JP2701049B2 - 酸化物核燃料体の空気焼結による製造方法 - Google Patents

酸化物核燃料体の空気焼結による製造方法

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JP2701049B2 JP63206357A JP20635788A JP2701049B2 JP 2701049 B2 JP2701049 B2 JP 2701049B2 JP 63206357 A JP63206357 A JP 63206357A JP 20635788 A JP20635788 A JP 20635788A JP 2701049 B2 JP2701049 B2 JP 2701049B2
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は発電用等の原子炉に用いられる酸化物核燃
料体の製造方法に関し、特にペレットの成形・加工方法
に係るものである。
[従来の技術] 従来のUO2ペレットの場合、一般的にUO2+xの粉末をプ
レスしてグリーン・ペレットと称する成形体を処理温度
1700℃以上で若干加湿された水素ガス気流中において適
当な時間以上加熱・焼結すると、その密度は95%TD(理
論密度:Theoretical Density)、平均結晶径は数μm程
度で、結晶粒の大きさのペレット半径方向分布はほぼ一
様であり、酸素対ウラン金属原子比(O/U比)は2.00の
化学量論的組成を有する。
また、1700℃の長時間再加熱における熱的寸法安定性
についても緩やかに密度上昇することが知られている。
この出願と同一の出願人が出願した特願昭63−134299
号(特開平1−304391号)に開示されているように比較
的焼結しにくい比表面積のBETの値が3m2/g以下のUO2+x
の粉末を使用して、比較的高圧でプレスしてグリーン・
ペレットとし、処理温度1300〜1600℃においてH2ガスま
たはH2とN2の混合である安全ガス雰囲気で予備焼結し、
さらに同一温度においてN2ガスまたはCO2ガスに空気を
混入・混合して酸素分圧を制御した雰囲気で焼結を促進
して進行させ、次に再び同一温度においてH2または上記
の安全ガス雰囲気で還元処理を施すと、その結果中心部
が大粒径領域、外周部が小粒径領域の2重微細構造を有
する酸化物核燃料ペレットが得られる。
このように中心部の結晶粒径が大きいことにより核分
裂生成ガス(以下、FPガスという)のペレットからの放
出が低減されると共に、外周部の結晶粒径が小さいので
ペレット側の塑性変形が容易となることにより、ペレッ
トと被覆管の接触の度合いが改善され、ペレット・被履
管の機械的相互作用が(以下、PCMIという)が緩和され
る。
しかし、前記特願昭63−134299号(特開平1−304391
号)に開示されている場合の3領域の焼結炉は外熱型で
あり、その運転に要する電力費は比較的高く、かつ酸素
分圧を確保するためにN2ガスまたはCO2ガス、ならびに
空気の正確な流量の制御が必要であった。
[発明が解決しようとする課題] 従来の数μm程度のペレット半径方向にほぼ一様な平
均結晶粒径を有するUO2ペレットよりもさらに照射挙動
の観点から、核燃料設計上の裕度ならびに柔軟な原子炉
運転を可能とするFPガスの放出を低減させた改良型の大
粒径UO2ペレットを3段処理法において行う方法は容易
ではなかった。
尚、ここで改良型の大粒径UO2ペレットとは、ペレッ
トの半径方向の結晶粒径の平均値が10μm以上を言う。
この発明は、上記の課題を解決するために成されたも
ので、核燃料設計上の裕度ならびに柔軟な原子炉運転を
可能とするFPガスの放出を低減された改良型の高密度大
粒径UO2ペレットを空気焼結による3段処理法において
行う酸化物核燃料体の製造方法を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] この発明の方法は、原料であるUO2+x粉末に気孔形成
