JP2774471B2 - 水分を吸着した金属表面の水分除去と水分不動態化の方法 - Google Patents

水分を吸着した金属表面の水分除去と水分不動態化の方法

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JP2774471B2 JP7294692A JP29469295A JP2774471B2 JP 2774471 B2 JP2774471 B2 JP 2774471B2 JP 7294692 A JP7294692 A JP 7294692A JP 29469295 A JP29469295 A JP 29469295A JP 2774471 B2 JP2774471 B2 JP 2774471B2
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  • Detergent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属表面から水分
を除去し、このように水分を除去した金属表面への水分
の吸着を遅延させる不動態化の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超高純度(UHP)ガスの貯蔵と供給は
工業、特に電子工業にとって重要な問題である。超高純
度ガスの使用に当って、貯蔵容器または供給マニホール
ドを整備するには、周囲空気の成分のいずれをも系より
完全に除去する必要がある。大気の成分例えば酸素、窒
素、アルゴンは気体であって、容器または供給系の金属
壁に強くは吸着しない。それゆえ、これらのガスは系か
ら不活性ガスで掃気するか、系を排気するか、あるいは
加圧不活性ガスと真空の間で系を循環させるかして容易
に除去できる。
【0003】大気の水分は多様である。それは金属面上
に多層をなして凝縮し易い。通常の大気条件の下では、
1分子層未満の酸素または窒素の層が金属面に物理的に
吸着する。同一条件の下で、最大125分子層の水分が
金属に吸着する。水分は、酸素または窒素が吸着するよ
りも強く金属表面に吸着する。酸素が金属表面から脱着
する活性化エネルギーは、1分子当り約3〜4kcalであ
る。水分の脱着活性化エネルギーは、典型的例として1
分子当り15〜20kcalである。この活性化エネルギー
における大きい差異は、水分の脱着速度が酸素の脱着速
度に比べて約100,000,000倍も緩慢であるこ
とに対応する。多層の水分の強力な吸着が、系からの水
分の完全な除去を極めて困難な課題にしている。典型的
例として、水分は長時間の掃気または排気により初めて
除去できるのであって、いくつかの事例では、搬送系か
らの水分の十分な除去に数週間を要している。これは費
用と時間を浪費する方法である。時には系を高温に加熱
して、水分除去に要する時間を短縮することもある。し
かし、加熱は必ずしも実際的ではなく、系が周囲大気に
再度露出される場合、水分の再吸着防止には役立たな
い。
【0004】多くの事例で、水分はガス供給系の致命的
な汚染物である。これは、ガスが腐食性である時は、特
にあてはまる。塩化水素、臭化水素、弗素、六弗化タン
グステンおよび他のハロゲン含有ガスは、水分が共存す
る時、多くの金属を激しく腐食する。貯蔵容器または供
給マニホールドの腐食は、粒子または気相の不純物を超
高純度ガスへ導入し、極端な場合は、系の故障をもたら
しかねない。構成部品、例えば弁、調整器および物質流
量制御器は、腐食による故障を極めて受け易く、取替え
の必要がしばしば起きる。しかし、水分を厳密に除去し
た場合、これらのガスは一般に使用される金属、例えば
ステンレス鋼やアルミニウムを腐食させない。吸着され
た水分の急速な除去と、金属面の不活性化を行って、水
分の再吸着を防止する方法が必要である。このような方
法は、系からの水分の完全除去に要する時間を短縮し、
高価な部品を故障させないことになるであろう。
【0005】特に、次の要求に適合し得る方法が必要で
ある: 1.特定の水分量まで系を乾燥するのに要する時間の短
縮; 2.処理後の水分再吸着を防止する疎水性表面の形成; 3.使用時点におけるガスの純度の向上; 4.構造材料の耐食性の改良; 5.プロセスガス、特に一成分の濃度水準が低いガス混
合物の安定性の向上;および 6.過渡的水分の加湿防止。
【0006】先行研究者は金属表面からの水分の化学的
除去方法を開発した。しかし、これらの方法は、いずれ
も安定した疎水性表面の形成を開示していない。
【0007】Y-E. Li, J.RizosとG.Kasper(米国特許第
5,255,445号とカナダ特許出願第2,070,
145号)は金属表面を乾燥して、ガス混合物に接触す
るこのような表面の安定性を向上させる方法を開示す
る。その方法は掃気ずみ金属表面を1つ以上の低濃度の
気体水素化物からなる乾燥剤に露出する。その実施例で
は、ボンベを先ずシランで処理した場合、アルゴン中の
低濃度のアルシン混合物の安定性が、改良されることを
示す。しかし、材料面が水分に再露出する場合、シラン
処理の有益な効果が損われる。これは、シラン処理が安
定性のある疎水性表面を形成しないことの実証である。
【0008】K.タテヌマ、T.モモセおよびH.イシ
マル(1993年刊“J. Vac. Sci.Technical. A.”第
11巻、第1,719頁)と、特開平5−213604
号は、反応性有機ハロゲン化物、例えばCOCl2 ,C
3 CCl2 CH3 を室温または高温で用いて、水分を
化学的に除去する方法を述べている。これらの化合物は
表面に結合した水分と反応して、水分よりも容易に除去
できる気体副生成物を形成する。その実験はUHV真空
室を、水分反応性薬品の蒸気に10分間、1〜5回露出
することであった。この系を10-7と10-8torrに減圧
する時間を測定して、未処理室の減圧時間と比較した。
CH3 CCl2 CH3 での処理は、減圧時間を劇的に短
縮することがわかった。クロロトリメチルシランでの処
