JP2791747B2 - 着色粒子及びその製造方法並びにこの着色粒子を用いたスウェード調塗料組成物 - Google Patents

着色粒子及びその製造方法並びにこの着色粒子を用いたスウェード調塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は着色粒子及びその製造方
法並びにこの着色粒子を用いたスウェード調塗料組成物
に係り、その目的は、スウェード調塗料組成物の必須成
分として用いることにより、きめ細かい霜降り調の多彩
模様の外観と、適度のざらつきをもつ触感とを発現させ
ることができ、しかも極めて高い収率で簡便且つ効率良
く得ることのできる着色粒子及びその製造方法、更に
は、鮮明なアクセントを表現することのできる美粧性に
優れたスウェード調塗料組成物を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】社会生活が向上するに従って消費者の好
みが多様化してくるようになると、建造物の内装及び外
装に用いられる塗料についても、従来の単一色塗料より
も、むしろ二色以上の多彩な色のバリエーションを表現
できる塗料へと、関心が移行している傾向にある。きめ
の細かい多彩な色彩を鮮明に表現することのできる塗料
としては、本発明者らが先に開示した特開昭63−14
5378号「多彩模様仕上げ塗料組成物の製造法」及び
特開平2−41371号「着色高分子粉粒体の製造方法
並びにこの着色高分子粉粒体を用いた成形方法及び塗
料」が存在する。この開示技術は、着色顔料及びエマル
ション樹脂との混合物と、可塑剤を含有する、或いは含
有しない塩化ビニル系合成樹脂の粒子とを混合し、この
混合系に金属塩を添加して、前記塩化ビニル系合成樹脂
粒子表面に着色塗料を塩析により被覆させて、平均粒径
10乃至200μmの着色高分子粉粒体を得ることを特
徴とする製造方法及びこの着色高分子粉粒体を必須成分
としてなる塗料であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記本
発明者らが先に開示した技術は、従来の単一色とは異な
る、「霜降り模様」とでもいうべききめの細かい多彩な
色彩模様の外観を塗膜に現出させることのできる装飾性
に優れた塗料及びこのような塗料を製造することのでき
る製造方法ではあったが、このような「霜降り模様」を
現出させることのできる平均粒径10〜200μmの着
色粒子を極めて高い収率で得ることができず、歩留り上
の欠点があるという課題が存在した。しかも、着色粒子
の芯物質として可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂以外
の樹脂粒子を使用した場合、着色顔料が粒子表面に充分
に被覆されず、工業的製造方法として汎用するには充分
なものではないという課題が存在した。一方、近年二酸
化炭素に起因する地球温暖化問題やオゾン層破壊等の環
境問題が地球的規模で深刻視されてきている。このよう
な背景から、地球環境保全に貢献することのできる産業
技術の開発が全世界的に緊急な課題とされているが、前
記した有機系合成樹脂を芯物質とした着色粒子を必須成
分とする塗料では、火災発生時に塗膜が燃焼してしま
い、二酸化炭素を発生し、地球温暖化現象やオゾン層破
壊、さらには酸性雨現象を助長してしまい、環境保全問
題に貢献することができないという課題も存在した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するためになされたものであって、請求項1に係
る発明は、平均粒径が8〜190μmの水不溶性粒子の
表面に、水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)が2
0〜120の多価カルボン酸樹脂からなる一次被膜が形
成され、更にこの一次被膜の表面に、着色されたエマル
ション樹脂の被膜が形成されてなることを特徴とする着
色粒子に関し、請求項2に係る発明は、水中で水不溶性
粒子と水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)が20
〜120の多価カルボン酸樹脂とを混合し、水不溶性粒
子の表面に多価カルボン酸樹脂が吸着された一次粒子を
形成させた後、この分散液中に着色顔料を含有する分散
安定化されたエマルション樹脂を混合し、次いでこの混
合系に金属塩を添加して、表面に着色被膜が形成された
平均粒径10〜200μmの着色粒子を得ることを特徴
とする請求項1に記載の着色粒子を製造する製造方法に
関する。
【0005】また請求項3に係る発明は、前記多価カル
ボン酸樹脂がアルカリで部分的又は全部が中和された水
溶性又は水分散性の多価カルボン酸樹脂であることを特
徴とする請求項2に記載の着色粒子の製造方法に関し、
請求項4に係る発明は、前記水不溶性粒子が合成樹脂粒
子であることを特徴とする請求項2又は3に記載の着色
粒子の製造方法に関し、請求項5に係る発明は、前記水
不溶性粒子が無機粒子であることを特徴とする請求項2
又は3に記載の着色粒子の製造方法に関する。
【0006】更に請求項6に係る発明は、前記請求項1
に記載の着色粒子が必須成分として分散されてなること
を特徴とするスウェード調塗料組成物に関し、請求項7
に係る発明は、前記塗料組成物中に着色雲母が混合され
てなることを特徴とする請求項6に記載のスウェード調
