JP2772860B2 - W/o/w型複合エマルション及びその製造法 - Google Patents
W/o/w型複合エマルション及びその製造法Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01F—MIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
- B01F23/00—Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
- B01F23/40—Mixing liquids with liquids; Emulsifying
- B01F23/41—Emulsifying
- B01F23/4105—Methods of emulsifying
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- Medicinal Preparation (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、W/O/W型複合エマルション及びその製造法
に関するものであり、本発明に係るW/O/W型複合エマル
ションは、化粧品、医薬品や飲食品をはじめとする各種
の産業分野において有用である。
に関するものであり、本発明に係るW/O/W型複合エマル
ションは、化粧品、医薬品や飲食品をはじめとする各種
の産業分野において有用である。
(従来の技術及び問題点) W/O/W型複合エマルションの調製にあたり、本発明者
らは、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使
用することにより、生成率が高くしかも安定性にすぐれ
たエマルションを創製するのに成功し、(特開昭60−16
546号)、食品の製造技術分野において利用している。
らは、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使
用することにより、生成率が高くしかも安定性にすぐれ
たエマルションを創製するのに成功し、(特開昭60−16
546号)、食品の製造技術分野において利用している。
しかしながら、上記発明は未だ完全なものではなく、
生成する複合エマルションの粒子径の分布の幅を小さく
するには、従来の均質化機を使用した均質化では限界が
ある。また微細なエマルションを得ようとする程せん断
の強度、時間共により多く必要となり内水の放出の度合
が大きくなるため、大きい脂肪球程内水が入り易く、小
さい脂肪球程内水が入りにくい傾向がある。
生成する複合エマルションの粒子径の分布の幅を小さく
するには、従来の均質化機を使用した均質化では限界が
ある。また微細なエマルションを得ようとする程せん断
の強度、時間共により多く必要となり内水の放出の度合
が大きくなるため、大きい脂肪球程内水が入り易く、小
さい脂肪球程内水が入りにくい傾向がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明はこれらの欠点を一挙に解決するためになされ
たものであって、少量の乳化剤を使用するにもかかわら
ず、生成した複合エマルションの粒子径は微細且つ均一
に揃っており、そのうえ内水の大きさ及び封入量も均一
に揃っている従来未知のW/O/W型複合エマルションを、
簡単な操作で製造する目的でなされたものである。
たものであって、少量の乳化剤を使用するにもかかわら
ず、生成した複合エマルションの粒子径は微細且つ均一
に揃っており、そのうえ内水の大きさ及び封入量も均一
に揃っている従来未知のW/O/W型複合エマルションを、
簡単な操作で製造する目的でなされたものである。
そこで上記目的達成のために各方面から研究の結果、
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用して
調製したW/O組成物を細孔を有する多孔質膜を通して外
水中に分散させる、あるいはW/O組成物中に水を更に分
散させて転相させることで、縮小で均一なW/O/W型複合
エマルションが得られる、という新知見を得、この新知
見を基礎として更に研究の結果、本発明は完成されたの
である。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用して
調製したW/O組成物を細孔を有する多孔質膜を通して外
水中に分散させる、あるいはW/O組成物中に水を更に分
散させて転相させることで、縮小で均一なW/O/W型複合
エマルションが得られる、という新知見を得、この新知
見を基礎として更に研究の結果、本発明は完成されたの
である。
すなわち本発明は、W/O/W型複合エマルションの調製
をポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと細孔を
有する多孔質膜を併用して行うことを基本的技術思想と
するものである。
をポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと細孔を
有する多孔質膜を併用して行うことを基本的技術思想と
するものである。
以下、本発明を更に詳しく説明することとする。
本発明においては先ずはじめに、水、油脂及び乳化剤
を用いて1次乳化を行ってW/O型エマルションとする。
