JP2792464B2 - マイクロデバイス基板およびマイクロデバイス基板の製造方法 - Google Patents

マイクロデバイス基板およびマイクロデバイス基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン(Si)、ガリ
ウム砒素(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)
を始めとする半導体材料;および/又は、Li2 4
7 、LiTaO3 、LiNbO3 、サファイヤ(Al2
3 )、YIG(Y3 Fe5 12)等の圧電体材料から
選ばれた1以上の材料から構成される(少なくとも一部
に含む)マイクロデバイス(microdevice )加工用基
板;および、該基板と、その一方の面側に形成されたマ
イクロデバイス・パターンとからなるマイクロデバイス
基板に関する。より具体的には、本発明は、上記基板の
マイクロデバイス・パターン形成(加工用)面と反対の
面側に、該基板の「反り量」を制御するための歪み層が
形成されてなるマイクロデバイス加工用基板、およびマ
イクロデバイス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子デバイス、光デバイス、エレ
クトロオプティカル・デバイス、エレクトロメカニカル
・デバイス(表面弾性波素子等)、マイクロマシン等の
マイクロデバイスを形成する目的で、基本的にフォトリ
ソグラフィ技術を用いる微細加工(microfabrication)
が広く利用されている。
【0003】このようなマイクロデバイスの一種である
電子デバイスの作製を例にとれば、微細加工は、通常、
シリコン等の半導体材料および/又は圧電体材料からな
るウエハの一方の面(鏡面研磨されている面)上へ、フ
ォトリソグラフィ工程を基本として、物理的気相堆積
(PVD法、例えばスパッタリング)、化学的気相堆積
(CVD)等の薄膜形成技術、イオン注入・拡散技術、
および/又はエッチングプロセス等の技術を組合せ、必
要に応じて反復使用することにより、所望のデバイス・
パターンを構成すべき絶縁膜、配線等のための導電膜等
を形成することによりなされている。
【0004】マイクロデバイスの作製に使用される上記
ウエハ(単一材料の場合)は、通常、引上げ法等により
形成された単結晶インゴットを切断(スライス)して得
られたウエハを、ベベリング(矩形の断面を、半円状の
断面とする)およびエッチング/ラッピングして研削し
た後、マイクロデバイス形成用面を片面鏡面研磨するこ
とにより製造される。
【0005】一方、2種以上の材料から構成される基板
は、材料の異なる上記ウエハを2種以上用いた「貼り合
せ」技術によって形成するか、あるいはウエハ上にCV
D、PVD等により異種材料からなる層を形成すること
により、製造される。
【0006】図10は、このようなSiウエハ(単一材
料)の製造工程の一例を示す模式図である(伴保隆「シ
リコンLSIと化学」第83〜85頁、1993年、大
日本図書)。図10を参照して、引上げ法等により形成
された単結晶インゴット51は、所定の外径(8インチ
(20cm)ウエハの場合、20cm±2mm)の範囲
に入るように外形研削された円柱52とされ、オリエン
テーション・フラット(OF)面カットによりOF面を
有する円柱53とされる。次いで、該円柱53は極力
「加工歪み」を残さないように切断(スライス)されて
ウエハ54とされ、次いで周辺の厚みが徐々に薄くする
と同時に、矩形の断面を半円状の断面とするように周辺
加工(ベベリング)されてウエハ55とされる。
【0007】更に、このようにして作製したウエハ55
の切断された両表面の「加工歪み」を除去するために、
HF/HNO3 系の酸溶液を用いた化学的エッチング
(溶解研磨)によりウエハ55の両表面が10μm程度
削られ、研磨布上で研磨剤たる懸濁液(SiO2 の微粉
末をpH9〜13のアルカリ溶液に懸濁したもの)を用
いるラッピングにより、上記した両表面から約100μ
mが除去されて、更に該表面の「加工歪み」が除去され
る。最後に再度エッチングが行われ、上記「加工歪み」
の除去が確実なものとされる。
【0008】上記により作製したウエハは、研磨布(軟
らかい研磨布に、上記ラッピング時より更に細かいSi
2 またはAl2 3 の微粉末をアルカリ溶液に懸濁し
た研磨剤を染み込ませたもの)を用いて、その片面(マ
イクロデバイス形成用面)が20〜30μm程度削り取
られて鏡面研磨され、製品ウエハとされる。
【0009】該ウエハのサイズは、使用目的、製造コス
ト等の観点から決められるが、通常は2インチから8イ
ンチ程度のものが各種使用されている。デバイス加工時
のウエハにはある程度の機械的な強度が必要とされるた
め、上記製品ウエハの厚さは比較的厚く設定され、例え
ば直径3インチのシリコン・ウエハでは通常は620μ
m〜700μm程度の厚さとされる。ウエハがこれより
も薄い場合には、デバイス加工中またはウエハ運搬中に
ウエハが割れる可能性が無視できなくなるため、結果と
してウエハ操作が制限される。一般に、ウエハ上の各デ
バイス形成のための加工は、せいぜいウエハ表面から数
μm程度の範囲内において行われるため、該ウエハの厚
