JPH0822602A - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH0822602A
JPH0822602A JP15201694A JP15201694A JPH0822602A JP H0822602 A JPH0822602 A JP H0822602A JP 15201694 A JP15201694 A JP 15201694A JP 15201694 A JP15201694 A JP 15201694A JP H0822602 A JPH0822602 A JP H0822602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
groove
track groove
tape
sliding surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15201694A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunsaku Muraoka
俊作 村岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP15201694A priority Critical patent/JPH0822602A/ja
Publication of JPH0822602A publication Critical patent/JPH0822602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テープ摺動時におけるトラック溝斜面上の金
属磁性膜2の端部が酸化物磁性体から剥離することを防
止した。 【構成】 磁気ギャップ5とトラック溝7が形成される
ように接合した一対の磁気コア半体のうち、少なくとも
一方の磁気コア半体が、酸化物磁性体1と、この酸化物
磁性体1の磁気ギャップ5対向面およびトラック溝7上
に形成された金属磁性膜2とを有し、トラック溝7にモ
ールドガラス3を充填した磁気ヘッドであって、トラッ
ク溝斜面7b上に形成された金属磁性膜2の端部を含む
テープ摺動面11の位置を切欠いて切欠き溝4を形成し
たことを特徴とする。これにより、金属磁性膜2の端部
がテープ摺動面11においてヘッドチップ幅加工面6に
出ないので、テープ摺動時における金属磁性膜2の剥離
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR等のシステム
に用いられる高保磁力の磁気記録媒体に高密度に情報を
記録再生するのに適した磁気ヘッド、およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRシステムの高密度化が要求
されているが、高密度磁気記録再生のためには記録媒体
は高保磁力化、磁気ヘッドはコア材料の高飽和磁束密度
化が要求される。従来、磁気ヘッドのコア材料として主
流になっていたフェライト材料は、飽和磁束密度(以
下、Bs)が0.5T程度であり、1000Oe以上の
高保磁力を有するメタルテープに使用すると磁気飽和が
起こり、記録が十分に行われない。そこで、現在はフェ
ライト材料よりもBsの大きい材料であるセンダスト合
金膜(Bs:約1. 0T)やCo系アモルファス膜(B
s:約0. 8T〜約1. 1T)、さらにBsが1. 3T
以上のCo系超構造窒化膜、Fe系超構造窒化膜、Fe
系窒化膜等の新材料を用いた磁気ヘッド、その中でも特
にメタルインギャップヘッド(以下、MIGヘッド)の
開発が盛んに行われている。
【0003】従来のMIGヘッドの構造としては、主に
図26に示すように、主コアがフェライト等の酸化物磁
性体1、磁気ギャップ5近傍が金属磁性膜2からなり、
また、トラック溝7の側面7aおよび斜面7b上も金属
磁性膜2が形成されているものが多い。これらのヘッド
は民生用のアナログVTR、たとえばVHS、S−VH
S、8mVTR等の商品に展開されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の構造のMIGヘ
ッドは、図26および図27に示すように、テープ摺動
面11においてトラック溝斜面7b上に形成された金属
磁性膜2の端部がすべてヘッドチップ加工面6に出てい
る。したがってヘッドのテープ摺動面11をテープが摺
動すると、トラック溝斜面7bとヘッドチップ幅加工面
6とのなす角度のうち鋭角側の角度θが小さい場合は、
テープ摺動時おけるテープからの力に耐えられず、図2