塗料組成物に関する。
【0007】
【作用】本発明に係る着色粒子は、先ず、水中で着色粒
子の芯物質となる水不溶性粒子と多価カルボン酸樹脂と
を混合することにより、水不溶性粒子の表面に多価カル
ボン酸樹脂を吸着させて、一次被膜を有する一次粒子を
得、次いで、この一次粒子の分散液中に着色顔料を含有
する分散安定化されたエマルション樹脂を混合し、金属
塩を添加して塩析を行ない、一次粒子の表面に着色塗料
を被覆させることにより得られるので、着色塗料の被覆
を、粒子の種類等に関わらず、効率よく且つ均一に行な
うことができ、美粧性に優れた着色粒子を高い収率で得
ることができる。さらに、このように美粧性に優れた着
色粒子を、従来法に比べるとその製造工程を短縮して得
ることができ、且つ着色塗料の被覆に使用される可塑剤
量を低減することができるため、着色粒子を主成分とし
た塗料の塗膜の耐汚染性が向上し、環境保全に貢献する
ことができる。また、水不溶性粒子として特に無機粒子
を使用すると、火災発生時の延焼を防止することがで
き、しかも火災発生時に有毒ガス等を多量に発生するこ
とがないため、この着色粒子を必須成分として塗料組成
物とすることにより、安全性、環境保全性に優れた建造
物内装用塗料を得ることができる。
【0008】
【発明の構成】以下、本発明に係る着色粒子及びその製
造方法並びにこの着色粒子を用いたスウェード調塗料組
成物の構成について詳述する。まず、着色粒子及びその
製造方法について詳述する。本発明に係る着色粒子は、
水不溶性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂からなる一次
被膜が形成され、更にこの一次被膜を有する一次粒子の
表面に、着色されたエマルション樹脂の被膜が形成され
てなるものであり、以下のような製造方法により得るこ
とができる。
【0009】まず、水中で水不溶性粒子と多価カルボン
酸樹脂とを混合し、水不溶性粒子の表面に多価カルボン
酸樹脂を吸着させることにより、表面に一次被膜を有す
る一次粒子を形成する。水不溶性粒子としては、塩化ビ
ニル単独重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチ
レン塩化ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル塩化ビニ
ル共重合体、ウレタン塩化ビニル共重合体、塩素化塩化
ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、またはアクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リウレア樹脂等を懸濁重合または乳化重合法等により重
合して得られる合成樹脂粒子、或いはクレー、カオリ
ン、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、雲母等の無機
粒子の中から選択される水不溶性粒子が好適に使用され
るが、本発明においては特に限定されない。また、使用
される水不溶性粒子の平均粒径としては、最終的に得ら
れる着色粒子の平均粒径が10〜200μmとなるよう
に選択されるもの、具体的には、非着色時に8〜190
μmの範囲のものが使用される。
【0010】また、多価カルボン樹脂としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸或いはイタコン酸等を共重合したア
クリル樹脂、フタル酸やマレイン酸等を用いたアルキド
樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、酢酸ビニル樹脂等で、
その酸価(固型分換算)が20〜120である水溶性又
は水分散性のものが、特に限定されることなくいずれの
ものでも使用される。ここで、使用する多価カルボン酸
樹脂の酸価を特に20〜120としたのは、酸価が20
未満であると、水希釈性が悪く、溶解しないので好まし
くなく、一方、酸価が120を超えると、水希釈性が良
好となりすぎて、樹脂として水中に析出しないため、い
ずれの場合も好ましくないからである。また、特に酸価
が20〜120の範囲であるものを使用すると、水不溶
性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂の吸着による薄膜を
良好に形成させることが可能となり、後述する着色塗料
の被膜形成を良好に行なうことができるため、好ましい
からである。さらに、本発明においては、使用される多
価カルボン酸樹脂は水溶性又は水分散性であるものが使
用される。この理由は、使用する多価カルボン酸樹脂が
水不溶性であると、水中に混入させた際、固まったまま
或いは微粒子状に分散しないため水不溶性粒子表面に吸
着して効率良く一次粒子を形成させることができず好ま
しくないからである。水溶性又は水分散性の多価カルボ
ン酸樹脂としては、前述のようなアクリル樹脂、アルキ
ド樹脂等の多価カルボン酸樹脂等を、アンモニア、トリ
エチルアミン、ジエタノールアミン等の有機アミン類又
は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等水酸化金属塩等
から選択されたアルカリで、部分的又は全部を中和して
得られるものを好適に使用することができる。
【0011】また、本発明においては多価カルボン酸樹
