JPH0792692A - 水なし平版印刷用原版の現像装置 - Google Patents

水なし平版印刷用原版の現像装置

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JPH0792692A
JPH0792692A JP23666193A JP23666193A JPH0792692A JP H0792692 A JPH0792692 A JP H0792692A JP 23666193 A JP23666193 A JP 23666193A JP 23666193 A JP23666193 A JP 23666193A JP H0792692 A JPH0792692 A JP H0792692A
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JP
Japan
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plate
brush
brush roller
developing
printing plate
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Application number
JP23666193A
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English (en)
Inventor
Taku Isobe
卓 磯部
Takao Kinashi
隆夫 木梨
Norimasa Ikeda
憲正 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】現像部に設けられた、版の表面を擦る2本以上
かつ少なくとも1本を他と反対方向に回転させたブラシ
ローラと、ブラシローラ回転手段と、該ブラシローラ回
転手段と独立したブラシローラ揺動手段と、洗浄部に設
けられた、版の表面を擦るブラシと、該版の表面を擦る
ブラシに対向して設けられた版の裏面を擦るブラシと、
該版の裏面を擦るブラシの上流側および/または下流側
であって版搬送経路の下方に設けた撥ね下げ防止部材
と、処理液タンクと、該処理液タンクより処理液をオー
バーフロー排出するオーバーフロー配管と、該オーバー
フロー配管の途中に設けた濾過手段とを含む。 【効果】版搬送速度を向上し、洗浄部を不必要に大きく
することなく、版の表裏両面の染色液を除去し、オーバ
ーフロー排出配管に現像かすが詰まるのを防ぐことがで
きる水なし平版印刷用原版の現像装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水なし平版印刷用原版の
現像装置に関するものであり、さらに詳しくは、基板上
に、インキを受容しうる感光層、インキを反発しうるシ
リコーンゴム層とをこの順に設けてなる水なし平版印刷
用原版を、版搬送ローラにより搬送し、表面側をブラシ
で擦りながら現像する水なし平版印刷用原版の現像装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム層をインキ反
発層とする水なし平版印刷用原版が知られている。特公
昭44−23042号、特公昭46−16044号、特
公昭54−26923号、特公昭55−22781号、
特公昭61−54219号、特公昭61−54222号
公報などには、基板上に感光層、およびシリコーンゴム
層をこの順に設けた水なし平版印刷用原版が開示されて
いる。これらの水なし平版印刷用原版は特開昭60−5
9351号、特開昭63−163357号公報などにお
いて開示された現像方法により現像される。
【0003】これらの現像方法を用いた現像装置では、
東レ(株)社の水なし平版専用自動現像機TWLが知ら
れている。
【0004】しかしながら、この現像装置では、現像処
理速度(すなわち版の搬送速度)を速くすると、ブラシ
ローラが水なし平版印刷用原版(以下「版」と略す)の
表面を擦る回数が減少して、画線部のシリコーンゴム層
が除去できないという問題点があった。
【0005】この問題点に対し、ブラシローラの回転数
を増大し、擦り回数を増やす試みがなされた。しかしな
がら、ブラシローラの回転と往復動を同一モータで駆動
する機構であったことから、往復動数も増大し、装置本
体の振動が激しくなり、装置の耐久性を著しく低下させ
るという問題点が生じた。
【0006】また、特開平4−226465号、特開平
4−241356号公報には、複数のブラシローラを設
け、擦り回数を増やす方式が記載されている。しかしな
がら、すべてのブラシローラを、版搬送ローラと同じ方
向に回転すると、画線部の上流側・縁部にシリコーンゴ
ム層が残りやすく、印刷時に色調ムラが生じるという問
題点があった。
【0007】また、東レ(株)社の水なし平版専用自動
現像機TWLでは、染色部において、版に塗布された染
色液をゴムローラで絞り取っているが、完全には除去で
きないため、版を運搬する作業者の手が汚れる等の問題
点があった。
【0008】これに対し、特開平4−218054号公
報には、染色部の下流側に洗浄部を設け、該洗浄部に、
版の表面および裏面の両面に水溶液を供給する方式が記
載されている。
【0009】しかしながら、親油性である画線部を染色
する染色液には油成分が含まれていることから、水溶液
をノズル等より散布するだけでは十分に洗浄できないと
いう問題点があった。
【0010】これに対し、本発明者らは、特願平5−4
3702号に、該洗浄部にブラシローラを設け、洗浄液
を供給しながら染色液を擦り取る方式を提案した。
【0011】しかしながら、版の裏面を擦るブラシロー
ラを搬送ローラと同じ方向に回転させた場合は、該ブラ
シローラによって版の末端が撥ね下げられ、版が曲がる
という問題点があり、版の裏面を擦るブラシローラを搬
送ローラと逆方向に回転させた場合は、該ブラシローラ
によって版の先端が撥ね下げられ、版が本来の搬送経路
から外れるという問題点があった。
【0012】また、版の表面を擦るブラシローラと裏面
から支持する受台を一対、版の裏面を擦るブラシローラ
と表面から支持する受ローラを一対、別々に設けると、
洗浄部が不必要に大きくなるという問題点があった。
【0013】さらに、東レ(株)社の水なし平版専用自
動現像機TWLでは、現像タンクより現像水をオーバー
フロー排出しているが、現像かす(版の表面から擦り取
ったシリコーンゴム層)が排出水に混入し、排出配管を
詰まらせるという問題点があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点の解決を図るもので、印刷時に色調ムラを生じ
させたり、装置の耐久性を低下させたりすることなく、
現像処理速度を向上し、洗浄部を不必要に大きくするこ
となく、版の表裏両面の染色液を除去し、版が曲がった
り、本来の経路から外れたりするのを防ぎ、オーバーフ
ロー排出配管に現像かすが詰まるのを防ぐことができる
水なし平版印刷用原版の現像装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の構成により達成される。
【0016】(1)少なくとも水なし平版印刷用原版の
画線部のシリコーンゴム層を除去する現像部を備えた水
なし平版印刷用原版の現像装置であって、該現像部に、
水なし平版印刷用原版の表面を擦るブラシローラを2本
以上と、該ブラシローラを回転させるブラシローラ回転
手段と、該ブラシローラを揺動させるブラシローラ揺動
手段とを設け、少なくとも1本のブラシローラをその他
のブラシローラと反対方向に回転させ、かつ該ブラシロ
ーラ回転手段と該ブラシローラ揺動手段とを独立させた
ことを特徴とする水なし平版印刷用原版の現像装置。
【0017】(2)該現像部の前に、水なし平版印刷用
原版の画線部の感光層の一部を溶解または膨潤させる前
処理部を設けたことを特徴とする請求項1記載の水なし
平版印刷用原版の現像装置。
【0018】(3)該現像部の後ろに、水なし平版印刷
用原版の画線部を染色処理する染色部を設けたことを特
徴とする請求項1記載の水なし平版印刷用原版の現像装
置。
【0019】(4)該染色部の後ろに、水なし平版印刷
用原版の少なくとも表面を洗浄する洗浄部を設けたこと
を特徴とする請求項3記載の水なし平版印刷用原版の現
像装置。
【0020】(5)該洗浄部に、水なし平版印刷用原版
の表面を擦るブラシと、該ブラシに対向して水なし平版
印刷用原版の裏面を擦るブラシとを設け、水なし平版印
刷用原版の表裏を同時に洗浄することを特徴とする請求
項4記載の水なし平版印刷用原版の現像装置。
【0021】(6)該洗浄部に、水なし平版印刷用原版
の裏面を擦るブラシローラと、該ブラシローラの上流側
および/または下流側であって版搬送経路の下方に撥ね
下げ防止部材とを設けることを特徴とする請求項4記載
の水なし平版印刷用原版の現像装置。
【0022】(7)前処理部、現像部、染色部、洗浄部
の少なくとも一つの部分に、処理液タンクと、該処理液
タンクより処理液をオーバーフロー排出するオーバーフ
ロー配管と、該オーバーフロー配管の途中に濾過手段と
を設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
載の水なし平版印刷用原版の現像装置。
【0023】本発明にかかる現像装置が適用できる水な
し平版印刷用原版は、基板上に感光層、およびシリコー
ンゴム層をこの順に設けた水なし平版印刷用原版であ
り、公知のものを使用することができる。
【0024】
【作用】本発明の現像装置によると、現像部に、版の表
面を擦るブラシローラを2本以上設け、かつ少なくとも
1本を他のブラシローラと反対方向に回転させているた
め、現像処理速度の向上が図れ、かつ印刷時に色調ムラ
が生じるのを防ぐことができる。
【0025】また、ブラシローラ回転手段とブラシロー
ラ揺動手段とを独立して設けているため、ブラシローラ
回転数を増大させることによりさらに現像処理速度の向
上が図れ、かつブラシローラ揺動数を必要最小限に抑え
ることにより装置の耐久性が低下するのを防ぐことがで
きる。
【0026】また、洗浄部に、版の表面を擦るブラシと
裏面を擦るブラシとを対向して設けているため、洗浄部
を不必要に大きくすることなく、表裏両面の染色液を除
去することができる。
【0027】また、洗浄部において、版の裏面を擦るブ
ラシローラの上流側および/または下流側に撥ね下げ防
止部材を設けているため、版が曲がったり、本来の経路
から外れたりするのを防ぐことができる。
【0028】また、オーバーフロー配管に濾過手段を設
