JP2790548B2 - 核燃料燒結体の製造方法 - Google Patents

核燃料燒結体の製造方法

Info

Publication number
JP2790548B2
JP2790548B2 JP3091748A JP9174891A JP2790548B2 JP 2790548 B2 JP2790548 B2 JP 2790548B2 JP 3091748 A JP3091748 A JP 3091748A JP 9174891 A JP9174891 A JP 9174891A JP 2790548 B2 JP2790548 B2 JP 2790548B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
sintered body
nuclear fuel
sintering
uranium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3091748A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0572384A (ja
Inventor
和俊 渡海
清 河西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nuclear Fuel Industries Ltd
Original Assignee
Nuclear Fuel Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nuclear Fuel Industries Ltd filed Critical Nuclear Fuel Industries Ltd
Priority to JP3091748A priority Critical patent/JP2790548B2/ja
Publication of JPH0572384A publication Critical patent/JPH0572384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2790548B2 publication Critical patent/JP2790548B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は核燃料燒結体における
燒結密度、結晶粒径および気孔分布を調整することので
きる核燃料燒結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】 原子
炉の核燃料物質として用いられる核燃料燒結体である二
酸化ウラン系核燃料燒結体は軽水炉の普及とともに広く
使用されるに至っている。
【0003】この二酸化ウラン系核燃料燒結体は、平均
結晶粒径が5〜10μm程度であるが、小粒径結晶の核
燃料燒結体であると、核分裂生成ガス(FPガス)の放
出が多いと考えられており、FPガスの放出を抑制する
ためには、平均結晶粒径が20〜60μm程度の大粒径
の核燃料燒結体であることが望まれる。
【0004】代表的な大粒径二酸化ウラン系核燃料燒結
体の製造方法の一例としては、KWU社(西独)の低温
酸化雰囲気燒結法がある。この場合、特殊な熱処理によ
って製造された二酸化ウラン(UO2 )原料粉末を用い
るのであるが、燒結密度の調整のために二酸化ウランを
焙焼して得られた八酸化三ウラン(U38 )を混合し
て燒結することがある。
【0005】前記製造方法においては、混合するU3
8 の量は主に燒結体密度の調節や焼きしまりの調節のた
めに調整されており、添加量も20重量%以下であり、
結晶粒径の調節は、燒結温度や燒結雰囲気を特定の条件
に設定することにより、大粒径の核燃料燒結体を製造し
ている。
【0006】しかしながら、前記のような製造方法で
は、UO2 原料粉末に特定の熱処理を施す必要があるこ
と、大粒径であると共に一定の気孔分布、一定の密度
[93〜98%TD,(TD;理論密度,ポアがない状
態の密度)]の核燃料燒結体を製造するには、混合する
38 の量および燒結雰囲気と燒結温度との条件を調
整する必要があるがそれぞれの条件が特定の設定範囲に
限られるので、前記特性の調整範囲が限られ、あるいは
調整が困難になると言う問題点を有する。
【0007】この発明は前記の事情に基いてなされたも
のである。すなわち、この発明の目的は、前記問題点を
解決し、所望燒結密度、結晶粒径および気孔分布を有す
るペレットを93〜98%TDの範囲内で任意に調整す
ることができる核燃料燒結体の製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、二酸化ウラン原料粉末
75〜55重量%と八酸化三ウラン粉末25〜45重量
%とを混合した混合粉末から成型して得られる成型体
を、窒素と空気とを混合してその酸素濃度が10〜20
0ppmに調整された混合ガスによる酸化雰囲気中で