脂に、可塑剤及び/又は溶剤を添加することもできる。
多価カルボン酸樹脂に、可塑剤及び/又は溶剤を添加す
ることにより、形成される一次粒子の表面に後述する着
色塗料(着色顔料を含有する分散安定化されたエマルシ
ョン樹脂)の被膜が付着しやすくなり、粒子の着色力が
向上するとともに、この被覆反応が促進されるため、よ
り好ましい。可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オク
チル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル、テトラヒドロ
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸エステ
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ
イソデシル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル等の二
塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェ
ニル、リン酸トリオクチル等のリン酸エステル、大豆
油、サフラワー油のエポキシ化物等エポキシ系可塑剤、
その他トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸ト
リデシル等公知の可塑剤が特に限定されることなくいず
れのものでも好適に使用される。このような可塑剤の添
加量は、水不溶性粒子100重量部に対して、1〜50
重量部程度とされるのが好ましいが特に限定はされな
い。また水不溶性樹脂のガラス転移点温度(TG)が低
い場合には可塑剤の添加は特に必要でははい。この理由
は、可塑剤の添加量が、水不溶性粒子100重量部に対
して1重量部未満であると、一次粒子表面への着色被膜
の形成が充分に行なわれず、一方、50重量部を超えて
使用されると、多価カルボン酸樹脂粒子が柔らかくなり
すぎて、充分な塗膜強度が得られなくなるとともに、粒
子間同士で粘着力が生じて最終的に粒子として取り出す
ことが困難となるため、いずれの場合も好ましくないか
らである。
【0012】また、溶剤としては、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ヘキ
シルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、イソブチルアルコール、ポリエチレングリコール
等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ア
セチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤等適
宜任意の一種又は二種以上のものが、特に限定されるこ
となく好適に使用される。
【0013】以上のような水不溶性粒子と多価カルボン
酸樹脂を水中で混合し、適宜攪拌して放置しておくと、
水不溶性粒子表面に多価カルボン酸樹脂の薄い一次被膜
が形成された一次粒子を分散状態で得ることができる。
水不溶性粒子と多価カルボン酸樹脂との混合は、先に水
中に水不溶性粒子を分散させた後、この分散液中に多価
カルボン酸樹脂を混入しても、或いは多価カルボン酸樹
脂の分散液中に水不溶性粒子を混入してもよい。水中に
分散する水不溶性粒子の濃度としては、30〜70重量
%、より望ましくは30〜60重量%とするのが好まし
い。この理由は、分散濃度が30重量%未満では得られ
る一次粒子の重量が少なすぎて製造工程が煩雑なものと
なり、一方、70重量%を超えて水中に分散されると、
被覆に必要な流動性が得られないため、いずれの場合も
好ましくないからである。また、多価カルボン酸樹脂と
水不溶性粒子との使用比率(重量部)としては、固型分
換算で、水不溶性粒子100重量部に対して、多価カル
ボン酸樹脂を0.05〜200重量部、より好ましくは
1〜100重量部程度の範囲で使用するのが望ましい。
この理由は、多価カルボン酸樹脂の使用量が、水不溶性
粒子100重量部に対して0.05重量部未満では、吸
着力が弱く、一方、200重量部を超えて使用される
と、粒子同士が凝集しやすくなったり、多価カルボン酸
樹脂が水不溶性粒子の表面に付着されない場合が生じる
ため、いずれの場合も好ましくないからである。
【0014】本発明に係る着色粒子を製造する際に、ま
ず水不溶性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂の一次被膜
を有する一次粒子を形成するのは、水不溶性の粒子表面
と、後述する着色塗料(着色顔料を含有する分散安定化
されたエマルション樹脂)とは互いのなじみ性、濡れ性
が悪く、粒子の表面に直接着色塗料の被膜を形成させる
ことは困難であるが、水不溶性粒子表面に多価カルボン
酸樹脂を吸着させることにより、着色塗料とのなじみ
性、濡れ性が良好となり、表面に着色塗料の被膜が充分
に形成された粒子を良好に得ることができるとの、本発
明者らの実験的知得に基づくからである。
【0015】次に、一次粒子を形成させた分散液中に、
着色顔料を含有した分散安定化されたエマルション樹脂
を混合する。着色顔料としては、公知のものが好適に使
用され、例えば二酸化チタン、チタンイエロー、亜鉛
華、べんがら、紺青、黄鉛、ジンククロメート、群青、
バライト粉、マンガンバイオレット、カーボンブラック
