JPH07173411A - 着色粒子の製造方法及びこの方法で得られた着色粒子を用いたスウェード調塗料組成物 - Google Patents

着色粒子の製造方法及びこの方法で得られた着色粒子を用いたスウェード調塗料組成物

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JPH07173411A
JPH07173411A JP6037879A JP3787994A JPH07173411A JP H07173411 A JPH07173411 A JP H07173411A JP 6037879 A JP6037879 A JP 6037879A JP 3787994 A JP3787994 A JP 3787994A JP H07173411 A JPH07173411 A JP H07173411A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平均粒径10〜200μmの着色粒子を極め
て高い収率で簡便且つ効率よく製造し、きめの細かい霜
降り調の多彩模様を現出することのできる美粧性に優れ
たスウェード調塗料組成物を得る。 【構成】 水中で水不溶性粒子と水溶性又は水分散性で
酸価(固型分換算)が20〜120の多価カルボン酸樹
脂とを混合し、水不溶性粒子の表面に多価カルボン酸樹
脂が吸着された一次粒子を形成させた後、この分散液中
に着色顔料を含有する分散安定化されたエマルション樹
脂を混合し、次いでこの混合系に金属塩を添加して、表
面に着色被膜が形成された平均粒径10〜200μmの
着色粒子を得る。水不溶性粒子としては、合成樹脂又は
無機粒子が使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は着色粒子の製造方法及
びこの方法で得られた着色粒子を用いたスウェード調塗
料組成物に係り、その目的は表面に着色塗料が被覆され
た平均粒径10〜200μmの着色粒子を、極めて高い
収率で簡便且つ効率良く得ることができる製造方法及び
塗装後の塗膜に従来の単一色塗料とは異なるきめ細かい
霜降り調の多彩模様の外観と、適度のざらつきをもつ触
感とを発現させ、鮮明なアクセントを表現することので
きる美粧性に優れたスウェード調塗料組成物を提供する
ことにある。
【0002】
【従来の技術】社会生活が向上するに従って消費者の好
みが多様化してくるようになると、建造物の内装及び外
装に用いられる塗料についても、従来の単一色塗料より
も、むしろ二色以上の多彩な色のバリエーションを表現
できる塗料へと、関心が移行している傾向にある。きめ
の細かい多彩な色彩を鮮明に表現することのできる塗料
としては、この発明者らが先に開示した特開昭63−1
45378号「多彩模様仕上げ塗料組成物の製造法」及
び特開平2−41371号「着色高分子粉粒体の製造方
法並びにこの着色高分子粉粒体を用いた成形方法及び塗
料」が存在する。この開示技術は、着色顔料及びエマル
ション樹脂との混合物と、可塑剤を含有する、或いは含
有しない塩化ビニル系合成樹脂の粒子とを混合し、この
混合系に金属塩を添加して、前記塩化ビニル系合成樹脂
粒子表面に着色塗料を塩析により被覆させて、平均粒径
10乃至200μmの着色高分子粉粒体を得ることを特
徴とする製造方法及びこの着色高分子粉粒体を必須成分
としてなる塗料であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記こ
の発明者らが先に開示した技術は、従来の単一色とは異
なる、「霜降り模様」とでもいうべききめの細かい多彩
な色彩模様の外観を塗膜に現出させることのできる装飾
性に優れた塗料及びこのような塗料を製造することので
きる製造方法ではあったが、このような「霜降り模様」
を現出させることのできる平均粒径10〜200μmの
着色粒子を極めて高い収率で得ることができず、歩留り
上の欠点があるという課題が存在した。しかも、着色粒
子の芯物質として可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂以
外の樹脂粒子を使用した場合、着色顔料が粒子表面に充
分に被覆されず、工業的製造方法として汎用するには充
分なものではないという課題が存在した。一方、近年二
酸化炭素に起因する地球温暖化問題やオゾン層破壊等の
環境問題が地球的規模で深刻視されてきている。このよ
うな背景から、地球環境保全に貢献することのできる産
業技術の開発が全世界的に緊急な課題とされているが、
前記した有機系合成樹脂を芯物質とした着色粒子を必須
成分とする塗料では、火災発生時に塗膜が燃焼してしま
い、二酸化炭素を発生し、地球温暖化現象やオゾン層破
壊、さらには酸性雨現象を助長してしまい、環境保全問
題に貢献することができないという課題も存在した。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明では水中で水不
