JPH11116860A - 多彩模様塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法 - Google Patents

多彩模様塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法

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JPH11116860A
JPH11116860A JP28751597A JP28751597A JPH11116860A JP H11116860 A JPH11116860 A JP H11116860A JP 28751597 A JP28751597 A JP 28751597A JP 28751597 A JP28751597 A JP 28751597A JP H11116860 A JPH11116860 A JP H11116860A
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JP
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enamel
weight
copolymer
aqueous
coating
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Application number
JP28751597A
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English (en)
Inventor
Norimasa Sawada
憲正 沢田
Nobuhito Hirata
信人 平田
Naoki Miyata
直紀 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】形成される塗膜の耐候性、耐水性、水浸漬時の
耐白化性に優れた多彩模様塗料組成物及びこれを用いた
塗装仕上げ方法を提供する。 【解決手段】重量平均分子量5,000〜200,00
0の架橋性官能基含有共重合体(A)、顔料(B)及び
有機溶剤(C)を主成分とする組成物を混合分散してエ
ナメルとし、これを水系分散媒に分散した後、必要に応
じて架橋剤又は硬化触媒(D)を混合して得られたエナ
メル分散粒子を、粒子内架橋せしめてなる平均粒子径
0.01〜3mmの内部架橋分散粒子を1種以上含む水
分散液に、水性樹脂(D)を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中油型の多彩模
様塗料組成物に関し、詳しくは顔料分散したエナメルを
水相に分散してなる、1回の塗装で多数の色合いが複合
した多彩な意匠感を表現することができ、特に砂骨ロ−
ラ−による塗装が可能であり、さらに形成膜の耐候性、
耐水性、浸水時の耐白化性に優れた多彩模様塗料組成物
及びこれを用いた塗装仕上げ方法に関する。本発明の組
成物は、建築内・外部、屋根、乾式建材、車両、橋梁、
船舶、家電、家具、木工などの塗装に適用可能である。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来より、1回の塗装で多彩
な意匠塗膜を形成する塗料は多彩模様塗料と呼ばれ、J
IS K 5667に規定されている。中でも、水系分
散媒に、色づけした有機溶剤ベ−スのエナメルを、識別
できる程度の大きさに不連続相として分散した水中油型
の多彩模様塗料は、例えばJ.C.ZORAによって日
本特許第231698号で実用化され、日本国内におい
ても汎用されている。しかしながら従来の多彩模様塗料
の多くは、ニトロセルロ−ス、ポリビニルトルエン、ポ
リブタジエンなどを基体樹脂としているため、建築外装
等の屋外での使用の際に、形成塗膜が塗膜変色やチョ−
キングを生じるなど耐候性に劣り、その用途は主に建築
内装であった。またこれらの基体樹脂を溶解するのに使
用される有機溶剤も比較的SP(溶解性パラメ−タ−)
値が高く沸点が低いことから、塗装時の臭気や作業環境
に問題があった。
【0003】そこで本発明者らは耐候性を向上させるた
め、基体樹脂としてスチレン−アクリル共重合物等を用
いることを提案した(特開平9−100426号公
報)。本塗料によれば、耐候性、耐水性に優れた模様塗
膜を形成可能であるが、水相に分散されたエナメル粒子
は強固なものでなく、ロ−ラ−塗装などの高シェアのか
かる塗装ではエナメル粒子が破壊され模様形成が困難と
なり、また模様をつなぐ連続部分の耐水性が不十分であ
り、乾燥初期に雨などで該部分が白化しやすいという問
題があった。そのためこれを防止するため該模様塗膜上
にクリヤ−塗料を塗装しなければならなかった。該クリ
ヤ−塗料についても水系クリヤ−を用いるとそれ自身が
白化する恐れがあり、溶剤系のものに使用が限られてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、模様を形成するエナメ
ル分散粒子内を完全に粒子内架橋させ、且つ模様をつな
ぐ連続部分を形成する成分として水性樹脂を配合するこ
とによって、砂骨ロ−ラ−による塗装も可能であり、し
かも形成膜の耐水性、浸水時の耐白化性、耐候性に優れ
た多彩模様塗料組成物が得られることを見出し本発明に
到達した。
【0005】即ち本発明は、重量平均分子量5,000
〜200,000の架橋性官能基含有共重合体(A)、
顔料(B)及び有機溶剤(C)を主成分とする組成物を
混合分散してエナメルとし、これを水系分散媒に分散し
た後、必要に応じて架橋剤又は硬化触媒(D)を混合し
て得られるエナメル分散粒子を、粒子内架橋せしめてな
る平均粒子径0.01〜3mmの内部架橋分散粒子を1
種以上含む水分散液に、水性樹脂(E)を配合すること
を特徴とする多彩模様塗料組成物を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において架橋性官能基含有
共重合体(A)は、重量平均分子量5,000〜20
0,000の共重合体であり、架橋剤成分と反応する架
橋性官能基含有共重合体(A−1)、又は自己架橋性官
能基含有共重合体(A−2)が使用できる。
【0007】上記共重合体(A−1)は、架橋性官能基
として水酸基、イソシアネ−ト基、エポキシ基、アミノ
基、アルコキシシリル基、カルボニル基などが挙げられ
るが、特に耐候性の点から水酸基やアルコキシシリル基
が好適であり、通常、該架橋性官能基を含有するモノマ
−及びその他の共重合可能なモノマ−を共重合して得る
ことができる。
【0008】架橋性官能基含有モノマ−としては、例え
ばヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリル
酸のヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸
のヒドロキシアルキルエステルとラクトン類との1:1
〜5モル付加物、(メタ)アクリル酸とグリコ−ル(炭
素数2〜20)との等モル付加物などの水酸基含有モノ
マ−;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルジメトキシメチルシランなどのアルコキシシリル基
含有モノマ−などが挙げられ、これらは1種又は2種以
上適宜選択して使用できる。
【0009】その他の共重合可能なモノマ−としては、
例えばメチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)ア
クリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、i−ブ
チル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチル(メタ)アクリ
レ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラ
ウリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)ア
クリレ−ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1
〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
α−クロロスチレン等のビニル芳香族化合物;パーフル
オロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロ
イソノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロ
オクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロ
アルキル(メタ)アクリレート;CF2=CF2、CH
F=CF2、CH2=CF2、CClF=CF2等の一
般式CX2=CX2(式中、Xは同一もしくは異なって
H、Cl、Br、F、アルキル基またはハロアルキル基
を示す。ただし、式中に少なくとも1個のFを含有す
る。)で表わされるフルオロオレフィン;(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられ、1
種又は2種以上適宜選択して使用可能である。
【0010】上記架橋性官能基を含有するモノマ−及び
その他の共重合可能なモノマ−の使用割合は、エナメル
分散粒子の粘性にもよるが、架橋性官能基を含有するモ
ノマ−が1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、
その他の共重合可能なモノマ−が70〜99重量%、好
ましくは80〜95重量%の範囲が適当である。架橋性
官能基を含有するモノマ−が1重量%未満ではエナメル
分散粒子の粒子内架橋が不十分となり、砂骨ロ−ラ−等
の塗装シェアに耐え得る粒子強度が得られず、一方30
重量%を越えると、水分散性が低下する傾向がみられる
で好ましくない。
【0011】一方、上記共重合体(A−2)は、自己架
橋性官能基としてアルコキシシリル基やイソシアネ−ト
基などが挙げられるが、特にアルコキシシリル基が好適
であり、通常、該アルコキシシリル基を含有するモノマ
−及びその他の共重合可能なモノマ−を共重合して得る
ことができる。
【0012】アルコキシシリル基含有モノマ−として
は、上記架橋性官能基含有共重合体(A−1)の説明で
列記したアルコキシシリル基含有モノマ−から適宜選択
して使用でき、またその他の共重合可能なモノマ−とし
ては、上記共重合体(A−1)の説明で列記したその他
の共重合可能なモノマ−などが挙げられ、1種又は2種
以上適宜選択して使用可能である。これらモノマ−類の
使用割合もまた上記共重合体(A−1)と同様の範囲が
適用である。
【0013】上記架橋性官能基含有共重合体(A)は、
重量平均分子量5,000〜200,000、好ましく
は20,000〜180,000である。該分子量が
5,000未満では塗膜の耐候性が低下し、一方20
0,000を越えると、塗装作業性が劣るので好ましく
ない。
【0014】また上記共重合体(A)は、酸価5以下、
好ましくは3未満であることが望ましい。該酸価が5を
越えると、エナメル分散粒子の安定性が著しく低下する
ので望ましくない。
【0015】また共重合体(A)は、ガラス転移温度
(Tg)が−10〜80℃、好ましくは5〜60℃であ
ることが望ましく、該Tgが−10℃未満ではエナメル
分散粒子の安定性や塗膜の耐水性が低下し、また汚れや
すくなり、一方80℃を越えると内部架橋分散粒子の物
性が低下するので好ましくない。
【0016】上記共重合体(A)は、各モノマ−混合物
を、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法などの常
法によって共重合させることにより得られる。ラジカル
重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイ
ドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
等の過酸化物;α,α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、
アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキ
サンカルボニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0017】重合時に用いる溶剤としては、例えば、石
油ベンゼン、ミネラルスピリット、タ−ペンなどの脂肪
族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素
系、その他ジクロルエタン、トリクレン、テキサノ−
ル、テキサノ−ルイソブチレ−ト、2−エチルヘキシル
アルコ−ル、ジイソブチルケトン、2−エチルヘキシル
アセテ−ト、ジブチルフタレ−ト、ジオクチルフタレ−
トなど水との親和性の小さいものが単独または混合して
使用でき、好ましくは塗装時の作業環境の点から脂肪族
炭化水素系の溶剤が好適である。
【0018】重合時に用いる溶剤として、脂肪族炭化水
素系溶剤などの貧溶剤を用いる場合には、良好なエナメ
ル化のために、上記で使用するモノマ−混合物のSP
(溶解性パラメ−タ−)値を(親水性の尺度として)適
宜調整することが望ましく、特に親水性の高いモノマ−
に影響されることから、使用するアクリルモノマ−類に
よるSP値が7.6〜8.6、好ましくは7.8〜8.
