JP2774515B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2774515B2
JP2774515B2 JP63192355A JP19235588A JP2774515B2 JP 2774515 B2 JP2774515 B2 JP 2774515B2 JP 63192355 A JP63192355 A JP 63192355A JP 19235588 A JP19235588 A JP 19235588A JP 2774515 B2 JP2774515 B2 JP 2774515B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、流体トルクコンバータを備えた自動変速機
に係り、詳しくはその入力軸の支持構造及びトルクコン
バータフィード圧の油路構造に関する。
(ロ) 従来の技術 従来、自動変速機前端部分は、第5図に示すように、
トルクコンバータ109のステータ194を支持するワンウェ
イクラッチ195を有しており、該ワンウェイクラッチの
インナーレース195aの内周面にステータシャフト113が
固定され、該シャフトは後方に延びてポンプカバー120
に圧入・固定され、ステータ反力を担持している。ま
た、ステータシャフト113は中空軸からなり、該中空軸
内には入力軸103がブッシュ110,111を介して回動自在に
支持されている。そして、入力軸103は前端側が細径と
なる段付き構造となっており、該段部太径部103aに環状
の凹溝101が形成され、該凹溝内にシールリング102が装
着されて、該シールンリングと前記フロントブッシュ11
1との間の入力軸細径部103b外周とステータシャフト113
内周面との間でトルクコンバータフィード圧油路116を
構成している。更に、該油路のフィード圧は、入力軸10
3に形成された横孔103c及び中心孔103d、更にコンバー
タフロントカバー191とタービンハブ196との間を通って
トルクコンバータ109内に供給されている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかし、上述自動変速機は、シールリング102とブッ
シュ111とでトルクコンバータフィード圧油路116を構成
しているので、入力軸103の組付け時、シールリング102
にカジリを生じ、油路構成を不完全なものにしてしまう
ことがある。また、シールリング用の凹溝101の加工が
必要であると共に、該凹溝用の肉厚確保のため、入力軸
103を段付き構造とする必要があり、機械加工の増加と
共に組付けをも面倒にしている。
また、入力軸103の前端部にフロントブッシュ111を配
置しているので、シールリング102との間に形成される
油路116の軸方向長さが比較的長くなり、気泡の混入等
によるロックアップクラッチの応答性が悪くなる場合が
あるだけでなく、入力軸103の前端部は振れ回りが生じ
すいため、該フロントブッシュ111は、リヤブッシュ110
と比較して摩耗に対して不利である。
更に、自動変速機の軽量化のため、ポンプカバー120
をアルミ合金にて形成した場合、材質の異なるステータ
シャフト113をポンプカバー120の内周面に圧入固定する
必要があるが、圧入部がブッシュにてバックアップされ
ていないと、入力軸の振れ回りに起因してステータシャ
フトの圧入強度が不足し、ステータシャフト113が空転
しまう虞がある。
そこで、本発明は、オイルポンプ内周部位部分に、2
個のブッシュを近接して配置し、これら両ブッシュにて
トルクコンバータフィード圧油路を構成し、もって上述
課題を解決した自動変速機を提供することを目的とす
る。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであって、
エンジ出力軸(21)の回転を入力軸(3)に伝達するト
ルクコンバータ(9)、及び該入力軸の回転を適宜変速
して出力部材(5)に伝達する自動変速機構部(1)を
備えてなる自動変速機(A)において、 前記トルクコンバータ(9)のステータ反力を担持す
るステータシャフト(13)を、前記トルクコンバータ
(9)と自動変速機構部(1)との間に位置するオイル
ポンプのポンプカバー(20)内周面に一体的に固定し、 前記入力軸は、一端が前記トルクコンバータ内に開口
する中心孔(3d)と、該中心孔)の他端側と該入力軸外