等の無機顔料、ハンザエロー、ベンジジンエロー、トル
イジンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、ジオキサジンバイオレット等の有機系顔料
が、いずれのものでも特に限定されずに好適に使用され
る。さらに、前記着色顔料と共に、バライト、炭酸カル
シウム、クレー、タルク等の体質顔料を併用して使用す
ることも任意に行なうことができる。
【0016】エマルション樹脂としては、金属イオンの
存在により、その乳化安定性が阻害され、前記一次粒子
の表面に凝集或いはゲル状に付着するものであればよ
く、例えばアクリル、スチレンアクリル、ポリエステ
ル、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等の合成樹脂及びマスチック、アカロイド、ベ
ンゾイン、ドラゴンブラッド、エレミ、サンダラック等
の天然樹脂のエマルションが好適に使用されるが、特に
限定はされない。
【0017】このようなエマルション樹脂中に、界面活
性剤を用いて着色顔料を分散安定化する。使用される界
面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系
界面活性剤等公知のものが、いずれのものでも特に限定
されることなく、好適に使用できる。また、界面活性剤
の添加量は、前記エマルション樹脂量の1重量%以下と
され、且つこのエマルション樹脂の粒径は0.1μm以
下とすることが、金属イオンに対してエマルションが不
安定化されるためには好ましいが、特に限定はされな
い。さらに、必要に応じて、エマルション樹脂に消泡
剤、成膜助剤等の、通常公知の添加剤を添加してもよ
い。また、エマルション樹脂中に分散安定化される着色
顔料の混合量は、エマルション樹脂の固型分100重量
部に対して2〜300重量部とされるのが好ましいが、
特に限定されるものではない。
【0018】以上のような着色顔料を含有するエマルシ
ョン樹脂を、前記一次粒子が分散された分散液中に混合
する。この混合比率としては、被覆される水不溶性粒子
の重量を100重量部とした場合、エマルション樹脂の
使用量(固型分換算)を1〜200重量部、より好まし
くは10〜100重量部とするのが望ましい。この理由
は、エマルション樹脂の使用量が、水不溶性粒子に対し
て1重量部未満であると、一次粒子の表面に着色顔料を
充分に被覆させることができず、着色性の良好な粒子を
得ることができず、一方、200重量部を超えて混合さ
れると、被覆に関与しないエマルション樹脂の粒子のみ
が凝集した細かいゲル化物が生じてしまい、本発明の目
的とする霜降り調の多彩模様を鮮明に現出することがで
きず、いずれの場合も好ましくないからである。
【0019】着色顔料を含有するエマルション樹脂を、
一次粒子の分散液中に混合し、これらを攪拌した後、こ
の混合系に次いで金属塩を添加する。使用される金属塩
としては、例えば塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸
アルミニウム、硫酸第一銅、塩化第二鉄、硝酸銀、酢酸
鉛等が好適に使用されるが、特に限定はされない。この
ように金属塩を添加する理由は、金属塩の添加により、
前記着色顔料を含有するエマルション樹脂を、一次粒子
表面に凝析させ、一次粒子表面に着色被膜が形成された
着色粒子を得るためである。金属塩の添加量は、使用す
るエマルション樹脂等の種類により異なるため、エマル
ション樹脂と金属塩とを混合して凝集、ゲル化するとこ
ろの金属塩量を求めて適量とするのがよい。尚、金属塩
に水を添加して、金属塩水溶液として添加することも可
能であり、この場合、着色顔料を含有するエマルション
樹脂溶液と金属塩水溶液との重量比は、粒子の安定性を
考慮して、7:3〜3:7、より好ましくは6:4〜
5:5とするのが望ましいが、特に限定されるものでは
ない。
【0020】以上のように、金属塩を添加すると、着色
塗料が塩析によって、一次粒子の表面に付着し、本発明
に係る着色粒子を得ることができる。この着色粒子の平
均粒径は10〜200μm、より好ましくは20〜10
0μmであることが望ましい。この理由は、前述した方
法に基づいて異色の着色粒子を調製して混練させた際
に、その着色粒子の粒径が10μm未満であると、個々
に肉眼で識別されないため、複数色の粒子が視覚上完全
に溶け合ってしまい、霜降り調の多彩模様として捉える
ことができず、一方、粒径が200μmを超えると、多
彩色模様の色分布が悪くなり、きめ細かい霜降り調の模
様や、装飾性に優れた布地、スウェード様の外観が現出
されないとともに、乾燥後の塗膜表面にざらつきが生
じ、しなやかな触感が得られず、いずれの場合も好まし
くないからである。特に、着色粒子の粒径を20〜10
0μmの範囲とすると、触感が良く、布地、スウェード
様の質感が最も顕著となるので、より望ましい。以上述
べた本発明に係る着色粒子の製造方法の工程の模式説明
図を図1に示す。
【0021】次に、上記したような着色粒子を用いた、
スウェード調塗料組成物の構成について詳述する。前記
した着色粒子の分散液をそのまま、或いは分散液から着
色粒子のみを取り出して、水性ワニスに混練することに
より塗料組成物とすることができる。この際、着色粒子
の分散液をそのまま使用する場合も、水性ワニスと混練
させる場合も必要に応じて消泡剤、増粘剤、界面活性
