JP3488344B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JP3488344B2
JP3488344B2 JP23365096A JP23365096A JP3488344B2 JP 3488344 B2 JP3488344 B2 JP 3488344B2 JP 23365096 A JP23365096 A JP 23365096A JP 23365096 A JP23365096 A JP 23365096A JP 3488344 B2 JP3488344 B2 JP 3488344B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感光材料を処理
液により処理する感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム、印画紙、印刷版等の感光材料
は、画像が記録された後に、現像液、定着液、安定化
液、水洗水等の処理液によって処理される。このような
処理を行う感光材料の処理装置としては、複数の搬送ロ
ーラ対等により構成される搬送手段により処理液を貯留
した処理槽中に感光材料を搬送し、感光材料を処理液中
に浸漬することにより処理を行う浸漬型の処理装置が知
られている。
【0003】このような浸漬型の処理装置においては、
感光材料の処理に伴う処理疲労、あるいは大気中の炭酸
ガスや酸素による経時疲労等により処理液が劣化するた
め、処理液に補充液を補充することにより処理液の劣化
を回復させている。このため、処理開始時の処理液の成
分と、その後も処理を継続した場合の処理液の成分とは
異なることになり、厳密に均一な処理を行うことは不可
能である。また、このような浸漬型の処理装置は、処理
液の廃液量が多く、また、装置のメンテナンス性が悪い
という問題もある。
【0004】このような問題点を解消するための感光材
料処理装置として、感光材料を処理液中に浸漬するかわ
りに、感光材料の処理に必要な量の処理液を感光材料の
感光面に塗布して処理を行う塗布方式の処理装置も使用
されている。例えば、特公平6−7257号公報におい
ては、このような塗布方式の処理装置として、処理液を
供給した後の感光材料の感光面にシャフトの周囲にワイ
ヤーを螺旋状に巻き付けて構成したワイヤバー等の計量
手段を当接させ、感光材料に塗布される処理液の量を計
量することにより、感光材料に処理に必要な量の処理液
のみを塗布するようにした処理装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平6−725
7号公報に記載された処理装置においては、感光材料が
計量手段を通過する際には、感光材料は水平方向に搬送
されている。このような構成においては、感光材料に比
較的多量の処理液を塗布する場合には問題はないが、感
光材料に少量の処理液を塗布しようとした場合には、処
理液の塗布むらが生じる。即ち、感光材料を水平方向に
搬送させながら計量手段を通過させた場合においては、
感光材料の搬送方向に対して感光材料と計量手段との接
触部の上流側に形成される処理液の液溜の大きさが、感
光材料への処理液の塗布量に影響を与える等の理由によ
り、感光材料に処理液の塗布むらが生じ、その結果、処
理後の感光材料に処理むらが発生するという問題があ
る。このような現象は、感光材料として現像の進行が速
い銀錯塩拡散転写法(DTR法)を利用する平版印刷版
を使用した場合において特に顕著となる。
【0006】この発明は、上記課題を解決するためにな
されたものであり、少量の処理液を感光材料に均一に塗
布することのできる感光材料処理装置を提供することを
目的とする。
【0007】また、特公平6−7257号公報に記載さ
れた処理装置においては、感光材料に塗布される処理液
の量を計量手段で計量することにより、感光材料の処理
に必要な量の処理液のみを感光材料の感光面に塗布する
ことにより、処理液の消費量を最小限とするようにして
いるが、感光材料の感光面と逆側の面にも処理液は付着
し、当該処理液が感光材料と共に持ち出されることか
ら、処理に必要な処理液以外の処理液が無駄に消費され
ることになる。
【0008】この発明は、処理に必要ない処理液の消費
を可能な限り減少させることのできる感光材料処理装置