周とを連通する横孔(3c)とを有し、 前記ステータシャフト内周面と前記入力軸外周面との
間における前記ポンプカバー(20)の内周に対向する部
位部分に、前記横孔(3c)を挟んで2個のブッシュ(1
0)(11)を近接して介装し、 これら2個のブッシュにて、前記入力軸を前記ステー
タシャフトに回転自在に支持し、 また前記両ブッシュの間、前記入力軸の横孔(3c)及
び中心孔(3d)にて、前記トルクコンバータ(9)に供
給するトルクコンバータフィード圧用の油路を構成し
た、 自動変速機。
一例として、前記ポンプカバー(20)は、アルミ合金
製であり、前記ステータシャフト(13)は、該ポンプカ
バー内周面に圧入固定されてなる。
(ホ)作用 以上構成に基づき、入力軸(3)の前端部は、比較的
近接したブッシュ(10),(11)により回転自在に支持
されている。この際、入力軸(3)の先端部分は、振れ
回りが生じやすいが、ポンプカバーにてバックアップさ
れている2個のブッシュ(10,11)により支持され、か
つ該入力軸先端は、自由端となっている。また、トルク
コンバータフィード圧は、ポンプカバー(20)に形成さ
れた油路(a)から近接配置された両ブッシュ(10),
(11)の間の油路(16)に供給され、更に入力軸(3)
に形成した横孔(3c)及び中心孔(3d)を通ってトルク
コンバータ(9)に供給される。また、ステータシャフ
ト(13)はポンプカバーに圧入等により固定されている
が、該ポンプカバー内周に対向する部位部分はブッシュ
(10),(11)によりバックアップされている。
なお、カッコ内の符号は、参照のために図面の各部品
と対照するものであって、何等構成を限定するものでは
ない。
(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って、本発明による実施例について説
明する。
まず、本発明を適用した自動変速機Aについて、第2
図に沿ってその概要を説明するに、自動変速機Aはエン
ジンクランク軸21に整列する入力軸3、カウンタ軸22及
びフロントアクスル軸23a,23bの3軸を有しており、入
力軸3上にはロックアップクラッチ25を有するトルクコ
ンバータ9及び第1の自動変速機構部1が支持され、ま
たカウンタ軸22上には第2の自動変速機構部27が支持さ
れ、更にフロントアクスル軸23a,23b上にはフロントデ
ィファレンシャル装置29が支持されている。
第1の自動変速機構部1はシングルプラネタリギヤ30
及びデュアルプラネタリギヤ31を組合せてなるプラネタ
リギヤユニット2を有しており、該プラネタリギヤユニ
ット2は前記両プネタリギヤのサンギヤS1同士及びキャ
リヤCR1同士が一体に連結して構成され、またサンギヤS
1に噛合するピニオンがロングピニオンP1により構成さ
れている。そして、入力軸3とシングルプラネタリギヤ
30のリングギヤR1とが第1の(フォワード)クラッチC1
を介して連結されており、また入力軸3とサンギS1とが
第2の(リバース&ダイレクト)クラッチC2を介して連
結されている。また、サンギヤS1が第1のブレーキB1に
より直結係止されていると共に、第2のブレーキB2によ
り第1のワンウェイクラッチF1を介してその一方向回転
が係止されている。また、デュアルプラネタリギヤ31の
リングギヤR2が第3のブレーキB3により直接係止されて
いると共に第2のワンウェイクラッチF2により一方向回
転が係止されている。そして、キャリヤCR1がケース隔
壁に支持されているカウンタドライブギヤ5に連結され
ており、該ギヤ5が該第1の自動変速機構部1の出力部
材となる。
また、第2の自動変速機構部27は1個のシングルプラ
ネタリギヤ32を有しており、該プラネタリギヤのキャリ
ヤCR3とサンギヤS3とが第3の(ダイレクト)クラッチC
3を介して連結されている。また、サンギヤS3が第4の
(アンダードライブ)ブレーキB4にて直接係止されてい
ると共に第3のワンウェイクラッチF3により一方向回転
が係止されている。そして、リングギヤR3が、前記カウ
ントドライブギヤ5と噛合して本自動変速機構部27の入
力部材となるカウンタドリブンギヤ33に連結されてお
り、またキャリヤCR3がカウンタ軸22に連結されてい
る。更に、該カウンタ軸22には該自動変速機構部27の出
力部材となる減速ギヤ35が固定されている。
また、フロントディファレンシャル装置29はデフキャ
リヤ36及び左右サンギヤ37a,37bを有しており、ギヤマ