8に示すように、トラック溝斜面7b上の金属磁性膜2
の端部が酸化物磁性体1から剥離し、最終的にはガラス
3が外れてしまい、ヘッドチップが破壊する等の問題が
生じた。その従来のMIGヘッドにおける金属磁性膜2
の端部における酸化物磁性体1からの剥離のメカニズム
を図29〜図32を用いて説明する。
【0005】図29は磁気ヘッド10にテープ9が摺動
している状態をテープ9の幅方向から見た概念図であ
る。このようにテープ摺動時にはテープ9の幅方向に引
っ張り応力Qが発生するため、ヘッドのテープ摺動面1
1のコア厚み方向の端部には図に示すような力Pが発生
する。図30に示すように、トラック溝斜面7b上の金
属磁性膜2の端部では、金属磁性膜2を酸化物磁性体1
から剥離させようとする力はPcos θであるので、θが
大きい場合はPcos θは小さくなり剥離は生じない。し
かし、θが小さくなるとPcos θは大きくなり、さらに
金属磁性膜2の端部では力が加わる方向に支えとなるも
のがないため、図31に示すような小さな剥離が生じ
る。この状態でテープ摺動がさらに続くと、剥離した金
属磁性膜とフェライトの隙間にテープかす等が入り込
み、図32に示すようにさらに剥離が拡大する。実験に
よると、0゜<θ<45゜において特に剥離が顕著であ
り問題であった。
【0006】したがって、この発明の目的は、テープ摺
動時におけるトラック溝斜面上の金属磁性膜の端部が酸
化物磁性体から剥離することを防止した磁気ヘッドおよ
びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の磁気ヘッド
は、磁気ギャップとトラック溝が形成されるように接合
した一対の磁気コア半体のうち、少なくとも一方の磁気
コア半体が、酸化物磁性体と、この酸化物磁性体の磁気
ギャップ対向面およびトラック溝上に形成された金属磁
性膜とを有し、トラック溝にモールドガラスを充填した
磁気ヘッドであって、トラック溝斜面上に形成された金
属磁性膜の端部を含むテープ摺動面の位置を切欠いて切
欠き溝を形成したことを特徴とするものである。
【0008】請求項2の磁気ヘッドは、請求項1におい
て、切欠き溝が、トラック溝斜面とヘッドチップ幅加工
面とのなす角度のうち鋭角側の角度θが0°<θ<45
°の範囲にあるトラック溝斜面上の金属磁性膜の端部に
形成されたものである。請求項3の磁気ヘッドは、請求
項1または2において、切欠き溝が、磁気ギャップ対向
面と略平行にテープ摺動面の幅方向にわたって形成され
たものである。
【0009】請求項4の磁気ヘッドは、請求項1、2ま
たは3において、切欠き溝にガラスが充填されたもので
ある。請求項5の磁気ヘッドの製造方法は、磁気ギャッ
プとトラック溝が形成されるように接合する一対の磁気
コア半体のうち、少なくとも一方の磁気コア半体を酸化
物磁性体で形成するとともに、この酸化物磁性体の磁気
ギャップ対向面およびトラック溝上に金属磁性膜を形成
する工程と、トラック溝にモールドガラスを充填して一
対の磁気コア半体を接合する工程と、トラック溝斜面上
の金属磁性膜の端部を含むテープ摺動面の位置に切欠き
溝を形成する工程とを含むものである。
【0010】請求項6の磁気ヘッドの製造方法は、請求
項5において、切欠き溝を、磁気ギャップ対向面と略平
行にテープ摺動面の幅方向にわたって形成する工程を有
するものである。請求項7の磁気ヘッドの製造方法は、
請求項5または6において、切欠き溝にガラスを充填す
る工程を有するものである。
【0011】請求項8の磁気ヘッドの製造方法は、磁気
ギャップとトラック溝が形成されるように接合する一対
の磁気コア半体のうち、少なくとも一方の磁気コア半体
を酸化物磁性体で形成するとともに、トラック溝斜面の
端部を含むテープ摺動面の位置に切欠き溝を形成した
後、酸化物磁性体の磁気ギャップ対向面およびトラック
溝上に金属磁性膜を形成する工程と、トラック溝にモー
ルドガラスを充填して一対の磁気コア半体を接合する工
程とを含むものである。
【0012】請求項9の磁気ヘッドの製造方法は、請求
項8において、切欠き溝を、磁気ギャップ対向面と略平
行にテープ摺動面の幅方向にわたって形成する工程を有
するものである。請求項10の磁気ヘッドの製造方法
は、請求項8または9において、金属磁性膜を形成した
後に、切欠き溝にガラスを充填する工程を有するもので
ある。
【0013】
【作用】請求項1の構成によれば、トラック溝斜面上の
金属磁性膜の端部を含むテープ摺動面の位置を切欠いて
切欠き溝を形成することにより、金属磁性膜の端部がテ
ープ摺動面においてヘッドチップ幅加工面に出ない。こ
