JP2588947B2 - 酸化物核燃料焼結体の製造方法 - Google Patents

酸化物核燃料焼結体の製造方法

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JP2588947B2 JP63247067A JP24706788A JP2588947B2 JP 2588947 B2 JP2588947 B2 JP 2588947B2 JP 63247067 A JP63247067 A JP 63247067A JP 24706788 A JP24706788 A JP 24706788A JP 2588947 B2 JP2588947 B2 JP 2588947B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は酸化物核燃料焼結体の製造方法に関し、さ
らに詳しく言うと、たとえば二酸化ウラン(UO2)ペレ
ットなどの酸化物核燃料焼結体の製造工程における焼結
処理前後に生じる、研磨くずや不良ペレットなどの所謂
酸化物核燃料焼結体スクラップを効率良く再利用するこ
とができて、しかも任意の密度および粒度分布を有する
酸化物核燃料焼結体を効率良く得ることができるととも
に、重ウラン酸アンモン(以下、これをADUと言うこと
がある。)を出発原料とするUO2粉末(以下、これをex-
ADU粉末と言うことがある。)を用いた場合の酸化雰囲
気中での焼結温度を低くすることのできる酸化物核燃料
焼結体の製造方法に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 原子炉の核燃料物質として用いられる酸化物核燃料焼
結体には、UO2系燃料、PuO2系燃料、ThO2系燃料があ
り、特にUO2系燃料は軽水炉の普及とともに広く使用さ
れるに至っている。
このUO2系燃料の製造方法としては、たとえば、重ウ
ラン酸アンモン(ADU)を焙焼してUO3あるいはU3O8
し、このUO3あるいはU3O8を還元して得られるUO2粉末
(ex-ADU粉末)を用いて、粉砕→造粒(または粉砕→予
備圧縮→整粒)→圧縮成形→予備焼結→本焼結→研磨仕
上げの工程を行なうUO2ペレットの製造方法が知られて
いるが、このUO2ペレットの製造工程においては、たと
えばUO2ペレットの研磨くずや不良ペレットなどの所謂U
O2スクラップが少なからず生ずる。
そこで、この所謂UO2スクラップを再利用して、U3O8
化することにより再度UO2ペレットとする所謂乾式リタ
ーン法が知られている。
具体的には、たとえばUO2粉末と希土類元素の酸化物
から成る粉末とを、UO2粉末に対する希土類元素の酸化
物から成る粉末の配合割合が10重量%以内になるように
混合した後、成形体とし、この成形体を酸化可能な雰囲
気中で800〜1400℃の温度下に15分間〜2時間焼結し、
次いで、還元可能な雰囲気中で1650℃以上の温度で30分
間〜4時間焼結する酸化物核燃料体の製造方法におい
て、たとえば焼結スクラップからのU3O8をUO2粉末に添
加する方法が提案されている(特開昭56-100392号公報
参照)。
しかしながら、U3O8を微粉化しないで用いる在来の所
謂乾式リターン法においては、UO2粉末にU3O8を添加す
ることにより気孔が形成されて焼結密度の低下を招くこ
とになるので、UO2粉末とU3O8との混合物におけるU3O8
の含有率は25重量%程度が限度であり、通常は高々10重
量%であって所謂UO2スクラップを効率良く再利用する
には至っていない。
一方、より低い温度で焼結を行なうことにより、エネ
ルギー効率の向上を図ってさらに効率的に核燃料焼結体
を製造する方法として、炭酸ウラニルアンモニウム(以
下、AUCと言うことがある。)を出発原料とする二酸化
ウラン粉末(以下、これをex-AUC粉末と言うことがあ
る。)を用いて、酸化雰囲気中で1000〜1400℃に加熱し
た後、還元雰囲気中で1000〜1400℃に加熱することによ
り、核燃料焼結体を製造する方法が知られている。(特
開昭61-278789号公報中に実施例等参照)。
