JPH09302282A - 多彩模様塗料組成物 - Google Patents

多彩模様塗料組成物

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JPH09302282A
JPH09302282A JP15732396A JP15732396A JPH09302282A JP H09302282 A JPH09302282 A JP H09302282A JP 15732396 A JP15732396 A JP 15732396A JP 15732396 A JP15732396 A JP 15732396A JP H09302282 A JPH09302282 A JP H09302282A
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copolymer
enamel
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JP15732396A
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Masami Sugishima
正見 杉島
Nobuhito Hirata
信人 平田
Naoki Miyata
直紀 宮田
Nobushige Numa
伸茂 奴間
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵性が良好で塗装時にエナメル粒子の融着
が生じない多彩模様塗装を提供する。 【解決手段】 重量平均分子量5,000〜200,0
00の自己架橋性官能基含有共重合体(A−1)、顔料
(B)、及び有機溶剤(C)を主成分とする組成物を混
合分散してエナメルとし、これを水系分散媒に分散して
なるエナメル分散粒子を1種以上含有することを特徴と
する多彩模様塗料組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中油型の多彩模
様塗料組成物に関し、詳しくは顔料分散したエナメルを
水相に分散してなる、1凹の塗装で多数の色合いが複合
した多彩な意匠感を表現することができ、さらに塗装時
の低臭性や形成膜の耐候性、耐水性に優れた多彩模様塗
料組成物に関する。本発明の組成物は、建築内・外部、
屋根、乾式建材、車両、橋梁、船舶、家電、家具、本工
などの塗装に適用可能である。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来より、1回の塗装で多彩
な意匠塗膜を形成する塗料は多彩模様塗料と呼ばれ、J
IS K 5667に規定されている。中でも、水系分
散媒に、色づけした有機溶剤ベースのエナメルを、識別
できる程度の大きさに不連続相として分散した水中油型
の多彩模様塗料は、例えばJ.C.ZORAによって日
本特許第231698号で実用化され、日本国内におい
ても汎用されている。しかしながら従来の多彩模様塗料
の多くは、ニトロセルロース、ポリビニルトルエン、ポ
リブタジエンなどを基体樹脂とするものであり、水相に
分散したエナメル粒子は強固なものでなく、塗装方法に
よってはエナメル粒子に対し高シェア(ずり速度)がか
かり、エナメル粒子同志が融着しやすく初期の均一な模
様形成が困難になる場合が生じるという不具合があっ
た。特に刷毛、ローラー塗装等10,000sec−1
以上のシェアがかかる場合に顕著であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、自己架橋性官能基を含
有する共重合体をエナメル中に配合した後、水分散して
エナメル分散粒子内部をある程度架橋させ該粒子の強度
を向上させることにより高シェア下でもエナメル粒子同
志が融着することなく塗装でき良好な模様塗膜が得られ
ることを見出し本発明に到達した。即ち本発明は、 「1. 重量平均分子量5,000〜200,000の
自己架橋性官能基含有共重合体(A−1)、顔料
(B)、及び有機溶剤(C)を主成分とする組成物を混
合分散してエナメルとし、これを水系分散媒に分散して
なるエナメル分散粒子を1種以上含有することを特徴と
する多彩模様塗料組成物。 2. 自己架橋性官能基含有共重合体(A−1)が、全
モノマー中アクリル系モノマーを少なくとも20重量%
使用した共重合体である、1項に記載された多彩模様塗
料組成物。 3. 自己架橋性官能基含有共重合体(A−1)が、自
己架橋性官能基を有するモノマー0.1〜30重量%、
その他の共重合可能なモノマー70〜99.9重量%を
使用した共重合体である、1項または2項に記載された
多彩模様塗料組成物。 4. 自己架橋性官能基含有共重合体(A−1)が、ガ
ラス転移温度(Tg)−10℃〜80℃であり、酸価が
5以下である、1項ないし3項のいずれか1項に記載さ
れた多彩模様塗料組成物。 5. 共重合体(A−1)の自己架橋基がイソシアネー
ト基またはアルコキシシリル基である、1項ないし4項
のいずれか1項に記載された多彩模様塗料組成物。 6. 樹脂成分として、さらに架橋性官能基を含まない
共重合体(A−2)を樹脂固形分中1〜90重量%含有
する、1項の多彩模様塗料組成物。 7. 共重合体(A−2)が重量平均分子量5000〜
200,000、ガラス転移温度(Tg)−10℃〜8