ウントケースとなるデフキャリヤ36にはリングギヤ39が
固定されている。そして、該リングギヤ39が前記減速ギ
ヤ35と噛合して最終減速機構を構成しており、また左右
サイドギヤ37a,37bがそれぞれ左右フロントアクスル軸2
3a,23bに連結されている。
ついで、本自動変速機Aの作動を、第3図に沿って説
明する。
エンジンクランク軸21の回転はトルクコンバータ9を
介して又はロックアップクラッチ25を介して入力軸3に
伝達される。そして、Dレンジにおける1速状態にあっ
ては、第1のクラッチC1が接続状態にあると共に第4の
ブレーキB4が係止状態にある。この状態にあっては、第
1の自動変速機構部1は、入力軸3の回転が第1のクラ
ッチC1を介してシングルプラネタリギヤ30のリングギヤ
R1に伝達され、かつこの状態では、デュアルプラネタリ
ギヤ31のリングギヤR2が第2のワンウェイクラッチF2に
より回転が阻止されているので、サンギヤS1を逆方向に
空転させながら共通のキャリヤCR1が正方向に大幅減速
回転され、該回転がカウンタドライブギヤ5から取出さ
れる。そして、第2の自動変速機構部27は、第4のブレ
ーキB4及び第3のワンウェイクラッチF3によりサンギヤ
S3が係止状態にあり、カウンタドリブンギヤ33からの回
転はリングギヤR3からキャリヤCR3に減速回転として取
出される。従って、第1の自動変速機構部1の1速回転
と第2の自動変速機構部27の減速回転が組合されて、該
回転が減速ギヤ35及びリングギヤ39を介してフロントデ
ィファレンシャル装置29に伝達され、更に左右フロント
アクスル軸23a,23bに伝達される。
また、Dレンジにおける2速状態では、第1のクラッ
チC1の接続及び第4のブレーキB4の作動に加えて第2の
ブレーキB2が作動する。すると、サンギヤS1が該ブレー
キB2に基づく第1のワンウェイクラッチF1の作動により
回転が停止され、従って入力軸3からリングギヤR1の回
転は、デュアルプラネタリギヤ31のリングギヤR2を正方
向に空転させながらキャリヤCR1を正方向に減速回転
し、該回転がカウンタドライブギヤ5に2速として取出
される。更に、第2の自動変速機構部27は減速状態のま
まであり、第1の自動変速機構部1の2速及び該第2の
自動変速機構部27の減速回転が組合された回転がフロン
トアクスル軸23a,23bに伝達される。
Dレンジにおける3速状態は、第1の自動変速機構部
1はそのまま2速状態を維持し、第2の自動変速機構部
27における第4のブレーキB4を解放すると共に第3のク
ラッチC3を係合する。すると、キャリヤCR3とサイドギ
ヤS3とが一体となり、プラネタリギヤ32が一体回転し
て、直結回転がカウンタ軸22に取出される。この際、第
4のブレーキB4を第3のクラッチC3の係合に対して早目
に解放し、第3のワンウェイクラッチF3により伝動不能
になることを阻止しつつ切換える。従って、第1の自動
変速機構部1の2速回転と第2の自動変速機構部27の直
結回転が組合されて、自動変速機A全体としての3速が
得られる。
なお、Dレンジにおける2,3速へのダウンシフト時、
第1のブレーキB1も作動して、コースト時にエンジブレ
ーキを作動する。
Dレンジにおける4速状態では、第3速状態から第2
のクラッチC2が接続する。すると、入力軸3から第1の
クラッチC1を介してリングギヤR1に伝達されると共に第
2のクラッチC2を介してサンギヤS1に伝達され、プラネ
タリギヤユニット2が一体回転して、直結回転がカウン
タドライブギヤ5に伝達される。そして、該第1の自動
変速機構部1の直結回転と第2の自動変速機構部27の直
結回転が組合され、かつカウンタドライブギヤ5とドリ
ブンギヤ33が所定増速関係となっているので、自動変速
機A全体でオーバードライブ回転が得られる。なおこの
際、2速、3速において第1のブレーキB1が作動してい
る場合、4速へのアップシフトに際して該第1のブレー
キB1を早目に解放して、第1のワンウェイクラッチF1に
よりサンギヤS1を係止しつつ第2のクラッチC2を接続し
て、つかみ変えによるシフトショックの発生を防止す
る。
また、3レンジは、上述Dレンジの1速、2速、3速
において、2,3速時に第1のブレーキB1を作動した状態
と同じである。
また、2レンジは、上述3レンジの1速、2速状態と
同じである。
更に、1レンジは、1速状態において、第1のクラッ