しかしながら、この方法において使用するAUCはADUに
比較して入手が容易ではないという欠点を有している。
そこで、上記の方法において、ex-AUC粉末に代えて、
ex-ADU粉末を用いることが検討されている。
しかしながら、たとえばex-ADU粉末の酸素・金属比
(O/U比)の調整、成形体の予備酸化等の前処理を行な
わないで、ex-ADU粉末を用いて上記の方法を行なった場
合に得られる焼結体は、焼結密度は良好(95%T.D.以
上)であるものの、結晶粒径は2μm程度であり、核分
裂生成ガス(FPガス)の放出率を低くして、燃料棒内圧
の増加を抑えるためには粒径が小さすぎるという問題が
ある。
この発明は前記の事情に基いてなされたものである。
すなわち、この発明の目的は、前記課題を解決し、た
とえば二酸化ウラン(UO2)ペレットなどの酸化物核燃
料焼結体の製造工程における焼結処理前後に生じる、た
とえば研磨くずや不良ペレットなどの酸化物核燃料焼結
体スクラップを効率良く再利用することができて、しか
も任意の密度および粒度分布を有する酸化物核燃料焼結
体を効率良く得ることができるとともに、ex-ADU粉末を
用いた場合の酸化雰囲気中での焼結温度を低くすること
のできる酸化物核燃料焼結体の製造方法を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を達成するために、この発明者が鋭意検討を
重ねた結果、二酸化ウランを含有する核燃料粉末と、酸
化物核燃料焼結体スクラップの加熱酸化によって得られ
る粒子、または、前記スクラップの加熱酸化によって得
られる粒子および核燃料粉末の加熱酸化によって得られ
る粒子であり、かつ、粒度120メッシュよりも小さい粒
径の前記粒子を含有するウラン酸化物の粉末とを特定の
割合で配合してなる混合物を用いると、酸化物核燃料焼
結体スクラップを効率良く再利用することができて、し
かも任意の密度および粒度分布を有する酸化物核燃料焼
結体を効率良く得ることができるとともに、ex-ADU粉末
を用いた場合の酸化雰囲気中での焼結温度を低くするこ
とができることを見い出して、この発明に到達した。
請求項1の発明の構成は、二酸化ウランを含有する核
燃料粉末と、酸化物核燃料焼結体スクラップの加熱酸化
によって得られる粒子、または、前記スクラップの加熱
酸化によって得られる粒子および核燃料粉末の加熱酸化
によって得られる粒子であり、かつ粒度120メッシュよ
りも小さい前記粒径の粒子を含有するウラン酸化物粉末
とを、前記ウラン酸化物粉末の含有率が25重量%〜45重
量%となるように混合し、得られる混合物から形成した
成形体を酸化雰囲気中で1100〜1400℃の温度にて焼結し
た後、還元雰囲気中で1100〜1400℃の温度に加熱して、
酸素・金属比を1.98〜2.02の範囲に調整することを特徴
とする酸化物核燃料焼結体の製造方法であり、 請求項2の発明の構成は、前記ウラン酸化物粉末が、
さらに粒度32〜120メッシュの粒径の粒子を含有する請
求項1に記載の酸化物核燃料焼結体の製造方法であり、 請求項3の発明の構成は、前記ウラン酸化物中の粒度
120メッシュよりも小さい粒径の粒子の含有率が20重量
%以上である請求項2に記載の酸化物核燃料焼結体の製
造方法であり、 請求項4の発明の構成は、前記ウラン酸化物粉末が次
式(I); UO2+X (I) [ただし式(I)中、Xは0.25〜1.0の範囲である。] で表わされる組成を有するウラン酸化物の粉末である請
求項1乃至請求項3に記載の酸化物核燃料焼結体の製造
方法である。
第1図にこの発明の方法の概略を示す。
第1図に示すように、この発明の方法においては、た
とえば、二酸化ウランを含有する核燃料粉末と、酸化物
核燃料焼結体から得られるウラン酸化物粉末との粉砕混
合処理および/または混合処理と、造粒処理と、成型処
理と、酸化雰囲気中での焼結処理と、還元雰囲気中での
加熱処理とを、この順に行なって酸化物核燃料焼結体を
製造する。
この発明の方法において重要な点の一つは、使用に供
される前記核燃料粉末が重ウラン酸アンモン(ADU)を