けているため、後流の配管に現像かすが詰まるのを防ぐ
ことができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0030】図1には本発明が適用された水なし平版印
刷用原版の現像装置1の実施例が示されている。この現
像装置1は前処理部2、現像部3、染色部4、洗浄部
5、除液部6とからなり、水なし平版印刷用原版7を現
像・染色処理した後に、洗浄し、さらに洗浄液を除去す
ることができる。ここで使用される水なし平版印刷用原
版7は例えば以下の方法により作製されたものが用いら
れる。
【0031】厚さ0.3mmのアルミ板上に下記の感光
液を塗布し、110℃、2分で加熱乾燥し、厚さ6μm
の塗膜を形成した。 (a)N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシ−3−メタクロイルオ キシプロピル)−m−キシリレンジアミン(グリシジルメタクリレートとm−キ シリレンジアミンの4:1モル比反応物) 100重量部 (b)“パンテックス”T−5201(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレ タン樹脂) 150重量部 (c)N−メチルアクリドン 5重量部 (d)4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 5重量部 (e)クリスタルバイオレットと4−トルエンスルホン酸ナトリウム塩との反応 生成物 0.5重量部 (f)ジメチルホルムアミド 800重量部 この感光層の上に、次の組成を有するシリコーン溶液を
塗布、90℃、2分で加熱乾燥し、厚さ3μmのシリコ
ーンゴム層を設けた。 (a)両末端シラノール基のポリジメチルシロキサン(平均分子量35000) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 12重量部 (c)ジブチルスズジアセテート 0.2重量部 (d)n−ヘプタン 120重量部 このようにして設けたシリコーンゴム層の表面に厚さ1
2μmのポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラ
ー”(東レ(株)製)をカレンダーローラでラミネート
し、水なし平版印刷用原版7とした。この印刷用原版に
ポジフィルムを真空密着させて、3kWの高圧水銀灯を
用いて1mの距離から90秒露光した。露光後、カバー
フィルムを剥離した後、本発明の現像装置にて現像を行
なった。前処理部2で使用される現像液(以下これを前
処理液8とする)は、以下の組成を有する液を用いた。 (a)ポリプロピレングリコール(平均分子量200) 90重量部 (b)ポリプロピレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル(平均分子量15 00) 10重量部 現像部3で使用される処理液(以下これを現像水9とす
る)には、水を用いた。また、染色部4で使用される染
色液10は、以下の組成を有する液を用いた。 (a)Brilliant Basic Cyanine 6GH(保土谷化学 工業(株)製の塩基性染料) 0.2重量部 (b)“ハイテノール”12(第一工業製薬(株)乳化剤) 0.2重量部 (c)ブチルカルビトール 5重量部 (d)水 84.6重量部 洗浄部5で使用される洗浄液11には、水を用いた。
【0032】本実施例における前処理部2の前処理槽2
1は、逆山形状で、底部に、上面を開口させた前処理タ
ンク22を有しているが、前処理槽21は逆山形状に限
らず、箱形でも他の形状でもよく、また前処理槽21と
独立させて前処理タンク22を設けることも可能であ
る。前処理タンク22には前処理液8が収容される。
【0033】前処理槽21は保守・点検のために上部を
開口させているが、通常は上蓋23を載せて、前処理液
8への塵埃の混入を防止し、かつ前処理液8の放熱を抑
えている。
【0034】前処理槽21の上部には、水なし平版印刷
用原版7(以下これを版7と略す)の入口側から順に搬
送ローラ対24、25が配置されている。搬送ローラ対
24、25は図示していない側板に支持され、図示して
いない駆動手段の駆動力が伝達されて回転し、版7を図
1の矢印A方向へ所定速度で搬送するようになってい
る。搬送ローラ対24、25の表面にはゴムが巻かれ、
搬送する版7の表面を傷つけないように配慮されてい
る。ゴムの材質としては、シリコーンゴム、ポリブタジ
エンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリクロロプレン
ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチル
ゴム、フッ化炭化水素ゴム等が挙げられるが、これらに
限定されない。ゴムの硬度は10〜100度が好まし
く、より好ましくは20〜40度である。搬送ローラ対
24は、前処理槽21内の版7の搬送経路の最前部に配
置されて、版7の上に塗布された前処理液8をせき止め
る役目を果たしている。また、搬送ローラ対25は、前
処理槽21内の版7の搬送経路の最後部に配置されて、
版7から前処理液を絞り取る役目を果たしている。ここ
で、搬送性を向上させるため、搬送ローラ対24と25
との間に、搬送ローラ対を一対以上設けることは任意で
ある。また、本実施例では、搬送ローラとして上下一対
のローラを用いたが、これに限らず版面上のみローラと
し、裏面側はローラ以外の板状、網状のものなどであっ
てもよい。
【0035】さらに、上記した搬送ローラ対24、25
の版7の挾持圧力は、例えば0.01〜20kg/cm
2 (好ましくは0.03〜2.0kg/cm2 )に設定
することができる。
【0036】搬送ローラ対24と25との間には、搬送
ガイド26が配置されており、版7が、その自重と塗布
された前処理液8の重さにより垂れ下がって、搬送経路
から外れることを防止している。搬送ガイド26の材質
としては、前処理液8に侵されず、版7の表面を傷付け
ないようなものであれば何でもよいが、シリコーンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴ
ム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニウム、銅、ステン
レス、ニッケルチタン等の金属あるいは合金類、および
これらの複合材料等が用いられる。
【0037】搬送ローラ対24の上側ローラの上部に接
してローラ構造のスキージ部材27が設けられている。
スキージ部材27は搬送ローラ対24、25と同様に図
示していない側板によって支持され、搬送ローラ対24
の回転に従動して回転するように構成されている。スキ
ージ部材27によって搬送ローラ対24についた余分な
前処理液を絞り取ることができ、装置の外に前処理液が
流出するのを防ぐことができる。ここで、搬送ローラ対
25の上部にスキージ部材27と同様のスキージ部材を
設けることは任意である。スキージ部材27の形状とし
ては、ローラ構造に限定されず、例えば非回転式の板状
のスキージ部材であってもよい。スキージ部材27の材
質としては、前処理液8に侵されず、搬送ローラ対を傷
付けないようなものであれば何でもよいが、シリコーン
ゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ブチル
ゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニウム、銅、ステ
ンレス、ニッケルチタン等の金属あるいは合金類、およ
びこれらの複合材料等が用いられる。
【0038】搬送ローラ対24の上方にはシャワーパイ
プ28が配置されている。このシャワーパイプ28に
は、搬送ローラ対24の上側のローラに対向して吐出口
28Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設けられてい
る。このシャワーパイプ28は流量調節バルブ29を介
してシャワー配管30で後述する前処理液循環装置と連
通されている。これによって前処理液8がシャワーパイ
プ28へ送りこまれ、搬送ローラ対24の上側のローラ
へ吐出され、版7上へ塗布されるようになっている。
【0039】搬送性を向上させるため、搬送ローラ対2
4と25との間に、さらに搬送ローラ対を設けた場合
は、搬送ローラ対24同様、その上方にシャワーパイプ
を配置しなければならない。
【0040】前処理液循環装置は、循環ポンプ31、圧
力計32、フィルタ交換用バルブ33と35、フィルタ
34、シャワー配管30、およびバイパス管36で構成
されている。
【0041】循環ポンプ31は市販の汎用ポンプが使用
でき、制御部37により、その動作が制御される。循環
ポンプ31の吸入口側は前処理タンク22の底部と連通
され、吐出口側はシャワー配管30に連通されている。
この循環ポンプ31の運転によって、前処理タンク22
の前処理液8がシャワー配管30を通ってシャワーパイ
プ28へ送られるようになっている。
【0042】シャワー配管30の途中にはフィルタ3
4、およびフィルタ交換用バルブ33、35が配置され
ている。このフィルタ34によって、シャワー配管30
内を通る前処理液中のゴミを濾過し、シャワーパイプの
吐出口28Aの目詰まりを防止している。フィルタ34
には、濾過精度が10〜1000μmのものが使用され
ている。また、フィルタ交換用バルブ33、35は、フ
ィルタ交換の際、これらのバルブを閉じることにより前
処理タンク22内の前処理液8が流れ出るのを防ぐため
に設けられている。
【0043】循環ポンプ31とフィルタ34との間には
圧力計32が設けられており、フィルタ34に入る前処
理液8の圧力が検出されるようになっている。圧力計3
2は制御部37と結線されており、圧力検出結果は制御
部37に伝達される。この圧力計32の代わりに流量計
を用いてもよい。フィルタ34に入る前処理液8の圧力
が所定値以上になった場合、制御部37に接続された表
示器38にフィルタ34の交換を促す表示がなされる。
【0044】バイパス管36を設けることにより、前処
理タンク内の前処理液8は循環攪拌され、前処理全体の
温度は均一になる。
【0045】また、前処理タンク22内には温度検出器
39、ヒータ40、およびフロートスイッチ41が配置
されている。温度検出器39は制御部37と結線されて
おり、温度検出結果が制御部37に伝達されるようにな
っている。ヒータ40は制御部37内の電源と接続され
ており、温度検出結果に基づいて電源が入切される。こ
