽内に搬入される感材の先端がスラッジに
当たってその搬送が阻害され、現像むらなどを生じるこ
ともあった。 また、現像処理の後、次工程に現像液を持ち込まない
ように、絞りローラを設けて現像液を絞り取るが、絞ら
れた古い現像液が処理槽の中に戻り、現像液の劣化を早
めていた。 本発明は上記問題点を解決し、必要な処理液の量の低
減を可能とすると共に、装置のメンテナンスフリーを可
能とすることを目的としてなされた。 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
【課題を解決するための手段】
本発明の感材処理装置は、 印画紙,ダイレクト製版用の感光紙もしくはフィルム
などの、銀塩タイプの感材を処理する処理装置であっ
て、 前記感材用の処理液を貯留する処理槽と、 前記感材を該処理槽の処理液中に搬入する感材搬入手
段と、 新たな処理液を前記処理槽の前記感材の搬入側の処理
液中に、前記感材の幅方向に亘って均一に送り出す処理
液拡散手段と、 前記処理槽から前記感材を、前記処理液が表面に付着
した状態で搬出する搬出手段と、 該搬出された前記感材を、前記付着した処理液との反
応が可能な状態に、所定時間保持する反応継続手段と を備えたことを要旨とする。
【作用】
上記構成を有する本発明の感材処理装置は、感材用の
処理液を貯留する処理槽に、処理液拡散手段により、新
たな処理液を供給するが、新たな処理液は感材の搬入側
の処理液中に、前記感材の幅方向に亘って均一に送り出
される。この処理槽の処理液中に、感材搬入手段によ
り、感材を搬入する。搬入された感材は、専ら新たな処
理液により処理を受け、搬出手段により、処理液が表面
に付着した状態で処理槽から搬出される。搬出された感
材は、反応継続手段により、付着した処理液との反応が
可能な状態に所定時間保持される。即ち、本発明の感材
処理装置では、感材は、供給される新たな処理液により
処理を受け、しかも処理槽を出てからも処理液との反応
が可能な状態に保持される。従って、処理槽の小型化が
可能であり、処理液も少量貯留するだけで済ませること
が可能になる。 この場合、反応継続手段は、搬出手段により搬出され
た感材を、付着した処理液と共に、所定温度に制御する
温度制御手段を有するものとすることができる。このよ
うにすれば、処理槽を出て搬送されている最中における
処理液との反応をより確実に安定して継続させることが
でき好ましい。 なお、本発明の感材処理装置で処理する感材として
は、製版用の銀塩系感光紙や製版用の銀塩系フィルムの
ほか、銀塩系の印画紙も対象となる。
【実施例】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明の感材処理装置の好適な実施例につ
いて説明する。第1図は、感材処理装置の一実施例であ
る現像処理装置の構成図、第2図はこの現像処理装置を
組み込んだスリット露光式複写カメラ1を示す概略構成
図である。スリット露光式複写カメラ1は、原稿を複写
して軽印刷用の刷版を作製する装置である。 まず、第2図に従って、スリット露光式複写カメラ1
の全体構成について説明する。図示するように、このス
リット露光式複写カメラ1は、筐体2内に後述する投影
光学系や現像処理装置を組み込んだものであり、筐体2
の上面に設けられたコンソールパネル4と、筐体2の上
面にそって水平方向(図における左右方向)に往復動可
能に構成された原稿ホルダ10と、シート状の感材PMを露
光位置に搬送する感材搬送装置20と、原稿ホルダ10内に
保持された原稿に光を照射すると共に原稿で反射された
光を感材PM上面に投影してこれを露光する投影光学系30
と、露光済みの感光PMの現像および安定化処理を行なう
現像処理装置40と、現像処理装置40から搬出された感材
PMを乾燥させる乾燥ユニット50と、種々のモータや後述
の電磁弁等の駆動制御を司る電子制御装置60とを備え
る。 コンソールパネル4は、露光条件の設定等を行なう各
種設定スイッチや、電源スイッチ,スタートスイッチ等
が設けられており、オペレータにより操作される。コン
ソールパネル4の各スイッチは、電子制御装置60に接続
されている。 原稿ホルダ10は、透明なガラス板で構成された原稿台
11と開閉自在な原稿カバー12とを備えており、原稿は原
稿台11と原稿カバー12との間に下向きに保持される。こ
の原稿ホルダ10は、筐体2に設けられたモータ13によ
り、スプロケット,チェーン,ベルト等の図示しない駆
動系を介して、水平方向に往復駆動され、露光用の照射
光源に対して原稿を搬送する。 感材搬送装置20は、第1の感材ロール21,第2の感材
ロール22の他、第1の感材ロール21からの感材送り出し
専用のローラ対23,第2の感材ロール22からの感材送り
出し専用のローラ対24及び各感材ロールからの感材送り
出しに共通して用いる2つのローラ対25,26を備えてお
り、必要に応じてどちらか一方の感材ロール21もしくは
22からシート状の感材PMを送り出す。本実施例では、感
材PMとして、シルバーマスター(製品名:三菱製紙株式
会社製、型式SLM−R2)を用いたが、銀塩系の製版用感
光紙であれば、スーパーマスター(製品名:アグファゲ
バルト社製、型式SPP)なども用いることができる。 第2図は、感材PMが、第1の感材ロール21から3組の
ローラ対23,25,26によって順次その下流に搬送されてい
る状態を示している。第2の感材ロール22の感材PMを用
いる場合には、上記ローラ対23に替わるローラ対24と2
組のローラ対25,26によって、感材PMが第2の感材ロー
ル22から搬送される。 なお、第1の感材ロール21または第2の感材の感材PM
の送り出しは、原稿ホルダ10の水平方向移動に同期して
