JP3112558B2 - ホイップクリーム用水中油型乳化物 - Google Patents

ホイップクリーム用水中油型乳化物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホイップクリーム用水
中油型乳化物に関する。更に詳しくは、本発明は、乳味
を一層強く感じることができる、ホイップクリーム用水
中油型乳化物(コンパウンドクリーム)に関する。
【0002】
【従来の技術】水中油型乳化物である生クリームは、口
あたり、口どけなどの食感が良く、また比較的さっぱり
とした乳味感を有しており、風味も非常に良好であるた
め、従来からホイップクリームなどに使用されている。
しかし、生クリームは、高価で、品質の一定したものが
供給されにくく、またホイップさせるのに技術を要し、
更にホイップしたものは、不安定で、所謂「造花」など
が作りにくく、温度や振動によってその造形物が変形す
るなど、使用しにくい欠点を持っている。
【0003】上記のような欠点を改良したものとして、
植物脂に無脂乳固形分、乳化剤などを加えて調製した純
植物性の合成クリーム(フィルドクリーム)、植物脂に
生クリームあるいは乳脂肪分を加えて、両者の特性を調
合したコンパウンドクリームが種々提案されているが、
近年では、食感などの点からコンパウンドクリームが主
流となっている。コンパウンドクリームは、通常、乳
脂、植物脂、及び乳化剤などからなる配合の油性成分
と、脱脂乳などの無脂乳固形分及び乳化剤などからなる
配合の水性成分とを混合し、予備乳化、滅菌、均質化、
冷却、充填、エージングの各工程を経て製造される。上
記のような製造法で得られたコンパウンドクリームは、
上記のように起泡性(ホイップ性)、保型性、離水耐性
などの物性面では、確かに、生クリームに比べ優れた特
性を示すが、これを用いてなるホイップクリームの食
感、風味の点においては、なお十分とはいえない。特
に、植物脂が含まれているため、一般に乳味がそれほど
強く感じられないといった問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然の生ク
リームに代わる材料を用いて、生クリームを使用して得
たホイップクリームのような強い乳味感を有し、またそ
の口どけなどから受ける良好な食感、風味を有するホイ
ップクリーム用水中油型乳化物を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】乳化物は、ホイップして
多数の気泡を取り込ませることによってその中の油滴
(脂肪球:エマルジョン粒子)の解乳化や脂肪球の破壊
が起り、これによって脂肪球の凝集が発生する。凝集し
た脂肪球(凝集脂肪球)の多くは気泡の表面に吸着し、
そしてその一部は連鎖による網目構造(ネットワーク)
を形成する。また脂肪球は、遊離脂肪ともなって上記の
ようにネットワークを形成している凝集脂肪球の回りに
集まるものもあり、あたかも凝集脂肪球と凝集脂肪球を
結びつける接着剤のような働きをし、ネットワークを強
固にする。このような構造により、気泡が安定化され、
良好なホイップクリームが得られると考えられている。
【0006】本発明者は、天然の生クリームの代わりに
なる材料を用いた乳脂の脂肪球と植物脂の脂肪球とが混
合された乳化物をホイップした場合、乳脂の脂肪球から
より早く乳味を感受できれば、より強く乳味を感じるこ
とができ、それに従って、食感、風味も改良され、より
生クリームの食感、風味に近付くであろうとの着想に基
づいて更に検討を重ねた。その結果、乳脂の脂肪球の耐
破壊強度が植物脂の脂肪球の耐破壊強度より低いような
乳化物を使用した場合には、植物脂に比べ乳脂による凝
集した脂肪球ができ易く、従って、乳味の流出が容易に
行われ、また凝集した脂肪球の気泡表面への移動による
水相部の水分濃度が高くなり、これらの両者の作用によ
って、目的とする乳味感のある、食感、風味の良好なホ
イップクリームが得られることを見い出し、本発明を完
成させた。
【0007】本発明は、植物脂を主成分とする油脂の油
滴を含む水中油型乳化物と、乳脂を主成分とする油脂の
油滴であって、その油滴の耐破壊強度(破壊されにく
さ)が上記の植物脂の油滴の耐破壊強度に比較して低い
油滴を含む水中油型乳化物とを混合してなるホイップク