剤として前処理を施したしゅう酸アンモニウム、酒石酸
アンモニウム、澱粉、しょ糖等を添加混合したものを用
いて粗成形してスラグを作り、これを造粒、さらに適当
な潤滑剤を添加して成形を容易にした造粒粉を作り、上
記の造粒粉をプレスして高密度のグリーン・ペレットを
作る。
次に、上記のグリーン・ペレットを処理温度1700℃以
下で、安全ガスと称するH2+N2の混合ガス雰囲気で1時
間以下予備焼結をし、さらに1500〜1700℃の処理温度下
で空気の気流中で20時間以下保持して焼結を進行させ、
その後再び1700℃以下の温度下で、安全ガス雰囲気で1
時間以下の還元のための熱処理を施すことを特徴として
いる。
尚、本3段処理法で使用する3領域の焼結炉は、内熱
型とし、一般的な内熱炉では空気中では1700℃程度まで
昇温が可能である。
ここで、3段処理法とは、酸化物核燃料ペレットの焼
結方法の1つであり、焼結雰囲気を3種類としてそれぞ
れの領域を焼結炉内にそれぞれの発熱体と共に3領域設
けて連続処理する場合、及びそれぞれの雰囲気の内熱型
の焼結炉を設けてバッチ処理する場合の方法を言う。
[作用] 酸化物核燃料ペレットの従来の焼結方法の1つであ
り、焼結雰囲気を加湿水素ガスとして1領域設けて連続
処理する1段処理法と異なり、本発明は空気気流中の焼
結雰囲気の酸素ポテンシャルを確保した3段処理法であ
るが、UO2ペレットの1700℃の長時間再焼結における熱
的寸法安定性については従来のH2ガス雰囲気結晶の場合
と同様に緩やかな緻密化が生じる。
また、本発明の3段処理法の場合、比較的焼結性の劣
る、即ち焼結における密度上昇ならびに焼結粒径の成長
の進行しにくいUO2+x粉末を原料に用いても改良型の大
粒径を有するUO2ペレットの製造が可能となる。
因みに、原料粉末として通常の粗成形、造粒、成形圧
4トン/cm2のグリーンペレットを加湿H2ガス雰囲気で17
50℃、4時間加熱・焼結して得られたUO2ペレットの密
度は95%TD、その平均結晶粒径は約6μmである。
[実施例] 以下、第1図に基づいて、この発明の実施例を説明す
る。第1図は本発明の一実施例である空気気流中の所定
の酸素分圧を確保した3段処理法で使用される還元雰囲
気である安全ガスの予備焼結領域及び還元処理領域の処
理温度1000〜1700℃、好ましくは1000〜1200℃とし、一
方、空気中の焼結領域の焼結温度1500〜1700℃の内熱型
の連続焼結炉の概略説明図である。
第1図において、まず室温のペレット装荷室1に矢印
4で示した方向でもって処理材であるグリーンペレット
が装荷され、処理温度1000〜1700℃、好ましくは1000〜
1200℃で処理時間1時間以下、好ましくは0.5時間以上
1時間以下で安全ガス雰囲気の予備焼結領域5において
閉気孔の形成の終了する過程まで予備焼結される。
次に、閉気孔の形成の終了した化学量論的組成を有す
る低密度のペレットは、窒素ガス・カーテンによる堰7
を通過して、所定の酸素分圧を確保した空気気流中の雰
囲気の焼結領域2において、処理時間20時間以下、特に
好ましくは0.1時間以上20時間以下保持して焼結を進行
させ、その後再び同一温度下でH2ガスまたは安全ガス
(H2とN2の混合ガス)で1時間以下、特に好ましくは0.
5時間以上1時間以下の還元のための熱処理を施してい
る。
ここで、所定の焼結過程とは、密度については例えば
95%TDの密度の仕様を満足するように上記した、前処理
した気孔形成剤を添加・混合して密度を制御する。
次に、照射挙動の観点から好ましい2重微細構造を有
する酸化物核燃料ペレットが得られるような処理温度、
ならびに処理時間の組合わせでもって所定の焼結過程と
する。
予備焼結の処理時間については、BET比表面積値3m2/g
以下の比較的焼結しにくいUO2+x粉末を原料とした場合
においても1000℃〜1700℃までの約300℃/hの昇温率で
の昇温過程並びに1000℃〜1700℃での保持時間はほぼ0.