理は、前記論文の表1に報告された減圧時間の短縮に
は、ほとんどまたは全く影響を及ぼさないことがわかっ
た。表面処理が、水分への再露出に安定か否かを測定す
る実験は行われなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一群の試薬
を新規な方法で用いて、系を特定の水分量にドライダウ
ンさせる時間を短縮し;処理後に水を再吸着しない疎水
性表面を形成し;使用時点におけるガスの純度を向上さ
せ;構造材料の耐食性を改良し、プロセスガス、特に一
成分が低濃度であるガス混合物の安定性を向上させ;か
つ、過渡的水分の加湿を防止することにより、超高純度
ガス輸送用の配管を整備する先行技術の欠点を、下記に
さらに詳細に述べる方法で克服する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、水分を吸着し
た金属表面の水分除去と、水分不動態化の方法であり、
金属表面に、少くとも約14.7psia(約0.103MP
a )の圧力で、乾燥試薬を含むキャリヤガスの流れを接
触させて、金属表面から吸着水分を除去し、かつこの金
属表面を不動態化して水分の再吸着を遅延させる方法で
あって、乾燥試薬が次式(1):
【0011】 Ra SiXb c d (1) 〔式中、a=1〜3;b,cとdがそれぞれ0〜3であ
り、a+b+c+d=4;Rは1つ以上の有機基;か
つ、X,YとZはそれぞれ水素、ハロゲン、アルコキ
シ、アミノまたは−N(H)Si(R3 )であり、X,
YまたはZの少くとも1つが容易に加水分解できる珪素
との化学結合を有する〕の組成であることを特徴とする
方法である。
【0012】有機基Rは、アルキル、アルケニル、アル
キニル、もしくはアリール;またはアルキル−、アルケ
ニル−もしくはアルキニル−置換アリール;またはアリ
ール置換−アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、
またはこれらの混合物からなる群より選ぶことが好まし
い。
【0013】あるいは乾燥試薬が次式(2):
【0014】 Ra SiH4-a (2) 〔式中、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、もし
くはアリール;またはアルキル−、アルケニル−もしく
はアルキニル−置換アリール;またはアリール置換−ア
ルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはこれら
の混合物であり、そしてaが1〜3である〕の組成であ
ることが好ましい。
【0015】さらに他の例として、乾燥試薬が次式
(3):
【0016】 Xa SiHb c (3) 〔式中、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、もし
くはアリール;またはアルキル−、アルケニル−、もし
くはアルキニル−置換アリール;またはアリール置換−
アルキル、アルケニルもしくはアルキニルまたはこれら
の混合物、Xは弗素、臭素、塩素、沃素またはその混合
物であり、そしてa,bとcはそれぞれ1〜2、またa
+b+c=4〕の組成である。
【0017】さらに別の例として、乾燥試薬が次式
(4):
【0018】 Ra Si(OR′)4-a (4) 〔式中、RとR′はアルキル、アルケニル、アルキニ
ル、もしくはアリール;またはアルキル−、アルケニル
−もしくはアルキニル−置換アリール;またはアリール
置換−アルキル、アルケニルもしくはアルキニルまたは
これらの混合物であり、そしてaが1〜3である〕の組
成である。
【0019】なお別の例として、乾燥試薬が次の式
(5):
【0020】 HN(SiR3 2 (5) 〔式中、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、もし
くはアリール;またはアルキル−、アルケニル−もしく
はアルキニル−置換アリール;またはアリール置換−ア
ルキル、アルケニルもしくはアルキニルまたはこれらの
混合物である〕の組成である。
【0021】乾燥試薬を含むキャリヤガスの流れは、約
65℃以下の温度で表面に接触することが好ましい。
【0022】表面は金属面であるが、この金属面は鋼で
あることが好ましい。
【0023】金属面が、高純度ガス供給装置の配管の内
部であることがなお好ましい。
【0024】さらに本発明は、水分を吸着した高純度ガ
ス管の内部の水分除去と水分不動態化の方法であって:
(a)ガス管を、水分含有量が0.1体積%未満の不活
性ガスで掃気すること;(b)金属表面に、約14.7
psia(約0.103MPa )の圧力と、10℃〜65℃の
温度で、乾燥試薬を含むキャリヤガスの流れを接触させ
て、吸着された水分を金属表面から除去し、また金属表
面を不動態化して、水分の再吸着を遅延させる方法であ
って、乾燥試薬が次式(1):
【0025】 Ra SiXb c d (1) 〔式中、a=1〜3;b,cとdはそれぞれ0〜3であ
り、a+b+c+d=4;Rが1つ以上の有機基であ
り;X,YとZはそれぞれ水素、ハロゲン、アルコキ
シ、アミノまたは−N(H)Si(R3 )であり、X,
YまたはZの少くとも1つが容易に加水分解できる珪素
との結合を有する〕の組成であることを特徴とする方法
である。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、高純度かつ大量の腐食
性ガスと共に使用する金属表面から水分を除去する方法
である。さらに、本発明はこの金属を大気圧〜大気圧を
超える圧力で、水分の再吸着を防止する疎水性表面を形
成して不動態化するものである。本方法の利点は、超高
純度(UHP)ガスの供給を可能にし、供給系の部品の
故障から保護することである。UHPガスは、望ましく
ない成分が1体積%未満のものである。好ましくは、U
HPガスは、含まれる望ましくない成分が100ppm 未
満である。最も好ましくは、UHPガスは、含まれる望
ましくない成分が1ppm未満である。Ra SiXb c