剤、防腐剤等、通常の塗料組成物に用いられる適宜の添
加物を混合させることが任意に行なわれる。
【0022】また、着色粒子のみを取り出して、水性ワ
ニスに混練して塗料組成物とする場合、使用する水性ワ
ニスとしては特に限定はされず、エマルション樹脂や水
溶性樹脂、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、その他の
ものがいずれのものでも好適に使用される。上記水性ワ
ニス又は着色粒子の硬度や柔軟性を変化させることによ
り、種々の触感を持つ被膜を得ることが可能である。
【0023】さらに、本発明では前記した着色粒子とと
もに、着色雲母を混合して塗料組成物とすることもでき
る。ここで、着色雲母とは、焼付け用のメラミン樹脂が
表面に被覆されてなる雲母のことをいい、平均粒径が1
0〜2000μm程度のものが好ましく使用される。具
体的には、カラーマイカ(商品名、サンヨー化成(株)
製)等が例示されるが、特に限定されるものではない。
このように、着色粒子とともに着色雲母を混合して塗料
組成物とすることにより、乾燥後の塗膜に、霜降り調の
多彩色模様とともに、真珠(パール)様の光沢が付与さ
れ、より美粧効果の優れた塗料とすることができる。
【0024】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に係る発明
は、平均粒径が8〜190μmの水不溶性粒子の表面
に、水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)が20〜
120の多価カルボン酸樹脂からなる一次被膜が形成さ
れ、更にこの一次被膜の表面に、着色されたエマルショ
ン樹脂の被膜が形成されてなることを特徴とする着色粒
子に関するものであるから、塗装後の塗膜に従来の単一
色塗料とは異なるきめ細かい霜降り調の多彩模様の外観
と、適度のざらつきをもつ触感とを備え、鮮明なアクセ
ントを表現することのできる美粧性に優れたスウェード
調塗料組成物を調製することができる。
【0025】また、請求項2に係る発明は、水中で水不
溶性粒子と水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)が
20〜120の多価カルボン酸樹脂とを混合し、水不溶
性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂が吸着された一次粒
子を形成させた後、この分散液中に着色顔料を含有する
分散安定化されたエマルション樹脂を混合し、次いでこ
の混合系に金属塩を添加して、表面に着色被膜が形成さ
れた平均粒径10〜200μmの着色粒子を得ることを
特徴とする請求項1に記載の着色粒子を製造する製造方
法に関し、請求項3に係る発明は、前記多価カルボン酸
樹脂がアルカリで部分的又は全部が中和された水溶性又
は水分散性の多価カルボン酸樹脂であることを特徴とす
る請求項2に記載の着色粒子の製造方法に関し、請求項
4に係る発明は、前記水不溶性粒子が合成樹脂粒子であ
ることを特徴とする請求項2又は3に記載の着色粒子の
製造方法に関するものであるから、上記したような美粧
性に優れた着色粒子を極めて高い収率で、簡便且つ効率
よく製造することができるという優れた効果を奏する。
しかも、着色塗料の被覆に使用される可塑剤量を低減す
ることができるため、着色粒子を主成分とする塗料の塗
膜の耐汚染性が向上し、環境保全に貢献することができ
る。また請求項5に係る発明は、前記水不溶性粒子が無
機粒子であることを特徴とする請求項2又は3に記載の
着色粒子の製造方法に関するものであるから、着色粒子
自体に難燃性が付与されるので、火災発生時にその延焼
を防止することができ、しかも有毒ガス等の発生量が極
めて少なく、霜降り調の多彩模様を現出できる美粧性に
優れた塗料であるとともに、地球環境保全に貢献するこ
とのできる優れた建造物内装用塗料を調製することがで
きるという効果を奏する。
【0026】更に、請求項6に係る発明は、前記請求項
1に記載の着色粒子が必須成分として分散されてなるこ
とを特徴とするスウェード調塗料組成物に関し、請求項
7に係る発明は、前記塗料組成物中に着色雲母が混合さ
れてなることを特徴とする請求項6に記載のスウェード
調塗料組成物に関するものであるから、異なった色彩の
着色粒子を混合して使用することにより、この着色粒子
をスウェード調の多彩模様として視覚させることがで
き、「霜降り調」のきめ細かい外観と、適度のざらつき
をもつ触感とを兼ね備えた鮮明なアクセントを表現する
ことのできる美粧性に優れたスウェード調塗料組成物と
なるという効果を奏する。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係る着色粒子及びその製造方
法並びにこの着色粒子を用いたスウェード調塗料組成物
の効果を、実施例、比較例を挙げることにより一層明確
なものとする。但し、本発明は以下の実施例により、何
ら限定されるものではない。
【0028】(実施例1) 水不溶性粒子として、平均粒径が40μmの塩化ビニル
重合体樹脂(商品名:ゼオン103ZXA、日本ゼオン(株)
製)150重量部を水中に60%濃度で分散させた。こ
の分散液中に多価カルボン酸樹脂〔アクリル樹脂、酸価
47.2(商品名:ポリゾールOLX−4320−1
3、固型分32.9%、昭和高分子(株)製、〕16.
