JP2779633B2 - スピーカ用ボイスコイルボビン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はスピーカ用ボイスコイルボビンに関する。

（従来の技術） この種のボイスコイルボビンの基材としては種々のも
のがあるが、スピーカの性能の音質向上をさせるため、
高弾性、高強度、耐熱性等ばかりでなく、軽量化も要求
される。

従来のボイスコイル用ボビンとして高強度化をはかる
ために一例として、第３図に示すように、アルミボビン
の如き金属ボビン基材２′の上に芳香族ポリイミド樹脂
フィルム３′を接着剤ａ′によりラミネート接着を行い
使用していた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記構成のボイスコイルボビンにおい
ては接着剤ａ′を使用することにより、重量が重くなる
こと、また、接着剤ａ′の影響によりスピーカの音質性
能が劣化してしまうという問題点があった。

また、ボビンの製造工程が煩雑となることも問題であ
った。

本発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目
的とするところは、金属製のボビンに耐熱性の優れた芳
香族ポリイミドをコーティングすることにより、ボビン
の剛性強度を変えることなく軽量化を図るとともに、巻
線との絶縁も図り得、しかも巻線、振動板等との接着性
の向上も図り、製造も容易とし、かつ音質性能が劣化す
ることのないスピーカ用ボイスコイルボビンを提供する
ことにある。

（課題を解決するための手段） 本発明では、外周にボイスコイルが巻回され、かつ振
動板に接続されるボイスコイルボビンにおいて、このボ
イスコイルボビンは、金属ボビン基材の表面に芳香族ポ
リイミド樹脂の液状樹脂をコーティングさせ、かつ乾燥
させて構成することにより、上記目的を達成している。

（作用） 金属ボビン基材上に設ける樹脂自体が液状のものをコ
ーティングし、それを乾燥させるようにし、接着剤を不
用としている。

また、金属ボビン基材とその外周に巻回される巻線と
の絶縁を図るなどしている。

（実施例１） 第１図（ａ），（ｂ）は本発明の第１実施例を示すも
ので、図中１は層状形をなすボイスコイルボビン本体
で、このボビン本体１は、アルミ等からなる金属ボビン
基材２の外表面に芳香族ポリイミド樹脂の如き液状の樹
脂をコーティング後、乾燥して構成されている。図中３
はその樹脂層を示し、金属ボビン基材２と一体化され
る。

また、４は上記のボビン本体１の外表面の下方に巻回
されたボイスコイル巻線部、５はその引出された引出線
4aを押えるべく上方部に必要に応じ巻回された補強紙で
ある。

しかして、上記構成のボイスコイルボビン本体１では
特に接着剤を用いなくとも芳香族ポリイミド樹脂等を層
状に形成できるようにしてあるため、従前のように接着
剤の分だけ重量が増すことがなく、また、製造も簡単と
なり、音質の面でも良好となる。

また、金属ボビン基材２に樹脂層３を設けてあるた
め、耐熱性、絶縁性、剛性に優れ、剛性を有することか
ら、スピーカユニットに組込んだ場合、振動板に駆動力
を忠実に伝達させることができる。

（実施例２） 第２図は本発明の第２実施例を示すもので、この実施
例では金属ボビン基材２の内・外表面に前述の実施例の
ようにしてそれぞれ樹脂層３を設け、より剛性を向上さ
せたことに特徴を有している。

（発明の効果） 以上のように構成した本発明によれば、特に接着剤を
用いなくとも芳香族ポリイミド樹脂の樹脂層を形成でき
るため、剛性を損うことなくその分軽量化を図り得る効
果がある。

また、金属製ボビンと巻線との絶縁を図ることがで
き、かつ巻線、振動板等との接着性の向上も図ることが
できる。

また、製造が容易であり、量産に適し、ひいてはコス
トダウンを図ることができる。

さらに、接着剤の影響によりスピーカの音質性能が劣
化することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本発明の第１実施例のスピーカ用ボイス
コイルボビンの斜視図、（ｂ）図は同上の部分断面図、
第２図は本発明の第２実施例のスピーカ用ボイスコイル
ボビンの部分断面図、第３図は従来例である。 １……ボイスコイルボビン ２……金属ボビン基材 ３……樹脂層

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外周にボイスコイルが巻回され、かつ振動
   板に接続されるボイスコイルボビンにおいて、このボイ
   スコイルボビンは、円筒状の金属ボビン基材の表面に芳
   香族ポリイミド樹脂の液状樹脂をコーティングさせ、か
   つ乾燥させ、層状構造にてなることを特徴としたスピー
   カ用ボイスコイルボビン。