行なわれる。 こうして搬送された感材PMは、2組のローラ対25,26
の間に設定された露光位置にて露光され、この露光位置
における感材PMの裏面側に設けられた切断装置27によ
り、コンソールパネル4を用いて設定された寸法に切断
される。 感材PMを露光する投影光学系30は、原稿ホルダ10内に
保持された原稿の幅方向に亘って光を照射するための光
源31と、原稿からの反射光LBを反射する3つのミラー32
a,32b,32cからなるミラー群32と、露光位置の感材PM上
面に原稿の像を結像させる投影レンズ33と、感材PM上面
に投影される反射光LBの幅を制限するスリット34とを備
える。投影レンズ33とミラー群32を構成するミラー32b,
32cとは、傾斜台35上に取り付けられたミラー支持板36
およびレンズ支持台37にそれぞれ固定されており、この
投影光学系30における投影倍率は値1に設定されてい
る。なお、上記ミラー支持板36およびレンズ支持台37
は、投影倍率のアライメントの際に傾斜台35上でその位
置が調整され、アライメント完了後に傾斜台35に固定さ
れる。 光源31から原稿に向けて照射された光は原稿下面で反
射し、この反射光LBはミラー群32の各ミラーで順次反射
され、投影レンズ33とスリット34とを通過した後、感材
PMの感光面に結像される。従って、搬送されつつある感
材PMの感光面には、原稿の幅方向に亘るスリット状画像
が投影される。感材PMの搬送は、原稿ホルダ10の水平方
向移動に同期しているので、原稿ホルダ10の水平方向の
移動が完了すると、原稿全体の露光が完了する。 なお、ローラ対26の下方側には、感材PMを一様に露光
するため複数個のLED38がライン状に設けられており、
このLED38を駆動して感材PMを照射することにより、縮
小して露光する際に原稿からの反射光LBで露光できない
感材PMの周辺部分を像形成不要部として焼きとばしてい
る。その後、感材PMは切断装置27によって切断される。 現像処理装置40は、投影光学系30の下方に設置されて
おり、導入ローラ41を介して導入される感材PMに対する
現像処理および安定化処理を行なうものである。この現
像処理装置40は、現像液を貯蔵する現像液メインタンク
42と安定化剤を貯蔵する安定化剤メインタンク43が装着
可能で、図示しないモータによりローラ等が一体に駆動
される処理ユニット44として構成され、筐体2内に収納
されている。現像処理装置40の構成の詳細については後
述する。 感材PMの搬送路に沿って現像処理装置40の下流には乾
燥ユニット50が配設されている。この乾燥ユニット50
は、現像処理装置40にて処理された感材PMを張力を掛け
つつ搬送する2組のローラ対51,52と、このローラ対51,
52間に設けられた搬送トレイ53と、この搬送トレイ53に
感材PMの搬送路を挟んで対向する位置に設けられた感材
乾燥用ヒータ54およびファン55と、筐体2の外部に取り
付けられ乾燥された感材PMを収納する外部トレイ56とを
備える。 従って、露光済みの感材PMは、現像処理装置40におけ
る現像・安定化処理を経て感材乾燥用ヒータ54により乾
燥され、筐体2外の外部トレイ56に送り出される。こう
して、原稿からオフセット印刷用の刷版が複製・作製さ
れる。 次に、感材PMへの現像・安定化処理を行なう現像処理
装置40について説明する。現像処理装置40の説明には、
その概略構成を示す第1図の他、斜視図(第3図,第4
図),断面図(第5図)を適宜援用する。 第1図に示すように、この現像処理装置40は、導入ロ
ーラ41から導入された露光済みの感材PMを現像液メイン
タンク42内の現像液を用いて現像する現像部70と、安定
化剤メインタンク43内の安定化剤を用いて現像済みの感
材PMに安定化処理を施しこれを乾燥ユニット50のローラ
対51に送り出す安定化処理部(以下、安定部と呼ぶ)72
とを備える。 現像部70は、現像液の供給系として、現像液メインタ
ンク42の他、この現像液メインタンク42が着脱されメイ
ンタンク42から現像液を受けて液面を一定に管理する液
面管理筒74と、液面管理筒74から導通管76を介して現像
液が流入する現像液シスターンタンク78と、現像液シス
ターンタンク78からの現像液の流出用の管路79を開閉す
る流入用電磁弁80と、現像液を吐出する現像液ノズル82
とを備えている。この現像液ノズル82には、絞り部(第
5図参照)が組み込まれており、流入用電磁弁80の開弁
期間における現像液ノズル82先端からの現像液吐出量を
制限している。現像液ノズル82先端からの現像液の吐出
量は、絞り部に加わる圧力、即ち液面管理筒74における
液面の高さと絞り部における径とによってほぼ定まる。
本実施例では、液面の高さを一定に保っているので、流
入用電磁弁80開弁時における現像液の流量は、現像液メ
インタンク42内の現像液の多寡にかかわらず一定に保た
れる。 現像液シスターンタンク78には、その内部を液流入室
78aおよび液滞留室78bに区分けする仕切板84がタンクの
底から立設されており、液流入室78aには導通管76が開
口されている。一方、液滞留室78bの上面には、底面に
向けて挿入されたヒータ86と、タンク内の液量に応じて
上下動するフロート87を有し現像液シスターンタンク78
内の液量を検出するフロートセンサ88とが設けられてい
る。また、現像液シスターンタンク78の底部に連通され
た管路79の入り口には、流出する現像液からごみ等を除
去するメッシュフィルタ90が設けられている。 従って、現像液メインタンク42から導通管76を介して
流入した冷たい現像液は、まず液流入室78aに流して仕
切板84上端を越え液滞留室78b上部に流れ込む。液滞留
室78b内の現像液はヒータ86により温められる。ヒータ8