1,100〜1,400℃の温度にて燒結した後、還元
雰囲気中で1,100〜1,400℃の温度にて加熱し
て、酸素・ウラン比(O/U)を1.98〜2.02に
調整した核燃料燒結体を製造する核燃料燒結体の製造方
法において、
【0009】前記八酸化三ウラン粉末として、原料二酸
化ウラン粉末から得られると共に800℃以上の熱履歴
を受けた二酸化ウラン粉末を焙焼して製造された粉末4
0〜1重量%と、800℃以上の熱履歴を受けずに80
0℃未満の熱履歴を受けた二酸化ウラン粉末を焙焼して
製造された粉末60〜100重量%とを含有する粉末を
使用することを特徴とする核燃料燒結体の製造方法であ
り、
【0010】前記請求項2に記載の発明は、二酸化ウラ
ン原料粉末75〜55重量%と八酸化三ウラン粉末25
〜45重量%とを混合した混合粉末から成型して得られ
る成型体を、窒素と空気とを混合してその酸素濃度が1
0〜200ppmに調整された混合ガスによる酸化雰囲
気中で1,100〜1,400℃の温度にて燒結した
後、還元雰囲気中で1,100〜1,400℃の温度に
て加熱して、酸素・ウラン比(O/U)を1.98〜
2.02に調整した核燃料燒結体を製造する核燃料燒結
体の製造方法において、
【0011】前記八酸化三ウラン粉末として、二酸化ウ
ランの燒結体を焙焼して得られた燒結体由来の八酸化三
ウラン40〜0重量%または二酸化ウランの成形体から
得られた成型体由来の八酸化三ウラン60〜100重量
%を含有する粉末を使用することを特徴とする核燃料燒
結体の製造方法であり、
【0012】前記請求項3に記載の発明は、前記請求項
1または請求項2に記載の核燃料燒結体の製造方法にお
いて、前記酸化雰囲気中での燒結が、アルゴンガスと空
気とを混合してその酸素濃度が10〜200ppmに調
整された混合ガスによる酸化雰囲気中で1,100〜
1,400℃の加熱温度下で行われる、核燃料燒結体の
製造方法である
【0013】図1は、この発明の方法の一例を含む、核
燃料燒結体の製造方法の一連の工程を示す説明図であ
る。
【0014】図1に示すように、核燃料燒結体の製造方
法は、たとえば、UO2 原料粉末とU38 粉末を混合
する混合処理と、成型処理と、酸化雰囲気中での燒結処
理と、還元雰囲気中での還元処理とを、この順に行なう
ことからなる。以下、UO2 原料粉末、U38 粉末、
混合処理、成型処理、燒結処理、還元処理の順に詳述す
る。
【0015】二酸化ウラン原料粉末 この発明の方法において使用に供されるUO2 原料粉末
は、二酸化ウラン(UO2+x ;x<0.25)を含有す
る。前記UO2 粉末としては、たとえば、重ウラン酸ア
ンモン(ADU)、炭酸ウラニルアンモニウム(AU
C)等を焙焼および還元して得られたUO2 粉末、およ
びUF6 から燒結法によって得られるUO2 粉末を挙げ
ることができる。
【0016】前記核燃料原料粉末中の前記UO2+x の含
有率は、通常、100重量%であるが、微量のU3
8 、U49 を含んでいることがある。
【0017】ただし、この発明の方法においては、前記
UO2 原料粉末としては、前記UO2+x とともに他の酸
化物を含有する混合酸化物系核燃料粉末をも好適に使用
することもできる。
【0018】前記混合酸化物系核燃料粉末としては、た
とえばUO2 とPu O2 との混合酸化物[(U,Pu)
2]、とGd 2 3 との混合酸化物[(U,Gd)O2]な
どが挙げられる。
【0019】八酸化三ウラン 本発明において重要なことは、U38 として、UO2
の燒結体(主としてスクラップ)を焙焼して得られた燒
結体由来(厳密にいうと800℃以上の熱履歴を受けて
いる。)のU38 粉末40〜0重量%および/または
と原料UO2 粉末の成形体(主としてスクラップ)から
得られた成型体由来(厳密にいうと800℃以上の熱履
歴を受けていない。)のU38 粉末60〜100重量
%を使用することである。
【0020】なお前記重量%は、燒結体由来のU38
と成型体由来のU38 との合計重量を100としたと
きの百分率である。
【0021】燒結体由来のU38 と成型体由来のU3
8 との含有割合を前記範囲内で調整する事により、核
燃料燒結体の燒結密度および結晶粒・気孔分布を所望の
値に調整することができる。なお、ここで成型体由来の
38 としては、原料粉末を焙焼して得られるU3
8 粉末であっても良い。すなわち、本発明においては、
化学的には同じU38 であっても、UO2 原料粉末に
添加して用いる場合、その熱履歴によって差異があり、
特に本発明におけるような酸化還元燒結法においてその
差異が顕著であるという知見に基づくものである。
【0022】つまり、添加するU38 の受ける熱履歴
により、燒結体の密度および微細組織に差異が生じる。
これは熱履歴による、焙焼後のU38 の活性度の違
い、そしておそらくは微細構造の差異によるものと考え
られる。すなわち、酸化還元燒結においては九酸化四ウ