れによって前処理液8の温度は10〜60℃、好ましく
は20〜50℃に制御される。また、フロートスイッチ
41は前処理液8の減少を検知するものであり、制御部
37と結線されている。前処理液37の減少を検知した
場合、ヒータ40の電源が切られ、循環ポンプ31が停
止するようになっている。これにより、ヒータ40の電
熱面が液面から露出した状態でヒータ40に電源が入る
こと、および空気を噛み込んだ状態で循環ポンプ31が
空運転することを防いでいる。そして表示器38に前処
理液8の補充を促す表示がなされるようになっている。
【0046】次に現像部3について説明する。
【0047】本実施例における現像部3の現像槽51
は、逆山形状で、底部に、上面を開口させた現像タンク
52を有しているが、現像槽51は逆山形状に限らず、
箱形でも他の形状でもよく、また、現像槽51と独立さ
せて現像タンク52を設けることも可能である。現像タ
ンク52には現像水9が収容される。
【0048】現像槽51は保守・点検のため上部を開口
させているが、通常は上蓋53を載せて、現像水9への
塵埃の混入を防止し、かつ現像水9の放熱を抑えてい
る。
【0049】現像槽51の上部には、版7の入口側から
順に搬送ローラ対54、55、56が配置されている。
搬送ローラ対54、55、56は図示していない側板に
支持され、図示していない駆動手段の駆動力が伝達され
て回転し、版7を矢印A方向へ所定速度で搬送するよう
になっている。搬送ローラ対54、55、56の表面に
はゴムが巻かれ、搬送する版7の表面を傷つけないよう
に配慮されている。ゴムの材質としては、シリコーンゴ
ム、ポリブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポ
リクロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等が挙げられ
るが、これらに限定されない。ゴムの硬度は10〜10
0度が好ましく、より好ましくは20〜40度である。
搬送ローラ対54は、現像槽51内の版7の搬送経路の
最前部に配置されて、版7の上に塗布された現像水9を
せき止める役目を果たしている。本実施例ではブラシロ
ーラ57の上流側に搬送ローラ対を一対配置している
が、二対以上設けてもよい。また、搬送ローラ対55
は、ブラシローラ57とブラシローラ58との中間に配
置されて、版7の搬送力を向上している。本実施例で
は、ブラシローラ57とブラシローラ58との中間に搬
送ローラ対を一対配置しているが、二対以上設けてもよ
く、また、設けなくてもよい。搬送ローラ対56は、現
像槽51内の版7の搬送経路の最後部に配置されて、版
7から現像水9を絞り取る役目を果たしている。本実施
例ではブラシローラ57の下流側に搬送ローラ対を一対
配置しているが、版7の上に塗布された現像水9を絞り
取るために、二対以上設けてもよい。また、本実施例で
は、搬送ローラとして上下一対のローラを用いたが、こ
れに限らず版面上のみローラとし、裏面側はローラ以外
の板状、網状のものなどであってもよい。
【0050】さらに、上記した搬送ローラ対54、5
5、56の版7の挾持圧力は、例えば0.01〜20k
g/cm2 (好ましくは0.03〜2.0kg/c
2 )に設定することができる。
【0051】搬送ローラ対54の上側ローラの上部に接
してローラ構造のスキージ部材59が設けられている。
スキージ部材59は搬送ローラ対54、55、56と同
様に図示していない側板によって支持され、搬送ローラ
対54の回転に従動して回転するように構成されてい
る。スキージ部材59によって搬送ローラ対54につい
た余分な現像水を絞り取ることができ、装置の外あるい
は前処理槽21側へ現像水9が流出するのを防ぐことが
できる。ここで、搬送ローラ対55、56の上部にスキ
ージ部材59を設けることは任意である。スキージ部材
59の形状としては、ローラ構造に限定されず、例えば
非回転式の板状のスキージ部材であってもよい。スキー
ジ部材59の材質としては、現像水に侵されず、搬送ロ
ーラを傷付けないようなものであれば何でもよいが、シ
リコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴ
ム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニウ
ム、銅、ステンレス、ニッケルチタン等の金属あるいは
合金類、およびこれらの複合材料等が用いられる。
【0052】搬送ローラ対54と55との間にはブラシ
ローラ57が配置されている。このブラシローラ57
は、版7の表面を擦ることによって画線部に相当するシ
リコーンゴム層を掻き取るためのものである。ブラシロ
ーラ57は、後述のブラシローラ回転手段によって、搬
送ローラ対54、55、56の回転方向と同じ方向(B
方向、以下「正回転」とする)に回転するようになって
いる。また、場合によっては、搬送ローラ対54、5
5、56の回転方向の逆方向(以下「逆回転」とする)
へ回転してもよい。
【0053】搬送ローラ対55と56との間にはブラシ
ローラ58が配置されている。このブラシローラ58
は、版7の表面を擦ることによって、ブラシローラ57
で取り残したシリコーンゴム層を掻き取るためのもので
ある。ブラシローラ58は、後述のブラシローラ回転手
段によって、逆回転(C方向)するようになっている。
ただし、ブラシローラ57を逆回転させる場合は、ブラ
シローラ58は正回転させる。
【0054】ブラシローラ57、58としては、直径2
0〜500μmのブラシ素材を金属あるいはプラスチッ
ク等の溝型材に列状に植え込んだものを芯に取り付けた
ものが一般的だが、上記ブラシ素材を金属あるいはプラ
スチック等の芯に放射状に植え込んだものでもよく、上
記ブラシ素材をプラスチックシ−トあるいは布等の基材
に植え込んだものを芯に巻いたものでもの等でもよい。
【0055】ブラシローラ57、58のブラシ材質をポ
リ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、およびポリプロピレ
ンの群より選ばれる少なくとも1種とすることにより、
ブラシにより版面を傷付けることなく、またブラシの力
不足により画線部のシリコーンゴムを除去できず、現像
不良を起こすのを防止できる。このブラシローラ57、
58の回転数は10〜1500rpm(好ましくは20
0〜1200rpm)に設定されている。
【0056】またブラシローラ57、58は、後述のブ
ラシローラ揺動手段によって、軸方向へ往復運動させて
いる。これは、版7の画線部のシリコーンゴム層を掻き
取る効果を向上するためである。
【0057】ブラシローラ57、58は、図2に示すよ
うな、ブラシローラ回転手段と、ブラシローラ回転手段
とは独立したブラシローラ揺動手段によって駆動してい
る。
【0058】まず、ブラシローラ回転手段について説明
する。
【0059】モータ301の駆動力が、ベルト302に
よってプーリ303、304に伝達される。プーリ30
3の回転は、内径側がスプライン形状の軸受305、外
径側が一部スプライン形状に加工されたブラシ軸30
6、ブラシ止め金307、ブラシローラ57の順に伝え
られる。また、プーリ304の回転は、ギヤ308、ギ
ヤ309、内径側がスプライン形状の軸受310、外径
側が一部スプライン形状に加工されたブラシ軸311、
ブラシ止め金312、ブラシローラ58の順に伝えられ
る。したがって、ブラシローラ57と58は互いに逆方
向に回転する。内径側がスプライン形状の軸受305、
310は、それぞれベアリング313、314の内輪に
よって支持され、そのベアリング313、314の外輪
は、ハウジング315、316によって、図示していな
い側板に固定されている。
【0060】次に、ブラシローラ揺動手段について説明
する。
【0061】モータ321の出力軸に固定された円盤3
22には、中心からある距離を置いてカムフォロア32
3が取り付けられており、モータ321の駆動力により
カムフォロア323が円運動するようになっている。揺
動アーム324は、ベアリング325を介して支持軸3
26に支持されており、カムフォロア323の円運動を
受けて、支持軸326を中心に振り子運動する。
【0062】ブラシ軸306は、図示していない側板に
固定された軸受327によって支持されている。さら
に、ブラシ軸306には、ベアリング328を介してブ
ロック329が取り付けられている。ブロック329
は、カムフォロア330を介して揺動アーム324の振
り子運動を受け、軸方向に往復運動する。これによって
ブラシ軸306が軸方向に往復運動し、ブラシ止め金3
07によって固定されたブラシローラ57も軸方向に往
復運動する。ブラシローラ58も同様に、軸方向に往復
運動する。
【0063】支持軸326が、カムフォロア330と3
31の間に位置することから、ブラシローラ57と58
の往復運動の位相は180°ずれる。これは、装置本体
の振動の軽減あるいは耐久性の向上に有効である。ブラ
シローラ57と58の往復運動の位相を180°ずらす
揺動駆動機構は、本実施例の方式に限らず他にも考えら
れるが、概して単純な機構でよい。これに対し、位相を
180°ずらす以外にずらそうとすると駆動機構は複雑
になり、装置コストの増大をもたらす。
【0064】ブラシローラ57の下流側であって、版7
の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板60が設けられ
ている。撥ね上げ防止板60は図示していない側板に支
持されている。ブラシローラ57が正回転する場合、版
7の末端がブラシローラ57の下流で撥ね上げられ版が
曲がるのを、撥ね上げ防止板60によって防止すること
ができる。ブラシローラ57が逆回転する場合、撥ね上
げ防止板60をブラシローラ57の上流側に設ければ、
版7の先端が撥ね上げられ版7が本来の搬送経路から外
れるのを防ぐことができる。
【0065】ブラシローラ58の上流側であって、版7
の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板61が設けられ
ている。撥ね上げ防止板61は図示していない側板に支
持されている。ブラシローラ58が逆回転する場合、版
7の先端がブラシローラ58の上流で撥ね上げられ版7
が本来の搬送経路から外れるのを、撥ね上げ防止板60
によって防止することができる。ブラシローラ58が正
回転する場合、撥ね上げ防止板60をブラシローラ57
の下流側に設ければ、版7の末端が撥ね上げられ版が曲
がるのを防ぐことができる。