0重量部を混合して攪拌し、塩化ビニル重合体樹脂粒子
表面に多価カルボン酸樹脂を吸着させた一次粒子を得
た。次いで、この分散液中に着色顔料として、二酸化チ
タン40重量部が含有されたスチレンアクリルエマルシ
ョン合成樹脂〔不揮発成分47%のスチレンアクリルエマ
ルション〔商品名:アクロナールYJ1210D 、三菱油化バ
ーディッシェ(株)製)、平均粒径0.07μm〕80
重量部を混合して攪拌し、さらにこの混合系に金属塩と
して塩化カルシウムを0.6重量部混合して、エマルシ
ョン樹脂を凝析させ、平均粒径が45μmの白色の着色
粒子の分散液を得た。さらに着色顔料として、二酸化チ
タンに代えてカーボンブラックを10重量部用いた以外
は前記同様の方法によって、平均粒径が47μmの黒色
の着色粒子の分散液を得た。前記分散液より取り出され
た白色粒子50重量部と、黒色粒子50重量部とを混合
させた後、不揮発成分55%の水性ワニス50重量部を
混練させて実施例1の塗料組成物を得た。
【0029】(実施例2) 水不溶性粒子として、平均粒径15μmの炭酸カルシウ
ム(NN200、日東粉化(株)製)100重量部を水
中に50%濃度で分散させて分散液とした。この分散液
中に多価カルボン酸樹脂〔商品名:コーガムHW30
1、アクリル樹脂、酸価20.0(固型分換算)、樹脂
固型分50.0%、昭和高分子(株)製〕2.8重量部
を混合して攪拌し、粒子表面に多価カルボン酸樹脂を吸
着させた一次粒子を分散状態で得た。この分散液中に着
色顔料として二酸化チタン13.2重量部が含有された
エマルション樹脂〔アクリル樹脂(商品名:ニカゾール
RX876、日本カーバイト工業(株)製)平均粒径
0.1μm〕26.1重量部を混合して攪拌し、さらに
この混合系に金属塩として塩化カルシウムを0.6重量
部混合して、エマルション樹脂を凝析させ、平均粒径が
22μmの白色の着色粒子の分散液を得た。さらに、着
色顔料として二酸化チタンに代えてカーボンブラックを
用いた以外は前記同様の方法によって、平均粒径が20
μmの黒色の着色粒子の分散液を得た。分散液から取り
出された白色粒子50重量部と、黒色粒子50重量部と
を不揮発成分55%の水性ワニス40重量部と混練させ
て、実施例2の塗料組成物とした。
【0030】(実施例3) 水不溶性粒子として平均粒径160μmの炭酸カルシウ
ム(寒水♯65/50、日東粉化(株)製)を用いた以
外は、前記実施例2と同様の白色及び黒色の着色粒子の
分散液を得た。この分散液からそれぞれ着色粒子を取り
出して、実施例2と同様の実施例3の塗料組成物を得
た。
【0031】(実施例4) 実施例2で調製された白色粒子100重量部と黒色粒子
10重量部に、さらに黒色の着色マイカ(商品名:カラ
ーマイカ♯655、サンヨー化成(株)製)5重量部を
混合して、この混合物を不揮発成分55%の水性ワニス
50重量部と混練させて、実施例4の塗料組成物を得
た。
【0032】(実施例5) 水不溶性粒子として平均粒径が20μmのアクリル系樹
脂〔商品名:タフチックAR(東洋紡績(株)製)〕1
00重量部を水中に40%濃度で分散させた。この分散
液中に、多価カルボン酸樹脂〔アクリル樹脂、酸価10
0.0(固型分換算)、商品名;アロロン440(樹脂
固型分50%)、(株)日本触媒製〕30重量部を混合
して攪拌し、粒子表面に多価カルボン酸樹脂が吸着され
た一次粒子を分散状態で得た。次いで、この分散液中に
着色顔料として二酸化チタン25.0重量部が含有され
たエマルション樹脂〔アクリル樹脂(商品名:ニカゾー
ルRX876、日本カーバイト工業(株)製)〕50.