5時間〜1時間で約90%TDの密度まで緻密化が生じて、
所定閉気孔率の閉気孔の形成がなされる。処理時間の長
時間化はむしろペレット製造比の上昇となる。
本焼結の処理時間については大粒径ペレット例えば中
心部位の焼結粒径が30μm以上を製造する場合、原料で
あるUO2+X粉末特性の焼結しやすさの程度、本焼結の加
熱温度並びに本焼結雰囲気の酸素分圧により設定され
る。
処理時間の下限については、BET比表面積値3m3/g以下
の比較的焼結しにくいUO2+x粉末を原料とした場合にお
いても1600℃の加熱温度で0.1時間の保持時間で中心部
位の結晶粒径が30μmを有する大粒径ペレットが製造で
きる。
また本焼結の処理時間の上限については、1500℃〜17
00℃の温度範囲での本焼結の焼結雰囲気の酸素分圧であ
る空気中においても保持時間20時間ではペレットの形状
が損なわれないことを実験で確認した。
ペレットの形状が損なわれる原因は、U4O9すなわちO/
U=2.25まではUO2.00と同じ面心立方型の結晶構造を有
するが、U4O9以上の高次のウラン酸化物は面心立方型と
は異なる結晶構造へ変化するので、その結晶構造変化に
よる。
これは、本焼結の焼結雰囲気である空気中においても
保持時間20時間では平衡状態に達していないことを示
す。処理時間の長時間化はペレット製造費の上昇とな
る。
還元の処理時間については、1000℃〜1700℃から室温
での取出しまでの約400℃/hの降温率での降温過程並び
に1000℃〜1700℃での保持時間ほぼ0.5時間〜1時間で
製造されたペレットがO/U=2.00の化学量論的組成を有
することを実験で確認した。処理時間の長時間化はペレ
ット製造費の上昇となる。
第2図は本発明で得られた酸化物核燃料ペレットの密
度と空気中の焼結時間の関係を処理温度1500℃の場合に
ついて示した図で、長時間において密度が低下している
が、これは気孔の再構成に起因する過度焼結過程の密度
反転現象である。
その一例として、処理温度1500℃として安全ガス雰囲
気下で1時間予備焼結し、さらに同一温度で空気気流中
で2時間焼結を進行させ、後に再び安全ガス雰囲気下で
還元処理を施したペレットの密度は97%TD、O/U比は2.0
0、また中心部結晶粒径は31μm、外周部の結晶粒径は1
8μmwであり、第3図は上記の焼結で得られたペレット
のエッチング後の倍率300倍の顕微鏡写真(結晶粒構
造)を示したものである。
上記から明らかなように、空気焼結の手段を用いて酸
素分圧を高めることによって、比較的焼結しにくい粉末
を原料とした場合でも、高密度ならびに大粒径を有する
照射挙動の優れた酸化物核燃料ペレットの製造が可能で
ある。
さらに、所定の焼結過程まで進行した超化学量論的組
成を有するペレットは再び窒素ガス・カーテンによる堰
7を通過して安全ガス雰囲気の還元領域6において、化
学量論的組成であることの仕様であるO/U比が1.99〜2.0
2を満足するように処理時間1時間以下で還元処理され
る。
そして、冷媒兼ペレット取出し室3において所定の酸
化物核燃料ペレットは冷却されて、その後取出されて次
の工程へ送られる。
所定の酸素分圧を確保するために常にフレッシュな空
気を焼結領域2に供給する手段は以下の通りである。
空気は大気中のちり等の混入を防止するために、空気
用圧縮機13の上流及び下流側に空気清浄用フィルタ12を
設置して所定の圧力でもって供給され、空気用の浮き子
式流量計11によって所定の流量に制御されて、またスタ
ティック・ミキサーまたは撹拌器によるガス混合機10に
おいて充分混合されて、酸化性雰囲気の焼結領域2に供
給される。
内熱型の発熱体については、還元性雰囲気である安全
ガス雰囲気の予備焼結領域5及び安全ガス雰囲気の還元
領域6における発熱体8は還元性雰囲気用のモリブデン
またはタングステン等の材料とする。
一方、酸化性雰囲気である空気の焼結領域2における
発熱体9は、酸化性雰囲気用のカンタル線と称する二珪
化モリブデン等の材料とする。
安全ガス雰囲気下での還元処理過程においては、高密
度の焼結体であるために、還元作用はペレットの中心部
側で過剰酸素の遊離が遅れる。一方、外周部の過剰酸素
は比較的速やかに遊離される。
上述のペレットの半径方向の過剰酸素の分布に対応し
て、ペレットの中心部は外周側に比較して結晶粒の成長
が進むことになる。
その結果、比較的焼結しにくい粉末を原料とした場合
においても中心部が大結晶粒径領域、外周部が比較的小
結晶粒径領域の、2重微細構造の酸化物核燃料ペレット
が得られる。
このように、中心部の結晶粒径が大きいことによりFP