6による現像液の温度は、後述する電子制御装置により
所定温度に管理される。所定温度に維持された現像液
は、流入用電磁弁80が開弁すると、現像液ノズル82から
流出する。 次に、感材PMの現像が実際に行なわれる現像処理槽96
まわりの概略構成と働きの概要とについて説明する。現
像部70に感材PMを導入する導入ローラ41の下方には、第
5図矢印X方向に回転して感材PMを送り込む入り口ロー
ラ対92が設けられ、更にその下方には、送り込まれた感
材PMに接して感材PMをガイドし、搬送に際して感材PMに
いわゆる腰を付けるフリーローラ94が配設されている。 現像処理槽96は、断面略U字形であり、第3図に示す
ように、感材PMの幅に応じた幅を有し、現像液の貯留部
95を形成している。この現像処理槽96内には、現像処理
槽96の幅方向に亘って、現像処理槽96の底面に若干の距
離を残した位置にスポンジ質の現像液供給ローラ98が配
設されている。従って、現像処理槽96の貯留部95に現像
液が貯留されれば、現像液供給ローラ98の下部は現像液
に一部浸漬する。現像液供給ローラ98の表面はスポンジ
質の材質で形成されており、スポンジ質を構成する気泡
は個々に独立した気泡(単独気泡)とされている。現像
液供給ローラ98には、第4図に示すように、上部から滴
下する現像液を現像液供給ローラ98との間に一時的に貯
留する現像液一時貯留部100が組み付けられている。 また、現像処理槽96の底部には、第3図,第5図に示
すように、底部液溜め室101が形成されており、現像処
理槽96の底に開口された複数の連通孔102により、現像
液が流入可能とされている。底部液溜め室101の内部に
は、現像液加熱用の棒状ヒータ103が2本配設されてい
る。底部液溜め室101の中央底部には、管路を開閉する
排出用電磁弁104を介してこの底部液溜め室101と導通し
使用済み現像液を廃液受けトレイ106に排出する現像液
排出管108が連設されている。 現像処理槽96の感材PMの搬出側には、安定部72に向け
て所定の仰角αを有するガイド板110が配置されてい
る。ガイド板110は、感材PMとの接触面積を小さくする
ために波板を用いて形成されており(第3図参照)、安
定部72の絞りローラ対109に向けた現像済み感材PMの進
入経路を形成する。ガイド板110の下面には、自己温度
調整機能を有する加熱用の面状ヒータ112が取着されて
いる。面状ヒータ112は、第3図に示すように、現像処
理槽96側に設けられた取付金具113や図示しない他の金
具により、ガイド板110に一体に固定されている。 現像処理槽96の詳細な構成について説明する。現像処
理槽96の貯留部95は、第3図に示すように、湾曲した周
面板120の両側面に略半月状の側面板122(図において、
向かって左側の側面板は省略されている)を各々接合・
固定することにより形成される。周面板120のガイド板1
10側のおよそ中央には、周面板120を貫通する貫通孔126
が設けられている。現像液が現像液ノズル82から供給さ
れて貯留部95の液量が増加すると、現像液はこの貫通孔
126から流出する。従って、貯留部95の現像液の液面
は、貫通孔126の高さに保持される。 なお、現像処理槽96直下の排出用電磁弁104には、第
1図に示すように、防滴カバー114が設けられ、現像処
理槽96やガイド板110から落下する現像液の付着を防止
している。 現像液一時貯留部100は、第4図および第5図にその
詳細を示すように、現像液供給ローラ98の両端面に当該
ローラの回転を許容して当接する2枚の端面板134と、
この端面板134を両端に固定した断面「フ」の字形状の
支持板136とを備える。また、支持板136を構成する上板
136a中央、現像液ノズル82の先端に対応した位置には、
液通過孔138が設けられ、一方、支持板136を構成する背
板136bには、現像液供給ローラ98に向けて付勢され、こ
のローラ98外周に当接するステンレス薄板の板ばね140
が設けられている。 液通過孔138の真下には、上板136aの前端中央からこ
の板ばね140に向けて、液受け板142が連設されている。
液受け板142の先端と板ばね140との間には、僅かな隙間
が設けられている。現像液供給ローラ98とその両端面に
当接された端面板134とローラ98外周面に当接された板
ばね140とで囲まれた部位は、現像液供給ローラ98がこ
の部位では上方に向けて回転していることも相俟って、
現像液ノズル82から滴下する現像液を一時的に溜め置く
ことができる。この部位を、液溜まり部143と呼ぶ。 なお、液受け板142は、現像液を現像液供給ローラ98
の軸方向に効率良く広げる役割をはたしているが、液受
け板142がなくとも、現像液は液溜まり部143に一旦溜ま
るから、現像液供給ローラ98の軸方向に広がることに変
わりはない。 現像液ノズル82から滴下する現像液は、第4図および
第5図に示すように、液通過孔138を通過して液受け板1
42に至り、液受け板142の両端や板ばね140との間に形成
された僅かな隙間から板ばね140表面に沿って流れ落ち
る。つまり、現像液供給ローラ98の軸線方向に沿って広
がりつつ液溜まり部143に至り、ここに一時的に貯留さ
れる。液溜まり部143に貯留された現像液の一部は、現
像液供給ローラ98表面の単独気泡層における個々の気泡
に保持され、現像液供給ローラ98の第5図矢印Y方向へ
の回転に伴って汲み出される。 現像液供給ローラ98は、その下部が現像処理槽96に貯
留された現像液に浸漬しているから、回転に伴って汲み
出された新たな現像液は、このローラ98の回転に伴って
既に貯留されている現像液中に供給される。新たな現像
液は、現像処理槽96における感材PMの搬入側に拡散する
ことになる。現像液が供給されて貯留部95内の現像液が