チC1の接続及び第4のブレーキB4の作動に加えて、第3
のブレーキB3が作動する。この状態あっては、リングギ
ヤR2を第2のワンウェイクラッチF2による係止に加えて
第3ブレーキB3が回転方向にかかわりなく係止し、エン
ジンブレーキを作動する。また、2速状態は、2レンジ
における2速と同じである。
そして、リバースレンジにあっては、第2のクラッチ
C2を接続すると共に、第3のブレーキB3及び第4のブレ
ーキB4が作動する。この状態にあっては、入力軸3の回
転は第2のクラッチC2を介してサンギヤS1に伝達され、
かつこの状態ではデュアルプラネタギヤ31のリングギヤ
R2が第3のブレーキB3の作動により固定されているの
で、シングルプラネタリギヤ30のリングギヤR1を逆転さ
せながらキャリヤCR1も逆転し、該キャリヤの逆転がカ
ウンタドライブギヤ5に取出される。更に、該カウンタ
ドライブギヤ5の逆回転は、第2の自動変速機構部27に
より減速され、フロントアクスル軸23a,23bに伝達され
る。
ついで、第4図に基づき、上述自動変速機Aを具体化
した実施例について説明する。
自動変速機Aは、トランスアクスルケース6、トラン
スアクスルハウジング41、リヤカバー42からなる一体ケ
ースを有しており、該ケースには入力軸3、カウンタ軸
22及びフロントディファレンシャル装置29のデフキャリ
ヤとなるリングギヤマウントケース36が回転自在に支持
されている。そして、入力軸3上にはロックアップクラ
ッチ25を有するトルクコンバータ9及び第1の自動変速
機構部1が配設されており、またカウンタ軸22上には第
2の自動変速機構部27が配設されている。また、トラン
スアクスルケース6にはバルブボディ44が配設されてい
る。
第1の自動変速機構部1は、エンジンクランク軸より
軸方向に後側に向かってブレーキ部43、出力部45、プラ
ネタリギヤユニット2そしてクラッチ部47が順に配置さ
れており、更にブレーキ部43とトルクコンバータ9との
間部分にはオイルポンプ49が配設されており、また入力
軸3に被嵌して回転自在に中空軸50が支持されている。
そして、プラネタリギヤユニット2は、シングルプラ
ネタリギヤ30とデュアルプラネタリギヤ31からなり(第
2図参照)、シングルプラネタリギヤ30は中空軸50に形
成されサンギヤS1、リングギヤR1、及びこれらギヤに噛
合するピニオンP1を支持したキャリヤCR1からなり、ま
たデュアルプラネタリギヤ31は中空軸50に形成されたサ
ンギヤS1、リングギヤR2、並びにサンギヤS1に噛合する
第1ピニオンP1及びリングギヤR2に噛合する第2ピニオ
ンP2を互に噛合するように支持するキャリヤCR1からな
る。そして、これら両プラネタリギヤ30,31はサンギヤS
1が共に中空軸50に形成された同歯数の単一ギヤからな
り、またキャリヤCR1は一体に構成されており、またピ
ニオンP1は一体のロングピニオンにて構成されている。
また、ブレーキ部43には、第1図に詳示するように、
内径側から外径方向に向って順次第1のワンウェイクラ
ッチF1、多板ブレーキからなる第1のブレーキB1そして
多板ブレーキからなる第2のブレーキB2が配設されてい
る。そして、第1のワンウェイクラッチF1はそのインナ
ーレース51に前記中空軸50の先端がスプライン係合して
おり、またそのアウターレース52に外径側に延びる第2
ブレーキ用ハブ53が固定されている。また、該ワンウェ
イクラッチF1のインナーレース51の前側(エンジン側)
には第1のブレーキ用ハブ55が固定されている。更に、
前記第2のブレーキ用ハブ53には爪部を有するリング状
のスラストワッシャ56が該ハブ53の孔に爪部を係合する
ことにより装着されており、また前記第1のブレーキ用
ハブ55にもリング状のスラストワッシャ57が装着されて
おり、これら両スラストワッシャ56,57にてワンウェイ
クラッチF1が挟持・保持されている。一方、オイルポン
プ49はアルミダイカストからなるポンプカバー20をポン
ププレート58を挟んでポンプボディ19にボルト59…にて
一体に固着したオイルポンプアッセンブリ17からなり、
かつカバー20部分がトランスアクスルケース6内に挿入
された状態で、該ケース6の接合面6aにボディ19の接合
面19aがボルト60にて固着されている。そして、該オイ
ルポンプカバー20の後側にはその内径側から環状に順次
ボス部20a、第1の鍔部20b及び第2の鍔部20cが軸方向