を提供することを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、感光材料をその感光面を上向きにした状態で搬送す
る搬送手段と、前記搬送手段により搬送される感光材料
に処理液を供給するための処理液供給手段と、前記搬送
手段により搬送される感光材料の感光面と当接し、前記
処理液供給手段により供給された処理液を前記感光材料
に塗布するとともに計量する、その表面に凹凸が形成さ
れた計量ローラから成る計量手段と、前記計量手段に当
接後の感光材料の感光面とは逆側の面に当接し、前記計
量手段に当接後の感光材料を水平方向に対し3乃至35
°の角度で上方に向けて案内する案内手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、感光材料をその
感光面を上向きにした状態で搬送する搬送手段と、前記
搬送手段により搬送される感光材料に処理液を供給する
ための処理液供給手段と、前記搬送手段により搬送され
る感光材料の感光面と当接し、前記処理液供給手段によ
り供給された処理液を前記感光材料に塗布するとともに
計量する、その表面に凹凸が形成された計量ローラから
成る計量手段と、前記搬送手段により搬送される感光材
料の感光面と当接し、前記処理液供給手段により供給さ
れた処理液を前記感光材料に塗布するとともに計量す
る、その表面に凹凸が形成された計量ローラから成る計
量手段と、感光材料の搬送方向と交差する方向に延びる
当接部を有するガイド部材から成り、前記計量手段に当
接後の感光材料の感光面とは逆側の面に当接し、感光材
料の搬送に伴って当該当接部が感光材料の感光面とは逆
側の面を相対的に摺動することにより感光材料の感光面
とは逆側の面に付着する処理液を掻き取るように構成さ
れた、感光材料を上方に向けて案内する案内手段と、を
備え、前記ガイド部材の下方には、当該ガイド部材によ
り感光材料から掻き取られた処理液を処理液タンクに回
収する回収路が配設されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る感光材料
処理装置を備えた平版印刷版の製版装置の概要図であ
る。
【0012】この製版装置は、感光材料として銀錯塩拡
散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版Mを使用し、
この平版印刷版Mに対して画像の露光と現像処理とを行
うものであり、平版印刷版Mに対して露光を行う露光装
置2と、露光後の平版印刷版Mに対して現像処理を行う
現像処理装置3とから構成される。
【0013】なお、銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用
いた平版印刷版、特に、ハロゲン化銀乳剤層の上に物理
現像核層を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第
3,728,114号、同4,134,769号、同
4,160,670号、同4,336,321号、同
4,501,811号、同4,510,228号、同
4,621,041号明細書等に記載されており、露光
されたハロゲン化銀はDTR現像により化学現像を生起
し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一方、未
露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により
銀錯体となって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存
在により物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀
を主体とする画線部を形成する。
【0014】先ず、露光装置2の構成について説明す
る。この露光装置2は、原稿ホルダー12に装着された
原稿からの反射光を、投影光学系13によって平版印刷
版Mの表面に投影することにより、平版印刷版Mに原稿
の画像を露光するものである。
【0015】原稿ホルダー12は、原稿を載置するため
の透光板14と、この透光板14に対して開閉可能な上
蓋15とを有し、モータ16の駆動により原稿を保持し
た状態で、図1において実線で示す位置と二点鎖線で示
す位置との間を左右方向に往復移動可能に構成されてい
る。また、投影光学系13は、原稿ホルダー12の往復