d 型であり、式中、a=1〜3;b,cとdがそれぞ
れ0〜3、a+b+c+d=4であり;Rは1つ以上の
有機基;かつ、X,YとZがそれぞれ水素、ハロゲン、
アルコキシ、アミノまたは−N(H)Si(R3 )であ
り、X,YまたはZの少くとも1つが、容易に加水分解
できる珪素との結合を有する試薬は、表面吸着水分を除
去して、安定した疎水性表面を形成させることを示し
た。Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリー
ル;またはアルキル−、アルケニル−もしくはアルキニ
ル−置換アリール;またはアリール置換−アルキル、ア
ルケニルもしくはアルキニル、またはこれらの混合物で
あることが好ましい。さらに好ましくは、RがC1 〜C
6 例えばメチル、エチル、ビニル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、フェニルのみな
らずこれらの置換基のイソおよび第3級の形態からなる
1つ以上の炭化水素群よりそれぞれ選ぶことができる。
【0027】本発明の最も好ましい水分除去と水分不動
態化の試薬は、極めて容易に加水分解できる珪素との結
合(例えばSi−N,Si−H,Si−Cl,Si−B
r)を有し、かつ金属面に対し熱安定性のR3 Si−O
−M型結合を形成するものである。この判定基準に合う
特定の化合物は、ヘキサメチルジシラザン、トリメチル
シラン、エチルジメチルシラン、ジエチルメチルシラ
ン、クロロトリメチルシラン、クロロジメチルビニルシ
ラン、クロロジメチルエチルシラン、クロロジメチルイ
ソプロピルシランおよびブロモトリメチルシランであ
る。一般に、この方法の最も好ましい化合物はR3 Si
−X(式中、R=C1 〜C3 の炭化水素、X=H,C
l,Brまたはアミノ基)である。
【0028】容易に加水分解できる珪素との結合は本発
明の目的上、珪素に結合された置換基であり、その場
合、この結合は水分(気相、解離、非解離を問わずその
表面結合水)と反応して容易に解離し、珪素を他の珪素
結合置換基と共に、表面または表面に付着した酸素原子
と結合させる。本発明のための不活性ガスは、処理すべ
き表面の構造材料との反応に不活性なものである。表面
が例えば鉄、鋼、アルミニウム、銅、真鍮、ニッケル、
ニッケル合金などである場合、不活性ガスはこれらの金
属とは、表面に考えられる条件:0〜3,000psia
(0〜21MPa )の圧力と、−50℃〜250℃の温度
では反応しないであろう。典型的例は窒素、アルゴン、
ヘリウムおよび他の希ガスである。
【0029】水は解離して金属に吸着し、表面をOH基
で飽和させ、また水素を結合した水は金属面に接触する
ばかりでなく、金属面に隣接する最初のOH層とも接触
する。OHとHの再結合的脱着は遅速工程であって、ド
ライダウン時間と最後の水分量を制御する。1群の誘導
オルガノシランが大気圧、約14.7psia(約0.10
3MPa )の圧力で、金属/金属酸化物の表面に結合した
疎水性成分の形成をもたらす表面結合水分と化学的に反
応することを確認した(表1)。
【0030】
【表1】
【0031】これらの乾燥剤は吸着水分と反応して、気
体生成物(HX)を形成する。水は熱再結合によるより
も、むしろ化学反応により表面から除去されるので、初
期ドライダウンは比較的急速である。本発明の方法の機
構は、特定の理論にも縛られたくないが、表面結合水の
反応の代表的等式を次式に示す:
【0032】 M−O−H+Ra SiXb c d →M−O−SiRa c d +HX 〔式中、Mは水分子のヒドロキシル基を結合する金属表
面であり、他の変数はさきに規定した通りである〕。
【0033】この反応はSi−Oの結合形成に伴う発熱
によるもので好ましい。吸着水の除去に加えて、大気圧
の近くまたはそれ以上の圧力で処理すると、安定な有機
珪素成分は表面と一体化し、OHが付着した表面の極性
を破壊する。処理した表面は疎水性であって、後に水分
に露出しても、水の再吸着を防止する。この処理表面の
持続する疎水特性を、本発明では不動態化と称する。吸
着水の除去と再吸着の防止は、ドライダウン時間の短
縮、耐食性の改良、および反応性ガスの安定のための必
須条件として知られている。
【0034】本発明は、水分を吸収した高純度ガス管の
内面の水分除去と水分不動態化を、水分含量が0.1体
積%未満の不活性ガスで配管を掃気し、また配管表面
を、少くとも約14.7psia(約0.103MPa )の圧
力と、10℃〜65℃の温度で、乾燥試薬を含むキャリ
ヤガスの流れと、接触させて実施し、吸収された水分を
表面から除去し、また表面を不動態化して水分の再吸着
を遅延させることができる。この場合の乾燥試薬は次の
式(1)の組成である:
【0035】 Ra SiXb c d (1) 〔式中、a=1〜3;b,cとdはそれぞれ0〜3で、
a+b+c+d=4;Rは1つ以上の有機基;X,Yと
Zはそれぞれ水素、ハロゲン、アルコキシ、アミノまた
は−N(H)Si(R3 )であり、X,YまたはZの少
くとも1つが容易に加水分解できる珪素との結合を有す
る〕。本発明の有効性を次の実施例により実証する。基
−N(H)Si(R3 )におけるR基は、さきに規定し
た通り、1つ以上の有機基、詳述すればアルキル、アル
ケニル、アルキニル、もくはアリール;またはアルキル
−、アルケニル−もしくはアルキニル−置換アリール;
またはアリール置換−アルキル、アルケニルもしくはア
ルキニルまたはこれらの混合物、最も好ましくは、Rが
1 〜C6 からなる1つ以上の炭化水素群、例えばメチ
ル、エチル、ビニル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、シクロヘキシル、フェニルのみならず、これら
の置換基のイソまたは第3級の形態からもそれぞれ選ぶ
ことができる。
【0036】
【実施例】実施例1:電解研磨ステンレス鋼配管のヘキ
サメチルジシラザン(HMDS)による不動態化。 弁V14とV15を両端に取付けた直径1/4″(0.
