JP2796108B2

JP2796108B2 - 磁気ヘッドおよび磁気ヘッドの製造方法

Info

Publication number: JP2796108B2
Application number: JP3767489A
Authority: JP
Inventors: 幸三真鍋; 和好菊地
Original assignee: ARUPUSU DENKI KK
Current assignee: ARUPUSU DENKI KK
Priority date: 1989-02-17
Filing date: 1989-02-17
Publication date: 1998-09-10
Anticipated expiration: 2013-09-10
Also published as: JPH02218009A

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野」この発明は、フレキシブル磁気ディスク用の磁気ヘッ
ドおよび磁気ヘッドの製造方法に関する。

「従来の技術」従来、この種の磁気ヘッドの一例として、特開昭59−
139123号公報に記載のものが知られている。

この磁気ヘッドは、第３図に示すように、一対の磁気
コア1,2の突き合わせ面に、非磁性膜３を介在させて磁
気ギャップ４を形成し、この磁気ギャップ４を、記録再
生ギャップ５と、この記録再生ギャップ５の両端部から
一方の磁気コア１側に傾斜して延びるハ字状の消去ギャ
ップ6,6とから構成したものである。

このような構成の磁気ヘッドを製造するには、一方の
磁気コア１の突き合わせ面1aに、スパッタ等によりSiO₂
等の非磁性膜３を形成し、この非磁性膜３と上記他方の
磁気コア２の突き合わせ面2aとを接着することにより行
なわれる。

「発明が解決しようとする課題」ところが、上記磁気ヘッドにおいては、磁気コア１の
消去ギャップ６を形成する突き合わ面1aが傾斜している
ので、この部分にスパッタして形成されるSiO₂等の非磁
性膜３を正確に設計通りの形状にすることが困難すなわ
ち非磁性膜３の表面の形状を接合される他方の磁気コア
２の突き合わせ面2aの形状と正確に同一にすることが困
難である。このため、磁気コア２の突き合せ面2aと非磁
性膜３との間に、不一致による隙間が生じ、所定寸法の
ギャップ４が形成できず、記録あるいは消去効率を扱さ
せる等の問題がある。また、上記不一致によって形成さ
れる隙間が出来ないようにするには、磁気コア２の突き
合せ面2aを非磁性膜３の形状に対応させて補正する必要
があり、このため磁気コア２の形状が複雑になるという
問題があった。

この発明はこのような問題を解決することができる磁
気ヘッドおよび磁気ヘッドの製造方法を提供することを
目的としている。

「課題を解決するための手段」上記目的を達成するために、この発明の磁気ヘッド
は、一対の磁気コアの突き合わせ面に、記録再生ギャッ
プとこの記録再生ギャップの両端部から一方の磁気コア
側に傾斜して延びる消去ギャップとから構成された磁気
ヘッドにおいて、上記消去ギャップを形成する非磁性膜に、磁性材をそ
の表面が上記記録再生ギャップと平行な平面になるよう
に形成し、該磁性材の表面と上記記録再生ギャップを形
成する非磁性膜の表面とに、上記他方の磁気コアの突き
合わせ面を接合したものである。

また、この発明の磁気ヘッドの製造方法は、磁性体か
らなるコア材の表面に、複数の台形状の溝を互いに平行
に形成した後、この溝を含むコア材の表面に非磁性膜を
形成することにより消去ギャップを形成し、上記非磁性
膜の表面に磁性膜を上記コア材の表面より高く形成し、
次いで、上記溝に隣接するコア材の表面に形成された非
磁性膜および磁性膜を所定の記録再生ギャップ厚となる
よう非磁性膜を残して切削除去する。このとき、記録再
生ギャップは消去ギャップより薄くなるように形成する
ものである。

「作用」この発明の磁気ヘッドにあっては、消去ギャップを形
成する非磁性膜に、磁性材をその表面が上記記録再生ギ
ャップと平行な平面になるように形成し、該磁性材の表
面と上記記録再生ギャップを形成する非磁性膜の表面と
を同一平面に形成したところに、上記他方の磁気コアの
突き合わせ面を接合したので、消去ギャップと磁性材と
の間にギャップが生じることがなく、かつ磁性材の表面
と他方の磁気コアの突き合わ面との間にギャップが生る
ことがない。

また、この発明の磁気ヘッドの製造方法にあっては、
コア材の表面に形成された複数の台形状の溝の内側面
に、非磁性膜からなる消去ギャップを形成し、この消去
ギャップの表面に磁性膜をコア材の表面より高く形成し
て、この磁性膜を所定の記録再生ギャップの厚さとなる
ように非磁性膜を残して切削除去することにより、消去
ギャップの表面に形成した磁性膜と非磁性膜とは同一平
面を形成する。従って、従来のように形状の不一致によ
る消去ギャップと磁性材との間の隙間が生じることがな
く、かつ磁性材の表面すなわち他方の磁気コアとの接合
面を設計通りに正確な平面にすることができるので、他
方の磁気コアの突き合わ面と磁性材との間にも隙間が生
ることがない。さらに、この発明の製造方法によれば、
記録再生ギャップは必ず消去ギャップより薄く形成でき
る。