増加すると、新たに供給された現像液に相当する量から
感材PMの搬出に伴って失われる現像液分を除いた量の現
像液(旧現像液)が、周面板120の貫通孔126から外部に
流れ出て、現像処理槽96内の現像液の量はバランスす
る。 現像液は、底部液溜め室101にも流れ込んでおり、こ
こに内蔵された2本の棒状ヒータ103により加熱され
る。加熱された現像液は、連通孔102を介して貯留部95
との間で対流する。棒状ヒータ103の通電が現状液温度
によりフィードバック制御されていることも相俟って、
現像処理槽96内の現像液は、極めて短時間に昇温され所
定の温度に維持される。 感材PMが現像処理槽96の現像液の貯留部95を通過すれ
ば、感材PMの現像処理に伴い、スラッジが現像液中に混
入する。こうしたスラッジは、貯留部95から底部液溜め
室101に流入し、排出用電磁弁104が開弁されると、現像
液と共に、現像液排出管108を介して廃液受けトレイ106
に排出される。 次に感材PMの搬送について説明する。入り口ローラ対
92により送り込まれた露光済みの感材PMは、フリーロー
ラ94によりガイドされつつ貯留部95に進入し、周面板12
0の内周面にそって貯留部95内を通過する。貯留部95内
を通過する間に、そこに貯留された現像液に反応し現像
処理が開始される。現像液供給ローラ98と周面板120と
の間隙を抜けて貯留部95を通過した後は、傾斜したガイ
ド板110上面に沿って安定部72の入り口に設けられた絞
りローラ対109に向けて送り出される。ガイド板110上の
雰囲気は、温度制御機能を有する面状ヒータ112による
加熱によって所定の温度近傍となっているから、ガイド
板110上を搬送されている間にも、感材PM表面に付着し
ている現像液により感材PMの現像処理は継続する。感材
PMの表面に付着している現像液は、絞りローラ対109に
より絞り取られ除去される。 次に、安定化剤による感材PMの安定化系である安定部
72について、第1図を用いて説明する。なお、上記した
現像部70と同一の部材または同一の機能を有する部材に
ついては、その説明を省略し、現像部70における説明に
用いた符号(数値)に補助符号Aを付加して表わすこと
とする。 安定部72は、安定化剤の供給系として、上記現像部70
の現像液供給系と同様に、安定化剤メインタンク43,こ
の安定化剤メインタンク43が着脱される液面管理筒74A,
仕切板84Aを内部に立設した安定化剤シスターンタンク7
8A,液面管理筒74Aと安定化剤シスターンタンク78Aとを
導通する導通管76A,流入用電磁弁80Aを介装した安定化
剤ノズル82A等を備える。安定化剤シスターンタンク78A
内には、現像液シスターンタンク78と同様、フロート87
Aを有するフロートセンサ88A,メッシュフィルタ90Aも備
えられている。流入用電磁弁80Aと安定化剤ノズル82Aと
を介して安定化剤シスターンタンク78Aから安定化剤が
流出すると、その分だけ導通管76Aから安定化剤が流入
する。 安定部72の他の構成部品について、感材PMの搬送に沿
って簡略に説明する。現像部70のガイド板110の上端に
配置された絞りローラ対109を通過した感材PMは、感材P
Mの搬送路に沿って配置されたガイドカバー144およびフ
リーローラ146にガイドされて、安定化処理槽96Aへと搬
入される。安定化処理槽96Aの入口には、感材PMにいわ
ゆる腰を付けるフリーローラ94Aが設けられている。安
定化剤の貯留部95Aを形成する安定化処理槽96Aには、現
像処理槽96と同様、スポンジ質の安定化剤供給ローラ98
Aと、この安定化剤供給ローラ98Aとで安定化剤の液溜ま
り部134Aを形成する安定化剤一時貯留部100Aが設けら
れ、貯留部95Aの感材PMの搬入側に安定化剤を供給す
る。一方、安定化処理槽96Aの底には、現像処理槽96と
同様、底部液溜め室101Aが設けられている。防滴カバー
114A付の排出用電磁弁104Aが開弁されたとき、使用済み
の安定化剤は、安定化剤排出管108Aを介して、底部液溜
め室101Aから廃液受けトレイ106Aに排出される。なお、
安定化剤は温度管理を行なう必要がないことから、底部
液溜め室101Aにヒータは設けられていない。 感材PMの搬送路に沿った安定化処理槽96Aの下流に
は、安定化済み感材PMの進入経路を形成するガイド板11
0Aが安定化処理槽96Aから上方に向けて傾斜して配置さ
れており、ガイド板110Aの上端には、第1図矢印Z方向
に回転して安定化済み感材PMを乾燥ユニット50(第2図
参照)のローラ対51に向けて搬送しつつ感材表面から余
分な安定化剤を絞り取る絞りローラ対109Aが配設されて
いる。なお、安定化剤供給ローラ98Aおよび各絞りロー
ラ対109,109Aは、既述した現像処理槽96の各ローラと共
通の駆動源により駆動され、同期して回転されている。 第1図矢印Z方向に回転して現像および安定化済みの
感材PMを搬送しつつ感材PMの表面から余分な現像液およ
び安定化剤を絞り取る各絞りローラ対109,109Aは、図示
するように、個々のローラの中心を通る平面がローラの
中心を通る鉛直面から図示反時計方向に角度βだけ傾斜
して設けられている。従って、この絞りローラ対109,10
9Aに感材PMが挟み込まれると、絞りローラ対109,109A部
分での感材PMの搬送方向は、角度βに対応した角度だけ
下向きとなる。この結果、絞られた現像液もしくは安定
化剤は、感材PMの通話中は感材PMと絞りローラ対109,10
9Aとの間に留まり、感材PMの側に垂れてくるといったこ
とがない。 感材PM搬送中、各絞りローラ対109,109Aに留まる現像
液もしくは安定化剤は、感材PMの切断後端面が絞りロー
ラ対109もしくは109Aを通過すると同時に、絞りローラ