635cm)、長さ12mの電解研磨316L配管14
を、950ppb の水分を含む窒素で25psia(0.17
MPa )の圧力をかけて平衡させた。その後、弁V14と
V15を閉鎖して、配管14を図1に示すマニホールド
18に取付けた。このマニホールドにある噴水装置6
は、35mlのHMDSを含む。V11とV12を閉鎖し
て、マニホールドを、弁V5と真空源10により10-3
torr(133×10-3Pa)減圧と、25psia(0.17
MPa )UHP N2 (#2)(H2 O<20ppb )の間
を10回循環させて汚染物を除去した。その後、流量制
御器(MFC)4で流量を500sccmに設定し、V1
1,V12,V1,V2およびV13を開放してV4を
閉鎖した。この方法で、HMDS飽和窒素をガス抜き1
2に3分間流すことでマニホールド18を不動態化し
た。3分後、V13を閉鎖して、V14とV15を開放
した。500sccmのHMDS飽和窒素の流れを試験部材
とガス抜き16に90秒間、14.7psia(0.103
MPa )の圧力をかけて通過させた。その後、V14とV
15を閉鎖した。HMDS飽和窒素を配管14で15分
間、30psia(0.21MPa )の圧力をかけて水分と反
応させた。この時間中、V11とV12を閉鎖して、マ
ニホールド18の残りを、真空とUHP N2 との間を
繰返し循環させてHMDS蒸気全部を除去した。流量制
御器4の設定とV4,V2とV13の開放により500
sccmの窒素の流れを生じさせた。15分間の反応時間の
終りに、HMDS蒸気を14.7psia(0.103MPa
)の圧力で、V13を閉鎖、V14とV15を開放す
ることにより、試験部材14から掃気した。その後、試
験部材14を8.5分間、14.7psia(0.103MP
a )の圧力で掃気した後、V14とV15を閉鎖して、
分離した長さの配管を水分分析器に移動させた。
【0037】実施例2:HMDS不動態化電解研磨ステ
ンレス鋼配管の初期ドライダウン。 実施例1に説明した不動態化に続いて、出口水分量を認
証ずみ水晶結晶板発振器(Ametek5700)で監
視しながら、EP316L配管試験部材を、UHP N
2 〔H2 O<20ppb,14.7psia(0.103MPa )
の圧力で、500sccm〕を用いて掃気した。図2はHM
DSの前、および直後のドライダウン曲線を示す。配管
不動態化に要する時間(10分)を掃気時間に含めたの
で、ドライダウン曲線の最初の10分間は水分量を測定
していない。未処理配管は48分で100ppb に乾燥し
たが、HMDS処理は、水分除去速度を増大させ、ドラ
イダウン時間を28分に短縮した。
【0038】実施例3:HMDS不動態化後の電解研磨
ステンレス鋼配管によって吸着された水分の量。 不動態化(実施例1)と20ppb 未満(実施例2)への
ドライダウンの後、EP316L配管試験部材を950
ppb の水分に露出させた。図3は未処理およびHDHS
処理配管の水分吸収量を示す。ゼロ時点で、掃気ガス
(500sccm)をUHP N2 (H2 O<20ppb )か
ら950ppb の水を含むN2 に切換えた。配管出口で水
分前線を検知するまで7.5分の遅れがあった。この貫
流時間はHMDS処理により6分間に短縮でき、これは
配管壁の水再吸着がより少くなったことを示唆してい
る。
【0039】実施例4:クロロトリメチルシラン(CT
MS)による電解研磨ステンレス鋼の不動態化。 HMDS不動態化(実施例1)と、20ppb 未満へのド
ライダウン(実施例2)と、950ppb の水分に配管の
再露出(実施例3)との後、さきの12mの長さの試験
部材をCTMSを用いて不動態化した。図1に示す発泡
装置に35mlのCTMSを充填し、実施例1に述べた手
順を続けた。試験部材(配管の全長)に500sccmのC
TMS飽和窒素を1.5分間、14.7psia(0.10
3MPa )の圧力を加えて通し不動態化した。その後、V
14とV15を閉鎖し、CTMS飽和窒素と水分を配管
中で15分間反応させた。CTMS蒸気を試験部材から
8.5分間掃気した後、V14とV15を閉鎖し、分離
した長さの試験部材を水分分析器に移動させた。
【0040】実施例5:CTMS不動態化電解研磨ステ
ンレス鋼配管の初期ドライダウン。 実施例4に述べた不動態化に続き、出口水分濃度を監視
しながら、さきのEP316L配管試験部材をUHP
2 (500sccm)で掃気した。図4はCTMS処理の
前、および直後のドライダウン曲線を示す。試験部材配
管の不動態化に要する時間を掃気時間に含めたので、ド
ライダウン曲線の最初の10分間は水分濃度を測定して
いない。未処理試験部材配管は48分間で100ppb に
ドライダウンしたが、CTMS処理は水分除去速度を増
大させ、ドライダウン時間を30分に短縮した。
【0041】実施例6:CTMS不動態化後の電解研磨
ステンレス鋼の水分吸着量。 実施例5は、ステンレス鋼に処理中吸着された水をCT
MSが急速に除去し、ドライダウン時間を短縮できるこ
とを示す。さらに、CTMSは安定した疎水性表面の形
成により、後処理の水分露出中に、水を再吸着しない。
図3は未処理およびCTMS処理EP316L配管の水
