JP3105529B2 - アルシンの精製方法 - Google Patents

アルシンの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、化合物半導体などの製造原料であるアル
シン(AsH3「水素化砒素」、以下同様)の精製方法に関
する。
〔従来の技術〕
ガリウムヒ素(GaAs)などの化合物半導体の製造に用
いられるアルシンは極めて高純度であることが絶対的に
必要である。
従来、このようなアルシンの精製には、モレキュラー
シーブ(分子ふるい)が用いられている。
しかしながら、モレキュラーシーブによって精製され
たアルシンを用いて製造された化合物は半導体、特に半
導体レーザーなどの半導体では、十分な性能が得られな
い問題があった。
これは、モレキュラーシーブによる精製では、水分や
二酸化炭素等は除去し得るが、アルシン中には製造過程
で、その外の不純物が混入するものと思われ、モレキュ
ラーシーブにより精製したものでは、所望するに足りる
充分な性能を有する化合物半導体が得られないのが実情
である。これはその他に何等かの不純物が極微量混入し
ているものと考えられ、その対応解決が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
よって、この発明の課題は、微量の不純物の除去が十
分に行われ、優れた性能の光半導体などを得ることがで
きるアルシンの精製方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる課題解決のため種々実験を試みた結果、精製剤
としてアルミナゲルを用いて精製することによって得ら
れたアルシンを使用すると極めて良好な性能を有する化
合物半導体を製造し得ることを知見し得たものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
この発明で精製剤として用いられるアルミナゲルは、
従来より気体の乾燥などの用途に用いられる吸着剤の1
種であるが、この発明では、このものを活性化処理して
精製剤として用いる。このアルミナゲルとしては、アル
ミナ単独からなるものは勿論、少量のシリカや酸化ナト
リウムなどを含んでいるものでも使用しうる。具体的な
ものとしては、例えば活性化アルミナとして水沢化学工
業(株)製の「ネオビードD」,「ネオビードP」,
「ネオビードMHB」,「ネオビードC」,「ネオビードG
B」などを使うことができる。活性化処理は、このアル
ミナゲルを110〜200℃の温度範囲で200〜300分程度加熱
する方法や110〜200℃に加熱されたアルゴン、窒素など
の不活性ガスと接触させる方法などがある。活性化温度
は上記温度範囲内であれば、高い方が高活性化されて好
ましいが、200℃を越えるとアルミナゲルの粉化が生じ
て好ましくない。110℃未満では実質的に活性化が困難
である。
又、アルシン精製時の温度は、少なくとも10℃以上で
あることが必要であり、不純物の除去効率の点からは50
℃以上、好ましくは100℃前後が望ましい。
具体的な精製方法としては、カラムなどに活性化処理
されたアルミナゲルを充填し、カラムの一方から未精製
のアルシンを上記温度範囲にて他方に流す方法やアルミ
ナゲルを充填したカラムに、予め加熱された不活性ガス
を流してアルミナゲルを活性化したのち、未精製アルシ
ンをカラムに流す方法などが簡便であるが、要はアルミ
ナゲルと未精製アルシンとが接触すればよく、これら以
外の方法でも勿論採用可能である。
第1図はこの発明の方法に用いられる精製装置の一例
を示すもので、図中符号1はステンレス鋼などからなる
カラムである。このカラム1の両端にはそれぞれ流入パ
イプ2と流出パイプ3とが取り付けられており、これら
2つのパイプ2,3の先端にはフランジ4,5が取り付けられ
ている。カラム1内には、粒状のアルミナゲルAが充填
されており、カラム1内の両端側にはアルミナゲルAの
流出を防止するためのフィルタ6,7が設けられている。
この精製装置11は、例えば第2図に示すような精製系
によって使用に供される。精製装置11の流入パイプ2に
三方切換弁12を介して未精製アルシンが充填されたボン
ベ13が接続されている。また、三方切換弁12には管14を
経て加熱窒素ガス発生手段15が接続されている。また、
精製装置11の流出パイプ3は管16を経て図示しない供給
先に接続されている。
まず、三方切換弁12を操作し、加熱窒素ガス発生手段
15からの温度110〜200℃に加熱された窒素ガスを精製装
置に送り込み、カラム1内のアルミナゲルAを活性化す
る。加熱窒素ガスの流量はアルミナゲル1g当たり20〜50
ml程度で十分である。活性化処理が終了したら、三方切
換弁12を操作し、ボンベ13から未精製アルシンが精製装
置11に流入するようにして精製を開始する。カラム1に
ヒータを設けて内部を加熱し、アルミナゲルとの接触の
際の温度を高めるようにしてもよい。未精製アルシンの
流速はアルミナゲル10g当たり100〜250ml/分程度が好ま