ラン(U49 )が重要な役割を果すが、微細構造の差
により隣接するUO2 と反応してU49 を形成し、結
晶粒成長を行なう速度に差が生じ、ひいては、結晶粒の
大きさや気孔の大きさに差を生ぜしめるものと考えられ
る。
【0023】具体的には、UO2 原料粉末75〜55重
量%とU38 粉末25〜45重量%とを混合した混合
粉末から成型して得られる成型体を、酸化雰囲気中で
1,100〜1,400℃の温度にて燒結した後、還元
雰囲気中で1,100〜1,400℃の温度にて加熱し
て、酸素・ウラン比(O/U)を1.98〜2.02に
調整した核燃料燒結体を製造する核燃料燒結体の製造方
法において、U38 は次の特性を示す。
【0024】成型体由来のU38 は結晶粒径の粗大
化に大きな影響を持ち、UO2 原料粉末の特性にもよる
が、図2に示すように添加量の増加にしたがって粒径が
増加すると言う特性を有する。また、燒結密度について
は燒結温度にもよるが図3に示すように、添加量の増加
に従って減少し、しかも焙焼温度が高いほど密度は低下
する。気孔分布については燒結体由来のU38 に比べ
て小さな気孔径を示し、焙焼温度が高い程気孔径は大き
い方へシフトする。
【0025】燒結体由来のU38 は結晶粒径の粗大
化効果はやや小さく、しかも焙焼温度の影響は殆ど受け
ないまた、結晶粒分布中の微細粒子が増加する傾向を
持っている。燒結密度への効果は成型体由来のU38
よりやや大きく、気孔分布は大きい方へシフトする。
【0026】燒結体由来の二酸化ウランとしては、たと
えば二酸化ウラン核燃料燒結体(UO2 ペレット)の製
造工程において生じる研磨くずや不良ペレットなどのU
2核燃料燒結体スクラップ(UO2 スクラップ)を使
用することができる。
【0027】成型体由来のUO2 としては、例えば、二
酸化ウラン粉末の成型体を製造する際に生じる成型くず
や不良成型体などの未燒結二酸化ウランスクラップまた
は原料UO2 粉末を使用することができる。
【0028】燒結体由来の二酸化ウラン、および成型体
由来の二酸化ウランは大気中にて焙焼することによりU
38 に転化する。
【0029】U38 の製造時の焙焼温度は、通常、
00〜800℃である。
【0030】また、成型体由来のU38 粉末の製造時
の焙焼温度を前記温度内のある温度範囲に変化させるこ
とにより、前述のように核燃料燒結体の燒結密度および
気孔分布を所望の値に調整することができる。
【0031】たとえば、図3に示すように、350〜6
50℃の範囲内の温度を適宜に選択することにより、
燃料燒結体の燒結密度を93〜98%TDの範囲にする
ことができるし、また、図4に示すように、焙焼温度を
350〜650℃の範囲内の適宜の温度を選択すること
により、核燃料燒結体の平均結晶粒径を調整することが
できる。また、図5に示すように、焙焼温度を350〜
650℃の範囲内の適宜の温度を選択することにより核
燃料燒結体の平均気孔径を調整することができる。
【0032】なお、一般にUO2 スクラップを室温から
徐々に加熱すると、U49 、U37 を経てU38
が得られ、このU38 を酸素中で500 ℃以下の温度で
加熱すると、UO3得られることがある。
【0033】したがって、この発明の方法において使用
に供される前記U38 粉末としては、たとえば九酸化
四ウラン(U49 )粉末、七酸化三ウラン(U3
7 )粉末、三酸化ウラン(UO3 )粉末などを含有して
いても良い。
【0034】さらに、この発明の方法において、U3
8 を製造するためのUO2 原料粉末が混合酸化物系核燃
料粉末である場合、すなわち、例えば、燒結体由来ある
いは成型体由来の前記UO2 原料粉末が(U,Pu)O
2 粉末である場合には、前記U38 粉末として(U,
Pu)38 粉末を用いることもできるし、前記核燃料
粉末が(U,Gd)O2 粉末である場合には、前記U3
8 粉末として(U,Gd)38 粉末を用いることも
できる。
【0035】混合処理 前記焙焼温度の範囲内の焙焼温度で二酸化ウランを焙焼
して得られるU38の平均粒度は、通常30〜500μ
mの範囲内である。
【0036】この発明においては、前記粒度範囲にある
38 とUO2 原料粉末とを混合してから、得られる
混合物を成形処理に供してよい。
【0037】また、前記U38 の粒度を調整するか、
図1に示すように、前記焙焼により得られるU38
UO2 原料粉末とを先ず混合し、次いで、得られるこの
混合物(A)と所定粒度のU38 (B)とを混合する
ことによっても、核燃料燒結体の燒結密度および気孔分
布を調整することができる。この場合、初めの混合処理
は、前記UO2 原料粉末に前記U38を粉砕混合する
処理であり、後の混合処理は均一混合する処理であり、
気孔径を厳密に調整する必要がある場合に特に有効であ
る。
【0038】混合処理においては、UO2 原料粉末とU
38 との混合物中のU38 の配合量が25〜45重
量%、特に30〜40重量%になる割合で、UO2 原料