4であることが望ましく、この範囲内となるように使用
するアクリルモノマ−類を選択することが適当である。
【0019】ここでSP(溶解性パラメ−タ−)値は、
以下の式より各モノマ−のSP値から算出される。
【0020】SP値:δ δ×100=(δa ×A)+(δb ×B)+(δc ×
C)+ …… (式中、δa 、δb 、δc 、……はモノマ
a b c 、……のSP値を示し、A、B、C、……
はモノマ−a b c 、……の使用(アクリル)モノマ
−全量中の重量%を示す。各モノマ−のSP値はJ.P
aint Tech.,42(541),176(19
70)などで示される数値に基づく。) 本発明では架橋性官能基含有共重合体(A)として、上
記共重合体(A−1)及び(A−2)を夫々単独で、又
は併用して使用してよい。またこれら共重合体に、非架
橋のアクリル共重合体やニトロセルロ−ス、ポリブタジ
エン、ビニルトルエンなどを併用してもよい。
【0021】本発明において用いられる顔料(B)とし
ては、従来公知の着色顔料や体質顔料などが使用でき、
着色顔料としては、例えば酸化チタン、カ−ボンブラッ
ク、ベンガラ、酸化鉄、フタロシアニンブル−、フタリ
シアニングリ−ン、ベンゾイミダゾロン、アゾ顔料、キ
ナクリドンレッド、黄鉛、酸化クロム、群青、パ−ル顔
料、金属粉などが挙げられ、体質顔料としては、例えば
タンカル、クレ−、タルク、硫酸バリウム、ホワイトカ
−ボン、アルミナ、ベントナイト、シリカ、マイカなど
が挙げられ、単独又は組合せて使用できる。これら顔料
のエナメル中の含有量は、目的とする意匠などにより適
宜選択できるが、望ましくは70重量%以下、好ましく
は50重量%以下が望ましい。該含有量が70重量%を
越えるとエナメルの機械的強度が低下してエナメル分散
粒子の安定性や塗装時のスプレ−適性が低下するので好
ましくなく、さらに50重量%を越えるとエナメルの比
重や粘度の調整などが不都合になりやすいので望ましく
ない。
【0022】本発明において用いられる有機溶剤(C)
としては、従来公知のものが使用でき、例えば石油ベン
ゼン、ミネラルスピリット、タ−ペンなどの脂肪族炭化
水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素系、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系、そ
の他ジクロルエタン、トリクレン、テキサノ−ル、テキ
サノ−ルイソブチレ−ト、2−エチルヘキシルアルコ−
ル、ジイソブチルケトン、2−エチルヘキシルアセテ−
ト、ジブチルフタレ−ト、ジオクチルフタレ−ト、メタ
ノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、
これらは単独または混合して使用でき、好ましくは塗装
時の作業環境の点から脂肪族炭化水素系の溶剤が好適で
ある。有機溶剤(C)のエナメル中の含有量は、20〜
70重量%が好ましい。20重量%未満ではエナメルの
比重や粘度の調整などが不都合になりやすく、一方70
重量%を越えるとエナメルの機械的強度が低下してエナ
メル分散粒子の安定性や内部架橋分散粒子の強度が低下
する恐れがあるので望ましくない。
【0023】本発明では共重合体(A)として前記共重
合体(A−1)を用いた場合には、架橋剤及び/又は硬
化触媒(D)を、前記共重合体などを用いて得られたエ
ナメルを水分散後に配合することができる。かかる架橋
剤及び/又は硬化触媒(D)としては、前記共重合体
(A−1)に含まれる架橋性官能基に応じて、従来公知
の架橋剤や硬化触媒から適宜選択して使用できる。該架
橋剤を用いる場合には、通常、共重合体(A−1)の架
橋性官能基と該架橋剤中の官能基が等当量となるよう配
合するのが望ましい。
【0024】具体的には、例えば前記共重合体(A−
1)の架橋性官能基が水酸基である場合には、架橋剤と
して脂肪族ジイソシアネ−ト、脂環族ジイソシアネ−
ト、芳香族ジイソシアネ−ト、これらの多量体などのポ
リイソシアネ−ト化合物が使用できる。さらに該ポリイ
ソシアネ−ト化合物の水分散性の向上の面から、該ポリ
イソシアネ−ト化合物に乳化剤を混合したものや、該ポ
リイソシアネ−ト化合物をアルコキシポリアルキレング
リコ−ルやアルコキシシランポリマ−などで変性してな
るもの等も使用できる。
【0025】前記共重合体(A−1)の架橋性官能基が
アルコキシシリル基である場合には、特に架橋剤を配合
しなくてもアルコキシシリル基が自己架橋するので、そ
の硬化触媒として錫系、アミン系、リン酸系から選ばれ
る少なくとも1種の硬化触媒が使用でき、さらに架橋成
分としてトリメトキシメチルシラン、トリメトキシプロ
ピルシラン、トリメトキシフェニルシラン等が使用でき
る。
【0026】また共重合体(A)として前記共重合体
(A−2)を用いた場合には、架橋性官能基が水により
自己架橋するので特に架橋剤成分を配合しなくてもよい
が、必要に応じて上述の架橋剤及び/又は硬化触媒
(D)から適宜選択して配合することができる。
【0027】本発明においては、以上の共重合体