出発原料とするものであっても良いし、炭酸ウラニルア
ンモニウム(AUC)を出発原料とするものであっても良
いことにある。ただし、ADUはAUCに比較して入手が容易
である点から、ADUを出発原料とするものを用いること
が好ましい。
前記重ウラン酸アンモン(ADU)は、たとえばフッ化
ウラニル溶液に、NH4OH溶液またはNH3ガスを加えてpH7
〜9において沈殿させて得たものでもよいし、精製した
硝酸ウラニル溶液にNH3ガスを加えて得たものでもよ
い。
このADUを空気中で350〜550℃にて焙焼して得られるU
O3あるいは550℃以上にて焙焼して得られるU3O8を水素
中で還元すれば、二酸化ウランを得ることができる。
UO3あるいはU3O8を水素中で還元する際の温度は、通
常、600℃以上、好ましくは600〜650℃である。
前記核燃料粉末は、たとえば前述のようにして得られ
る二酸化ウランを含有する。
前記核燃料粉末中の前記二酸化ウランの含有率は、通
常、100重量%である。
ただし、この発明の方法においては、前記核燃料粉末
が前記二酸化ウランとともに他の酸化物を含有する混合
酸化物系核燃料粉末を好適に使用することもできる。
前記混合酸化物系核燃料粉末としては、たとえばUO2
とPuO2との混合酸化物[(U,Pu)O2]、UO2とGdO2との
混合酸化物[(U,Gd)O2]などが挙げられる。
いずれにせよ、前記核燃料粉末における酸素・金属比
は、通常、2.15以下であり、好ましくは2.05〜2.10の範
囲である。酸素・金属比が2.15を超えると、前記ウラン
酸化物粉末を使用して通常の高温還元雰囲気焼結を行な
うことが著しく困難になる。
この発明の方法において重要な点の一つは、前記核燃
料粉末と、酸化物核燃料焼結体スクラップの加熱酸化に
よって得られる粒子、または、前記スクラップの加熱酸
化によって得られる粒子および核燃料粉末の加熱酸化に
よって得られる粒子であり、かつ粒度120メッシュより
も小さい粒径の前記粒子を含有する前記ウラン酸化物粉
末とを、前記ウラン酸化物粉末の含有率が25〜45重量%
になる割合で混合し、得られる混合物から形成した成型
体を用いることができることにある。
この発明の方法において、前記ウラン酸化物粉末はこ
の発明の製造方法により得られる酸化物核燃料焼結体の
焼結密度および粒径分布を調整する機能乃至作用を有す
る。
このような機能乃至作用を有する前記ウラン酸化物粉
末は、たとえばUO2ペレットの製造工程における焼結処
理前後に生じる研磨くずや不良ペレットなどのUO2スク
ラップに代表される酸化物核燃料焼結体スクラップを原
料とするウラン酸化物を粒度120メッシュよりも小さい
粒径の前記粒子に微粉化したものを含有する。
具体的には、たとえばUO2スクラップを室温から徐々
に加熱すると、U4O9、U3O7を経てU3O8が得られ、このU3
O8を酸素中で500℃以下の温度で加熱すると、UO3が得ら
れる。
したがって、この発明の方法において使用に供される
前記ウラン酸化物粉末としては、たとえば九酸化四ウラ
ン(U4O9)粉末、八酸化三ウラン(U3O8)粉末、七酸化
三ウラン(U3O7)粉末、三酸化ウラン(UO3)粉末など
が挙げられる。
そして、これらの各種ウラン酸化物粉末におけるウラ
ン酸化物の中でも、好ましいのは、その組成をウラン原
子に対する酸素原子の割合で示した前記式(I); UO2+X (I) [ただし式(I)中、Xは0.25〜1.0の範囲である。] で表わされるものであり、特に好ましいのは前記式
(I)において、Xの値が八酸化三ウラン(U3O8)に相
当するものである。
さらに、この発明の方法において、前記核燃料粉末が
混合酸化物系核燃料粉末である場合には、前記ウラン酸
化物粉末が混合酸化物粉末であってもよい。
すなわち、前記核燃料粉末が(U,Pu)O2粉末である場
合には、前記ウラン酸化物粉末として(U,Pu)3O8粉末
を用いることができるし、前記核燃料粉末が(U,Gd)O2
粉末である場合には、前記ウラン酸化物粉末として(U,
Gd)3O8粉末を用いることができる。