0重量部を混合して攪拌し、さらにこの混合系に金属塩
として硫酸アルミニウムを1.5重量部混合して、エマ
ルション樹脂を凝析させ、平均粒径が24μmの白色の
着色粒子の分散液を得た。さらに、着色顔料として二酸
化チタンに代えてカーボンブラックを用いた以外は前記
同様の方法によって、平均粒径が23μmの黒色の着色
粒子の分散液を得た。分散液から取り出された白色粒子
50重量部と、黒色粒子50重量部とを不揮発成分55
%の水性ワニス40重量部と混練させて、実施例5の塗
料組成物とした。
【0033】(実施例6) 多価カルボン酸樹脂として、酢酸ビニル系樹脂〔商品
名:ビニロールOLX−5895、昭和高分子(株)
製〕をアンモニア水及びジエタノールアミンとで中和し
て得られた(中和率100%)酸価(固型分換算50
%)が120である多価カルボン酸樹脂を用いた以外
は、前記実施例5と同様にして、白色及び黒色の着色粒
子の分散液を得た。この分散液からそれぞれ着色粒子を
取り出して、実施例5と同様の実施例6の塗料組成物を
得た。
【0034】(実施例7) 前記多価カルボン酸樹脂に可塑剤としてフタル酸ジ−2
−エチルヘキシルを2重量部添加した以外は、前記実施
例6と同様にして白色及び黒色の着色粒子の分散液を得
た。この分散液からそれぞれ着色粒子を取り出して、実
施例6と同様の実施例7の塗料組成物を得た。
【0035】(実施例8) 多価カルボン酸樹脂として、実施例1のアクリル樹脂の
代わりにアルキッド樹脂〔商品名:ウォーターゾールS
346、大日本インキ化学工業(株)製、固型分65
%、ソリッド固型分酸価45〕50.0重量部使用した
以外は前記実施例1と同様に平均粒径45μmの白色の
着色粒子と平均粒径が47μmの黒色の着色粒子の分散
液をそれぞれ得た。これら分散液からそれぞれ着色粒子
を取り出して実施例1と同様に実施例8の塗料組成物を
得た。
【0036】(比較例1) 平均粒径が40μmの塩化ビニル重合体樹脂(商品名:
ゼオン103ZXA、日本ゼオン(株)製)150重量部を水
中に60%濃度で分散させた。エマルション合成樹脂
〔不揮発成分47%のスチレンアクリルエマルション(商
品名:アクロナールYJ1210D 、三菱油化バーディッシェ
(株)製)〕80重量部に40重量部の二酸化チタンを
混合して、前記可塑剤を含む塩化ビニル系合成樹脂と混
合した。この混合系に水を適量添加した後、金属塩とし
て塩化カルシウムを1.8重量部混合して、平均粒径が
40μmの白色系粒子の分散液を得た。着色顔料とし
て、二酸化チタンに代えてカーボンブラックを10重量
部用いた以外は前記同様の方法によって、平均粒径が4
0μmの黒色系粒子の分散液を得た。前記分散液より取
り出された白色系粒子50重量部と、黒色系粒子50重
量部とを混合させた後、不揮発成分55%の水性ワニス
50重量部を混練させて比較例1の塗料組成物を得た。
【0037】(比較例2) 水不溶性粒子として平均粒径が40μmの天然小粒軽石
(カガライトK−10号、シルバー産業(株)製)10
0重量部を水中に50%濃度で分散させて分散液とし
た。この分散液中に着色顔料として二酸化チタン13.
2重量部が含有されたエマルション樹脂〔アクリル樹脂
(商品名:ニカゾールRX876、日本カーバイト工業
(株)製)平均粒径0.1μm〕26.1重量部を混合
して攪拌し、さらにこの混合系に金属塩として塩化カル
シウムを0.6重量部混合して、エマルション樹脂を凝
析させ、平均粒径が40μmの白色系粒子の分散液を得
た。さらに、着色顔料として二酸化チタンに代えてカー
ボンブラックを用いた以外は前記同様の方法によって、
平均粒径が40μmの黒色系粒子の分散液を得た。分散
液から取り出された白色系粒子50重量部と、黒色系粒
子50重量部とを不揮発成分55%の水性ワニス40重
量部に混練させて、比較例2の塗料組成物を得た。
【0038】(比較例3) 多価カルボン酸樹脂の酸価を130とした以外は実施例
1と同様の白色系及び黒色系の着色粒子の分散液を得
た。この着色粒子を取り出して、実施例1と同様の比較
例3の塗料組成物を得た。
【0039】(比較例4) 塩化ビニル重合体に代えて、前記実施例5と同様のアク
リル樹脂を用いた以外は、前記比較例1と同様に白色系
粒子と黒色系粒子の分散液を得、比較例1と同様に比較
例4の塗料組成物を得た。
【0040】(比較例5) 多価カルボン酸樹脂として、アルカリでの中和率が0で
ある水不溶性のアクリル系樹脂(コーガムHW−31
0、酸価47.2)を用いた以外は、実施例1と同様に
して比較例5の塗料組成物を得た。
【0041】(試験例1) 前記実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた白色粒子
及び黒色粒子の収率(20倍の顕微鏡写真をとり4cm
2 当たりの全粒子に対する着色粒子の率)を試験した。
この結果を表1に示す。
【表1】
【0042】(試験例2) 前記実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた塗料組成
物をそれぞれスレート板試験片の表面に2回塗り(1m
2 当たり200gを2回塗って合計400g)して、塗
膜の外観、触感を調べた。外観は塗布2時間後に目視に
より色の鮮明度を観察して評価した。触感は、塗布24
時間後に指先で触ってざらつきの有無を観察して評価し