移動経路の下方に固設され、原稿ホルダー12に保持さ
れて水平移動する原稿の表面に照明光を照射するための
ロッド状の光源17と、光源17による原稿からの反射
光を案内するための複数の折返しミラー18と、複数の
折返しミラー18により案内された反射光を平版印刷版
Mに投影するための投影レンズ19とを備える。
【0016】この露光装置2により平版印刷版Mに原稿
の画像を露光する際には、原稿ホルダー12を図1にお
いて実線で示す位置に配置し、上蓋15を開放して透光
板14上に原稿を載置した上で上蓋15を閉じることに
より、原稿を原稿ホルダー12に装着する。そして、光
源17を点灯した状態で、原稿ホルダー12を図1にお
ける左方向に移動させる。また、これと同期して、複数
の搬送ローラ22およびガイド部材23により、ロール
状に巻回された平版印刷版Mの先端を、原稿ホルダー1
2の移動速度と同一の速度で搬送する。これにより、原
稿ホルダー12に保持された原稿は、順次光源17から
の光の照射を受ける。そして、原稿からの反射光は複数
の折返しミラー18および投影レンズ19を介して原稿
ホルダー12と同一の速度で移動する平版印刷版Mの表
面に照射され、平版印刷版Mには原稿の画像が露光され
る。
【0017】画像が露光された平版印刷版Mは、露光装
置2から順次後段の現像処理装置3に搬送されて処理さ
れる。また、露光装置2の出口側には、平版印刷版Mの
搬送方向と垂直な方向に移動するカッター24を備えた
切断装置25が配設されており、この切断装置25は平
版印刷版Mを露光終了部分の後端で切断する。
【0018】なお、露光装置2における平版印刷版Mの
搬送速度は現像処理装置3における平版印刷版Mの搬送
速度より低速であるため、平版印刷版Mを単純に露光装
置2と現像処理装置3とに亘って搬送することはできな
い。また、切断装置25による平版印刷版Mの切断時に
は、平版印刷版Mの搬送を停止する必要がある。このた
め、露光装置2と現像処理装置3との間には平版印刷版
Mのバッファ部26が配設されており、露光装置2にお
いて露光の終了した平版印刷版Mの搬送時に、バッファ
部26に配設された一対のローラ27、28の回転を一
定時間停止することにより、平版印刷版Mを一定長さだ
けこのバッファ部26に貯留した後、現像処理装置3に
搬送するように構成されている。
【0019】次に、この発明に係る現像処理装置3の構
成について説明する。図2は、図1における現像処理装
置3を拡大して示す概要図であり、図3はその配管系を
示す概要図である。
【0020】この現像処理装置3は、露光後の平版印刷
版Mに現像液(アクチベータ)を塗布して現像処理する
現像部32と、現像処理後の平版印刷版Mに安定液(ス
タビライザー)を塗布して安定化処理する安定部33
と、安定化処理後の平版印刷版Mを乾燥するための乾燥
部34とから構成される。
【0021】現像部32は、バッファ部26のローラ2
7、28によって現像部32に搬送された平版印刷版M
を挟持して搬送する一対の導入ローラ41、42と、一
対の導入ローラ41、42によって搬送された平版印刷
版Mの感光面に一定量の現像液を計量して塗布するため
の現像液塗布機構43と、現像処理に供された現像液を
平版印刷版Mから除去するための一対の絞りローラ4
4、45と、平版印刷版Mを案内するための複数のガイ
ド部材46、47、48、49、50とを有する。
【0022】前記一対の導入ローラ41、42のうち下
側のローラ41は、そこを通過する平版印刷版Mを加熱
するため、ヒータを内蔵したヒートローラとなってい
る。現像処理に先立って平版印刷版Mを予め加熱するの
は、温度制御された少量の現像液を平版印刷版Mに塗布
して現像処理する際に、平版印刷版Mの熱容量により平
版印刷版Mに接触した現像液の温度が低下することを防
止するためである。
【0023】現像液塗布機構43は、図3に示すよう
に、現像液を貯留する現像液タンク52とポンプ53を
介して接続されている。また、現像液塗布機構43の下
方には回収トレイ54が設置されている。現像液タンク
52内の現像液はポンプ53により現像液塗布機構43
に圧送され、平版印刷版M上に供給される。そして、平
版印刷版Mの両端部や後端部から流出した現像液あるい
は後述するガイド部材48により掻き取られた現像液等
の平版印刷版Mに塗布されなかった現像液は、回収トレ