のため、テープ摺動時に金属磁性膜の端部において、金
属磁性膜の端部を酸化物磁性体から剥離させようとする
力が作用してもこの力の方向に、モールドガラスの支え
があるため、金属磁性膜は酸化物磁性体から剥離しな
い。
【0014】請求項2の構成によれば、請求項1の作用
に加えてトラック溝斜面とヘッドチップ幅加工面とのな
す角度のうち鋭角側の角度θが0°<θ<45°の範囲
にある場合に金属磁性膜の端部が最も剥離しやすいの
で、角度θが上記範囲にある金属磁性膜の端部に切欠き
溝を形成することにより、必要な部分だけ効果的に金属
磁性膜の剥離を防止できる。
【0015】請求項3の構成によれば、磁気ギャップ対
向面と略平行にテープ摺動面の幅方向にわたって切欠き
溝を形成したので加工しやすい。請求項4の構成によれ
ば、切欠き溝中にガラスを充填することにより、切欠き
溝中にテープかす等がつまることもなく、テープの走行
が良好である。請求項5の構成によれば、少なくとも一
方の磁気コア半体を酸化物磁性体で形成するとともに、
この酸化物磁性体の磁気ギャップ対向面およびトラック
溝上に金属磁性膜を形成し、トラック溝にモールドガラ
スを充填して一対の磁気コア半体を接合した後、切欠き
溝を形成するので、切欠き溝を形成する工程の前までは
従来と同様の製造手順で容易に製造できる。また、製造
された磁気ヘッドは請求項1と同様の作用を得る。
【0016】請求項6の構成によれば、請求項3、5の
作用を得る。請求項7の構成によれば、請求項4、5の
作用を得る。請求項8の構成によれば、少なくとも一方
の磁気コア半体を酸化物磁性体で形成する工程で同時に
切欠き溝を形成し、この後、磁気ギャップ対向面および
トラック溝上に金属磁性膜を形成し、トラック溝にモー
ルドガラスを充填して一対の磁気コア半板を接合するの
で、切欠き溝を形成する工程を別に追加する必要はな
く、製造工程が少なくなる。また、切欠き溝を金属磁性
膜よりも先に酸化物磁性体に形成しておくため歩留りが
向上する。また、製造された磁気ヘッドは請求項1と同
様の効果を得る。
【0017】請求項9の構成によれば、請求項3、8の
作用を得る。請求項10の構成によれば、請求項4、8
の作用を得る。
【0018】
【実施例】この発明の第1の実施例を図1ないし図11
に基づいて説明する。図1は第1の実施例の磁気ヘッド
の一部破断斜視図である。この磁気ヘッドは、磁気ギャ
ップ5とトラック溝7が形成されるように接合した一対
の磁気コア半体のうち少なくとも一方(同図では両方)
の磁気コア半体が、酸化物磁性体1と金属磁性膜2を有
する。金属磁性膜2は、酸化物磁性体1の磁気ギャップ
5対向面およびトラック溝7の側面7aおよび斜面7b
上に形成されている。また、トラック溝7にはモールド
ガラス3が充填してある。
【0019】また、トラック溝斜面7b上の金属磁性膜
2の端部を含むテープ摺動面11の位置を切欠いて切欠
き溝4が形成してある。この場合、切欠き溝4は磁気ギ
ャップ5対向面と略平行に形成され、金属磁性膜2の端
部がテープ摺動面11においてヘッドチップ幅加工面6
に出ないようにしている。この場合、磁気ヘッドのテー
プ摺動面11を示した図4と、切欠き溝4を形成する前
のテープ摺動面11を示した図3において、アジマス角
δ=20°、トラック溝斜面7bとヘッドチップ幅加工
面6とのなす角度のうち鋭角側の角度θ1、θ2 が、θ1
=60°、θ2 =25°であり、0°<θ<45°を
満たすθ2=25°のトラック溝斜面7b上の金属磁性
膜2の端部を切欠くように、磁気ギャップ5対向面と略
平行にテープ摺動面11の幅方向にわたって切欠き溝4
が形成されている。
【0020】つぎに、この実施例の磁気ヘッドの製造方
法について説明する。図5〜図10に示すように、ま
ず、酸化物磁性体1に巻線溝13を形成し、トラック溝
7を形成する。つぎに、磁気ギャップ5対向面を研磨し
た後にその対向面上に金属磁性膜2をスパッタ形成し、
一対の磁気コア半体を作成する。そして、磁気コア半体
の磁気ギャップ5対向面にギャップ材を形成した後に、
一対の磁気コア半体を磁気ギャップ5対向面で突き合わ
せトラック溝7内にモールドガラス3を流し込み、一つ
のギャップドバーを作成する。そして、図2に示すよう
に、テープ摺動面11上に切欠き溝4をトラック溝斜面
7b上の金属磁性膜2の端部を切欠くように磁気ギャッ
プ5と略平行に形成する。その後、所定のヘッドチップ
コア幅、アジマス角度でヘッドチップに切断し、テープ
摺動面11を研磨してヘッドチップが完成する。
【0021】つぎに、上記のように作成された磁気ヘッ