粉末とU38 とを混合するのが好ましい。このような
条件でU38 粉末の量およびU38 粉末中の成型体
由来のU38 粉末と燒結体由来のU38 粉末の比を
変えることにより、核燃料燒結体の結晶粒度および燒結
密度の調整を図ることができる。
【0039】前記混合処理には、たとえばV型ブレンダ
ー等の公知の混合器あるいはボールミル、ミキサーミル
などの混合粉砕器を使用することができる。燒結体の結
晶粒度や密度の調整のためのU38 の添加量や粒度
は、UO2 原料粉末のロットによって微妙に変化するが
一例として燒結体密度(ρ%TD)と添加量との関係と
して次の関係が得られる。 ρ=ρ。−0.25×X1 − 0.1×X2 [ただし、 U38 添加量0%のときの燒結体密度:ρ。%TD U38 添加量の総量:X1 % 後期混合で添加したU38 添加量:X2 %(U38
の平均粒径: 250〜350μm) とする。また、この場合のU38 粉末はすべて成型体
由来である。]
【0040】一方、燒結体の結晶粒度および気孔分布は
添加するU38 の総量および/または焙焼温度および
/または成型体由来と燒結体由来のU38 の比率によ
って決めることができる。
【0041】本発明の方法においてはU38 粉末の添
加量の制限値は、添加量25重量%以下では粒径の粗大
化効果は小さく、45重量%以上では燒結密度を93%
TD以上とすることが困難なことから前記値に設定され
る。また、燒結体由来のU38 が、添加するU38
粉末総量の40重量%を超えると結晶粒径を大きくする
ためにはU38 粉末の添加総量を45重量%以上とす
る必要が生じる。このために実用的には燒結体由来のU
38 量は添加総量の40重量%が上限になる。
【0042】燒結体由来のU38 としては、800℃
以上の熱履歴を有することが望ましいが、その燒結時に
おいて、酸化雰囲気燒結では1,000℃以上、還元燒
では1,500℃以上の熱履歴を受けた燒結体を原料
とすることがより望ましい。しかし、時間については、
それぞれの加熱時間が30分以上であれば効果に差異は
認められない。これはこの条件であれば一次粒子の燒結
がほぼ終了しているためである。
【0043】成型処理 この発明の方法においては、次いで、前記混合処理で得
られた調整混合物を圧縮成型して成型体とする。
【0044】圧縮成形の際の成形圧は、通常、1〜5t
/cm2 の範囲であり、好ましくは1.4〜2.8t/
cm2 の範囲である。この成形圧が1t/cm2 未満で
あると、得られる成形体が崩れ易くなる。一方、5t/
cm2 を超えると、得られる成形体や燒結体にき裂が発
生し易くなる。また、成形時の潤滑は金型潤滑または無
潤滑が望ましい。
【0045】燒結処理 この発明の方法においては、次いで、酸化雰囲気中、特
に微酸化雰囲気中で前記成形体の燒結処理を行なう。
【0046】前記酸化雰囲気は、たとえばアルゴン、二
酸化炭素、窒素と酸素との混合ガス、二酸化炭素と一酸
化炭素との混合ガスなどを存在させることにより実現す
る。特に好ましい雰囲気としては、燒結炉内の温度が8
00〜1,400℃の範囲では不活性ガス中に濃度1×
10-3〜2×10-2容量%(10〜200ppm)の
素を含有する混合ガス雰囲気である。また、装置構成を
簡便にするには、窒素ガス中に所定量の空気を混入する
ことが有利である。
【0047】前記燒結処理における燒結温度は、通常
1,100〜1,400℃の範囲内に設定するのが良
い。
【0048】燒結温度が1,100℃よりも低いと、得
られるUO2 核燃料燒結体の燒結密度が低下することが
あり、また、前記温度範囲において、例えば燒結時間を
一定にした場合、低温側の温度たとえば1,100〜
1,150℃の範囲で燒結すると、核燃料燒結体の粒度
分布が大きくなり、一方、前記温度範囲において、高温
側の温度たとえば1,200〜1,250℃の範囲で燒結
すると核燃料燒結体の粒度分布が小さくなる傾向にあ
る。
【0049】したがって、この燒結温度を調節すること
によっても核燃料燒結体の平均粒度分布を調整すること
ができる。
【0050】燒結に要する時間は、通常、10分間〜4
時間である。
【0051】還元処理 この発明の方法においては、前記燒結を行なった後、還
元雰囲気中で加熱して還元処理を行なう。
【0052】すなわち、この還元処理により前記燒結処
理を経た前記成型体を還元する。
【0053】前記還元雰囲気は、たとえば水素、水素と
窒素との混合ガス、水素とアルゴンとの混合ガス、ある
いはこれらと水蒸気とを共存させたガスなどを存在させ
ることにより実現する。
【0054】前記還元処理における加熱温度は、通常
1,100〜1,400℃の範囲にする。
【0055】加熱温度が1,100℃よりも低いと、こ
の発明の方法により得られるUO2核燃料燒結体のO/
U比を1.98〜2.02の範囲にするためには後述す
る加熱時間が著しく長くなる。一方、1,400℃より
