JP2004515344A - 水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスを精製するための方法及び材料 - Google Patents
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Abstract
本発明は、マトリックスの水素化物ガス、不活性ガス又は非反応性ガスから微量の諸不純物を除去するのに有効な方法を提供し、このようにして、微量ガスの濃度が100〜10000倍だけ(一層具体的に言えば、ppb又はpptのレベルまで)減少する。水素化物ガス(例えば、アンモニア、ホスフィン及びアルシン)、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、水素及びアルゴン)は、微量の水分と同時に微量の汚染物質[例えば、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)及びゲルマン(GeH4)]を除去することによって精製される。本発明のガス精製剤材料は、有機源からの熱活性化済みアルミナ、熱活性化された変性済み有機アルミナ材料、及び無機源からの熱活性化された変性済みアルミナを包含する。本発明のそれら熱活性化済みアルミナ材料は、該アルミナ材料を不活性雰囲気中、約200〜1000℃の温度で加熱し、且つ、その活性化済み材料を不活性雰囲気中に保持することによって活性化される。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ガス精製の分野と;マイクロエレクトロニクス(超小型回路電子機器)製造業において有用なバルクガス又はマトリックスガスの超精製と;に関する。一層具体的に言えば、本発明は、マトリックス水素化物ガスと、不活性ガス又は非反応性ガスとからの、微量の水素化物不純物及び水分を選択的に除去するための方法及び材料に関する。
【0002】
(発明の背景)
半導体は一層小型化し、また、半導体を用いたデバイス(devices)は一層複雑化し、その結果、それら半導体に対する一層過度の要求がなされるにつれ、半導体の完全性(perfectness property)は、重大な関心事の的となっている。半導体の製造には、種々の成分から成る反応性ガスを使用することが包含される。半導体の製造では、加えて、金属有機化学蒸着(MOCVD)及び関連する他の製造技術のような諸製造プロセスが使用される。これら製造プロセスにおいて、反応性ガスの純度は、製造される半導体製品の品質(とりわけ、半導体製品の電子的品質)を決定する上で大きな役割を果たす。その結果として、マイクロエレクトロニクス工業では、超純粋プロセスガスに対する需要が増大している。従って、マイクロエレクトロニクスプロセスにおける有用な諸ガスの超精製では、広範囲に渡る技術的な努力と進展とが行われてきた。
【0003】
マイクロエレクトロニクス・デバイスの製造に使用される諸ガスを精製する現行方法は通常、その超純粋ガスに対する必要性を満たすには不十分である。かつては、ppbレベルの不純物が許容されていたものの、現在、そのようなレベルは多くのプロセスにおいて高過ぎると考えられている。この技術的努力は、諸ガス中の不純物を検出するのに使用される分析技術の改善によって助長されている。現在、例えば、大気圧イオン化質量分析法(Atomospheric Pressure Ion Mass Spectrometry)(APIMS)を用いることによって、pptレベルの不純物検出限界を与える能力が存在する。
【0004】
IIIB族金属[例えば、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)]並びにVB族元素[例えば、リン(P)、ヒ素(As)、及び窒素(N)]は、それらがいわゆるIII/V族半導体の構成物質である半導体の製造に特に重要である。例えば、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)及びアンモニア(NH3)はそれぞれ、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化インジウム(InP)及び窒化ガリウム(GaN)のようなIII/V族半導体の製造に使用される。これら半導体材料中に存在する微量の異物元素は有害である。これら異物元素がIVB族元素(例えば、Si及びGe)並びに/又はVIB族元素(例えば、S及びSe)であれば、とりわけ有害である。これら元素は、その半導体材料に対するアクセプタ効果(acceptor effect)又はドナー効果(donor effect)に悪影響を及ぼす。都合の悪いことに、微量のIVB族及びVIB族の元素は、いわゆる「純粋ガス(pure gases)」中にごく一般的に存在する。例えば、ホスフィン及びアルシンには、微量のシラン(SiH4)、ゲルマン(GeH4)、硫化水素(H2S)及びセレン化水素(H2Se)が含有されることがある。加えて、微量の、酸素(O2);一酸化炭素(CO)及び/又は二酸化炭素(CO2)のような酸化物;並びに、ホスフィン及びアルシンから誘導される酸化物[例えば、HxPyOz、及びHxAsyOz(式中、x、y及びzは小さい整数である)];もまた、「純粋ガス」中に検出されてきた。そのような不純物もまた、半導体の諸プロセスにおいて有害である。
【0005】
半導体デバイスの製造に使用される諸水素化物ガス中の不純物、とりわけ、他の諸成分から成る水素化物不純物は、水素化物バルクガスそれ自体から;又は、ガスボンベ、高圧ガス容器、ガス栓及びガス調整器のような、ガス取り扱い及び分配装置から;そして、これらの装置を相互連結するガス管路からさえも;生じることがある。
米国特許第5,385,689号明細書には、水分;酸素及び他の諸酸化体(oxidants);水素、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンのようなガス流からのルイス酸;並びに、シラン(SiH4)、ゲルマン(GeH4)、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)、硫化水素(H2S)及びセレン化水素(H2Se)のようなIVA−VIA族水素化物ガス;を除去する掃気用組成物を使用して、諸半導体プロセスガスを精製する方法が開示されている。掃気用組成物は、不活性なマクロ孔質ポリマー(macroreticulate polymer)の支持体の上にIA族金属(Na、K、Rb、Cs、又はそれらの混合物若しくは合金)を堆積(deposition)し、次いで、高温で熱分解することによって形成されている。
【0006】
特開平4−124001号公報には、活性化済みアルミナゲルを用いてアルシンを精製する方法が記載されている。粒状のアルミナゲルを活性化するために、110〜200℃に加熱した窒素ガスを使用する。精製されていないアルシンを、そのアルミナゲルと接触させ、次いで、温度を上げてアルシンから不純物を除去する。しかし、特開平4−124001号公報には、該アルミナは200℃より高い温度まで加熱すべきでないことが明確に記述されており、該アルミナゲルは200℃より高い温度で粉末になり、それによって、該アルミナは諸ガスを精製することが不可能となることが記述されている。
【0007】
日本酸素(株)は、アルシンからシランを選択的に除去する、MN Purificator(登録商標)と称される[NSC NeoBead(ネオビード)、NeoBead又はNBとも称される]アルミナ触媒を開発した[日本国特許第2−246533号;タクヤ(Takuya)等:J. Cryst. Growth,124,第272頁〜277頁(1992)]。アルシンがアルミナを通過する時、MN Purificator(登録商標)によって、アルシンからシランが除去される機構は、化学反応式1に示される化学反応であると記述されている。
SiH4 + [Al(OH)]2 → (AlO)2−SiH2 + 2H2 (1)
【0008】
上述のNeoBead材料等のアルミナは、窒素等の不活性ガスの流れから、また、水素化物ガスのアルシン及びホスフィンからシラン及び硫化水素不純物を除去することが知られている。しかし、NeoBead材料は、水素化物及び不活性ガスの流れから痕跡量のゲルマン不純物を除去することに関しては効果がない。
ワタナベ(Watanabe)等[Journal of Materials Science: Materials in Electronics,9,第127頁〜132頁(1998)]は、多孔質γ−アルミナ(ガンマ−アルミナ)及び非晶質シリカによるB2H6及びH2Seの吸着の状況を記述し、吸着剤の塩基性度、及び水素化物の陽子親和力に置き換えて、アルミナ及びシリカに対する諸水素化物(B2H6、PH3、AsH3及びH2Se)の反応性について検討している。
【0009】
イケダ(Ikeda)等[Journal of Crystal Growth,124,第272頁〜277頁(1992)]は、アルミニウム円柱の内面を処理して清浄で滑らかな酸化物層を形成することによって、また、SiH4を選択的に分解する触媒を開発することによって、AsH3中のH2O及びSiH4の含有量を減少させることを記述している。
当該技術には、いわゆる純粋ガスから微量の不純物を除去するのに(とりわけ、バルク又はマトリックスの水素化物、及び非反応性又は不活性の諸ガスから微量の水素化物不純物を除去するのに)有効な精製装置及び精製方法の必要性が残されている。とりわけ、水素化物ガス、及び非反応性ガス又は不活性ガスから、リン(P)及びヒ素(As)のようなVB族元素;並びに、ケイ素(Si)及びゲルマニウム(Ge)のようなIVB族元素;から成る微量の水素化物不純物を選択的に除去する必要性が存在する。そのような水素化物不純物は著しい毒性を有するために、それらは環境上及び健康上の危険を引き起こす。また、バルクガス及びマトリックスガスからこれら水素化物を除去して、ppmを下回るレベル(sub−ppm level)まで低下させることが望ましい。
【0010】
(発明の概要)
本発明によって、吸着を基礎として造られた従来技術のガス精製装置であって諸水素化物ガスから諸不純物を除去しようと試みている該装置の欠点が克服される。本発明によって、後で半導体デバイスを製造するのに用いられる諸ガスの精製に使用するのに(しかし、それに限定されない)とりわけ適合しているガス精製装置が提供される。
【0011】
従って、本発明によって、精製された水素化物、不活性又は非反応性のマトリックスガスであって、好ましくない水素化物を約1ppb未満の不純物レベルで含有するものを提供するために、バルク又はマトリックス(bulk or matrix)の水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスの中にppmレベル〜ppbレベルで存在することがある微量の水素化物不純物を選択的に除去する方法が提供される。とりわけ、本発明によって、バルク又はマトリックスの諸水素化物ガス[例えば、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)及びアルシン(AsH3)]からの;並びに、不活性又は非反応性の諸ガス[例えば、窒素(N2)、水素(H2)、アルゴン(Ar)及びヘリウム(He)]からの;微量レベルの不純物[例えば、ゲルマン(GeH4)、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、シロキサン、リン酸化物(PxOy)及びリンのオキシ酸(HxPyOz)(式中、x、y及びzは小さい整数である)]を選択的且つ効果的に除去する方法が提供される。それに加えて、また、それと共に、本発明の方法によって、そのようなバルク又はマトリックスの諸ガスの中に存在することがある、好ましくない微量の水分が効果的に除去される。
【0012】
一層具体的に言えば、本発明の1つの態様によると、有機アルミナ材料、変性済み有機アルミナ材料、又は変性済み無機アルミナ材料から成る群から選ばれるアルミナ材料に汚染ガスを貫流すること(flowing through)によって、水素化物ガス、不活性ガス、及び非反応性ガスから微量の不純物を除去する方法であって、上記アルミナ材料は、不活性雰囲気中、約200〜1000℃の温度で十分な時間の間加熱されることによって使用前に熱活性化され、且つ、その熱活性化済み材料は、使用前、不活性雰囲気中に保持されている上記除去方法が提供される。熱活性化された変性済み有機アルミナ材料又は変性済み無機アルミナ材料は、変性されていない有機アルミナ又は変性されていない無機アルミナを変性剤(例えば、卑金属塩又は金属水酸化物)で処理し、次いで、その変性済み有機アルミナ材料又は変性済み無機アルミナ材料を約200〜1000℃の温度で熱活性化することによって調製する。
【0013】
本発明によると、微量の不純物[例えば、ゲルマン(GeH4)、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、シロキサン、リン酸化物(PxOy)及びリンのオキシ酸(HxPyOz)(式中、x、y及びzは小さい整数である)]を選択的に除去し、且つ、水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスから微量の水分を除去するための、アルミナベースのガス精製剤材料が更に提供される。
本発明によると、微量の不純物を選択的に除去し、しかも、バルク又はマトリックスの水素化物ガス、不活性ガス若しくは非反応性ガスから水分を除去するための変性済みアルミナベースのガス精製剤材料の製法が更に提供される。
【0014】
本発明の更なる新規な特徴及び諸利点は、部分的には次の記述で開示され、また、部分的には下記明細を吟味すれば当業者には容易に分かるし、或いは、本発明を実施することによって理解されることもある。本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に詳細に示されている諸手段、諸組合せ及び諸方法によって実現し達成することができる。
【0015】
(発明の詳細な記述)
本発明によると、水素化物ガス、不活性(inert)ガス及び非反応性(non−reactive)ガスから微量の不純物を選択的に減少させる上で驚くべき程且つ意外な程効果的な、熱活性化済み(thermally activated)アルミナベースのガス精製剤材料が提供される。それに加えて、また、それと共に、本発明の精製剤材料によって、水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスから微量の水分が除去される。本発明によると、バルク又はマトリックスの水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスから微量の不純物を除去し、このようにして、これらガス中に存在する微量の不純物の濃度が100〜10000倍だけ、更に具体的に言えばppb〜pptのレベルまで減少させる有効な方法が更に提供される。
【0016】
本発明の諸方法及び諸材料は、諸水素化物ガス[例えば、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)及びアルシン(AsH3)]から;並びに、不活性又は非反応性の諸ガス[例えば、窒素(N2)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)及び水素(H2)]から;微量のゲルマン(GeH4)、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、シロキサン、リン酸化物(PxOy)及びリンのオキシ酸(HxPyOz)(式中、x、y及びzは小さい整数である)]を効果的に除去するのにとりわけ有用である。
【0017】
手短に言えば、この精製方法は、変性されていない(unmodified)熱活性化済み有機アルミナ材料、変性された(modified)熱活性化済み有機アルミナ材料、又は変性された熱活性化済み無機アルミナ材料から選ばれるアルミナベースのガス精製剤に、精製すべきガスを接触させる工程であって、該アルミナベースガス精製剤は、不活性雰囲気中、約200〜1000℃の温度、好ましくは約250〜600℃の温度で予め活性化し、且つ、使用前、不活性雰囲気中に保持する該工程を包含する。本発明のアルミナベースガス精製剤は、ビーズ、ペレット、押出し品、又は他のタイプの粒子の形態である場合がある。アルミナベースガス精製剤は、ガス入口及びガス出口であって、適切なガス栓を経由して、それぞれ入口及び出口のガス管路に連結されている該ガス入口及びガス出口を有する精製剤ハウジング(purifier housing)(通常、ステンレス鋼容器)の中に保管する。ガス精製操作は典型的には、周囲温度〜約100℃の範囲の温度で行う。
【0018】
本発明の諸精製剤には、1つの態様において、変性されていない「有機(organic)」アルミナから調製された、変性されていない熱活性化済みアルミナベースの精製剤が包含される。有機アルミナは、その中のソーダ(Na2O)含有量が低いこと(即ち、0.1%未満であり、一層典型的には約0.002%)によって同定される。有機アルミナの1つの源は、アルフォール[ALFOL(登録商標)]法として当業者に知られている方法(例えば、米国特許第5,055,019号明細書に記述されている方法)からである。その特許明細書は、言及することによって本明細書に明確に組み入れる。この方法において、諸アルミニウムアルコキシドは、周知のチーグラー法(Ziegler process)によって直鎖アルコール[即ち、アルフォール(Alfol) アルコール]を調製する場合の中間体として造られる。次いで、これらアルミニウムアルコキシドは、酸化アルミニウムを造るために更に処理される。市販の有機アルミナの諸例には、キャタパル[CATAPAL(登録商標)]アルミナ及びプラル[PURAL(登録商標)]アルミナ[コンデア・ビスタ社(CONDEA Vista Company)]として商業的に知られている擬ベーマイト(pseudoboehmite)のα−アルミナ一水和物(AlO(OH))材料が包含される。これらのアルミナは、Al2O3 約72%〜約74%を含有し、残部は本質的にヒドロキシル基及び水分である。キャタパル[CATAPAL(登録商標)]アルミナ及びプラル[PURAL(登録商標)]アルミナは典型的には、ソーダ(Na2O)含有量が約0.002%である。
【0019】