この発明の方法において、使用に供される前記ウラン
酸化物粉末の粒径は、基本的には粒度120メッシュより
も小さいものであり、前記ウラン酸化物粉末の粒径が粒
度32メッシュを超えると、この発明の方法により得られ
る酸化物核燃料焼結体の焼結密度が著しく低下すると共
に大径のポアが多数残存することとなって、健全な酸化
物核燃料焼結体を製造することができないことがある。
また、この発明の方法において、前記ウラン酸化物粉
末が、粒度120メッシュよりも小さい粒径の微粒分(以
下において、粒度120メッシュよりも小さい粒径の粒子
を「微粒分」と記載することがある)と粒度32〜120メ
ッシュの粒径の粗粒分(以下において、粒度32〜120メ
ッシュの粒径の粒子を「粗粒分」と記載することがあ
る)とを含有するものであることは好ましい。このよう
なウラン酸化物粉末を用いると、得られる酸化物核燃料
焼結体の焼結密度および/または気孔分布の調整をさら
にきめ細かく行なうことができる。この場合、前記核燃
料粉末と前記ウラン酸化物粉末との混合物における前記
粗粒分の含有率は、前記核燃料粉末の焼結性およびこの
発明の方法により製造されるべき酸化物核燃料焼結体に
要求される密度により相違するので一概に規定すること
はできないが、通常、10重量%以下であり、好ましくは
4〜8重量%の範囲である。この含有率が10重量%を超
えると、充分な強度を有する酸化物核燃料焼結体を製造
することができないことがある。
この発明の方法においては、前記微粒分の量および全
ウラン酸化物粉末量を調整することにより、酸化雰囲気
焼結における焼結促進の程度を調整することができ、前
記粗粒分の量を調整することにより、焼結密度を調整す
ることができる。
そして、それぞれの量は前記核燃料粉末のO/U比、焼
結特性およびこの発明の方法により製造されるべき酸化
物核燃料焼結体に要求される密度や金相により決定され
る。ただし、前記混合物における前記微粒分の含有率
は、通常、20重量%以上であり、好ましくは30〜35重量
%である。前記混合物における前記微粒分の含有率が20
重量%未満であると、酸化雰囲気焼結における焼結促進
の効果が充分に奏されないことがある。
たとえば、必要なウラン酸化物総量が35重量%であ
り、密度調整用の前記粗粒分量が5重量%である場合に
は、先ず、二酸化ウランを主成分とする前記核燃料粉末
と前記微粒分とを、(核燃料粉末):(微粒分)との重
量比で、65:35の割合にて混合し、望ましくは混合を促
進するために粉砕混合処理を行なった後、得られる混合
粉なお前記粗粒分とを、(混合粉):(粗粒分)との重
量比で95:5の割合になるように混合処理を行なう。
前記粉砕混合処理には、たとえばボールミル、ミキサ
ーミルなどを使用することができる。
前記混合処理には、たとえばV型ブレンダーを使用す
ることができる。
この発明の方法において、前記混合物における前記ウ
ラン酸化物粉末の含有率が25重量%未満であると、前記
核燃料粉末のO/U比にもよるが、たとえ前記ウラン酸化
物粉末の粒径を粒度120メッシュよりも小さいものに限
定したとしても、前述の酸化雰囲気では良好な密度およ
び良好な金相を有する酸化物核燃料焼結体をex-ADU粉末
を原料として製造することができなくなる。
この発明の方法においては、次いで、前記混合物を圧
縮成型して成型体とする。
圧縮成形の際の成形圧は、通常、1〜5t/cm2の範囲で
あり、好ましくは1.4〜2.8t/cm2の範囲である。この成
形圧が1t/cm2未満であると、得られる成形体が崩れ易く
なる。一方、5t/cm2を超えると、得られる成形体や核焼
結ペレットにき裂が発生し易くなる。
この発明の方法においては、次いで、酸化雰囲気中で
前記成形体の焼結処理を行なう。
前記酸化雰囲気は、たとえば二酸化炭素、窒素と酸素
との混合ガス、二酸化炭素と一酸化炭素との混合ガスな
どを存在させることにより実現する。
この発明の方法において重要な点の一つは前記焼結処
理における焼結温度を1100〜1400℃の範囲にすることに
ある。