(A)、顔料(B)及び有機溶剤(C)などを、ディス
パ−、サンドミル、ロ−ルミル、ボ−ルミルなどの分散
機を用いるなどの通常の方法に従って混合分散してエナ
メル化を行う。この際、該組成中に必要に応じて分散
剤、消泡剤、可塑剤などの添加剤を適宜加えてもよい。
【0028】上記の通り得られるエナメルの比重は、塗
料中のエナメル分散粒子の安定性の点から、0.90〜
2.5、好ましくは0.95〜1.5の範囲が適当であ
る。この範囲外では分散粒子が塗料の貯蔵中に浮上又は
沈降しやすくなるので好ましくない。またエナメルの粘
度は、目的とする意匠によって適宜決められるが、エナ
メルの機械的強度の点から通常1Pa・s以上が好適で
ある。
【0029】本発明では、上記エナメルを水系分散媒に
分散し、さらに必要に応じて架橋剤又は硬化触媒(D)
を混合してなる。
【0030】上記水系分散媒としては、従来公知のもの
が使用でき、例えば水に、分散粒子が互いに凝集しない
よう安定化させる安定剤を適宜配合したものが挙げられ
る。かかる安定剤としては、有機系又は無機系のいづれ
も使用でき、特に水溶性で且つ適度に疎水部分を有する
ものが好適である。このような安定剤としては、公知の
保護コロイドが挙げられ、例えばメチルセルロ−ス、エ
チルセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル、カゼイン、ト
ラガントゴム、カ−バリウムゴム、セルロ−スアセテ−
トフタレイト、ベントナイト、ヒドロキシイチルセルロ
−ズ、ポリメタクリル酸、アラビアゴム、カラヤゴム、
ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アルブミン、ペクチ
ン、キサンタンガム、澱粉、水溶性尿素フォルムアルデ
ヒドなどが使用できる。また比較的水に不溶性の塩類、
例えば白土、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、珪藻土なども上記安定剤として用い
ても良いが、水溶性の安定剤に比べて安定化に多量を要
するので、使用時には出来るだけ微粉のものを用いるこ
とが望ましい。
【0031】上記水系分散媒には、さらに必要に応じて
電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネ
シウム等)、湿潤剤、造膜助剤、凍結防止剤、消泡剤、
染料などを分散粒子の安定性等を損なわない程度に適宜
添加してもよい。また上記水系分散媒は、塗装作業性や
分散粒子の安定性の点から、45〜90(KU値)程度
に調整することが望ましい。
【0032】該水系分散媒に前記エナメルを分散する方
法は、エナメルの水系分散媒に対する混合比を1.5〜
0.3程度となるよう混合して、通常の混合分散装置を
用いた従来公知の方法が採用できるが、好ましくは小さ
なせん断力で全体を混合できる例えば2〜3枚の羽根を
持つプロペラ型攪拌機を有する装置を用いることが望ま
しい。
【0033】該水系分散媒に前記エナメルを分散する際
に、目的とする意匠に要する各色エナメルごと別々に分
散を行い、得られた各水分散体を混合してエナメル粒子
水分散液とする、あるいは各色エナメルを同時に水系分
散媒中に配合して分散を行いエナメル粒子水分散液とす
ることができ、通常、模様色の再現性の点から前者の方
法によるのが一般的である。
【0034】上記エナメル粒子水分散液を、撹拌操作な
どに供する。その際、該水分散液を、必要に応じて40
℃以下の温度まで温めて架橋を促進してもよい。これに
より、エナメル分散粒子を粒子内架橋せしめて、平均粒
子径0.01〜3mmの内部架橋分散粒子とするもので
ある。該粒子径が3mmより大きいと、砂骨ロ−ラ−等
による塗装では粒子が均一にならなかったり偏在しやす
くなるので好ましくない。得られた内部架橋分散粒子
は、通常、球状で粒子内架橋しており、ロ−ラ−塗装な
どのシェア圧に耐える強度を有するもので、該粒子自身
は融着造膜するものではない。かくして本発明では、エ
ナメルの内部架橋分散粒子を1種以上含有するものであ
り、目的とする意匠によって数種のエナメルの内部架橋
粒子水分散体が混在して得られるものである。
【0035】本発明では、上記の通り得られる1種以上
の内部架橋分散粒子を含む水分散液に、さらに模様をつ
なぐ連続部分を形成する成分として、水性樹脂(D)を
配合する。
【0036】該水性樹脂(D)としては、従来公知の水
性樹脂が使用可能であるが、耐候性、耐水性に優れたア
クリル系エマルション、フッ素系エマルション及びシリ
コン系エマルションから選ばれる少なくとも1種以上で
あることが望ましく、特に浸水時の耐白化性の点から
は、アルコキシシリル基を導入してなるシリコン系エマ
ルションが好適である。
【0037】上記水性樹脂(D)として使用されるアク
リル系エマルションとしては、従来公知の融着造膜型、
或いは反応硬化型のアクリル共重合体エマルションが使
用できる。
【0038】また水性樹脂(D)として使用されるフッ
素系エマルションとしては、従来公知のものが使用でき
るが、特に浸水時の耐白化性の点からフッ化ビニリデン