【0066】撥ね上げ防止板60、61の材質として
は、版を傷付けないものであればどのようなものでもよ
いが、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニト
リルゴム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム
類、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アル
ミニウム、銅、ステンレス、ニッケルチタン等の金属あ
るいは合金類、およびこれらの複合材料等が用いられ
る。
【0067】ブラシローラ57、58の下部には、それ
ぞれブラシ受台62、63が設けられている。版7が通
過する際は、版7がたわまないようにブラシ受台62、
63によって版7を裏面から支持し、ブラシローラ5
7、58によって表面を強く擦ることにより、画線部に
相当するシリコーンゴム層を掻き取れるようになってい
る。
【0068】このブラシ受台62、63の材質は搬送を
スムーズに行なえるものであればどのようなものでもよ
いが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミ
ド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール等の
樹脂類、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケ
ル、チタン等の金属あるいは合金類、およびこれらの複
合材料等が用いられる。このブラシ受台62、63に表
面粗さ5〜2000μm(好ましくは10〜200μ
m)の範囲の加工を施すことにより、ブラシ受台62、
63の表面に付着した現像水の上を版7が搬送される
際、現像水の粘性により版の搬送と逆方向に力が働き、
搬送不良を起こすのを防いでいる。
【0069】搬送ローラ対54とブラシローラ57との
間には、シャワーパイプ64が配置されている。このシ
ャワーパイプ64には、ブラシローラ57に対向して吐
出口64Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設けられて
いる。このシャワーパイプ64は流量調節バルブ65を
介してシャワー配管66で後述する現像水循環装置と連
通されている。これによって現像水9がシャワーパイプ
64へ送りこまれ、ブラシローラ57へ吐出され、版7
上へ塗布されるようになっている。
【0070】またシャワーパイプ67はブラシローラ5
7と搬送ローラ対55との間に配置されている。このシ
ャワーパイプ67には、搬送ローラ対55に対向して吐
出口67Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設けられて
いる。このシャワーパイプ67は流量調節バルブ68を
介してシャワー配管66から分岐している管路で後述す
る現像水循環装置と連通されている。これによって現像
水9がシャワーパイプ67へ送りこまれ、搬送ローラ対
55へ吐出され、版7上へ塗布されるようになってい
る。
【0071】搬送ローラ対55とブラシローラ58との
間には、シャワーパイプ69が配置されている。このシ
ャワーパイプ69には、ブラシローラ58に対向して吐
出口69Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設けられて
いる。このシャワーパイプ69は流量調節バルブ70を
介してシャワー配管66から分岐している管路で後述す
る現像水循環装置と連通されている。これによって現像
水9がシャワーパイプ69へ送りこまれ、ブラシローラ
58へ吐出され、版7上へ塗布されるようになってい
る。
【0072】またシャワーパイプ71はブラシローラ5
8と搬送ローラ対56との間に配置されている。このシ
ャワーパイプ71には、搬送ローラ対56に対向して吐
出口71Aが、軸方向に沿って適当な間隔で設けられて
いる。このシャワーパイプ71は流量調節バルブ72を
介してシャワー配管66から分岐している管路で後述す
る現像水循環装置と連通されている。これによって現像
水9がシャワーパイプ71へ送りこまれ、搬送ローラ対
55へ吐出され、版7上へ塗布されるようになってい
る。
【0073】ブラシローラ57、58の上方には断面形
状が略コ字状のブラシカバー73、74が配置されてい
る。このブラシカバー73、74はブラシローラ57、
58による現像水9の他への飛散を防止している。
【0074】現像水循環装置は、循環ポンプ75、圧力
計76、フィルタ交換用バルブ77と79、フィルタ7
8、シャワー配管66、およびバイパス管80で構成さ
れている。
【0075】循環ポンプ75は市販の汎用ポンプが使用
でき、制御部37により、その動作が制御される。循環
ポンプ75の吸入口側は現像タンク52の底部と連通さ
れ、吐出口側はシャワー配管66に連通されている。こ
の循環ポンプ75の運転によって、現像タンク52の現
像水9がシャワー配管66を通ってシャワーパイプ6
4、67、69、71へ送られるようになっている。
【0076】シャワー配管66の途中にはフィルタ7
8、およびフィルタ交換用バルブ77、79が配置され
ている。このフィルタ78によって、シャワー配管66
内を通る現像水中のかす(主に版7の表面から擦り取っ
た現像かす)を濾過し、シャワーパイプの吐出口64
A,67A、69A、71Aの目詰まりを防止してい
る。フィルタ78には、濾過精度が10〜500μm、
好ましくは10〜300μmのものが使用されている。
また、フィルタ交換用バルブ77、79は、フィルタ交
換の際、これらのバルブを閉じることにより現像タンク
52内の現像水9が流れ出るのを防ぐために設けられて
いる。
【0077】バイパス管80を設けることにより、現像
タンク内の現像水9は循環攪拌され、現像水全体の温度
は均一になる。
【0078】循環ポンプ75とフィルタ78との間には
圧力計76が設けられており、フィルタ78に入る現像
水9の圧力が検出されるようになっている。圧力計76
は制御部37と結線されており、圧力検出結果は制御部
37に伝達される。この圧力計76の代わりに流量計を
用いてもよい。フィルタ78に入る現像水9の圧力が所
定値以上になった場合、制御部37に接続された表示器
38にフィルタ78の交換を促す表示がなされる。
【0079】現像タンク52内には、新現像水供給口8
1およびオーバーフロー口82が設けられている。新現
像水供給口81は電磁弁83、フィルタ84、バルブ8
5を介して新現像水供給管86で図示していない新現像
水供給装置と連通されている。これによって新しい現像
水が現像タンク52内へ供給される。電磁弁83は制御
部37内の電源と接続されており、処理枚数に応じて開
閉される。フィルタ84は新現像水供給管86内を通る
新しい現像水中の異物を濾過するために設けられてい
る。バルブ85は、新しい現像水の供給量の調節と、フ
ィルタ84の交換の際に新現像水が流れ出るのを防ぐた
めに設けられている。
【0080】オーバーフロー口82はオーバーフロー配
管87で図示していない廃液処理装置に連通されてい
る。これによって、新しい現像水の供給による現像水9
の余剰分が廃液処理装置へ排出されるようになってい
る。オーバーフロー口82の上方には、かさ88が設け
られており、シャワーパイプ64、67,69,71よ
り吐出した現像水が直接オーバーフロー口82に入り、
排出量が供給量を上回って現像水9が減少することを防
止している。
【0081】オーバーフロー配管87の途中にはフィル
タ89が設けられており、排出した現像水に含まれる現
像かすを濾過している。フィルタ89は、図3に示すよ
うに、ハウジング89A、ハウジング蓋89B、カゴ8
9C、袋状フィルタ89D、バイパス89Eで構成され
ている。フィルタ交換作業は、ハウジング蓋Bを開い
て、カゴCを取り出し、現像かす401を集積した袋状
フィルタ89Dを交換して元に戻すという手順で行う。
バイパス89Eは、フィルタ交換を怠って、排出した現
像水が溢れるのを防ぐために設けられている。ハウジン
グ89A内にフロートスイッチ402を設け、袋状フィ
ルタ89Dの詰まりによるハウジング89A内の水位の
上昇を検知してもよい。フィルタ89によって、フィル
タ89より後流の配管87Cに現像かすが堆積するのを
防止することができる。
【0082】フィルタ89は、交換作業の容易さを考慮
して、現像タンク52の真下ではなく、装置外部に近い
位置に配置している。したがって、オーバーフロー口8
2からフィルタ89までは、ある程度の距離を要する。
この間で現像かすが堆積しないように、直管部87A,
87Bの延長上にそれぞれ管内清掃用の開口部403、
管内洗浄水供給口404が設けられている。ただし通常
は、開口部403は脱着可能な栓405で閉じられてお
り、管内洗浄水供給バルブ406は閉じられている。
【0083】このような、処理液タンクより処理液をオ
ーバーフロー排出するオーバーフロー管と、該オーバー
フロー配管の途中のフィルタ(現像かすの濾過手段)
は、現像部の処理液タンクである現像槽に設けることが
最も有効であるが、前処理部、染色部、洗浄部などの各
処理液タンク(それぞれ、前処理槽、染色槽、洗浄槽)
に設けることもできる。
【0084】前処理部2において、前処理液8を搬送ロ
ーラ対25で絞り取っているが、完全には除去できない
ため現像部3に運ばれ、現像水9に混入する。現像水9
中の前処理液濃度が上昇すると、版7の非画線部のシリ
コーンゴム層に傷がつきやすい状態になり、ブラシロー
ラ57、58に擦られると傷がつくという問題が生じ
る。しかし新現像水を供給しオーバーフローさせること
により、現像水9中の前処理液濃度を一定値以下の抑え
ることができるため、非画線部のシリコーンゴム層に傷
がつくこともなく、また現像水交換作業も不必要とな
る。
【0085】現像タンク52内には温度検出器90、ヒ
ータ91、およびフロートスイッチ92が配置されてい
る。温度検出器90は制御部37と結線されており、温
度検出結果が制御部37に伝達されるようになってい
る。ヒータ91は制御部37内の電源と接続されてお
り、温度検出結果に基づいて電源が入切される。これに
よって現像水9の温度は10〜60℃、好ましくは20
〜50℃に制御される。また、フロートスイッチ92は
現像水9の減少を検知するものであり、制御部37と結
線されている。現像水9の減少を検知した場合、ヒータ
91の電源が切られ、循環ポンプ75が停止するように
なっている。これにより、ヒータ91の電熱面が液面か
ら露出した状態でヒータ91に電源が入ること、および