分吸収曲線を示す。ゼロの時点で、掃気ガスを、UHP
2 (H2 O<20ppb )から、水分量が950ppb
のN2 に切換えた。水分前線が未処理配管の出口に出現
するのに、7.5分かかるのに対して、CTMS処理E
P316Lの貫流時間は僅か3.5分であった。この貫
流時間はガス滞留時間(0.3分)より長く、配管の壁
体に吸着した水に起因する。処理後の貫流時間が比較的
に短いということは、比較的少量の水が水分露出中の配
管面に吸着したことを意味する。より低い表面被覆率
と、不動態化表面の安定性は、950ppb で平衡の後の
ドライダウン曲線から明白である(図5)。
【0042】実施例7:クロロトリメチルシラン(CT
MS)を室温で用いたステンレス鋼濾過集塵装置の不動
態化。 弁を両端に取付けたステンレス鋼濾過集塵装置を、1pp
m の水分を含む窒素を用いて平衡させた。その後、弁を
閉鎖し、集塵装置を図1に示すマニホールドに取付け
た。マニホールドの発泡装置は35mlのCTMSを含ん
でいた。実施例1に述べた手順を用い、500sccmのC
TMS飽和窒素をこの装置に1.5分間14.7psia
(0.103MPa )の圧力を加えて通して流すことによ
り、試験部材(濾過集塵装置)を不動態化させた。その
後V14とV15を閉鎖して、さきのCTMS飽和窒素
を試験部材(濾過集塵装置)中にある水分と、15分間
反応させた。CTMS蒸気を試験部材から8.5分間掃
気した後、V14とV15を閉鎖し、分離した試験部材
(濾過集塵装置)を水分分析器に移動した。
【0043】実施例8:室温でCTMS不動態化した濾
過集塵装置の初期ドライダウン。 実施例7に述べた不動態化に続いて、出口水分濃度を監
視しながら、ステンレス鋼集塵装置をUHP N2 (H
2 O<20ppb ,500sccm)で掃気した。図6はこの
室温CTMS処理の前と直後の濾過器のドライダウン曲
線を示す。試験部材濾過器の不動態化に要する時間(1
0分間)を掃気時間に含めたので、ドライダウン曲線の
最初の10分間の水分測定はしてない。未処理濾過器は
300分間で50ppb にドライダウンしたが、CTMS
処理は水分の除去速度を増大させ、ドライダウン時間を
140分に短縮した。この改良は2倍を上回る。
【0044】実施例9:室温でCTMS不動態化した濾
過集塵装置の再湿潤。 実施例8は、CTMSがドライダウン時間を短縮して、
処理中にステンレス鋼集塵装置に吸着された水の急速除
去が可能であることを示した。さらに、CTMSは安定
した疎水性表面を形成するので、後処理水分に露出中の
水を再吸着しない。図7は同一集塵装置のCTMSの前
(未処理)と後における水分吸収曲線を示す。ゼロの時
点で、掃気ガスをUHP N2 (H2 O<20ppb )か
ら、水分量が950ppb のN2 に切換えた。水分前線が
未処理集塵装置の出口に出現するのに22分を要した
が、CTMS処理集塵装置の貫流時間は僅か11分であ
った。この貫流時間はガス滞留時間(0.3分)より長
く、これは配管壁体に吸着した水に起因する。処理後の
比較的短い貫流時間は、より少量の水が水分露出中に集
塵装置表面に吸着したことを意味する。
【0045】実施例10:室温でCTMS不動態化した
濾過集塵装置の次のドライダウン。 実施例9は、CTMS処理が、安定した疎水性表面を形
成するので、水を再吸着しないことを実証した。水分量
が950ppb のN2 で平衡した後は、未処理とCTMS
処理との集塵装置のドライダウン曲線の比較により、表
面被覆率のより低いことが明白である(図8)。集塵装
置はCTMS処理後、極めてより急速にドライダウン
し、CTMS処理により生成した表面の安定性を示し
た。
【0046】実施例11:温度60℃のクロロトリメチ
ルシランCTMSによるステンレス鋼濾過集塵装置の不
動態化。 弁を両端に取付けたステンレス鋼濾過集塵装置を1ppm
水分を含む窒素で平衡させた。その後弁を閉鎖して、集
塵装置を図1に示すようにマニホールドに取付けた。マ
ニホールドにある発泡装置は35mlのCTMSを含ん
だ。実施例1に述べた手順を修正して用い、試験部材
(濾過集塵装置)を1.5分間、14.7psia(0.1
03MPa )の圧力をかけて500sccmのCTMS飽和窒
素を集塵装置を通して流して不動態化した。その後V1
4とV15を閉鎖し、濾過集塵装置を65℃の温度に1
5分間加熱した後、この加熱を中断して、濾過集塵装置
を室温になるまで30分間冷却させた。CTMS蒸気を
試験部材から8.5分間掃気した後、V14とV15を
閉鎖し、分離した集塵装置を水分分析器に移動した。
【0047】実施例12:65℃のCTMSで不動態化
した濾過集塵装置の初期ドライダウン。 実施例11に述べた不動態化に続いて、出口水分濃度を
監視しながら、ステンレス鋼集塵装置をUHP N
2 (H2 O<20ppb ,500sccm)で掃気した。図6
は未処理と、65℃のCTMS処理との集塵装置のドラ
イダウン曲線を示す。集塵装置の不動態化に要する時間
(10分)を掃気時間に含めたので、ドライダウン曲線
の最初の10分間の水分測定はしていない。未処理集塵
装置の50ppb までのドライダウンには、300分を要
したが、65℃のCTMS処理は水分除去速度を増大さ
せ、ドライダウン時間を4分の1の74分に短縮した。
【0048】実施例13:クロロジメチルシランCDM
Sによるステンレス鋼濾過集塵装置の不動態化。 弁を両端に取付けたステンレス鋼濾過集塵装置を1ppm
の水分を含む窒素で平衡させた。その後弁を閉鎖して、
配管を図1に示したマニホールドに取付けた。マニホー
ルドにある発泡装置は35mlのCDMSを含んでいた。
実施例1に述べた手順を用いて、試験部材(濾過集塵装
置)に1.5分間、14.7psia(0.103MPa )の
圧力を加えて、500sccmのCTMS飽和窒素を集塵装
置に通して不動態化した。その後、V14とV15を閉
鎖して15分間、30psia(0.21MPa )の圧力を加
えてCTMS飽和窒素を配管にある水分と反応させた。
CTMS蒸気を試験部材から8.5分間掃気した後、V
14とV15を閉鎖して、分離した集塵装置を水分分析
装置に移動した。
【0049】実施例14:CDMSで不動態化した濾過
集塵装置の初期ドライダウン。 実施例13に述べた不動態化に続き、出口濃度を監視し
ながら、ステンレス鋼濾過集塵装置をUHP N2 (H
2 O<20ppb ,500sccm)を用いて掃気した。図9
は同一集塵装置のCDMS処理の前と直後のドライダウ
ン曲線を示す。集塵装置の不動態化に要する時間を掃気
時間に含めたので、ドライダウン曲線の最初の10分間
の水分測定はしていない。未処理集塵装置の50ppb ま
でのドライダウンに280分を要したが、CDMS処理
は水分除去速度を4.7倍に増大させ、ドライダウン時
間を60分に短縮した。
【0050】実施例15:不動態化していないステンレ
ス鋼のHBr腐食試験。 電解研磨316Lステンレス鋼のクーポンを洗浄後、H
astelloyC−22反応器に装入した。反応器を
電解研磨ステンレス鋼マニホールドに取付け、100℃
の温度で加熱し、<10-3torr(<133×10-3Pa)
の圧力で12時間排気して、吸着水分を試料と反応器の
壁体から除去できた。その後反応器を室温に冷却し、
1,000ppm の水分を含む窒素雰囲気流れに8時間露
出させた。反応器の全圧は15psia(0.105MPa )
であった。8時間後、反応器を10分間UHP N
2 (H2 O<20ppb )500sccmで流して15psia
(0.105MPa )の全圧で再度掃気した。その後反応
器を分離して、HBrマニホールドに接続した。15ps
ia(0.105MPa )のHBrを反応器に加え、全圧を
30psia(0.21MPa )にした。その後、反応器を分
離して、12日間放置した。その後、反応器の雰囲気を
圧力が1×10-3torr(133×10-3Pa)未満になる
まで反復排気し、かつ30psia(0.21MPa )のUH
P N2 (H2 O<20ppb )で再充填して、反応器か
らHBrを完全に除去した。クーポンを密封気密ガラス
バイアルに入れ、窒素雰囲気の下で走査電子顕微鏡に移
送し、顕微鏡のエアーロック室に取付けたポリエチレン
製グローブバッグに装入した。グローブバッグを約16
時間窒素で掃気してから試料バイアルを開口した。この
手順を用いてクーポンが分析前に周囲空気と水蒸気に露
出しないようにした。半定量無標準エネルギー分散型X
線分光(EDS)分析を行って、クーポンの臭素含浸
(すなわち腐食)の程度を分析した。クーポン表面の臭
素濃度は6.26重量%と測定された。
【0051】実施例16:CTMS不動態化ステンレス
鋼のHBr腐食試験。 この実施例は、本発明の不動態化が反応性特殊ガスによ
って起されるステンレス鋼の腐食の量を劇的に低下させ
ることを実証した。電解研磨316Lステンレス鋼のク
ーポンを洗浄後、実施例15に述べたHastello
yC−22反応器に装入した。手順は、クーポンに精製
窒素を10分間500sccmで流して掃気しなかったこと
の他は実施例15に述べたものと同一とした。その代
り、2分間、14.7psia(0.103MPa )の圧力を
かけ、500sccmのCTMS飽和窒素を反応器に通して
流すことにより、クーポンを不動態化した。その後、V
14とV15(図1参照)を閉鎖して、反応器でCTM
S飽和窒素を水分と反応させ、クーポンを15分間不動
態化した。そこでCTMS蒸気を反応器から8.0分間
掃気した。次に反応器を分離して、HBrマニホールド
に接続した。15psia(0.105MPa )のHBrを反
応器に加え、全圧を30psia(0.21MPa )とした。
そこで反応器を分離して、12日間放置した。その後、
反応器の雰囲気を1×10-3torr(133×10-3Pa)
未満の圧力で繰返し排気し、また30psia(0.21MP
a )の精製窒素を再充填して、HBrを完全に除去し
た。半定量無標準エネルギー分散型X線分光(EDS)
分析を行って、試料の臭素含浸(すなわち腐食)の程度
を分析した。この試料の表面臭素濃度は0.7重量%す
なわち非不動態化試料(実施例15)に含浸された臭素
量の約1/10と測定された。
【0052】実施例17:65℃ CTMS不動態化濾