「実施例」以下、第１図および第２図（ａ）〜（ｇ）を参照して
この発明の一実施例を説明する。

第１図は磁気ヘッドのギャップ部の近傍を示す斜視図
であり、図中符号10および11はそれぞれ対向して形成さ
れた一対の磁気コアを示す。

一方の磁気コア10の突き合わせ面12は、磁気ヘッドの
厚さ方向に平行な平行面12aと、この平行面12aの両縁部
から磁気コア10側に傾斜して延びる平面視ハ字状の傾斜
面12b,12bとから構成されている。上記平行面12aには、
SiO₂、SiO等の非磁性体からなる非磁性膜14が形成され
ており、この非磁性膜14が記録再生ギャップ15を構成し
ている。また、傾斜面12b,12bには、上記と同様の非磁
性体からなり、かつ厚さが非磁性膜14より厚い非磁性膜
16,16が形成されていおり、これら非磁性膜16,16が消去
ギャップ17,17を構成している。

一方、他方の磁気コア11の突き合わせ面11aは磁気ヘ
ッドの厚さ方向に平行な面であり、この突き合わ面11は
その中央部が上記非磁性膜14の表面に密接した状態で接
着接合されている。

また、上記突き合わせ面11aと非磁性膜16,16との間に
は、センダスト、パーマロイ、アモルファス等からなる
断面三角形状の磁性材20,20が突き合わ面11aおよび非磁
性膜16,16に密接した状態で設けられている。この磁性
材20は、後述するように、非磁性膜16,16の表面にスパ
ッタ等により形成され、突き合わせ面11aに接合された
ものである。

次に、上記構成の磁気ヘッドの製造方法を説明する。

まず、第２図（ａ），（ｂ）に示すように、四角柱状
の磁性体からなるコア材30の表面30aに、複数の台形状
の溝31…を互いに平行に形成する。次いで、第２図
（ｃ）に示すように、上記コア材30の表面30aにスパッ
タによりSiO₂、またはSiOからなる非磁性膜32を形成す
る。この非磁性膜32の厚さは上記消去ギャップ17の厚さ
と等しくする。

次に、第２図（ｄ）に示すように、非磁性膜32の表面
にスパッタ、蒸着、溶熔等によりセンダスト、パーマロ
イ、アモルファス等の高透磁率磁性体からなる磁性膜33
を上記溝31に隣接するコア材30の表面より高く形成す
る。このようにして形成された磁性膜33の表面は凹凸状
態になっている。

次いで、非磁性膜32および磁性膜33が形成されたコア
材30を、第２図（ｄ）にS₁で示す線に沿って切削研磨し
て、溝31に隣接するコア材30の表面に形成された非磁性
膜32の一部および磁性膜33を除去し、これにより上記非
磁性膜14,16および磁性材20を形成する。（第２図
（ｅ）参照）このとき、記録再生ギャップ（15）の厚さは、消去ギ
ャップ（17），（17）の厚さより薄く形成され、また、
記録再生ギャップ（15）の厚さと前記磁性材20は同一平
面に形成される。

その後、上記のように加工されたコア材30を、第２図
（ｅ）にS₂で示す線に沿ってスライスして、第２図
（ｆ）に示すように、磁気コア10を形成する。なお、第
２図（ｆ）に示す巻線用溝の凹部36の形成は、第２図
（ｂ）で説明した複数の台形状の溝31を形成する工程で
形成してもよく、または、第２図（ｄ）の切削研磨後、
形成してもよい。そして、第２図（ｇ）に示すように、
この磁気コア10に、別途形成した磁性体からなる直方体
状の磁気コア11を接着することにより磁気ヘッドを製造
する。なお、上記磁気コア10の突き合わせ面12は、切削
除去されて露出した非磁性膜14から形成したので、磁性
材20の表面と非磁性膜14の表面が同一平面に形成される
ので、上記磁気コア10と11は隙間なく接合される。