ガスのペレットからの放出が低減されると共に、外周部
の結晶粒径が比較的小さいことによりペレット外周と被
履管との接触状況が悪化することは無く、PCMIは問題と
ならない。
本発明によって得られたUO2ペレットは、上記の粉末
を原料とし、同等の成形を施したグリーン・ペレットを
供したものであり、空気気流中の雰囲気下で焼結して得
られたUO2ペレットの密度は95%TD以上であり、またペ
レット中心部の結晶粒径と空気中の焼結温度ならびに空
気中の保持時間の関係を第4図に示したが、本処理範囲
内で得られた酸化物核燃料ペレットの平均の結晶粒径は
10μm以上である。
また、軽水炉の場合、ガドリニア(Gd2O3)添加ペレ
ットはその添加量が約30重量%の固溶限以下の高々10重
量%程度であり、その焼結挙動は固溶反応を含むが、UO
2の場合とほぼ同等なので、本発明による空気焼結手段
を用いた3段処理法の焼結は適用できる。また(Pu、
U)O2ペレットについては、全率固溶体であることから
その焼結挙動は固溶反応を含むが、UO2の場合と比較し
て大きな差異はない。
また、本発明の3段処理法の場合、比較的焼結性の劣
る、即ち焼結における密度上昇ならびに焼結粒径の成長
の進行しにくいBETの比表面積3m2/g以下のUO2+x粉末を
原料に用いても改良型の大粒径を有するUO2ペレットが
得られる。
そのメカニズムについて以下に述べる。
まず、安全ガス雰囲気の予備焼結過程において、グリ
ーン・ペレットは還元処理されると共に約90%TDまで焼
結が進み、閉気孔の形成がほぼ終了する。閉気孔内はH2
とN2ガスが支配的であるために、前述したように1700℃
の長時間の再焼結において閉気孔内の圧力上昇を伴わず
に緩やかな緻密化が行われる。
次に、空気気流中の雰囲気下での焼結においては、初
期は化学量論的組成を有した低密度の焼結体であるが、
高い酸素分圧下の雰囲気からの荷重酸素の焼結体への供
給は比較的緩やかであり、焼結体外周部においては焼結
格子間に酸素が侵入する間が無く中心側へ移動して、中
心側において外周側と比較して酸素は格子間原子として
存在し易くなり、中心部側では超化学量論的組成でもっ
て焼結が促進されて進行する。この焼結過程におけるペ
レットの半径方向の格子間酸素原子の存在量に対応し
て、結晶粒径の分布が形成される。
ここで、S.ArosonとJ.Belle(J.Chem.Phys.29[1]1
51−58(1958))によってウラン酸化物UO2+xにおける
過剰酸素xと酸素分圧Po2の関係が下式で与えられてい
る。
Po2(atm)=76exp{−33000/T(K)}exp{31x/(1−x)} これは、本発明の空気焼結における酸素分圧は0.21at
mであるので、1500〜1700℃の加熱下でのウラン酸化物
の焼結体の化学量論的組成はそれぞれO/U比で2.291〜2.
259と計算されるが、焼結体は1500〜1700℃の加熱下で2
0時間では、平衡状態であるU3O8等まで酸化反応は進行
しないからであると考えられる。
これらの事実は、焼結体の形状を損なうことが無いこ
とが発明者の実験から確認されている。
[発明の効果] 本発明の空気気流を用いて所定の酸素分圧を確保した
3段処理法によって得られた酸化物核燃料ペレットの17
00℃の長時間の再焼結における熱的寸法安定性は、従来
の1700℃以上の加湿水素ガス雰囲気焼結で得られた酸化
物核燃料ペレットの場合と同様に緩やかな緻密化を生じ
るので、酸化物核燃料ペレットの照射における体積増大
であるスゥエリングを緩和する。
また本発明の酸化物核燃料ペレットの化学量論的組成
については、仕様であるO/U比が1.99〜2.02を満足し製
品としてのバラツキも小さく、ペレットの微細構造につ
いては、焼結性の劣るいかなるUO2+x粉末を原料とした
場合においても大結晶粒径の2重微細構造を有してい
る。
この2重微細構造は酸化物核燃料のペレットの中心部
の大結晶粒径領域と外周部の比較的小結晶粒径領域から
構成されている。
この2重微細構造の優れた特性は、酸化物核燃料ペレ
ットからのFPガス放出の低減の観点から、ペレットの照
射温度が比較的高い中心部側は結晶粒が大きいことか
ら、FPガスの拡散ならびに移動が遅れるので、ペレット
のFPガス保有能力が向上する。
これはFPガス放出に伴う燃料棒の内圧上昇を押えるの
で、被履管の変形を防ぐと共にペレットと被履管のギャ
ップの熱伝導率の低下をも防ぐ。
また、2重微細構造の優れた特性はPCMIの観点から、
酸化物核燃料ペレットの外周部は結晶粒径が比較的小さ
いことから大結晶粒径化によるペレット側の塑性が大き
く損なわれないので原子炉の出力変動時等における被履