溶性粒子と水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)が
20〜120の多価カルボン酸樹脂とを混合し、水不溶
性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂が吸着された一次粒
子を形成させた後、この分散液中に着色顔料を含有する
分散安定化されたエマルション樹脂を混合し、次いでこ
の混合系に金属塩を添加して、表面に着色被膜が形成さ
れた平均粒径10〜200μmの着色粒子を得ることを
特徴とする着色粒子の製造方法及び前記水不溶性粒子が
無機粒子であることを特徴とする着色粒子の製造方法を
提供することにより、前記従来の課題を悉く解消する。
【0005】
【作用】水中で、着色粒子の芯物質となる水不溶性粒子
と多価カルボン酸樹脂とを混合して、まず水不溶性粒子
の表面に多価カルボン酸樹脂を吸着させて、一次粒子を
得る。次いで、この一次粒子の分散液中に着色顔料を含
有する分散安定化されたエマルション樹脂を混合し、金
属塩を添加して塩析を行ない、一次粒子の表面に着色塗
料を被覆させることにより、高い収率で着色塗料の被覆
を、粒子の種類等に左右されず、均一且つ良好に行なう
ことができ、美粧性に優れた着色粒子を得ることができ
る。さらに、このように美粧性に優れた着色粒子を、従
来法に比べるとその製造工程を短縮して得ることがで
き、且つ着色塗料の被覆に使用される可塑剤量を低減す
ることができるため着色粒子を主成分とした塗料の塗膜
の耐汚染性が向上し、環境保全に貢献することができ
る。 また、水不溶性粒子として特に無機粒子を使用す
ると、火災発生時の延焼を防止することができ、しかも
火災発生時に有毒ガス等を多量に発生することがないた
め、この着色粒子を必須成分として塗料組成物とするこ
とにより、安全性、環境保全性に優れた建造物内装用塗
料を得ることができる。
【0006】
【発明の構成】以下、この発明に係る着色粒子の製造方
法及びこの方法で得られた着色粒子を用いたスウェード
調塗料組成物の構成について詳述する。まず、着色粒子
の製造方法について詳述する。この発明の製造方法で
は、まず水中で水不溶性粒子と多価カルボン酸樹脂とを
混合し、水不溶性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂を吸
着させて一次粒子を形成する。ここで、水不溶性粒子と
しては、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体、エチレン酢酸
ビニル塩化ビニル共重合体、ウレタン塩化ビニル共重合
体、塩素化塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、
またはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリウレア樹脂等を懸濁重合または乳化重
合法等により重合して得られる合成樹脂粒子、或いはク
レー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、
雲母等の無機粒子の中から選択される水不溶性粒子が好
適に使用されるが、この発明においては特に限定されな
い。また、使用される水不溶性粒子の平均粒径として
は、最終的に得られる着色粒子の平均粒径が10〜20
0μmとなるように選択されるものが好ましく使用され
る。より具体的には、非着色時に8〜190μmの範囲
のものが好ましく使用される。
【0007】また、多価カルボン樹脂(固型分換算)と
しては、アクリル酸、メタクリル酸或いはイタコン酸等
を共重合したアクリル樹脂、フタル酸やマレイン酸等を
用いたアルキド樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂等で、その酸価(固型分換算)が20〜120
である水溶性又は水分散性のものが、特に限定されるこ
となくいずれのものでも使用される。ここで、使用する
多価カルボン酸樹脂の酸価を特に20〜120としたの
は、酸価が20未満であると、水希釈性が悪く、溶解し
ないので好ましくなく、一方、酸価が120を超える
と、水希釈性が良好となりすぎて、樹脂として水中に析
出しないため、いずれの場合も好ましくないからであ
る。また、特に酸価が20〜120の範囲であるものを
使用すると、水不溶性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂
の吸着による薄膜を良好に形成させることが可能とな
り、後述する着色塗料の被膜形成を良好に行なうことが
できるため、好ましいからである。さらに、この発明に
おいては、使用される多価カルボン酸樹脂は水溶性又は
水分散性であるものが使用される。この理由は、使用す