本発明の変性されていない熱活性化済み有機アルミナベースの精製剤を調製するのに適した他の諸有機アルミナは、キャタロックス[CATALOX(登録商標)]及びプラロックス[PURALOX(登録商標)](コンデア・ビスタ社)として知られている高純度アルミナ材である。キャタロックス[CATALOX(登録商標)]及びプラロックス[PURALOX(登録商標)]は、それぞれ、キャタパル[CATAPAL(登録商標)]及びプラル[PURAL(登録商標)]を制御温度で制御した活性化を行って物理的及び化学的に結合した水を除去することによって得る。これらの有機アルミナは、超高純度(Al2O3 99.99%より高い)であり、且つ、ソーダ(Na2O)を本質的に含有していない:即ち、そのソーダ濃度は、無機アルミナのソーダ濃度よりも約2桁の大きさ低い。市販のそれらコンデア(CONDEA)アルミナは、製造の間、600℃で2時間の間加熱して、残留湿気を除去し且つ該アルミナの構造を変えて、該アルミナの最終的な化学的及び物理的性質(例えば、表面積、機械強度、密度等)を該アルミナに与える。しかし、これら市販のコンデア・アルミナは、加熱後、気密容器では保管されない。その結果として、それらコンデア・アルミナは、保管している間に水分を再び吸着して、不活性になる。
【0020】
従って、本明細書で使用する用語「有機アルミナ」は、有機源から得られる如何なるアルミナをも称し、チーグラー法の間に造られる酸化アルミニウム;キャタパル[CATAPAL(登録商標)]、プラル[PURAL(登録商標)]、キャタロックス[CATALOX(登録商標)]及びプラロックス[PURALOX(登録商標)]のような擬ベーマイトのα−アルミナ一水和物;並びに、ソーダ(Na2O)含有量が約0.1%未満の諸アルミナ;を包含するものの、それらに限定されない。
本発明の変性されていない有機アルミナベースの精製剤を調製するのに使用した2つのバッチの有機アルミナ材料(コンデア・ビスタ社)の物理的性質は、下の表1に示し、ネオビード(NeoBead)D及びネオビード(NeoBead)GB(これらは、有機アルミナがそれぞれ90%及び100%である)と比較する。表1のアルミナ材料は全て、約2.5nmのビーズの形態であった。
【0021】
【0022】
本発明の変性されていない熱活性化済み有機アルミナの調製には、以下で詳述されるように、コンデア(CONDEA)アルミナ等の変性されていない有機アルミナが使用されている。
本発明のアルミナベースのガス精製剤材料は、もう1つの態様において、変性済み有機アルミナベースの精製剤、又は変性済み無機アルミナベースの精製剤を熱活性化することによって調製する。これらの精製剤を調製するのに使用する変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナは、有機源(例えば、上述の諸有機アルミナ)又は無機源から得られるアルミナを変性剤で処理することによって調製する。本明細書で使用する用語「無機アルミナ」、「沈降アルミナ」、及び「無機源からのアルミナ」は、置き換えが可能であり、また、天然のアルミナ源(例えば、ギブサイト、バイヤライト又はボーキサイト)からの擬ベーマイトアルミナを包含する。そのような天然源からの諸無機アルミナは、純度が典型的には約99%であり、また、ソーダ(Na2O)含有量が典型的には約0.2〜0.3%である。用語「無機アルミナ」にはまた、諸アルミニウム化合物の諸溶液を急速に混合することによって(例えば、硫酸アルミニウム溶液及びアルミン酸ナトリウム溶液を混合することによって)得られるアルミナも包含される。この種の無機(沈降)アルミナもまた、0.01%を越えるNa2Oによって汚染されている。
【0023】
本発明の変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナは、上述の有機アルミナ又は無機アルミナを、塩基性塩(例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩等)、又はIA族金属若しくはIIA族金属の塩基性水酸化物、又はそれらの組合せのような変性剤で処理することによって調製する。本発明の方法に従って、有機アルミナ又は無機アルミナを変性するのに使用することのできる、適切な金属塩及び金属水酸化物には、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸水酸化物;Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸炭酸塩;Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸シュウ酸塩;並びに、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸酢酸塩;が包含されるが、それらに限定されない。そのような変性剤の例には、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酢酸マグネシウム[Mg(OAc)2]、水酸化バリウム[Ba(OH)2]、及び炭酸セシウム(Cs2CO3)が包含される。
【0024】
本発明のもう1つの態様において、それら変性済みアルミナは、適切な水溶液からの有機アルミナ又は無機アルミナに変性剤を、初期湿式含浸法(incipient wetness impregnation)のような含浸法によって施し、次いで、乾燥して該アルミナに約1〜10%の金属基(metal−basis)濃度を与えることによって調製する。「金属基」とは、該濃度が、変性剤[例えば、Mg(OAc)2]の濃度とは対照的に、単体金属(例えば、Mg)の濃度として与えられていることを意味する。このアルミナ変性プロセスによって、該アルミナの塩基性度は通常、増大する。変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナは、通常pH7を越えるpHを有するのが好ましい。
【0025】
上述のように、本発明の諸精製剤は、変性されていない有機アルミナ材料、変性済み有機アルミナ材料、又は変性済み無機アルミナ材料を熱活性化することによって調製する。1つの態様において、上記の諸アルミナ材料は、容器(例えば、ステンレス鋼容器)に入っている1種のアルミナ材料を高温で十分な時間の間加熱し、同時に、不活性ガス又は非反応性ガス(例えば、窒素)を該金属容器に貫流させることによって、使用前に熱活性化する。加熱の後、その熱活性化されたアルミナ材料は、同一の金属容器内で冷却し、同時に、不活性ガスを該金属容器に貫流し続ける。この熱活性化によって、該アルミナ構造体の表面又は内部に含まれている水分が除去される。熱活性化済みアルミナベースの精製剤は、該金属容器を設置してガス精製装置にする前又はその間に、該金属容器内の不活性雰囲気の中に保持し(即ち、水分又は他の諸汚染物質による汚染を防止し)、その結果、それら精製剤の活性化レベルを維持する。従って、本発明の精製剤を規定するために本明細書で使用する用語「熱活性化する(thermally activated)」は、不活性雰囲気中200℃以上の温度で加熱し、そして、不活性雰囲気中に注意深く保持しておいたアルミナ材料に関連し、従って、200℃以上の温度で熱活性化されなかった市販の諸アルミナ;及び(又は)湿気に再びさらされ、結果的に不活性になっている諸アルミナ;から本発明の精製剤が区別される。
【0026】
本発明の、変性されていない有機アルミナ材料、変性済み有機アルミナ材料及び変性済み無機アルミナ材料の熱活性化は、それら材料を、約200℃〜約1000℃の範囲、好ましくは約250℃〜約600℃の範囲の高温に、少なくとも1時間の間、好ましくは2〜24時間の間加熱することによって行う。その熱活性化は、該アルミナ材料の入っているガス精製剤金属容器の内部か又は別のコンテナ(container; 容器)で[即ち、現場で(in situ; その場で)又は現場外で(ex situ)]行ってよい。
【0027】
現場外での熱活性化は、一層大きい試料(即ち、少なくとも約1リットルの量)に適用し、また、活性化反応器が栓を経てコンテナに直接取り付けられている特殊装置を用いて実施し、そして、活性化後の材料は、保管のために、乾燥窒素ガスが流されている該コンテナに移す。次いで、該コンテナは、ガス精製剤金属容器に取り付けられているトランスフィル管路(transfill line)に移す。管路及び連結用出入り口は全て、加熱し、乾燥窒素でパージング(purging)を行うことによって十分に乾燥する。充填された金属容器の最終キャッピング(capping; 蓋締め)は、トランスフィル管路から金属容器を引き離した後、グローブボックス(glove box)中で行う。そのような「トランスフィル」機構は、2000年12月26日出願の同時係属米国特許出願シリアルNo.09/748,734号明細書に記述されている。この米国特許出願明細書は、言及することによって本明細書に明確に組み入れる。
【0028】
変性済み有機アルミナ材料及び変性済み無機アルミナ材料の場合、これら材料は、有機アルミナ又は無機アルミナを変性した後、熱活性化する。このように、熱活性化は、変性済みアルミナから残留湿気を除去するだけでなく、変性剤を分解し、変性済みアルミナの表面を再構造化するのに役立つ。例えば、炭酸塩、シュウ酸塩又は酢酸塩によって変性されたアルミナ熱活性化は、炭酸塩、シュウ酸塩又は酢酸塩のアニオンを部分的に又は完全に分解して、アルミナの表面上及び(又は)アルミナの空隙内部に、金属酸化物(MxO)又は金属水酸化物[M(OH)x]を与える。
【0029】
本発明者らは驚くべきことに、また意外にも、本発明の諸熱活性化済みアルミナは、以下に詳細に説明されるように、アンモニア、ホスフィン、アルシン、及び不活性又は非反応性ガスのようなバルクガスから如何なる微量のシラン、硫化水素不純物及び水分をも完全に除去するだけでなく、それらのガスから微量のゲルマン(ppbの10分の1の数倍の濃度に至るまで)を除去するのに非常に優れた効率を有することを発見した。
【0030】
本発明の熱活性化済みアルミナベースのガス精製剤の有効性を測定するために、4種の精製剤を試験して、周囲条件での不活性ガス又は非反応性ガスから微量のゲルマン(GeH4)又はアルシン(AsH3)を除去する場合の、それら精製剤の有効性を調べた。その結果は、表2にまとめるが、(1)300℃で熱活性化したMg−変性済み[Mg(OAc)2]アルミナ、(2)150〜200℃で熱活性化した、ネオビード(NeoBead)MSD−3として知られている市販のガス精製剤材料、(3)300℃で熱活性化したNa−変性済み(NaOH)アルミナ、及び(4)300℃で熱活性化したCs−変性済み(Cs2CO3)アルミナを使用して、ヘリウムから微量レベルのゲルマン(即ち、GeH4 240ppb)を、また、窒素から微量レベルのアルシン(即ち、AsH3 100ppm)を除去する場合の各々の精製剤の有効性を示す。精製剤のベッド(beds)は全て、ガス精製剤材料を70ml含有した。それらガスは、0.1標準リットル/分(slpm)又は1[slpm]で該精製剤を通過した。表2に示す結果は、精製剤材料を出る不活性ガス中に残留するゲルマン又はアルシン不純物の量(ppb単位)を示す。各々のガス精製剤材料の効率(%)は、括弧内に示す。
【0031】
【0032】
表2に示す通り、0.1リットル/分のガス流量のヘリウムからゲルマン(GeH4)を除去する場合の、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナとネオビード(NeoBead)の有効性は、類似した。熱活性化されたMg−変性済みアルミナはゲルマン不純物を10ppbに至るレベルまで減少させ、また、NeoBeadはゲルマン不純物を8.3ppbに至るレベルまで減少させた。熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、それぞれ1.0リットル/分の流量のヘリウム中のゲルマンレベルを検出限界未満(即ち、2ppb未満)まで減少したという点で、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナとネオビード(NeoBead)のいずれよりも、ゲルマンの除去に一層効果的であった。加えて、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、99%を越える精製化効率を示した。熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナは、1.0リットル/分の流量でゲルマンを除去する場合(87%)よりも0.1リットル/分の流量でゲルマンを除去する場合(>99%)の方が一層効果的であった。一方、熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、0.1リットル/分と1.0リットル/分の両方の流量でのゲルマン除去に非常に効果的であった。熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、ゲルマン負荷の本質的に全てを除去する能力において、1.0リットル/分の流量でさえ、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナよりも優れていた(99%を越える効率)のに対して、1.0リットル/分未満の流量条件での、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナの効率は87%に減少した。
【0033】
本発明のアルミナベースの諸ガス精製剤を試験して、微量のアルシン(AsH3)を除去するときのそれら精製剤の有効性を調べた場合、0.1リットル/分の流量の窒素からアルシンを除去するときの熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、同一流量のときの熱活性化されたMg−変性済みアルミナと比べて、著しく効率が良かった(即ち、99.99%よりも大きかった)。加えて、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、窒素から微量のアルシンを除去するとき、NeoBead材料よりも遥かに効率が良かった。
【0034】
如何なる理論にも拘束されたくないが、表2に示す結果は、変性済み有機アルミナの、不活性ガス又は非反応性ガスの流れから諸水素化物不純物を除去する能力は、アルミナ変性(modification)のタイプによって決まり得ることを示している。例えば、本発明の熱活性化された変性済み有機アルミナの精製化有効性は、その変性剤の塩基性度の増大、及び恐らくは、熱活性化された変性済み有機アルミナの、結果として得られた塩基性度の増大と共に増大した。
【0035】
更なる研究を行った結果、窒素(N2)からゲルマン(GeH4)を除去するときの、本発明の諸アルミナベースガス精製剤の有効性に及ぼす、熱活性化の種々の条件の影響が分かった。大気圧イオン化質量分析法(APIMS)を使用して諸不純物レベルをモニタリングしたこれら研究の結果を、表3にまとめる。窒素からゲルマン(GeH4)を除去するときの、該アルミナの有効性に及ぼす、変性済みアルミナ又は変性されなかったアルミナを熱活性化する間の温度及び(又は)時間の変化の影響が示されている。これら研究において、ゲルマン約25〜約2500ppbを含有する窒素を用いた一連の実験を行い、また、種々の温度で且つ種々の時間の間その場で(in situ)活性化した(例9〜15に記述する通りに調製した)本発明の種々の精製剤材料に該窒素を貫流させた。
【0036】
a PURALOX SCCa−(90−210)有機アルミナ、バッチ1
b PURALOX SCCa−(90−210)有機アルミナ、バッチ2
c 無機アルミナ、等級A201
【0037】
変性されなかった有機アルミナ(表3、項目1〜6)は、約250℃を越える活性化温度で効果的となり;また、活性化温度が上昇したとき(例えば、300℃〜550℃)又は活性化時間が増大したとき(例えば、24時間まで)、該有機アルミナの有効性はほとんど差異がなくなる;ことが分かった。例えば、約300℃で約3時間の間、変性されなかった活性化済み有機アルミナ(項目3)によって、窒素ガス流中の入口のゲルマン負荷2500ppbは出口レベル2.5ppbに減少した。一方、変性されなかった有機アルミナを約320℃で約24時間の間活性化すること(項目4)によって、ゲルマン不純物の出口レベルは0.06ppbに減少することとなった。同様の改善は、変性されなかった有機アルミナを一層高い温度で一層短い時間の間活性化することによって達成された(項目5及び6)。Cs−変性済み有機アルミナ[即ち、水酸化セシウム(項目7〜10)又は炭酸セシウム(項目11〜13)で変性された有機アルミナ]は、約350℃で活性化した後に効果的となった。表3に示す通り、窒素から微量レベルのゲルマン不純物を除去する有効性に関し、変性されなかった有機アルミナ(項目1〜6)と、金属水酸化物又は金属水炭酸塩(項目7〜13)で変性されたときの該有機アルミナのCs−変性形態との間にはほとんど差異がなかった。
【0038】
対照的に、550℃で7時間の間活性化された、ラ・ロッシュ(LaRoche)から入手した変性されなかった無機アルミナ(項目18)では、ゲルマン負荷濃度が50ppb程も低い場合でさえ、ゲルマン不純物は効果的には除去されなかった。しかし、該無機アルミナは、Cs2CO3(項目20)、又は水酸化物[例えば、CsOH(項目19)及びNaOH(項目21)]によって変性した後、550℃のような高温で5時間の間活性化した後は、非常に効率のよい精製剤になった。550℃で5時間の間活性化したMg−変性済み無機LaRocheアルミナ(項目22)と、550℃で3時間の間活性化したNeoBead材料(項目23)とはいずれも、窒素からゲルマンを除去する上で効果的でなかった。
【0039】
表3は、有機源からの変性されなかった熱活性化済みアルミナと、無機源からの変性されなかった熱活性化済みアルミナとの間の、有効性の著しい差異を示している。例えば、550℃で3時間の間活性化され、変性されなかった有機アルミナ(項目6)は、微量レベルのゲルマン不純物を除去するのに著しく効果的であったのに対し、変性されなかった無機アルミナは、550℃で7時間の間活性化された後(項目18)でさえ、窒素から微量レベルのゲルマン不純物を除去するのにあまり効果的ではなかった。
【0040】
表3に示すデータはまた、本発明の方法に従って、有機アルミナと無機アルミナの両者を、熱活性化する前に金属炭酸塩又は金属水酸化物で変性することによって、該変性済みアルミナの、諸ガス中のゲルマン不純物を除去する能力が改善されることを実証している。この改善は、無機アルミナに対してとりわけ顕著であり、該無機アルミナの変性されていない状態では、熱活性化された後でさえ、ゲルマンの除去は効果的でない
表3に示す諸ガス精製剤は全て、ホスフィンのガス流から微量のシラン不純物及び微量の硫化水素を十分に除去するのに有効であることが分かった(データは示さず)。従って、本発明の、熱活性化済み有機アルミナベースのガス精製剤は、諸ガスから微量のシラン不純物及び微量の硫化水素を十分に除去するのに有効であることに加えて、諸ガス流から微量のゲルマン不純物を効率良く除去する付加的能力が、諸無機源[即ち、「沈降(precipitated)」アルミナ]からの変性されていないアルミナよりも優れている。