焼結温度が1100℃よりも低いと、得られる酸化物核燃
料焼結体の焼結密度が低下することがある。一方、高温
側は1400°あれば所定の密度、粒径分布の酸化物核燃料
焼結体を得ることができる。
焼結に要する時間は、通常、10分間〜3時間である。
この発明の方法においては、前記焼結を行なった後、
還元雰囲気中で加熱処理を行なう。
すなわち、この加熱処理により前記焼結処理を経た前
記成型体を還元する。
前記還元雰囲気は、たとえば水素、水素・窒素混合ガ
ス、水素・アルゴン混合ガス、あるいはこれらと水蒸気
とを共存させたガスなどを存在させることにより実現す
る。
この発明の方法において重要な点の一つは、前記加熱
処理における加熱温度を、1100〜1400℃の範囲にするこ
とにある。
加熱温度が1100℃よりも低いと、この発明の方法によ
り得られる酸化物核燃料焼結体のO/U比を1.98〜2.02の
範囲にするためには後述する加熱時間が著しく長くな
る。一方、1400℃より高くしてもそれに見合った効果を
奏されず、エネルギー効率の面で不利である。なお、加
熱条件は、通常、炉の設計およびバランスを考慮して焼
結条件と同じに設定される。
すなわち、加熱時間は、通常、10分間〜3時間であ
る。
この発明の方法においては、以上の処理を行なって、
得られる酸化物核燃料焼結体の酸素・金属比を1.98〜2.
02の範囲に調整する。
この酸素・金属比が上記の範囲を外れると、得られる
酸化物核燃料焼結体の融点や強度の低下を招いて、設計
値を逸脱する恐れがあり、燃料設計上、好ましくない。
この発明の方法により得られる酸化物核燃料焼結体
は、前記ウラン酸化物の添加率、前記ウラン酸化物の粒
度等を調整することにより焼結密度及び平均粒径を一定
範囲で任意に設定することのできるものであり、たとえ
ば焼結密度は最高で97〜98%T.D.に達し、平均粒径は最
高で30μm程度を超えるものを得ることもできる。
この酸化物核燃料焼結体は、たとえば軽水炉の核燃料
物質として好適に用いることができる。
[実施例] 次いで、この発明の実施例を示し、この発明について
さらに具体的に説明する。
(実施例1) 酸素・金属比(O/U比)が2.08であるex-ADU粉末65重
量%と、粒径の粒度が120メッシュよりも小さい八酸化
三ウラン(U3O8)粉末35重量%とを、ボールミルを使用
して充分に粉砕混合した後、成形造粒を行なって成型用
粉末を調製した。
この成型用粉末を用いて圧粉成形体(成形密度5.8g/c
m3)を製作した。
次いで、第2図に示す三領域型の連続焼結炉を用い
て、この成形体について、二酸化炭素雰囲気中で温度12
00℃、1時間の焼結処理を行ない、引き続き、水蒸気を
添加するとともに窒素を加えた水素(75%H2/25%N2
雰囲気中で温度1200℃、1時間の加熱処理を行なった
後、不活性ガス中で冷却して、第3図に示すような金相
を有する健全なUO2ペレットを得た。
また、このUO2ペレットの焼結密度、結晶粒径およびO
/U比はそれぞれ次のとおりであった。
焼結密度:95.7%T.D. 結晶粒径:20μm O/U比:2.005 (実施例2) 前記実施例1において、成型用粉末の調製を以下の要
領で行ったほかは、前記実施例1と同様にして実施し
た。
すなわち、ex-ADU粉末65重量%と、粒径の粒度が120
メッシュよりも小さい八酸化三ウラン(U3O8)粉末35重
量%とを、ボールミルを使用して充分に粉砕混合してか
ら、さらに、この混合物に対して3重量%相当のU3O8
末(粒度32〜120メッシュ)を加えてブレンダーにより
混合した後、造粒成型を行なって成型用粉末を得た。
この成型用粉末を用いて得られた核燃料ペレットは、
第4図に示すような金相を有する健全なものであった。
また、このペレットの焼結密度、結晶粒径およびO/U
比はそれぞれ次のとおりであった。
焼結密度:94.7%T.D. 結晶粒径:20μm O/U比:2.008 (実施例3) 前記実施例1において、焼結処理における焼結温度を
1200℃から1250℃に変え、さらに焼結時間を1時間から
3時間に変えるとともに、加熱処理における加熱温度を