る多価カルボン酸樹脂が水不溶性であると、水中に混入
させた際、固まったまま或いは微粒子状に分散しないた
め水不溶性粒子表面に吸着して効率良く一次粒子を形成
させることができないので好ましくないからである。こ
の発明において、水溶性又は水分散性の多価カルボン酸
樹脂としては、前述のようなアクリル樹脂、アルキド樹
脂等の多価カルボン酸樹脂等を、アンモニア、トリエチ
ルアミン、ジエタノールアミン等の有機アミン類又は水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム等水酸化金属塩等から
選択されたアルカリで、部分的又は全部を中和して得ら
れるものが好適に使用することができる。
【0008】また、この発明においては多価カルボン酸
樹脂に、可塑剤及び/又は溶剤を添加することもでき
る。多価カルボン酸樹脂に、可塑剤及び/又は溶剤を添
加することにより、形成される一次粒子の表面に後述す
る着色塗料(着色顔料を含有する分散安定化されたエマ
ルション樹脂)の被膜が付着しやすくなり、粒子の着色
力が向上するとともに、この被覆反応が促進されるた
め、より好ましい。可塑剤としては、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジn−
オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル、テトラヒ
ドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸エス
テル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸
ジイソデシル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル等の
二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフ
ェニル、リン酸トリオクチル等のリン酸エステル、大豆
油、サフラワー油のエポキシ化物等エポキシ系可塑剤、
その他トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸ト
リデシル等公知の可塑剤が特に限定されることなくいず
れのものでも好適に使用される。このような可塑剤の添
加量は、水不溶性粒子100重量部に対して、1〜50
重量部程度とされるのが好ましいが特に限定はされな
い。また水不溶性樹脂のガラス転移点温度(TG)が低
い場合には可塑剤の添加は特に必要でははい。この理由
は、可塑剤の添加量が、水不溶性粒子100重量部に対
して1重量部未満であると、一次粒子表面への着色被膜
の形成が充分に行なわれず、一方、50重量部を超えて
使用されると、多価カルボン酸樹脂粒子が柔らかくなり
すぎて、充分な塗膜強度が得られなくなるとともに、粒
子間同士で粘着力が生じて最終的に粒子として取り出す
ことが困難となるため、いずれの場合も好ましくないか
らである。
【0009】また、溶剤としては、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ヘキ
シルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、イソブチルアルコール、ポリエチレングリコール
等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ア
セチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤等適
宜任意の一種又は二種以上のものが、特に限定されるこ
となく好適に使用される。
【0010】以上のような水不溶性粒子と多価カルボン
酸樹脂を水中で混合する。この混合は、先に水中に水不
溶性粒子を分散させた後、この分散液中に多価カルボン
酸樹脂を混入しても、或いは多価カルボン酸樹脂の分散
液中に水不溶性粒子を混入しても、いずれの場合であっ
てもよい。水中に分散する水不溶性粒子の濃度として
は、30〜70重量%、より望ましくは30〜60重量
%とするのが好ましい。この理由は、分散濃度が30重
量%未満では得られる一次粒子の重量が少なすぎて製造
工程が煩雑なものとなり、一方、70重量%を超えて水
中に分散されると、被覆に必要な流動性が得られないた
め、いずれの場合も好ましくないからである。また、多
価カルボン酸樹脂と水不溶性粒子との使用比率(重量
部)としては、固型分換算で、水不溶性粒子100重量
部に対して、多価カルボン酸樹脂を0.05〜200重
量部、より好ましくは1〜100重量部程度の範囲で使
用するのが望ましい。この理由は、多価カルボン酸樹脂
の使用量が、水不溶性粒子100重量部に対して0.0
5重量部未満では、吸着力が弱く、一方、200重量部
を超えて使用されると、粒子同士が凝集しやすくなった
り、多価カルボン酸樹脂が水不溶性粒子の表面に付着さ