【0041】
表4は、ホスフィン(PH3)、アンモニア(NH3)及びアルシン(AsH3)からゲルマン、シラン及び水分の諸不純物を除去する場合の、本発明の、変性されていない熱活性化済み有機アルミナ材料及び変性された熱活性化済み有機アルミナ材料の有効性を示す。実験は全て20℃で行った。有効性は、精製剤を出るガスの中に残留している不純物(ppb)で示す。容量(capacities)は、FT−IR測定におけるブレークスルー点(point of breakthrough)として与えられ、また、(ブレークスルー点までの)精製剤材料1リットル当りの不純物(即ち、ゲルマン、シラン、二酸化イオウ、又は水分)のリットルとして与えられる。
【0042】
a PURALOX SCCa−(90−210)有機アルミナ、バッチ1
b 550℃で3時間の間熱活性化;AsH3で12時間の間状態調整。
c 550℃で3時間の間熱活性化;AsH3で2週間の間状態調整。
【0043】
熱活性化された諸Cs−変性済みアルミナであって、Cs2CO3(表4、項目2)又はCsOH(表4、項目3)で変性された該アルミナは、ホスフィンガス流中のゲルマン(GeH4)約200ppb、シラン(SiH4)200ppb及び硫化水素(H2S)100ppbを除去するのに十分効果的であった;即ち、出力ガス中のゲルマン、シラン及び硫化水素のレベルは、GC/AED機器(例7を参照)の検出限界未満であった。変性されなかった熱活性化済み有機アルミナ(表4、項目1)は、ホスフィンからシラン及び硫化水素を検出限界未満まで除去するのに効果的であったものの、ゲルマンの除去では、該Cs−変性済みアルミナによる前記の効果程の効果はなかった。
【0044】
変性されなかった熱活性化済み有機アルミナはまた、アンモニアから水分、ゲルマン及びシランを除去する場合も効果的であった(表4、項目4)。例えば、2〔slpm〕の流量のH2O 430ppmは、検出限界未満[即ち、150ppb(FT−IRで測定)]まで減少し、容量は、精製剤1リットル当り水分約16リットルであった。熱活性化されたCs−アルミナは(表4、項目5)は、水分約800ppmを除去し、その濃度は検出限界100ppbより下まで減少し、容量は、精製剤1リットル当り水分約22リットルであった。その熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナはまた、アンモニア中のゲルマンとシランの両者の56ppbを、GC/AEDによる測定される検出限界未満まで除去するのにも効果的であった。アンモニアから諸不純物を除去する場合の、熱活性化されたCs2CO3−変性済みアルミナ(表4、項目5)を用いた5回の繰返し実験によって、本発明のそれら変性済み有機アルミナは、少なくとも数回(恐らくは、それ以上)の再生サイクルに対して再生可能であることが実証される。
【0045】
効果的なガス精製剤というものは、水素化物ガス、又は不活性若しくは非反応性のガスから水素化物不純物を効率良く除去することに加えて、該マトリックスガスを無傷の状態(intact; 元のまま)にしておかねばならない;即ち、効果的なガス精製剤というものは、該マトリックスの水素化物ガスを分解してはならない。例えば、本発明のガス精製剤がアルシン(AsH3)に対する実行可能な精製剤であるためには、該ガス精製剤は水素化物不純物を除去する間に該アルシンガスを分解しないということを示さなければならない。
【0046】
図1及び2に、アルシンを次の諸精製剤材料:ネオビード(NeoBead)MSD−3(NeoBead)、熱活性化されたCs−変性済み(Cs2CO3)有機アルミナ、熱活性化されたMg−変性済み[Mg(OAc)2]アルミナ、及び熱活性化されたNa−変性済み(NaOH)アルミナ、の各々で精製する場合の、アルシンの安定性を示すために行った一連の実験の結果をまとめる。図1において、NeoBead、熱活性化されたCs−変性済みアルミナ、熱活性化されたMg−変性済みアルミナ、及び熱活性化されたNa−変性済みアルミナを表す4本の曲線は、圧力(kg/cm2単位)の変化を、ガス精製剤材料をアルシンに暴露したときの時間(分)の関数として示している。圧力の増大は、アルシンの分解を示す。この分解は、化学反応式2によって、水素を生成する。
【0047】
図1は、試験を行った4種の精製剤の[圧力]対[時間]曲線を示す。図1に示す通り、アルシンがNeoBead(NB)ガス精製剤(円形)、又は熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ(正方形)の上を流れたとき、圧力変化はほとんど生じなかった。これは、NeoBeadと、熱活性化されたMg−変性済みアルミナとは、化学反応式2によってアルシンを分解しなかったことを示している。熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ(三角形)は、時間が経つにつれて初期の圧力が穏やかに増大することを示すのに対して、熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ(ひし形)では、初期の圧力の増大は非常に著しかった。しかし、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナと熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナの両者では、アルシンの分解速度は短時間内で減少した。これは、精製剤を数時間の間稼動した後、アルシンの初期分解が著しくないことを示す。従って、熱活性化されたCs−変性済みアルミナによるアルシンの分解は、恐らく、物理吸着によるか又は化学的表面反応(化学反応式2を参照)によって、該アルミナの表面にヒ素(As)が堆積する間の、アルミナの「不動態化」(passivation)プロセスとして、初期においてのみ生じた。
【0048】
図2は、アルシンがNeoBead(NB)、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ、熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ、又は熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナの上を流れたときの時間の関数として、アルシンの減損(即ち、入力アルシンの濃度引く出力アルシンの濃度)を示す。この実験において、ヘリウム中のアルシン(AsH3)5000ppmを0.1標準リットル/分(slpm)で、それらガス精製剤材料の各々に貫流させた。全ての場合において、アルシンがそれら精製剤を貫流する間、アルシン濃度の初期減損があった。しかし、アルシンの減損は30〜60分以内で止まった。これは、アルシンが該ガス精製剤によってもはや分解されていなかったことを示す。NeoBead(NB)と、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナとについては、この回復は一層速く、また、約30分後、回復は十分であった。本発明の、一層活性で且つ一層効率のよい、変性済みアルミナの諸ガス精製剤(即ち、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ)の場合、約60分の時間の後に出力アルシン濃度は十分に回復した。
【0049】
図1及び2は、ゲルマンを除去するのに一層効果的な、本発明のガス精製剤というものは、アルシンの初期分解を一層大きくすることを例証している(表2の括弧の数字、及び表3の有効性の欄をも参照)。しかし、一層効果的な、熱活性化されたNa−変性済みアルミナ及び熱活性化されたCs−変性済みアルミナは、アルシンを精製するためには、不動態化(passivation)の時間の後、効率良く使用することができると結論付けることができる。もう1つの方法として、本発明のガス精製方法に、熱活性化されたMg−変性済みアルミナを使用することができ、それによって、アルシンの初期分解は、変性されなかった有機アルミナと比べて一層小さくなり、同時に、微量のゲルマンを除去する場合の該アルミナの高い有効性が維持される(表3の、対応する有効性の数字を参照)。
【0050】
本発明の1つの態様は、半導体及び他の電子基板を製造するための諸ガスと併用する点を特徴とするが、他のあらゆるタイプの高純度製品であって水分が該製品の製造に有害となる該製品のための諸構成成分物質を堆積(deposition)するのに使用されるあらゆる水素化物ガスを処理することに関しても同様の価値があることが認識されると思う。
【0051】
諸例
例1:Cs−変性済み有機アルミナの調製
炭酸セシウム[10.51g;純度99%;オールドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)]を脱イオン水30mlに溶解した。得られた溶液は、250mlビーカーを用い、また、初期湿式含浸法(incipient wetness impregnation)のような、当該技術で知られているやり方で、真空炉中、約105℃で約24時間の間新たに乾燥しておいた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社(CONDEA Vista Company)から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]100gに1滴ずつ約30分間の間添加した。次いで、室温で少なくとも約16時間の間、平衡状態に保ち、その後、この平衡状態に置かれた材料は、真空炉に移し、約105℃で約20時間の間乾燥した。
【0052】
例2:Cs−アルミナの熱活性化
例1のCs−変性済みアルミナ(60ml)を、直径2.54cm、長さ30cmのステンレス鋼管の中に装填した。該管には、上部に入口栓を設け、底部に出口栓を設けた。また、該管は、粒子フィルタを用いて、精製剤材料から物理的に分離した。その充填済み管に、[Nanochem(登録商標)OMXで精製した]精製済み窒素ガスを、1標準リットル/分(slpm)の流量で15時間の間通過させた。次いで、加熱テープ(heat tape)を用いて、その管の温度は320℃に上昇させ、この温度に24時間の間保持した。次いで、この材料は、同一流量の乾燥窒素を通過させながら室温まで冷却し、次いで、更に15時間の間、窒素を該精製剤に貫流した。
【0053】
例3:Mg−変性済み有機アルミナの調製と熱活性化
マグネシウム(Mg)による有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性は、例1に上述したように行った。酢酸マグネシウム[13.4g;Mg(OAc)2・4H2O;純度99%;オールドリッチ・ケミカル社]を脱イオン水約30mlに溶解した。次いで、得られた溶液はCONDEA有機アルミナ100gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、真空炉乾燥を行った。次いで、Mg−変性済み有機アルミナの熱活性化は、上記例2のように行った。
【0054】
例4:Na−変性済み有機アルミナの調製と熱活性化
ナトリウムによる有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−90−210、バッチ1]の変性は、上記例1に従って行った。水酸化ナトリウム[11g;純度99%;オールドリッチ・ケミカル社]を脱イオン水約51mlに溶解した。得られた溶液はその有機アルミナ170gに添加し、次いで、室温で所定時間平衡状態に保ち、次いで、150℃で炉乾燥を行った。Na−変性済みアルミナの熱活性化は、例2に記述するように行った。
【0055】
例5:諸不活性ガスからのゲルマン及びアルシン不純物の除去
種々の精製剤について、周囲条件で、不活性ガス中の微量のホスフィン及びアルシンを除去するときの、それら精製剤の有効性を調べるために試験を行った。例2、3及び4に記述したように、精製剤60mlの上に、He中のゲルマン240ppbと窒素中のアルシン100ppmとを0.1[slpm]又は1[slpm]で通過させ、300℃で活性化し、また、比較のためにネオビード(NeoBead)精製剤の上に通過させた。GC−PID[光イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ]を用いて、残留しているゲルマン/アルシン不純物に対する排ガス分析を行った。その結果は、表2にまとめる。
【0056】
例6:AsH 3 の種々の精製剤材料への接触
AsH3を例2、3及び4の諸精製剤、並びにネオビード(NeoBead)に接触させる効果について、次の通り調べた。(A)AsH3 100%を0.5[slpm]で2時間の間、精製剤の上に流した。それから精製剤を入れた金属容器の入口栓及び出口栓を閉じて、精製剤をAsH3と静的に接触させた。圧力計で測定される通り、圧力はまもなく上昇した。アルシンが明らかに化学反応式2に従ってAs(固体)及びH2(気体)に分解されるために、圧力は、時間の関数として増大した。また、4種の精製剤に対する結果は、図1に示す。(B)(A)で記述したように、AsH3を静的モードで350分間接触させた後、He中のAsH3 5000ppmを0.1[slpm]で精製剤に貫流させて、排ガス中のAsH3の量は時々、GC−PIDによってモニタリングした。その結果は、時間に対するppm単位のAsH3の減損として、図2に示す。
【0057】
例7:アンモニアからの水素化物不純物の除去
ゲルマンの56ppb不純物負荷(impurity challenge)とシランの56ppb不純物負荷とを含有するアンモニアガスは、約1[slpm]の流量で、例2の精製剤の上を通過させた。精製剤は60mlステンレス鋼容器の中に入れ;また、不純物負荷を生じさせ運ぶために、適切なガス管路、ガス栓、ガス器具、流体質量制御器(mass flow controllers)及び流量計を備えた従来のガス圧式を使用した。排ガスの分析は、GC/AED(例8を参照)を用いて行った。ゲルマンとシランの両方の濃度は、GC/AEDの検出限界である0.5ppb未満に下がった。
【0058】
例8:ホスフィンからの水素化物不純物の除去
ホスフィン(PH3)から微量の水素化物不純物を除去する有効性の測定は、ガスクロマトグラフ/原子発光検出(Gas Chromatography/Atomic Emission Detection)(GC/AED)を用いて行った。「B.D.クインビー(Quimby),J.J.サリバン(Sullivan):Analytical Chemistry,62,第1027頁〜1034頁(1990)」、及び「J.J.サリバン,B.D.クインビー:Analytical Chemistry,62,第1034頁〜1043頁(1990)」を参照。これら文献はそれぞれ、言及することによって本明細書に明確に組み入れる。この分析方法において、諸検体であるH2S、SiH4及びGeH4は、特定のガスクロマトグラフィーカラム及び条件を使用して、順次、PH3マトリックスガスから分離される(又は、SiH4及びGeH4は、AsH3マトリックスガスから分離される)。分離された各々の検体が一旦マトリックスガスから分離されると、その検体は、原子発光検出器(AED)の中に進む。AEDは、分離された各々の検体をヘリウムマイクロ波プラズマ中で霧状にし;次いで、グレーティングシステム(grating system;格子装置)及びフォトダイオードアレイ検出器を用いて、S、Si及びGeに対する特定の輝線を検出する。
【0059】
精製剤のハウジングとして60mmステンレス鋼容器を使用し、該容器は、ガスを配送し不純物負荷を発生させるための従来の設備に連結し、更に、適切なガス管路、ガス栓、ガス器具、流体質量制御器及び流量計にも連結した。熱活性化したCs2CO3変性済み有機アルミナ(例2)を含む試験は、周囲温度で行った。ホスフィンのガス流は約60ppbのゲルマン不純物を含有し、また、前記の熱活性化したCs−変性済み有機アルミナの上を越えるホスフィンガスの流量は、約1リットル/分であった。得られたガスクロマトグラフ信号は約1.3単位であった。
【0060】
熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを使用しない場合、ガス流のガスクロマトグラフ信号は、約1900単位より大きかった。従って、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを使用した場合、出力(output)のゲルマンレベルは、約1000倍だけ減少し、100ppt(検出限界)未満になった。これは99.9%のゲルマン除去効率に相当する。変性しなかった有機アルミナは、44単位の出力信号を与えた。従って、該有機アルミナもまた、ゲルマン負荷を97%を超えて、約1.4ppb(この値は、検出限界より幾分大きい)に至るまで除去し、ゲルマン負荷を除去するのに有効であった。対照的に、沈降無機アルミナ[ラ・ロッシュ(LaRoche)];及び、例3に従って水酸化ナトリウムで変性した有機アルミナ(コンデア・ビスタ社);については、非常に大きい出力信号が得られた。
【0061】
次いで、熱活性化したCs2CO3変性済み有機アルミナに対する、この水素化物−除去試験の条件を変えて、ホスフィンからゲルマン及び他の諸不純物を除去する上での精製剤の効率を更に調べた。1つの試験において、不純物負荷は、硫化水素(H2S)100ppb、シラン200ppb、及びゲルマン200ppbであった。この試験で、硫化水素及びシランは、ホスフィンのガス流から完全に除去された。ゲルマンについては、1.4単位の出力信号を確認した。
もう1つの試験において、ホスフィン中のゲルマン負荷60ppbを、熱活性化したCs2CO3変性済み有機アルミナに1.5リットル/分で貫流した。1.6単位のゲルマン出力信号が生じた。比較として、これらの条件下で、変性しなかった熱活性化済み有機アルミナは、58単位のゲルマン出力信号を与え、従って、効果は著しく劣っていた。
【0062】
上記の諸試験からの結論は、例1で造った、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナは、ホスフィンから微量のゲルマンを除去するのに著しく効率がよかった。この高効率は、約1〜約1.5リットル/分の範囲のガス流量によって、又は、H2S及びSiH4のような他の種類の不純物が存在することによって悪影響を受けなかった。それら不純物の両者は、同時に且つ効率よくそれらの検出限界まで除去された。
【0063】