た。評価に際しては、それぞれ男女20人のパネラーを
無作為に選出し、評価の最も良いものを10点、最も悪
いものを0点として、1点刻みで評価してもらい、各々
その平均点を表1に示した。さらに、顕微鏡観察にて塗
料が粒子を充分に被覆しているかどうかを観察し、充分
被覆されているものには○、やや被覆されていないもの
を△、被覆が不充分であるものには×とそれぞれ評価し
てもらい、この結果もあわせて表1に示した。また、粒
子強度として、塗布30日後に爪で引っ掻き、粒子が潰
れるかどうかを調べ、潰されないものには○、潰される
ものには×と評価し、それぞれの結果を表2に示した。
【表2】
【0043】表1及び表2に示した如く、同一の水不溶
性粒子(塩化ビニル重合体樹脂)を用いた場合(実施例
1と比較例1)では、多価カルボン酸樹脂を用いて一次
粒子を形成させた後、着色塗料の被覆を行なう方(実施
例1)が、得られる着色粒子の収率が極めて高いことが
判る。また、多価カルボン酸樹脂を用いた吸着を行なわ
ずに着色塗料の被覆を行なう本発明者ら開示の従来の方
法では、可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂以外の粒子を用
いた場合(比較例2及び比較例4)、着色塗料の被覆が
極めて悪く、且つ着色粒子の収率も極めて悪いことが判
る。さらに、着色粒子とともに着色雲母を必須成分とし
て塗料組成物とする(実施例4)と、得られる塗膜の外
観が極めて良好であるということが判る。使用する多価
カルボン酸樹脂の酸価が120を超えると(比較例
3)、着色塗料の被覆性、着色粒子の収率が低下するこ
とが判る。水不溶性の多価カルボン酸樹脂を使用する
(比較例5)と、多価カルボン酸樹脂が水に混ざらない
ため粒子が凝集しゲル化のために着色塗料の被覆が充分
できなかったことが判る。着色塗料の被覆が良好でない
塗料組成物(比較例1乃至5)では、得られる塗膜の外
観や触感が良好ではないことが判る。また、比較例1で
得られた白色系及び黒色系粒子は、完全に着色塗料が被
覆されていない粒子が多数あり、実用上問題であった。
比較例2の白色系及び黒色系粒子においても、着色塗料
の被覆が十分ではなく、実用に供せないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る着色粒子の製造工程の一実施例を
示す模式説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09C 1/00 - 3/12 C09D 5/00 - 5/46 C09D 7/00 - 7/14 C09D 201/00 - 201/10 C09D 15/00 - 17/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が8〜190μmの水不溶性粒
    子の表面に、水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)
    が20〜120の多価カルボン酸樹脂からなる一次被膜
    が形成され、更にこの一次被膜の表面に、着色されたエ
    マルション樹脂の被膜が形成されてなることを特徴とす
    る着色粒子。
  2. 【請求項2】 水中で水不溶性粒子と水溶性又は水分散
    性で酸価(固型分換算)が20〜120の多価カルボン
    酸樹脂とを混合し、水不溶性粒子の表面に多価カルボン
    酸樹脂が吸着された一次粒子を形成させた後、この分散
    液中に着色顔料を含有する分散安定化されたエマルショ
    ン樹脂を混合し、次いでこの混合系に金属塩を添加し
    て、表面に着色被膜が形成された平均粒径10〜200
    μmの着色粒子を得ることを特徴とする請求項1に記載
    の着色粒子を製造する製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多価カルボン酸樹脂がアルカリで部
    分的又は全部が中和された水溶性又は水分散性の多価カ
    ルボン酸樹脂であることを特徴とする請求項に記載の
    着色粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水不溶性粒子が合成樹脂粒子である
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の着色粒子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記水不溶性粒子が無機粒子であること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の着色粒子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記請求項に記載の着色粒子が必須成
    分として分散されてなることを特徴とするスウェード調
    塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記塗料組成物中に着色雲母が混合され
    てなることを特徴とする請求項に記載のスウェード調
    塗料組成物。
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