イ54上に滴下する。さらに、この現像液は、再使用が
可能なため、回収トレイ54の下端部に設けられた回収
管55を介して現像液タンク52の液受部56に滴下
し、現像液タンク52内に回収される。現像液タンク5
2には、パネルヒータ57が内蔵されており、現像液タ
ンク52から現像液塗布機構43に至る現像液の循環路
中を循環する現像液を所定の温度に維持するように構成
されている。
【0024】また、一対の絞りローラ44、45の下方
には回収トレイ58が設置されている。一対の絞りロー
ラ44、45によって平版印刷版Mから除去された疲労
現像液は、一対の絞りローラ44、45の下方に設けら
れた液受け部材62の回収孔63を介して回収トレイ5
8上に滴下する。そして、さらにこの現像液は、再使用
できないため、回収トレイ58の下端部に設けられた回
収管59を介して排液タンク64に排出される。
【0025】現像液塗布機構43は、図4に示すよう
に、その下方に複数の吐出孔121が穿設された現像液
供給管122と、その下端部に現像液を流下させるため
の複数の開口部123を穿設した現像液受け部124
と、その表面に複数の溝を有し平版印刷版Mと当接して
回転する塗布ローラ125と、現像液受け部124の開
口部123から流下した現像液を塗布ローラ125に案
内するための拡散フィルム126と、現像液受け部12
4の開口部123から流下した現像液の逆流を防止する
ための逆流防止フィルム127と、塗布ローラ125に
当接するバックアップローラ128とを有する。なお、
図4における矢印は、平版印刷版Mの搬送方向を示して
いる。
【0026】塗布ローラ125は、図7に示すように、
直径14mm程度の金属製のローラ125aの表面に
0.4mm程度のワイヤー125bを巻回したワイヤー
バーから構成されている。このため、塗布ローラ125
の表面には、平版印刷版Mの搬送方向と略平行な方向に
ワイヤー125bによる複数の溝が形成される。従っ
て、この塗布ローラ125と平版印刷版Mとが当接した
状態においては、塗布ローラ125と平版印刷版Mとの
当接部分に塗布ローラ125の溝による複数の開口部1
25cが形成される。この開口部125cの大きさは、
平版印刷版Mへ塗布する現像液を計量する際の塗布量の
基準となる。
【0027】現像液供給管122は、前述した現像液タ
ンク52とポンプ53を介して接続されており、現像液
はポンプ53の駆動により複数の吐出孔121から吐出
される。この現像液は、現像液受け部124に一旦受け
取られた後、複数の開口部123から拡散フィルム12
6に向けて流下する。現像液受け部124の開口部12
3から流下した現像液は、塗布ローラ125と拡散フィ
ルム126との当接部分に一旦貯留されて、平版印刷版
Mの搬送方向と直交する方向に拡散される。そして、こ
の現像液は、塗布ローラ125の回転に伴い、塗布ロー
ラ125の溝による開口部を通過して塗布ローラ125
とバックアップローラ128との当接部方向に移動し、
そこに液溜めを形成する。
【0028】そして、平版印刷版Mがこの液溜めを通過
するときに、平版印刷版Mの感光面に現像液が塗布され
る。このとき、平版印刷版Mの感光面はバックアップロ
ーラ128により塗布ローラ125の表面に押しつけら
れていることから、平版印刷版Mの感光面に塗布された
現像液は、塗布ローラ125の溝による開口部により一
定量に計量される。
【0029】このとき、後述するように、塗布ローラ1
25とバックアップローラ128との間を通過した後の
平版印刷版Mは、ガイド部材48により、上方に向けて
案内される。このため、塗布ローラ125による計量が
正確に行われる。従って、バックアップローラ128と
塗布ローラ125との当接部を通過した平版印刷版Mの
感光面には、常に現像に必要な一定量の現像液が塗布さ
れていることになる。
【0030】なお、このガイド部材48による作用等に
ついては、後程詳細に説明する。
【0031】安定部33は、現像部32より搬送された
平版印刷版Mの感光面に一定量の安定液を計量して塗布
するための安定液塗布機構73と、安定化処理に供され
た安定液を平版印刷版Mから除去するための一対の絞り
ローラ74、75と、平版印刷版Mを案内するための複
数のガイド部材76、77、78とを有する。
【0032】安定液塗布機構73は、図3に示すよう
に、安定液を貯留する安定液タンク82とポンプ83を