れない場合が生じるため、いずれの場合も好ましくない
からである。
【0011】以上のように、水不溶性粒子と多価カルボ
ン酸樹脂を水中で混合し、適宜攪拌することにより放置
しておくと、水不溶性粒子表面に多価カルボン酸樹脂の
薄膜が吸着された一次粒子を分散状態で得ることができ
る。このように一次粒子を形成させるのは、水不溶性の
粒子表面と、後述する着色塗料(着色顔料を含有する分
散安定化されたエマルション樹脂)とは互いのなじみ
性、濡れ性が悪く、粒子の表面に直接着色塗料の被膜を
形成させることは困難であるが、この発明のように水不
溶性粒子表面に多価カルボン酸樹脂を吸着させることに
よって、着色塗料とのなじみ性、濡れ性が良好となり、
表面に着色塗料の被膜が充分に形成された粒子を良好に
得ることができるとの、この発明者らの実験的知得に基
づくからである。
【0012】一次粒子を形成させた分散液中には、次い
で着色顔料を含有した分散安定化されたエマルション樹
脂を混合する。着色顔料としては、公知のものが好適に
使用され、例えば二酸化チタン、チタンイエロー、亜鉛
華、べんがら、紺青、黄鉛、ジンククロメート、群青、
バライト粉、マンガンバイオレット、カーボンブラック
等の無機顔料、ハンザエロー、ベンジジンエロー、トル
イジンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、ジオキサジンバイオレット等の有機系顔料
が、いずれのものでも特に限定されずに好適に使用され
る。さらに、前記着色顔料と共に、バライト、炭酸カル
シウム、クレー、タルク等の体質顔料を併用して使用す
ることも任意に行なうことができる。
【0013】エマルション樹脂としては、金属イオンの
存在により、その乳化安定性が阻害され、前記一次粒子
の表面に凝集或いはゲル状に付着するものであればよ
く、例えばアクリル、スチレンアクリル、ポリエステ
ル、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等の合成樹脂及びマスチック、アカロイド、ベ
ンゾイン、ドラゴンブラッド、エレミ、サンダラック等
の天然樹脂のエマルションが好適に使用されるが、特に
限定はされない。
【0014】このようなエマルション樹脂中に、界面活
性剤を用いて着色顔料を分散安定化する。使用される界
面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系
界面活性剤等公知のものが、いずれのものでも特に限定
されることなく、好適に使用できる。また、界面活性剤
の添加量は、前記エマルション樹脂量の1重量%以下と
され、且つこのエマルション樹脂の粒径は0.1μm以
下とすることが、金属イオンに対してエマルションが不
安定化されるためには好ましいが、特に限定はされな
い。さらに、必要に応じて、エマルション樹脂に消泡
剤、成膜助剤等の、通常公知の添加剤を添加してもよ
い。また、エマルション樹脂中に分散安定化される着色
顔料の混合量は、エマルション樹脂の固型分100重量
部に対して2〜300重量部とされるのが好ましいが、
特に限定されるものではない。
【0015】以上のような着色顔料を含有するエマルシ
ョン樹脂を、前記一次粒子が分散された分散液中に混合
する。この混合比率としては、被覆される水不溶性粒子
の重量を100重量部とした場合、エマルション樹脂の
使用量(固型分換算)を1〜200重量部、より好まし
くは10〜100重量部とするのが望ましい。この理由
は、エマルション樹脂の使用量が、水不溶性粒子に対し
て1重量部未満であると、一次粒子の表面に着色顔料を
充分に被覆させることができず、着色性の良好な粒子を
得ることができず、一方、200重量部を超えて混合さ
れると、被覆に関与しないエマルション樹脂の粒子のみ
が凝集した細かいゲル化物が生じてしまい、この発明の
目的とする霜降り調の多彩模様を鮮明に現出することが
できず、いずれの場合も好ましくないからである。
【0016】着色顔料を含有するエマルション樹脂を、
一次粒子の分散液中に混合し、これらを攪拌した後、こ
の混合系に次いで金属塩を添加する。使用される金属塩
としては、例えば塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸
アルミニウム、硫酸第一銅、塩化第二鉄、硝酸銀、酢酸
鉛等が好適に使用されるが、特に限定はされない。この
ように金属塩を添加する理由は、金属塩の添加により、
前記着色顔料を含有するエマルション樹脂を、一次粒子
表面に凝析させ、一次粒子表面に着色被膜が形成された
着色粒子を得るためである。金属塩の添加量は、使用す
るエマルション樹脂等の種類により異なるため、エマル
ション樹脂と金属塩とを混合して凝集、ゲル化するとこ
ろの金属塩量を求めて適量とするのがよい。尚、金属塩
に水を添加して、金属塩水溶液として添加することも可