ドの作用について説明する。すなわち、従来例と同様
に、テープ摺動時にはテープの幅方向に引っ張り応力Q
が発生するため、ヘッドのテープ摺動面11のコア厚み
方向の端部には力Pが発生し、トラック溝斜面7b上の
金属磁性膜2の端部では、図11に示すように、金属磁
性膜2を酸化物磁性体1から剥離させようとする力はP
cos θが発生する。しかしながら、金属磁性膜2の端部
において力Pcos θが加わる方向にモールドガラス3の
支えがあるため、θが小さくPcos θが大きくなっても
金属磁性膜2は酸化物磁性体1から剥離しない。
【0022】この実施例では、トラック溝斜面7b上の
金属磁性膜2の端部を含むテープ摺動面11の位置を切
欠いて切欠き溝4を形成することにより、金属磁性膜2
の端部がテープ摺動面11においてヘッドチップ幅加工
面6に出ない。このため、テープ摺動時に金属磁性膜2
の端部において、金属磁性膜2の端部を酸化物磁性体1
から剥離させようとする力が作用してもこの力の方向
に、モールドガラス3の支えがあるため、金属磁性膜2
は酸化物磁性体1から剥離しない。実際にテープを長時
間走行させても従来の磁気ヘッドに見られた金属磁性膜
2の端部の剥離は全く観察されず、良好な特性を維持で
きた。また、トラック溝斜面7bとヘッドチップ幅加工
面6とのなす角度のうち鋭角側の角度θが0°<θ<4
5°の範囲にある場合に金属磁性膜2の端部が最も剥離
しやすいので、角度θが上記範囲にある金属磁性膜2の
端部に切欠き溝4を形成することにより、必要な部分だ
け効果的に金属磁性膜2の剥離を防止できる。また、磁
気ギャップ5対向面と略平行にテープ摺動面11の幅方
向にわたって切欠き溝4を形成したので、加工しやす
い。また、磁気コア半体を酸化物磁性体1で形成すると
ともに、この酸化物磁性体1の磁気ギャップ5対向面お
よびトラック溝7上に金属磁性膜2を形成し、トラック
溝7にモールドガラス3を充填して一対の磁気コア半体
を接合した後、切欠き溝4を形成するので、切欠き溝4
を形成する工程の前までは従来と同様の製造手順で容易
に製造できる。
【0023】第2の実施例の磁気ヘッドを図12に基づ
いて説明する。すなわち、切欠き溝4中にモールドガラ
ス3が充填されており、その他の構成は第1の実施例と
同様である。この実施例では、切欠き溝4中にガラス3
aが充填されているので、切欠き溝4中にテープかす等
がつまることもなく、テープの走行が良好である。その
他の効果は第1の実施例と同様である。
【0024】第3の実施例の磁気ヘッドを図13〜図1
5に基づいて説明する。すなわち、0°<θ<45°を
満たすθ2 =25°のトラック溝斜面7b上の金属磁性
膜2の端部を切欠き、ヘッド摺動面11の幅方向の端面
のみに切欠き溝4が形成されている。その他の構成は第
1の実施例と同様である。また、この磁気ヘッドの製造
方法は、第1の実施例とほぼ同様であるが、図15に示
すように、ギャップドバーのテープ摺動面11上に切欠
き溝4をYAGレーザを用いてトラック溝斜面7b上の
金属磁性膜2の端部を切欠くようにスポット状に形成し
た点が異なる。図14はこの磁気ヘッドの作用説明図で
ある。この場合も、第1の実施例の図11と同様に、金
属磁性膜2の端部において力Pcos θが加わる方向にモ
ールドガラス3の支えがあるため、θが小さくPcos θ
が大きくなっても金属磁性膜2は酸化物磁性体1から剥
離しない。
【0025】この実施例では、切欠き溝4がテープ摺動
面11の幅方向の端面のみに形成されているので、切欠
き溝4中につまるテープかす等が少なく、テープの走行
が良好である。その他の効果は、第1の実施例と同様で
ある。第4の実施例の磁気ヘッドを図16に基づいて説
明する。すなわち、この磁気ヘッドは第3の実施例の磁
気ヘッドにおいて、切欠き溝4中にガラス3aを充填し
たものである。この実施例では、切欠き溝4中にガラス
3aが充填されているので、切欠き溝4中にテープかす
等がつまることもなく、テープの走行が良好である。そ
の他の構成効果は第1の実施例と同様である。
【0026】第5の実施例の磁気ヘッドを図17および
図18に基づいて説明する。すなわち、この磁気ヘッド
は、第1の実施例の磁気ヘッドと比較して、トラック溝
7が斜面7bだけで構成されている。この場合、磁気ヘ
ッドのテープ摺動面11を示した図18と、切欠き溝4
を形成する前のテープ摺動面11を示した図17におい
て、アジマス角δ=20°、トラック溝斜面7bとヘッ
ドチップ幅加工面6とのなす角度のうち鋭角側の角度θ
1 、θ2 が、θ1 =20°、θ2 =25°であり、4つ