介して接続されている。また、安定液塗布機構73の下
方には回収トレイ84が設置されている。安定液タンク
82内の安定液はポンプ83により安定液塗布機構73
に圧送され、平版印刷版M上に供給される。そして、平
版印刷版Mの両端部や後端部から流出した安定液あるい
はガイド部材76により掻き取られた安定液等の平版印
刷版Mに塗布されなかった安定液は、再使用可能なた
め、回収トレイ84上に滴下する。そして、さらにこの
安定液は、回収トレイ84の下端部に設けられた回収管
85を介して安定液タンク82の液受部86に滴下し、
安定液タンク82内に回収される。
【0033】また、一対の絞りローラ74、75の下方
には回収トレイ88が設置されている。一対の絞りロー
ラ74、75によって平版印刷版Mから除去された安定
液は、一対の絞りローラ74、75の下方に設けられた
液受け部材92の回収孔93を介して回収トレイ88上
に滴下する。そして、さらにこの安定液は、再使用でき
ないため、回収トレイ88の下端部に設けられた回収管
89を介して排液タンク64に排出される。
【0034】安定液塗布機構73は、図5に示すよう
に、その下方に複数の吐出孔131が穿設された安定液
供給管132と、その下端部に安定液を流下させるため
の複数の開口部133を穿設した安定液受け部134
と、その表面が単泡性のスポンジより構成され平版印刷
版Mと当接して回転する塗布ローラ135と、その表面
が凹凸状に形成され安定液受け部134の開口部133
から流下した安定液を塗布ローラ135に案内するため
の拡散フィルム136と、平版印刷版Mを塗布ローラ1
35に向けて付勢する板バネ138とを有する。なお、
図4における矢印は、平版印刷版Mの搬送方向を示して
いる。
【0035】安定液供給管132は、前述した安定液タ
ンク82とポンプ83を介して接続されており、安定液
はポンプ83の駆動により複数の吐出孔131から吐出
される。この安定液は、安定液受け部134に一旦受け
取られた後、複数の開口部133から拡散フィルム13
6に向けて流下する。安定液受け部134の開口部13
3から流下した安定液は、塗布ローラ135と拡散フィ
ルム136との当接部分に一旦貯留されて、平版印刷版
Mの搬送方向と直交する方向に拡散される。そして、こ
の安定液は、塗布ローラ135の回転に伴い、拡散フィ
ルム136表面の凹凸による開口部を通過して塗布ロー
ラ135と板バネ138との当接部方向に移動し、そこ
に液溜めを形成する。
【0036】そして、平版印刷版Mがこの液溜めを通過
するときに、平版印刷版Mの感光面に安定液が塗布され
る。このとき、平版印刷版Mの感光面は板バネ138に
より塗布ローラ135の表面に押しつけられていること
から、平版印刷版Mの感光面に塗布された安定液は、塗
布ローラ135表面の単泡スポンジによる多数の孔によ
り一定量に計量される。従って、板バネ138と塗布ロ
ーラ135との当接部を通過した平版印刷版Mの感光面
には、常に安定に必要な一定量の安定液が塗布されてい
ることになる。
【0037】なお、板バネ138には、板バネ138と
塗布ローラ135との当接部に必要以上の安定液が貯留
され、液溜めが過度に大きくなることを防止するための
オーバフロー孔137が設けられている。
【0038】乾燥部34は、安定部33より搬送された
平版印刷版Mを支持して搬送するゴムローラ102と、
ゴムローラ102に対して所定の圧力をもって当接する
ことにより平版印刷版Mの乾燥むらを防止する鏡面ロー
ラ103と、鏡面ローラ103に対してゴムローラ10
2を介して洗浄液を供給するための洗浄液貯留部104
と、ファン105およびヒータ106を有し平版印刷版
Mに温風を吹き付けて乾燥する乾燥機構107と、平版
印刷版Mを搬送するための複数の搬送ローラ108、1
09、110とを有する。洗浄液貯留部104は、図3
に示すように、現像部32における一対の絞りローラ4
4、45に対して洗浄液を供給するための洗浄液供給管
105とポンプ106を介して接続されている。
【0039】この現像処理装置3による平版印刷版Mの
現像処理は以下のようにしてなされる。
【0040】すなわち、前段の露光装置2により画像を
記録された平版印刷版Mは、一対の導入ローラ41、4
2によって搬送され、現像液塗布機構43により、平版
印刷版Mの現像処理に必要な量の現像液を塗布される。