に突出して形成されたり、第1の鍔部20bのくし歯状部
と前記第1のブレーキ用バブ55との間には前記第1のブ
レーキB1が介在され、また第2の鍔部20cのくし歯状部
と前記第2のブレーキ用ハブ53との間には前記第2のブ
レーキB2が介在されている。更に、前記ボス部20aと第
1の鍔部20bとの間で環状の第1のブレーキ用油圧アク
チュエータ11のシリンダが構成され、該シリンダにはピ
ストン61が油密状に嵌合して、かつ該ピストンのラグ部
が第1のブレーキB1に当接・操作すべく軸方向に延びて
いる。また、第1の鍔部20bと第2の鍔部20cとの間で環
状の第2のブレーキ用油圧アクチュエータ21のシリンダ
が構成され、該シリンダにはピストン62が油密状に嵌合
して、かつ該ピストン62のラグ部が第2のブレーキB2に
当接・操作すべく軸方向に延びている。更に、ボス部20
aの先端隅部には段付き状に切り欠かれて環状の凹部12
が形成されている。また、第2の鍔部20cにスナップリ
ングにて係止されている第1のブレーキのエンドプレー
ト63は一部外径側に突出してスプリング受け部63aとな
っており、該受け部とピストン62の背面に設置されたラ
グとの間には第2のブレーキ用油圧アクチュエータ21の
戻しスプリング64が介在している。
一方、トルクコンバータ9は、エンジンクランク軸21
(第2図)に連結されるコンバータハウジング91を有し
ており、更に該ハウジングに連結されたポンプ羽根車92
及びロックアップクラッチ25と共にタービンハブ96に連
結されるタービン羽根車93、そしてこれら両羽根車92,9
3の間に位置するステータ羽根車94を備えている。ま
た、タービンハブ96はその前面及び後面にスラストベア
リング97a,97bを介してハウジング91及びワンウェイク
ラッチ95の間に挟持・位置決めされており、かつその内
周面が入力軸3とスプライン係合している。更に、コン
バータハウジング91はその先端基部にてポンプスリーブ
49aが固定されており、該スリーブ49aはポンプボディ19
内に延びてその先端にてポンプ駆動ギヤ49b内に固定さ
れている。一方、ステータ羽根車94はワンウェイクラッ
チ95のアウターレースに固定されており、また該ワンウ
ェイクラッチ95のインナーレース95aはステータシャフ
ト13にスプライン係合している。該ステータシャフト13
は鋼鉄材製の中空軸からなり、その外周側にポンプスリ
ーブ49aが位置しかつその内周側に入力軸3が位置して
相対回転自在な3重軸を構成している。更に、該ステー
タシャフト13はその一端が前記ワンウェイクラッチ95の
インナーレース95aと係合するスプライン部13bとなって
おり、またその他端部分は外径方向に膨出して肉厚部13
cとなって、該肉厚部13cが前記ポンプカバー20の中心孔
部15に圧入固定されており、更にその他端は該肉厚部13
cから更に外径方向に突出して比較的軸方向寸法の小さ
い環状フランジ部13aを形成している。そして、該フラ
ンジ部13aの内側が前記ポンプカバー20の外側面と密接
して嵌合しており、該フランジ13aと前記ポンプカバー
隅部の環状凹部12とによりスナップリング用溝が構成さ
れている。更に、該スナップリング用溝には、スプリン
グ受け部材83と共にスナップリング84が装着されてお
り、該スナップリング84が受け部材83を抜止め支持し、
また該受け部材83と前記第1の油圧アクチュエータ11の
ピストン61背面との間に戻しスプリング85が縮設されて
いる。
そして、入力軸3はその後端部分を除いて同一径から
なっており、その先端部分は比較的狭い間隔にて配置さ
れた2個のブッシュ10,11により回転自在に支持されて
いる。リヤブッシュ10はその内周面に溝が構成されてい
ると共に、前記ステータシャフト13の圧入部15部分に対
向する部位に配置されており、またフロントブッシュ11
は上記リヤブッシュ10と僅かに前方側に離れた部位に配
置されており、これら両ブッシュ10,11はステータシャ
フト13の内周面又は入力軸3の外周面に同一方向から打
込まれる。そして、両ブッシュ10,11の間部分16はポン
プカバー20に形成された、ロックアップクラッチオフ時
のトルクンコンバータフィード圧用の供給油路に連通す
ると共に、入力軸3に形成された横孔3cに連通してお
り、該フィード圧用の油路を構成している。更に、該油
路16は横孔3c及び入力軸3先端部分に形成された中心孔