この場合、水には各種添加物、添加料等を加えて水相と
しておいてもよく、また加温しておいてもよい。油脂と
しては、油脂、脂肪酸等の油性物質であればいかなるも
のでもよいが、硬化油を用いる場合は、加温溶融して使
用する。油脂には乳化剤を溶解せしめて油相としてもよ
いし、また水又は水相に乳化剤を分散せしめてもよい
し、必要あれば水相及び油相の双方に乳化剤を添加して
もよい。
を用いて1次乳化を行ってW/O型エマルションとする。
この場合、水には各種添加物、添加料等を加えて水相と
しておいてもよく、また加温しておいてもよい。油脂と
しては、油脂、脂肪酸等の油性物質であればいかなるも
のでもよいが、硬化油を用いる場合は、加温溶融して使
用する。油脂には乳化剤を溶解せしめて油相としてもよ
いし、また水又は水相に乳化剤を分散せしめてもよい
し、必要あれば水相及び油相の双方に乳化剤を添加して
もよい。
本発明においては、乳化剤としてポリグリセリン縮合
リシノレイン酸エステルを使用する。ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルとしては、テトラグリセリン
縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステルなどがあるが、これらのいずれでもよく、
また混合物でもよい。
リシノレイン酸エステルを使用する。ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルとしては、テトラグリセリン
縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステルなどがあるが、これらのいずれでもよく、
また混合物でもよい。
この乳化剤は、上記のようにW/O型エマルションを製
造するための1次乳化の際に使用するものであるが、必
要あればW/O/W型複合エマルションを製造するための2
次乳化の際にも使用可能である。乳化剤は、対油0.1〜
5%、好ましくは0.7〜2.5%、更に好ましくは1.0〜2.3
%添加、混合される。対水の場合もこれに準じて行う。
本発明においては乳化剤としてポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステルを使用しなければならないが、更に
他の親水性及び/又は親油性乳化剤の併用を妨げるもの
ではない。
造するための1次乳化の際に使用するものであるが、必
要あればW/O/W型複合エマルションを製造するための2
次乳化の際にも使用可能である。乳化剤は、対油0.1〜
5%、好ましくは0.7〜2.5%、更に好ましくは1.0〜2.3
%添加、混合される。対水の場合もこれに準じて行う。
本発明においては乳化剤としてポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステルを使用しなければならないが、更に
他の親水性及び/又は親油性乳化剤の併用を妨げるもの
ではない。
本発明においては、W/O型エマルションを製造するの
に2つの方法がある。第1は、油脂に水相を逐次添加混
合して、直接W/O型のエマルションとする方法であり、
第2は水相に油相を逐次添加混合して、まずO/W型のエ
マルションとし、これをよく撹拌して転相を起させて、
W/O型のエマルションとする方法である。
に2つの方法がある。第1は、油脂に水相を逐次添加混
合して、直接W/O型のエマルションとする方法であり、
第2は水相に油相を逐次添加混合して、まずO/W型のエ
マルションとし、これをよく撹拌して転相を起させて、
W/O型のエマルションとする方法である。
これらの方法を実施するには、常法にしたがって乳化
機を使用して行ってもよいが、細孔を有する多孔質膜を
利用してもよい。特に、多孔質膜と乳化剤としてポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステルを併用することに
より、上述のいずれの方法によっても微細水滴を有する
W/O型エマルションを得ることができるが、転相による
第2の方法によれば、更に微細で均一な水滴が得られ
る。微細な乳化物を得るには、一度に多量混合しない方
が好ましく、また油脂と水との使用比率は、油脂:水=
3:1〜1:3程度の割合とするのが好適であるが、上記範囲
のみに限定されるものではない。
機を使用して行ってもよいが、細孔を有する多孔質膜を
利用してもよい。特に、多孔質膜と乳化剤としてポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステルを併用することに
より、上述のいずれの方法によっても微細水滴を有する
W/O型エマルションを得ることができるが、転相による
第2の方法によれば、更に微細で均一な水滴が得られ
る。微細な乳化物を得るには、一度に多量混合しない方
が好ましく、また油脂と水との使用比率は、油脂:水=
3:1〜1:3程度の割合とするのが好適であるが、上記範囲
のみに限定されるものではない。
上記したように、均一な細孔を有する多孔質膜を用い
てエマルションの調製を行うと、特に粒子径の分布幅の
狭い均一なエマルションが得られる。
てエマルションの調製を行うと、特に粒子径の分布幅の
狭い均一なエマルションが得られる。
本発明で使用する多孔質膜としては、平均細孔径が1.