のすべてのトラック溝斜面7bとヘッドチップ幅加工面
6とのなす角度θが、0°<θ<45°を満たす。した
がって、4つすべてのトラック溝斜面7b上の金属磁性
膜2の端部をすべて切欠くように、磁気ギャップ5対向
面と略平行にテープ摺動面11の幅方向にわたって切欠
き溝4が形成されている。その他の構成効果は、第1の
実施例と同様である。
【0027】第6の実施例の磁気ヘッドを図19に基づ
いて説明する。すなわち、この磁気ヘッドは、第5の実
施例の磁気ヘッドにおいて、切欠き溝4中にガラス3a
を充填したものである。この実施例では、切欠き溝4中
にガラス3aが充填されているので、切欠き溝4中にテ
ープかす等がつまることもなく、テープの走行が良好で
ある。その他の構成効果は第5の実施例と同様である。
【0028】第7の実施例の磁気ヘッドを図20に基づ
いて説明する。すなわち、0°<θ<45°を満たす4
つすべてのトラック溝斜面7b上の金属磁性膜2の端部
を切欠き、ヘッド摺動面11の幅方向の端面のみに切欠
き溝4が形成されている。その製造方法および作用は第
3の実施例と同様である。この実施例では、切欠き溝4
がテープ摺動面11の幅方向の端面のみに形成されてい
るので、切欠き溝4中につまるテープかす等が少なく、
テープの走行が良好である。その他の構成効果は、第5
の実施例と同様である。
【0029】第8の実施例の磁気ヘッドを図21に基づ
いて説明する。すなわち、この磁気ヘッドは第7の実施
例の磁気ヘッドにおいて、切欠き溝4中にガラス3aを
充填したものである。この実施例では、切欠き溝4中に
ガラス3aが充填されているので、切欠き溝4中にテー
プかす等がつまることもなく、テープの走行が良好であ
る。その他の構成効果は第5の実施例と同様である。
【0030】また、以上の実施例において、すべてヘッ
ドチップ幅は一定としたが、フロントコアとバックコア
でヘッドチップ幅が異なるようなヘッドにおいては、ヘ
ッドチップ幅加工面6はフロントコアのヘッドチップ幅
加工面6とすればよい。つぎに、第1、2の実施例の磁
気ヘッドを製造する製造方法の別の実施例(第9の実施
例)を説明する。すなわち、巻線溝13、トラック溝7
を形成した磁気コア半体の磁気ギャップ5対向面に金属
磁性膜2を形成した後に、図22に示すように、磁気コ
ア半体のテープ摺動面11上に切欠き溝4をトラック溝
斜面7b上の金属磁性膜2の端部を切欠くように磁気ギ
ャップ5対向面と略平行に形成する。そして、磁気コア
半体の磁気ギャップ5対向面にギャップ材を形成した後
に、一対の磁気コア半体を磁気ギャップ5対向面で突き
合わせトラック溝7および切欠き溝4内にモールドガラ
ス3を流し込み、一つのギャップドバーを作成する。そ
して所定のヘッドチップコア幅、アジマス角度でヘッド
チップに切断し、摺動面を研磨してヘッドチップが完成
する。
【0031】第1、2の実施例の磁気ヘッドを製造する
製造方法のさらに別の実施例(第10の実施例)を説明
する。すなわち、図23に示すように、巻線溝13、ト
ラック溝7を形成したコア半体のテープ摺動面11上に
切欠き溝4をトラック溝斜面7bの端部を切欠くように
磁気ギャップ5と略平行に形成する。そして、磁気ギャ
ップ5対向面を平滑に研磨した後に、金属磁性膜2を磁
気ギャップ5対向面にスパッタ形成し、その上にさらに
ギャップ材を形成する。その後、一対の磁気コア半体を
磁気ギャップ5対向面で突き合わせトラック溝7および
切欠き溝4内にモールドガラス3を流し込み、一つのギ
ャップドバーを作成する。そして、所定のヘッドチップ
コア幅、アジマス角度でヘッドチップに切断し、摺動面
を研磨してヘッドチップが完成する。
【0032】つぎに、第3、4の実施例の磁気ヘッドを
製造する製造方法の別の実施例(第11の実施例)を説
明する。第9の実施例とほぼ同様であるが、図24に示
すように、磁気コア半体のテープ摺動面11上に切欠き
溝4をYAGレーザを用いてトラック溝斜面7b上の金
属磁性膜2の端部を切欠くようにスポット状に形成した
点が異なる。
【0033】第3、4の実施例の実施例の磁気ヘッドを
製造する製造方法のさらに別の実施例(第12の実施
例)を説明する。第10の実施例とほぼ同様であるが、
図25に示すように、磁気コア半体のテープ摺動面11
上に切欠き溝4をYAGレーザを用いてトラック溝斜面
7bの端部を欠くようにスポット状に形成した点が異な
る。
【0034】また、第5、6の実施例の磁気ヘッドは第
9、10の実施例の製造方法で同様に製造でき、第7、
8の実施例の磁気ヘッドは第11、12の実施例の製造
方法で同様に製造できる。
【0035】