高くしてもそれに見合った効果は奏されず、エネルギー
効率の面で不利である。なお、加熱条件は、通常、炉の
設計およびバランスを考慮して燒結条件と同じに設定さ
れる。
【0056】すなわち、加熱時間は、通常、10分〜3
時間である。
【0057】この発明の方法においては、以上の処理を
行なって、得られるUO2 核燃料燒結体のO/U比を
1.98〜2.02の範囲に調整し、得られるUO2
燃料燒結体の密度を93〜98%TDの範囲に調整す
る。
【0058】このO/U比および密度が前記の範囲を外
れると、得られるUO2 核燃料燒結体の融点や強度の低
下を招いて、設計値を逸脱する恐れがあり、燃料設計
上、好ましくないことがある。
【0059】以上のようにして、平均粒径が20〜60
μmの範囲内および平均燒結密度が93〜98%TDの
範囲内で任意の平均粒径および平均燒結密度を有する核
燃料燒結体を製造することができ、この核燃料燒結体
は、たとえば軽水炉の核燃料物質として好適に用いるこ
とができる。
【0060】
【実施例】次いで、この発明の実施例を示し、この発明
についてさらに具体的に説明する。
【0061】この実施例は、図1に示す方法においてB
=0の場合に関する。
【0062】(実施例1)第1表に示す配合割合の燒結
体由来のUO2 と成型体由来のUO2 との混合物を42
0℃で空気中にて焙焼することによりU38 を得た。
【0063】核燃料製造用原料であるUO2 粉末65〜
73重量%に、前述のようにして得られたU38 27
〜35重量%を添加して混合処理を行なった後成型し
た。
【0064】得られた成型体を、酸化雰囲気中で1,1
50℃、2時間の燒結処理を行なった後、引き続き1,
150℃にて2時間、還元雰囲気中で加熱して還元処理
を行ない、それぞれO/U比:2.00の円柱状試料を
得た。
【0065】酸化雰囲気はN2 ガスに空気を混入し、酸
素濃度約50ppmとしたものであり、還元雰囲気は水
素3,窒素1の混合ガスに微量のH2 Oを混入させたも
のである。
【0066】得られた核燃料燒結体の密度を第1表に示
す。密度の[I]欄は、燒結体の密度の実測値である。
【0067】[I]の場合、燒結体の密度とU38
加量の間には次のような関係があることが分る。 成型体由来のUO2 から得られたU38 の場合; △fs =0.25%T.D /%(U38 の添加量) 燒結体由来のUO2 から得られたU38 の場合; △fs =0.35%T.D /%(U38 の添加量) [ ただし、 T.D は理論密度(Theoretical Density)、す
なわちポアがない状態の密度を示し、△fs は密度減少
量を示す。]
【0068】[II]欄には、上記の値を用いて、成形体
由来のU 3 8 のみを27%添加したときの、燒結体密
度の値98.1%T.D をベ−スにして計算した燒結体密度
の予測値を示す。[ただし、表1における計算値の計算
方法は次の通り f=98.1-{0.25×(A−27)+0.35×(B−0.0)} A: 成形体由来のU 3 8 添加量(重量%) B: 燒結体由来のU 3 8 添加量(重量%) である。]
【0069】表1に示したように予測値と実測値はよく
一致している。このことから、U38 添加総量だけで
はなく、U38 の原料比を調整することによっても密
度の制御をすることができることが分かる。なお、本実
施例で得られた燒結体の組織写真を2例について図示し
た。即ち、図6は表1において、 3 8 添加量が30
重量%で100%成型体由来のものを使用した場合の
織写真である。図7は、表1において 3 8 添加量
30重量%で、 3 8 添加量に対する成形体由来のU
3 8 量が67重量%、燒結体由来のU 3 8 が33重
量%であるものを使用した場合の組織写真である。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】この発明によると、二酸化ウランに添加
する八酸化三ウランを製造する際の二酸化ウランとして
燒結体由来および成型体由来の両方を使用し、しかもそ
れらの配合量を調整することにより、核燃料燒結体の
結密度を93〜98%TDの範囲内の所望の値に調節す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の一例における概略を示す流れ
図である。
【図2】八酸化三ウランの添加量と平均結晶粒径との関
係の一例を示すグラフである。
【図3】八酸化三ウランの焙焼温度とUO2 系核燃料燒
結体の密度(%TD)との関係の一例を示すグラフであ
る。
【図4】八酸化三ウランの焙焼温度と燒結体の結晶粒径
との関係の一例を示すグラフである。
【図5】八酸化三ウランの焙焼温度と燒結体平均気孔径
との関係の一例を示すグラフである。
【図6】表1において添加した八酸化三ウラン量が30
重量%で、100%成型体由来のものを使用した場合の
微細組織を示す金属顕微鏡写真である。
【図7】表1において添加した八酸化三ウランの量が3