みの大部分は、表面におけるこのようなウエハプロセス
を実施可能とするための強度維持の機能を、主に果たし
ていることとなる。
【0010】近年、電子デバイス等のマイクロデバイス
においては、一層の高集積化、微細化が要請されてお
り、上記ウエハプロセスに対してもサブミクロンレベル
での加工が要請されるようになってきた。また、Siよ
り硬い材料であるSiCや、異種材料から構成される基
板たるSi/SiO2 /Si、GaAs/Si、ダイヤ
モンド/Si等を用いたマイクロデバイス形成のための
微細加工が行われ始めている。
【0011】このような要請に応えるために、例えばフ
ォトリソグラフィ技術においては、より高解像度を得る
ためのフォトレジスト、および、より短波長の光源を用
いる露光技術が開発されてきている。例えば、代表的な
メモリ素子である16メガビットDRAM(dynamic ra
ndom access memory)のフォトリソグラフィプロセスに
おいて必要とされる最小パターン寸法(線幅)0.6μ
mプロセスが、水銀ランプのi線(λ=365nm)ス
テッパ、およびi線用高解像度ポジ型フォトレジストを
用いることにより可能となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな微細加工の技術は、加工されるべきウエハ表面が充
分に平坦であって、リソグラフィプロセスにおいて使用
するフォトレジストの焦点深度の許容範囲内に入らなけ
れば、実際には有効に使用できないこととなる。この焦
点深度の許容範囲は、例えば、水銀ランプのg線(λ=
432nm)用高解像度(ポジ型)フォトレジストでは
−0.9μm〜+0.9μmである(「レジスト材料・
プロセス技術」、245〜249頁、1991年、技術
情報協会)。したがって、デバイス加工、特にサブミク
ロンレベルでのデバイス加工においては、ウエハの平坦
化技術が極めて重要となる。
【0013】より具体的には、例えば最小線幅2.0μ
m以下の線幅を有するマイクロデバイスの実現を意図し
た場合、該マイクロデバイス加工に使用すべき基板の
「反り」が充分小さいことが必要となる。特に、硬い基
板の加工は困難性が高く、例えばシリコンに比ベて2倍
(3.8×1011N/m2 )以上のヤング率を有する材
料をマイクロデバイス加工用基板として用いた場合、従
来の研磨技術であるラッピングやポリッシングによって
は充分な平坦性を得ることは困難である。
【0014】一方、ウエハ片側の表面のみを研磨すれば
よい場合には、従来の技術によっても、電着砥石等を使
用することにより充分な鏡面を得ることは可能である。
しかしながら、ラッピング、ポリッシングを使用しない
場合には、片面研磨とならざるを得ないため、得られた
ウエハに反りが生じて充分な平坦性は得られない。
【0015】一般に、上記した「反り」の程度は、ウエ
ハの材料、サイズ、素子形成プロセス等に依存するとさ
れているが、この「反り」が過度に大きい場合には、次
のフォトリソグラフィ工程においてウエハの位置が上記
したフォトレジストの焦点深度の許容範囲外となり、所
定のサブミクロンパターンを形成するのが難しくなると
いう問題が生ずる。通常、ウエハはフォトリソグラフィ
用露光装置の真空チャック等によりフラットとなるよう
に吸着されるが、「反り」の程度が大きい場合には、真
空チャックを使用しても該ウエハを充分平坦に保持でき
ず、したがってウエハ表面への所定のサブミクロン・レ
ベルのパターン形成は困難となる。
【0016】本発明の目的は、上記した従来技術におけ
る問題を解決したマイクロデバイス加工用基板ないしマ
イクロデバイス基板を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、マイクロデバイス加
工用基板における上記した「反り」の影響を実質的に除
去ないし軽減したマイクロデバイス加工用基板ないしマ
イクロデバイス基板を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究の
結果、マイクロデバイス・パターン形成前に、マイクロ
デバイス加工用基板のデバイス形成用面と反対の面側
に、該基板の「反り量」をコントロールする「歪み層」
を積極的に導入することが、上記目的の達成に極めて効
果的なことを見出した。本発明者の知見によれば、この
ような「歪み層」導入の効果は、反りが生じた「硬い基
板」に対して、デバイス作製面の反対側に「圧縮歪み
層」を導人して、反りを低減させた場合に特に顕著であ
った。ここに、「圧縮歪み層」とは、基板の「歪み層」
形成面と反対側のデバイス・パターン形成面側に、圧縮
応力(デバイス・パターン形成面側の面積を減少させる
方向の応力)を作用させる「歪み層」をいう。
【0019】本発明のマイクロデバイス加工用基板は上
記知見に基づくものであり、より詳しくは、少なくとも
一部が半導体材料および/又は圧電体材料からなるマイ
クロデバイス加工用基板であって;前記基板のデバイス
形成用面と反対の面側に、該基板の「反り量」を低減す
る歪み層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0020】本発明者等は更に研究を重ねた結果、マイ