現像処理に必要な量の現像液のみを塗布された平版印刷
版Mは、現像液塗布機構43から一対の絞りローラ4
4、45に至る空間現像部を搬送される間に、その感光
面において現像処理が完了する。そして、平版印刷版M
に付着している現像処理に供された現像液は、一対の絞
りローラ44、45により除去される。続いて、平版印
刷版Mは、安定液塗布機構73により、平版印刷版Mの
安定処理に必要な量の安定液を塗布される。安定処理に
必要な量の安定液のみを塗布された平版印刷版Mは、一
対の絞りローラ74、75まで搬送される間に安定化処
理され、平版印刷版Mに付着している安定化処理に供さ
れた安定液は、一対の絞りローラ74、75により除去
される。そして、安定化処理の終了した平版印刷版M
は、鏡面ローラ103によって押圧されることにより乾
燥むらを予防された後、乾燥機構107により乾燥処理
され、図1に示す排出トレイ29上に排出される。
【0041】この現像処理装置3においては、平版印刷
版Mに現像処理に必要な量の現像液のみが塗布されて現
像処理が行われるため、処理に要する現像液の使用量を
減少することが可能となる。また、平版印刷版Mに対し
て、実質的に未使用の処理液が供給されることとなるた
め、平版印刷版Mに対して常に均一な処理を施すことが
可能となる。
【0042】次に、現像部32において、現像液塗布後
の平版印刷版Mを前述したように上方に向けて案内する
構成について説明する。図6は現像部32の一部を拡大
して示す概要図である。
【0043】平版印刷版Mは、一対の導入ローラ41、
42により搬送されガイド部材47により案内されて、
塗布ローラ125およびバックアップローラ128の間
に挿入される。そして、平版印刷版Mは、塗布ローラ1
25とバックアップローラ128との間を通過する際
に、その感光面に現像液を塗布されると共に、塗布ロー
ラ125により現像液の塗布量を計量される。
【0044】塗布ローラ125とバックアップローラ1
28との間を通過した平版印刷版Mは、当該平版印刷版
Mの感光面とは逆側に配置され、平版印刷版Mの感光面
と逆側の面に当接するガイド部材48により上方に案内
される。
【0045】即ち、このガイド部材48は、平版印刷版
Mの搬送方向と直交する方向(図6における紙面に垂直
な方向)に延びる屈曲した板状部材より構成されてお
り、ガイド部材48の上端部は、平版印刷版Mが搬送さ
れることにより平版印刷版Mの感光面の逆側の面に当接
してそこを摺動する当接部として機能する。そして、ガ
イド部材48上端の当接部は、塗布ローラ125とバッ
クアップローラ128との当接部よりも若干上方に配置
されている。このため、塗布ローラ125とバックアッ
プローラ128との間を通過し、ガイド部材48と当接
した状態で搬送される平版印刷版Mは、図6に示すよう
に、角度θだけ上方に向けて案内される。
【0046】このとき、前述した拡散フィルム126を
介して塗布ローラ125に供給された現像液は、塗布ロ
ーラ125による計量位置の上流側の塗布ローラ125
と平版印刷版Mとの当接部において液溜めを形成する
が、平版印刷版Mは塗布ローラ125と当接後に上方に
案内されるため、この液溜めの大きさ等が平版印刷版M
への現像液の塗布量に影響を与えることはない。
【0047】また、平版印刷版Mが塗布ローラ125と
バックアップローラ128との間を通過してその感光面
に現像液を塗布される際には、平版印刷版Mの感光面と
逆側の面にも現像液が塗布されてしまう。この感光面と
逆側の面に塗布された現像液は、現像処理には全く利用
されないものであり、この現像液が廃棄された場合に
は、現像液が無駄に消費されることになる。
【0048】しかしながら、上述したように、ガイド部
材48上端の当接部が塗布ローラ125とバックアップ
ローラ128との間を通過した平版印刷版Mの感光面と
逆側の面を摺動することにより、平版印刷版Mの感光面
と逆側の面に塗布され付着した現像液はガイド部材48
により掻き取られる。そして、ガイド部材48により掻
き取られた現像液は、前述したように、ガイド部材48
から回収トレイ54上に滴下する。さらに、この現像液
は、図3に示すように、回収トレイ54の下端部に設け
られた回収管55を介して現像液タンク52の液受部5
6に滴下し、現像液タンク52内に回収される。このた
め、平版印刷版Mの感光面とは逆側の面に現像液が付着
して持ち出されることにより、現像液が無駄に消費され