対109,109Aにおける下側のローラ表面を伝わって、各絞
りローラ対109,109A下方に配設された右側絞り液収集板
152または左側絞り液収集板154上に落下し、廃液受けト
レイ106A内に流入する。また、各絞りローラ対109,109A
には、各々2個のスクレーパ150がその先端の板ばねが
ローラに当接する位置に設けられており、スクレーパに
より掻き落とされたスラッジや廃液も、右側絞り液収集
板152および左側絞り液収集板154上に落下し、廃液受け
トレイ106Aに回収される。なお、現像部70と安定部72の
各廃液受けトレイ106,106Aには、廃液タンク156に至る
配管158が設けられており、各トレイ16,106Aに集められ
た廃液は、配管158を介して最終的には廃液タンク156に
回収される。 以上のように構成された安定部72では、現像部70から
送り込まれる現像済みの感材PMは、絞りローラ対109に
より、付着した現像液を絞り取られ、フリーローラ94A
等によりガイドされつつ貯留部95Aに搬入される。感材P
Mが、貯留部95Aの安定化剤中に入ると安定化処理が開始
され、貯留部95Aを通過した後、ガイド板110A上面にそ
って搬送される間も安定化の処理は進行する。絞りロー
ラ対109Aを通過する際、感材PM上面からは余分な安定化
剤が絞り取られ、その後、感材PMは、ローラ対51によっ
て乾燥ユニット50に搬送される。 次に、現像液シスターンタンク78等における温度管理
や現像液供給ローラ98等の駆動制御等を司る電子制御装
置60について、第6図に示すブロック図を用いて説明す
る。 第6図に示すように、電子制御装置60は、周知のCPU1
62,ROM164,RAM166や複数の自走式タイマカウンタを内蔵
したタイマ168等を中心に算術論理演算回路として構成
され、これらとコモンバス170を介して相互に接続され
た露光用出力ポート172,現像用入力ポート174,現像用出
力ポート176等の入出力インタフェースを備える。ま
た、電子制御装置60のコモンバス170には、底部液溜め
室101に連通した貯留部95内の現像液および現像液シス
ターンタンク78内の現像液の温度調整を行なう温度調整
回路178と、オペレータが各種の設定等を行なうコンソ
ールパネル4とが接続されている。 露光用出力ポート172には、原稿ホルダ10の駆動用の
モータ13と、感材PMを切断するための切断装置27と、原
稿ホルダ10内の原稿に光を照射するための光源31と、第
1の感材ロール21または第2の感材ロール22から感材PM
を送り出すためのモータ28と、感材PMを一様に露光する
ためのLED38と、安定化済み感材を乾燥するための乾燥
ユニット50とが接続されている。 一方、現像用入力ポート174には、現像液シスターン
タンク78内のフロートセンサ88と安定化剤シスターンタ
ンク78A内のフロートセンサ88Aとが接続されており、現
像用出力ポート176には、処理ユニット44の各ローラを
同期して駆動する駆動モータ180と、現像液ノズル82に
設けられた流入用電磁弁80と、安定化剤ノズル82Aに設
けられた流入用電磁弁80Aと、現像液排出管108に設けら
れた排出用電磁弁104と、安定化剤排出管108Aに設けら
れた排出用電磁弁104Aと、ガイド板110の近傍雰囲気を
ある程度の温度に加熱するための面状ヒータ112とが接
続されている。 また、温度調整回路178には、現像液シスターンタン
ク78内に設置されたヒータ86及びこのタンク内の液温を
検出する温度センサ85と、底部液溜め室101内に設置さ
れた2本の棒状ヒータ103およびこの液溜め室101内の液
温を検出する温度センサ103aとが接続されている。この
温度調整回路178は、貯留部95内の現像液および現像液
シスターンタンク78内の現像液の液温をそれぞれ所定温
度範囲に維持するよう上記各ヒータを加熱制御し、液温
が所定温度範囲内に維持されているか否かを示す信号を
CPU162に出力する。 次に、電子制御装置60が実行する処理について、フロ
ーチャートを用いて説明する。実施例のスリット露光式
複写カメラ1が実行する処理は、電源投入時に実行され
る初期処理ルーチン、露光・現像可能な状態となるまで
待機する待機処理ルーチン、感材PMの露光と現像とを行
なう露光・現像処理ルーチンに分けることができる。第
7図は初期処理ルーチンを示すフローチャート、第8図
は待機処理ルーチンを示すフローチャート、第9図は露
光現像処理ルーチンを示すフローチャートである。 本実施例のスリット露光式複写カメラ1に電源が投入
されると、電子制御装置60は、まず第7図に示す初期処
理ルーチンを実行する。この処理は、スリット露光式複
写カメラの使用開始時に一度だけ実行される処理であ
る。 本ルーチンが開始されると、まず排出用電磁弁104,10
4Aを開弁する処理を行ない(ステップS10)、現像処理
槽96および安定化処理槽96A(以下、必要に応じて、両
者をまとめて処理槽96とも呼ぶ)に残存する現像液もし
くは安定化剤(以下、必要に応じて、両者をまとめて処
理液とも呼ぶ)がすべて排出されるのに十分な排出時間
だけ待機する(ステップS20)。処理槽96に貯留される
処理液の量は定まっているから、排出時間を予め設定し
ておくことは容易である。 排出時間待機してから排出用電磁弁104,104Aを閉弁し
た後(ステップS30)、次に流入用電磁弁80,80Aを開弁
する処理を行ない(ステップS40)、更に現像用出力ポ
ート176を介して駆動モータ180の運転を開始する処理を
行なう(ステップS50)。流入用電磁弁80,80Aが開弁す
ると、現像液シスターンタンク78および安定化剤シスタ
ーンタンク78Aから処理液が現像液ノズル82,安定化剤ノ