【発明の効果】請求項1の磁気ヘッドによれば、トラッ
ク溝斜面上の金属磁性膜の端部を含むテープ摺動面の位
置を切欠いて切欠き溝を形成することにより、金属磁性
膜の端部がテープ摺動面においてヘッドチップ幅加工面
に出ない。このため、テープ摺動時に金属磁性膜の端部
において、金属磁性膜の端部を酸化物磁性体から剥離さ
せようとする力が作用してもこの力の方向に、モールド
ガラスの支えがあるため、金属磁性膜は酸化物磁性体か
ら剥離しない。このため、長時間の使用にも良好な特性
を維持することができ、信頼性が向上する。
【0036】請求項2では、請求項1の効果に加えてト
ラック溝斜面とヘッドチップ幅加工面とのなす角度のう
ち鋭角側の角度θが0°<θ<45°の範囲にある場合
に金属磁性膜の端部が最も剥離しやすいので、角度θが
上記範囲にある金属磁性膜の端部に切欠き溝を形成する
ことにより、必要な部分だけ効果的に金属磁性膜の剥離
を防止できる。
【0037】請求項3では、磁気ギャップ対向面と略平
行にテープ摺動面の幅方向にわたって切欠き溝を形成し
たので加工しやすい。請求項4では、切欠き溝中にガラ
スを充填することにより、切欠き溝中にテープかす等が
つまることもなく、テープの走行が良好である。請求項
5の磁気ヘッドの製造方法によれば、少なくとも一方の
磁気コア半体を酸化物磁性体で形成するとともに、この
酸化物磁性体の磁気ギャップ対向面およびトラック溝上
に金属磁性膜を形成し、トラック溝にモールドガラスを
充填して一対の磁気コア半体を接合した後、切欠き溝を
形成するので、切欠き溝を形成する工程の前までは従来
と同様の製造手順で容易に製造できる。また、製造され
た磁気ヘッドは請求項1と同様の作用を得る。
【0038】請求項6では、請求項3、5の効果を得
る。請求項7では、請求項4、5の効果を得る。請求項
8の磁気ヘッドの製造方法によれば、少なくとも一方の
磁気コア半体を酸化物磁性体で形成する工程で同時に切
欠き溝を形成し、この後、磁気ギャップ対向面およびト
ラック溝上に金属磁性膜を形成し、トラック溝にモール
ドガラスを充填して一対の磁気コア半板を接合するの
で、切欠き溝を形成する工程を別に追加する必要はな
く、製造工程が少なくなる。また、切欠き溝を金属磁性
膜よりも先に酸化物磁性体に形成しておくため歩留りが
向上する。また、製造された磁気ヘッドは請求項1と同
様の効果を得る。
【0039】請求項9では、請求項3、8の効果を得
る。請求項10では、請求項4、8の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の磁気ヘッドの一部破
断斜視図である。
【図2】第1の実施例において磁気コア半体を接合一体
化した斜視図である。
【図3】切欠き溝を形成する前のテープ摺動面の平面図
である。
【図4】切欠き溝を形成したテープ摺動面の平面図であ
る。
【図5】第1の実施例の磁気ヘッドの製造方法における
酸化物磁性体の説明図である。
【図6】図5の酸化物磁性体に巻線溝を形成した説明図
である。
【図7】図6の酸化物磁性体にトラック溝を形成した説
明図である。
【図8】図7の酸化物磁性体に金属磁性膜を形成して磁
気コア半体を作成した説明図である。
【図9】図8の磁気コア半体を磁気ギャップが形成され
るように対向させた説明図である。
【図10】対向した磁気コア半体をガラス接合した説明
図である。
【図11】第1の実施例の作用説明図である。
【図12】第2の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図13】第3の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図14】第3の実施例の作用説明図である。
【図15】第3の実施例において磁気コア半体を接合一
体化した斜視図である。
【図16】第4の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図17】第5の実施例において切欠き溝を形成する前
の磁気ヘッドのテープ摺動面の平面図である。
【図18】第5の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図19】第6の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図20】第7の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図21】第8の実施例の磁気ヘッドのテープ摺動面の
平面図である。
【図22】第9の実施例の磁気ヘッドの製造方法の説明