リーム用水中油型乳化物にある。
【0008】以下に本発明のホイップクリーム用水中油
型乳化物(以下単に、本発明の乳化物と称す)について
説明する。本発明の乳化物は、例えば、以下の工程で製
造することができる。 (I)植物脂を主成分とする油脂の油滴を含む水中油型
乳化物(A)を調製する工程; (II)乳脂を主成分とする油脂の油滴を含む水中油型乳
化物(B)を調製する工程; (III)得られた上記乳化物(A)と(B)を混合する工
程;そして、 (IV)得られた混合物を、滅菌、均質化、冷却、充填、
エージングの各処理を行う工程。 なお、上記(IV)の工程の各処理のうち、滅菌、均質
化、冷却の各処理は、上記水中油型乳化物(A)、
(B)の調製状態に応じて、適宜変更し得る。例えば、
水中油型乳化物(A)、(B)の各調製工程おいて、乳
化物(A)、(B)の処理が冷却まで終了している場合
には、これら一連の処理は省いてもよい。すなわち、上
記(IV)の工程の処理は、充填、エージングのみの処理
で良い。
【0009】以下に、各工程を更に詳細に説明する。
【0010】上記(I)の工程の水中油型乳化物(A)
の調製は、植物脂を主成分とする油脂及び乳化剤などが
配合されてなる油性成分(油性液)に、脱脂乳などの乳
蛋白質、安定剤、及び乳化剤などが配合されてなる水性
成分(水性液)を添加混合し、予備乳化、均質化の処理
によりなされる。また、上記(II)の工程の水中油型乳
化物(B)の調製は、乳脂を主成分とする油脂及び乳化
剤などが配合されてなる油性成分(油性液)に、脱脂乳
などの乳蛋白質、安定剤、及び乳化剤などが配合されて
なる水性成分(水性液)を添加混合し、上記と同様な各
処理でなされる。なお、上記(I)、(II)のそれぞれ
の工程において、更に、滅菌、均質化、冷却の各処理を
施してもよいことは、前述した通りである。上記水中油
型乳化物(A)及び(B)中の油脂含量は、それぞれ3
0〜60重量%の範囲、好ましくは35〜55重量%の
範囲、更に好ましくは、40〜45重量%の範囲であ
る。
【0011】上記水中油型乳化物(A)及び(B)の調
製に使用される主要成分について説明する。上記植物
脂、乳脂は、従来から水中油型乳化物に使用されている
ものでれば特に制限なく利用できる。植物脂としては、
例えば、大豆油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフ
ラワー油、パーム油、パーム核油、菜種油、カポック
油、ヤシ油及びこれらの硬化油を挙げることができる。
これらの中では、大豆硬化油とヤシ硬化油が好ましい。
また乳脂は、通常生クリームからチャーニングして得た
バターを溶解し、水分を除いたものが使用される。
【0012】上記乳化剤は、従来公知のものの中から選
ばれるが、乳化剤は、その特性によって、乳化を安定化
させるもの、乳化を破壊し、凝集を促進させるもの、気
泡を安定に取り込むものに分けられ、通常、これらの乳
化剤を組み合わせて使用する。特に、本発明において
は、乳化剤により、脂肪球の耐破壊強度も変化するため
(乳化剤は、脂肪球の界面に蛋白質と共に吸着(配向)
し、膜を形成する)、これらのことを考慮に入れて選択
することが好ましい。上記水中油型乳化物(A)の調製
には、例えば、以下の乳化剤が好ましく使用できる。レ
シチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
グリセロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル。
本発明においては、特に、レシチンとショ糖脂肪酸エス
テルの併用が好ましい。また、上記水中油型乳化物
(B)の調製には、例えば、以下の乳化剤が好ましく使
用できる。レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル。本発明においては、特に、レシチンとショ
糖脂肪酸エステルの併用が好ましい。これらの乳化剤は
その合計含有量が、それぞれ水中油型乳化物(A)及び
(B)中に、0.1〜2.5重量%の範囲(更に好まし
くは、0.3〜1.5重量%の範囲)で使用されること
が好ましい。なお、本発明の乳化物の調製に際しては、
上記以外の任意成分(例えば、呈味剤、増粘剤など)を