ることを防止することができる。
【0049】ガイド部材48上を通過した平版印刷版M
は、ガイド部材49、50に案内されて一対の絞りロー
ラ44、45の間に挿入される。
【0050】上述した平版印刷版Mを上方に向けて案内
する角度θとしては、3°乃至35°とすることが好ま
しい。この角度θを3°以下にすると、現像液の粘度等
にも左右されるが、塗布ローラ125による計量位置の
上流側の塗布ローラ125と平版印刷版Mとの当接部に
形成される液溜めが大きくなった場合に、当該液溜めを
構成する現像液が塗布ローラ125の溝による開口部1
25cを通過して平版印刷版Mの搬送方向へ流れ出して
しまう場合がある。また、この角度θを35°以上にす
ると、現像液の粘度等にも左右されるが、平版印刷版M
に塗布された現像液が搬送方向と逆方向へ逆流してしま
う場合がある。
【0051】なお、安定部33において、塗布ローラ1
35と板バネ138との間を通過して安定液を塗布され
た後の平版印刷版Mの感光面とは逆側の面に当接するガ
イド部材76も、ガイド部材48と同様、平版印刷版M
の感光面とは逆側の面に塗布された安定液を掻き取って
除去する作用を奏する。
【0052】上述した実施の形態においては、計量手段
として金属製のローラ125aの表面にワイヤー125
bを巻回したワイヤーバーから構成された塗布ローラ1
25を使用した場合について説明したが、その表面にそ
の他の凹凸が形成された計量ローラを使用してもよい。
また、これらのローラを回転させない状態で使用しても
よい。
【0053】また、上述した実施の形態においては、塗
布ローラ125が、平版印刷版Mに現像液を供給する供
給手段および現像液を計量する計量手段の両方を兼ねて
いる場合について説明したが、平版印刷版Mに対する現
像液の供給と当該現像液の計量とを別々の機構により実
行するようにしてもよい。
【0054】また、上述した実施の形態においては、案
内手段として、平版印刷版Mの搬送方向と直交する方向
(図6における紙面に垂直な方向)に延びる屈曲した板
状部材より構成されるガイド部材48を使用した場合に
ついて説明したが、その他の案内手段を使用することも
できる。この場合、平版印刷版Mの感光面とは逆側の面
に付着する現像液を除去するためには、平版印刷版Mの
搬送に伴って平版印刷版Mの感光面とは逆側の面全域を
相対的に摺動しうる構成とする必要がある。
【0055】さらに、上述した実施の形態においては、
感光材料として銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版Mを使用した場合について説明したが、この
発明は、その他の各種の感光材料を使用する感光材料処
理装置にも適用することが可能である。
【0056】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、感光材
料を上方に向けて案内する案内手段を備えたことから、
少量の処理液を感光材料に供給した場合においても、処
理液を均一に塗布することが可能となる。特に、感光材
料を上方に向けて案内する案内手段の作用により、計量
手段として、その表面に凹凸が形成された計量ローラを
使用した場合においても、処理液供給手段からの処理液
の供給量の多少にかかわらず、処理液を均一に塗布する
ことが可能となる。このため、処理液の塗布むらに起因
する感光材料の処理むらを防止することができる。さら
に、案内手段は計量手段に当接後の感光材料を水平方向
に対し3乃至35°の角度で上方に向けて案内すること
から、計量手段と感光材料との当接部に形成される液溜
めが大きくなった場合に、当該液溜めを構成する処理液
が計量手段の凹部を通過して感光材料の搬送方向へ流れ
出してしまうという問題や、感光材料に塗布された処理
液が搬送方向と逆方向へ逆流してしまうという問題の発
生を防止することが可能となる。
【0057】請求項2に記載の発明によれば、案内手段
は感光材料の感光面とは逆側の面に付着する処理液を掻
き取るように構成されたガイド部材からなり、ガイド部
材の下方には当該ガイド部材により感光材料から掻き取
られた処理液を処理液タンクに回収する回収路が配設さ
れていることから、感光材料の感光面とは逆側の面に付
着する処理液を回収することが可能となり、処理液の無