能であり、この場合、着色顔料を含有するエマルション
樹脂溶液と金属塩水溶液との重量比は、粒子の安定性を
考慮して、7:3〜3:7、より好ましくは6:4〜
5:5とするのが望ましいが、特に限定されるものでは
ない。
【0017】以上のように、金属塩を添加すると、着色
塗料が塩析によって、一次粒子の表面に付着し、表面に
着色塗料が被覆された着色粒子を得ることができる。こ
の着色粒子の平均粒径は10〜200μm、より好まし
くは20〜100μmであることが望ましい。この理由
は、前述した方法に基づいて異色の着色粒子を調製して
混練させた際に、その着色粒子の粒径が10μm未満で
あると、個々に肉眼で識別されないため、複数色の粒子
が視覚上完全に溶け合ってしまい、霜降り調の多彩模様
として捉えることができず、一方、粒径が200μmを
超えると、多彩色模様の色分布が悪くなり、きめ細かい
霜降り調の模様や、装飾性に優れた布地、スウェード様
の外観が現出されないとともに、乾燥後の塗膜表面にざ
らつきが生じ、しなやかな触感が得られず、いずれの場
合も好ましくないからである。特に、着色粒子の粒径を
20〜100μmの範囲とすると、触感が良く、布地、
スウェード様の質感が最も顕著となるので、より望まし
い。以上述べたこの発明に係る着色粒子の製造法の工程
の模式説明図を図1に示す。
【0018】次に、前記した方法で得られた着色粒子を
用いたスウェード調塗料組成物の構成について詳述す
る。前記した製造方法によって得られた着色粒子の分散
液をそのまま、或いは分散液から着色粒子のみを取り出
して、水性ワニスに混練して塗料組成物とすることがで
きる。この際、着色粒子の分散液をそのまま使用する場
合も、水性ワニスと混練させる場合も必要に応じて消泡
剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤等、通常の塗料組成物
に用いられる適宜の添加物を混合させることが任意に行
なわれる。
【0019】また、着色粒子のみを取り出して、水性ワ
ニスに混練して塗料組成物とする場合、使用する水性ワ
ニスとしては特に限定はされず、エマルション樹脂や水
溶性樹脂、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、その他の
ものがいずれのものでも好適に使用される。上記水性ワ
ニス又は着色粒子の硬度や柔軟性を変化させることによ
り、種々の触感を持つ被膜を得ることが可能である。
【0020】さらに、この発明では前記した着色粒子と
ともに、着色雲母を混合して塗料組成物とすることもで
きる。ここで、着色雲母とは、焼付け用のメラミン樹脂
が表面に被覆されてなる雲母のことをいい、平均粒径が
10〜2000μm程度のものが好ましく使用される。
具体的には、カラーマイカ(商品名、サンヨー化成
(株)製)等が例示されるが、特に限定されるものでは
ない。このように、着色粒子とともに着色雲母を混合し
て塗料組成物とすることにより、乾燥後の塗膜に、霜降
り調の多彩色模様とともに、真珠(パール)様の光沢が
付与され、より美粧効果の優れた塗料とすることができ
る。
【0021】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は水中で水
不溶性粒子と水溶性又は水分散性で酸価(固型分換算)
が20〜120の多価カルボン酸樹脂とを混合し、水不
溶性粒子の表面に多価カルボン酸樹脂が吸着された一次
粒子を形成させた後、この分散液中に着色顔料を含有す
る分散安定化されたエマルション樹脂を混合し、次いで
この混合系に金属塩を添加して、表面に着色被膜が形成
された平均粒径10〜200μmの着色粒子を得ること
を特徴とする着色粒子の製造方法であるから、塗装後の
塗膜に従来の単一色塗料とは異なるきめ細かい霜降り調
の多彩模様の外観と、適度のざらつきをもつ触感とを備
え、鮮明なアクセントを表現することのできる美粧性に
優れたスウェード調塗料組成物を調製することのできる
平均粒径10〜200μmの着色粒子を極めて高い収率
で、簡便且つ効率良く製造することができるという優れ
た効果を奏する。しかも、このように美粧性に優れた着
色粒子を、従来法に比べるとその製造工程を短縮して得
ることができ、且つ着色塗料の被覆に使用される可塑剤
量を低減することができるため、着色粒子を主成分とす
る塗料の塗膜の耐汚染性が向上し、環境保全に貢献する
ことができる。また、前記平均粒径10〜200μmの
着色粒子が必須成分として分散されてなることを特徴と
するスウェード調塗料組成物であるから、異なった色彩
の着色粒子を混合して使用することにより、この着色粒
子をスウェード調の多彩模様として視覚させることがで
き、「霜降り調」のきめ細かい外観と、適度のざらつき
をもつ触感とを兼ね備えた鮮明なアクセントを表現する
ことのできる美粧性に優れたスウェード調塗料組成物と
なるという効果を奏する。さらに、水不溶性粒子として