10〜70重量%及び他のモノマ−30〜90重量%を
含むモノマ−混合物を共重合してなるフッ素系共重合体
のエマルションが好適である。その他の共重合可能なモ
ノマ−としては、例えばフッ化ビニル、テトラフルオロ
エチレン、トリフルオロクロロエチレン、ヘキサフルオ
ロイソブチレン、パ−フルオロ(メタ)アクリル酸又は
そのアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のフルオロ
アルキルエステル、パ−フルオロビニルエ−テル、パ−
フルオロアルキルビニルエ−テルフッ素含有モノマ−;
シクロヘキシルビニルエ−テル、ヒドロキシエチルビニ
ルエ−テルなどのアルキルビニルエ−テル;ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられ、1種又
は2種以上混合して使用される。
【0039】上記水性樹脂(D)として好適に使用され
るシリコン系エマルションとしては、従来公知のものが
使用できるが、特に浸水時の耐白化性の点からアルコキ
シシリル基を導入してなるシリコン系エマルションが挙
げられ、アルコキシシリル基含有モノマ−1〜20重量
%及びその他の共重合可能なモノマ−80〜99重量%
を含むモノマ−混合物を共重合してなるTg0〜25℃
のアルコキシシリル基含有共重合体のエマルションが好
適である。
【0040】アルコキシシリル基含有モノマ−として
は、例えばβ−(メタ)アクリロイルオキシエトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど
が挙げられる。該アルコキシシリル基含有モノマ−と共
重合可能なその他のモノマ−としては、メチル(メタ)
アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエス
テル又はシクロアルキルエステルや(メタ)アクリル
酸、スチレン等のビニル芳香族化合物などが挙げられ、
1種又は2種以上混合して使用される。
【0041】上記アルコキシシリル基含有共重合体エマ
ルションは、上記モノマ−混合物を、溶液重合後に中和
剤を用いて水溶化もしくは水分散化する方法、或いは界
面活性剤を使用する乳化重合法などの方法により製造す
ることができ、特に乳化重合法によるものが好適であ
る。得られるアルコキシシリル基含有共重合体エマルシ
ョンは、粒子径が0.2μm以下が好ましく、最低造膜
温度が10℃以下、pHが8〜10が適当 である。
【0042】上記水性樹脂(D)の配合量は、(A)〜
(C)を含む内部架橋分散粒子100重量部に対して、
水性樹脂固形分量で5〜40重量部、好ましくは5〜3
0重量部の範囲内が好適である。該配合量が5重量部未
満では、得られる塗膜の浸水時の耐白化性が不十分とな
り、一方40重量部を越えると、砂骨ロ−ラ−塗装での
仕上り性が低下するので好ましくない。
【0043】また上記水性樹脂(D)の配合時に、増粘
剤、消泡剤、造膜助剤、艶調整剤などの添加剤を同時に
添加混合することができる。混合する際は上述のプロペ
ラ型攪拌機を有する装置を用いることが望ましい。
【0044】本発明組成物は、通常の塗装方法、例えば
スプレ−、ロ−ラ−、刷毛塗装などによって塗装でき、
塗布量は特に制限はないが200〜1200g/m2
好ましくは400〜900g/m2 程度が適当である。
【0045】本発明では、基材面に、下塗り層を設けた
後、その上に、上記の通り得られる多彩模様塗料組成物
を塗装する塗装仕上げ方法を提供する。
【0046】基材面としては、例えばコンクリ−ト、モ
ルタル、スレ−ト、セラミック、プラスチック、木材、
石材、金属、紙などの素材に適宜素地調整された基材が
挙げられる。
【0047】該基材上に設けられる下塗り層は、下塗り
塗料及び/又は主材を塗装して形成することができる。
該下塗り層は、上層の多彩模様塗膜が球状粒子による模
様であるため該層によって完全に隠蔽されるものではな
いので、耐候性に優れることが望ましい。
【0048】下塗り塗料は、通常、基材と主材層との付
着性向上や基材からのエフロ防止、多孔質基材による主
材の吸い込みムラ防止などを目的として必要に応じて用
いられるものであり、例えばアクリル樹脂系、塩化ビニ
ル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系、フタル
酸樹脂系などから選ばれる1種又は2種以上組合せた樹
脂成分を有するシ−ラ−や下塗材が挙げられる。水回り
などの高度の耐水性が要求される場所では適宜塗り重ね
てもよい。
【0049】主材は、通常、基材に直接、又は下塗り塗
膜上に塗装されるものであり、立体的なテクスチャ−の
形成、又は基材面のひびワレ等への追随などを目的とし
て用いられるものであり、例えば合成樹脂エマルション
系、セメント系、ポリマ−セメント系などの複層仕上げ
用主材や下地調整材が挙げられ、特に耐候性の面から反
応硬化型のアクリル系エマルション等の合成樹脂エマル
ションを使用した微弾性塗材が好適である。これらはロ
−ラ−やスプレ−などの公知の塗布具を用いて平滑或い
は凹凸状になるよう塗布することができる。塗布量は
0.3〜2kg/m2 程度が適当である。
【0050】本発明では、さらに多彩模様塗膜上に水系
クリヤ−を塗装することができる。該水系クリヤ−とし
ては、特に制限なく従来公知のものが挙げられるが、浸
水時の耐白化性の点から、前記多彩模様塗料組成物の構
成成分である水性樹脂(D)、特にシリコン系エマルシ
ョンを被膜形成成分とするものが好適である。該水系ク
リヤ−には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、
流動調整剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、充填剤などの通
常の塗料用添加剤を適宜配合することができる。
【0051】上記水系クリヤ−は、通常の塗装方法、例
えばスプレ−、ロ−ラ−、刷毛塗装などによって塗装で
き、塗布量は特に制限はないが50〜200g/m2
好ましくは80〜120g/m2 程度が適当である。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0053】共重合体(A)の製造 製造例1 反応器に温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却
器、滴下ポンプを備え付け、ミネラルスピリット45重
量部を仕込み撹拌しながら100℃まで昇温した後、表
1に示す単量体及び重合開始剤(t−ブチルパ−オキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト)の混合物100.13重
量部を100℃に保った反応器に滴下ポンプを利用して
3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後2時間1
00℃に保ち、撹拌を続けた。その後、追加の重合開始
剤(t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−
ト)0.5重量部をミネラルスピリット30重量部に溶
解させたものを1時間かけて一定速度で滴下し、さらに
1時間100℃に保ち反応を終了させ、ミネラルスピリ
ット48重量部で希釈した。得られた共重合体溶液は不
揮発分45重量%の均一で透明な溶液であった。また、
この共重合体の重量平均分子量は172,000、Tg
は0℃であった。
【0054】製造例2、3 製造例1において、単量体及び重合開始剤の混合物を表
1に示す配合とする以外は製造例1と同様に行い、各共
重合体溶液を得た。得られた共重合体及び共重合体溶液
の性状値を同表に示す。
【0055】
【表1】
【0056】(注)表1中の酸価は全て0.2以下であ
る。
【0057】エナメルの作成 上記製造例1〜3で得られた各共重合体溶液ごとに、夫
々共重合体溶液、顔料及び溶剤を表2に示す配合で、容
量2リットルのステンレス容器に仕込み、撹拌機にて1
5分間撹拌した後、ガラスビ−ズを用いて卓上サンドミ
ルで15分間分散して、白、黄、赤、黒、青の各エナメ
ルを夫々作成した。
【0058】
【表2】
【0059】多彩模様塗料の製造 実施例1 上水100重量部、メチルセルロ−ス0.5重量部、
「スラオフ72N」(武田薬品工業社製、防腐剤)0.
1重量部、及び「BYK−025」(ビック・ケミ−社
製、消泡剤)0.1重量部からなる水系分散媒に、上記
製造例1で得た共重合体溶液を用いて作成したエナメル
80重量部を配合し、プロペラ形の撹拌機にて低速で3
0分間撹拌し、エナメル分散粒子の平均の大きさが1〜
3mmの範囲となるよう分散した後、ヘキサメチレンジ
イソシアネ−ト1.5重量部を加えてさらに35℃で1
時間撹拌を続けて粒子内架橋を促進し、白、黄、赤、
黒、青の各エナメル内部架橋粒子の水分散液をそれぞれ
作成した。
【0060】この5色のエナメル内部架橋粒子の水分散
液を白/黄/赤/黒/青=60/10/10/10/1
0の配合比で混合した後、該5色エナメル内部架橋粒子
の水分散液100重量部に対して固形分45重量%のア
クリル系エマルション(注1)20重量部、「BYK−
025」0.5重量部、及び「ヨドゾ−ルKA−10」
(カネボウ・エヌエスシ−社製、増粘剤)0.5重量
部、テキサノ−ル1重量部を配合し、プロペラ形の撹拌
機にて混合し多彩模様塗料(1)を得た。
【0061】(注1)アクリル系エマルション:カルボ
ニル基含有アクリル共重合体水性エマルション及び架橋
剤としてアジピン酸ジヒドラジドを含む反応硬化型エマ
ルション 実施例2 実施例1において、固形分45重量%のアクリル系エマ
ルション(注1)を「SX8608」(日本合成ゴム社
製、固形分45重量%のフッ素系エマルション)に変更
する以外は実施例1と同様の操作で多彩模様塗料(2)
を得た。
【0062】実施例3 実施例1において、固形分45重量%のアクリル系エマ
ルション(注1)を「サンモ−ル」(三洋化成工業社
製、固形分40重量%のアルコキシシリル基含有シリコ
ン系エマルション)に変更する以外は実施例1と同様の
操作で多彩模様塗料(3)を得た。