1200℃から1250℃に代えたほかは、前記実施例1と同様
にして実施した。
この成型用粉末を用いて得られた核燃料ペレットは、
第5図に示すような金相を有する健全なものであった。
また、このペレットの焼結密度、結晶粒径およびO/U
比はそれぞれ次のとおりであった。
焼結密度:96.8%T.D. 結晶粒径:30μm O/U比:2.006 [発明の効果] この発明によると、 (1) 酸化物核燃料焼結体ペレットの製造工程におけ
る焼結処理前後に生じる、たとえば研磨くずや不良ペレ
ットなどの酸化物核燃料焼結体スクラップの加熱酸化、
または前記スクラップの加熱酸化および核燃料粉末の加
熱酸化によって得られるウラン酸化物を微粉化して添加
するので、酸化物核燃料焼結体スクラップの使用量を増
加させることが可能になる。
(2) したがって、酸化物核燃料焼結体スクラップを
効率よく再利用することができるとともに、 (3) 添加するウラン酸化物の添加量や粒度分布を変
えることにより、得られる酸化物核燃料焼結体の焼結密
度や粒度分布を調整することができるので、良好な金相
を有していて所望の特性を有する焼結ペレットを得るこ
とが可能であり、 (4) しかも、重ウラン酸アンモン(ADU)を出発原
料とする二酸化ウラン粉末(ex-ADU粉末)を使用する場
合に低音焼結が可能になるので、エネルギー効率に優れ
る。
等の利点を有する酸化物核燃料焼結体の製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法の概略を示す流れ図であり、第
2図はこの発明の方法において好適に使用することがで
きる焼結炉の一例を示す説明図であり、第3図は実施例
1において得られた酸化物核燃料焼結体を走査型電子顕
微鏡観察にて400倍の倍率で観察、撮影してなる図面代
用写真、第4図は実施例2において得られた酸化物核燃
料焼結体を走査型電子顕微鏡観察にて400倍の倍率で観
察、撮影してなる図面代用写真、および第5図は実施例
3において得られた酸化物核燃料焼結体を走査型電子顕
微鏡観察にて400倍の倍率で観察、撮影してなる図面代
用写真である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化ウランを含有する核燃料粉末と、酸
    化物核燃料焼結体スクラップの加熱酸化によって得られ
    る粒子、または、前記スクラップの加熱酸化によって得
    られる粒子および核燃料粉末の加熱酸化によって得られ
    る粒子であり、かつ、粒度120メッシュよりも小さい粒
    径の前記粒子を含有するウラン酸化物粉末とを、前記ウ
    ラン酸化物粉末の含有量が25重量%〜45重量%となるよ
    うに混合し、得られる混合物から形成した成形体を酸化
    雰囲気中で1100〜1400℃の温度にて焼結した後、還元雰
    囲気中で1100〜1400℃の温度に加熱して、酸素・金属比
    を1.98〜2.02の範囲に調整することを特徴とする酸化物
    核燃料焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ウラン酸化物粉末が、さらに粒度32〜
    120メッシュの粒径の粒子を含有する請求項1に記載の
    酸化物燃料焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ウラン酸化物中の粒度120メッシュよ
    りも小さい粒径の粒子の含有量が20重量%以上である請
    求項2に記載の酸化物核燃料焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ウラン酸化物粉末が次式(I); UO2+X (I) [ただし式(I)中、Xは0.25〜1.0の範囲である。] で表わされる組成を有するウラン酸化物の粉末である請
    求項1乃至請求項3に記載の酸化物核燃料焼結体の製造
    方法。
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