0℃、酸価5以下の共重合体である、6項に記載された
多彩模様塗料組成物。 8. 有機溶剤(C)のエナメル中の含有量が20〜7
0重量%である、1項ないし7項のいずれか1項に記載
された多彩模様塗料組成物。」に関する。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる自己架橋性官
能基含有共重合体(A−1)は、重量平均分子量5,0
00〜200,000の共重合体であり、自己架橋性官
能基としてアルコキシシリル基やイソシアネート基など
が挙げられ、通常、該架橋性官能基を含有するモノマー
及びその他の共重合可能なモノマーを共重合して得るこ
とができる。自己架橋性官能基含有モノマーとしては、
例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルジメトキシメチルシランなどのアルコキシシリル基
含有モノマー;メタクリロイルイソシアネート、イソシ
アネートエチル(メタ)アクリレート、m−又はp−イ
ソプロペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モ
ノマーとジイソシアネート化合物との等モル付加物など
のイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられ、これ
らは1種又は2種以上適宜選択して使用できる。
【0005】その他の共重合可能なモノマーとしては、
例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブ
チル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)ア
クリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1
〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
α−クロロスチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)
アクリル酸:パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリ
レート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリ
レート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレ
ート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;
塩化ビニル、CF2=CF2、CHF=CF2、CH2
=CF2、CC1F=CF2等の一般式CX2=CX2
(式中、Xは同一もしくは異なってH、Cl、Br,
F、アルキル基またはハロアルキル基を示す。ただし、
式中に少なくとも1個のFを含有する。)で表わされる
フルオロオレフィンなどが挙げられる。これらは所望の
物性に応じて1種又は2種以上適宜選択して使用でき
る。
【0006】上記自己架橋性官能基を含有するモノマー
及びその他の共重合可能なモノマーのうち、アクリル系
モルマーを少なくとも20重量%以上使用することが望
ましい。またカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミド
基、アミン基などの親水性官能基を有するモノマーは、
エナメル分散粒子の安定性を損なわない範囲で使用する
ことが望ましい。上記自己架橋性官能基を含有するモノ
マー及びその他の共重合可能なモノマーの使用量は、エ
ナメル分散粒子の粘性にもよるが、自己架橋性官能基を
含有するモノマーが0.1〜30重量%、好ましくは
0.5〜20重量%、その他の共重合可能なモノマーが
70〜99.9重量%、好ましくは80〜99.5重量
%の範囲が適当である。架橋性官能基を含有するモノマ
ーが0.1重量%未満ではエナメル分散粒子の強度向上
が得られず、一方30重量%を越えると水分散性が低下
する傾向がみられるので好ましくない。
【0007】共重合体(A−1)は、上記モノマー混合
物を、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法などの
常法によって共重合させることにより得られる。ラジカ
ル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
等の過酸化物:α,α′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α′−アソビス−2−メチルブチロニトリル、
アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキ
サンカルボニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0008】重合時に用いる溶剤としては、例えば、石
油ベンゼン、ミネラルスピリット、ターペンなどの脂肪
族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素
系、その他ジクロルエタン、トリクレン、テキサノー
ル、テキサノールイソブチレート、2−エチルヘキシル
