JP2788129B2 - 電荷輸送材料及びそれを用いた感光体 - Google Patents

電荷輸送材料及びそれを用いた感光体

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JP2788129B2
JP2788129B2 JP41536290A JP41536290A JP2788129B2 JP 2788129 B2 JP2788129 B2 JP 2788129B2 JP 41536290 A JP41536290 A JP 41536290A JP 41536290 A JP41536290 A JP 41536290A JP 2788129 B2 JP2788129 B2 JP 2788129B2
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録の複写、プリ
ントに必要な有機感光体用の新規な電荷輸送材料と、そ
れを用いた積層型感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機化合物を光導電材料として用
いた電子写真感光体が数多く開発されている。その中
で、実用化されているものは、殆どが光導電体を電荷発
生材料と電荷輸送材料とに機能分離した形態をとってい
る。しかし、これらの電子写真感光体は無機系電子写真
感光体に比べて一般的に耐久性が低いことが一つの大き
な欠点であるとされてきた。耐久性としては、感度、残
留電位、帯電能、画像ボケなどの電子写真物性面の耐久
性及び摺擦による感光体表面の摩耗や傷などの機械的耐
久性に大別されるが、電子写真物性面の耐久性に関して
は、コロナ放電により発生するオゾン、NOX などや
光照射により感光体表面層に含有される電荷輸送材料が
劣化することが主原因であることが知られている。
【0003】なお、有機電荷輸送材料としては、米国特
許第4150987号明細書などに記載のヒドラゾン化
合物、特開昭58−198043号公報などに記載のス
チルベン化合物、特開昭61−295558号公報や特
開昭62−201447号公報などに記載のベンジジン
化合物、特開昭60−254045号公報に記載のトリ
フェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物な
ど、数多く提案されており、上記耐久性の面ではかなり
改善されつつあるが、未だ十分とは言えないのが現状で
ある。その改良として特開平2−118666号公報
(EP88201332、9)及び特開平2−1296
48号公報によりトリアリールベンゼン系電荷輸送材料
が提唱されているが、感度が悪く、実用上に問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な有機光導電体を提供すること、前述の欠点または不利
を解消した電子写真感光体を提供することである。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、導電性支持体上に感
光層を積層した電子写真感光体において、感光層が上記
一般式(I)(化1)で示す新規な電荷輸送材料を含有
することにより耐久性に優れ、かつ感度良好な感光体が
得られることを見出し、本発明に達した。
【0006】一般式(I)で示す化合物についての代表
例を表1〜表3に示す。
【表1】
【表2】
【表3】 表1〜表3に示した材料の特徴は、アミノ基のとなり、
即ちフェニル基の0−位に置換基R1 を導入すること
により、立体障害によりトリアリールアミン基中のアリ
ール基を平面より大きくひねることにより、電荷輸送材
分子間の相互作用をコントロールすることにより感度を
向上せしめ、かつP−位に置換基R2 を導入すること
により、ラジカルカチオン同志のカップリングによる電
荷輸送能力の劣化を防いだ点にある。
【0007】合成例、Berichte,62巻2836〜2837頁
(1929年)の手法によりアセトフェノン3分子をア
ニリン中で縮合して得たトリフェニルベンゼン(反応式
は下式、化3)
【化3】 を、四塩化炭素溶媒中1〜3モル比の一塩化ヨウ素と反
応し、下記のモノヨウ素体(一塩化ヨウ素1〜1.5モ
ル比使用)、ジヨウ素体(2〜2.5モル比の一塩化ヨ
ウ素使用)を合成した。
【化4】 上記(化4)のヨウ素体と下式(II)(化5)
【化5】 [式(II)中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は式
(I)と同一の意味を表わす。]で示されるアミンを非
プロトン性有機溶媒中銅化合物及び脱酸剤存在下で反応
し、式(I)(化1)の化合物を得た。
【0008】本発明の好ましい具体例では、感光層を電
荷発生層と電荷輸送層に機能分離した電子写真感光体の
電荷輸送物質に前記一般式(I)で示す化合物を用い
る。本発明における電荷輸送層は前記一般式(I)で示
す化合物と結着剤とを適当な溶剤に溶解させた溶液を塗
布し、乾燥させることにより形成させることが好まし
い。
【0009】ここに用いる結着剤としては、例えばポリ
アリレート、ポリスルホン、ポリアミド、アクリル樹
脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリカーボネート、
ポリウレタン、あるいは共重合体、例えばスチレン−ブ
タジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポ
リマー、スチレン−マレイン酸コポリマーなどを挙げる
ことができる。
【0010】また、このような絶縁性ポリマーの他に、
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポ
リビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーも使用でき
る。この結着剤と本発明の電荷輸送物質との配合割合
は、結着剤100重量部当たり電荷輸送物質を10〜5
00重量部とすることが好ましい。
【0011】電荷輸送層は、下述の電荷発生層と電気的
に接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入
された電荷キャリアを受けとると共に、これらの電荷キ
ャリアを表面まで輸送できる機構を有している。この
際、この電荷輸送層は電荷発生層の上に積層されていて
も良く、なたその下に積層されていても良い。しかし、
電荷輸送層は、電荷発生層の上に積層されていることが
望ましい。この電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送でき
る限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることがで
きない。一般的には5〜40μmであるが、好ましい範
囲は10〜30μmである。
【0012】このような電荷輸送層を形成する際に用い
る有機溶剤は、使用する結着剤の種類によって異なり、
または電荷発生層や下述の下引層を溶解しないものから
選択することが好ましい。具体的な有機溶剤としては、
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルな
どのエステル類、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四
塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化
炭化水素或はベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族化合物などを用
いることができる。
【0013】塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコ
ーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコー
ティング法などのコーティング法を用いて行うことがで
きる。乾燥は、室温における指触乾燥の後、加熱乾燥す
る方法が好ましい。加熱乾燥は、一般的には30〜20
0℃の温度で5分〜2時間の範囲で静止または送風下で
行うことが好ましい。
【0014】本発明における電荷輸送層には種々の添加
剤を含有させて用いることもできる。例えば、ジフェニ
ル、m−ターフェニル、ジブチルフタレートなどの可塑
剤、シリコーンオイル、グラフト型シリコーンポリマ
ー、各種フルオロカーボン類などの表面潤滑剤、ジシア
ノビニル化合物、カルバゾール誘導体などの電位安定
剤、β−カロチン、Ni錯体、1,4−ジアザビシクロ
[2,2,2]オクタンなどの酸化防止剤などを挙げる
ことができる。
【0015】本発明における電荷発生層は、セレン、セ
レン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機の電荷
発生物質、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、
アズレニウム系染料、チアシアニン系染料、キノシアニ
ン系染料などのカチオン染料、スクバリリウム塩系染
料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、
ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料など
の多環キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔
料、アゾ顔料などの有機の電荷発生物質から選ばれた材
料を単独ないしは組合わせて用い、蒸着層あるいは塗布
層として用いることができる。
【0016】上記電荷発生物質のうち、特にアゾ顔料は
多岐にわたっているが、特に効果の高いアゾ顔料の代表
的構造例を次に説明する。アゾ顔料の一般式(化6)と
して下記のように中心骨格をA、カプラー部分をCP
として示し、ここでnは1または2とし、具体例を挙げ
る。
【化6】 Aの具体例としては、下記(化7)、(化8)、(化
9)
【化7】
【化8】
【化9】 などが挙げられる。
【0017】また、CP の具体例としては、下記(化
10)、(化11)
【化10】
【化11】 などが挙げられる。
【0018】これら中心骨格A及びカプラーCP は適
宜組合わせにより電荷発生物質となる顔料を形成する。
電荷発生層は、前述の電荷発生物質を適当な結着剤に分
散させ、これを支持体の上に塗工することによって形成
でき、また、真空蒸着装置により蒸着膜を形成すること
によって形成できる。上記結着剤としては広範な絶縁性
樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセンやポリビニルビレンなどの
有機光導電性ポリマーから選択できる。好ましくはポリ
ビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールA
とフタル酸の重縮合体など)、ポリカーボネート、ポリ
エステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル
樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルビ
リジン、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどが挙げられる。電荷発生層中に含有する樹脂
は、80重量%以下、好ましくは40重量%以下が適し
ている。
【0019】塗工の際に用いる有機溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチ
ルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエー
テルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの
エステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエ
チレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪族
ハロゲン化炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、キシ
レン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳
香族化合物などを用いることができる。塗工は、浸漬コ
ーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコ
ーティング法、ビードコーティング法、マイヤーバーコ
ーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコー
ティング法、カーテンコーティング法などのコーティン
グ法を用いて行うことができる。
【0020】乾燥は、室温における指触乾燥の後、加熱
乾燥する方法が好ましい。加熱乾燥は、一般的には30
〜200 0C温度で5分〜2時間の範囲で静止または送
風下で行うことが好ましい。電荷発生層は、十分な吸光
度を得るために、できる限り多くの前記有機光導電体を
含有し、かつ、発生した電荷キャリアの寿命内にキャリ
アを電荷輸送層へ注入するために薄膜層、例えば5μm
以下、好ましくは0.01〜1μmの膜厚をもつ薄膜層とす
ることが望ましい。
【0021】このような電荷発生層と電荷輸送層の積層
構造からなる感光層は、導電層を有する支持体の上に設
けられる。導電層を有する支持体としては、支持体自体
が導電性をもつもの、例えばアルミニウム、アルミニウ
ム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデ
ン、クロム、チタン、ニッケル、インジュウム、金や白
金などを用いることができ、その他にアルミニウム、ア
ルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着法によって被膜形
成された層を有するプラスチック(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、アクリル樹脂、ポリフッ化エチレンな
ど)、導電性粒子(例えばアルミニウム粉末、酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、銀粒子な
ど)を適当なバインダーとともにプラスチックまたは前
記導電性支持体の上に被覆した支持体、導電性粒子をプ
ラスチックや紙に含浸した支持体や導電性ポリマーを有
するプラスチックなどを用いることができる。
【0022】導電性支持体と感光層の中間にバリヤー機
能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。下引
層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロ
ース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド
(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合
ナイロン、アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウ
レタン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどによって形成
できる。下引層の膜厚は0.1 〜5μm、好ましくは0.5
〜3μmが適当である。
【0023】導電性支持体、電荷発生層、電荷輸送層の
順に積層した感光体を使用する場合において、本発明に
おける電荷輸送化合物は正孔輸送性であるので、電荷輸
送層表面を負に帯電する必要があり、帯電後露光すると
露光部では電荷発生層において生成した正孔が電荷輸送
層に注入され、その後表面に達して負電荷を中和し、表
面電位の減衰が生じ、未露光部との間に静電コントラス
トが生じる。現像時には、正荷電性トナーを用いる必要
がある。
【0024】本発明の別の具体例では、前述のアゾ顔料
あるいは米国特許第3554745号明細書、同第35
67438号明細書、同第3586500号明細書など
に開示のピリリウム染料、チアピリリウム染料、セレナ
ピリリウム染料、ベンゾピリリウム染料、ベンゾチアピ
リリウム染料、ナフトピリリウム染料、ナフトチアピリ
リウム染料などの光導電性を有する顔料や染料を増感剤
としても用いることができる。
【0025】また、別の具体例では、米国特許第368
4502号明細書などに開示のピリリウム染料とアルキ
リデンジアリーレン部分を有する電気絶縁重合体との共
晶錯体を増感剤として用いることもできる。この共晶錯
体は、例えば4−[4−ビス(2−クロロエチル)アミ
ノフェニル]−2,6−ジフェニルチアピリリウムパー
クロレートとポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェ
ニレンカーボネート)をハロゲン化炭化水素系溶剤、例
えばジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタン、1,
1,2−トリクロルエタン、クロルベンゼン、ブロモベ
ンゼン、1,2−ジクロルベンゼンなどに溶解した後、
これに非極性溶剤、例えばヘキサン、オクタン、デカ
ン、2,2,4−トリメチルベンゼン、リグロインなど
を加えることによって粒子状共晶錯体として得られる。
【0026】この具体例における電子写真感光体には、
スチレン−ブタジエンコポリマー、シリコーン樹脂、ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリマ
ー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ビニルア
セテート−塩化ビニルコポリマー、ポリビニルブチラー
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリ−N−ブチルメタ
クリレート、ポリエステル類、セルロースエステル類な
どを結着剤として含有することができる。
【0027】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、電子写真式製版システムなどの電子
写真応用分野にも広く用いることができる。本発明の電
子写真感光体は、高感度であり、また繰返し帯電及び露
光を行った時の明部電位と暗部電位の変動が小さい利点
を有している。
【0028】
【実施例】実施例1 下記構造式(化12)で示すジスアゾ顔料5gをブチラ
ール樹脂(ブチラール化度63モル%)2gをシクロヘ
キサノン100mlに溶解した液と共にサンドミルで2
4時間分散し、塗工液を調製した。
【化12】 この塗工液をアルミシート上に乾燥膜厚が0.2μmと
なるようにマイヤーバーで塗布し、電荷発生層を形成し
た。次に、電荷輸送物質として化合物例(1)を10g
とポリカーボネート(平均分子量2万)を10gとをク
ロロベンゼン70gに溶解し、この液を先の電荷発生層
の上にマイヤーバーで塗布し、乾燥膜厚が20μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0029】こうして作成した電子写真感光体を、川口
電機(株)製静電複写紙試験装置 Model −SP−42
8をもちいて、スタチック方式で−5KVでコロナ帯電
し、暗所で1秒間保持した後、照度20ルックスで露光
し、帯電特性を調べた。帯電特性としては、表面電位
(V0 )と1秒間暗減衰させた時の電位(V1 )を1
/2に減衰するに必要な露光量(E1/2)を測定し
た。さらに、繰り返し使用した時の暗部電位と明部電位
の変動を測定するために、本実施例で作成した電子写真
感光体をキヤノン(株)製PPC複写機NP−3525
の感光ドラム用シリンダーに貼り付けて、同機で5,0
00枚の複写を行い、初期と5,000枚複写後の暗部
電位(VD )および明部電位(VL )の変動を測定
した。なお、初期のVD とVL は各々−700V、
−200Vとなるように設定した。
【0030】また比較のために電荷輸送物質として実施
例1で用いた電荷輸送物質に代えて下記構造の化合物
(化13)(特開平2−129648号公報に例示の化
合物38)を用い、同様の電子写真感光体を作成し、同
様に電子写真特性を測定した。
【化13】 結果を下表に示す。 V0 1 E1/2 (V) (V) (lux.sec) 比較例−1 −740 −725 2.0 実施例−1 −730 −720 0.9 初 期(V) 5千枚耐久後(V) 比較例−1 VD −700 −685 VL −200 −215 実施例−1 VD −700 −685 VL −200 −210 上記の結果から明らかなように、本発明で特定する電荷
輸送物質を用いた場合は良好な感度を有し、耐久時の電
位変動も少ないことが分かる。
【0031】実施例2〜15及び比較例2〜15。この
各実施例においては実施例1で用いた電荷輸送化合物例
(1)に代え、化合物例(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(11)、(12)、(13)、(14)、(15)を
用い、かつ、電荷発生物質として下記構造式(化14)
の顔料を用い、他の条件は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作成した。
【化14】 各感光体の電子写真特性を実施例1と同様の方法によっ
て測定した。結果を示す。
【表4】
【表5】
【化15】
【化16】
【化17】
【0032】実施例16 アルミニウムシリンダ−上にカゼインのアンモニア水溶
液(カゼイン11.2g、28%アンモニア水1g、水
222ml)をブレ−ドコ−ティング法で塗布し、乾燥
膜厚1μmの下引層を形成した。次に下記構造式(化1
8)で示す電荷発生物質10g、ブチラ−ル樹脂(ブチ
ラ−ル化度63モル%)を5gとシクロヘキサノン20
0gをボ−ルミル分散機で48時間分散を行った。この
分散液を先に形成した下引層の上にブレ−ドコ−ティン
グ法により塗布し、乾燥膜厚0.15μmの電荷発生層
を形成した。
【化18】
【0033】次に、化合物例(2)を10g,ポリメチ
ルメタクリレ−ト(平均分子量5万)10gをクロロベ
ンゼン70gに溶解し、先に形成した電荷発生層の上に
ブレ−ドコ−ティング法により塗布し、乾燥膜厚19μ
mの電荷輸送層を形成した。こうして作成した電子写真
感光体に−5KVのコロナ放電を行った。この時の表面
電位を測定した(初期電位V0 )。さらに、この感光
体を1秒間暗所で放置した後の表面電位を測定した。感
度は暗減衰した後の電位V1 を1/2に減衰するに必
要な露光量(E1/2、マイクロジュ−ル/cm2
を測定することで評価した。この際、光源としてガリウ
ム/アルミニウム/ヒ素の三元系半導体レ−ザ−(出
力:5mw、発振波長780nm)を用いた。結果を示
す。 V0 :−710V、 V1 :−700V、 E1/2:3.5マイクロジュ−ル/cm2
【0034】実施例17 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ジフェ
ニルチアピリリウムパ−クロレ−ト3gと化合物例(1
8)5gをポリエステル(ポリエステルアドヒ−シブ4
9000、デュポン社製)のトルエン(50重量部)−
ジオキサン(50重量部)溶液100mlに混合し、ボ
−ルミルで6時間分散した。この分散液を乾燥後の膜厚
が15μmとなるようにマイヤ−バ−でアルミニウムシ
−ト上に塗布した。こうして作成した電子写真感光体の
電子写真特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果
を示す。 V0 :−725V、 V1 :−700V、 E1/2:0.9lux・sec。初 期 D :−700V、 VL :−20
0V、5千枚耐久後 D :−670V、 VL :−20
0V
【0035】実施例18 アルミ板上に可溶性ナイロン(6−66−610−12
四元ナイロン共重合体)の5%メタノ−ル溶液を塗布
し、乾燥膜厚が0.5μmの下引層を形成した。次に、
下記構造式(化19)の顔料5gをテトラヒドロフラン
95ml中にサンドミル分散機で20時間分散した。
【化19】 次いで化合物(2)を5gとビスフェノールZ型ポリカ
ーボネート(粘度平均分子量3万)10gをクロロベン
ゼン30mlに溶かした液を先に調製した分散液に加
え、サンドミルでさらに2時間分散した。この分散液を
先に形成した下引層上に乾燥後の膜厚が20μmとなる
ようにマイヤーバーで塗布し、乾燥した。こうして、作
成した電子写真感光体の電子写真特性を実施例1と同様
の方法で測定した。結果を示す。 V0 :−720V、 V1 :−700V、 E1/2:0.6lux,sec。
【0036】
【発明の効果】本発明の特定の化合物を電荷輸送物質と
して含有する電子写真感光体は、高感度であり、また繰
返し帯電露光による連続画像形成に際して、耐刷性、耐
オゾン安定性に優れた、即ち明部電位と暗部電位の変動
が小さい耐久性に優れた電子写真感光体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−129648(JP,A) 特開 平2−118666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 312

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)(化1) 【化1】 [式(I)中、R1 ,R2 は各々独立にメチル基、
    エチル基、メトシキ基、エトシキ基を表わし、R3
    4 は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、メ
    トシキ基、エトシキ基を表わし、Yは水素原子又は 【化2】 (R1 ,R2 ,R3 ,R4 は前述のR1 ,R
    2 ,R3 ,R4 と同一の意味を表わす。)を表わ
    す。]で示される電荷輸送材料。
  2. 【請求項2】 請求項1の電荷輸送材料を電荷輸送層に
    含有してなる積層型感光体。
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