クロデバイス・パターンを既に形成してなるマイクロデ
バイス基板においても、該基板の「反り量」をコントロ
ールする「歪み層」を、マイクロデバイス・パターン形
成面と反対側の面に積極的に導入することが、該基板の
「反り」の軽減に極めて効果的なことを見出した。
【0021】したがって、本発明によれば、更に少なく
とも一部が半導体材料および/又は圧電体材料からなる
基板と、該基板の一方の面側に形成されたマイクロデバ
イス・パターンとからなるマイクロデバイス基板であっ
て;前記基板のマイクロデバイス・パターン形成面と反
対の面側に、該基板の「反り量」を低減する歪み層が形
成されていることを特徴とするマイクロデバイス基板が
提供される。
【0022】本発明によれば、更に、少なくとも一部が
半導体材料および/又は圧電体材料からなるマイクロデ
バイス加工用基板のデバイス形成用面と反対の面側に、
該基板の「反り量」を低減する歪み層を形成した後、前
記デバイス形成用面側に、最小線幅2.0μm以下の線
幅を有するマイクロデバイス・パターンを形成すること
を特徴とするマイクロデバイス基板の製造方法が提供さ
れる。
【0023】本発明によれば、更に、少なくとも一部が
半導体材料および/又は圧電体材料からなる基板のマイ
クロデバイス・パターン形成用の面側にマイクロデバイ
ス・パターンを形成した後、前記マイクロデバイス・パ
ターン形成面と反対側の基板面側に、該基板の「反り
量」を低減する歪み層を形成することを特徴とするマイ
クロデバイス基板の製造方法が提供される。
【0024】
【作用】従来のウエハ製造法においては、マイクロデバ
イス・パターン形成用面の反対側の面(以下「裏面」と
いう)は、(該デバイス形成用面を鏡面研磨する前の工
程たる)エッチング処理に供した後の状態のままであっ
た(換言すれば、裏面由来の「反り量」は、エッチング
処理後に不変であった)。ウエハ裏面は該エッチング処
理後の状態のままであっても、ウエハ上に所望のマイク
ロデバイス・パターンを形成した後においては、該裏面
は通常は放熱性改良のための再研削に供されるため、最
終的に製造されるデバイスにおいては、このような裏面
の性状は実質的に問題とならなかったためである。
【0025】これに対して、本発明においては、マイク
ロデバイス加工用基板のデバイス形成用面と反対の面側
に、該基板の「反り量」をコントロールする機能を有す
る「歪み層」を積極的に導入しているため、デバイス形
成用面上に形成すべき所望のマイクロデバイス・パター
ン由来の応力を、実質的に相殺ないし補償する応力に対
応する、「歪み層」由来の「反り量」を上記基板に予め
導入しておくことが可能となる。したがって、本発明に
おいては、所望のマイクロデバイス・パターンを実際に
形成した後に、(マイクロデバイス加工用基板+マイク
ロデバイス・パターン)の全体としての応力の除去ない
し軽減が可能となる。
【0026】以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。
【0027】(マイクロデバイス加工用基板)本発明の
マイクロデバイス加工用基板の一態様を示す模式断面図
たる図1を参照して、半導体材料を少なくとも一部に含
むマイクロデバイス加工用基板1は、そのデバイス形成
用面1aと反対の面1b側に、該基板の「反り量」を制
御するための「歪み層」2が形成されてなる。
【0028】上記の態様のマイクロデバイス加工用基板
1は、図2に示すように、両面エッチング後に、そのデ
バイス形成用面1a側のみが鏡面研磨された材料基板3
(図2(a))の裏面1b側に、更に後述するような所
定の研削加工を施すことにより、積極的に該裏面1b側
に「歪み層」2を導入してなる(図2(b))。
【0029】上記したマイクロデバイス加工用基板1を
用いた場合、そのデバイス形成用面1a側に所望のマイ
クロデバイス・パターン(図示せず)が形成された際
に、該マイクロデバイス・パターンの形成に基づく応力
が、予めマイクロデバイス加工用基板1に形成された上
記「歪み層」2に基づく応力により補償されて、マイク
ロデバイス基板の全体としての応力が除去ないし軽減さ
れる。
【0030】本発明は、図3(a)に示すような積層体
基板に適用した場合には、更に効果的である。すなわ
ち、図3(a)に示すように半導体材料(例えば、S
i)の層10上に、他の材料(例えば、GaAs、ダイ
ヤモンド等)からなる層6を配置してなる積層体基板1
1においては、半導体材料層10と他の材料層6との熱
膨張率等の差異に基づく「反り」が一般的に生じ易い
が、本発明によれば、歪み層2が積極的に裏面1b側に
導入されているため、該「反り」が軽減ないし除去され
て、他の材料層6の表面6a側がフォトリソグラフィに
適した平坦性を有するようになる(図3(b))。
【0031】(半導体材料・圧電体材料)本発明のマイ
クロデバイス(加工用)基板において使用可能な半導体
材料は、該材料が真性半導体ないし不純物半導体として
室温(25℃)で103 〜10-10 S/cm程度の電気
伝導率を与えることが可能である限り、特に制限されな
い。より具体的には例えば、このような半導体材料とし
てはGe、Si、C(ダイヤモンド)等のI V属元素;