ズル82Aを介して流出し始め、駆動モータ180による現像
液供給ローラ98,安定化剤供給ローラ98Aの回転により、
処理液は処理槽96に供給される。 処理槽96には、処理液が次第に貯留されるから、予め
設定された貯留時間(貯留に要する時間)だけ待機して
から(ステップS60)、流入用電磁弁80,80Aを閉弁する
処理(ステップS70)と駆動モータ180を停止して各ロー
ラの回転を停止する処理(ステップS80)とを行なう。
この結果、各処理槽96は、現像と安定化の処理に必要な
量の処理液で満たされる。 こうして処理液の貯留が完了した後、現像液温度調整
開始支持を温度調整回路178に出力する(ステップS9
0)。この指示を受けた温度調整回路178は、温度センサ
85,103aの検出信号を参照しつつ、ヒータ86,103に通電
し、現像液シスターンタンク78および現像処理槽96内の
現像液の温度を、およそ28℃ないし31℃の範囲に管理す
る。温度調整回路178は、現像液を加熱してこの温度範
囲内に制御すると、温度調整が完了したことを示す信号
をCPU162に出力する。そこで、この調整完了信号が入力
されるまで待機し(ステップS100)、この信号が入力さ
れるとコンソールパネル4にウォームアップが完了した
ことを示す表示を行ない(ステップS110)、初期処理を
総て完了したとして、次の待機処理に移行する。 以上説明した初期処理を実行することにより、スリッ
ト露光式複写カメラ1の現像処理装置40は、現像処理槽
96,安定化処理槽96Aに残存していた処理液(現像液およ
び安定化剤)をスラッジ等と共に排出し、新たな処理液
を供給すると共に、現像液の温度を処理に必要な適温に
調整する。 初期処理終了後に実行される待機処理では、第8図に
示すように、まずコンソールパネル4から各種設定のた
めのキー入力を行ない(ステップS200)、入力したキー
に従って各種の設定、例えば原稿の大きさや露光の度合
い等の設定を行なう(ステップS210)。次に、現像液シ
スターンタンク78および安定化剤シスターンタンク78A
の各フロートセンサ88,88Aの状態を読み込み(ステップ
S220)、フロートセンサ88,88Aがオンであるか否かの判
断を行なう(ステップS230)。フロートセンサ88,88Aが
オフ、即ち現像液シスターンタンク78もしくは安定化剤
シスターンタンク78Aの液面が低下していれば、現像液
もしくは安定化剤メインタンク42,43の補充の指示を、
コンソールパネル4に表示する処理を行なって(ステッ
プS235)、ステップ200から上述した処理を繰り返す。 一方、フロートセンサ88,88Aが共にオンであれば(ス
テップ230)、続いて現像液の温度は適正か否かの判断
を行ない(ステップS240)、適正であれば更にコンソー
ルパネル4の上の露光の開始を指示するスタートキーが
オンとなったか否かを判別する(ステップS250)。現像
液の温度は、温度調整回路178により調整されており、
初期処理(第7図)が終了すれば適温となっているべき
ものであるが、ヒータ86,103の故障により温度が低下す
ることも有り得るので、ここで再度チェックしているの
である。温度が適正でないかスタートキーがオンとなっ
ていなければ、上述したステップ200から処理を繰り返
す。 スタートキーが押されてオンとなった場合には、露光
・現像処理に移行する。現像・露光処理が開始される
と、第9図に示すように、まず露光を開始するのに必要
な各種処理を実行する(ステップS300)。露光開始処理
とは、ここでは原稿を載置した原稿ホルダ10の搬送とこ
れに同期した感材PMの送り出し、さらには処理ユニット
44の駆動源である駆動モータ180による処理ユニット44
内の各ローラの回転などを開始する処理である。続い
て、乾燥ユニット50をオンして高温風の吹き出しを開始
し(ステップS310)、露光処理中であることを示すフラ
グFを値1に設定し(ステップS320)、更に露光開始か
らの時間を計時するタイマ168内の第1のタイマカウン
タT1をスタートする処理(T1←0)を行なう(ステップ
S330)。 次にタイマカウンタT1と現像液流入開始タイミングT
AONとを比較し(ステップS340)、タイマカウンタT1が
現像液流入開始タイミングTAONとなるまで待機する。T
1=TAONとなったとき、現像液の流入用電磁弁80を開弁
し(ステップS350)、現像処理槽96の現像液供給ローラ
98への新たな現像液の供給を開始する。即ち、第10図の
タイミングチャートに示すように、露光処理の開始より
は遅れかつ感材PMの現像処理槽96への搬入に先だって、
現像液の供給が開始されるのである。 次に、タイマカウンタT1が安定化剤の流入用電磁弁80
Aの開弁タイミングTSONになったか否かの判断を行なう
(ステップS360)。タイマカウンタT1が開弁タイミング
TSONとなったときには、安定化剤の流入用電磁弁80Aを
開弁する処理を行なう(ステップS370)。なお、開弁タ
イミングTSONとなるまでは、安定化剤流入用電磁弁80A
を開弁する処理は行なわず、次の処理に移行する。この
結果、第10図に示すように、現像液の流入用電磁弁80の
開弁から所定時間経過後でかつ感材PMの安定化処理槽96
Aへの搬入に先だって安定化剤の供給が開始される。 次に、露光中であることを示すフラグFが値1である
か否かの判断を行なう(ステップS380)。露光処理中は
フラグFは値1であり(ステップS320で設定される)、
この場合には、引き続き露光が終了したか否かの判断を
行なう(ステップS390)。原稿ホルダ10が原稿の長さに
応じた距離だけ搬送されて必要な露光処理が完了した場
合には、露光終了処理(ステップS400)を実行する。こ