駄な消費を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平版印刷版の製版装置の概要図である。
【図2】現像処理装置3の概要図である。
【図3】現像処理装置3の配管系を示す概要図である。
【図4】現像液塗布機構43を示す概要図である。
【図5】安定液塗布機構73を示す概要図である。
【図6】現像部32の一部を拡大して示す概要図であ
る。
【図7】塗布ローラ125の一部を拡大して示す断面図
である。
【符号の説明】
2 露光装置 3 現像処理装置 32 現像部 33 安定部 34 乾燥部 41 導入ローラ 42 導入ローラ 43 現像液塗布機構 44 絞りローラ 45 絞りローラ 48 ガイド部材 52 現像液トレイ 54 回収トレイ 55 回収管 56 液受け部 122 現像液供給管 125 塗布ローラ 128 バックアップローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国弘 彰 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 三菱製紙株式会社内 (72)発明者 川口 靖弘 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (72)発明者 宮坂 英二 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (72)発明者 木村 雅治 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (56)参考文献 特開 昭63−158547(JP,A) 特開 平4−303835(JP,A) 実開 昭62−179746(JP,U) 実開 昭51−6931(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03D 5/06 G03D 13/00 G03F 7/07 G03F 7/30 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料をその感光面を上向きにした状
    態で搬送する搬送手段と、 前記搬送手段により搬送される感光材料に処理液を供給
    するための処理液供給手段と、 前記搬送手段により搬送される感光材料の感光面と当接
    し、前記処理液供給手段により供給された処理液を前記
    感光材料に塗布するとともに計量する、その表面に凹凸
    が形成された計量ローラから成る計量手段と、 前記計量手段に当接後の感光材料の感光面とは逆側の面
    に当接し、前記計量手段に当接後の感光材料を水平方向
    に対し3乃至35°の角度で上方に向けて案内する案内
    手段と、 を備えたことを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 感光材料をその感光面を上向きにした状
    態で搬送する搬送手段と、 前記搬送手段により搬送される感光材料に処理液を供給
    するための処理液供給手段と、 前記搬送手段により搬送される感光材料の感光面と当接
    し、前記処理液供給手段により供給された処理液を前記
    感光材料に塗布するとともに計量する、その表面に凹凸
    が形成された計量ローラから成る計量手段と、 前記搬送手段により搬送される感光材料の感光面と当接
    し、前記処理液供給手段により供給された処理液を前記
    感光材料に塗布するとともに計量する、その表面に凹凸
    が形成された計量ローラから成る計量手段と、 感光材料の搬送方向と交差する方向に延びる当接部を有
    するガイド部材から成り、前記計量手段に当接後の感光
    材料の感光面とは逆側の面に当接し、感光材料の搬送に
    伴って当該当接部が感光材料の感光面とは逆側の面を相
    対的に摺動することにより感光材料の感光面とは逆側の
    面に付着する処理液を掻き取るように構成された、感光
    材料を上方に向けて案内する案内手段と、 を備え、 前記ガイド部材の下方には、当該ガイド部材により感光
    材料から掻き取られた処理液を処理液タンクに回収する
    回収路が配設されていることを特徴とする感光材料処理
    装置。
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