GaAs、GaP、AlAs、InP、InAs、In
Sb等のIII −V属化合物;CdS、CdSe、CdT
e、ZnSe等のII−VI 属化合物;ZnO、α−Fe
2 3 、WO3 、TiO2 等の酸化物;SiC等の炭化
物が挙げられる。
【0032】一方、本発明に使用可能な圧電体材料も特
に制限されない。このような圧電体材料の具体例として
は、例えばLi2 4 7 、LiTaO3 、LiNbO
3 、Al2 3 、Bi12GeO20、YIG(Y3 Fe5
12)等が挙げられる。
【0033】上記半導体材料、圧電体材料の性状(単結
晶/多結晶、単層/積層等)も特に制限されないが、熱
膨張率等の差に基づく「反り」を生ずる傾向を有する材
料たる積層材料(GaAs/Si、ダイヤモンド/Si
等)に対して、本発明は特に効果的である。
【0034】(基板)上記材料からなる基板ないしウエ
ハの大きさも特に制限されないが、微細加工装置への装
着が容易な点からは、例えば直径で2インチ〜8インチ
程度の基板が好適に使用可能である。
【0035】該基板の厚みも特に制限されないが、微細
加工装置への装着容易性、基板自体の機械的強度/材料
コストのバランスの点からは、例えば200μmから1
000μm程度の厚みを有する基板が好適に使用可能で
ある。
【0036】(マイクロデバイス)本発明において、
「マイクロデバイス」とは、フォトリソグラフィー技術
の利用により形成される微細構成(microstructure)を
少なくとも一部に含むデバイスをいう。該デバイスの構
成要素(element )に含まれる最小線幅(例えば、前記
DRAMを構成するmetal-oxide-semiconductor field-
effect transistor (MOSFET)のゲート長;表面
弾性波素子の場合には櫛型電極の電極幅)で、2.0μ
m以下であることが好ましい。
【0037】上記の条件を満たす限り、本発明が適用可
能な「マイクロデバイス」の範囲は特に制限されない。
このようなマイクロデバイスの具体例としては、例え
ば、電子デバイス(集積回路IC/LSI、電界効果ト
ランジスタFET等)、光デバイス、エレクトロオプテ
ィカル・デバイス、エレクトロメカニカル・デバイス
(表面弾性波素子等)、マイクロマシン等が挙げられ
る。
【0038】(マイクロデバイス・パターン)本発明の
マイクロデバイス基板の一方の面側に形成されるべき
「マイクロデバイス・パターン」とは、上記マイクロデ
バイスに対応する構成ないしパターンをいう。本発明の
マイクロデバイス基板においては、上記マイクロデバイ
ス・パターンは、1つのマイクロデバイス・チップに対
応するものであってもよく、また複数のマイクロデバイ
ス・チップに対応するものであってもよい。
【0039】本発明のマイクロデバイス基板における後
述する「歪み層」の形成は、通常は、複数のマイクロデ
バイス・チップに対応する構成を個々のマイクロデバイ
ス・チップに分割するスクライビングないしダイシング
の前に行うことが好ましい。
【0040】(マイクロデバイスの形成法)本発明にお
いて使用可能な上記マイクロデバイスないしマイクロデ
バイス・パターンの形成方法は、このようなマイクロデ
バイス(パターン)の形成が半導体材料および/又は圧
電体材料からなる基板に所定の「歪み」を与えるもので
ある限り、特に制限されない。本発明においては、マイ
クロデバイス(パターン)形成法として公知のマイクロ
デバイス(パターン)形成技術、例えば、真空蒸着、イ
オンプレーテイング、スパッタリング、エッチング、C
VD、PVD等の気相堆積法;あるいはエピタキシャル
成長、酸化、イオン注入、レジスト処理等の各種の処理
が必要に応じて2以上組合せて使用可能である。
【0041】(歪み層)本発明において、マイクロデバ
イス(加工用)基板の裏面に積極的に導入されるべき
「歪み層」は、該基板の「反り量」を低減させる機能を
有する層である。ここに、「反り量を低減させる」と
は、上記「歪み層」の導入直前における基材3の「反り
量」δ(図4、図5参照)をδa で表し、該「歪み層」
の導入直後における「反り量」をδb で表した場合に、
これらの「反り量」の絶対値が小さくなる(すなわち、
|δb |<|δa |である)ことをいう。
【0042】上記「歪み層」(「歪み層」においては、
通常、結晶格子が乱されて少なくとも部分的にアモルフ
ァス状となっている)は、光学顕微鏡観察または電子顕
微鏡観察により確認することが可能である。歪み層の厚
さは、マイクロデバイス加工用基板材料の種類等によっ
ても異なるが、通常5μm〜50μm程度(更には10
μm〜30μm程度)であることが好ましい。
【0043】マイクロデバイス(加工用)基板表面の粗
さは、JIS B 0601−1970に規定されるR
max 、Ra 等により定量的に評価することが可能であ
る。これらの表面粗さの程度、または「歪み層」の厚さ
とマイクロデバイス(加工用)基板に導入されるべき
「反り」δとの関係を利用して、該「反り量」δの制御
を行うことも可能である。
【0044】(反り量の測定)本発明において基板の
「反り量」δを測定する方法は特に制限されず、機械的
接触法や光学的方法(例えば、ニュートンリング法)等