0μm以下であり全細孔の80%以上が平均細孔径の0.8〜
1.2倍の間に存在するのが好適である。したがって、多
孔質ガラス、その(アミノ)シラン誘導体、活性炭、酸
性白土、カオリナイト、ベントナイト、アルミナ、シリ
カゲル、ヒドロキシルアパタイトその他の無機ないし有
機多孔体が広く使用でき、特に上記要件に適合するもの
であれば更に有利に使用することができる。
0μm以下であり全細孔の80%以上が平均細孔径の0.8〜
1.2倍の間に存在するのが好適である。したがって、多
孔質ガラス、その(アミノ)シラン誘導体、活性炭、酸
性白土、カオリナイト、ベントナイト、アルミナ、シリ
カゲル、ヒドロキシルアパタイトその他の無機ないし有
機多孔体が広く使用でき、特に上記要件に適合するもの
であれば更に有利に使用することができる。
多孔質膜の好適例としては、シラス多孔質ガラス(略
称SPG:宮崎県工業試験場)からなるSPG膜が挙げられ
る。SPG膜は、強度、細孔径の均一性等の面で特にすぐ
れているので、本発明で使用するのに好適である。SPG
膜としては、アミノシラン化したり、オクタデシルシリ
ル化や、トリメチルシリル化して疎水修飾したものを使
用してもよい。
称SPG:宮崎県工業試験場)からなるSPG膜が挙げられ
る。SPG膜は、強度、細孔径の均一性等の面で特にすぐ
れているので、本発明で使用するのに好適である。SPG
膜としては、アミノシラン化したり、オクタデシルシリ
ル化や、トリメチルシリル化して疎水修飾したものを使
用してもよい。
1次乳化終了後、2次乳化を行うのであるが、本発明
においては、2次乳化は上記した多孔質膜を用いて実施
するものである。すなわち、ポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステルを用いて調製したW/O組成物(1次乳
化)を2次乳化してW/O/W型複合エマルションを製造す
るに際して、本発明においては、該W/O組成物を多孔質
膜を用いて外水相中に分散せしめる方法、及び該W/O組
成物に、多孔質膜を用いて更に水相を分散させ転相させ
る方法のいずれか又は両方によって、目的とするW/O/W
型複合エマルションを得るのである。
においては、2次乳化は上記した多孔質膜を用いて実施
するものである。すなわち、ポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステルを用いて調製したW/O組成物(1次乳
化)を2次乳化してW/O/W型複合エマルションを製造す
るに際して、本発明においては、該W/O組成物を多孔質
膜を用いて外水相中に分散せしめる方法、及び該W/O組
成物に、多孔質膜を用いて更に水相を分散させ転相させ
る方法のいずれか又は両方によって、目的とするW/O/W
型複合エマルションを得るのである。
なお本発明において、細孔を有する多孔質膜の使用は
W/O組成物の外方への分散に使用することのみに制限さ
れず、油相への水相の添加、水相への油相の添加、W/O
組成物への水相の添加にも使用される。
W/O組成物の外方への分散に使用することのみに制限さ
れず、油相への水相の添加、水相への油相の添加、W/O
組成物への水相の添加にも使用される。
このようにして得られたW/O/W型複合エマルション
は、粒子の95%以上が個数平均、重量平均、面積平均の
いずれにおいても平均粒子径の0.5〜1.5倍の間に存在す
るものであり、また、内水相の95%以上が平均粒子径の
0.5〜1.5倍の間に存在し且つ個々の脂肪球内に封入され
る水滴の量も均一であって、所期の目的を充分に達成し
うるものである。
は、粒子の95%以上が個数平均、重量平均、面積平均の
いずれにおいても平均粒子径の0.5〜1.5倍の間に存在す
るものであり、また、内水相の95%以上が平均粒子径の