添加してもよい。これらを添加する場合にも、上記の成
分と同様に親油性の添加物は油性液中に、そして親水性
の添加物は水性液中に添加される。
【0013】上記水中油型乳化物(B)中の乳脂の油滴
(脂肪球)の耐破壊強度は、上記水中油型乳化物(A)
中の植物脂の油滴(脂肪球)の耐破壊強度に比較して低
くなるように調製されている。すなわち、乳脂の脂肪球
が、植物脂の脂肪球に比べ壊れ易く形成されている。脂
肪球の耐破壊強度は、脂肪球の粒子径によるところが大
きい。一般に、脂肪球の粒子径が小さい程、耐破壊強度
は大で、脂肪球の粒子径が大きくなるにつれてその耐破
壊強度も小さくなる。従って、乳脂の脂肪球の粒子径を
植物脂の脂肪球のそれに比べ大きく設定することが、本
発明の実施においては有効な方法である。具体的な方法
としては、上記それぞれの水中油型乳化物を調製する際
の均質化処理において、通常、ホモゲナイザーのような
加圧式均質機(高圧にされた処理液体が均質バルブを通
過して低圧部へ流れる際に脂肪球が粉砕される機構)が
使用されるが、この均質機の設定圧力(均質化圧力/乳
化圧力)を種々変化させることにより、植物脂の脂肪
球、及び乳脂の脂肪球の粒子径の各々をコントロール
し、植物脂の脂肪球に比べ乳脂の脂肪球が壊れ易くなる
ように構成することができる。また、上記均質化圧力を
ほぼ同等に設定して植物脂の脂肪球の粒子径と乳脂の脂
肪球の粒子径がほぼ同じ粒子径となるように調製した場
合には、前述したように使用する乳化剤の選択が有効な
方法である。
【0014】ところで、肪肪球の粒子径は、水中油型乳
化物の乳化安定性やホイップ性に影響を及ぼす。一般
に、均質化圧力の低い乳化物(粒子径は比較的大きくな
り、0.3〜20μmの範囲)は、乳化安定性が低く、
温度変化、振動等の外部環境によって乳化物が増粘や固
化を起す、所謂ボテが生じ易く、またホイップしてもオ
ーバーランの低いものとなり、一方均質化圧力の高い乳
化物(粒子径は比較的小さくなり、0.3〜8μmの範
囲)は、乳化安定性が高い(所謂ボテは生じにくくなる
が)が、ホイップ時間が長くかかり、オーバーランは高
いが、保型性の弱いものになるという性質がある。従っ
て、上記均質化圧力を設定する場合には、乳化安定性や
ホイップ性が良好に保たれるように考慮することが好ま
しい。以上の観点から、水中油型乳化物(A)及び
(B)のそれぞれの乳化物を調製する場合には、下記の
ような脂肪球の粒子径となるように、均質化圧力を設定
することが好ましい。乳脂の脂肪球の粒子径は、1.5
μm〜8.0μmの範囲(好ましくは、2.0μm〜
5.0μmの範囲)、及び植物脂の脂肪球の粒子径は、
0.3μm〜5.0μmの範囲(好ましくは、0.5μ
m〜2.5μmの範囲)となるように調製する(ただ
し、乳脂の脂肪球の粒子径≧植物脂の脂肪球の粒子径の
関係を維持する)。本発明においては、乳脂の脂肪球の
粒子径が、脂肪球の粒子径に対して、1.1〜5倍(さ
らに好ましくは、2.0〜3.0倍)となるように均質
化圧力を設定することが好ましい。なお、乳脂の脂肪球
と植物脂の脂肪球の両方の粒子径を比較的大きな粒子径
(5.0〜8.0μm)に揃えた場合にも、乳味を強く
感じるホイップクリームが得られる。しかし、このよう
な粒子径の範囲に設定すると、前述したように、ボテが
生じ易く、好ましくない。
【0015】上記(III)の工程の混合物の調製は、上記
のように調製された各水中油型乳化物(A)と(B)と
の混合によって達成される。この混合操作では、各乳化
物中の脂肪球が余り壊されることなく、各水中油型乳化
物(A)及び(B)の調製直後の乳化状態が維持される
ように行われ、従って、高速攪拌は必要ない。上記水中
油型乳化物(A)と水中油型乳化物(B)との混合は、
乳化物(A)と乳化物(B)との比(重量比)が、2
0:80〜75:25の範囲で行うことが好ましい。
【0016】上記(IV)の工程の最終製造物である本発
明の乳化物の調製は、上記で得た混合物を、滅菌、均質
化(再均質化)、冷却、充填、エージングの各処理が施
されることによって達成される。これらの処理におい
て、滅菌処理後の均質化処理(再均質化処理)は、滅菌
により壊された脂肪球を整える処理で、上記乳化物
(A)及び(B)の調製時に行った均質化処理の条件よ
りも低い条件(10〜50kg/cm2 )で行われる。