無機粒子を使用することにより、着色粒子自体に難燃性
が付与され、火災発生時にその延焼を防止することがで
き、しかも有毒ガス等の発生量が極めて少なく、霜降り
調の多彩模様を現出できる美粧性に優れた塗料であると
ともに、地球環境保全に貢献することのできる優れた建
造物内装用塗料を調製することができるという効果を奏
する。
【0022】
【実施例】以下、この発明に係る着色粒子の製造方法及
びこの方法で得られた着色粒子を用いたスウェード調塗
料組成物の効果を、実施例、比較例を挙げることにより
一層明確なものとする。但し、この発明は以下の実施例
により、何ら限定されるものではない。
【0023】(実施例1)水不溶性粒子として、平均粒
径が40μmの塩化ビニル重合体樹脂(商品名:ゼオン
103ZXA、日本ゼオン(株)製)150重量部を水中に6
0%濃度で分散させた。この分散液中に多価カルボン酸
樹脂〔アクリル樹脂、酸価47.2(商品名:ポリゾー
ルOLX−4320−13、固型分32.9%、昭和高
分子(株)製、〕16.0重量部を混合して攪拌し、塩
化ビニル重合体樹脂粒子表面に多価カルボン酸樹脂を吸
着させた一次粒子を得た。次いで、この分散液中に着色
顔料として、二酸化チタン40重量部が含有されたスチ
レンアクリルエマルション合成樹脂〔不揮発成分47%の
スチレンアクリルエマルション〔商品名:アクロナール
YJ1210D 、三菱油化バーディッシェ(株)製)、平均粒
径0.07μm〕80重量部を混合して攪拌し、さらに
この混合系に金属塩として塩化カルシウムを0.6重量
部混合して、エマルション樹脂を凝析させ、平均粒径が
45μmの白色の着色粒子の分散液を得た。さらに着色
顔料として、二酸化チタンに代えてカーボンブラックを
10重量部用いた以外は前記同様の方法によって、平均
粒径が47μmの黒色の着色粒子の分散液を得た。前記
分散液より取り出された白色粒子50重量部と、黒色粒
子50重量部とを混合させた後、不揮発成分55%の水
性ワニス50重量部を混練させて実施例1の塗料組成物
を得た。
【0024】(実施例2)水不溶性粒子として、平均粒
径15μmの炭酸カルシウム(NN200、日東粉化
(株)製)100重量部を水中に50%濃度で分散させ
て分散液とした。この分散液中に多価カルボン酸樹脂
〔商品名:コーガムHW301、アクリル樹脂、酸価2
0.0(固型分換算)、樹脂固型分50.0%、昭和高
分子(株)製〕2.8重量部を混合して攪拌し、粒子表
面に多価カルボン酸樹脂を吸着させた一次粒子を分散状
態で得た。この分散液中に着色顔料として二酸化チタン
13.2重量部が含有されたエマルション樹脂〔アクリ
ル樹脂(商品名:ニカゾールRX876、日本カーバイ
ト工業(株)製)平均粒径0.1μm〕26.1重量部
を混合して攪拌し、さらにこの混合系に金属塩として塩
化カルシウムを0.6重量部混合して、エマルション樹
脂を凝析させ、平均粒径が22μmの白色の着色粒子の
分散液を得た。さらに、着色顔料として二酸化チタンに
代えてカーボンブラックを用いた以外は前記同様の方法
によって、平均粒径が20μmの黒色の着色粒子の分散
液を得た。分散液から取り出された白色粒子50重量部
と、黒色粒子50重量部とを不揮発成分55%の水性ワ
ニス40重量部と混練させて、実施例2の塗料組成物と
した。
【0025】(実施例3)水不溶性粒子として平均粒径
160μの炭酸カルシウム(寒水♯65/50、日東粉
化(株)製)を用いた以外は、前記実施例2と同様の白
色及び黒色の着色粒子の分散液を得た。この分散液から
それぞれ着色粒子を取り出して、実施例2と同様の実施
例3の塗料組成物を得た。
【0026】(実施例4)実施例2で調製された白色粒
子100重量部と黒色粒子10重量部に、さらに黒色の
着色マイカ(商品名:カラーマイカ♯655、サンヨー
化成(株)製)5重量部を混合して、この混合物を不揮
発成分55%の水性ワニス50重量部と混練させて、実
施例4の塗料組成物を得た。
【0027】(実施例5)水不溶性粒子として平均粒径
が20μのアクリル系樹脂〔商品名:タフチックAR
(東洋紡績(株)製)〕100重量部を水中に40%濃
度で分散させた。この分散液中に、多価カルボン酸樹脂
〔アクリル樹脂、酸価100.0(固型分換算)、商品
名;アロロン440(樹脂固型分50%)、(株)日本
触媒製〕30重量部を混合して攪拌し、粒子表面に多価
カルボン酸樹脂が吸着された一次粒子を分散状態で得
た。次いで、この分散液中に着色顔料として二酸化チタ
ン25.0重量部が含有されたエマルション樹脂〔アク
リル樹脂(商品名:ニカゾールRX876、日本カーバ
イト工業(株)製)〕50.0重量部を混合して攪拌
し、さらにこの混合系に金属塩として硫酸アルミニウム
を1.5重量部混合して、エマルション樹脂を凝析さ
せ、平均粒径が24μmの白色の着色粒子の分散液を得
た。さらに、着色顔料として二酸化チタンに代えてカー