図である。
【図23】第10の実施例の磁気ヘッドの製造方法の説
明図である。
【図24】第11の実施例の磁気ヘッドの製造方法の説
明図である。
【図25】第12の実施例の磁気ヘッドの製造方法の説
明図である。
【図26】従来例の磁気ヘッドの一部破断斜視図であ
る。
【図27】従来例の磁気ヘッドのテープ摺動面の平面図
である。
【図28】従来の問題点を示す説明図である。
【図29】テープ摺動時に磁気ヘッドに加わる力の説明
図である。
【図30】金属磁性膜の端部にかかる力の説明図であ
る。
【図31】金属磁性膜の端部が酸化物磁性体から剥離し
た初期の説明図である。
【図32】図31の状態からさらに金属磁性膜の端部が
剥離した状態の説明図である。
【符号の説明】
1 酸化物磁性体 2 金属磁性膜 3 モールドガラス 4 切欠き溝 5 磁気ギャップ 6 ヘッドチップ幅加工面 7 トラック溝 7b トラック溝斜面 11 テープ摺動面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ギャップとトラック溝が形成される
    ように接合した一対の磁気コア半体のうち、少なくとも
    一方の磁気コア半体が、酸化物磁性体と、この酸化物磁
    性体の前記磁気ギャップ対向面および前記トラック溝上
    に形成された金属磁性膜とを有し、前記トラック溝にモ
    ールドガラスを充填した磁気ヘッドであって、前記トラ
    ック溝斜面上に形成された前記金属磁性膜の端部を含む
    テープ摺動面の位置を切欠いて切欠き溝を形成したこと
    を特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 切欠き溝が、トラック溝斜面とヘッドチ
    ップ幅加工面とのなす角度のうち鋭角側の角度θが0°
    <θ<45°の範囲にあるトラック溝斜面上の金属磁性
    膜の端部に形成された請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 切欠き溝が、磁気ギャップ対向面と略平
    行にテープ摺動面の幅方向にわたって形成された請求項
    1または2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 切欠き溝にガラスが充填された請求項
    1、2または3記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 磁気ギャップとトラック溝が形成される
    ように接合する一対の磁気コア半体のうち、少なくとも
    一方の磁気コア半体を酸化物磁性体で形成するととも
    に、この酸化物磁性体の前記磁気ギャップ対向面および
    前記トラック溝上に金属磁性膜を形成する工程と、前記
    トラック溝にモールドガラスを充填して前記一対の磁気
    コア半体を接合する工程と、前記トラック溝斜面上の前
    記金属磁性膜の端部を含むテープ摺動面の位置に切欠き
    溝を形成する工程とを含む磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 切欠き溝を、磁気ギャップ対向面と略平
    行にテープ摺動面の幅方向にわたって形成する工程を有
    する請求項5記載の磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 切欠き溝にガラスを充填する工程を有す
    る請求項5または6記載の磁気ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 磁気ギャップとトラック溝が形成される
    ように接合する一対の磁気コア半体のうち、少なくとも
    一方の磁気コア半体を酸化物磁性体で形成するととも
    に、前記トラック溝斜面の端部を含むテープ摺動面の位
    置に切欠き溝を形成した後、前記酸化物磁性体の前記磁
    気ギャップ対向面および前記トラック溝上に金属磁性膜
    を形成する工程と、前記トラック溝にモールドガラスを
    充填して前記一対の磁気コア半体を接合する工程とを含
    む磁気ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 切欠き溝を、磁気ギャップ対向面と略平
    行にテープ摺動面の幅方向にわたって形成する工程を有
    する請求項8記載の磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 金属磁性膜を形成した後に、切欠き溝