しかして、上記実施例によれば、コア材30の表面に、
複数の溝31…を互いに平行に形成し、これら溝31…を含
むコア材30の表面に非磁性膜32を形成することにより消
去ギャップ17を形成し、非磁性膜32の表面に磁性膜33を
コア材30の表面より高く形成し、次いで、上記溝31に隣
接するコア材30の表面に形成された非磁性膜32の一部お
よび磁性膜33を切削除去することにより所定の記録再生
ギャップ15と磁性材20との表面を面一に形成し、このよ
うにして加工されたコア材30を、第２図（ｅ）にS₂で示
す線に沿ってスライスして、第２図（ｆ）に示すような
磁気コア10を形成し、上記磁性材20の表面と上記記録再
生ギャップ15を形成する非磁性膜14の表面とに、他方の
磁気コア11の突き合わせ面11aを接合したので、消去ギ
ャップ17と磁性材20との間に従来のような隙間が生じる
ことがなく、かつ他方の磁気コア11の突き合わ面11aと
磁性材20との間にも隙間が生ることがない。

「発明の効果」以上説明したように、この発明の磁気ヘッドおよび磁
気ヘッドの製造方法によれば、磁性体からなるコア材の
表面に、複数の台形状の溝を互いに平行に形成し、この
溝を含むコア材の表面に非磁性膜を形成することにより
消去ギャップを形成し、非磁性膜の表面に磁性膜をコア
材の表面より高く形成し、次いで、上記溝に隣接するコ
ア材の表面に形成された非磁性膜の一部および磁性膜を
切削除去することにより消去ギャップ上の磁性材を記録
再生ギャップの非磁性膜の表面と面一に形成し、このと
き、記録再生ギャップが消去ギャップより狭くなるよう
に形成する。さらに、同一平面をなす上記磁性材の表面
と上記記録再生ギャップを形成する非磁性膜の表面と
に、他方の磁気コアの突き合わせ面を接合したので、消
去ギャップと磁性材との間に隙間が生じることがなく、
かつ磁性材の表面すなわち他方の磁気コアとの接合面を
設計通りに正確な平面にすることができるので、他方の
磁気コアの突き合わ面と磁性材との間に隙間が生ること
がない。

さらに、この発明においては、記録再生ギャップと消
去ギャップとは、記録再生ギャップ＜消去ギャップの関係にあり、記録再生時のS/N比（信号対雑音比）
は、記録再生ギャップ＝消去ギャップの関係より優れている。

また、所定の記録再生ギャップの厚さまで非磁性材と
磁性材とを切削除去することによって、容易に記録再生
ギャップが消去ギャップより狭いギャップ構造が形成で
きるという顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図（ａ）〜（ｇ）はこの発明の一実施
例を説明するためのものであり、第１図は磁気ヘッドの
要部の斜視図、第２図（ａ）〜（ｇ）は磁気ヘッドの製
造方法の工程を説明するためのものであり、第２図
（ａ）はコア材の斜視図、（ｂ）は溝が形成されたコア
材の斜視図、（ｃ）はコア材に非磁性膜を形成した状態
を示す断面図、（ｄ）はコア材に磁性膜を形成した状態
を示す断面図、（ｅ）は磁性膜の一部を切削除去した状
態を示す断面図、（ｆ）は磁気コアの斜視図、（ｇ）は
磁気ヘッドの側面図、第３図は、従来の磁気ヘッドの要
部の平面図である。 10……一方の磁気コア、 11……他方の磁気コア、 11a……突き合わせ面、12……突き合わ面、 14……非磁性膜、15……記録再生ギャップ、 16……非磁性膜、17……消去ギャップ、 20……磁性材、30……コア材、 31……溝、32……非磁性膜、 33……磁性膜、34……非磁性膜。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】一対の磁気コアの突き合わせ面に、非磁性
膜を介在させて磁気ギャップが形成され、この磁気ギャ
ップが、記録再生ギャップと、この記録再生ギャップの
両端部から一方の磁気コア側に傾斜して延びるハ字状の
消去ギャップとから構成された磁気ヘッドにおいて、上記消去ギャップを形成する非磁性膜に、磁性材をその
表面が上記記録再生ギャップと平行な平面になるように
形成し、該磁性材の表面と上記記録再生ギャップを形成
する非磁性膜の表面とに、上記他方の磁気コアの突き合
わせ面を接合したことを特徴とする磁気ヘッド。
【請求項２】磁性体からなるコア材の表面に、複数の台
形状の溝を互いに平行に形成した後、この溝を含むコア
材の表面に非磁性膜を形成することにより消去ギャップ
を形成し、上記非磁性膜の表面に磁性膜を上記コア材の
表面より高く形成し、次いで、上記溝に隣接するコア材
の表面に形成された非磁性膜の一部および磁性膜を切削
除去することにより磁性材と非磁性材の表面とを面一に
形成し、上記コア材の磁性材と非磁性材とからなる面一
な表面に、他の磁性体からなる磁気コアを接合すること
により磁気ヘッドを形成することを特徴とする磁気ヘッ
ドの製造方法。