こで、露光終了処理は、原稿ホルダ10の搬送を終了して
原稿ホルダ10を初期位置に戻す処理や、感材PMの送り出
しを停止すると共に切断装置27を駆動して感材PMをその
露光領域終端で切断するといった処理である。 露光終了処理(ステップS400)の実行後、露光処理は
完了したとしてフラグFを値0にリセットする処理を行
なう(ステップS410)。その後、露光終了からの時間を
計時するタイマ168内の第2のタイマカウンタT2をスタ
ートする処理(T2←0)を行なう(ステップS420)。 なお、以上の記述では原稿が所定以上の長さを有し、
露光処理の完了前に感材PMの先端が安定化処理槽96Aに
達するものとして説明したが、原稿の長さが短く露光処
理の完了時に感材PMの先端が安定化処理槽90Aに達して
いない場合も考えられる。この場合には、ステップS360
での判断が「YES」となる前にステップS390での判断が
「YES」となり、安定化剤の流入用電磁弁80Aの開弁に先
だって第2のタイマカウンタT2がスタートすることにな
る。 タイマカウンタT2をスタートした後(ステップS42
0)、タイマカウンタT2が現像液の流入用電磁弁80の閉
弁タイミングTAOFFに至ったか否かの判断を行なう(ス
テップS430)。閉弁タイミングTAOFFに至っていなけれ
ば接続点を介してステップS360から上述した処理を繰
り返す。一方、タイマカウンタT2がタイミングTAOFFと
なった場合には、現像液の流入用電磁弁80を閉弁する処
理を行なう(ステップS440)。閉弁タイミングTAOFF
は、感材PMの終端が現像処理槽96で現像処理を受けるの
に必要な現像液を現像液供給ローラ98により供給可能な
時間を確保するタイミングである。従って、第10図に示
すように、現像液の流入用電磁弁80は、露光処理の終了
後でかつ露光済み感光PMの終端が現像処理槽96を出るの
に先立つタイミングで閉弁される。 流入用電磁弁80の閉弁後もしくはタイマカウンタT2が
タイミングTAOFFを越えた後は、今度はタイマカウンタ
T2が安定化剤の流入用電磁弁80Aの閉弁タイミングSOFF
に至ったか否かの判断を行なう(ステップS450)。タイ
マカウンタT2が閉弁タイミングTAOFFに至っていなけれ
ば、ステップ430での判断した場合と同様、接続点を
介してステップS360から上述した処理を繰り返す。一
方、タイマカウンタT2がタイミングTSOFFとなった場合
には、安定化剤の流入用電磁弁80Aを閉弁する処理を行
なう(ステップS460)。閉弁タイミングTSOFFは、感材
PMの終端が安定化処理槽96Aで安定化処理を受けるのに
必要な安定化剤を安定化剤供給ローラ98Aにより供給可
能な時間を確保するタイミングである。従って、第10図
に示すように、安定化剤の流入用電磁弁80Aは、露光済
み感材PMの終端が安定化処理槽96Aを出るのに先立つタ
イミングで閉弁される。 安定化剤の流入用電磁弁80Aを閉弁した後、時間T3だ
け待機し(ステップS470)、感材PMが乾燥ユニット50を
通りすぎたのを見計らって、乾燥ユニット50や駆動モー
タ180等をオフする処理を行なう(ステップS480)。そ
の後、待機処理(第8図)に戻り、コンソールパネル4
のキー入力を入力するところから処理を繰り返す。 以上説明したように、このスリット露光式複写カメラ
1に組み込まれた実施例の現像処理装置40によれば、現
像処理槽96,安定化処理槽96Aにおいて、感材PMの搬入側
に現像液および安定化剤を均一に供給して現像および安
定化処理に供するから、現像処理槽96,安定化処理槽96A
に搬入された感材PMは、新たな処理液による作用を均一
に受け、常に一定した現像および安定化の処理が行なわ
れる。しかも、現像処理槽96,安定化処理槽96Aを出た感
材PMをなお反応可能な状態で保持しているから、少量の
現像液および安定化剤を貯留するだけで、ダイレクト製
版用の銀塩タイプの感材PMに対し、現像および安定化処
理を十分に行なうことができる。従って、各処理槽96,9
6Aを小型化でき、現像処理装置40の小型化、延いてはス
リット露光式複写カメラ1の小型化を図ることができ
る。 更に、新たな現像液を、感材PMの搬入側、即ち現像処
理開始側に供給しているので、新たな現像液を優先的に
使用して感材PMを効率的に現像処理でき、現像品質の一
層の向上を図ることができる。 本実施例によれば、従来のように大量の現像液および
安定化剤を貯留する必要がないので、現像処理槽96内の
現像液の現像による劣化や経時的な酸化によって現像能
力が低下および変化することがなく、製版品質を常に安
定に保つことができる。処理液の使用量も全体として低
減することができる。また、大量の現像液等を貯留して
いないので、スラッジが長期に亘って留まってヘドロ化
することがない。従って、現像処理槽96等の清掃が不要
になり、従来必要とされた水洗などのメンテナンスの労
力も不要となる。現像処理槽96の底部にスラッジが固着
して感材PMの搬送を阻害するということもないから、感
材PMの搬送が阻害されて現像された感材PM上に現像むら
などが生じるといった問題もない。 加えて、大量の現像液を処理可能な温度に調整するま
でのウォーミングアップの時間的ロスという問題も解消
され、少量の処理液を温めるだけで済むので、省電力化
も図られている。 また、現像液ノズル82からの吐出現像液を現像液供給
ローラ98の軸線方向にそって広げつつ、即ち感材PMの幅
方向にわたって均一に液溜まり部143に溜め置き、現像
液供給ローラ98表面の単独気泡層における個々の気泡に
保持された現像液(新たな現像液)を現像液供給ローラ
98の回転に基づき貯留部95に供給するので、貯留部95内
の現像液の液面に、波立ち等の乱れを生じることがな