    にガラスを充填する工程を有する請求項8または9記載
    の磁気ヘッドの製造方法。
JP15201694A 1994-07-04 1994-07-04 磁気ヘッドおよびその製造方法 Pending JPH0822602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15201694A JPH0822602A (ja) 1994-07-04 1994-07-04 磁気ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15201694A JPH0822602A (ja) 1994-07-04 1994-07-04 磁気ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0822602A true JPH0822602A (ja) 1996-01-23

Family

ID=15531222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15201694A Pending JPH0822602A (ja) 1994-07-04 1994-07-04 磁気ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0822602A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7154705B2 (en) * 2002-05-21 2006-12-26 Sony Corporation Magnetic head for rotary head drum

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7154705B2 (en) * 2002-05-21 2006-12-26 Sony Corporation Magnetic head for rotary head drum

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS61129716A (ja) 磁気ヘツド
JPS61126614A (ja) 磁気ヘツド及びその製造方法
JPH0773411A (ja) データカートリッジ用磁気ヘッド装置
JP3083675B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0822602A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH02247816A (ja) 固定磁気ディスク装置用コアスライダの製造法
JP3104185B2 (ja) 磁気ヘッド
JPH0690776B2 (ja) 磁気ヘツド
JP2857157B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0227506A (ja) 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH0258712A (ja) 磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッドの製造方法
JPH0648529B2 (ja) 磁気ヘツド
JPH0561681B2 (ja)
JPH02105304A (ja) 磁気ヘッド
JPH0778851B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0156445B2 (ja)
JPH02289909A (ja) 磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッドの製造方法
JPH04195710A (ja) 磁気ヘッド
JPH04370509A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH06215315A (ja) 磁気ヘッド
JPH0589422A (ja) 磁気ヘツドの製造方法
JPH0554168B2 (ja)
JPH06338027A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH0817007A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH0554324A (ja) 磁気ヘツド