過集塵装置の再湿潤。 実施例9では、室温、周囲圧力でのCTMS不動態化
が、安定した疎水性の表面を形成して、後処理で水分露
出中に水の再吸着を防止することを示した。実施例12
は65℃の温度でのCTMS不動態化が水分除去の速度
を増大させ、ドライダウン時間を短縮できるが、65℃
でのCTMS不動態化は後処理で水分露出中に水分の再
吸着を防止しないことを示した。ゼロの時点で、掃気ガ
スをUHPN2 (H2 O<20ppb )から水分量が95
0ppb のN2 に切換えた。同一の集塵装置の65℃での
CTMS処理の前(未処理)と後の水分吸収曲線は区別
できなかった。これは、65℃でのCTMS不動態化が
水分除去速度を本質的に増大させるが、65℃は安定な
疎水性表面を形成する不動態化温度としては高過ぎるこ
とを実証した。
【0053】
【発明の効果】上記の通り、本発明によれば、金属表面
例えば工業用ガス供給導管から水分を急速に除去し、ま
た、疎水性乾燥試薬分子誘導体の層を、周囲圧の近くま
たはそれ以上の圧力で金属表面に付着させて不動態化す
ることにより、純度が重要であり、また水分が存在しな
いことも重要である電子部品の製造における超高純度の
工業用ガスの供給のような後の工程で、水分の再吸着を
遅延させる改良された方法を提供することができる。こ
の水分除去と周囲圧またはそれ以上の圧力での水分不動
態化の利点は、強化した安定性および安全性を備えなが
ら、先行技術の乾燥試薬より毒性の少い乾燥試薬を用い
る本発明によって達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水分除去と水分不動態化の実施に用い
る試験装置の略図である。
【図2】ヘキサメチルジシラザンを用いて不動態化した
試験用配管の水分(ppb )対時間(分)のグラフであ
り、処理ずみ配管の100ppb H2 Oにドライダウンす
る時間が短縮されたことを示す図である。
【図3】ヘキサメチルジシラザンを用い、次にクロロト
リメチルシランを用いて不動態化した試験配管の水分
(ppb )対時間(分)を示すグラフであり、未処理配管
よりも短縮された水分の貫流時間(従って、H2 Oの再
吸着が比較的少い)を示す図である。
【図4】クロロトリメチルシランを用いて不動態化した
試験用配管の水分(ppb )対時間(分)を示すグラフで
あり、処理ずみ配管の100ppb H2 Oにドライダウン
する時間が短縮されたことを示す図である。
【図5】クロロトリメチルシランを用いて不動態化した
試験用配管の水分(ppb )対時間(分)のグラフであ
り、950ppb の水分を含む窒素で配管を平衡させた後
の処理ずみ配管の100ppb H2 Oにドライダウンする
時間が短縮されたことを示す図である。
【図6】クロロトリメチルシランを20℃と65℃の温
度で不動態化した試験用ステンレス鋼濾過集塵装置の水
分(ppb )対時間(分)のグラフであり、処理集塵装置
の65℃の温度における50ppb H2 Oにドライダウン
する時間、この処理集塵装置の20℃の温度における短
縮された中位のドライダウン時間および未処理集塵装置
の最長のドライダウン時間を示す図である。
【図7】クロロトリメチルシランを用いて不動態化した
試験用集塵装置の水分(ppb )対時間(分)のグラフで
あり、未処理集塵装置より短縮された水分の貫流時間
(従って、H2 O再吸着が比較的少い)を示す図であ
る。
【図8】クロロトリメチルシランを用いて不動態化した
試験用濾過集塵装置の水分(ppb )対時間(分)のグラ
フであり、集塵装置を950ppb の水分を含む窒素で平
衡させた後の処理ずみ集塵装置の100ppb H2 Oにド
ライダウンする時間が短縮されたことを示す図である。
【図9】クロロジメチルシランを用いて不動態化した試
験用濾過集塵装置の水分(ppb)対時間(分)のグラフ
であり、処理ずみ集塵装置の50ppb H2 Oにドライダ
ウンする時間が短縮されたことを示す図である。
【符号の説明】
4…質量流れ制御器 6…発泡装置 10…真空源 12…ガス抜き 14…配管 16…ガス抜き 18…マニホールド V1…弁 V2…弁 V4…弁 V5…弁 V11…弁 V12…弁 V13…弁 V14…弁 V15…弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドリュー.ディビッド.ジョンソン アメリカ合衆国.18901.ドイルストウ ン.サウス.フランクリン.ストリー ト.110 (72)発明者 ジョン.ジャイルス.ランガン アメリカ合衆国.18106.ウエスコスビ ル.ディボット.ドライブ.1254 (56)参考文献 特開 平5−310445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F26B 21/14

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分を吸着した金属表面の水分除去と水
    分不動態化の方法であって: 吸着水分を前記金属表面から除去し、かつ前記金属表面
    を不動態化して水分の再吸着を遅延させる乾燥試薬を含
    むキャリヤガスの流れを、少くとも14.7psia(0.