ボンブラックを用いた以外は前記同様の方法によって、
平均粒径が23μmの黒色の着色粒子の分散液を得た。
分散液から取り出された白色粒子50重量部と、黒色粒
子50重量部とを不揮発成分55%の水性ワニス40重
量部と混練させて、実施例5の塗料組成物とした。
【0028】(実施例6)多価カルボン酸樹脂として、
酢酸ビニル系樹脂〔商品名:ビニロールOLX−589
5、昭和高分子(株)製〕をアンモニア水及びジエタノ
ールアミンとで中和して得られた(中和率100%)酸
価(固型分換算50%)が120である多価カルボン酸
樹脂を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、白色
及び黒色の着色粒子の分散液を得た。この分散液からそ
れぞれ着色粒子を取り出して、実施例5と同様の実施例
6の塗料組成物を得た。
【0029】(実施例7)前記多価カルボン酸樹脂に可
塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシルを2重量部
添加した以外は、前記実施例6と同様にして白色及び黒
色の着色粒子の分散液を得た。この分散液からそれぞれ
着色粒子を取り出して、実施例6と同様の実施例7の塗
料組成物を得た。(実施例8)多価カルボン酸樹脂とし
て、実施例1のアクリル樹脂の代わりにアルキッド樹脂
〔商品名:ウォーターゾールS346、大日本インキ化
学工業(株)製、固型分65%、ソリッド固型分酸価4
5〕50.0重量部使用した以外は前記実施例1と同様
に平均粒径45μmの白色の着色粒子と平均粒径が47
μmの黒色の着色粒子の分散液をそれぞれ得た。これら
分散液からそれぞれ着色粒子を取り出して実施例1と同
様に実施例8の塗料組成物を得た。
【0030】(比較例1)平均粒径が40μmの塩化ビ
ニル重合体樹脂(商品名:ゼオン103ZXA、日本ゼオン
(株)製)150重量部を水中に60%濃度で分散させ
た。エマルション合成樹脂〔不揮発成分47%のスチレン
アクリルエマルション(商品名:アクロナールYJ1210D
、三菱油化バーディッシェ(株)製)〕80重量部に
40重量部の二酸化チタンを混合して、前記可塑剤を含
む塩化ビニル系合成樹脂と混合した。この混合系に水を
適量添加した後、金属塩として塩化カルシウムを1.8
重量部混合して、平均粒径が40μmの白色系粒子の分
散液を得た。着色顔料として、二酸化チタンに代えてカ
ーボンブラックを10重量部用いた以外は前記同様の方
法によって、平均粒径が40μmの黒色系粒子の分散液
を得た。前記分散液より取り出された白色系粒子50重
量部と、黒色系粒子50重量部とを混合させた後、不揮
発成分55%の水性ワニス50重量部を混練させて比較
例1の塗料組成物を得た。
【0031】(比較例2)水不溶性粒子として平均粒径
が40μmの天然小粒軽石(カガライトK−10号、シ
ルバー産業(株)製)100重量部を水中に50%濃度
で分散させて分散液とした。この分散液中に着色顔料と
して二酸化チタン13.2重量部が含有されたエマルシ
ョン樹脂〔アクリル樹脂(商品名:ニカゾールRX87
6、日本カーバイト工業(株)製)平均粒径0.1μ
m〕26.1重量部を混合して攪拌し、さらにこの混合
系に金属塩として塩化カルシウムを0.6重量部混合し
て、エマルション樹脂を凝析させ、平均粒径が40μm
の白色系粒子の分散液を得た。さらに、着色顔料として
二酸化チタンに代えてカーボンブラックを用いた以外は
前記同様の方法によって、平均粒径が40μmの黒色系
粒子の分散液を得た。分散液から取り出された白色系粒
子50重量部と、黒色系粒子50重量部とを不揮発成分
55%の水性ワニス40重量部に混練させて、比較例2
の塗料組成物を得た。
【0032】(比較例3)多価カルボン酸樹脂の酸価を
130とした以外は実施例1と同様の白色系及び黒色系
の着色粒子の分散液を得た。この着色粒子を取り出し
て、実施例1と同様の比較例3の塗料組成物を得た。
【0033】(比較例4)塩化ビニル重合体に代えて、
前記実施例5と同様のアクリル樹脂を用いた以外は、前
記比較例1と同様に白色系粒子と黒色系粒子の分散液を
得、比較例1と同様に比較例4の塗料組成物を得た。
【0034】(比較例5)多価カルボン酸樹脂として、
アルカリでの中和率が0である水不溶性のアクリル系樹
脂(コーガムHW−310、酸価47.2)を用いた以
外は、実施例1と同様にして比較例5の塗料組成物を得
た。
【0035】(試験例1)前記実施例1〜7及び比較例
1〜5で得られた白色粒子及び黒色粒子の収率(20倍
の顕微鏡写真をとり4cm2 当たりの全粒子に対する着
色粒子の率)を試験した。この結果を表1に示す。
【表1】
【0036】(試験例2)前記実施例1〜7及び比較例
1〜5で得られた塗料組成物をそれぞれスレート板試験
片の表面に2回塗り(1m2 当たり200gを2回塗っ
て合計400g)して、塗膜の外観、触感を調べた。外