管の受ける応力は増大しないので、被履管の変形量も大
きくならないのでその結果、燃料棒の破損も防ぐ。
以上のように、2重微細構造の大結晶粒径の酸化物核
燃料ペレットの優れた特性は、好ましい照射挙動をする
ので、原子力発電における経済性向上を目的とした高燃
焼度化、負荷追従運転及び出力分布規制の緩和等を実現
するのに、裕度をもった燃料設計ならびに原子炉の運転
が可能となる。
さらに、本発明の空気気流を用いて所定の酸素分圧を
確保した3段処理法の焼結炉は内熱型であるので、従来
の外熱型の場合に比較して、その電力の消費量は小さい
のでコスト低減され、その上、従来の加湿水素ガスを用
いた場合よりも処理温度ならびに処理時間がそれぞれ低
温化ならびに短時間化されるのでコスト低減される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の空気焼結を用いた3段処理法の一実
施例としての内熱型の焼結炉の説明図、第2図は第1図
の焼結炉の焼結で得られた酸化物核燃料ペレット密度と
空気中の処理時間の関係を示す図、第3図は本発明の空
気焼結を用いた3段処理法の焼結で得られた酸化物核燃
料ペレットの結晶粒の構造を示す写真。第4図は第1図
の焼結炉の焼結で得られた酸化物核燃料ペレットの中心
部の結晶粒径と空気中の処理温度ならびに処理時間の関
係を示す相関図である。 図中 1……ペレット装荷室 2……空気気流中雰囲気の焼結領域 3……冷却兼ペレット取出し室 4……処理材の流れ方向を示す矢印 5……H2とN2混合ガスである安全ガス雰囲気の予備焼結
領域 6……H2とN2混合ガスである安全ガス雰囲気の還元領域 7……N2ガス・カーテンによる堰 8……還元性雰囲気用の発熱体 9……空気中用の発熱体 10……スタティック・ミキサまたは撹拌器によるガス混
合機 11……浮き子式流量計 12……空気清浄用フィルタ 13……空気用圧縮機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−25093(JP,A) 特開 平1−91094(JP,A) 特開 平1−304391(JP,A) 特開 昭54−89195(JP,A) 実開 昭62−199900(JP,U) 特公 昭61−19952(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】UO2+x粉末に前処理を施したしゅう酸アン
    モニウム、酒石酸アンモニウム、澱粉、しょ糖等の気孔
    形成剤を添加して混合した後、粗形成してスラグを作
    り、造粒し、さらに潤滑剤を添加して造粒粉を作り、こ
    の造粒粉を押圧したグリーン・ペレットを安全ガス雰囲
    気中で1000乃至1700℃の処理温度で1時間以下の処理時
    間で予備焼結し、次に空気気流中において処理温度1500
    乃至1700℃で20時間以下の処理時間の組合わせで所定の
    焼結過程まで本焼結を進行させ、さらにその後、安全ガ
    ス雰囲気中で1000乃至1700℃の処理温度で1時間以下の
    処理時間で還元処理を施して、所定の微細構造ならびに
    密度、及び所定の酸素対ウラン金属原子比をもたせたこ
    とを特徴とする酸化物核燃料体の空気焼結による製造方
    法。
  2. 【請求項2】UO2+x粉末にプルトニウムまたはガドリニ
    ウムの酸化物粉末が添加されたことを特徴とする請求項
    (1)に記載の酸化物核燃料体の空気焼結による製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記予備焼結、本焼結及び還元処理は内熱
    型炉結炉内において行われることを特徴とする請求項
    (1)または(2)記載の酸化物核燃料体の空気焼結に
    よる製造方法。
  4. 【請求項4】前記本焼結は1500℃〜1700℃で行い、前記
    還元処理は1000℃〜1700℃で行うことを特徴とする請求
    項(1)乃至(3)記載の酸化物核燃料体の空気焼結に
    よる製造方法。
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KR101165452B1 (ko) * 2010-10-20 2012-07-12 한국수력원자력 주식회사 이종 첨가 원소의 결정립계 및 결정립계 주변의 고용 농도 조절 방법 및 이를 이용한 결정립이 큰 핵연료 소결체의 제조방법.

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