もう1つの研究において、ホスフィン中の不純物負荷は、1.5リットル/分のホスフィン流量で、H2Sを66ppbに、SiH4を500ppbに、また、GeH4を500ppbに著しく増大させた。次いで、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを貫流した出口ガスの分析は、3回行った。第1回目の分析では、シランの0.8出力単位(約150ppt)と、ゲルマンの3.3出力単位(約100ppt)とが得られた。第2回目及び第3回目の分析では、シランからの出力信号もゲルマンからの出力信号も全く得られなかった。3回の分析の全てにおいて、H2S信号は全く存在しなかった。これは、H2Sが精製剤によって完全に除去されたことを意味する。
次いで、シラン/ゲルマン(SiH4/GeH4)負荷は、同じホスフィン流量で、SiH4を900ppbに、また、GeH4を900ppbに更に増大させた。この場合、GC/AED法では、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナの出力では、如何なるSiH4/GeH4不純物も検出されなかった。
【0064】
次に、シランとゲルマンの両方の濃度は、一層低いホスフィン流量の1リットル/分で、1350ppb(1.35ppm)まで増大させた。このガス混合物は、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを通過した後、水素化物不純物のGC信号は再び全く示さなかった。概して言えば、精製剤は1〜1.5リットル/分のホスフィン流量で5時間を越える間作動し、従って、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナに、400リットルを超えるホスフィンを、(約1mgのシラン/ゲルマンに相当する)約1ppmの平均負荷及び約0.4mlの累積負荷で通過させたものの、劣化の兆し及び(又は)性能の喪失は全く見られなかった。
上記の諸実験によって、例1の熱活性化したCs−変性済み有機アルミナが非常に有効であり、ホスフィン中の広範囲に渡る(たとえ汚染物質の濃度が非常に大きくても)諸不純物に対する、耐久性のある精製剤を提供することが例証される。
【0065】
例9:Mg(OH) 2 −変性済み有機アルミナの調製
マグネシウムを用いた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性を、例1の方法に従って行った。水酸化マグネシウム[14g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解し、次いで、得られた溶液はPURALOX SCCa−90−210 200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0066】
例10:Mg−変性済み無機アルミナの調製
マグネシウムを用いたラ・ロッシュ(LaRoche)無機アルミナの変性を、例1の方法に従って行った。該ラ・ロッシュアルミナは、アルミナ等級A201、Al2O3 93.6%、Na2O 0.35%、SiO2 0.02%であり、かさ密度が0.77g/mlで、(ビーズ)平均粒径が2.44mmであった。水酸化マグネシウム[14g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解し、次いで、得られた溶液は該ラ・ロッシュアルミナ200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0067】
例11:Ba(OH) 2 −変性済み有機アルミナの調製
バリウムを用いた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性を、例1の方法に従って行った。水酸化バリウム[27g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解した。幾らかの残存Ba(OH)2が溶解しないで残った。得られた溶液はPURALOX SCCa−(90−210) 200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0068】
例12:CsOH−変性済み無機アルミナの調製
セシウムを用いたラ・ロッシュ無機アルミナの変性(例10を参照)を、例1の方法に従って行った。水酸化セシウム[22g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約60mlに溶解し、次いで、得られた溶液は該ラ・ロッシュアルミナ200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0069】
例13:Cs 2 CO 3 −変性済み無機アルミナの調製
セシウムを用いたラ・ロッシュ無機アルミナ(例10を参照)の変性を、例1の方法に従って行った。炭酸セシウム[15g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約60mlに溶解し、次いで、得られた溶液は該ラ・ロッシュアルミナ200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0070】
例14:NaOH−変性済み有機アルミナの調製
水酸化ナトリウムを用いた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性を、例1の方法に従って行った。水酸化ナトリウム[13g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解し、次いで、得られた溶液はPURALOX SCCa−(90−210) 200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0071】
例15:例9〜14に記述の通りにして造った試料の熱活性化
例9〜14に従って造った諸材料は、例2に記述する通りにして熱活性化した。但し、活性化温度は、110℃〜550℃の間で変化させ、また、活性化時間は3時間〜24時間の間で変化させた(表3)。
【0072】
例16:窒素からゲルマン不純物の除去の効率試験
窒素ガスからゲルマン不純物を除去するときの諸精製剤の効率は、APIMS(大気圧イオン化質量分析法)を用いて測定した。ガスの金属容器及びガス管路設備は、例7で採用したものであった。ゲルマンの負荷約25ppb〜約2500ppb(2.5ppm)含有する窒素ガス流[m/z=90、mは質量であり、zはチャージ(charge;電荷)]を約2[slpm]の流量で精製剤の上に通過させた。ゲルマンに対するAPIMS機器の検出限界は0.08ppbである。この試験の結果は、表3にまとめる。
【0073】
例17:アルシンからゲルマン及びシラン不純物の除去の効率試験
マトリックスガスとしてのアルシンから微量の水素化物不純物を除去するときの効率は、例7で使用したGC/AED及びガス管路を用いて測定した。ゲルマン負荷50ppb及びシラン負荷50ppbを含有するアルシンガスを、ネオビード(NeoBead)GB−45アルミナの精製剤の上に20℃で通過させた。このアルミナの物理的性質及び汚染物質レベルを表1に示す。表1では、それらは、CONDEAアルミナ及びNeoBead Dの物理的性質及び汚染物質レベルと比較する。GBアルミナは、使用する前、550℃で3時間の間、熱活性化し、次いで、水素化物の負荷を導入する前に、100%AsH3の流れで12時間の間、状態調整を行った(conditioned)。アルシン中のゲルマンに対するGC/AEDの検出限界は、1〜2ppbであり、また、アルシン中のシランに対しては1ppbである。この試験の結果(表4、項目)によると、出口のアルシンガス中のゲルマン濃度は9.7ppbに減少し(80%の効率)、また、シラン濃度は1.3ppbに減少した(97%の効率)。精製剤の温度を70℃に上昇させたとき、ゲルマンとシランの両方を除去する効率は、100%に増大した(即ち、出口のアルシンガスで測定した不純物レベルは、両汚染物質の検出限界よりも小さかった)。AsH3による状態調整(conditioning)を2週間の間行ったとき、精製剤によって、ゲルマンとシランの両者は、周囲温度で検出限界未満まで除去された(表4、項目7)。
【0074】
前記の記述は、本発明の原理についてのみ説明するものと見なす。更に、当業者には、多くの部分的変更及び変形が容易に思い浮かぶものであるから、本発明を、上述される通りに示されるままの厳密な構造及び方法に制限することは望ましくない。従って、適切な部分的変更及び同等のものは全て、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲の中に包含されるものと主張することができる。
用語「〜を包含する(comprise)」、「〜を包含している(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及び「含む(includes)」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、記述される特徴、完全体(integers)、成分、又は工程(steps)が存在することを特定するように意図されているものの、それら用語は、1つ以上の他の特徴、完全体、成分、工程若しくはそれらの群が存在すること、又はそれらを追加することを排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
諸添付図面は、本明細書に組み入れられ本明細書の一部を成しているが、本発明の好ましい諸態様を例示しており、また、その説明に加えて、本発明の原理を説明するのに役に立つ。
【図1】
[kg/cm2単位の水素ガスの圧力]対[アルシンガス(AsH3)を次の諸ガス精製剤:熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ(Cs2CO3/Al2O3)、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ(NaOH/Al2O3)、NeoBead(ネオビード)として知られている市販のガス精製剤材料、及び熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ(Mg(OH)2/Al2O3)、の1つに貫流した後の時間(分)]をプロットしたグラフである。
【図2】
[ガスが次の諸ガス精製剤:熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ(Cs2CO3/Al2O3)、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ(NaOH/Al2O3)、NeoBead、及び熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ(Mg(OH)2/Al2O3)を貫流する時間(分)]の関数として、[1つのガス精製剤を備えた金属容器の出口における、アルシンガス(AsH3)のppm単位での減損]をプロットしたグラフである。
(発明の分野)
本発明は、ガス精製の分野と;マイクロエレクトロニクス(超小型回路電子機器)製造業において有用なバルクガス又はマトリックスガスの超精製と;に関する。一層具体的に言えば、本発明は、マトリックス水素化物ガスと、不活性ガス又は非反応性ガスとからの、微量の水素化物不純物及び水分を選択的に除去するための方法及び材料に関する。
【0002】
(発明の背景)
半導体は一層小型化し、また、半導体を用いたデバイス(devices)は一層複雑化し、その結果、それら半導体に対する一層過度の要求がなされるにつれ、半導体の完全性(perfectness property)は、重大な関心事の的となっている。半導体の製造には、種々の成分から成る反応性ガスを使用することが包含される。半導体の製造では、加えて、金属有機化学蒸着(MOCVD)及び関連する他の製造技術のような諸製造プロセスが使用される。これら製造プロセスにおいて、反応性ガスの純度は、製造される半導体製品の品質(とりわけ、半導体製品の電子的品質)を決定する上で大きな役割を果たす。その結果として、マイクロエレクトロニクス工業では、超純粋プロセスガスに対する需要が増大している。従って、マイクロエレクトロニクスプロセスにおける有用な諸ガスの超精製では、広範囲に渡る技術的な努力と進展とが行われてきた。
【0003】
マイクロエレクトロニクス・デバイスの製造に使用される諸ガスを精製する現行方法は通常、その超純粋ガスに対する必要性を満たすには不十分である。かつては、ppbレベルの不純物が許容されていたものの、現在、そのようなレベルは多くのプロセスにおいて高過ぎると考えられている。この技術的努力は、諸ガス中の不純物を検出するのに使用される分析技術の改善によって助長されている。現在、例えば、大気圧イオン化質量分析法(Atomospheric Pressure Ion Mass Spectrometry)(APIMS)を用いることによって、pptレベルの不純物検出限界を与える能力が存在する。
【0004】
IIIB族金属[例えば、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)]並びにVB族元素[例えば、リン(P)、ヒ素(As)、及び窒素(N)]は、それらがいわゆるIII/V族半導体の構成物質である半導体の製造に特に重要である。例えば、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)及びアンモニア(NH3)はそれぞれ、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化インジウム(InP)及び窒化ガリウム(GaN)のようなIII/V族半導体の製造に使用される。これら半導体材料中に存在する微量の異物元素は有害である。これら異物元素がIVB族元素(例えば、Si及びGe)並びに/又はVIB族元素(例えば、S及びSe)であれば、とりわけ有害である。これら元素は、その半導体材料に対するアクセプタ効果(acceptor effect)又はドナー効果(donor effect)に悪影響を及ぼす。都合の悪いことに、微量のIVB族及びVIB族の元素は、いわゆる「純粋ガス(pure gases)」中にごく一般的に存在する。例えば、ホスフィン及びアルシンには、微量のシラン(SiH4)、ゲルマン(GeH4)、硫化水素(H2S)及びセレン化水素(H2Se)が含有されることがある。加えて、微量の、酸素(O2);一酸化炭素(CO)及び/又は二酸化炭素(CO2)のような酸化物;並びに、ホスフィン及びアルシンから誘導される酸化物[例えば、HxPyOz、及びHxAsyOz(式中、x、y及びzは小さい整数である)];もまた、「純粋ガス」中に検出されてきた。そのような不純物もまた、半導体の諸プロセスにおいて有害である。
【0005】
半導体デバイスの製造に使用される諸水素化物ガス中の不純物、とりわけ、他の諸成分から成る水素化物不純物は、水素化物バルクガスそれ自体から;又は、ガスボンベ、高圧ガス容器、ガス栓及びガス調整器のような、ガス取り扱い及び分配装置から;そして、これらの装置を相互連結するガス管路からさえも;生じることがある。
米国特許第5,385,689号明細書には、水分;酸素及び他の諸酸化体(oxidants);水素、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンのようなガス流からのルイス酸;並びに、シラン(SiH4)、ゲルマン(GeH4)、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)、硫化水素(H2S)及びセレン化水素(H2Se)のようなIVA−VIA族水素化物ガス;を除去する掃気用組成物を使用して、諸半導体プロセスガスを精製する方法が開示されている。掃気用組成物は、不活性なマクロ孔質ポリマー(macroreticulate polymer)の支持体の上にIA族金属(Na、K、Rb、Cs、又はそれらの混合物若しくは合金)を堆積(deposition)し、次いで、高温で熱分解することによって形成されている。
【0006】
特開平4−124001号公報には、活性化済みアルミナゲルを用いてアルシンを精製する方法が記載されている。粒状のアルミナゲルを活性化するために、110〜200℃に加熱した窒素ガスを使用する。精製されていないアルシンを、そのアルミナゲルと接触させ、次いで、温度を上げてアルシンから不純物を除去する。しかし、特開平4−124001号公報には、該アルミナは200℃より高い温度まで加熱すべきでないことが明確に記述されており、該アルミナゲルは200℃より高い温度で粉末になり、それによって、該アルミナは諸ガスを精製することが不可能となることが記述されている。
【0007】
日本酸素(株)は、アルシンからシランを選択的に除去する、MN Purificator(登録商標)と称される[NSC NeoBead(ネオビード)、NeoBead又はNBとも称される]アルミナ触媒を開発した[日本国特許第2−246533号;タクヤ(Takuya)等:J. Cryst. Growth,124,第272頁〜277頁(1992)]。アルシンがアルミナを通過する時、MN Purificator(登録商標)によって、アルシンからシランが除去される機構は、化学反応式1に示される化学反応であると記述されている。
SiH4 + [Al(OH)]2 → (AlO)2−SiH2 + 2H2 (1)
【0008】
上述のNeoBead材料等のアルミナは、窒素等の不活性ガスの流れから、また、水素化物ガスのアルシン及びホスフィンからシラン及び硫化水素不純物を除去することが知られている。しかし、NeoBead材料は、水素化物及び不活性ガスの流れから痕跡量のゲルマン不純物を除去することに関しては効果がない。
ワタナベ(Watanabe)等[Journal of Materials Science: Materials in Electronics,9,第127頁〜132頁(1998)]は、多孔質γ−アルミナ(ガンマ−アルミナ)及び非晶質シリカによるB2H6及びH2Seの吸着の状況を記述し、吸着剤の塩基性度、及び水素化物の陽子親和力に置き換えて、アルミナ及びシリカに対する諸水素化物(B2H6、PH3、AsH3及びH2Se)の反応性について検討している。
【0009】
イケダ(Ikeda)等[Journal of Crystal Growth,124,第272頁〜277頁(1992)]は、アルミニウム円柱の内面を処理して清浄で滑らかな酸化物層を形成することによって、また、SiH4を選択的に分解する触媒を開発することによって、AsH3中のH2O及びSiH4の含有量を減少させることを記述している。