を使用することが可能である。
【0045】精度および再現性の点からは、「反り量」
δは機械的接触法により測定することが好ましい。この
機械的接触法においては、市販の「反り計」(例えば東
京精密(株)製の「そり計」、商品名:SURFCO
M)が好適に使用可能である。この「そり計」(SUR
FCOM)を用いた場合、ウエハの一表面を研削処理し
た後の該ウエハの「反り」δ(図4または5)は、以下
のようにして評価可能である(IEEE TRANSACTIONS ON C
OMPONENTS, HYBRIDS AND MANUFACTURING TECHNOLOGY, V
ol.13 (No.3), p528-533, SEPTEMBER 1990参照) 。
【0046】<機械的接触法による「反り量δ」の測定
法>基準面に、「反り量」を測定すべき基板をセット
し、該基板の端から直線状に上記「そり計」の針(プロ
ーブ)を走査させて、針の上下変位を測定する。このよ
うにして求めた上下変位の最大値を、「反り量」δとす
る。
【0047】上記により測定された反り量δは、下記式
(1)で表すことができる。
【0048】 δ={σ・ r2 ・3( 1−υ)・df /Es }・ (1/ds 2 ) =K・ (1/ds 2 )………………(1) 上記(1)式中、δはウエハの「反り」、σはストレ
ス、rはウエハ半径、Es はヤング率、υはポアソン
比、df は歪み層(加工変質層)の厚さ、ds はウエハ
の最終の厚さ、をそれぞれ示す。また、上記Kは、地表
面因子(ground surface factor)と称される係数であ
り、ウエハの「反り」の尺度として用いられる。
【0049】上記(1)式を利用すれば、上記した研削
処理により、所定のウエハ(直径および厚さ)に所定の
反り量δを導入することが容易となる。
【0050】上記反り量δは、ニュートンリング法を利
用した光干渉方式(斜入射)のフラットネステスター
(例えば、株式会社ニデック製、商品名:高精度デジタ
ルフラットネステスターT−90A、光源:He−Ne
レーザ、6328オングストローム、5mW)を用い
て、以下の方法で測定することが可能である。
【0051】<光学的方法による「反り量δ」の測定法
>基準面からの反射光と、「反り量」を測定すべき基板
表面からの反射光との光路差に基づく位相のずれにより
発生する干渉縞の数(m)を数えて、δ=(m・λ)/
2cosy(m:干渉縞の数、λ:レーザの波長、y:
基準面と基板面との立体角)の関係からδを求める。
【0052】(歪み層の形成法)本発明においては、マ
イクロデバイス加工用基板表面に所定の「歪み層」が導
入可能である限り、該「歪み層」を形成する方法は特に
制限されない。簡便さの点からは、該「歪み層」の導入
方法として研削処理法を用いることが好ましい。片面研
削処理法の具体例としては、公知のグラインディング処
理が挙げられる。
【0053】片面のみ「歪み層」を導入する点からは、
本発明においてはグラインデイング処理が好ましく用い
られる。特開昭63−144966号公報に記載の研削
工具(例えば、レジンボンドダイヤモンドホイール)を
用いたバックグラインディング処理法が特に好適に使用
できる。
【0054】(研削工具)本発明の歪み層形成において
好適に使用可能なダイヤモンド研削工具(砥石)は、ダ
イヤモンド砥粒と、充填材とを結合剤で固めた構成を有
する工具である。
【0055】上記ダイヤモンド砥粒は研削に実質的に寄
与する成分であり、その大きさ(粒度)は、#2000
〜#4000程度であることが好ましい(#3000が
平均直径約3μmの粒度に対応する)。該ダイヤモンド
砥粒の集中度(concentration )は60〜80程度(更
には65〜75程度)であることが好ましい。ここに
「集中度」とは、ダイヤモンド研削工具中に占めるダイ
ヤモンド砥粒の割合であり、通常、研削工具の体積中に
含まれる砥粒率(ダイヤモンド砥粒の合計体積÷研削工
具の体積)で「25体積%」を「100」として表す。
【0056】上記「充填材」は研削工具中における「結
合」に寄与するが、研削には実質的に寄与しない成分で
あり、固体粒子からなる。充填材としては、炭酸カルシ
ウム、アルミナ、炭化ケイ素、銅粉等が使用可能であ
る。研削工具中における充填材の割合(充填材の体積÷
研削工具の体積)は、30〜50体積%程度(更には3
5〜45体積%程度)であることが好ましい。
【0057】上記「結合剤」は、上記ダイヤモンド砥粒
と、充填剤とを均一に分布させ、これらを結合させて、
研削工具に一定の形状を付与する成分である。結合剤と
しては、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が好
適に使用可能である。研削工具中における結合剤の割合
(結合剤の体積÷研削工具の体積)は、50〜70体積
%程度(更には55〜65体積%程度)であることが好
ましい。
【0058】本発明においては、研削工具はホイール
状、すなわちリング状の形状を有することが好ましい。
このようなリング状の研削工具(ホイール)は、「コの
字」型の断面を有する砥石ヘッドの円周端面に固着され
ることが好ましい(固着の結果、「おわん」のような形
状となるので、カップ型ホイールともいう)。