0.5〜1.5倍の間に存在し且つ個々の脂肪球内に封入され
る水滴の量も均一であって、所期の目的を充分に達成し
うるものである。
従来の均質化方法では微小なエマルションを得ようと
する程封入される内水の滴数は減少し、大きさが不均一
になる傾向があった。
する程封入される内水の滴数は減少し、大きさが不均一
になる傾向があった。
しかしながら本発明のように、細孔を有する多孔質膜
による乳化法ではW/O組成物を所望の粒子径に一段階で
揃えるためせん断中の内水の放出の可能性は非常に小さ
く、更に生成率の高いW/O/W型複合エマルションを得る
ことができる。個々のエマルション粒子を見ると、封入
された内水の滴数、大きさが従来法と比較してより均一
となり、各々の粒子中に含まれる薬剤量が均一となると
いう利点がある。
による乳化法ではW/O組成物を所望の粒子径に一段階で
揃えるためせん断中の内水の放出の可能性は非常に小さ
く、更に生成率の高いW/O/W型複合エマルションを得る
ことができる。個々のエマルション粒子を見ると、封入
された内水の滴数、大きさが従来法と比較してより均一
となり、各々の粒子中に含まれる薬剤量が均一となると
いう利点がある。
また、生成したW/O/W型複合エマルションの粒子径と
比重が均一であるので、粒子径差に由来する凝集、合一
による乳化の不安定化の度合が非常に小さくなる。
比重が均一であるので、粒子径差に由来する凝集、合一
による乳化の不安定化の度合が非常に小さくなる。
そして生成するW/O/W型複合エマルションの粒子径は
使用する多孔質膜の細孔径によって調節できるので、所
望するW/O/W型複合エマルションが自由にコントロール
しながら製造、入手できる。
使用する多孔質膜の細孔径によって調節できるので、所
望するW/O/W型複合エマルションが自由にコントロール
しながら製造、入手できる。
以下、本発明を試験例及び実施例により更に詳しく説
明する。
明する。
試験例1 50℃のコーンサラダ油に乳化剤として、ポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリンデカオ
レート、ソルビタンモノオレートを対油2.0%添加し、
混合溶解した。このもの200gと50℃の水100gを混合し高
速撹拌機(バイオミキサー)で10,000rpmで撹拌し、超
音波処理した。
ン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリンデカオ
レート、ソルビタンモノオレートを対油2.0%添加し、
混合溶解した。このもの200gと50℃の水100gを混合し高
速撹拌機(バイオミキサー)で10,000rpmで撹拌し、超
音波処理した。
得られたW/O組成物を、従来法又は多孔質膜を用い
て、ナトリウムカゼイネート3.0%添加した外水相500g
に分散させW/O/W型複合エマルションを得た。得られた
結果を表1に示す。従来法としては、W/O組成物添加後
に羽根撹拌行った後均質化機(ホモゲナイザー)を使用
して均質化を行った。
て、ナトリウムカゼイネート3.0%添加した外水相500g
に分散させW/O/W型複合エマルションを得た。得られた
結果を表1に示す。従来法としては、W/O組成物添加後
に羽根撹拌行った後均質化機(ホモゲナイザー)を使用
して均質化を行った。
多孔質膜としてはSPG膜の細孔径0.7μmのものを使用
した。表1からわかる通り、従来通りの均質化方法によ
った場合に比較してガラス多孔質膜を使用した場合の方
が、極端に粒子径が均一に揃っていることがわかる。ま
た、均質化時内水の合一及び放出の程度が小さいため、
内水の大きさ、封入量がより均一となることがわかる。
また、W/O/W型複合エマルションの調製にはポリグリセ
リン縮合リシノレイン酸エステルと多孔質ガラス膜を併