当該技術には、いわゆる純粋ガスから微量の不純物を除去するのに(とりわけ、バルク又はマトリックスの水素化物、及び非反応性又は不活性の諸ガスから微量の水素化物不純物を除去するのに)有効な精製装置及び精製方法の必要性が残されている。とりわけ、水素化物ガス、及び非反応性ガス又は不活性ガスから、リン(P)及びヒ素(As)のようなVB族元素;並びに、ケイ素(Si)及びゲルマニウム(Ge)のようなIVB族元素;から成る微量の水素化物不純物を選択的に除去する必要性が存在する。そのような水素化物不純物は著しい毒性を有するために、それらは環境上及び健康上の危険を引き起こす。また、バルクガス及びマトリックスガスからこれら水素化物を除去して、ppmを下回るレベル(sub−ppm level)まで低下させることが望ましい。
【0010】
(発明の概要)
本発明によって、吸着を基礎として造られた従来技術のガス精製装置であって諸水素化物ガスから諸不純物を除去しようと試みている該装置の欠点が克服される。本発明によって、後で半導体デバイスを製造するのに用いられる諸ガスの精製に使用するのに(しかし、それに限定されない)とりわけ適合しているガス精製装置が提供される。
【0011】
従って、本発明によって、精製された水素化物、不活性又は非反応性のマトリックスガスであって、好ましくない水素化物を約1ppb未満の不純物レベルで含有するものを提供するために、バルク又はマトリックス(bulk or matrix)の水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスの中にppmレベル〜ppbレベルで存在することがある微量の水素化物不純物を選択的に除去する方法が提供される。とりわけ、本発明によって、バルク又はマトリックスの諸水素化物ガス[例えば、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)及びアルシン(AsH3)]からの;並びに、不活性又は非反応性の諸ガス[例えば、窒素(N2)、水素(H2)、アルゴン(Ar)及びヘリウム(He)]からの;微量レベルの不純物[例えば、ゲルマン(GeH4)、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、シロキサン、リン酸化物(PxOy)及びリンのオキシ酸(HxPyOz)(式中、x、y及びzは小さい整数である)]を選択的且つ効果的に除去する方法が提供される。それに加えて、また、それと共に、本発明の方法によって、そのようなバルク又はマトリックスの諸ガスの中に存在することがある、好ましくない微量の水分が効果的に除去される。
【0012】
一層具体的に言えば、本発明の1つの態様によると、有機アルミナ材料、変性済み有機アルミナ材料、又は変性済み無機アルミナ材料から成る群から選ばれるアルミナ材料に汚染ガスを貫流すること(flowing through)によって、水素化物ガス、不活性ガス、及び非反応性ガスから微量の不純物を除去する方法であって、上記アルミナ材料は、不活性雰囲気中、約200〜1000℃の温度で十分な時間の間加熱されることによって使用前に熱活性化され、且つ、その熱活性化済み材料は、使用前、不活性雰囲気中に保持されている上記除去方法が提供される。熱活性化された変性済み有機アルミナ材料又は変性済み無機アルミナ材料は、変性されていない有機アルミナ又は変性されていない無機アルミナを変性剤(例えば、卑金属塩又は金属水酸化物)で処理し、次いで、その変性済み有機アルミナ材料又は変性済み無機アルミナ材料を約200〜1000℃の温度で熱活性化することによって調製する。
【0013】
本発明によると、微量の不純物[例えば、ゲルマン(GeH4)、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、シロキサン、リン酸化物(PxOy)及びリンのオキシ酸(HxPyOz)(式中、x、y及びzは小さい整数である)]を選択的に除去し、且つ、水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスから微量の水分を除去するための、アルミナベースのガス精製剤材料が更に提供される。
本発明によると、微量の不純物を選択的に除去し、しかも、バルク又はマトリックスの水素化物ガス、不活性ガス若しくは非反応性ガスから水分を除去するための変性済みアルミナベースのガス精製剤材料の製法が更に提供される。
【0014】
本発明の更なる新規な特徴及び諸利点は、部分的には次の記述で開示され、また、部分的には下記明細を吟味すれば当業者には容易に分かるし、或いは、本発明を実施することによって理解されることもある。本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に詳細に示されている諸手段、諸組合せ及び諸方法によって実現し達成することができる。
【0015】
(発明の詳細な記述)
本発明によると、水素化物ガス、不活性(inert)ガス及び非反応性(non−reactive)ガスから微量の不純物を選択的に減少させる上で驚くべき程且つ意外な程効果的な、熱活性化済み(thermally activated)アルミナベースのガス精製剤材料が提供される。それに加えて、また、それと共に、本発明の精製剤材料によって、水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスから微量の水分が除去される。本発明によると、バルク又はマトリックスの水素化物ガス、不活性ガス及び非反応性ガスから微量の不純物を除去し、このようにして、これらガス中に存在する微量の不純物の濃度が100〜10000倍だけ、更に具体的に言えばppb〜pptのレベルまで減少させる有効な方法が更に提供される。
【0016】
本発明の諸方法及び諸材料は、諸水素化物ガス[例えば、アンモニア(NH3)、ホスフィン(PH3)及びアルシン(AsH3)]から;並びに、不活性又は非反応性の諸ガス[例えば、窒素(N2)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)及び水素(H2)]から;微量のゲルマン(GeH4)、シラン(SiH4)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、シロキサン、リン酸化物(PxOy)及びリンのオキシ酸(HxPyOz)(式中、x、y及びzは小さい整数である)]を効果的に除去するのにとりわけ有用である。
【0017】
手短に言えば、この精製方法は、変性されていない(unmodified)熱活性化済み有機アルミナ材料、変性された(modified)熱活性化済み有機アルミナ材料、又は変性された熱活性化済み無機アルミナ材料から選ばれるアルミナベースのガス精製剤に、精製すべきガスを接触させる工程であって、該アルミナベースガス精製剤は、不活性雰囲気中、約200〜1000℃の温度、好ましくは約250〜600℃の温度で予め活性化し、且つ、使用前、不活性雰囲気中に保持する該工程を包含する。本発明のアルミナベースガス精製剤は、ビーズ、ペレット、押出し品、又は他のタイプの粒子の形態である場合がある。アルミナベースガス精製剤は、ガス入口及びガス出口であって、適切なガス栓を経由して、それぞれ入口及び出口のガス管路に連結されている該ガス入口及びガス出口を有する精製剤ハウジング(purifier housing)(通常、ステンレス鋼容器)の中に保管する。ガス精製操作は典型的には、周囲温度〜約100℃の範囲の温度で行う。
【0018】
本発明の諸精製剤には、1つの態様において、変性されていない「有機(organic)」アルミナから調製された、変性されていない熱活性化済みアルミナベースの精製剤が包含される。有機アルミナは、その中のソーダ(Na2O)含有量が低いこと(即ち、0.1%未満であり、一層典型的には約0.002%)によって同定される。有機アルミナの1つの源は、アルフォール[ALFOL(登録商標)]法として当業者に知られている方法(例えば、米国特許第5,055,019号明細書に記述されている方法)からである。その特許明細書は、言及することによって本明細書に明確に組み入れる。この方法において、諸アルミニウムアルコキシドは、周知のチーグラー法(Ziegler process)によって直鎖アルコール[即ち、アルフォール(Alfol) アルコール]を調製する場合の中間体として造られる。次いで、これらアルミニウムアルコキシドは、酸化アルミニウムを造るために更に処理される。市販の有機アルミナの諸例には、キャタパル[CATAPAL(登録商標)]アルミナ及びプラル[PURAL(登録商標)]アルミナ[コンデア・ビスタ社(CONDEA Vista Company)]として商業的に知られている擬ベーマイト(pseudoboehmite)のα−アルミナ一水和物(AlO(OH))材料が包含される。これらのアルミナは、Al2O3 約72%〜約74%を含有し、残部は本質的にヒドロキシル基及び水分である。キャタパル[CATAPAL(登録商標)]アルミナ及びプラル[PURAL(登録商標)]アルミナは典型的には、ソーダ(Na2O)含有量が約0.002%である。
【0019】
本発明の変性されていない熱活性化済み有機アルミナベースの精製剤を調製するのに適した他の諸有機アルミナは、キャタロックス[CATALOX(登録商標)]及びプラロックス[PURALOX(登録商標)](コンデア・ビスタ社)として知られている高純度アルミナ材である。キャタロックス[CATALOX(登録商標)]及びプラロックス[PURALOX(登録商標)]は、それぞれ、キャタパル[CATAPAL(登録商標)]及びプラル[PURAL(登録商標)]を制御温度で制御した活性化を行って物理的及び化学的に結合した水を除去することによって得る。これらの有機アルミナは、超高純度(Al2O3 99.99%より高い)であり、且つ、ソーダ(Na2O)を本質的に含有していない:即ち、そのソーダ濃度は、無機アルミナのソーダ濃度よりも約2桁の大きさ低い。市販のそれらコンデア(CONDEA)アルミナは、製造の間、600℃で2時間の間加熱して、残留湿気を除去し且つ該アルミナの構造を変えて、該アルミナの最終的な化学的及び物理的性質(例えば、表面積、機械強度、密度等)を該アルミナに与える。しかし、これら市販のコンデア・アルミナは、加熱後、気密容器では保管されない。その結果として、それらコンデア・アルミナは、保管している間に水分を再び吸着して、不活性になる。
【0020】
従って、本明細書で使用する用語「有機アルミナ」は、有機源から得られる如何なるアルミナをも称し、チーグラー法の間に造られる酸化アルミニウム;キャタパル[CATAPAL(登録商標)]、プラル[PURAL(登録商標)]、キャタロックス[CATALOX(登録商標)]及びプラロックス[PURALOX(登録商標)]のような擬ベーマイトのα−アルミナ一水和物;並びに、ソーダ(Na2O)含有量が約0.1%未満の諸アルミナ;を包含するものの、それらに限定されない。
本発明の変性されていない有機アルミナベースの精製剤を調製するのに使用した2つのバッチの有機アルミナ材料(コンデア・ビスタ社)の物理的性質は、下の表1に示し、ネオビード(NeoBead)D及びネオビード(NeoBead)GB(これらは、有機アルミナがそれぞれ90%及び100%である)と比較する。表1のアルミナ材料は全て、約2.5nmのビーズの形態であった。
【0021】
【0022】
本発明の変性されていない熱活性化済み有機アルミナの調製には、以下で詳述されるように、コンデア(CONDEA)アルミナ等の変性されていない有機アルミナが使用されている。
本発明のアルミナベースのガス精製剤材料は、もう1つの態様において、変性済み有機アルミナベースの精製剤、又は変性済み無機アルミナベースの精製剤を熱活性化することによって調製する。これらの精製剤を調製するのに使用する変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナは、有機源(例えば、上述の諸有機アルミナ)又は無機源から得られるアルミナを変性剤で処理することによって調製する。本明細書で使用する用語「無機アルミナ」、「沈降アルミナ」、及び「無機源からのアルミナ」は、置き換えが可能であり、また、天然のアルミナ源(例えば、ギブサイト、バイヤライト又はボーキサイト)からの擬ベーマイトアルミナを包含する。そのような天然源からの諸無機アルミナは、純度が典型的には約99%であり、また、ソーダ(Na2O)含有量が典型的には約0.2〜0.3%である。用語「無機アルミナ」にはまた、諸アルミニウム化合物の諸溶液を急速に混合することによって(例えば、硫酸アルミニウム溶液及びアルミン酸ナトリウム溶液を混合することによって)得られるアルミナも包含される。この種の無機(沈降)アルミナもまた、0.01%を越えるNa2Oによって汚染されている。
【0023】
本発明の変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナは、上述の有機アルミナ又は無機アルミナを、塩基性塩(例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩等)、又はIA族金属若しくはIIA族金属の塩基性水酸化物、又はそれらの組合せのような変性剤で処理することによって調製する。本発明の方法に従って、有機アルミナ又は無機アルミナを変性するのに使用することのできる、適切な金属塩及び金属水酸化物には、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸水酸化物;Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸炭酸塩;Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸シュウ酸塩;並びに、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの諸酢酸塩;が包含されるが、それらに限定されない。そのような変性剤の例には、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酢酸マグネシウム[Mg(OAc)2]、水酸化バリウム[Ba(OH)2]、及び炭酸セシウム(Cs2CO3)が包含される。
【0024】
本発明のもう1つの態様において、それら変性済みアルミナは、適切な水溶液からの有機アルミナ又は無機アルミナに変性剤を、初期湿式含浸法(incipient wetness impregnation)のような含浸法によって施し、次いで、乾燥して該アルミナに約1〜10%の金属基(metal−basis)濃度を与えることによって調製する。「金属基」とは、該濃度が、変性剤[例えば、Mg(OAc)2]の濃度とは対照的に、単体金属(例えば、Mg)の濃度として与えられていることを意味する。このアルミナ変性プロセスによって、該アルミナの塩基性度は通常、増大する。変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナは、通常pH7を越えるpHを有するのが好ましい。
【0025】
上述のように、本発明の諸精製剤は、変性されていない有機アルミナ材料、変性済み有機アルミナ材料、又は変性済み無機アルミナ材料を熱活性化することによって調製する。1つの態様において、上記の諸アルミナ材料は、容器(例えば、ステンレス鋼容器)に入っている1種のアルミナ材料を高温で十分な時間の間加熱し、同時に、不活性ガス又は非反応性ガス(例えば、窒素)を該金属容器に貫流させることによって、使用前に熱活性化する。加熱の後、その熱活性化されたアルミナ材料は、同一の金属容器内で冷却し、同時に、不活性ガスを該金属容器に貫流し続ける。この熱活性化によって、該アルミナ構造体の表面又は内部に含まれている水分が除去される。熱活性化済みアルミナベースの精製剤は、該金属容器を設置してガス精製装置にする前又はその間に、該金属容器内の不活性雰囲気の中に保持し(即ち、水分又は他の諸汚染物質による汚染を防止し)、その結果、それら精製剤の活性化レベルを維持する。従って、本発明の精製剤を規定するために本明細書で使用する用語「熱活性化する(thermally activated)」は、不活性雰囲気中200℃以上の温度で加熱し、そして、不活性雰囲気中に注意深く保持しておいたアルミナ材料に関連し、従って、200℃以上の温度で熱活性化されなかった市販の諸アルミナ;及び(又は)湿気に再びさらされ、結果的に不活性になっている諸アルミナ;から本発明の精製剤が区別される。
【0026】
本発明の、変性されていない有機アルミナ材料、変性済み有機アルミナ材料及び変性済み無機アルミナ材料の熱活性化は、それら材料を、約200℃〜約1000℃の範囲、好ましくは約250℃〜約600℃の範囲の高温に、少なくとも1時間の間、好ましくは2〜24時間の間加熱することによって行う。その熱活性化は、該アルミナ材料の入っているガス精製剤金属容器の内部か又は別のコンテナ(container; 容器)で[即ち、現場で(in situ; その場で)又は現場外で(ex situ)]行ってよい。
【0027】
現場外での熱活性化は、一層大きい試料(即ち、少なくとも約1リットルの量)に適用し、また、活性化反応器が栓を経てコンテナに直接取り付けられている特殊装置を用いて実施し、そして、活性化後の材料は、保管のために、乾燥窒素ガスが流されている該コンテナに移す。次いで、該コンテナは、ガス精製剤金属容器に取り付けられているトランスフィル管路(transfill line)に移す。管路及び連結用出入り口は全て、加熱し、乾燥窒素でパージング(purging)を行うことによって十分に乾燥する。充填された金属容器の最終キャッピング(capping; 蓋締め)は、トランスフィル管路から金属容器を引き離した後、グローブボックス(glove box)中で行う。そのような「トランスフィル」機構は、2000年12月26日出願の同時係属米国特許出願シリアルNo.09/748,734号明細書に記述されている。この米国特許出願明細書は、言及することによって本明細書に明確に組み入れる。
【0028】
変性済み有機アルミナ材料及び変性済み無機アルミナ材料の場合、これら材料は、有機アルミナ又は無機アルミナを変性した後、熱活性化する。このように、熱活性化は、変性済みアルミナから残留湿気を除去するだけでなく、変性剤を分解し、変性済みアルミナの表面を再構造化するのに役立つ。例えば、炭酸塩、シュウ酸塩又は酢酸塩によって変性されたアルミナ熱活性化は、炭酸塩、シュウ酸塩又は酢酸塩のアニオンを部分的に又は完全に分解して、アルミナの表面上及び(又は)アルミナの空隙内部に、金属酸化物(MxO)又は金属水酸化物[M(OH)x]を与える。
【0029】
本発明者らは驚くべきことに、また意外にも、本発明の諸熱活性化済みアルミナは、以下に詳細に説明されるように、アンモニア、ホスフィン、アルシン、及び不活性又は非反応性ガスのようなバルクガスから如何なる微量のシラン、硫化水素不純物及び水分をも完全に除去するだけでなく、それらのガスから微量のゲルマン(ppbの10分の1の数倍の濃度に至るまで)を除去するのに非常に優れた効率を有することを発見した。