い。この結果、現像液液面の乱れ(波)に基づく現像ム
ラ(液面の乱れが反映して感材表面に現われる不規則な
スジムラ)を生じることもない。 なお、安定化処理槽96Aも、加熱用のヒータが設けら
れていない点を除いて同様な構成であり、処理の効率
化,安定化により処理品質の向上といった効果を奏する
のは勿論である。 以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、例えば現
像処理もしくは安定化処理の一方にのみ適用した構成、
処理液を供給するローラを単独気泡層を有するものに替
えて粗面研磨ローラや多孔質の軟質プラスチックのロー
ラとした構成、現像液の供給量をフィードバック制御す
る構成、現像処理槽などに残留する処理液の交換を装置
の立ち上げ時のみならず所定の面積もしくは回数の処理
が行なわれたときにも実行する構成、あるいは銀塩方式
の印画紙や製版用フィルムの現像装置に適用した構成な
ど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の感材処理装置では、感
材は、処理槽に均一に供給される新たな処理液により処
理を受け、しかも処理槽を出てからも処理液との反応が
可能な状態に保持される。従って、少量の処理液により
感材の処理を効率よくかつムラなく行なうことができる
という優れた効果を奏する。また、装置の小型化を図る
ことも可能となる。 加えて、処理液を大量に貯留する必要がないことか
ら、ヘドロ化したスラッジの固着といった現象を生じる
こともなく、処理槽のメンテナンスが不要になるという
利点も得られる。また、処理液の温度を管理する必要が
ある場合でも、温度管理を容易かつ省電力とすることが
できると共にその完了までに要する時間を短縮すること
ができる。 そして、処理槽を出てからも処理液との反応が可能な
状態に保持するに当たり、搬出された感材を、付着した
処理液と共に、所定温度に制御すれば、搬出中における
処理液との反応をより確実に安定して継続させることが
でき好ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である現像処理装置の構成
図、 第2図は実施例の現像処理装置を組み込んだスリット露
光式複写カメラ1を示す概略構成図、 第3図は現像処理槽96の要部斜視図、 第4図は現像液供給ローラ98及び現像液一時貯留部100
の斜視図、 第5図は現像処理槽96における現像液供給ローラ98や現
像液一時貯留部100等の配置を示す断面図、 第6図は電子制御装置60の構成を示すブロック図、 第7図は電子制御装置60が実行す初期処理ルーチンを示
すフローチャート、 第8図は同じく待機処理ルーチンを示すフローチャー
ト、 第9図は同じく露光・現像処理ルーチンを示すフローチ
ャート、 第10図は感材PMの搬送と各部の動作タイミングを示すタ
イミングチャート、である。 1……スリット露光式複写カメラ 4……コンソールパネル 10……原稿ホルダ、30……投影光学系 40……現像処理装置 42……現像液メインタンク 43……安定化剤メインタンク 44……処理ユニット、50……乾燥ユニット 60……電子制御装置 70……現像部、72……安定部 78……現像液シスターンタンク 78A……安定化剤シスターンタンク 80,80A……流入用電磁弁 82……現像液ノズル、82A……安定化剤ノズル 96……現像処理槽、96A……安定化処理槽 98……現像液供給ローラ 98A……安定化剤供給ローラ 100……現像液一時貯留部 100A……安定化剤一時貯留部 162……CPU、164……ROM 166……RAM、168……タイマ PM……感材
フロントページの続き (72)発明者 武田 守泰 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社彦根地区事業 所内 (72)発明者 辻野 浩之 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社彦根地区事業 所内 (56)参考文献 特開 昭61−240241(JP,A) 特開 平2−48661(JP,A) 実開 昭64−49938(JP,U) 実公 昭47−22589(JP,Y1) 登録実用新案362491(JP,Z2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03D 3/00 - 5/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印画紙,ダイレクト製版用の感光紙もしく
    はフィルムなどの、銀塩タイプの感材を処理する処理装
    置であって、 前記感材用の処理液を貯留する処理槽と、 前記感材を該処理槽の処理液中に搬入する感材搬入手段
    と、 新たな処理液を前記処理槽の前記感材の搬入側の処理液
    中に、前記感材の幅方向に亘って均一に送り出す処理液
    拡散手段と、 前記処理槽から前記感材を、前記処理液が表面に付着し
    た状態で搬出する搬出手段と、 該搬出された前記感材を、前記付着した処理液との反応
    が可能な状態に、所定時間保持する反応継続手段と を備えた感材処理装置。
  2. 【請求項2】前記反応継続手段は、前記搬出手段により
    搬出された前記感材を、前記付着した処理液と共に、所
    定温度に制御する温度制御手段を有する請求項1記載の
    感材処理装置。
JP2285179A 1990-10-23 1990-10-23 感材処理装置 Expired - Lifetime JP2761604B2 (ja)

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