【0059】(バックグラインディング研削)上記した
ダイヤモンド研削工具を用いる「バックグラインディン
グ研削」を用いる場合、上記マイクロデバイス加工用基
板への「反り」の導入は、研削条件(研削速度、砥石を
構成するダイヤモンド粒の粒度の選択等)の設定によっ
て、精度よく制御することが可能である。
【0060】例えば、シリコン・ウエハをマイクロデバ
イス加工用基板として用いる場合、本発明者の検討によ
れば、図6のグラフに示すように、ダイヤモンド砥粒粒
度(ないし結果として生じる「面表面粗さ」)と、マイ
クロデバイス加工用基板の「反り」δの間には直線的関
係があることが確認されている。このような関係は、他
のマイクロデバイス加工用基板材料、例えばGaAs等
の化合物半導体からなるマイクロデバイス加工用基板に
おいても確認されている。本発明者の知見によれば、図
2の関係は、砥粒粒度を大きくする(即ち、砥石粒径を
小さくする)ことにより、塑性変形性が支配的(脆性変
形性が弱く)なるためと推定されている。したがって、
砥粒の粒度を調整することにより、所望の反り量δを得
ることができる。
【0061】更に、本発明者の検討によれば、研削の速
度を調整することにより、所望の反り量δが得られるこ
とが見出されている。
【0062】上記したうに、研削処理のパラメータ(砥
粒の粒度、研削速度等)の調整により、マイクロデバイ
ス(加工用)基板に、所定の「反り」を生じさせるべき
「歪み層」を導入することが更に容易となる。
【0063】(マイクロデバイス用基板)図7を参照し
て、本発明のマイクロデバイス基板5は、半導体材料を
少なくとも一部に含む基板1cと、該基板1cの一方の
面側に形成されたマイクロデバイス・パターン4とから
なるマイクロデバイス基板であって、該基板のマイクロ
デバイス・パターン4形成面と反対の面1b側に、該基
板の「反り量」を低減する歪み層2が形成されてなる。
【0064】このようなマイクロデバイス基板において
も、上記マイクロデバイス・パターン4の形成に基づく
「反り量」δを補償する程度の「歪み層」を、マイクロ
デバイス基板1cの裏側1b表面に導入することによ
り、マイクロデバイス基板1c全体の「反り」を実質的
に除去することが可能となる。この際、上記した図6の
グラフに示すような関係を用いることにより、所定の
「反り量」δの導入が容易となる。
【0065】本発明者の検討によれば、例えば、マイク
ロデバイス・パターン形成過程において気相堆積法等に
より薄膜形成した時点で、「反り量」δが2インチマイ
クロデバイス加工用基板で5〜10μm、3インチマイ
クロデバイス加工用基板で10〜20μm程度であった
場合、シリコンからなる基板に対しては、#2000程
度のダイヤモンド砥粒を用いてバックグラインディング
処理を施すことにより、上記「反り量」δをほぼ0(δ
≦5.0μm以下)とすることが可能であった。
【0066】(「歪み層」形成の時期)本発明において
は、所望のマイクロデバイス・パターンを基板上に形成
する前に、上記「歪み層」の導入を行ってもよく、ま
た、所望のマイクロデバイス・パターンを実際に形成し
た後に、「歪み層」の導入を行ってもよい。更には、必
要に応じて、これらの「マイクロデバイス・パターン形
成前の歪み層の導入」と、「マイクロデバイス・パター
ン形成後の歪み層の導入」とを組合せてもよい。
【0067】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0068】
【実施例】実施例1 (市販ウエハの反り量の測定)厚さ約1000μmの市
販の2インチウエハ(Si)基板を用意し、これをプラ
ズマCVD装置内に配置した。該プラズマCVD装置の
反応室内を排気するとともに、反応室内にH2 :CH4
=200:1の混合ガスを導人した。反応室内の圧力が
約40Torr、基板温度が850℃、マイクロ波パワ
ーが400Wの条件下でプラズマCVDを行い、上記ウ
エハの一方の面上に厚さ30μmのダイヤモンド薄膜を
成長させた。
【0069】このようにして得られたウエハの「そり
量」を、「そり計」(東京精密(株)製、商品名:SU
RFCOM)を用いた機械的接触法により測定したとこ
ろ、「そり量」δは、上記プラズマCVDで成膜したダ
イヤモンド面側を凸として、約20μmであった。
【0070】上記により得られたダイヤモンド/Si基
板(2インチウエハ)上に、フォトリソグラフィ技術を
用いて、ラインの線幅1.0μm×線長20μmのライ
ンとスペース5組からなるレジストパターンを、ウエハ
全面に50個(ショット)均等に形成した。
【0071】ここで形成したレジストパターン図を図1
1(a)(b)に示す。
【0072】このフォトリソグラフィにおいては、ダイ
ヤモンド表面にg線ポジ型フォトレジスト(束京応化
(株)製、商品名:TSMR−V50)をスピンコート
により1μm厚に塗布し、ホットプレートを用いて90
℃、90秒間プリベークを行った後、g線ステッパ(ニ
コン(株)製、商品名:NSR−1505G7E)を用
いて露光時間260ミリ秒で露光した(露光時には、ウ
エハは真空吸着により保持した)。次いでホットプレー
トを用いて、110℃、90秒間ベーキングを行った