【0030】
本発明の熱活性化済みアルミナベースのガス精製剤の有効性を測定するために、4種の精製剤を試験して、周囲条件での不活性ガス又は非反応性ガスから微量のゲルマン(GeH4)又はアルシン(AsH3)を除去する場合の、それら精製剤の有効性を調べた。その結果は、表2にまとめるが、(1)300℃で熱活性化したMg−変性済み[Mg(OAc)2]アルミナ、(2)150〜200℃で熱活性化した、ネオビード(NeoBead)MSD−3として知られている市販のガス精製剤材料、(3)300℃で熱活性化したNa−変性済み(NaOH)アルミナ、及び(4)300℃で熱活性化したCs−変性済み(Cs2CO3)アルミナを使用して、ヘリウムから微量レベルのゲルマン(即ち、GeH4 240ppb)を、また、窒素から微量レベルのアルシン(即ち、AsH3 100ppm)を除去する場合の各々の精製剤の有効性を示す。精製剤のベッド(beds)は全て、ガス精製剤材料を70ml含有した。それらガスは、0.1標準リットル/分(slpm)又は1[slpm]で該精製剤を通過した。表2に示す結果は、精製剤材料を出る不活性ガス中に残留するゲルマン又はアルシン不純物の量(ppb単位)を示す。各々のガス精製剤材料の効率(%)は、括弧内に示す。
【0031】
【0032】
表2に示す通り、0.1リットル/分のガス流量のヘリウムからゲルマン(GeH4)を除去する場合の、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナとネオビード(NeoBead)の有効性は、類似した。熱活性化されたMg−変性済みアルミナはゲルマン不純物を10ppbに至るレベルまで減少させ、また、NeoBeadはゲルマン不純物を8.3ppbに至るレベルまで減少させた。熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、それぞれ1.0リットル/分の流量のヘリウム中のゲルマンレベルを検出限界未満(即ち、2ppb未満)まで減少したという点で、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナとネオビード(NeoBead)のいずれよりも、ゲルマンの除去に一層効果的であった。加えて、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、99%を越える精製化効率を示した。熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナは、1.0リットル/分の流量でゲルマンを除去する場合(87%)よりも0.1リットル/分の流量でゲルマンを除去する場合(>99%)の方が一層効果的であった。一方、熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、0.1リットル/分と1.0リットル/分の両方の流量でのゲルマン除去に非常に効果的であった。熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、ゲルマン負荷の本質的に全てを除去する能力において、1.0リットル/分の流量でさえ、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナよりも優れていた(99%を越える効率)のに対して、1.0リットル/分未満の流量条件での、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナの効率は87%に減少した。
【0033】
本発明のアルミナベースの諸ガス精製剤を試験して、微量のアルシン(AsH3)を除去するときのそれら精製剤の有効性を調べた場合、0.1リットル/分の流量の窒素からアルシンを除去するときの熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、同一流量のときの熱活性化されたMg−変性済みアルミナと比べて、著しく効率が良かった(即ち、99.99%よりも大きかった)。加えて、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナは、窒素から微量のアルシンを除去するとき、NeoBead材料よりも遥かに効率が良かった。
【0034】
如何なる理論にも拘束されたくないが、表2に示す結果は、変性済み有機アルミナの、不活性ガス又は非反応性ガスの流れから諸水素化物不純物を除去する能力は、アルミナ変性(modification)のタイプによって決まり得ることを示している。例えば、本発明の熱活性化された変性済み有機アルミナの精製化有効性は、その変性剤の塩基性度の増大、及び恐らくは、熱活性化された変性済み有機アルミナの、結果として得られた塩基性度の増大と共に増大した。
【0035】
更なる研究を行った結果、窒素(N2)からゲルマン(GeH4)を除去するときの、本発明の諸アルミナベースガス精製剤の有効性に及ぼす、熱活性化の種々の条件の影響が分かった。大気圧イオン化質量分析法(APIMS)を使用して諸不純物レベルをモニタリングしたこれら研究の結果を、表3にまとめる。窒素からゲルマン(GeH4)を除去するときの、該アルミナの有効性に及ぼす、変性済みアルミナ又は変性されなかったアルミナを熱活性化する間の温度及び(又は)時間の変化の影響が示されている。これら研究において、ゲルマン約25〜約2500ppbを含有する窒素を用いた一連の実験を行い、また、種々の温度で且つ種々の時間の間その場で(in situ)活性化した(例9〜15に記述する通りに調製した)本発明の種々の精製剤材料に該窒素を貫流させた。
【0036】
a PURALOX SCCa−(90−210)有機アルミナ、バッチ1
b PURALOX SCCa−(90−210)有機アルミナ、バッチ2
c 無機アルミナ、等級A201
【0037】
変性されなかった有機アルミナ(表3、項目1〜6)は、約250℃を越える活性化温度で効果的となり;また、活性化温度が上昇したとき(例えば、300℃〜550℃)又は活性化時間が増大したとき(例えば、24時間まで)、該有機アルミナの有効性はほとんど差異がなくなる;ことが分かった。例えば、約300℃で約3時間の間、変性されなかった活性化済み有機アルミナ(項目3)によって、窒素ガス流中の入口のゲルマン負荷2500ppbは出口レベル2.5ppbに減少した。一方、変性されなかった有機アルミナを約320℃で約24時間の間活性化すること(項目4)によって、ゲルマン不純物の出口レベルは0.06ppbに減少することとなった。同様の改善は、変性されなかった有機アルミナを一層高い温度で一層短い時間の間活性化することによって達成された(項目5及び6)。Cs−変性済み有機アルミナ[即ち、水酸化セシウム(項目7〜10)又は炭酸セシウム(項目11〜13)で変性された有機アルミナ]は、約350℃で活性化した後に効果的となった。表3に示す通り、窒素から微量レベルのゲルマン不純物を除去する有効性に関し、変性されなかった有機アルミナ(項目1〜6)と、金属水酸化物又は金属水炭酸塩(項目7〜13)で変性されたときの該有機アルミナのCs−変性形態との間にはほとんど差異がなかった。
【0038】
対照的に、550℃で7時間の間活性化された、ラ・ロッシュ(LaRoche)から入手した変性されなかった無機アルミナ(項目18)では、ゲルマン負荷濃度が50ppb程も低い場合でさえ、ゲルマン不純物は効果的には除去されなかった。しかし、該無機アルミナは、Cs2CO3(項目20)、又は水酸化物[例えば、CsOH(項目19)及びNaOH(項目21)]によって変性した後、550℃のような高温で5時間の間活性化した後は、非常に効率のよい精製剤になった。550℃で5時間の間活性化したMg−変性済み無機LaRocheアルミナ(項目22)と、550℃で3時間の間活性化したNeoBead材料(項目23)とはいずれも、窒素からゲルマンを除去する上で効果的でなかった。
【0039】
表3は、有機源からの変性されなかった熱活性化済みアルミナと、無機源からの変性されなかった熱活性化済みアルミナとの間の、有効性の著しい差異を示している。例えば、550℃で3時間の間活性化され、変性されなかった有機アルミナ(項目6)は、微量レベルのゲルマン不純物を除去するのに著しく効果的であったのに対し、変性されなかった無機アルミナは、550℃で7時間の間活性化された後(項目18)でさえ、窒素から微量レベルのゲルマン不純物を除去するのにあまり効果的ではなかった。
【0040】
表3に示すデータはまた、本発明の方法に従って、有機アルミナと無機アルミナの両者を、熱活性化する前に金属炭酸塩又は金属水酸化物で変性することによって、該変性済みアルミナの、諸ガス中のゲルマン不純物を除去する能力が改善されることを実証している。この改善は、無機アルミナに対してとりわけ顕著であり、該無機アルミナの変性されていない状態では、熱活性化された後でさえ、ゲルマンの除去は効果的でない
表3に示す諸ガス精製剤は全て、ホスフィンのガス流から微量のシラン不純物及び微量の硫化水素を十分に除去するのに有効であることが分かった(データは示さず)。従って、本発明の、熱活性化済み有機アルミナベースのガス精製剤は、諸ガスから微量のシラン不純物及び微量の硫化水素を十分に除去するのに有効であることに加えて、諸ガス流から微量のゲルマン不純物を効率良く除去する付加的能力が、諸無機源[即ち、「沈降(precipitated)」アルミナ]からの変性されていないアルミナよりも優れている。
【0041】
表4は、ホスフィン(PH3)、アンモニア(NH3)及びアルシン(AsH3)からゲルマン、シラン及び水分の諸不純物を除去する場合の、本発明の、変性されていない熱活性化済み有機アルミナ材料及び変性された熱活性化済み有機アルミナ材料の有効性を示す。実験は全て20℃で行った。有効性は、精製剤を出るガスの中に残留している不純物(ppb)で示す。容量(capacities)は、FT−IR測定におけるブレークスルー点(point of breakthrough)として与えられ、また、(ブレークスルー点までの)精製剤材料1リットル当りの不純物(即ち、ゲルマン、シラン、二酸化イオウ、又は水分)のリットルとして与えられる。
【0042】
a PURALOX SCCa−(90−210)有機アルミナ、バッチ1
b 550℃で3時間の間熱活性化;AsH3で12時間の間状態調整。
c 550℃で3時間の間熱活性化;AsH3で2週間の間状態調整。
【0043】
熱活性化された諸Cs−変性済みアルミナであって、Cs2CO3(表4、項目2)又はCsOH(表4、項目3)で変性された該アルミナは、ホスフィンガス流中のゲルマン(GeH4)約200ppb、シラン(SiH4)200ppb及び硫化水素(H2S)100ppbを除去するのに十分効果的であった;即ち、出力ガス中のゲルマン、シラン及び硫化水素のレベルは、GC/AED機器(例7を参照)の検出限界未満であった。変性されなかった熱活性化済み有機アルミナ(表4、項目1)は、ホスフィンからシラン及び硫化水素を検出限界未満まで除去するのに効果的であったものの、ゲルマンの除去では、該Cs−変性済みアルミナによる前記の効果程の効果はなかった。
【0044】
変性されなかった熱活性化済み有機アルミナはまた、アンモニアから水分、ゲルマン及びシランを除去する場合も効果的であった(表4、項目4)。例えば、2〔slpm〕の流量のH2O 430ppmは、検出限界未満[即ち、150ppb(FT−IRで測定)]まで減少し、容量は、精製剤1リットル当り水分約16リットルであった。熱活性化されたCs−アルミナは(表4、項目5)は、水分約800ppmを除去し、その濃度は検出限界100ppbより下まで減少し、容量は、精製剤1リットル当り水分約22リットルであった。その熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナはまた、アンモニア中のゲルマンとシランの両者の56ppbを、GC/AEDによる測定される検出限界未満まで除去するのにも効果的であった。アンモニアから諸不純物を除去する場合の、熱活性化されたCs2CO3−変性済みアルミナ(表4、項目5)を用いた5回の繰返し実験によって、本発明のそれら変性済み有機アルミナは、少なくとも数回(恐らくは、それ以上)の再生サイクルに対して再生可能であることが実証される。
【0045】
効果的なガス精製剤というものは、水素化物ガス、又は不活性若しくは非反応性のガスから水素化物不純物を効率良く除去することに加えて、該マトリックスガスを無傷の状態(intact; 元のまま)にしておかねばならない;即ち、効果的なガス精製剤というものは、該マトリックスの水素化物ガスを分解してはならない。例えば、本発明のガス精製剤がアルシン(AsH3)に対する実行可能な精製剤であるためには、該ガス精製剤は水素化物不純物を除去する間に該アルシンガスを分解しないということを示さなければならない。
【0046】
図1及び2に、アルシンを次の諸精製剤材料:ネオビード(NeoBead)MSD−3(NeoBead)、熱活性化されたCs−変性済み(Cs2CO3)有機アルミナ、熱活性化されたMg−変性済み[Mg(OAc)2]アルミナ、及び熱活性化されたNa−変性済み(NaOH)アルミナ、の各々で精製する場合の、アルシンの安定性を示すために行った一連の実験の結果をまとめる。図1において、NeoBead、熱活性化されたCs−変性済みアルミナ、熱活性化されたMg−変性済みアルミナ、及び熱活性化されたNa−変性済みアルミナを表す4本の曲線は、圧力(kg/cm2単位)の変化を、ガス精製剤材料をアルシンに暴露したときの時間(分)の関数として示している。圧力の増大は、アルシンの分解を示す。この分解は、化学反応式2によって、水素を生成する。
【0047】
図1は、試験を行った4種の精製剤の[圧力]対[時間]曲線を示す。図1に示す通り、アルシンがNeoBead(NB)ガス精製剤(円形)、又は熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ(正方形)の上を流れたとき、圧力変化はほとんど生じなかった。これは、NeoBeadと、熱活性化されたMg−変性済みアルミナとは、化学反応式2によってアルシンを分解しなかったことを示している。熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ(三角形)は、時間が経つにつれて初期の圧力が穏やかに増大することを示すのに対して、熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ(ひし形)では、初期の圧力の増大は非常に著しかった。しかし、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナと熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナの両者では、アルシンの分解速度は短時間内で減少した。これは、精製剤を数時間の間稼動した後、アルシンの初期分解が著しくないことを示す。従って、熱活性化されたCs−変性済みアルミナによるアルシンの分解は、恐らく、物理吸着によるか又は化学的表面反応(化学反応式2を参照)によって、該アルミナの表面にヒ素(As)が堆積する間の、アルミナの「不動態化」(passivation)プロセスとして、初期においてのみ生じた。
【0048】
図2は、アルシンがNeoBead(NB)、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ、熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ、又は熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナの上を流れたときの時間の関数として、アルシンの減損(即ち、入力アルシンの濃度引く出力アルシンの濃度)を示す。この実験において、ヘリウム中のアルシン(AsH3)5000ppmを0.1標準リットル/分(slpm)で、それらガス精製剤材料の各々に貫流させた。全ての場合において、アルシンがそれら精製剤を貫流する間、アルシン濃度の初期減損があった。しかし、アルシンの減損は30〜60分以内で止まった。これは、アルシンが該ガス精製剤によってもはや分解されていなかったことを示す。NeoBead(NB)と、熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナとについては、この回復は一層速く、また、約30分後、回復は十分であった。本発明の、一層活性で且つ一層効率のよい、変性済みアルミナの諸ガス精製剤(即ち、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ及び熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ)の場合、約60分の時間の後に出力アルシン濃度は十分に回復した。
【0049】
図1及び2は、ゲルマンを除去するのに一層効果的な、本発明のガス精製剤というものは、アルシンの初期分解を一層大きくすることを例証している(表2の括弧の数字、及び表3の有効性の欄をも参照)。しかし、一層効果的な、熱活性化されたNa−変性済みアルミナ及び熱活性化されたCs−変性済みアルミナは、アルシンを精製するためには、不動態化(passivation)の時間の後、効率良く使用することができると結論付けることができる。もう1つの方法として、本発明のガス精製方法に、熱活性化されたMg−変性済みアルミナを使用することができ、それによって、アルシンの初期分解は、変性されなかった有機アルミナと比べて一層小さくなり、同時に、微量のゲルマンを除去する場合の該アルミナの高い有効性が維持される(表3の、対応する有効性の数字を参照)。
【0050】
本発明の1つの態様は、半導体及び他の電子基板を製造するための諸ガスと併用する点を特徴とするが、他のあらゆるタイプの高純度製品であって水分が該製品の製造に有害となる該製品のための諸構成成分物質を堆積(deposition)するのに使用されるあらゆる水素化物ガスを処理することに関しても同様の価値があることが認識されると思う。
【0051】
諸例
例1:Cs−変性済み有機アルミナの調製