    103MPa )の圧力で、前記金属表面に接触させる工程
    を含み、 前記乾燥試薬が式(1): Ra SiXb c d (1) 〔式中、a=1〜3;b,cおよびdがそれぞれ0〜
    3、a+b+c+d=4;Rが1つ以上の有機基であ
    り;かつ、X,YおよびZがそれぞれ水素、ハロゲン、
    アルコキシ、アミノまたは−N(H)Si(R3 )であ
    り、X,YまたはZの少くとも1つが容易に加水分解で
    きる珪素との化学結合を有する〕で示される組成である
    ことを特徴とする、水分除去と水分不動態化の方法。
  2. 【請求項2】 前記有機基が、アルキル、アルケニル、
    アルキニル、もしくはアリール;またはアルキル置換ア
    リール、アルケニル置換アリール、もしくはアルキニル
    置換アリール;またはアリール−置換アルキル、アリー
    ル置換アルケニルもしくはアリール置換アルキニル、ま
    たはこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記乾燥試薬が式(2): Ra SiH4-a (2) 〔式中、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、もし
    くはアリール;またはアルキル置換アリール、アルケニ
    ル置換アリールもしくはアルキニル置換アリール;また
    はアリール置換アルキル、アリール置換アルケニルもし
    くはアリール置換アルキニル、またはこれらの混合物で
    あり、そしてaは1〜3である〕で示される組成であ
    る、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 前記Rがメチル、エチル、ビニル、プロ
    ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、
    フェニル、またはこれらの混合物である、請求項3の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記乾燥試薬が式(3): Xa SiHb c (3) 〔式中、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、もし
    くはアリール;またはアルキル置換アリール、アルケニ
    ル置換アリールもしくはアルキニル置換アリール;また
    はアリール置換アルキル、アリール置換アルケニルもし
    くはアリール置換アルキニル、またはこれらの混合物;
    Xは弗素、臭素、塩素、沃素、またはこれらの混合物;
    そしてa、bおよびcはそれぞれ1〜2、かつa+b+
    c=4である〕で示される組成である、請求項1の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記Rがメチル、エチル、ビニル、プロ
    ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、
    フェニル、またはこれらの混合物である、請求項5の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記乾燥試薬が式(4): Ra Si(OR′)4-a (4) 〔式中、RとR′がアルキル、アルケニル、アルキニ
    ル、もしくはアリール;またはアルキル置換アリール、
    アルケニル置換アリールもしくはアルキニル置換アリー
    ル;またはアリール置換アルキル、アリール置換アルケ
    ニルもしくはアリール置換アルキニル、またはこれらの
    混合物;そしてaが1〜3である〕で示される組成であ
    る、請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 前記RとR′が独立に、メチル、エチ
    ル、ビニル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
    シクロヘキシル、フェニル、またはこれらの混合物であ
    る、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 前記乾燥試薬が式(5): HN(SiR3 2 (5) 〔式中、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、もし
    くは、アリール;またはアルキル置換アリール、アルケ
    ニル置換アリールもしくはアルキニル置換アリール;ま
    たはアリール置換アルキル、アリール置換アルケニルも
    しくはアリール置換アルキニル、またはこれらの混合物
    である〕で示される組成である、請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 前記Rがメチル、エチル、ビニル、プ
    ロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシ
    ル、フェニル、またはこれらの混合物である、請求項9
    の方法。
  11. 【請求項11】 乾燥試薬を含む前記キャリヤガスの流
    れを、前記金属表面に65℃以下の温度で接触させる、
    請求項1の方法。
  12. 【請求項12】 前記金属表面が鋼である、請求項1の
    方法。
  13. 【請求項13】 前記金属表面が高純度ガス供給装置の
    配管の内部である、請求項1の方法。
  14. 【請求項14】 水分を吸着した高純度ガス配管の内部
    金属表面の水分除去と水分不動態化の方法であって: (a)前記ガス管を、水分が0.1体積%未満の不活性
    ガスで掃気し; (b)前記金属表面に、少くとも14.7psia(0.1
    03MPa )の圧力と、65℃以下の温度で、乾燥試薬を
    含むキャリヤガスの流れを接触させて、吸着水分を前記
    金属表面から除去し、かつ前記金属表面を不動態化して
    水分の再吸着を遅延させる工程を含み、前記乾燥試薬が
    式(6): Ra SiXb c d (6) 〔式中、a=1〜3;b,cとdがそれぞれ0〜3であ
    り、かつa+b+c+d=4;Rは1つ以上の有機基で
    あり;そしてX,YおよびZがそれぞれ水素、ハロゲ
    ン、アルコキシ、アミノ、または−N(H)Si
    (R3 )であり、かつX,YまたはZの少くとも1つが
    容易に加水分解できる珪素との結合を有する〕に示され
    る組成であることを特徴とする、水分除去と水分不動態
    化の方法。
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