アルコール、ジイソブチルケトン、2−エチルヘキシル
アセテート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
トなど水との親和性の小さいものが単独または混合して
使用でき、好ましくは塗装時の作業環境の点から脂肪族
炭化水素系の溶剤が好適である。重合時に用いる溶剤と
して、脂肪族炭化水素系溶剤などの貧溶剤を用いる場合
には、良好なエナメル化のために、上記で使用するモノ
マー混合物のSP(溶解性パラメーター)値を(親水性
の尺度として)適宜調整することが望ましく、特に親水
性の高いモノマーに影響されることから、使用するアク
リルモノマー類によるSP値が7.6〜8.6、好まし
くは7.8〜8.4であることが望ましく、この範囲内
となるように使用するアクリルモノマー類を選択するこ
とが適当である。
【0009】ここでSP(溶解性パラメーター)値は、
以下の式より各モノマーのSP値から算出される。 SP値:δ δ×100=(δ×A)+(δ×B)+(δ×
C)+… (式中、δ、δ、δ、…はモノマー
…のSP値を示し、A、B、C、…はモノマー
、…の使用(アクリル)モノマー全量中の重量%を示
す。各モノマーのSP値はJ.Paint Tec
h.,42(541),176(1970)などで示さ
れる数値に基づく。) 共重合体(A−1)は、重量平均分子量5,000〜2
00,000、好ましくは20,000〜180,00
0である。該分子量が5,000未満では塗膜の耐候性
や塗料中のエナメル分散粒子の安定性が低下し、一方2
00,000を越えると、塗装作業性、造膜性が劣るの
で好ましくない。
【0010】共重合体(A−1)は、酸価5以下、好ま
しくは3以下であることが望ましい。該酸価が5を越え
ると、エナメル分散粒子の安定性が著しく低下するので
望ましくない。また共重合体(A−1)は、ガラス転移
温度(Tg)が−10〜80℃、好ましくは5〜60℃
であることが望ましく、該Tgが−10℃未満ではエナ
メル分散粒子の安定性や塗膜の耐水性が低下し、また汚
れやすくなり、一方80℃を越えると造膜性が低下し塗
膜が脆くなるので好ましくない。本発明では、前記架橋
性官能基含有共重合体(A−1)に、さらに架橋性官能
基を含まない重合体(A−2)を併用してもよい。該重
合体(A−2)は、前記その他の共重合可能なモノマー
で列記したモノマーから1種又は2種以上適宜選択し重
合して得ることができる。該重合体(A−2)の重量平
均分子量、酸価、Tgは前記架橋性官能基含有共重合体
(A−1)で示した範囲内であることが望ましい。また
該重合体(A−2)としてニトロセルロース、ポリブタ
ジエン、ビニルトルエンなどを用いてもよい。該重合体
(A−2)の含有量は、全樹脂固形分中1〜90重量
%、好ましくは5〜50重量%が好適である。
【0011】本発明では、前記共重合体(A−1)の架
橋性官能基が水により自己架橋するので特に架橋剤成分
を配合しなくてもよいが、必要に応じて前記共重合体
(A−1)に含まれる架橋性官能基により、従来公知の
架橋剤から適宜選択して使用してもよい。
【0012】前記共重合体(A−1)の架橋性官能基が
アルコキシシリル基である場合には、架橋剤としてトリ
メトキシメチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、
トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシブチルシラ
ン、トリメトキシオクチルシランなどを使用してもよ
い。
【0013】前記共重合体(A−1)の架橋性官能基が
イソシアネート基である場合には、架橋剤としてエチレ
ングリコールなどのアルキレングリコール、ポリカーボ
ネートジオール、アクリルポリオールなどのポリオー
ル;ポリアミン等を使用してもよい。また前記共重合体
(A−1)の自己架橋あるいは共重合体(A−1)中の
架橋性官能基と上記架橋剤との反応を促進するために、
硬化触媒としてジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジ
ラウレートなどの錫系、トリエチルアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン系、リン
酸系から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒を使用する
こともできる。
【0014】本発明において用いられる顔料(B)とし
ては、従来公知の着色顔料や体質顔料などが使用でき、
着色顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラッ
ク、ベンガラ、酸化鉄、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、ベンツイミダゾロン、アゾ顔料、キ
ナクリドンレッド、黄鉛、酸化クロム、群青、パール顔
料、金属粉などが挙げられ、体質顔料としては、例えば
タンカル、クレー、タルク、硫酸バリウム、ホワイトカ
ーボン、アルミナ、ベントナイト、シリカ、マイカなど
が挙げられ、単独又は組合せて使用できる。これら顔料
のエナメル中の含有量は、目的とする意匠などにより適