後、現像液(束京応化(株)製、商品名:NMD−W)
を用いて現像を行った。
【0073】電子顕微鏡(走査型)を用いて、上記によ
り得たウエハ全面の1.0μmのレジストパターンのラ
イン幅を50個測定したところ、該幅の平均値は1.0
5μm、標準偏差0.85μmと大きくばらついてい
た。
【0074】実施例2 (ウエハの研削処理)実施例1と同様にAl薄膜を形成
した後のウエハ(反り量δ=30μm)を、図8に模式
正面図(および模式側面図)を示すようなウエハ研削装
置に装着し、図9に模式断面図を示すような研削工具た
るレジンボンドダイヤモンドホイールを使用して、裏面
(ウエハのデバイス形成用面と反対側の表面)の研削処
理を行った。図8の模式図において、各符号の意味は、
以下の通りである。
【0075】31…I軸砥石ヘッド、32…II軸砥石ヘ
ッド、33…切込装置、34…ワークテーブル装置、3
5…ワークチャック装置、36…チャック洗浄装置、3
7…ワーク洗浄装置、38…I軸主軸モーター、39…
II軸主軸モーター、40…I軸切込モーター、41…II
軸切込モーター、42…操作パネル。
【0076】<レジンボンドダイヤモンドホイール> ダイヤモンド砥粒の粒度: #800(集中度:75) 充填材:炭酸カルシウム(充填材の割合:40体積%) 結合剤:フェノール樹脂(結合剤の割合:60体積%) ホイールのサイズ:250mm(ホイール径)×2mm
(砥石幅)×3mm(結合高さ) <研削条件> ホイールの周速:1500m/min 切込み速度:200μm/min ウエハ研削後の厚み:800μm 上記研削処理後のウエハの「反り量」δを、SURFC
OMを用いて上記と同様に機械的接触法で測定したとこ
ろ、δ=1〜2μmであった。
【0077】更に、該ウエハを切断して透過電子顕微鏡
(TEM)用の超薄切片を作製し、該超薄切片断面(ウ
エハの厚さ方向)をTEM(倍率:3000倍)により
観察したところ、上記研削処理により導入された「歪み
層」の厚さは約15μmであることが判明した。このT
EM観察においては、シリコン・ウエハ断面の結晶構造
/アモルファス構造の「界面」から、ウエハ裏面までの
距離を上記「歪み層」の厚さとした(5箇所の厚さの平
均値として求めた)。
【0078】実施例3 (研削処理後のウエハ上への微細パターンの形成)実施
例2で得られたウエハ上に、フォトリソグラフィ技術を
用いて実施例2と同様の方法で、ラインの線幅1.0μ
m×線長20μmのラインとスペース5組からなるレジ
ストパターンを、2インチウエハ全面に50個均等に形
成した。
【0079】電子顕微鏡を用いて、ウエハ全面の上記
1.0μmラインの幅を50個測定したところ、該幅の
平均値は1.00μm、標準偏差0.03μmであっ
た。
【0080】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、基板の
材質の種類を問わず(硬い材質からなる基板や、ダイヤ
モンド/Si、GaAs/Si等のように2種以上の異
なる材料からなる基板の場合でも)、該基板のデバイス
形成面と反対面側に、該基板の「そり量」をコントロー
ルする機能を有する(圧縮方向の応力を有する)歪み層
を積極的に導入しているため、基板作製時に生じた(圧
縮方向に導人されている)「そり」を実質的に相殺する
ことが可能となる。
【0081】従って、本発明によれば、従来、実質的に
「そり」がない基板を得ることが困難であった材料を用
いた場合であっても、「そり」を効果的に低減させるこ
とが可能となり、その結果、所望の微細パターンを有す
るマイクロデバイスを該基板上に形成することが極めて
容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロデバイス加工用基板の一態様
を示す模式断面図である。
【図2】本発明において使用可能な、マイクロデバイス
加工用基板への「歪み層」導入方法の一態様を示す模式
断面図である。
【図3】本発明の「歪み層」導入を、積層体基板に適用
した際の一態様を示す模式断面図である。
【図4】本発明における「反り量」δの定義(δが正の
場合)を示す模式断面図である。
【図5】本発明における「反り量」δの定義(δが負の
場合)を示す模式断面図である。
【図6】本発明における砥粒の粒度と「反り量」δとの
関係の一例を示すグラフである。
【図7】本発明のマイクロデバイス基板の一態様を示す
模式断面図である。
【図8】本発明において使用可能な研削装置の一態様を
示す模式図である。
【図9】本発明において使用可能な研削工具(レジンボ
ンドダイヤモンドホイール)の一態様を示す模式断面図
である。
【図10】従来のウエハ製造方法を示す模式図である。
【図11】実施例1で形成したレジストパターンを示す
模式図である。
【符号の説明】
1…マイクロデバイス加工用基板、1a…デバイス形成
用面、1b…裏面、2…歪み層、3…半導体材料基板、
4…マイクロデバイス・パターン、5…マイクロデバイ
ス基板、6…他の材料層、7…基準面、10…半導体材
料層、11…積層体基板、51…単結晶インゴット、5
2…外形研削された円柱、53…OF面カットした円
柱、54…ウエハ、55…ベベリングされたウエハ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−165509(JP,A) 特開 昭54−134563(JP,A) 特開 昭53−76781(JP,A) 特開 平6−267804(JP,A) 特開 昭59−112609(JP,A) 特開 平5−343276(JP,A) 特開 平2−299232(JP,A) 特開 平4−3908(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/02 H01L 21/304 321

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が単結晶シリコンからな
    るマイクロデバイス加工用基板であって、 前記基板のデバイス形成用面側に単結晶または多結晶ダ
    イヤモンド層が形成され、且つ、該デバイス形成用面と
    反対の面側に、該基板の「反り量」を低減する歪み層が
    形成されていることを特徴とするマイクロデバイス加工
    用基板。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部が圧電体材料からなるマ
    イクロデバイス加工用基板であって、 前記基板のデバイス形成用面と反対の面側に、該基板の
    「反り量」を低減するための機械的研削処理による歪み
    層が形成されていることを特徴とするマイクロデバイス
    加工用基板。
  3. 【請求項3】 少なくとも一部が単結晶シリコンからな
    る基板と、該基板の一方の面側に形成されたマイクロデ
    バイス・パターンとからなるマイクロデバイス基板であ
    って、 前記基板のマイクロデバイス・パターン形成面側に単結
    晶または多結晶ダイヤモンド層が形成され、該ダイヤモ
    ンド層上に単結晶または多結晶圧電体層が形成され、且
    つ、 前記マイクロデバイス・パターン形成面と反対の面側
    に、該基板の「反り量」を低減する歪み層が形成されて
    いることを特徴とするマイクロデバイス基板。
  4. 【請求項4】 前記半導体材料が、2種以上の異なる半
    導体材料からなる請求項3記載のマイクロデバイス基
    板。
  5. 【請求項5】 少なくとも一部が圧電体材料からなる基
    板と、該基板の一方の面側に形成されたマイクロデバイ
    ス・パターンとからなるマイクロデバイス基板であっ
    て、 前記基板のマイクロデバイス・パターン形成面と反対の
    面側に、該基板の「反り量」を低減する歪み層が形成さ
    れていることを特徴とするマイクロデバイス基板。
  6. 【請求項6】 前記圧電体材料が、2種以上の異なる圧
    電体材料からなる請求項5記載のマイクロデバイス基
    板。
  7. 【請求項7】 前記歪み層が、圧縮方向に応力を持つ請
    求項3または5記載のマイクロデバイス基板。
  8. 【請求項8】 前記マイクロデバイス・パターンが、電
    子デバイス、光デバイス、エレクトロオプティカル・デ
    バイス、およびマイクロマシンから選ばれる少なくとも
    1つのパターンを含む請求項3または5記載のマイクロ
    デバイス基板。
  9. 【請求項9】 前記電子デバイスパターンが、表面弾性
    波素子パターンである請求項8記載のマイクロデバイス
    基板。
  10. 【請求項10】 少なくとも一部が単結晶シリコンから
    なるマイクロデバイス加工用基板のデバイス形成用面と
    反対の面側に、該基板の「反り量」を低減する歪み層を
    形成した後、前記デバイス形成用面側に形成された単結
    晶または多結晶ダイヤモンド層と、該ダイヤモンド層上
    に形成された単結晶または多結晶圧電体層とを少なくと
    も含む最小線幅2.0μm以下のマイクロデバイス・パ
    ターンを形成することを特徴とするマイクロデバイス基
    板の製造方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一部が単結晶シリコンから
    なる基板のマイクロデバイス・パターン形成用の面側
    に、単結晶または多結晶ダイヤモンド層を形成し、該ダ
    イヤモンド層上に単結晶または多結晶圧電体層を形成し
    た後、前記マイクロデバイス・パターン形成面と反対側
    の基板面側に、該基板の「反り量」を低減する歪み層を
    形成することを特徴とするマイクロデバイス基板の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 研削処理により前記「歪み層」を形成
    する請求項10または11記載のマイクロデバイス基板
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 ダイヤモンド砥粒を含むレジンボンド
    ダイヤモンド研削用ホイールを用いた研削処理により、
    前記「歪み層」を形成する請求項12記載のマイクロデ
    バイス基板の製造方法。
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