観は塗布2時間後に目視により色の鮮明度を観察して評
価した。触感は、塗布24時間後に指先で触ってざらつ
きの有無を観察して評価した。評価に際しては、それぞ
れ男女20人のパネラーを無作為に選出し、評価の最も
良いものを10点、最も悪いものを0点として、1点刻
みで評価してもらい、各々その平均点を表1に示した。
さらに、顕微鏡観察にて塗料が粒子を充分に被覆してい
るかどうかを観察し、充分被覆されているものには〇、
やや被覆されていないものを△、被覆が不充分であるも
のには×とそれぞれ評価してもらい、この結果もあわせ
て表1に示した。また、粒子強度として、塗布30日後
に爪で引っ掻き、粒子が潰れるかどうかを調べ、潰され
ないものには〇、潰されるものには×と評価し、それぞ
れの結果を表2に示した。
【表2】
【0037】表1及び表2に示した如く、同一の水不溶
性粒子(塩化ビニル重合体樹脂)を用いた場合(実施例
1と比較例1)では、多価カルボン酸樹脂を用いて一次
粒子を形成させた後、着色塗料の被覆を行なう方(実施
例1)が、得られる着色粒子の収率が極めて高いことが
判る。また、多価カルボン酸樹脂を用いた吸着を行なわ
ずに着色塗料の被覆を行なうこの発明者ら開示の従来の
方法では、可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂以外の粒子を
用いた場合(比較例2及び比較例4)、着色塗料の被覆
が極めて悪く、且つ着色粒子の収率も極めて悪いことが
判る。さらに、着色粒子とともに着色雲母を必須成分と
して塗料組成物とする(実施例4)と、得られる塗膜の
外観が極めて良好であるということが判る。使用する多
価カルボン酸樹脂の酸価が120を超えると(比較例
3)、着色塗料の被覆性、着色粒子の収率が低下するこ
とが判る。水不溶性の多価カルボン酸樹脂を使用する
(比較例5)と、多価カルボン酸樹脂が水に混ざらない
ため粒子が凝集しゲル化のために着色塗料の被覆が充分
できなかったことが判る。着色塗料の被覆が良好でない
塗料組成物(比較例1乃至5)では、得られる塗膜の外
観や触感が良好ではないことが判る。また、比較例1で
得られた白色系及び黒色系粒子は、完全に着色塗料が被
覆されていない粒子が多数あり、実用上問題であった。
比較例2の白色系及び黒色系粒子においても、着色塗料
の被覆が十分ではなく、実用に供せないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る着色粒子の製造工程の一実施例
を示す模式説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 131/04 PFT // C08L 101:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中で水不溶性粒子と水溶性又は水分散
    性で酸価(固型分換算)が20〜120の多価カルボン
    酸樹脂とを混合し、水不溶性粒子の表面に多価カルボン
    酸樹脂が吸着された一次粒子を形成させた後、この分散
    液中に着色顔料を含有する分散安定化されたエマルショ
    ン樹脂を混合し、次いでこの混合系に金属塩を添加し
    て、表面に着色被膜が形成された平均粒径10〜200
    μmの着色粒子を得ることを特徴とする着色粒子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記多価カルボン酸樹脂がアルカリで部
    分的又は全部が中和された水溶性又は水分散性の多価カ
    ルボン酸樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の
    着色粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水不溶性粒子が合成樹脂粒子である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の着色粒子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記水不溶性粒子が無機粒子であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の着色粒子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4に記載の着色粒子が
    必須成分として分散されてなることを特徴とするスウェ
    ード調塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記塗料組成物中に着色雲母が混合され
    てなることを特徴とする請求項5に記載のスウェード調
    塗料組成物。
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