炭酸セシウム[10.51g;純度99%;オールドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)]を脱イオン水30mlに溶解した。得られた溶液は、250mlビーカーを用い、また、初期湿式含浸法(incipient wetness impregnation)のような、当該技術で知られているやり方で、真空炉中、約105℃で約24時間の間新たに乾燥しておいた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社(CONDEA Vista Company)から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]100gに1滴ずつ約30分間の間添加した。次いで、室温で少なくとも約16時間の間、平衡状態に保ち、その後、この平衡状態に置かれた材料は、真空炉に移し、約105℃で約20時間の間乾燥した。
【0052】
例2:Cs−アルミナの熱活性化
例1のCs−変性済みアルミナ(60ml)を、直径2.54cm、長さ30cmのステンレス鋼管の中に装填した。該管には、上部に入口栓を設け、底部に出口栓を設けた。また、該管は、粒子フィルタを用いて、精製剤材料から物理的に分離した。その充填済み管に、[Nanochem(登録商標)OMXで精製した]精製済み窒素ガスを、1標準リットル/分(slpm)の流量で15時間の間通過させた。次いで、加熱テープ(heat tape)を用いて、その管の温度は320℃に上昇させ、この温度に24時間の間保持した。次いで、この材料は、同一流量の乾燥窒素を通過させながら室温まで冷却し、次いで、更に15時間の間、窒素を該精製剤に貫流した。
【0053】
例3:Mg−変性済み有機アルミナの調製と熱活性化
マグネシウム(Mg)による有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性は、例1に上述したように行った。酢酸マグネシウム[13.4g;Mg(OAc)2・4H2O;純度99%;オールドリッチ・ケミカル社]を脱イオン水約30mlに溶解した。次いで、得られた溶液はCONDEA有機アルミナ100gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、真空炉乾燥を行った。次いで、Mg−変性済み有機アルミナの熱活性化は、上記例2のように行った。
【0054】
例4:Na−変性済み有機アルミナの調製と熱活性化
ナトリウムによる有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−90−210、バッチ1]の変性は、上記例1に従って行った。水酸化ナトリウム[11g;純度99%;オールドリッチ・ケミカル社]を脱イオン水約51mlに溶解した。得られた溶液はその有機アルミナ170gに添加し、次いで、室温で所定時間平衡状態に保ち、次いで、150℃で炉乾燥を行った。Na−変性済みアルミナの熱活性化は、例2に記述するように行った。
【0055】
例5:諸不活性ガスからのゲルマン及びアルシン不純物の除去
種々の精製剤について、周囲条件で、不活性ガス中の微量のホスフィン及びアルシンを除去するときの、それら精製剤の有効性を調べるために試験を行った。例2、3及び4に記述したように、精製剤60mlの上に、He中のゲルマン240ppbと窒素中のアルシン100ppmとを0.1[slpm]又は1[slpm]で通過させ、300℃で活性化し、また、比較のためにネオビード(NeoBead)精製剤の上に通過させた。GC−PID[光イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ]を用いて、残留しているゲルマン/アルシン不純物に対する排ガス分析を行った。その結果は、表2にまとめる。
【0056】
例6:AsH 3 の種々の精製剤材料への接触
AsH3を例2、3及び4の諸精製剤、並びにネオビード(NeoBead)に接触させる効果について、次の通り調べた。(A)AsH3 100%を0.5[slpm]で2時間の間、精製剤の上に流した。それから精製剤を入れた金属容器の入口栓及び出口栓を閉じて、精製剤をAsH3と静的に接触させた。圧力計で測定される通り、圧力はまもなく上昇した。アルシンが明らかに化学反応式2に従ってAs(固体)及びH2(気体)に分解されるために、圧力は、時間の関数として増大した。また、4種の精製剤に対する結果は、図1に示す。(B)(A)で記述したように、AsH3を静的モードで350分間接触させた後、He中のAsH3 5000ppmを0.1[slpm]で精製剤に貫流させて、排ガス中のAsH3の量は時々、GC−PIDによってモニタリングした。その結果は、時間に対するppm単位のAsH3の減損として、図2に示す。
【0057】
例7:アンモニアからの水素化物不純物の除去
ゲルマンの56ppb不純物負荷(impurity challenge)とシランの56ppb不純物負荷とを含有するアンモニアガスは、約1[slpm]の流量で、例2の精製剤の上を通過させた。精製剤は60mlステンレス鋼容器の中に入れ;また、不純物負荷を生じさせ運ぶために、適切なガス管路、ガス栓、ガス器具、流体質量制御器(mass flow controllers)及び流量計を備えた従来のガス圧式を使用した。排ガスの分析は、GC/AED(例8を参照)を用いて行った。ゲルマンとシランの両方の濃度は、GC/AEDの検出限界である0.5ppb未満に下がった。
【0058】
例8:ホスフィンからの水素化物不純物の除去
ホスフィン(PH3)から微量の水素化物不純物を除去する有効性の測定は、ガスクロマトグラフ/原子発光検出(Gas Chromatography/Atomic Emission Detection)(GC/AED)を用いて行った。「B.D.クインビー(Quimby),J.J.サリバン(Sullivan):Analytical Chemistry,62,第1027頁〜1034頁(1990)」、及び「J.J.サリバン,B.D.クインビー:Analytical Chemistry,62,第1034頁〜1043頁(1990)」を参照。これら文献はそれぞれ、言及することによって本明細書に明確に組み入れる。この分析方法において、諸検体であるH2S、SiH4及びGeH4は、特定のガスクロマトグラフィーカラム及び条件を使用して、順次、PH3マトリックスガスから分離される(又は、SiH4及びGeH4は、AsH3マトリックスガスから分離される)。分離された各々の検体が一旦マトリックスガスから分離されると、その検体は、原子発光検出器(AED)の中に進む。AEDは、分離された各々の検体をヘリウムマイクロ波プラズマ中で霧状にし;次いで、グレーティングシステム(grating system;格子装置)及びフォトダイオードアレイ検出器を用いて、S、Si及びGeに対する特定の輝線を検出する。
【0059】
精製剤のハウジングとして60mmステンレス鋼容器を使用し、該容器は、ガスを配送し不純物負荷を発生させるための従来の設備に連結し、更に、適切なガス管路、ガス栓、ガス器具、流体質量制御器及び流量計にも連結した。熱活性化したCs2CO3変性済み有機アルミナ(例2)を含む試験は、周囲温度で行った。ホスフィンのガス流は約60ppbのゲルマン不純物を含有し、また、前記の熱活性化したCs−変性済み有機アルミナの上を越えるホスフィンガスの流量は、約1リットル/分であった。得られたガスクロマトグラフ信号は約1.3単位であった。
【0060】
熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを使用しない場合、ガス流のガスクロマトグラフ信号は、約1900単位より大きかった。従って、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを使用した場合、出力(output)のゲルマンレベルは、約1000倍だけ減少し、100ppt(検出限界)未満になった。これは99.9%のゲルマン除去効率に相当する。変性しなかった有機アルミナは、44単位の出力信号を与えた。従って、該有機アルミナもまた、ゲルマン負荷を97%を超えて、約1.4ppb(この値は、検出限界より幾分大きい)に至るまで除去し、ゲルマン負荷を除去するのに有効であった。対照的に、沈降無機アルミナ[ラ・ロッシュ(LaRoche)];及び、例3に従って水酸化ナトリウムで変性した有機アルミナ(コンデア・ビスタ社);については、非常に大きい出力信号が得られた。
【0061】
次いで、熱活性化したCs2CO3変性済み有機アルミナに対する、この水素化物−除去試験の条件を変えて、ホスフィンからゲルマン及び他の諸不純物を除去する上での精製剤の効率を更に調べた。1つの試験において、不純物負荷は、硫化水素(H2S)100ppb、シラン200ppb、及びゲルマン200ppbであった。この試験で、硫化水素及びシランは、ホスフィンのガス流から完全に除去された。ゲルマンについては、1.4単位の出力信号を確認した。
もう1つの試験において、ホスフィン中のゲルマン負荷60ppbを、熱活性化したCs2CO3変性済み有機アルミナに1.5リットル/分で貫流した。1.6単位のゲルマン出力信号が生じた。比較として、これらの条件下で、変性しなかった熱活性化済み有機アルミナは、58単位のゲルマン出力信号を与え、従って、効果は著しく劣っていた。
【0062】
上記の諸試験からの結論は、例1で造った、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナは、ホスフィンから微量のゲルマンを除去するのに著しく効率がよかった。この高効率は、約1〜約1.5リットル/分の範囲のガス流量によって、又は、H2S及びSiH4のような他の種類の不純物が存在することによって悪影響を受けなかった。それら不純物の両者は、同時に且つ効率よくそれらの検出限界まで除去された。
【0063】
もう1つの研究において、ホスフィン中の不純物負荷は、1.5リットル/分のホスフィン流量で、H2Sを66ppbに、SiH4を500ppbに、また、GeH4を500ppbに著しく増大させた。次いで、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを貫流した出口ガスの分析は、3回行った。第1回目の分析では、シランの0.8出力単位(約150ppt)と、ゲルマンの3.3出力単位(約100ppt)とが得られた。第2回目及び第3回目の分析では、シランからの出力信号もゲルマンからの出力信号も全く得られなかった。3回の分析の全てにおいて、H2S信号は全く存在しなかった。これは、H2Sが精製剤によって完全に除去されたことを意味する。
次いで、シラン/ゲルマン(SiH4/GeH4)負荷は、同じホスフィン流量で、SiH4を900ppbに、また、GeH4を900ppbに更に増大させた。この場合、GC/AED法では、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナの出力では、如何なるSiH4/GeH4不純物も検出されなかった。
【0064】
次に、シランとゲルマンの両方の濃度は、一層低いホスフィン流量の1リットル/分で、1350ppb(1.35ppm)まで増大させた。このガス混合物は、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナを通過した後、水素化物不純物のGC信号は再び全く示さなかった。概して言えば、精製剤は1〜1.5リットル/分のホスフィン流量で5時間を越える間作動し、従って、熱活性化したCs−変性済み有機アルミナに、400リットルを超えるホスフィンを、(約1mgのシラン/ゲルマンに相当する)約1ppmの平均負荷及び約0.4mlの累積負荷で通過させたものの、劣化の兆し及び(又は)性能の喪失は全く見られなかった。
上記の諸実験によって、例1の熱活性化したCs−変性済み有機アルミナが非常に有効であり、ホスフィン中の広範囲に渡る(たとえ汚染物質の濃度が非常に大きくても)諸不純物に対する、耐久性のある精製剤を提供することが例証される。
【0065】
例9:Mg(OH) 2 −変性済み有機アルミナの調製
マグネシウムを用いた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性を、例1の方法に従って行った。水酸化マグネシウム[14g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解し、次いで、得られた溶液はPURALOX SCCa−90−210 200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0066】
例10:Mg−変性済み無機アルミナの調製
マグネシウムを用いたラ・ロッシュ(LaRoche)無機アルミナの変性を、例1の方法に従って行った。該ラ・ロッシュアルミナは、アルミナ等級A201、Al2O3 93.6%、Na2O 0.35%、SiO2 0.02%であり、かさ密度が0.77g/mlで、(ビーズ)平均粒径が2.44mmであった。水酸化マグネシウム[14g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解し、次いで、得られた溶液は該ラ・ロッシュアルミナ200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0067】
例11:Ba(OH) 2 −変性済み有機アルミナの調製
バリウムを用いた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性を、例1の方法に従って行った。水酸化バリウム[27g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解した。幾らかの残存Ba(OH)2が溶解しないで残った。得られた溶液はPURALOX SCCa−(90−210) 200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0068】
例12:CsOH−変性済み無機アルミナの調製
セシウムを用いたラ・ロッシュ無機アルミナの変性(例10を参照)を、例1の方法に従って行った。水酸化セシウム[22g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約60mlに溶解し、次いで、得られた溶液は該ラ・ロッシュアルミナ200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0069】
例13:Cs 2 CO 3 −変性済み無機アルミナの調製
セシウムを用いたラ・ロッシュ無機アルミナ(例10を参照)の変性を、例1の方法に従って行った。炭酸セシウム[15g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約60mlに溶解し、次いで、得られた溶液は該ラ・ロッシュアルミナ200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0070】
例14:NaOH−変性済み有機アルミナの調製
水酸化ナトリウムを用いた有機アルミナ[コンデア・ビスタ社から入手したPURALOX SCCa−(90−210)、バッチ1]の変性を、例1の方法に従って行った。水酸化ナトリウム[13g;純度99%;オールドリッチ]を脱イオン水約100mlに溶解し、次いで、得られた溶液はPURALOX SCCa−(90−210) 200gに添加し、次いで、室温で平衡状態に保ち、次いで、150℃で一晩中乾燥を行った。
【0071】
例15:例9〜14に記述の通りにして造った試料の熱活性化
例9〜14に従って造った諸材料は、例2に記述する通りにして熱活性化した。但し、活性化温度は、110℃〜550℃の間で変化させ、また、活性化時間は3時間〜24時間の間で変化させた(表3)。
【0072】
例16:窒素からゲルマン不純物の除去の効率試験
窒素ガスからゲルマン不純物を除去するときの諸精製剤の効率は、APIMS(大気圧イオン化質量分析法)を用いて測定した。ガスの金属容器及びガス管路設備は、例7で採用したものであった。ゲルマンの負荷約25ppb〜約2500ppb(2.5ppm)含有する窒素ガス流[m/z=90、mは質量であり、zはチャージ(charge;電荷)]を約2[slpm]の流量で精製剤の上に通過させた。ゲルマンに対するAPIMS機器の検出限界は0.08ppbである。この試験の結果は、表3にまとめる。
【0073】
例17:アルシンからゲルマン及びシラン不純物の除去の効率試験
マトリックスガスとしてのアルシンから微量の水素化物不純物を除去するときの効率は、例7で使用したGC/AED及びガス管路を用いて測定した。ゲルマン負荷50ppb及びシラン負荷50ppbを含有するアルシンガスを、ネオビード(NeoBead)GB−45アルミナの精製剤の上に20℃で通過させた。このアルミナの物理的性質及び汚染物質レベルを表1に示す。表1では、それらは、CONDEAアルミナ及びNeoBead Dの物理的性質及び汚染物質レベルと比較する。GBアルミナは、使用する前、550℃で3時間の間、熱活性化し、次いで、水素化物の負荷を導入する前に、100%AsH3の流れで12時間の間、状態調整を行った(conditioned)。アルシン中のゲルマンに対するGC/AEDの検出限界は、1〜2ppbであり、また、アルシン中のシランに対しては1ppbである。この試験の結果(表4、項目)によると、出口のアルシンガス中のゲルマン濃度は9.7ppbに減少し(80%の効率)、また、シラン濃度は1.3ppbに減少した(97%の効率)。精製剤の温度を70℃に上昇させたとき、ゲルマンとシランの両方を除去する効率は、100%に増大した(即ち、出口のアルシンガスで測定した不純物レベルは、両汚染物質の検出限界よりも小さかった)。AsH3による状態調整(conditioning)を2週間の間行ったとき、精製剤によって、ゲルマンとシランの両者は、周囲温度で検出限界未満まで除去された(表4、項目7)。
【0074】
前記の記述は、本発明の原理についてのみ説明するものと見なす。更に、当業者には、多くの部分的変更及び変形が容易に思い浮かぶものであるから、本発明を、上述される通りに示されるままの厳密な構造及び方法に制限することは望ましくない。従って、適切な部分的変更及び同等のものは全て、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲の中に包含されるものと主張することができる。
用語「〜を包含する(comprise)」、「〜を包含している(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及び「含む(includes)」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、記述される特徴、完全体(integers)、成分、又は工程(steps)が存在することを特定するように意図されているものの、それら用語は、1つ以上の他の特徴、完全体、成分、工程若しくはそれらの群が存在すること、又はそれらを追加することを排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