【0063】実施例4 上水100部、メチルセルロ−ス0.5部、「スラオフ
72N」0.1部及び「BYK−025」0.1部から
なる水系分散媒に、上記製造例2で得た共重合体溶液を
用いて作成したエナメル80部を配合し、プロペラ形の
攪拌機にて低速で30分間攪拌しエナメル分散粒子の平
均の大きさが1〜3mmの範囲となるよう分散し、さら
に40℃で3時間撹拌を続けて粒子内架橋を促進し、
白、黄、赤、黒、青の各色エナメル内部架橋粒子の水分
散液をそれぞれ作成した。
【0064】この5色のエナメル内部架橋粒子の水分散
液を、白/黄/赤/黒/青=60/10/10/10/
10の配合比で混合した後、該5色エナメル内部架橋粒
子の水分散液100部に、「サンモ−ル」20重量部、
「BYK−025」0.5重量部、及び「ヨドゾ−ルK
A−10」0.5重量部、テキサノ−ル1重量部を配合
し、プロペラ形の攪拌機にて混合し、多彩模様塗料
(4)を得た。
【0065】比較例1 上水100部、メチルセルロ−ス0.5部、「スラオフ
72N」0.1部及び「BYK−025」0.1部から
なる水系分散媒に、上記製造例1で得た共重合体溶液を
用いて作成したエナメル80部を配合し、プロペラ形の
攪拌機にて低速で30分間攪拌しエナメル分散粒子の平
均の大きさが1〜3mmの範囲となるよう分散し、ヘキ
サメチレンジイソシアネ−ト1.5重量部を加えて、さ
らに35℃で1時間撹拌を続けて粒子内架橋を促進し、
白、黄、赤、黒、青の各色エナメル内部架橋粒子の水分
散液をそれぞれ作成した。
【0066】この5色のエナメル内部架橋粒子の水分散
液を、白/黄/赤/黒/青=60/10/10/10/
10の配合比で混合し、多彩模様塗料(5)を得た。
【0067】比較例2 比較例1において、製造例1で得た共重合体溶液を用い
るかわりに製造例2で得た共重合体溶液を用いる以外
は、比較例1と同様の操作で多彩模様塗料(6)を得
た。
【0068】比較例3 上水100部、メチルセルロ−ス0.5重量部、「スラ
オフ72N」0.1重量部及び「BYK−025」0.
1重量部からなる水系分散媒に、上記製造例3で得た共
重合体溶液を用いて作成したエナメル80重量部を配合
し、プロペラ形の攪拌機にて低速で30分間攪拌しエナ
メル分散粒子の平均の大きさが1〜3mmの範囲となる
よう分散し、白、黄、赤、黒、青の各色エナメルの水分
散液をそれぞれ作成した。
【0069】この5色のエナメルの水分散液を、白/黄
/赤/黒/青=60/10/10/10/10の配合比
で混合し、多彩模様塗料(7)を得た。
【0070】比較例4 比較例3において、5色のエナメルの水分散液を混合し
て得た塗料(7)100部に、「サンモ−ル」20重量
部、「BYK−025」0.5重量部、及び「ヨドゾ−
ルKA−10」0.5重量部、テキサノ−ル1重量部を
配合し、プロペラ形の攪拌機にて混合し、多彩模様塗料
(8)を得た。
【0071】比較例5、6 「ゾラト−ンNo17911SU」(関西ペイント社
製、ビニルトルエン樹脂系多彩模様塗料)及び「ゾラコ
−トNo.229」(関西ペイント社製、ニトロセルロ
−ス系多彩模様塗料)を、それぞれ多彩模様塗料
(9)、(10)とした。
【0072】上記の通り得られた各多彩模様塗料を性能
試験に共した。結果を表3に示す。尚、試験方法は次の
通りである。
【0073】(1)塗料状態(貯蔵性) 塗料の製造直後、室温で24時間放置後、及び40℃で
1か月放置後に、容器中の塗料を軽く撹拌して、塗料の
状態を観察した。
【0074】 ◎:粒子同志の融着が全くない ○:粒子同志の融着が若干認められる ×:粒子同志の融着がかなり認められる (2)砂骨ロ−ラ−塗装後の模様性及び臭気 各塗料を砂骨ロ−ラ−にて70×150×4mmのスレ
−ト板上に500〜600g/m2 の塗布量で2回塗装
し、塗装後の塗膜の模様性を目視により下記基準で評価
した。
【0075】 ◎:粒子の模様がはっきりしていて、5m離れた所から
でも模様を識別できる ○:粒子の模様が小さい部分がみられ、5m離れた所か
らでは模様を識別しにくい △:模様がくずれて、線状の模様がかなりみられる ×:模様が完全にくずれて、粒子の模様が全くみられな
い また塗装した時の臭気を下記基準で評価した。
【0076】 ◎:臭気が少なく、塗装中も臭気が気にならない ○:塗装時の臭気は少ないが、塗装後1〜2週間経過し
ても臭いが塗膜に残る ×:臭気がひどく、塗装時有機マスクを要する
【0077】
【表3】
【0078】塗装 70×150×4mmのスレ−ト板に、「アレルホルダ
−GII」(関西ペイント社製、水性下地調整材)を塗布
量800〜1,000g/m2 となるようにロ−ラ−塗
装し、室温で7日間乾燥させたものを試験板とし、これ
に上記で製造した各多彩模様塗料を塗布量500〜60
0g/m2 となるように砂骨ロ−ラ−塗装し、室温で7
日間乾燥させて実施例1〜4及び比較例1、2の試験塗
板を作成した。砂骨ロ−ラ−塗装できない多彩模様塗料
(7)〜(10)はスプレ−塗装し比較例3〜6の試験
塗板を作成した。
【0079】さらに70×150×4mmのスレ−ト板
に、「アレルホルダ−GII」を塗布量800〜1,00