用することが、非常に効果的であることがわかる。
した。表1からわかる通り、従来通りの均質化方法によ
った場合に比較してガラス多孔質膜を使用した場合の方
が、極端に粒子径が均一に揃っていることがわかる。ま
た、均質化時内水の合一及び放出の程度が小さいため、
内水の大きさ、封入量がより均一となることがわかる。
また、W/O/W型複合エマルションの調製にはポリグリセ
リン縮合リシノレイン酸エステルと多孔質ガラス膜を併
用することが、非常に効果的であることがわかる。
試験例2 乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テルを使用して試験例1と同様に調製したW/O組成物
を、細孔径の異なる多孔質ガラス膜を通してW/O/W型複
合エマルションを調製した。その結果を表2に示す。表
2には比較の為に、SPG膜で調製したエマルションと同
程度の平均粒子径となるように従来通りの均質化方法で
調製した結果も同時に示した。表2からわかる通りガラ
ス多孔質膜の細孔径を変化させると、高い生成率は保持
したまま平均粒子径を変化させることができ、また、同
じ平均粒子径をもつ従来通りの均質化方法に比較して、
粒子径の分布は非常に小さいものとなっており、所望の
大きさの粒子が自由に調製することができることがわか
る。
テルを使用して試験例1と同様に調製したW/O組成物
を、細孔径の異なる多孔質ガラス膜を通してW/O/W型複
合エマルションを調製した。その結果を表2に示す。表
2には比較の為に、SPG膜で調製したエマルションと同
程度の平均粒子径となるように従来通りの均質化方法で
調製した結果も同時に示した。表2からわかる通りガラ
ス多孔質膜の細孔径を変化させると、高い生成率は保持
したまま平均粒子径を変化させることができ、また、同
じ平均粒子径をもつ従来通りの均質化方法に比較して、
粒子径の分布は非常に小さいものとなっており、所望の
大きさの粒子が自由に調製することができることがわか
る。
試験例3 50℃のコーンサラダ油に乳化剤として、ポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステル2.0%を添加し、混合、
溶解した。このものに、疎水修飾(オクタデシルシリル
化及びトリメチルシリル化)を施したガラス多孔質膜を
通して水を分散させ、W/O組成物を得た。得られたW/O組
成物をガラス多孔質膜を用いて外水中に分散させW/O/W
型複合エマルションを得た。その結果を表3に示す。
ン縮合リシノレイン酸エステル2.0%を添加し、混合、
溶解した。このものに、疎水修飾(オクタデシルシリル
化及びトリメチルシリル化)を施したガラス多孔質膜を
通して水を分散させ、W/O組成物を得た。得られたW/O組
成物をガラス多孔質膜を用いて外水中に分散させW/O/W
型複合エマルションを得た。その結果を表3に示す。
実施例1 50℃のコーンサラダ油1000gにポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル30gを混合、溶解し、得られた油
相600gにバイオミキサー10,000rpmの撹拌下で50℃の水4
00g添加し、超音波処理を行って1000gのW/O組成物を得
た。
シノレイン酸エステル30gを混合、溶解し、得られた油
相600gにバイオミキサー10,000rpmの撹拌下で50℃の水4
00g添加し、超音波処理を行って1000gのW/O組成物を得
た。
得られたW/O組成物を平均細孔径0.5μmのSPG膜を通
して、980gの水に20gのナトリウムカゼイネートを溶解
するとともに50℃に加温した外水相中に圧入し、脂肪率
30%のW/O/W型複合エマルションを得た。得られたW/O/W
複合エマルションは、生成率93.5%で平均の粒子径は2.