諸添付図面は、本明細書に組み入れられ本明細書の一部を成しているが、本発明の好ましい諸態様を例示しており、また、その説明に加えて、本発明の原理を説明するのに役に立つ。
【図1】
[kg/cm2単位の水素ガスの圧力]対[アルシンガス(AsH3)を次の諸ガス精製剤:熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ(Cs2CO3/Al2O3)、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ(NaOH/Al2O3)、NeoBead(ネオビード)として知られている市販のガス精製剤材料、及び熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ(Mg(OH)2/Al2O3)、の1つに貫流した後の時間(分)]をプロットしたグラフである。
【図2】
[ガスが次の諸ガス精製剤:熱活性化されたCs−変性済み有機アルミナ(Cs2CO3/Al2O3)、熱活性化されたNa−変性済み有機アルミナ(NaOH/Al2O3)、NeoBead、及び熱活性化されたMg−変性済み有機アルミナ(Mg(OH)2/Al2O3)を貫流する時間(分)]の関数として、[1つのガス精製剤を備えた金属容器の出口における、アルシンガス(AsH3)のppm単位での減損]をプロットしたグラフである。
Claims (89)
- アルミナ材料を含有する活性化済みガス精製剤材料において、該アルミナ材料は不活性雰囲気中、約200℃〜約650℃の範囲の温度で加熱されることによって活性化されて、活性化済みアルミナ材料が形成されており;しかも、該活性化済みアルミナ材料は、前記加熱工程の後、及び使用前に、前記不活性雰囲気中に保持される;上記活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナが有機アルミナである、請求項1に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料が変性済み有機アルミナである、請求項1に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料が変性済み無機アルミナである、請求項1に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性済み有機アルミナは、加熱工程の前に、有機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製されている、請求項3に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によってアルミナ材料に施されている、請求項5に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤が、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である請求項5記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性済み無機アルミナは、加熱工程の前に、無機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製されている、請求項4に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によってアルミナ材料に施されている、請求項8に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤が、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項8に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料は、約300〜550℃の温度で加熱されている、請求項1に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 活性化済みガス精製剤は、ガスから微量の不純物を除去することができる、請求項1に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- ガスが水素化物ガスである、請求項12に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 水素化物ガスが、アンモニア、ホスフィン又はアルシンである、請求項13に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- ガスが、不活性ガス又は非反応性ガスである、請求項12に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 不活性ガス又は非反応性ガスが、窒素、ヘリウム、アルゴン又は水素である、請求項15に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 不純物が、ゲルマン、シラン、硫化水素、二酸化炭素、シロキサン、酸化リン、リンのオキシ酸、及び水分から成る群から選ばれる、請求項12に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 有機アルミナ、変性済み有機アルミナ及び変性済み無機アルミナから成る群から選ばれているアルミナ材料を含有する活性化済みガス精製剤材料において、該アルミナ材料は不活性雰囲気中、約200℃〜約650℃の範囲の温度で加熱されることによって活性化されて、活性化済みアルミナ材料が形成されており;しかも、該活性化済みアルミナ材料は、前記加熱工程の後、及び使用前に、前記不活性雰囲気中に保持される;上記活性化済みガス精製剤材料。
- 変性済み有機アルミナは、加熱工程の前に、有機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製されている、請求項18に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によってアルミナ材料に施されている、請求項19に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤が、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項18に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性済み無機アルミナは、加熱工程の前に、無機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製されている、請求項18に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によってアルミナ材料に施されている、請求項22に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤が、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項22に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料は、約300〜550℃の温度で加熱されている、請求項18に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 活性化済みガス精製剤は、ガスから微量の不純物を除去することができる、請求項18に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- ガスが水素化物ガスである、請求項26に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 水素化物ガスが、アンモニア、ホスフィン又はアルシンである、請求項27に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- ガスが、不活性ガス又は非反応性ガスである、請求項26に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 不活性ガス又は非反応性ガスが、窒素、ヘリウム、アルゴン又は水素である、請求項29に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 不純物が、ゲルマン、シラン、硫化水素、二酸化炭素、シロキサン、酸化リン、リンのオキシ酸、及び水分から成る群から選ばれる、請求項26に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料を含有する活性化済みガス精製剤材料において、該アルミナ材料は不活性雰囲気中、約200℃〜約650℃の範囲の温度で加熱されることによって活性化されて、活性化済みアルミナ材料が形成されており;該活性化済みアルミナ材料は、前記加熱工程の後、及び使用前に、前記不活性雰囲気中に保持され;しかも、前記活性化済みガス精製剤は、ガスから微量の不純物を除去することができる;上記活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナが有機アルミナである、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料が変性済み有機アルミナである、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料が変性済み無機アルミナである、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性済み有機アルミナは、加熱工程の前に、有機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製されている、請求項34に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によってアルミナ材料に施されている、請求項36に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤が、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項36に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性済み無機アルミナは、加熱工程の前に、無機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製されている、請求項35に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によってアルミナ材料に施されている、請求項39に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 変性剤が、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項39に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- アルミナ材料は、約300〜550℃の温度で加熱されている、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- ガスが水素化物ガスである、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 水素化物ガスが、アンモニア、ホスフィン又はアルシンである、請求項43に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- ガスが、不活性ガス又は非反応性ガスである、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 不活性ガス又は非反応性ガスが、窒素、ヘリウム、アルゴン又は水素である、請求項45に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 不純物が、ゲルマン、シラン、硫化水素、二酸化炭素、シロキサン、酸化リン、リンのオキシ酸、及び水分から成る群から選ばれる、請求項32に記載の活性化済みガス精製剤材料。
- 活性化済みガス精製剤材料の製造方法において、
アルミナ材料を与える工程と;
不活性ガスを容器に貫流しながら、該容器に入れた前記アルミナ材料を約200℃〜約650℃の範囲の温度で加熱して、活性化済みアルミナ材料を形成する工程と;
不活性ガスを前記容器に貫流することを維持しながら、該容器に入れた前記活性化済みアルミナ材料を冷却する工程と;
不活性雰囲気中の前記活性化済みアルミナ材料を前記容器の中で保管する工程と;
を包含する上記製造方法。 - アルミナが有機アルミナである、請求項48記載の方法。
- アルミナ材料が変性済み有機アルミナである、請求項48に記載の方法。
- アルミナ材料が変性済み無機アルミナである、請求項48に記載の方法。
- 変性済み有機アルミナは、加熱工程の前に、有機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製する、請求項50に記載の方法。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によって有機アルミナに施す、請求項52に記載の方法。
- 変性剤は、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項52に記載の方法。
- 変性済み無機アルミナは、加熱工程の前に、無機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製する、請求項51に記載の方法。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によって無機アルミナに施す、請求項55に記載の方法。
- 変性剤は、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項55に記載の方法。
- アルミナ材料は、約300〜550℃の温度で加熱する、請求項48に記載の方法。
- 活性化済みガス精製剤は、ガスから微量の不純物を除去することができる、請求項48に記載の方法。
- ガスが水素化物ガスである、請求項59に記載の方法。
- 水素化物ガスが、アンモニア、ホスフィン又はアルシンである、請求項60に記載の方法。
- ガスが、不活性ガス又は非反応性ガスである、請求項59に記載の方法。
- 不活性ガス又は非反応性ガスが、窒素、ヘリウム、アルゴン又は水素である、請求項62に記載の方法。
- 不純物は、ゲルマン、シラン、硫化水素、二酸化炭素、シロキサン、酸化リン、リンのオキシ酸、及び水分から成る群から選ぶ、請求項59に記載の方法。
- ガス中に存在する微量の不純物を除去する方法において、熱活性化済みアルミナベースのガス精製剤に汚染ガスを貫流する段階を包含する、上記除去方法。
- 不活性雰囲気中、約200〜650℃の範囲の温度で十分な時間の間、アルミナ材料を加熱する段階と;その熱活性化済みアルミナ材料を、使用前に不活性雰囲気中に保持する段階と;によって、使用前に熱活性化した該アルミナ材料を、熱活性化済みアルミナベースのガス精製剤が包含する、請求項65に記載の方法。
- アルミナ材料が有機アルミナである、請求項65記載の方法。
- アルミナ材料が変性済み有機アルミナである、請求項65に記載の方法。
- アルミナ材料が変性済み無機材料である、請求項65に記載の方法。
- 変性済み有機アルミナは、加熱工程の前に、有機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製する、請求項68に記載の方法。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によって有機アルミナに施す、請求項68に記載の方法。
- 変性剤は、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項70に記載の方法。
- 変性済み無機アルミナは、加熱工程の前に、無機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製する、請求項69に記載の方法。
- 変性剤は、初期湿式含浸法によって無機アルミナに施す、請求項73に記載の方法。
- 変性剤は、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項73に記載の方法。
- ガスが水素化物ガスである、請求項65に記載の方法。
- 水素化物ガスが、アンモニア、ホスフィン又はアルシンである、請求項75に記載の方法。
- ガスが、不活性ガス又は非反応性ガスである、請求項65に記載の方法。
- 不活性ガス又は非反応性ガスが、窒素、ヘリウム、アルゴン又は水素である、請求項78に記載の方法。
- 不純物は、ゲルマン、シラン、硫化水素、二酸化炭素、シロキサン、酸化リン、リンのオキシ酸、及び水分から成る群から選ぶ、請求項65に記載の方法。
- ガスから微量の不純物を除去する方法において、
入口及び出口を有するハウジングを与える段階と;
前記ハウジングの中にアルミナ材料を置く段階と;
不活性ガスを前記アルミナ材料に貫流しながら、該アルミナ材料を約200〜650℃の温度で加熱することにより、該アルミナ材料を熱活性化する段階と;
前記ハウジング及び前記の活性化済みアルミナ材料に、前記ガスを貫流する段階と;
を包含する、上記除去方法。 - アルミナが有機アルミナである、請求項81記載の方法。
- アルミナ材料が変性済み有機アルミナである、請求項81に記載の方法。
- アルミナ材料が変性済み無機アルミナである、請求項81に記載の方法。
- 変性済み有機アルミナは、該アルミナをハウジングの中に置く前に、有機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製する、請求項83に記載の方法。
- 変性剤は、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項85に記載の方法。
- 変性済み無機アルミナは、該アルミナをハウジングの中に置く前に、無機アルミナ材料を変性剤で処理することによって調製する、請求項84に記載の方法。
- 変性剤は、IA族又はIIA族の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩又はシュウ酸塩である、請求項87に記載の方法。
- アルミナ材料は、約300〜550℃の温度で加熱する、請求項81に記載の方法。
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