0重量%で、八酸化三ウラン添加量に対する成形体由
来の八酸化三ウランの量が67重量%、燒結体由来の八
酸化三ウランの量が33重量%であるものを使用した場
合の微細組織を示す金属顕微鏡写真である。 の

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化ウラン原料粉末75〜55重量%
    と八酸化三ウラン粉末25〜45重量%とを混合した混
    合粉末から成型して得られる成型体を、窒素と空気とを
    混合してその酸素濃度が10〜200ppmに調整され
    た混合ガスによる酸化雰囲気中で1,100〜1,40
    0℃の温度にて燒結した後、還元雰囲気中で1,100
    〜1,400℃の温度にて加熱して、酸素・ウラン比
    (O/U)を1.98〜2.02に調整した核燃料燒結
    体を製造する核燃料燒結体の製造方法において、 前記八酸化三ウラン粉末として、原料二酸化ウラン粉末
    から得られると共に800℃以上の熱履歴を受けた二酸
    化ウラン粉末を焙焼して製造された粉末40〜0重量%
    と、800℃以上の熱履歴を受けずに800℃未満の熱
    履歴を受けた二酸化ウラン粉末を焙焼して製造された
    末60〜100重量%とを含有する粉末を使用すること
    を特徴とする核燃料燒結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 二酸化ウラン原料粉末75〜55重量%
    と八酸化三ウラン粉末25〜45重量%とを混合した混
    合粉末から成型して得られる成型体を、窒素と空気とを
    混合してその酸素濃度が10〜200ppmに調整され
    た混合ガスによる酸化雰囲気中で1,100〜1,40
    0℃の温度にて燒結した後、還元雰囲気中で1,100
    〜1,400℃の温度にて加熱して、酸素・ウラン比
    (O/U)を1.98〜2.02に調整した核燃料燒結
    体を製造する核燃料燒結体の製造方法において、 前記八酸化三ウラン粉末として、二酸化ウランの燒結体
    を焙焼して得られた燒結体由来の八酸化三ウラン40〜
    0重量%または二酸化ウランの成形体から得られた成型
    体由来の八酸化三ウラン60〜100重量%を含有する
    粉末を使用することを特徴とする核燃料燒結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記酸化雰囲気中での燒結が、アルゴン
    ガスと空気とを混合してその酸素濃度が10〜200p
    pmに調整された混合ガスによる酸化雰囲気中で1,1
    00〜1,400℃の加熱温度下で行われる、前記請求
    項1または2に記載の核燃料燒結体の製造方法。
JP3091748A 1991-03-29 1991-03-29 核燃料燒結体の製造方法 Expired - Fee Related JP2790548B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3091748A JP2790548B2 (ja) 1991-03-29 1991-03-29 核燃料燒結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3091748A JP2790548B2 (ja) 1991-03-29 1991-03-29 核燃料燒結体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0572384A JPH0572384A (ja) 1993-03-26
JP2790548B2 true JP2790548B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=14035155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3091748A Expired - Fee Related JP2790548B2 (ja) 1991-03-29 1991-03-29 核燃料燒結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2790548B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101535173B1 (ko) * 2013-12-27 2015-07-10 한국원자력연구원 산화물 핵연료의 제조방법 및 이에 따라 제조되는 산화물 핵연료

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2949598B1 (fr) * 2009-09-02 2013-03-29 Commissariat Energie Atomique Procede de preparation d'un combustible nucleaire poreux a base d'au moins un actinide mineur