0g/m2 となるようにロ−ラ−塗装し室温で7日間乾
燥させた試験板に、多彩模様塗料(3)、(4)を夫々
塗布量500〜600g/m2 となるように砂骨ロ−ラ
−塗装し、室温で1日放置後、その上に、「サンモ−
ル」(三洋化成工業社製、固形分40重量%のアルコキ
シシリル基含有シリコン系エマルション)100重量部
に、テキサノ−ル2重量部、「プライマル2020」
(ロ−ム&ハ−ス社製、増粘剤)1重量部、「BYK−
024」0.5重量部、「スラオフ72N」0.1重量
部、及びエチレングリコ−ル1.5重量部を配合してな
る水系クリヤ−を塗布量約80g/m2 となるようにロ
−ラ−塗装し、室温で7日間乾燥させて実施例5、6の
試験塗板を作成した。
【0080】上記の通り得られた各試験塗板を下記性能
試験に供した。結果を表4に示す。尚、試験方法は次の
通りである。
【0081】(3)温冷サイクル 各試験塗板を、JIS A 6909の温冷繰り返し試
験に準じて、<水中に18時間浸漬〜−20℃の恒温器
中で3時間冷却〜50℃の恒温器中で5時間加温>を1
サイクルとして10サイクル試験後の塗膜面の状態を目
視で評価した。 ◎:塗膜面にワレ・ハガレがなく変色も認められない ○:塗膜面に若干のワレ・ハガレ、変色のいずれかが認
められる ×:塗膜面にワレ・ハガレ、変色のいずれかが著しく認
められる (4)耐水性 各試験塗板を、上水に7日間浸漬し、浸水時の塗膜の白
化及び乾燥後の塗膜の白化状態(回復性)を目視で評価
した。
【0082】 ◎:塗膜面に白化が認められない ○:塗膜面に若干白化(白濁)が認められる △:塗膜面に白化が認められる ×:塗膜面に白化、フクレが著しく認められる
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、エナメル分散粒子内部
を完全に架橋させ該粒子を堅固にするため、良好な貯蔵
性が得られるばかりでなく、砂骨ロ−ラ−塗装のような
高シェア塗装においても粒子同志が融着することなく塗
装でき、しかも模様をつなぐ連続部分を形成する成分と
して水性樹脂を配合するので、耐候性、耐水性、特に水
浸漬時の耐白化性に優れた模様塗膜が形成できる多彩模
様塗料組成物が得られ、1回の塗装で、多数の色合いの
粒子が破壊されることなく、まぶされたような特異な意
匠感を有する多彩模様塗膜が容易に得られる。
【0084】
【表4】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量5,000〜200,0
    00の架橋性官能基含有共重合体(A)、顔料(B)及
    び有機溶剤(C)を主成分とする組成物を混合分散して
    エナメルとし、これを水系分散媒に分散した後、必要に
    応じて架橋剤又は硬化触媒(D)を混合して得られるエ
    ナメル分散粒子を、粒子内架橋せしめてなる平均粒子径
    0.01〜3mmの内部架橋分散粒子を1種以上含む水
    分散液に、水性樹脂(E)を配合することを特徴とする
    多彩模様塗料組成物。
  2. 【請求項2】 架橋性官能基含有共重合体(A)が、水
    酸基を有する共重合体であって、架橋剤(D)がポリイ
    ソシアネ−ト化合物である請求項1項記載の多彩模様塗
    料組成物。
  3. 【請求項3】 架橋性官能基含有共重合体(A)が、ア
    ルコキシシリル基を有する共重合体である請求項1項記
    載の多彩模様塗料組成物。
  4. 【請求項4】 水性樹脂(D)が、アクリル系エマルシ
    ョン、フッ素系エマルション及びシリコン系エマルショ
    ンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1ない
    し3のいずれか1項記載の多彩模様塗料組成物。
  5. 【請求項5】 水性樹脂(D)が、アルコキシシリル基
    を導入してなるシリコン系エマルションである請求項4
    記載の多彩模様塗料組成物。
  6. 【請求項6】 水性樹脂(D)を、内部架橋分散粒子1
    00重量部に対して固形分量で5〜40重量部配合して
    なる請求項1ないし5のいずれか1項記載の多彩模様塗
    料組成物。
  7. 【請求項7】 基材面に、下塗り層を設けた後、その上
    に、重量平均分子量5,000〜200,000の架橋
    性官能基含有共重合体(A)、顔料(B)及び有機溶剤
    (C)を主成分とする組成物を混合分散してエナメルと
    し、これを水系分散媒に分散した後、必要に応じて架橋
    剤又は硬化触媒(D)を混合して得られるエナメル分散
    粒子を、粒子内架橋せしめてなる平均粒子径0.01〜
    3mmの内部架橋分散粒子を1種以上含む水分散液に、
    水性樹脂(E)を配合してなる多彩模様塗料組成物を塗
    装してなる塗装仕上げ方法。
  8. 【請求項8】 多彩模様塗膜上に水系クリヤ−を塗装す
    る請求項7記載の塗装仕上げ方法。
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