しい。
かくして、精製装置11の流出パイプ3からは不純物が
除去された精製アルシンが得られ供給先に送られる。
なお本発明での使用によって精製能力を失ったアルミ
ナゲルは、吸着剤の如き再生することができず、再使用
は不可能である。従って再生が不可能であり、精製効率
が高い温度の方が高いことから考えて、ここでのアルミ
ナゲルの精製作用は少なくとも吸着作用によるものでは
ないと考えられる。
以下、実験例を示す。
(実験例1) ステンレス鋼製の精製装置(内径36mm,長さ150mm)
に、アルミナゲルとして「ネオビードD」(粒径16〜32
メッシュ)を150ml(約85g)充填した。そして充填し
たアルミナゲルは別に窒素ガス雰囲気下、200℃で120分
加熱して活性化処理したものを用いた。
サンプルガスとしてアルシンの精製装置への流速を1
/分と一定とし、精製温度を60℃として、サンプルガ
スを流しつづけて精製した。
このようにしてアルミナゲルを用いて精製したアルシ
ンと未精製のアルシンとを用いて、それぞれ金属酸化物
気相エピタキシャル成長法(MOVPE)によって、GaAsエ
ピタキシャル層を成長させ、これらエピタキシャル層に
ついてホール測定および低温ホトルミネッセンスによっ
て比較評価した。成長条件は温度630℃、速度5μm/時
間、V/III比30である。
未精製アルシンを用いて得られたエピタキシャル層の
不純物濃度は、室温で1.35×1014cm-3、77Kで1.9×1014
cm-3であり、移動度は、室温で7980cm2/Vs、77Kで10580
0cm2/Vsであった。これに対して、精製アルシンを用い
て得られたエピタキシャル層では高抵抗であり、ホール
測定はできなかった。
第3図は、未精製アルシンによるエピタキシャル層の
4.2Kにおけるホトルミネッセンススペクトラムを示し、
第6図は精製アルシンによる同様のホトルミネッセンス
スペクトラムを示すものである。これらのスペクトラム
において、(B−A)はバンドアクセプタ遷移、(A-,
X)はイオン化アクセプとエキシトンの複合体、(D−
A)はドナーアクセプタペア発光によるピークであり、
820nm付近のピークはドナーに関連したエキシトンから
の発光である。
第3図と第4図を比較すると、第4図でのスペクトル
では、(B−A),(A-,X)のピークが高くなってお
り、(D−A)のピークが低くなっている。このことか
ら、精製アルシンによるエピタキシャル層はP-であると
推定され、N型不純物が減少したことが推定された。
以上の結果から、アルミナゲルによる精製によって不
純物が除去され、特性の良好な光半導体等を製造するこ
とが可能であることがわかる。
つぎに、精製時における温度の影響について実験した
結果、下記の表の通りの性能を示した。
ここでの実験は、前記実験と同様の精製装置と精製条
件にて精製温度のみ変化させて行ったものである。
以上のことより、本発明の精製方法では10℃以上の温
度で精製可能であり、そして高い温度にすればより精製
効果が向上することが判明した。しかし、150℃以上に
て精製するとアルミナゲルが粉化してこれを同伴する不
都合が生じる。
寿命到達後のアルミナゲルは一般の吸着剤のようには
再生して再使用は出来なかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明のアルシンの精製方法
は、アルミナゲルを用いるものであるので、アルシン中
に含まれる不純物がほぼ完全に除去され、高純度のアル
シンを得ることができる。よって、この発明の精製方法
で精製されたアルシンによれば、特性の優れた半導体レ
ーザーなどの化合物半導体等を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法を実施するに好適な精製装置の
一例を示す部分断面図、第2図は第1図に示された精製
装置を用いてアルシンを精製するためのシステムの例を
示す構成図、第3図ないし第4図は、いずれも実験例の
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 功 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (72)発明者 佐藤 正人 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−78116(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 6/34 B01J 20/08 C01B 6/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルシン(AsH3)を活性化温度110〜200℃
    で活性化したアルミナゲルと50〜100℃の温度下で接触
    せしめて、含有するN型不純物を除去することを特徴と
    するアルシンの精製方法。
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