KR101082060B1 (ko) 2009-09-03 2011-11-10 한국수력원자력 주식회사 환형 핵연료 소결체 제조방법
KR101029616B1 (ko) 2009-11-23 2011-04-15 한국수력원자력 주식회사 봉삽입 소결에 의한 환형 핵연료 소결체 제조 방법
FR2979469A1 (fr) * 2011-08-22 2013-03-01 Commissariat Energie Atomique Procede de preparation d'un combustible nucleaire poreux
RU2661492C1 (ru) * 2017-05-12 2018-07-17 Акционерное общество "Ведущий научно-исследовательский институт химической технологии" Способ изготовления таблетированного ядерного керамического топлива

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0731266B2 (ja) * 1989-03-31 1995-04-10 原子燃料工業株式会社 核燃料焼結体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101535173B1 (ko) * 2013-12-27 2015-07-10 한국원자력연구원 산화물 핵연료의 제조방법 및 이에 따라 제조되는 산화물 핵연료
US9847145B2 (en) 2013-12-27 2017-12-19 Korea Atomic Energy Research Institute Method for fabrication of oxide fuel pellets and the oxide fuel pellets thereby

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0572384A (ja) 1993-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4796041B2 (ja) 核燃料焼結体の製造方法
JP3106113B2 (ja) 酸化物核燃料のペレットスクラップのリサイクル方法
JPS6119952B2 (ja)
US6251309B1 (en) Method of manufacturing large-grained uranium dioxide fuel pellets containing U3O8
JP2790548B2 (ja) 核燃料燒結体の製造方法
US4438050A (en) Method for the manufacture of very dense oxidic nuclear fuel bodies
JP2004309453A (ja) タングステン金属網を含有した核燃料焼結体及びその製造方法
JP2588947B2 (ja) 酸化物核燃料焼結体の製造方法
JP4099529B2 (ja) 核燃料ペレットおよびその製造方法
JPH0731266B2 (ja) 核燃料焼結体の製造方法
JP2813926B2 (ja) 原子燃料用二酸化ウラン粉末及びその製造方法
KR100521638B1 (ko) SiO2-CaO-Cr2O3 첨가제를 함유한 이산화우라늄계핵연료 소결체 및 그 제조방법
JPH09127290A (ja) 核燃料ペレットの焼結方法
JP3593515B2 (ja) 核燃料焼結体の製造方法
JP2701049B2 (ja) 酸化物核燃料体の空気焼結による製造方法
JP2701043B2 (ja) 2重微細構造を有する酸化物核燃料体の製造方法
JPH0761820A (ja) 核燃料ペレットの製造方法
JPH0862363A (ja) Moxペレットの製造方法
JPH0470594A (ja) ニオビア添加酸化物核燃料ペレットの製造方法
JPH07119821B2 (ja) 酸化物核燃料焼結体の製造方法
JPH04105097A (ja) 酸化物核燃料ペレットの製造方法
JPH05100068A (ja) 核燃料焼結ペレツトの製造方法
JP3403960B2 (ja) 核燃料ペレットの製造方法
JPS61278789A (ja) 酸化物核燃料物質焼結体の製造方法
JP2620234B2 (ja) 核燃料ペレツトの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980526

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees