JP2692925B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2692925B2
JP2692925B2 JP1011384A JP1138489A JP2692925B2 JP 2692925 B2 JP2692925 B2 JP 2692925B2 JP 1011384 A JP1011384 A JP 1011384A JP 1138489 A JP1138489 A JP 1138489A JP 2692925 B2 JP2692925 B2 JP 2692925B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは改善された
電子写真特性を与える低分子の有機光導電体を有する電
子写真感光体に関するものである。
〔従来技術〕
従来、電子写真感光体で用いる光導電材料として、ポ
リビニルカルバゾールをはじめとする各種の有機光導電
性ポリマーが提案されて来た。これらのポリマーは、無
機系光導電材料に較べ成膜性、軽量性などの点で優れて
いるにもかかわらず今日までその実用化が困難であった
のは、未だ十分な成膜性が得られておらず、また感度、
耐久性および環境変化による安定性の点で無機系光導電
材料に較べ劣っているためであった。また、米国特許第
4150987号公報などに開示のヒドラゾン化合物、米国特
許第3837851号公報などに記載のトリアリールピラゾリ
ン化合物、特開昭51-94828号公報、特開昭51-94829号公
報などに記載の9−スチリルアントラセン化合物などの
低分子の有機光導電体が提案されている。この様な低分
子の有機光導電体は、使用するバインダーを適当に選択
することによって、有機光導電性ポリマーの分野で問題
となっていた成膜性の欠点を解消できる様になったが、
感度の点で十分なものとは言えない。
このようなことから、近年感光層を電荷発生層と電荷
輸送層に機能分離させた積層構造体が提案された。この
積層構造を感光層とした電子写真感光体は、可視光に対
する感度、電荷保持力、表面強度などの点で改善できる
ようになった。
電荷輸送物質としてはこれ迄多くの有機化合物が挙げ
られている。例えば特開昭52-72231号公報のピラゾリン
化合物、特開昭55-52063号公報のヒドラゾン化合物、特
開昭57-195254号公報及び特開昭54-58445号公報のトリ
フエニルアミン化合物、特開昭54-151955号公報及び特
開昭58-198043号公報のスチルベン化合物、特開昭51-93
224号公報及び特開昭52-4242号公報のトリアリールアミ
ン化合物などが知られている。
しかしながら、従来の低分子の有機化合物を電荷輸送
物質に用いた電子写真感光体では感度、特性が必らずし
も十分でなく、また繰り返し帯電及び露光を行った際に
は明部電位と暗部電位の変動が大きくいまだ改善すべき
点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、高感度で且つ電位変動が小さく耐久
性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は、新規な有機光導電体を用いた電
子写真感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は、電荷発生層と電荷輸送層に機能
分離した積層型感光層における新規な電荷輸送物質を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は導電性支持体上に感光層を有する
電子写真感光体において、該感光層が下記一般式〔I〕
で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴
とする電子写真感光体である。
一般式〔I〕 ただし、式中、Ar1,Ar2,Ar3,Ar4,Ar5およびAr6は置換
基を有してもよいフエニル,ナフチル,アントラセニ
ル,ピレニル等のアリール基またはピリジル,キノリル
等のヘテロ環基を示し、アリール基及びヘテロ環基の有
してもよい置換基の具体例としては、メチル,エチル,
プロピル等のアルキル基,メトキシ,エトキシ等のアル
コキシ基、フツ素,塩素,臭素等のハロゲン原子、又は
ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジフエニルアミノ等
の置換アミノ基などが挙げられる。Ar1,Ar2,Ar3,Ar4,Ar
5およびAr6はそれぞれ同一であってもよいし、異なって
もよい。
R1およびR2は水素原子、置換基を有してもよいメチ
ル,エチル,プロピル等のアルキル基、フエニル,ナフ
チル等のアリール基、ピリジル,キノリル等のヘテロ環
基、ベンジル,フエネチル等のアラルキル基、メトキ
シ,エトキシ等のアルコキシ基、またはジメチルアミ
ノ,ジエチルアミノ等の置換アミノ基を示す。これらの
置換基の具体例としては、メチル,エチル,プロピル等
のアルキル基、メトキシ,エトキシ等のアルコキシ基、
フツ素,塩素,臭素等のハロゲン原子、フエニル,ナフ
チル等のアリール基などが挙げられる。また、R1および
R2はそれぞれ同一であってもよいし異なってもよい。n
は2または3の整数を示す。
本発明のアリールアミン化合物はトリアリールアミン
をアルキル鎖で結合させたものであり、これにより、高
感度でしかも耐久時の電位安定性の優れた電子写真感光
体を提供することができたものである。本発明のアリー
ルアミン化合物を用いた電子写真感光体がこのような優
れた特性を示す理由は定かではないが、中心部にアルキ
ル鎖を2個以上とすることにより、両端のトリアリール
アミンの結晶化時のスタツキングが良好となるためと考
えられる。
以下に一般式〔I〕で示されるアリールアミン化合物
についてその代表例を挙げるが、本発明に用いるアリー
ルアミン化合物はこれらに限定されるものではない。
次に前記化合物の合成例を示す。
(化合物No.10の合成法) 温度計および還流管をつけた100ml三ツ口フラスコに
4,4′ジアミノジフエニルエタン5.0g(0.024mol),ヨ
ードアニソール41.0g(0.19mol),無水炭酸カリウム2
0.7g(0.150mol)及び銅粉3.8gを入れ、180℃にて10時
間加熱撹拌を続けた。冷却後トルエン30mlを加え濾過を
行った。濾液を濃縮して濃縮残渣に50mlのメタノールを
加えて黄かっ色固体を得た。この粗成物をシリカゲルカ
ラムにかけ展開溶媒トルエン−ヘキサン混合系で展開
し、溶媒を減圧留去して無色固体(化合物No.11)を7.8
2g(収率51.2%)の収率で単離した。m.p.172〜174℃ 元素分析 C H N 理論値 79.22% 6.33% 4.46% 実測値 79.17% 6.21% 4.51% なお、合成例以外の化合物についても、同様な手法で
合成される。
本発明の好ましい具体例では、感光層を電荷発生層と
電荷輸送層に機能分離した電子写真感光体の電荷輸送層
に含有される電荷輸送物質として前記一般式で示される
化合物を用いることができる。
本発明による電荷輸送層は、前記の一般式で示される
化合物と結着剤とを適当な溶剤に溶解せしめた溶液を塗
布し、乾燥せしめることにより形成させることが好まし
い。ここに用いる結着剤としては、例えばポリアリレー
ト樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フエノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリウレタンあるいは共重合体樹脂例えばスチレ
ン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリ
ルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマーなどを
挙げることができる。また、このような絶縁性ポリマー
の他に、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラ
センやポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーも
使用できる。
この結着剤と本発明の電荷輸送物質との配合割合は、
結着剤100重量部当り電荷輸送物質を10〜500重量とする
ことが好ましい。
電荷輸送層は、下述の電荷発生層と電気的に接続され
ており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷
キヤリアを受けとるとともに、これらの電荷キヤリアを
表面まで輸送できる機能を有している。この際、この電
荷輸送層は、電荷発生層の上に積層されていてもよく、
またその下に積層されていてもよい。しかし、電荷輸送
層は、電荷発生層の上に積層されていることが望まし
い。この電荷輸送層は、電荷キヤリアを輸送できる限界
があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができな
い。一般的には、5μm〜40μmであるが、好ましい範
囲は10μm〜30μmである。
この様な電荷輸送層を形成する際に用いる有機溶剤
は、使用する結着剤の種類によって異なり、又は電荷発
生層や下述の下引層を溶解しないものから選択すること
が好ましい。具体的な有機溶剤としては、メタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドな
どのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエー
テル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、ク
ロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化
炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化
水素類あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノク
ロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類などを
用いることができる。
塗工は、浸漬コーテイング法、スプレーコーテイング
法、スピンナーコーテイング法、マイヤーバーコーテイ
ング法、ブレードコーテイング法などのコーテイング法
を用いて行うことができる。乾燥は、室温における指触
乾燥後、加熱乾燥する方法が好ましい。加熱乾燥は、一
般的には30℃〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲の時
間で、静止または送風下で行うことが好ましい。
本発明の電荷輸送層には、種々の添加剤を含有させて
用いることもできる。例えば、ジフエニル、m−ターフ
エニル、ジブチルフタレートなどの可塑剤、シリコンオ
イル、グラフト型シリコンポリマー、各種フルオロカー
ボン類などの表面潤滑剤、ジシアノビニル化合物、カル
バゾール誘導体などの電位安定剤、β−カロチン、Ni錯
体、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの酸化
防止剤などを挙げることができる。
本発明で用いる電荷発生層は、セレン、セレン−テル
ル、アモルフアスシリコン等の無機の電荷発生物質、ピ
リリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム
系染料、チアシアニン系染料、キノシアニン系染料、ア
ズレニウム系染料等のカチオン染料、スクバリリウム塩
系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔
料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料
等の多環キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系
顔料、アゾ系顔料等の有機の電荷発生物質から選ばれた
材料を単独ないしは組合わせて用い、蒸発層あるいは塗
布層として用いることができる。
本発明に使用される上記電荷発生物質のうち、アゾ系
顔料は多岐にわたっているが、特に効果の高いアゾ系顔
料の代表的構造例を以下に示す。
アゾ系顔料の一般式として、下記のように中心骨格を
A、 AN=N−Cp)n カプラー部分をCpとして表わせば(ここでn=2,or
3)、まずAの具体例としては次のようなものが挙げら
れる。
また、Cpの具体例としては 等が挙げられる。これら中心骨格A及びカプラーCpは適
宜組合せにより電荷発生物質となる顔料を形成する。
電荷発生層は、前述の電荷発生物質を適当な結着剤に
分散させ、これを支持体の上に塗工することによって形
成でき、また、真空蒸着装置により蒸着膜を形成するこ
とによって得ることができる。上記結着剤としては広範
な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニルピレ
ンなどの有機光導電性ポリマーから選択できる。好まし
くは、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフ
エノールAとフタル酸の縮重合体など)、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、フエノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミ
ド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドンなどの絶縁性樹脂を挙げるこ
とができる。
電荷発生層中に含有する樹脂は、80重量%以下、好ま
しくは40重量%以下が適している。塗工の際に用いる有
機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのア
ミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール
モノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢
酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレ
ンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロ
ルベンゼンなどの芳香族類などを用いることができる。
電荷発生層は、十分な吸光度を得るために、できる限
り多くの前記有機光導電体を含有し、且つ発生した電荷
キヤリアの寿命内にキヤリアを電荷輸送層へ注入するた
めに、薄膜層、例えば5μm以下、好ましくは0.01μm
〜1μmの膜厚をもつ薄膜層とすることが好ましい。
この様な電荷発生層と電荷輸送層の積層構造からなる
感光層は、導電性支持体の上に設けられる。導電性支持
体としては、支持体自体が導電性をもつもの、例えばア
ルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス
などを用いることができ、その他にアルミニウム、アル
ミニウム合金、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウ
ム−酸化錫合金などを真空蒸着法によって被膜形成され
た層を有するプラスチツク、導電性粒子(例えば、アル
ミニウム粉末、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、カーボ
ンブラツク、銀粒子など)を適当なバインダーとともに
プラスチツク又は前記金属支持体の上に被覆した支持
体、導電性粒子をプラスチツクや紙に含浸した支持体や
導電性ポリマーを有するプラスチツクなどを用いること
ができる。
導電性支持体と感光層の中間に、バリヤー機能と接着
機能をもつ下引層を設けることもできる。下引層は、カ
ゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エ
チレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アル
コキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウムなどによって形成できる。
下引層の膜厚は、0.1μm〜5μm、好ましくは0.5μ
m〜3μmが適当である。
本発明の別の具体例では、前述のジスアゾ顔料あるい
は、米国特許第3554745号、同第3567438号、同第358650
0号公報などに開示のピリリウム染料、チアピリリウム
染料、セレナピリリウム染料、ベンゾピリリウム染料、
ベンゾチアピリリウム染料、ナフトピリリウム染料、ナ
フトチアピリリウム染料などの光導電性を有する顔料や
染料を増感剤としても用いることができる。
また、別の具体例では、米国特許第3684502号公報な
どに開示のピリリウム染料とアルキリデンジアリーレン
部分を有する電気絶縁重合体との共晶錯体を増感剤とし
て用いることもできる。この共晶錯体は、例えば4−
[4−ビス−(2−クロロエチル)アミノフエニル]−
2,6−ジフエニルチアピリリウムパークロレートとポリ
(4,4′−イソプロピリデンジフエニレンカーボネー
ト)をハロゲン化炭化水素系溶剤(例えばジクロルメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロルエタ
ン、1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、
クロルベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジクロルベン
ゼン)に溶解した後、これに非極性溶剤(例えば、ヘキ
サン、オクタン、デカン、2,2,4−トリメチルベンゼ
ン、リグロインを加えることによって粒子状共晶錯体と
して得られる。この具体例における電子写真感光体に
は、スチレン−ブタジエンコポリマー、シリコン樹脂、
ビニル樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリ
マー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ビニル
アセテート−塩化ビニルコポリマー、ポリビニルブチラ
ール、ポリメチルメタクリレート、ポリ−N−ブチルメ
タクリレート、ポリエステル類、セルロースエステル類
などを結着剤として含有することができる。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用す
るのみならず、レーザープリンター、CRTプリンター、
電子写真式製版システムなどの電子写真応用分野にも広
く用いることができる。
本発明によれば、高感度の電子写真感光体を与えるこ
とができ、また繰り返し帯電および露光を行った時の明
部電位と暗部電位の変動が小さい利点を有している。
以下、本発明を実施例に従って説明する。
実施例1 下記構造式 で示されるジスアゾ顔料5gをブチラール樹脂(ブチラー
ル化度63モル%)2gをシクロヘキサノン100mlに溶解し
た液とともにサンドミルで24時間分散し塗工液を調製し
た。
この塗工液をアルミシート上に乾燥膜厚が0.2μmと
なる様にマイヤーバーで塗布し電荷発生層を作成した。
次に電荷輸送物質として前記例示化合物No.(10)10g
とポリカーボネート樹脂(重量平均分子量20000)10gを
モノクロルベンゼン70gに溶解し、この液を先の電荷発
生層の上にマイヤーバーで塗布し乾燥膜厚が20μmの電
荷輸送層を設け電子写真感光体を作成した。
この様にして作成した電子写真感光体を静電複写紙試
験装置(Model−SP−428:川口電機製)を用いてスタチ
ツク方式で−5KVでコロナ帯電し、暗所で1秒間保持し
た後、照度20luxで露光し帯電特性を調べた。
帯電特性としては、表面電位(V0)と1秒間暗減衰さ
せた時の電位(V1)を1/2に減衰するに必要な露光量(E
1/2)を測定した。
さらに、繰り返し使用した時の明部電位と暗部電位の
変動を測定するために、本実施例で作成した感光体をPP
C複写機(NP-3525:キヤノン製)の感光ドラム用シリン
ダーに貼り付けて、同機で5000枚複写を行ない、初期と
5000枚複写後の明部電位(VL)及び暗部電位(VD)の変
動を測定した。
なお、初期のVDとVLは各々−700V,−200Vとなる様に
設定した。また比較のために電荷輸送物質として前記例
示化合物の代わりに下記構造式で示される化合物(A)
を用いて、同様の方法で感光体を作成し、同様に測定を
行った。
この結果を第1表に示す。
第1表より明らかに本発明の化合物を用いた感光体は
良好な感度を有し、耐久時の電位変動も少ないことが判
かる。
実施例2〜14 この各実施例においては、電荷輸送物質として前記実
施例1で用いた例示化合物No.(10)の代りに例示化合
物No.(1),(4),(5),(6),(8),(1
4),(15),(17),(22),(24),(28),(3
1),(37)を用い、かつ電荷発生物質として下記構造
のジスアゾ顔料を用いたほかは、実施例1と同様の方法
によって電子写真感光体を作成した。
各感光体の電子写真特性を実施例1と同様の方法によ
って測定した。その結果を次の第2表に示す。
実施例15 アルミニウムシリンダー上にカゼインのアンモニア水
溶液(カゼイン11.2g,28%アンモニア水1g,水222ml)を
ブレードコーテイング法で塗布し、乾燥膜厚1μmの下
引層を形成した。
次に下記構造式 で示される電荷発生物質10g、ブチラール樹脂(ブチラ
ール化度63モル%)5gとシクロヘキサノン200gを、ボー
ルミル分散機で48時間分散を行った。この分散液を先に
形成した下引層の上にブレードコーテイング法により塗
布し、乾燥膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に前記例示化合物No.(12)10g、ポリメチルメタク
リレート樹脂(重量平均分子量50000)10gをモノクロル
ベンゼン70gに溶解し、先に形成した電荷発生層の上に
ブレードコーテイング法により塗布し、乾燥膜厚19μm
の電荷輸送層を形成した。
こうして作成した感光体に−5KVのコロナ放電を行な
った。この時の表面電位を測定した(初期電位V0)。さ
らに、この感光体を1秒間暗所で放置した後の表面電位
を測定した。感度は、暗減衰した後の電位V1を1/2に減
衰するに必要な露光量(E1/2,μJ/cm2)を測定すること
によって評価した。この際、光源としてガリウム/アル
ミニウム/ヒ素の三元系半導体レーザー(出力:5mW;発
振波長780nm)を用いた。これらの結果は、次のとおり
であった。
V0:−700V V1:−697V E1/2:0.65μJ/cm2 次に同上の半導体レーザーを備えた反転現像方式の電
子写真方式プリンターであるレーザービームプリンター
(LBP-CX:キヤノン製)に上記感光体をセツトし、実際
の画像形成テストを用いた。条件は以下の通りである。
一次帯電後の表面電位;−700V、像露光後の表面電位;
−150V(露光量2.0μJ/cm2)、転写電位;+700V、現像
剤極性;負極性、プロセススピード;50mm/sec、現像条
件(現像バイアス);−450V、像露光スキヤン方式;イ
メージスキヤン、一次帯電前露光;50lux・secの赤色全
面露光。画像形成はレーザービームを文字信号及び画像
信号に従ってラインスキヤンして行ったが、文字、画像
共に良好なプリントが得られた。更に、連続3000枚の画
出しを行ったところ初期から3000枚まで安定した良好な
プリントが得られた。
実施例16 4−(4−ジメチルアミノフエニル)−2,6−ジフエ
ニルチアピリリウムパークロレート3gと前記例示化合物
No.(13)5gをポリエステル(ポリエステルアドヒーシ
ブ49000:デユポン社製)のトルエン(50重量部)−ジオ
キサン(50重量部)溶液100mlに混合し、ボールミルで
6時間分散した。この分散液を乾燥後の膜厚が15μmと
なる様にマイヤーバーでアルミニウムシート上に塗布し
た。
この様にして作成した感光体の電子写真特性を実施例
1と同様の方法で測定した。この結果を次に示す。
V0:−705V V1:−703V E1/2:1.5lux・sec 初期 VD:−700V VL:−200V 5000枚耐久後 VD:−680V VL:−205V 実施例17 4−(4−ジメチルアミノフエニル)−2,6−ジフエ
ニルチアピリリウムパークロレート3gとポリ(4,4′−
イソプロピリデンジフエニレンカーボネート)3gをジク
ロルメタン200mlに十分に溶解した後、トルエン100mlを
加え、共晶錯体を沈殿させた。この沈殿物を濾別した
後、ジクロルメタンを加えて再溶解し、次いでこの溶液
にn−ヘキサン100mlを加えて共晶錯体の沈殿物を得
た。
この共晶錯体5gをポリビニルブチラール2gを含有する
メタノール溶液95mlに加え、6時間ボールミルで分散し
た。この分散液をカゼイン層を有するアルミ板の上に乾
燥後の膜厚が0.4μmとなる様にマイヤーバーで塗布し
て電荷発生層を形成した。
次いで、この電荷発生層の上に例示化合物No.(15)
を用いる以外は実施例1と全く同様にして電荷輸送層の
被覆層を形成した。
こうして作成した感光体の電子写真特性を実施例1と
同様の方法によって測定した。この結果を次に示す。
V0:−700V V1:−685V E1/2:1.4lux・sec 初期 VD:−700V VL:−200V 5000枚耐久後 VD:−675V VL:−235V 実施例18 アルミ板上にカゼインのアンモニア水溶液(カゼイン
11.2g,28%アンモニア水1g,水222ml)をマイヤーバーで
塗布し、乾燥膜厚が1μmの下引層を形成した。その上
に実施例8の電荷輸送層及び電荷発生層を順次積層し、
層構成を異にする以外は実施例8と全く同様にして感光
体を形成し、実施例8と同様に帯電特性を測定した。た
だし、帯電極性をとした。この結果を以下に示す。
V0:670V V1:215V E1/2:2.3lux・sec 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によるアリールアミン化
合物を含有する感光層を有する電子写真感光体は高感度
であり、また繰返し帯電・露光による連続画像形成に際
して明部電位と暗部電位の変動が小さく耐久性に優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、化合物例No.(11)の赤外吸収スペクトル図
(KBr錠剤法)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 憲裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−163748(JP,A) 特開 昭52−4242(JP,A) 特開 昭52−23351(JP,A) 特開 昭54−65038(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
    感光体において、該感光層が下記一般式[I]で示され
    るアリールアミン化合物を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。 一般式[I] (ただし、式中、Ar1,Ar2,Ar3,Ar4,Ar5およびAr6は置換
    基を有してもよいアリール基またはヘテロ環基を示す。
    R1およびR2は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテ
    ロ環基、アラルキル基、アルコキシ基または置換アミノ
    基を示す。nは2または3の整数を示す。)
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