3dを通ってトルクコンバータハウジング91の前端部分に
連通しており、更に該ハウジング91前端部分は、タービ
ンハブ96とハウジング前面との間のスラストベアリング
97a、及びロックアップクラッチ25のプレート25aの前面
を通ってタービン羽根車93及びポンプ羽根車92からなる
トーラスに連通している。また、ポンプスリーブ49aと
ステータシャフト13との空隙部bがロックアップクラッ
チオン時のフィード圧油路となっており該油路bはワン
ウェイクラッチ95とハウジング後面との間のスラストベ
アリング99を介してトーラスに連通している。
一方、出力部45は、第4図に示すように、第1の自動
変速機構部1の略々中央部に位置したカウンタドライブ
ギア5を有しており、該カウンタドライブギヤ5はアク
スルケース6に形成された隔壁6cにダブルテーパードロ
ーラベアリング45aを介して回転自在に支持されてお
り、またそのボス部が前記プラネタリギヤユニット2の
キャリヤCR1に連結している。更に、前記ベアリング45a
のアウターレースはケース隔壁6c内周面にスプライン係
合して嵌合されていると共に、該レース延長部外周面に
第2のワンウェイクラッチF2が装着されている。
そして、該第2のワンウェイクラッチF2のアウターレ
ースは前記デュアルプラネタリギヤ31のリングギヤR2に
固定されており、かつ該リングギヤR2はスラストベアリ
ングを介してカウンタギヤボス部及びキャリヤCR1との
間に挟持されている支持板により支持されている。従っ
て、該第2のワンウェイクラッチF2はプラネタリギヤユ
ニット2とケース隔壁6cとの間にて軸方向に並んで配置
される。また、リングギヤR2外周とアクスルケース6と
の間には第3のブレーキB3が介在しており、かつ隔壁6c
の一側壁面部にはシリンダが形成されて、かつ該シリン
ダにはピストンからなる油圧アクチュエータ65が第2の
ワンウェイクラッチF2との間で挟まれるように配設され
ている。更に、該油圧アクチュエータ65は円筒状のくし
歯形状からなるアームを有しており、該アームは第2の
ワンウェイクラッチF2の外径側を通って軸方向に延び
て、第3のブレーキB3を制御すると共に、そのくし歯部
分に戻しスプリングが配設される。
そして、クラッチ部47は、第1の(フォワード)クラ
ッチC1及び第2の(ダイレクト)クラッチC2を備えてお
り、かつ第1の自動変速機構部1後端に位置してトラン
スアクスルカバー42部分に収納されている。また、入力
軸3後端部はカバー42のボス部42aを被嵌するようにス
リーブ3aとなっており、かつ該スリーブ部3aにクラッチ
ドラム67が一体に連結されている。更に、該クラッチド
ラム67には可動部材69がスプラインにより軸方向のみ摺
動自在に嵌合されでおり、更に該可動部部材69にはピス
トン部材70が嵌合している。また、可動部材69はクラッ
チドラム67内周面からなるシリンダとの間で油室を構成
して第1のクラッチC1用の油圧アクチュエータ71を構成
している。一方、ピストン部材70は可動部材69内周面か
らなるシリンダとの間にて油室を構成して第2のクラッ
チC2用の油圧アクチュエータ72を構成している。更に、
該ピストン部材70とスリーブ部3aに固着されたスナップ
リングとの間には受け部材を介してスプリング73が縮設
されており、該スプリング73は両油圧アクチュエータ7
1,72のピストン部材69,70に共通する戻しスプリングを
構成している。また、第1のクラッチC1はクラッチドラ
ム67の外径部内周面に形成されたスプラインとリングギ
ヤR1の外周面に形成されたスプラインとの間に介在して
おり、また第2のクラッチC2は可動部材60の外径部内周
面に形成されたスプラインと中空軸50に固定されたハブ
部50a外周面に形成されたスプラインとの間に介在して
いる。
一方、第2の自動変速機構部27は1個のシングルプラ
ネタリギヤ32を有している。更に、カウンタ軸22上にベ
アリング75を介してカウンタドリブンギヤ33が回転自在
に支持されており、かつ該軸22上に減速ギヤ35が固定さ
れている。そして、プラネタリギヤ32のリングギヤR3が
カウンタドリブンギヤ33に連結しており、またピニオン
P3を支持するキャリヤCR3はカウンタ軸22を外径方向に
膨出して一体に形成されている。更に、サンギヤS3は軸
22上に回転自在に支持されたハブ76に形成されており、
該ハブの外径部に固定されたドラム77にはその外周面に