宜選択できるが、望ましくは70重量%以下、好ましく
は50重量%以下が望ましい。該含有量が70重量%を
越えるとエナメルの機械的強度が低下してエナメル分散
粒子の安定性や塗装時のスプレー適性が低下するので好
ましくなく、さらに50重量%を越えるとエナメルの比
重や粘度の調整などが不都合になりやすいので望ましく
ない。
【0015】本発明において用いられる有機溶剤(C)
としては、従来公知のものが使用でき、例えば石油ベン
ゼン、ミネラルスピリット、ターベンなどの脂肪族炭化
水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素系、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系、そ
の他ジクロルエタン、トリクレン、テキサノール、テキ
サノールイソブチレート、2−エチルヘキシルアルコー
ル、ジイソブチルケトン、2−エチルヘキシルアセテー
ト、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、メタ
ノール、エタノール、ブタノール、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、
これらは単独または混合して使用でき、好ましくは塗装
時の作業環境の点から脂肪族炭化水素系の溶剤が好適で
ある。有機溶剤(C)のエナメル中の含有量は、20〜
70重量%が好ましい。20重量%未満ではエナメルの
比重や粘度の調整などが不都合になりやすく、一方70
重量%を越えるとエナメルの機械的強度が低下してエナ
メル分散粒子の安定性や塗装時のスプレー適性が低下す
る恐れがあるので望ましくない。
【0016】本発明においては、以上の共重合体
(A)、顔科(B)及び有機溶剤(C)などを、ディス
パー、サンドミル、ロールミル、ボールミルなどの分散
機を用いるなどの通常の方法に従って混合分散してエナ
メル化を行う。さらに該組成中に必要に応じて分散剤、
消泡剤、可塑剤などの添加剤を適宜加えてもよい。上記
の通り得られるエナメルの比重は、塗料中のエナメル分
散粒子の安定性の点から、0.90〜2.5、好ましく
は0.95〜1.5の範囲が適当である。この範囲外で
は分散粒子が塗料の貯蔵中に浮上又は沈降して融着しや
すくなるので好ましくない。またエナメルの粘度は、目
的とする意匠によって適宜決められるが、エナメルの機
械的強度の点から通常1Pa・s以上が好適である。本
発明組成物は、上記エナメルを水系分散媒に分散してな
るエナメル分散粒子を1種以上含有するものである。
【0017】上記水系分散媒としては、従来公知のもの
が使用でき、例えば水に、分散粒子が互いに凝集しない
よう安定化させる安定剤を適宜適合したものが挙げられ
る。かかる安定剤としては、有機系又は無機系のいづれ
も使用でき、特に水溶性で且つ適度に疎水部分を有する
ものが好適である。このような安定剤としては、公知の
保護コロイドが挙げられ、例えばメチルセルロース、エ
チルセルロース、ポリビニルアルコール、カゼイン、ト
ラガントゴム、カーバリウムゴム、セルロースアセテー
トフタレート、ベントナイト、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリメタクリル酸、アラビアゴム、カラヤゴム、
ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アルブミン、ペクチ
ン、キサンタンガム、澱粉、水溶性尿素フォルムアルデ
ヒドなどが使用できる。また比較的水に不溶性の塩類、
例えば白土、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、珪藻土なども上記安定剤として用い
ても良いが、水溶性の安定剤に比べて安定化に多量を要
するので、使用時には出来るだけ澱粉のものを用いるこ
とが望ましい。上記水系分散媒には、さらに必要に応じ
て電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグ
ネシウム等)、湿潤剤、造膜助剤、凍結防止剤、消泡
剤、染料などを分散粒子の安定性等を損なわない程度に
適宜添加してもよい。また上記水系分散媒は、塗装作業
性や分散粒子の安定性の点から、45〜90(KU値)
程度に調整することが望ましい。
【0018】該水系分散媒に前記エナメルを分散する方
法は、エナメルの水系分散媒に対する混合比を1.5〜
0.3程度となるよう混合して、通常の混合分散装置を
用いた従来公知の方法が採用できるが、好ましくは小さ
なせん断力で全体を混合できる例えば2〜3枚の羽根を
持つプロペラ型攪拌機を有する装置を用いることが望ま
しい。該水系分散媒に前記エナメルを分散する際に、目
的とする意匠に要する各色エナメルごと別々に分散を行
い、得られた各水分散体を混合して塗料とする、あるい
は各色エナメルを同時に水系分散媒中に配合して分散を
行い、塗料とすることができ、通常、模様色の再現性の
点から前者の方法によるのが一般的である。上記の通り
得られるエナメル分散粒子の平均粒径は、模様性の点か
ら、約0.1mm以上が適当である。かかる粒径は、エ
ナメル組成や粘度、水系分散媒中の安定剤の種類や量等
を適宜調節することにより、目的とする意匠に応じて選
択可能である。また該エナメル分散粒子は必ずしも球状
に限らず、楕円状、涙滴状などであってもさしつかえな
い。
【0019】本発明組成物は、上記エナメル分散粒子を
1種以上含有するものであり、目的とする意匠によって
数種のエナメル水分散体が混在して得られるものであ
り、通常の塗装方法によって塗装できる。エアスプレ
ー、HVLP(High Volume LowPre
ssure)などのスプレー塗装は勿論であるが、本発
明組成物では、高シェア下でもエナメル分散粒子の変形
が少なく均一な模様に塗装できるので、刷毛塗り、ロー
ラー塗装、エアレス塗装も好適である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」
及び「重量%」を示す。
【0021】共重合体の製造 製造例A 反応器に温度計、サーモスタット、攪拌機、還流冷却
器、滴下ポンプを備え付け、ミネラルスピリット45重
量部を仕込み攪拌しながら100℃まで昇温した後、表
1に示す単量体及び重合開始剤の混合物100.13重
量部を100℃に保った反応器に滴下ポンプを利用して
3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後2時間1
00℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加の重合開始
剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト)0.5重量部をミネラルスピリット30重量部に溶
解させたものを1時間かけて一定速度で滴下し、さらに
1時間100℃に保ち反応を終了させ、ミネラルスピリ
ット48重量部で希釈した。得られた共重合体溶液Aは
不揮発分45重量%の均一で透明な溶液であった。ま
た、この共重合体の重量平均分子量は169,000、
Tgは45℃であった。 製造例B、C 製造例Aにおいて、単量体及び重合開始剤の混合物を表
1に示す配合とする以外は製造例Aと同様に行い、共重
合体溶液B、Cを得た。
【0022】
【表1】
【0023】エメナルの作成 上記製造例で得られた各共重合体溶液A、B、Cについ
て、さらに共重合体溶液A及びCを固形分重量比で30
/70となるよう混合したものについて、それぞれ共重
合体溶液、顔料及び溶剤を表2に示す配合で、容量2リ
ットルのステンレス容器に仕込み、攪拌機にて15分間
攪拌した後、ガラスビーズを用いて卓上サンドミルで1
5分間分散して、白、黄、赤、黒、青の各色エナメルを
それぞれ作成した。
【0024】
【表2】
【0025】また上記製造例で得られた共重合体溶液
A、トリエタノールアミン、顔料及び溶剤を表3に示す
配合で、容量2リットルのステンレス容器に仕込み、攪
拌機にて15分間攬拌した後、ガラスビーズを用いて卓
上サンドミルで15分間分散して、白、黄、赤、黒、青
の各色エナメルをそれぞれ作成した。
【0026】
【表3】
【0027】多彩模様塗料の製造 実施例1 上水100部、メチルセロルース0.5部、スラオフ7
2N(注1)0.1部及びBYK−025(注2)0.
1部からなる水系分散媒に、上記で共重合体Aを用いて
得たエナメル80部を配合し、プロペラ形の攪拌機にて
低速で30分間攪拌し、エナメル分散粒子の平均の大き
さが1〜3mmの範囲となるよう分散し、さらに3時間
攪拌を続けて、白、黄、赤、黒、青の各色エナメルの水
分散液を作成した。この5色のエナメルの水分散液を、
白/黄/赤/黒/青=60/10/10/10/10の
配合比で混合し、多彩模様塗料を得た。 (註1)スラオフ72N:武田薬品社製、防腐剤 (註2)BYK−025:ビックケミー社製、消泡剤
【0028】実施例2 実施例1において、共重合体Aによるエナメルを共重合
体Bによるエナメルとする以外は実施例1と同様の操作
で多彩模様塗料を得た。
【0029】実施例3 実施例1において、共重合体Aによるエナメルを、共重
合体A及び共重合体Cを固形分重量比で30/70とな
るよう混合したものによるエナメルとする以外は実施例
1と同様の操作で多彩模様塗料を得た。
【0030】実施例4 実施例1において、共重合体Aによるエナメルを、共重
合体A及びトリエタノールアミンを混合したものによる
エナメルとする以外は実施例1と同様の操作で多彩模様
塗料を得た。
【0031】比較例1 実施例1において、共重合体Aによるエナメルを共重合
体Cによるエナメルとする以外は実施例1と同様の操作
で多彩模様塗料を得た。
【0032】比較例2、3 「ゾラトーンNo17911SU」(関西ペイント社
製、ビニルトルエン樹脂系多彩模様塗料)及び「ゾラコ
ートNo.229」(関西ペイント社製、ニトロセルロ
ース系多彩模様塗料)をそれぞれ多彩模様塗料、と
した。
【0033】試験 上記の通り得られた各多彩模様塗料を性能試験に共し
た。結果を表4に示す。尚、試験方法は次の通りであ
る。 (1)塗料状態(貯蔵性) 塗料の製造直後、室温で24時間放置後、及び40℃で
1か月放置後に、容器中の塗料をエナメル分散粒子がく
ずれない程度に軽くかきまぜて、塗料の状態を観察し
た。 ◎:粒子同志の融着が全くない ○:粒子同志の融着が若干認められる ×:粒子同志の融着がかなり認められる (2)スプレー塗装時の臭気及び模様性 各塗料をスプレーガンにてブリキ板上に300〜400