空気を噛み込んだ状態で循環ポンプ75が空運転するこ
とを防いでいる。そして表示器38に現像水9が異常に
減少しているという表示がなされるようになっている。
【0086】前処理部2と現像部3との間には換気ゾー
ン93が設けられている。現像水9の主成分が水である
ことから現像槽51内の空気の水蒸気圧が上昇し、さら
にこの空気が搬送経路であるスリット孔から洩れ出てく
るが、換気ゾーン93があることから、この空気は前処
理槽21に入らずに外気に排出される。したがって、前
処理槽21内の空気の水蒸気圧が上昇し、前処理液8の
水分率が上昇して感光層の一部を溶解または膨潤させる
効果が低下するのを防ぐことができる。版7に撓み・歪
みがあっても、スリット孔の上下に版7が触れないよう
に、スリット孔の高さは10mm以上、好ましくは20
mm以上がよい。これに対し換気ゾーン93の長さは1
0mm以上、好ましくは20mm以上がよい。換気ゾー
ン93内あるいは換気ゾーンの上下左右いずれかにファ
ンを配置し、空気の流れを作ると換気の効果は向上す
る。
【0087】次に、染色部4について説明する。
【0088】本実施例における染色部4の染色槽101
は、逆山形状で、底部に上面を開口させた染色タンク1
02を有しているが、染色槽101は逆山形状に限ら
ず、箱形でも他の形状でもよく、また、染色槽101と
独立して染色タンク102を設けることも可能である。
染色タンク102には染色液10が収容される。
【0089】染色槽101は保守・点検のため上部を開
口させているが、通常は上蓋103を載せて、染色液1
0への塵埃の混入を防止し、かつ染色液10の放熱を抑
えている。
【0090】染色槽101の上部には版7の入口側から
順に搬送ローラ対104、105が配置されている。搬
送ローラ対104、105は、図示していない側板に支
持され、図示していない駆動手段の駆動力が伝達されて
回転し、版7を矢印A方向へ所定速度で搬送するように
なっている。搬送ローラ対104、105の表面にはゴ
ムが巻かれ、搬送する版7の表面を傷付けないように配
慮されている。ゴムの材質としては、シリコーンゴム、
ポリブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等が挙げられる
が、これらに限定されない。ゴムの硬度は10〜100
度が好ましく、より好ましくは20〜40度である。搬
送ローラ対104は、染色槽101内の版7の搬送経路
の最前部に設置されて、版7の上に塗布された染色液1
0をせき止める役目を果たしている。本実施例ではブラ
シローラ106の上流側に搬送ローラ対を一対配置して
いるが、二対以上設けてもよい。また、搬送ローラ対1
05は、染色槽101内の版7の搬送経路の最後部に設
置されて、版7から染色液10を絞り取る役目を果たし
ている。本実施例ではブラシローラ106の下流側に搬
送ローラ対を一対配置しているが、版7の上に塗布され
た染色液10を絞り取るために、二対以上設けてもよ
い。本実施例では搬送ローラとして上下一対のローラを
用いたが、これに限らず版面上のみローラとし、裏面側
はローラ以外の板状、網状のものなどであってもよい。
【0091】さらに、上記した搬送ローラ対104、1
05の版7の挾持圧力は、例えば0.01〜20kg/
cm2 (好ましくは0.03〜2.0kg/cm2 )に
設定することができる。
【0092】搬送ローラ対104の上側ローラの上部に
接してローラ構造のスキージ部材107が設けられてい
る。スキージ部材107は搬送ローラ対104、105
と同様に図示していない側板によって支持され、搬送ロ
ーラ対104の回転に従動して回転するように構成され
ている。スキージ部材107によって搬送ローラ対10
4についた余分な染色液を絞り取ることができ、装置の
外あるいは現像槽51側へ染色液10が流出するのを防
ぐことができる。ここで、搬送ローラ対105の上部に
スキージ部材を設けることは任意である。スキージ部材
107の形状としては、ローラ構造に限定されず、例え
ば非回転式の板状のスキージ部材であってもよい。スキ
ージ部材107の材質としては、染色液に侵されず、搬
送ローラを傷付けないようなものであれば何でもよい
が、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリ
ルゴム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニ
ウム、銅、ステンレス、ニッケル、チタン等の金属ある
いは合金類、およびこれらの複合材料等が用いられる。
【0093】搬送ローラ対104と105との間にはブ
ラシローラ106が配置されている。このブラシローラ
106は、版7の表面を擦ることによって、版7の表面
に付着した現像かすを除去し、染色液10による染色を
均一に行なうためのものである。ブラシローラ106も
搬送ローラ対104、105と同様に図示していない側
板に支持され、図示していない駆動手段によって駆動力
が伝達され、搬送ローラ対104、105の回転方向の
逆方向(D方向、以下「逆回転」とする)に回転するよ
うになっている。また、場合によっては、搬送ローラ対
104、105の回転方向と同じ方向(以下「正回転」
とする)へ回転してもよい。
【0094】ブラシローラ106としては、直径20〜
500μのブラシ素材を金属あるいはプラスチック等の
溝型材に列状に植え込んだものを芯に取り付けたものが
一般的だが、上記ブラシ素材を金属あるいはプラスチッ
ク等の芯に放射状に植え込んだものでもよく、上記ブラ
シ素材をプラスチックシートあるいは布等の基材に植え
込んだものを芯に巻いたもの等でもよい。
【0095】ブラシローラ106のブラシ材質をポリ塩
化ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、およびポリプロピレンの
群より選ばれる少なくとも1種とすることにより、ブラ
シにより版面を傷付けることなく、かつ確実に染色する
ことができる。このブラシローラ106の回転数は10
〜1000rpm(好ましくは50〜500rpm)に
設定されている。
【0096】また、ブラシローラ106は、回転すると
共に軸方向へ往復運動させることにより、染色液10に
よる染色効果が向上する。
【0097】ブラシローラ106の上流側であって、版
7の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板108が設け
られている。撥ね上げ防止板108は図示していない側
板に支持されている。ブラシローラ106が逆回転する
場合、版7の先端がブラシローラ106の上流で撥ね上
げられ版7が本来の搬送経路から外れるのを撥ね上げ防
止板108によって防止することができる。ブラシロー
ラ106が正回転する場合、撥ね上げ防止板108をブ
ラシローラ106の下流側に設ければ、版7の末端が撥
ね上げられ版が曲がるのを防ぐことができる。
【0098】撥ね上げ防止板108の材質としては、版
を傷つけないものであればどのようなものでもよく、撥
ね上げ防止板60と同様のものが使用できる。
【0099】ブラシローラ106の下部にはブラシ受台
109が設けられている。版7が通過する際は、版7が
たわまないようにブラシ受台109によって版7を裏面
から支持し、ブラシローラ106によって表面を強く擦
ることにより、均一に染色されるようになっている。
【0100】このブラシ受台109の材質は搬送をスム
ーズに行なえるものであればどのようなものでもよい
が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレヒフレート、ナイロン、ポリアミド、
ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール等の樹脂
類、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル、チ
タン等の金属あるいは合金類、およびこれらの複合材料
等が用いられる。このブラシ受台109に表面粗さ5〜
2000μm(好ましくは10〜200μm)の範囲の
加工を施すことにより、受台109の表面に付着した染
色液の上を版7が搬送される際、染色液の粘性により版
の搬送と逆方向に力が働き、搬送不良を起こすのを防い
でいる。
【0101】搬送ローラ対104とブラシローラ106
との間には、シャワーパイプ110が配置されている。
このシャワーパイプ110には、ブラシローラ106に
対向して吐出口110Aが、軸方向に沿って適当な間隔
で設けられている。このシャワーパイプ110は流量調
節バルブ111を介してシャワー配管112で後述する
染色液循環装置と連通されている。これによって染色液
10がシャワーパイプ110に送りこまれ、ブラシロー
ラ106へ吐出され、版7へ塗布されるようになってい
る。
【0102】またシャワーパイプ113はブラシローラ
106と搬送ローラ対105との間に配置されている。
このシャワーパイプ113には、搬送ローラ対105に
対向して吐出口113Aが、軸方向に沿って適当な間隔
で設けられている。このシャワーパイプ113は流量調
節バルブ114を介してシャワー配管112から分岐し
ている管路で後述する染色液循環装置と連通されてい
る。これによって染色液10がシャワーパイプ113に
送りこまれ、搬送ローラ対105へ吐出され、版7へ塗
布されるようになっている。
【0103】ブラシローラ106の上方には断面形状が
略コ字状のブラシカバー115が配置されている。この
ブラシカバー115はブラシローラ106による染色液
10の他への飛散を防止している。
【0104】染色液循環装置は循環ポンプ116と、圧
力計117、フィルタ交換用バルブ118および12
0、フィルタ119、シャワー配管112、およびバイ
パス管121で構成されている。
【0105】循環ポンプ116は市販の汎用ポンプが使
用でき、制御部37により、その動作が制御される。循
環ポンプ116の吸入口側は、染色タンク102の底部
と連通され、吐出口側はシャワー配管112に連通され
ている。この循環ポンプ116の運転によって、染色タ
ンク102内の染色液10がシャワー配管112を通っ
てシャワーパイプ110、113へ送られるようになっ
ている。
【0106】シャワー配管112の途中にはフィルタ1
19、およびフィルタ交換用バルブ118、120が配
置されている。このフィルタ119によって、シャワー
配管102内を通る染色液中のかす(主に版7の表面か
ら除去した現像かす)を濾過し、シャワーパイプの吐出
口110A,113Aの目詰まりを防止している。フィ
ルタ119には、濾過精度が10〜500μm、好まし
くは10〜300μmのものが使用されている。また、
交換バルブ118および120は、フィルタ交換の際、
これらのバルブを閉じることにより染色タンク102内
の染色液10が流れ出るのを防ぐために設けられてい
る。
【0107】循環ポンプ116とフィルタ119の間に
は、圧力計117が設けられており、フィルタ119に
入る染色液10の圧力が検出されるようになっている。
圧力計117は制御部37と結線されており、圧力検出
結果は制御部37に伝達される。この圧力計117の代
わりに流量計を用いてもよい。フィルタ119に入る染
色液10の圧力が所定値以上になった場合、制御部37
に接続された表示器38にフィルタ119の交換を促す
表示がなされる。
【0108】バイパス管121を設けることにより、染
色タンク102内の染色液10は循環攪拌され、染色液
全体の温度は均一になる。
【0109】また、染色タンク102内には温度検出器
122、ヒータ123、およびフロートスイッチ124
が配置されている。温度検出器122は制御部37と結
線されており、温度検出結果が制御部37に伝達される
ようになっている。ヒータ123は制御部37内の電源
と接続されており、温度検出結果に基づいて電源が入切
される。これによって染色液10の温度は5〜60℃、
好ましくは5〜50℃に制御される。またフロートスイ
ッチ124は染色液10の減少を検知するものであり、
制御部37と結線されている。染色液6の減少を検知し
た場合、ヒータ123の電源が切られ、循環ポンプ11
6が停止するようになっている。これにより、ヒータ1
23の電熱面が液面から露出した状態でヒータ123に
電源が入ること、および空気を噛み込んだ状態で循環ポ
ンプ116が空運転することを防いでいる。そして表示
器38に染色液10の補充を促す表示がなされるように
なっている。
【0110】次に、洗浄部5について説明する。
【0111】本実施例における洗浄部5の洗浄槽131
は、逆山形状で、底部に上面を開口させた洗浄タンク1
32を有しているが、洗浄槽131は逆山形状に限ら
ず、箱形でも他の形状でもよく、また、洗浄槽131と
独立して洗浄タンク132を設けることも可能である。
洗浄タンク132には洗浄液11が収容される。
【0112】洗浄槽131は保守・点検のため上部を開
口させているが、通常は上蓋133を載せて、洗浄液1
1への塵埃の混入を防止し、かつ洗浄液11の放熱を抑
えている。
【0113】洗浄槽131の上部には版7の入口側から
順に搬送ローラ対134、135が配置されている。搬
送ローラ対134、135は、図示していない側板に支
持され、図示していない駆動手段の駆動力が伝達されて
回転し、版7を矢印A方向へ所定速度で搬送するように
なっている。搬送ローラ対134、135の表面にはゴ
ムが巻かれ、搬送する版7の表面を傷付けないように配
慮されている。ゴムの材質としては、シリコーンゴム、
ポリブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等が挙げられる
が、これらに限定されない。ゴムの硬度は10〜100
度が良く、好ましくは20〜40度がよい。搬送ローラ
対134は、洗浄槽131内の版7の搬送経路の最前部
に配置されて、版7の上に塗布された洗浄液11をせき
止める役目を果たしている。本実施例ではブラシローラ
136、137の上流側に搬送ローラ対を一対配置して
いるが、二対以上設けてもよい。また、搬送ローラ対1
35は、洗浄槽131内の版7の搬送経路の最後部に設
置されて、版7から洗浄液を絞り取る役目を果たしてい
る。本実施例ではブラシローラ136、137の下流側
に搬送ローラ対を一対配置しているが、版7の上に塗布
された洗浄液11を絞り取るために、二対以上設けても
よいまた、本実施例では搬送ローラとして上下一対のロ
ーラを用いたが、これに限らず版面上のみローラとし、
裏面側はローラ以外のものであってもよい。
【0114】さらに、上記した搬送ローラ対134、1
35の版7の挾持圧力は、例えば0.01〜20kg/
cm2 (好ましくは0.03〜2.0kg/cm2 )に
設定することができる。
【0115】搬送ローラ対134の上側ローラの上部に
接してローラ構造のスキージ部材138が設けられてい
る。スキージ部材138は搬送ローラ対134、135
と同様に図示していない側板によって支持され、搬送ロ
ーラ134の回転に従動して回転するように構成されて
いる。スキージ部材138によって搬送ローラ対134
についた余分な洗浄液を絞り取ることができ、装置の外
あるいは染色槽101側へ洗浄液11が流出するのを防
ぐことができる。ここで、搬送ローラ対135の上部に
スキージ部材を設けることは任意である。スキージ部材
138の形状としては、ローラ構造に限定されず、例え
ば非回転式の板状のスキージ部材であってもよい。スキ
ージ部材138の材質としては、染色液に侵されず、搬
送ローラを傷付けないようなものであれば何でもよい
が、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリ
ルゴム、ブチルゴム、フッ化炭化水素ゴム等のゴム類、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂、鉄、アルミニ
ウム、銅、ステンレス、ニッケル、チタン等の金属ある
いは合金類、およびこれらの複合材料等が用いられる。
【0116】搬送ローラ対134と135との間で、版
7の搬送経路の上方には、ブラシローラ136が配置さ
れている。このブラシローラ136は搬送ローラ対13
4、135と同様に図示していない側板に支持され、図
示していない駆動手段によって駆動力が伝達され、搬送
ローラ対134、135の回転方向と同じ方向(E方
向、以下「正回転」とする)に回転するようになってい
る。また、場合によっては、搬送ローラ対134、13
5の回転方向の逆方向(以下「逆回転」とする)へ回転
してもよい。ブラシローラ136は、版7の表面を洗浄
し、かつ版7を表面から支持する役目を果たしている。
【0117】版7の搬送経路の下方で、ブラシローラ1
36に対向した位置にブラシローラ137が配置されて
いる。このブラシローラ137は搬送ローラ対134、
135と同様に図示していない側板に支持され、図示し
ていない駆動手段によって駆動力が伝達され、正回転す
るようになっている。また、場合によっては、逆回転し
てもよい。ブラシローラ137は、版7の裏面を洗浄
し、かつ版7を裏面から支持する役目を果たしている。
【0118】ブラシローラ136と137により、版7
の表裏両面を同時に洗浄しているので、表面を擦るブラ
シローラと裏面から支持する受台を一対、裏面を擦るブ
ラシローラと表面から支持する受ローラを一対設ける従
来の方式に比べ、およそ半分の空間で同等の洗浄効果が
得られる。
【0119】ブラシローラ136、137としては、直
径20〜500μのブラシ素材を金属あるいはプラスチ
ック等の溝型材に列状に植え込んだものを芯に取り付け
たものが一般的だが、上記ブラシ素材を金属あるいはプ
ラスチック等の芯に放射状に植え込んだものでもよく、
上記ブラシ素材をプラスチックシートあるいは布等の基
材に植え込んだものを芯に巻いたもの等でもよい。
【0120】ブラシローラ136、137のブラシ材質
をポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリプロ
ピレンの群より選ばれる少なくとも1種とすることによ
り、ブラシにより版面を傷付けることなく、確実に洗浄
することができる。このブラシローラ136、137の
回転数は10〜1000rpm(好ましくは50〜50
0rpm)に設定されている。
【0121】また、ブラシローラ136、137を、回
転させると共に軸方向へ往復運動させることにより、洗
浄液11による洗浄効果が向上する。
【0122】本実施例では、版の表面を擦るブラシロー
ラと版の裏面を擦るブラシローラを一対設けているが、
洗浄効果をさらに向上するために二対以上設けてもよ
い。
【0123】ブラシローラ136の下流側であって、版
7の搬送経路の上方には、撥ね上げ防止板139が設け
られている。撥ね上げ防止板139は図示していない側
板に支持されている。ブラシローラ136が正回転する
場合、版7の末端がブラシローラ136の下流で撥ね上
げられ版7が曲がるのを防ぐことができる。ブラシロー
ラ136が逆回転する場合、撥ね上げ防止板139をブ
ラシローラ136の上流側に設ければ、版7の先端が撥
ね上げられ版が本来の搬送経路から外れるのを防ぐこと
ができる。撥ね上げ防止板139の材質としては、版を
傷つけないものであればどのようなものでもよく、撥ね
上げ防止板60、108と同様のものが使用できる。
【0124】ブラシローラ137の下流側であって、版
7の搬送経路の下方には、撥ね下げ防止板140が設け
られている。版7の末端がブラシローラ137の上方を
通過する際、版7の末端は、その自重と塗布された洗浄
液11の重さによって、図4の7Aに示すように垂れ下
がる。このため、ブラシローラ137が正回転する場
合、版7の末端が撥ね下げられて版7が曲がるという問
題があった。しかし、撥ね下げ防止板140を設けるこ
とにより、この問題は解消する。
【0125】また、版7の先端がブラシローラ137の
上方を通過する際、版7の先端は、その自重と塗布され
た洗浄液11の重さによって、図4の7Bに示すように
垂れ下がる。このため、ブラシローラ137が逆回転す
る場合、版7の先端が撥ね下げられて版7が本来の搬送
経路から外れるという問題があった。しかし、撥ね下げ
防止板140を、ブラシローラ137の上流側であっ
て、版7の搬送経路の下方に設けることにより、この問
題は解消する。
【0126】撥ね下げ防止板140を取り付ける位置と
しては、版の搬送を妨げず、版の撥ね下がりを効果的に
防止可能な位置であれば良いが、版の正常な搬送経路の
下方1〜100mmにあることが好ましく、より好まし
くは3〜50mmである。ブラシローラの最上端からの
水平距離としては0〜50mmの範囲にあることが好ま
しい。撥ね下げ防止板が接触していると、ブラシローラ
137の作用を妨げることになり、撥ね下げ防止板が遠
すぎると、版の撥ね下がりが防止できない。撥ね下げ防
止板140は、図示していない側板に取り付けるための
取り付け部を両端に備えている。中央部は断面がL字型
となっているが、形状はL字型に限定されず、円筒型で
も角柱型でもよい。
【0127】撥ね下げ防止板140の材質としては、版
を傷つけないものであればどのようなものでもよく、撥
ね上げ防止板60、108と同様のものが使用できる。
【0128】搬送ローラ134とブラシローラ136と
の間には、シャワーパイプ141が配置されている。こ
のシャワーパイプ141には、ブラシローラ136に対
向して吐出口141Aが、軸方向に沿って適当な間隔で
設けられている。このシャワーパイプ141は流量調節
バルブ142を介してシャワー配管143で後述する洗
浄液循環装置と連通されている。これによって洗浄液1
1が、シャワーパイプ141に送りこまれ、ブラシロー
ラ136へ吐出され、さらに版7の表面に供給されるよ
うになっている。
【0129】またシャワーパイプ144はブラシローラ
136と搬送ローラ対135との間に配置されている。
このシャワーパイプ144には、搬送ローラ対135に
対向して吐出口144Aが、軸方向に沿って適当な間隔
で設けられている。このシャワーパイプ144は流量調
節バルブ145を介してシャワー配管143から分岐し
ている管路で後述する洗浄液循環装置と連通されてい
る。これによって洗浄液11が、シャワーパイプ144
に送りこまれ、搬送ローラ対135の上側のローラへ吐
出され、版7の表面に供給されるようになっている。
【0130】搬送ローラ対134とブラシローラ137
との間で搬送経路よりも下側に、シャワーパイプ146
が配置されている。このシャワーパイプ146には吐出
口146Aが上向きに形成されている。このシャワーパ
イプ146は流量調節バルブ147を介してシャワー配
管143から分岐している管路で後述する洗浄液循環装
置と連通されている。これによって洗浄液11が、シャ
ワーパイプ146に送りこまれ、版7の裏面に供給され
るようになっている。
【0131】またシャワーパイプ148はブラシローラ
137と搬送ローラ対135との間で搬送経路よりも下
側に配置されている。このシャワーパイプ148には吐
出口148Aが上向きに形成されている。このシャワー
パイプ148は流量調節バルブ149を介してシャワー
配管143から分岐している管路で後述する洗浄液循環
装置と連通されている。これによって洗浄液11が、シ
ャワーパイプ148に送りこまれ、版7の裏面に供給さ
れるようになっている。
【0132】ブラシローラ136の上方には断面形状が
略コ字状のブラシカバー150が配置されている。この
ブラシカバー150はブラシローラ136による洗浄液
11の他への飛散を防止している。
【0133】洗浄液循環装置は循環ポンプ151と、圧
力計152、フィルタ交換用バルブ153および15
5、フィルタ154、シャワー配管143、およびバイ
パス管156で構成されている。
【0134】循環ポンプ151は市販の汎用ポンプが使
用でき、制御部37により、その動作が制御される。循
環ポンプ151の吸入口側は、洗浄タンク132の底部
と連通され、吐出口側はシャワー配管143に連通され
ている。この循環ポンプ151の運転によって、洗浄タ
ンク132内の洗浄液11がシャワー配管143を通っ
てシャワーパイプ141、144、146、148へ送
られるようになっている。
【0135】シャワー配管143の途中にはフィルタ1
54、およびフィルタ交換用バルブ153、155が配
置されている。このフィルタ154によって、シャワー
配管143内を通る洗浄液中のかすを濾過し、シャワー
パイプの吐出口141A,144A、146A、148
Aの目詰まりを防止している。フィルタ154には、濾
過精度が10〜500μm、好ましくは10〜300μ
mのものが使用されている。また、交換バルブ153お
よび155は、フィルタ交換の際、これらのバルブを閉
じることにより洗浄タンク132内の洗浄液11が流れ
出るのを防ぐために設けられている。
【0136】循環ポンプ151とフィルタ154の間に
は、圧力計152が設けられており、フィルタ154に
入る洗浄液11の圧力が検出されるようになっている。
圧力計152は制御部37と結線されており、圧力検出
結果は制御部37に伝達される。この圧力計152の代
わりに流量計を用いてもよい。フィルタ154に入る洗
浄液11の圧力が所定値以上になった場合、制御部37
に接続された表示器38にフィルタ154の交換を促す
表示がなされる。
【0137】バイパス管156を設けることにより、洗
浄タンク132内の洗浄液11は循環攪拌され、洗浄液
全体の温度は均一になる。
【0138】洗浄タンク132内には、新洗浄液供給口
157およびオーバーフロー口158が設けられてい
る。新洗浄液供給口157は電磁弁159、フィルタ1
60、バルブ161を介して新洗浄液供給管162で図
示していない新洗浄液供給装置と連通されている。これ
によって新しい洗浄液が洗浄タンク132内へ供給され
る。電磁弁159は制御部37内の電源と接続されてお
り、処理枚数に応じて開閉される。フィルタ160は、
新しい洗浄液の供給量の調節と、フィルタ160の交換
の際に新洗浄液が流れ出るのを防ぐために設けられてい
る。
【0139】オーバーフロー口158はオーバーフロー
配管163で図示していない廃液処理装置に連通されて
いる。これによって、新しい洗浄液の供給による洗浄液
11の余剰分が廃液処理装置へ排出されるようになって
いる。オーバーフロー口158の上方には、かさ164
が設けられており、シャワーパイプ141、144、1
46、148から吐出した洗浄液が直接オーバーフロー
口に入り、排出量が供給量を上回って洗浄液11が減少
することを防止している。
【0140】染色部4において、染色液10を搬送ロー
ラ対105で絞り取っているが、完全には除去できない
ため洗浄部5に運ばれ、洗浄液11に混入する。洗浄液
11中の染色液濃度が上昇すると、版7を洗浄する洗浄
力が低下するという問題が生じる。しかし新洗浄液を供
給しオーバーフローさせることにより、洗浄液11中の
染色液濃度を一定値以下に抑えることができるため、洗
浄力が安定し、また洗浄液交換作業も不要となる。
【0141】洗浄タンク132内には温度検出器16
5、ヒータ166、およびフロートスイッチ167が配
置されている。温度検出器165は制御部37と結線さ
れており、温度検出結果が制御部37に伝達されるよう
になっている。ヒータ166は制御部37内の電源と接
続されており、温度検出結果に基づいて電源が入切され
る。これによって洗浄液11の温度は5〜60℃、好ま
しくは5〜50℃に制御される。またフロートスイッチ
167は洗浄液11の減少を検知するものであり、制御
部37と結線されている。洗浄液11の減少を検知した
場合、ヒータ166の電源が切られ、循環ポンプ151
が停止するようになっている。これにより、ヒータ16
6の電熱面が液面から露出した状態でヒータ166に電
源が入ること、および空気を噛み込んだ状態で循環ポン
プ151が空運転することを防いでいる。そして表示器
38に洗浄液11が異常に減少しているという表示がな
されるようになっている。
【0142】次に除液部6について説明する。
【0143】本実施例における除液部6の除液槽171
は、箱形で、底部を開口させてある。
【0144】除液槽171の上部には版7の入口側から
順に搬送ローラ対172、173が配置されている。搬
送ローラ対172、173は図示していない側板に支持
され、図示していない駆動手段の駆動力が伝達されて回
転し、版7を矢印A方向へ所定速度で搬送するようにな
っている。搬送ローラ対172、173の表面には吸水
性の高い布地172A,173Aが巻かれ、洗浄部5の
搬送ローラ対135で絞り切れずに残った版7上の洗浄
液を吸い取るようになっている。布地172A,173
Aとしては、吸水性の高いものであれば何でもよいが、
例えば、印刷機の湿し水装置に用いられる、綿のタオル
状の材料(一般にモルトンと呼ばれている)を使用する
ことができる。本実施例では布地を巻いた搬送ローラ対
を二対配置しているが、一対でもよく、洗浄液を確実に
吸い取るために三対以上設けてもよい。
【0145】さらに、上記した搬送ローラ対172、1
73の版7の挾持圧力は、例えば0.01〜20kg/
cm2 (好ましくは0.03〜2.0kg/cm2 )に
設定することができる。
【0146】除液槽171の上面にはファン174が設
けられている。ファン174によって除液槽171内に
外気が流入し、除液槽171底面の開口部から槽内の空
気が流出する。搬送ローラ対に巻かれた布地172A、
173Aは、洗浄部5で絞り切れなかった洗浄液を吸っ
て湿ってくるが、ファン174が作る空気の流れによっ
て乾燥が促進される。本実施例では除液槽171の上面
にファン174を取り付け、底面を開口させたが、除液
槽の前後左右上下いずれの面にファンを取り付けてもよ
く、また、いずれの面を開口させてもよい。開口面積が
大きければ、必ずしもファンを取り付けなくてもよい。
【0147】次に本実施例の作用について説明する。
【0148】前述の水なし平版印刷用原版7(以下 版
7と略す)を、図示しない露光装置により画像を露光
し、露光後カバーフィルムを剥ぎとり、図1に示された
現像装置1の挿入台181の上にのせる。挿入台181
の上部に版7がのせられたことを入口センサ182が感
知すると現像装置1は始動し、搬送ローラ対24によっ
て版7は前処理部2内に引き込まれる。ここで版7の露
光部は硬化しており、未露光部の感光層は前処理液8に
よって一部溶解あるいは膨潤可能な状態となっている。
【0149】前処理部2に引き込まれた版7は、矢印A
方向へ所定速度で搬送されながら、所定温度にコントロ
ールされた前処理液8が塗布される。これによって版7
の未露光部(画線部)の感光層の一部が溶解または膨潤
してシリコーンゴム層が剥がれやすくなる。搬送ローラ
対25によって前処理液8が絞られた後、版7は現像部
3へ搬送される。
【0150】搬送ローラ対54によって現像部3に引き
込まれた版7は、ブラシローラ57とブラシ受台62と
の間に搬送される。ブラシローラ57を介して、所定温
度にコントロールされた現像水9が塗布されながら、正
回転するブラシローラ57で擦られることにより、版7
の未露光部(画線部)のシリコーンゴム層が除去され
る。
【0151】搬送ローラ対55によって版7は、ブラシ
ローラ58とブラシ受台63との間に搬送される。ブラ
シローラ58を介して、所定温度にコントロールされた
現像水9が塗布されながら、逆回転するブラシローラ5
8で擦られることにより、ブラシローラ57で取り残し
た、版7の未露光部(画線部)のシリコーンゴム層が除
去され、版7上にポジ画像が形成される。
【0152】現像処理速度(すなわち版7の搬送速度)
を速くすると、ブラシローラ57が版7の表面を擦る回
数が減少し、未露光部(画線部)のシリコーンゴム層が
完全には除去できない。特に、ブラシローラ57が正回
転の場合は、図5に示すように未露光部(画線部)の上
流側・縁部にシリコーンゴム層が残りやすい。しかし、
逆回転するブラシローラ58を設け、版7の表面を擦る
ことによって、残ったシリコーンゴム層を図6に示すよ
うに完全に除去することができる。ここでブラシローラ
58をブラシローラ57と同じ方向に回転させては、未
露光部(画線部)の上流側・縁部に残ったシリコーンゴ
ム層は除去できない。すなわち、現像部にブラシローラ
を1本しか設けない場合に比べ、正回転するブラシロー
ラ57と逆回転するブラシローラ58を設けることによ
り、現像処理速度を速くすることができる。また、ブラ
シローラの本数をさらに増やすことにより、さらに現像
処理速度を速くすることができる。
【0153】ブラシローラ57、58の回転数を増大す
れば、さらに現像処理速度を速くすることができる。こ
のとき、ブラシローラの回転と揺動を同一モータで駆動
する機構では、揺動数も増大して、装置本体の振動が激
しくなり、装置の耐久性が著しく低下する。しかし回転
手段と揺動手段を独立して設けているため、揺動数を必
要最小限に抑えることにより、装置の耐久性が低下する
のを防ぐことができる。
【0154】従来の装置において、現像処理速度が80
cm/分で得られる画像と同等以上の画像が、本実施例
では現像処理速度200cm/分で得ることができる。
【0155】版7の表面に塗布された現像水9は、擦り
取られた現像かすと共に、現像タンク52に回収され
る。
【0156】現像タンク52には、新現像水供給口81
から新現像水が供給され、余剰分はオーバーフロー口8
2から排出される。これによって、搬送ローラ対25で
絞り切れずに現像水に混入する前処理液の、現像水中に
おける濃度を一定値以下に抑え、非画線部のシリコーン
ゴム層が傷付きやすい状態になることを防止している。
【0157】オーバーフロー口82から排出される現像
水には、現像かすが混入するが、オーバーフロー配管8
7の途中に設けられたフィルタ89により除去される。
【0158】搬送ローラ対56によって現像水9が絞ら
れた後、版7は染色部4へ搬送される。
【0159】搬送ローラ対104によって染色部4に引
き込まれた版7は、ブラシローラ106とブラシ受台1
09との間に搬送される。ブラシローラ106を介し
て、所定温度にコントロールされた染色液10が塗布さ
れながら、回転するブラシローラ96で擦られることに
より、版7の表面に付着した現像かすが除去され、さら
に画線部の感光層が染色される。これによって画線部と
非画線部に明確な差がつき、検版を容易にすることがで
きる。
【0160】版7の表面に塗布された染色液10は、擦
り取られた現像かすと共に、染色タンク102に回収さ
れる。
【0161】搬送ローラ対105によって染色液10が
絞られた後、版7は洗浄部5へ搬送される。
【0162】搬送ローラ対134によって洗浄部5に引
き込まれた版7は、ブラシローラ136とブラシローラ
137との間に搬送される。ブラシローラ136を介し
て、所定温度にコントロールされた洗浄液11が塗布さ
れながら、回転するブラシローラ136で擦られること
により、版7の表面が洗浄される。また、搬送経路の下
側に設けた、上向きのシャワーパイプ135、137か
ら洗浄液11が塗布されながら、回転するブラシローラ
137で擦られることにより、版7の裏面が洗浄され
る。
【0163】版の裏面を擦るブラシローラ137が版7
の末端を撥ね下げ、版7が曲がるのを、撥ね下げ防止板
140によって防止している。
【0164】版7の表面に塗布された洗浄液11は、洗
い流された染色液と共に、洗浄タンク132に回収され
る。
【0165】洗浄タンク132には、新洗浄液供給口1
57から新洗浄液が供給され、余剰分はオーバーフロー
口158から排出される。これによって、洗浄液11に
混入する染色液の、洗浄液中における濃度を一定値以下
に抑え、洗浄効果を安定させている。
【0166】搬送ローラ対135によって洗浄液11が
絞られた後、版7は除液部6へ搬送される。
【0167】搬送ローラ対172によって版7は除液部
6に引き込まれる。搬送ローラ対135で絞り切れずに
版7に残った洗浄液は、搬送ローラ対172、173に
巻かれた吸水性の高い布地172A、173Aに吸い取
られる。これによって版7の表面と裏面に残った処理液
はすべて除去される。
【0168】搬送ローラ173によって版7は市販のオ
ートストッカー183に搬出され、重ねてストックされ
る。版7の表面・裏面ともに処理液が完全に除去されて
いるため、版を複数枚重ねても、表面と裏面が互いに貼
り付いたり、非画線部であるシリコーンゴム層に染料が
固着してインキ反発性が低下したりすることはない。さ
らに、版を運搬する作業者の手が汚れることもない。
【0169】版7が完全に搬出されたことを出口センサ
184が感知すると、現像装置1は停止する。
【0170】
【発明の効果】本発明によると以下の効果が得られる。
【0171】現像部に、版の表面を擦るブラシローラ
を2本以上と、ブラシローラ回転手段と、これと独立し
たブラシローラ揺動手段とを設け、少なくとも1本のブ
ラシローラを他のブラシローラと反対方向に回転させて
いるため、印刷時に色調ムラが生じさせたり、装置の耐
久性を低下させたりすることなく、現像処理速度の向上
が図れる。
【0172】洗浄部を不必要に大きくすることなく、
表裏両面の染色液を除去することができる。
【0173】洗浄部において、裏面を擦るブラシロー
ラによって版が撥ね下げられ、版が曲がったり、本来の
搬送経路から外れたりするのを防ぐことができる。
【0174】現像かすがオーバーフロー配管に詰まる
のを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる水なし平版印刷用原版の現像装
置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明にかかる水なし平版印刷用原版の現像装
置のブラシローラ駆動手段の一例を示す要部概略図であ
る。
【図3】本発明にかかる水なし平版印刷用原版の現像装
置のオーバーフロー装置の一例を示す要部概略図であ
る。
【図4】本発明にかかる水なし平版印刷用原版の現像装
置の撥ね下げ防止部材を省略した場合の要部概略断面図
である。
【図5】従来の現像装置により得られた画線部の形状で
ある。
【図6】本発明にかかる水なし平版印刷用原版の現像装
置により得られた画線部の形状である。
【符号の説明】
1 :現像装置 2 :前処理部 3 :現像部 4 :染色部 5 :洗浄部 6 :除液部 7 :水なし平版印刷板 57 :ブラシローラ 58 :ブラシローラ 89 :フィルタ 136 :ブラシローラ 137 :ブラシローラ 140 :撥ね下げ防止板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも水なし平版印刷用原版の画線部
    のシリコーンゴム層を除去する現像部を備えた水なし平
    版印刷用原版の現像装置であって、該現像部に、水なし
    平版印刷用原版の表面を擦るブラシローラを2本以上
    と、該ブラシローラを回転させるブラシローラ回転手段
    と、該ブラシローラを揺動させるブラシローラ揺動手段
    とを設け、少なくとも1本のブラシローラをその他のブ
    ラシローラと反対方向に回転させ、かつ該ブラシローラ
    回転手段と該ブラシローラ揺動手段とを独立させたこと
    を特徴とする水なし平版印刷用原版の現像装置。
  2. 【請求項2】該現像部の前に、水なし平版印刷用原版の
    画線部の感光層の一部を溶解または膨潤させる前処理部
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の水なし平版印
    刷用原版の現像装置。
  3. 【請求項3】該現像部の後ろに、水なし平版印刷用原版
    の画線部を染色処理する染色部を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の水なし平版印刷用原版の現像装置。
  4. 【請求項4】該染色部の後ろに、水なし平版印刷用原版
    の少なくとも表面を洗浄する洗浄部を設けたことを特徴
    とする請求項3記載の水なし平版印刷用原版の現像装
    置。
  5. 【請求項5】該洗浄部に、水なし平版印刷用原版の表面
    を擦るブラシと、該ブラシに対向して水なし平版印刷用
    原版の裏面を擦るブラシとを設け、水なし平版印刷用原
    版の表裏を同時に洗浄することを特徴とする請求項4記
    載の水なし平版印刷用原版の現像装置。
  6. 【請求項6】該洗浄部に、水なし平版印刷用原版の裏面
    を擦るブラシローラと、該ブラシローラの上流側および
    /または下流側であって版搬送経路の下方に撥ね下げ防
    止部材とを設けることを特徴とする請求項4記載の水な
    し平版印刷用原版の現像装置。
  7. 【請求項7】前処理部、現像部、染色部、洗浄部の少な
    くとも一つの部分に、処理液タンクと、該処理液タンク
    より処理液をオーバーフロー排出するオーバーフロー配
    管と、該オーバーフロー配管の途中に濾過手段とを設け
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水
    なし平版印刷用原版の現像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011033773A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Asahi Kasei E-Materials Corp 現像液処理装置、印刷版の製造装置、現像液吸引装置、現像液の処理方法及び印刷版の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011033773A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Asahi Kasei E-Materials Corp 現像液処理装置、印刷版の製造装置、現像液吸引装置、現像液の処理方法及び印刷版の製造方法

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