バンドブレーキからなる第2のブレーキB4が形成されて
いる。また、該ドラム77の内周面とキャリヤCR3に固定
されたハブとの間には第3のクラッチC3が介在してお
り、更に該クラッチC3に隣した前記ハブ76にはピストン
が嵌合してクラッチC3用の油圧アクチュエータ79を構成
している。また、ハブ76の延長部とケース6との間に第
3のワンウェイクラッチF3が介在している。
また、フロントディファレンシャル装置29はデフキャ
リヤとなるリングギヤマウントケース36を有しており、
該ケース36はベアリングを介してハウジング41及びケー
ス6に回転自在に支持されている。更に、該マウントケ
ース36上には前記減速ギヤ35と噛合する大径のリングギ
ヤ39が固定されており、またその内部にはピニオン軸80
によりピニオンギヤ81が回転自在に支持されていると共
に、該ギヤ81に噛合する左右サイドギヤ37a.37bが回転
自在に支持されている。そして、該サイドギヤ37a,37b
には左右フロントアクスル軸23a,23bがそれぞれ嵌合・
連結される。
ついで、本自動変速機Aに係る主要部の作動について
説明する。
エンジンクランク軸21の回転はトルクコンバータ9の
ハウジング91に伝達され、ポンプ羽根車92による油流は
タービン羽根車93に作用し、そしてステータ羽根車94を
介してポンプ羽根車92に戻る。この際、ステータ羽根車
94にトルクが作用してポンプ及びタービンの両羽根車間
にトルク差を生じるが、該ステータ羽根車94に作用する
トルクの反力は、ワンウェイクラッチ95を介してステー
タシャフト13に伝達され、更に該シャフト13に圧入固定
されるポンプカバー20にて担持される。また、タービン
羽根車93からの油流が、ステータ羽根車94の背面側に作
用すると、該ステータ羽根車94はワンウェイクラッチ95
の作用により空転する。更に、タービン羽根車93及びロ
ックアップクラッチ25の回転は入力軸3に伝達され、ま
たハウジング91の回転はポンプスリーブ49aを介して駆
動ギヤ49bに伝達され、オイルポンプ49を駆動する。
そして、入力軸3は、その先端部がポンプカバー20に
圧入固定されて芯出しされているステータシャフト13内
周面に比較的間隔の狭い2個のブッシュ10,11を介して
支持されており、またその後端がリヤカバーボス部42a
内にニードルベアリング100を介して支持されている。
また、上述したようにステータ反力はステータシャフト
13とポンプカバー20との圧入部15にて担持されている
が、該圧入部15のステータシャフト内周面に対向する部
位部分はリヤブッシュ10、それに近接してフロントブッ
シュ11、そして入力軸3が位置して、圧入部15をバック
アップしており、ポンプカバー20がアルミ合金にて形成
されても、入力軸3の振れ回り等によって前記圧入部15
が緩むことはない。また、該リヤブッシュ10,11には、
入力軸3に形成された潤滑油孔3cから横孔を介してその
溝付内周面に潤滑油が供給されており、充分な潤滑状態
にて入力軸3が支持されている。
また、ロックアップクラッチ25のオフ時は、ロックア
ップコトロールバルブ(図示せず)からのフィード圧が
油路aを通って、両ブッシュ10,11間の油路16に供給さ
れ、更に横孔3c及び中心孔3dを通ってトルクコンボータ
ハウジング91の前端部分に供給される。これにより、該
フィード圧はスラストベアリング97aを介してクラッチ
プレート25aの前面に流れ、ロックアップ25を解放状態
に保持しながらトルクコンバータ本体92,93,94に供給さ
れる。そして、該本体から後方のスラストベアリング99
を通って油路bに排出され、ロックアップコントロール
バルブへ排出される。一方、ロックアップックラッチ25
のオン時は、ロックアップコントロールバルブからのフ
ィード圧が油路b及びスラストベアリング99を通ってト
ルクコンバータ本体即ちロックアップクラッチ25の後方
側に供給され、ロックアップクラッチを接続する。そし
て、スラストベアリング97a、中心孔3d、横孔3c及び両
ブッシュ間の油路16、更に油路aを通ってロックアップ
コントロールバルブに排出される。
なお、上述実施例は、前進3速の第1の自動変速機構
部1と直結及び減速切換えの第2の自動変速機構部27と
を組合せた自動変速機Aについて説明したが、本発明は
これに限らず、特開昭62−141342号公報に示すように、