g/mの塗布量で塗装した時の臭気を下記基準で評価
した。 ◎:臭気が少なく、塗装中にも臭気が気にならない ○:塗装時の臭気は少ないが、塗装後1〜2週間経過し
ても臭いが塗膜に残る ×:臭気がひどく、塗装時有機マスクを要する また、上記塗装後の塗膜の模様性を目視により下記基準
で評価した。 ◎:粒子の模様がはっきりしていて、5m離れた所から
でも模様を識別できる ○:粒子の模様が小さい部分がみられ、5m離れた所か
らでは模様を識別しにくい △:模様がくずれて、線状の模様がかなりみられる ×:模様が完全にくずれて、粒子の模様が全くみられな
い (3)ローラー塗装後の模様性 各塗料を中毛のウーローラーにて70×150×4mm
のスレート板上に200〜300g/mの塗布量で塗
装後の塗膜の模様性を目視により(2)と同じ基準で評
価した。 (4)温冷サイクル 70×150×4mmのスレート板に、「アレルホルダ
ーG」(関西ペイント社製、水性下地調整材)を塗布量
800〜1,000g/mとなるようにローラー塗装
し、室温で7日間乾燥させたものを試験板とし、これに
各塗料を塗布量300〜400g/mとなるようにス
プレー塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成
した。各試験塗板を、JIS A 6909の温冷繰り
返し試験に準じて、<水中に18時間浸漬〜−20℃の
恒温器中で3時間冷却〜50℃の恒温器中で5時間加温
>を1サイクルとして10サイクル試験後の塗膜面の状
態を目視で評価した。 ◎:塗膜面にワレ・ハガレがなく変色も認められない ○:塗膜面に若干のワレ・ハガレ、変色のいずれかが認
められる ×:塗膜面にワレ・ハガレ、変色のいずれかが著しく認
められる
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、エナメル中の共重合体
の自己架橋性官能基が水分散時に水との接触により、エ
ナメル分散粒子内部をある程度架橋させ該粒子を堅固に
するため、良好な貯蔵性が得られるばかりでなく、ロー
ラー塗装のような高シェア塗装においてもエナメル粒子
同志が融着することなく塗装できる多彩模様塗料組成物
が得られ、1回の塗装で多数の色合いが複合した多彩な
意匠感を有する多彩模様塗膜が容易に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奴間 伸茂 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量5,000〜200,0
    00の自己架橋性官能基含有共重合体(A−1)、顔料
    (B)、及び有機溶剤(C)を主成分とする組成物を混
    合分散してエナメルとし、これを水系分散媒に分散して
    なるエナメル分散粒子を1種以上含有することを特徴と
    する多彩模様塗料組成物。
  2. 【請求項2】 自己架橋性官能基含有共重合体(A−
    1)が、全モノマー中アクリル系モノマーを少なくとも
    20重量%使用した共重合体である、請求項1に記載さ
    れた多彩模様塗料組成物。
  3. 【請求項3】 自己架橋性官能基含有共重合体(A−
    1)が、自己架橋性官能基を有するモノマー0.1〜3
    0重量%、その他の共重合可能なモノマー70〜99.
    9重量%を使用した共重合体である、請求項1または2
    に記載された多彩模様塗料組成物。
  4. 【請求項4】 自己架橋性官能基含有共重合体(A−
    1)が、ガラス転移温度(Tg)−10℃〜80℃であ
    り、酸価が5以下である、請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載された多彩模様塗料組成物。
  5. 【請求項5】 共重合体(A−1)の自己架橋基がイソ
    シアネー卜基またはアルコキシシリル基である、請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載された多彩模様塗料組
    成物。
  6. 【請求項6】 樹脂成分として、さらに架橋性官能基を
    含まない共重合体(A−2)を樹脂固形分中1〜90重
    量%含有する、請求項1の多彩模様塗料組成物。
  7. 【請求項7】 共重合体(A−2)が重量平均分子量5
    000〜200,000、ガラス転移温度(Tg)−1
    0℃〜80℃、酸価5以下の共重合体である、請求項6
    に記載された多彩模様塗料組成物。
  8. 【請求項8】 有機溶剤(C)のエナメル中の含有量が
    20〜70重量%である、請求項1ないし7のいずれか
    1項に記載された多彩模様塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342085A (ja) * 2000-03-30 2001-12-11 Sk Kaken Co Ltd コンクリート打ち放し面の仕上げ方法
CN102634257A (zh) * 2012-05-18 2012-08-15 天津市荣新建筑装饰涂料有限公司 一种环保型水性多彩涂料及制备方法

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