上記工程(I)〜(IV)で得られる本発明の乳化物は、
植物脂と乳脂との比(重量比)が、植物脂:乳脂=7
5:25〜20:80の範囲にあることが好ましい。な
お、本発明の乳化物の調製は、上記二成分(水中油型乳
化物(A)及び(B))による方法に限定されない。す
なわち、上記工程(I)及び(II)で、植物脂または乳
脂を含む複数の水中油型乳化物(A1 、A2 、・・)お
よび(B1 、B2 、・・)をそれぞれ調製し、これらを
用いて実施してもよい。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例、及び比較例を記載
し、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は
これらの例に限定されない。尚、「%」は重量%を表
す。
【0018】[実施例1] (水中油型乳化物(A)の調製) 下記配合の油性液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)大豆硬化油(融点32℃) 30.0% ヤシ硬化油(融点34℃) 15.0% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 1.0% ショ糖脂肪酸エステル(HLB3) 0.2% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.1% 水 49.60% 上記溶液を混合攪拌して水中油型の予備乳化物を得た。
次いで、この予備乳化物をホモゲナイザー(特殊機化工
業(株)製)で65℃の温度下、100kg/cm2
圧力で均質化処理を行い、植物脂の油滴を含む水中油型
乳化物(A)を製造した。
【0019】 (水中油型乳化物(B)の調製) 下記配合の油性液(油相)と水性液(水相)を調製した。 (油相)バターオイル 45.0% 大豆レシチン(市販大豆レシチン) 0.2% ショ糖脂肪酸エステル(HLB3) 0.2% (水相)脱脂粉乳 4.0% ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1% 水 50.5% 上記溶液を混合攪拌して水中油型の予備乳化物を得た。
次いで、この予備乳化物をホモゲナイザーで65℃の温
度下、30kg/cm2 の圧力で均質化処理を行い、乳
脂の油滴を含む水中油型乳化物(B)を製造した。
【0020】(ホイップクリーム用水中油型乳化物の調
製)上記で得られた水中油型乳化物(A)と水中油型乳
化物(B)を、60:40(重量比)の割合で混合し、
混合物を得た。そしてこの混合物を145℃、2秒間U
HT滅菌処理(アルファラバル社製VTIS滅菌装置)
し、70℃にて、20kg/cm2 の圧力で再均質化処
理をした。均質化処理後の乳化物を8℃に冷却後、無菌
充填して、本発明に従うホイップクリーム用水中油型乳
化物を製造した。
【0021】[実施例2〜4]上記実施例1において、
水中油型乳化物(A)と水中油型乳化物(B)とを調製
する際の均質化工程における圧力を下記の表1のように
変更した以外は、上記実施例1と同様な方法で、本発明
に従うホイップクリーム用水中油型乳化物を製造した。
【0022】[比較例1〜5]上記実施例1において、
水中油型乳化物(A)と水中油型乳化物(B)とを調製
する際の均質化工程における圧力を下記の表1のように
変更した以外は、上記実施例1と同様な方法で、比較用
のホイップクリーム用水中油型乳化物を製造した。上記
実施例(1〜4)及び比較例(1〜5)の水中油型乳化
物の調製工程における上記乳化物(A)及び(B)の均
質化処理条件(kg/cm2)、及び得られた乳化物の粒子径
(μm)は、下記の表1の通りである。
【0023】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 水中油型乳化物(A) 水中油型乳化物(B) 均質化圧力 粒子径 均質化圧力 粒子径 (kg/cm2) (μm) (kg/cm2) (μm) ──────────────────────────────────── 実施例1 100 0.94 30 3.0 実施例2 60 1.8 30 3.0 実施例3 30 2.7 30 3.0 実施例4 100 0.94 60 1.9 ──────────────────────────────────── 比較例1 60 1.8 60 1.9 比較例2 30 2.7 60 1.9 比較例3 100 0.94 100 0.95 比較例4 60 1.8 100 0.95 比較例5 30 2.7 100 0.95 ────────────────────────────────────
【0024】[ホイップクリーム用水中油型乳化物とし
ての評価]上記で得られた各ホイップクリーム用水中油
型乳化物の乳化(液)安定性を調べ、評価した。 (乳化安定性の評価法)300ミリリットルの三角フラ
スコに200gの上記水中油型乳化物を入れ、20℃に
保温しながら、往復振とう器にて1分間に115ストロ
ークの振とうをかけた時の可塑化に要する時間(ただ
し、上限を24時間とした) また、上記各ホイップクリーム用水中油型乳化物を5℃
で72時間熟成後、縦型ミキサーを用いてホイップして
得たホイップクリームを作る際のホイップ特性(オーバ
ーラン、ホイップ時間)を調べ、評価した。 (ホイップ特性の評価法) (1)ホイップ時間:縦型ミキサーを使用し、700R
PMで1リットルの水中油型乳化物をホイップした時の
最適ホイップ状態になるまで時間 (2)オーバーラン(%):次式で示されるホイップに
よる容積増加割合 更に得られたホイップクリームの風味及び食感を専門パ
ネラー15名による官能テストを行って、評価した。風
味及び食感についての官能テストは、専門パネラー15
名中、12名以上が下記のランク分けに基づいて乳味を
感じたかどうについて調べた。 (食感、風味の評価法) A:乳味を特に強く感じた。 B:乳味を強く感じた。 C:乳味を普通に感じた。 D:乳味を感じない。 以上の結果をまとめて下記の表2に示す。
【0025】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── (ホイップ特性) 乳化安定性 ホイップ時間 オーバーラン 食感風味の評価 ──────────────────────────────────── 実施例1 24hr 4’18” 124 A 実施例2 24hr 4’03” 113 A 実施例3 8hr 3’06” 96 B 実施例4 24hr 4’22” 131 B ──────────────────────────────────── 比較例1 24hr 4’11” 128 C 比較例2 12hr 3’37” 108 C 比較例3 24hr 15’20” 220 D 比較例4 24hr 9’35” 187 D 比較例5 20hr 4’32” 129 D ────────────────────────────────────
【0026】上記表2に示された結果から明らかなよう
に、本発明の方法に従って得られたホイップクリーム用
水中油型乳化物(実施例1〜4)を利用することによ
り、乳味をより強く感じ、風味食感ともに非常に良好な
ホイップクリームが得られる。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法で得られたホイップクリー
ム用水中油型乳化物は、乳化安定性が高く、またホイッ
プクリームを調製する際のホイップ特性も極めて良い。
特に、これを使用して得たホイップクリームは、天然の
生クリームを使用して得たホイップクリームのような強
い乳味感を有し、またその口どけなどから受ける食感、
風味が非常に良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−216658(JP,A) 特公 昭59−4107(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/19 A23C 13/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物脂を主成分とする油脂の油滴を含む
    水中油型乳化物と、乳脂を主成分とする油脂の油滴であ
    って、その油滴の耐破壊強度が上記の植物脂の油滴の耐
    破壊強度に比較して低い油滴を含む水中油型乳化物とを
    混合してなるホイップクリーム用水中油型乳化物。
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