前進4速の自動変速機構部を用いる自動変速機、更に他
の自動変速機にも適用できることは勿論である。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、入力軸(3)
を支持する2個のブッシュ(10),(11)にてトルクコ
ンバータフィード圧油路(16)を構成したので、シール
リングを用いる必要がなく、挿入時のカジリ等により油
路を不完全に構成することを防止して、信頼性を向上し
得ると共に、シールリング用の溝加工等を必要とせず、
更に組付けも簡単となり、コストダウンをも図ることが
できる。かつ、前記2個のブッシュ(10),(11)は、
横孔(3c)を挟んで近接して配置されているので、ステ
ータシャフト(6)と入力軸(3)との間における比較
的短い空間にて油路を構成して、入力軸の振れ等が発生
しても気泡が混入することがなく、気泡によるロックア
ップクラッチの応答遅れ等の不具合の発生を防止でき
る。
また、ブッシュ(10),(11)は、ポンプカバー(2
0)の内周に対向する部位位置に配置されているので、
圧入部等のステータシャフト(13)のポンプカバーへの
固定部分をバックアップすると共に該固定部での入力軸
(3)の振れ回りを防止し、固定部(15)が緩んでステ
ータシャフト(13)が空転することを阻止し得、更にこ
れに起因して、ポンプカバー(20)をアルミ合金にて形
成することが可能となり、自動変速機(A)の軽量化を
図ることができる。
更に、2個のブッシュ(10),(11)を互に近接して
配置したので、入力軸(3)先端部の支持が柔軟とな
り、いずれか一方のブッシュのみが偏当りすることを防
止して、ブッシュの耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る自動変速機の前部を示す拡大断面
図、第2図は本発明を適用した自動変速機を示す概略
図、第3図はその作動を示す図、第4図はその自動変速
機の全体を示す断面図である。そして、第5図は従来例
を示す断面図である。 1……(第1の)自動変速機構部、2……プラネタリギ
ヤユニット、3……入力軸、5……出力部材(カウンタ
ギヤ)、6……トランスアクスルケース、7……エンジ
ン出力軸、9……トルクコンバータ、10……(リヤ)ブ
ッシュ、11……(フロント)ブッシュ、13……ステータ
シャフト、15……圧入部(内周面)、16……油路、17…
…オイルポンプボディ、20……ポンプカバー。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−22455(JP,A) 特開 昭58−131465(JP,A) 実開 昭63−15359(JP,U) 特公 平2−5943(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 41/30,41/24,45/02 F16H 61/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン出力軸の回転を入力軸に伝達する
    トルクコンバータ、及び該入力軸の回転を適宜変速して
    出力部材に伝達する自動変速機構部を備えてなる自動変
    速機において、 前記トルクコンバータのステータ反力を担持するステー
    タシャフトを、前記トルクコンバータと自動変速機構部
    との間に位置するオイルポンプのポンプカバー内周面に
    圧入固定し、 前記入力軸は、一端が前記トルクコンバータ内に開口す
    る中心孔と、該中心孔の他端側と該入力軸外周とを連通
    する横孔とを有し、 前記ステータシャフト内周面と前記入力軸外周面との間
    における前記ポンプカバーの内周に対向する部位部分
    に、前記横孔を挟んで2個のブッシュを近接して介装
    し、 これら2個のブッシュにて、前記入力軸を前記ステータ
    シャフトに回転自在に支持し、 またブッシュの間、前記入力軸の横孔及び中心孔にて、
    前記トルクコンバータに供給するトルクコンバータフィ
    ード圧用の油路を構成した、 自動変速機。
  2. 【請求項2】前記ポンプカバーは、アルミ合金製であ
    り、前記ステータシャフトは、該ポンプカバー内周面に
    圧入固定されてなる、 請求項1記載の自動変速機。
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