1μmであり、1.0〜3.0μmの間に全体の99.5%が存在
していた。また内水の粒子径は極めて均一であり、その
封入数も、ほぼ一定であった。
して、980gの水に20gのナトリウムカゼイネートを溶解
するとともに50℃に加温した外水相中に圧入し、脂肪率
30%のW/O/W型複合エマルションを得た。得られたW/O/W
複合エマルションは、生成率93.5%で平均の粒子径は2.
1μmであり、1.0〜3.0μmの間に全体の99.5%が存在
していた。また内水の粒子径は極めて均一であり、その
封入数も、ほぼ一定であった。
(発明の効果) 本発明によりはじめて微細にして粒子径の揃ったW/O/
W型複合エマルションを工業的に製造することが可能と
なった。しかも得られたエマルションは、その内水の粒
子径も極めて均一且つその封入数もほぼ一定であり、各
粒子中に均一に薬剤等を含有させることができるので、
きめが細かく接触感もきわめてなめらかである特性とも
相まって、医薬、化粧品、飲食品等各種の技術分野で重
用されるものである。
W型複合エマルションを工業的に製造することが可能と
なった。しかも得られたエマルションは、その内水の粒
子径も極めて均一且つその封入数もほぼ一定であり、各
粒子中に均一に薬剤等を含有させることができるので、
きめが細かく接触感もきわめてなめらかである特性とも
相まって、医薬、化粧品、飲食品等各種の技術分野で重
用されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 9/113 A61K 9/113 (56)参考文献 特開 平2−95433(JP,A) 特開 昭60−41453(JP,A) 特開 昭59−62340(JP,A) 特開 昭60−203139(JP,A) 特開 昭60−16546(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 13/00 A61K 7/00 A23L 1/035
Claims (8)
- 【請求項1】ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ルを用いて調製したW/O組成物を細孔を有する多孔質膜
を用いて外水相中に分散させることを特徴とするW/O/W
型複合エマルションの製造法。 - 【請求項2】ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ルを用いて調製したW/O組成物に、多孔質膜を用いて更
に水相を分散させ転相させることを特徴とするW/O/W型
複合エマルションの製造法。 - 【請求項3】細孔を有する多孔質膜を用いて、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステルを溶解した油相中に
水相を分散せしめたエマルション、あるいは、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステルを均一に分散させた
水相を油相に分散せしめたエマルションを、W/O組成物
として用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の
W/O/W型複合エマルションの製造法。 - 【請求項4】細孔を有する多孔質膜を用いて、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステルを溶解した油相を水
相に分散させ転相せしめたエマルション、あるいはポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステルを分散させた水
相に油相を分散させ転相せしめたエマルションを、W/O
組成物として用いることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のW/O/W型複合エマルションの製造
法。 - 【請求項5】細孔を有する多孔質膜をとして、ガラス多
孔質膜を使用することを特徴とする請求項1〜4のいず
れか1項に記載のW/O/W型複合エマルションの製造法。 - 【請求項6】細孔を有する多孔質膜をとして、その表面
を疎水修飾したガラス多孔質膜を使用することを特徴と
する請求項5に記載のW/O/W型複合エマルションの製造
法。 - 【請求項7】細孔を有する多孔質膜とポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルとを併用して製造してなり、
粒子の95%以上が個数平均、重量平均、面積平均のいず
れにおいても平均粒子径の0.5倍から1.5倍の間に存在す
ることを特徴とするW/O/W型複合エマルション。 - 【請求項8】細孔を有する多孔質膜とポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルとを併用して製造してなり、
内水相の95%以上が平均粒子径の0.5倍から1.5倍の間に
存在し、かつ個々の脂肪球内に封入される水滴の量が均
一であることを特徴とするW/O/W型複合エマルション。
Priority Applications (1)
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