JPH067085A - 二重乳化スプレッドとその製造法 - Google Patents

二重乳化スプレッドとその製造法

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JPH067085A
JPH067085A JP4187483A JP18748392A JPH067085A JP H067085 A JPH067085 A JP H067085A JP 4187483 A JP4187483 A JP 4187483A JP 18748392 A JP18748392 A JP 18748392A JP H067085 A JPH067085 A JP H067085A
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emulsion
water
spread
porous membrane
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JP4187483A
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English (en)
Inventor
Mamoru Tomita
守 冨田
Kazuyoshi Toyama
一吉 外山
Makoto Kato
良 加藤
Yuzo Asano
祐三 浅野
Kiyotaka Takahashi
清孝 高橋
Masahisa Fujimoto
雅久 藤本
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定性および保存性の向上した二重乳化スプ
レッドを製造する。 【構成】 図1に例示した工程において、循環槽2か
ら、パイプライン4、多孔膜モジュール5、およびパイ
プライン11を経由して再び循環槽2へと連続的に還流
する油相に対して、圧力容器6内の水中油型エマルショ
ン1を多孔膜モジュール5内で微細孔径を有する多孔膜
を通して膜乳化するとともに、圧力容器6´内の水中油
型エマルション2を循環槽2内で攪拌機1により攪拌乳
化して混合油中水中油型エマルションを調製し、これを
急令可塑化し、混練することによりスプレッドを製造す
る。 【効果】 二重乳化スプレッドの製造において、乳化方
法として膜乳化法に攪拌乳化法等を組み合わせて用いる
ことにより、安定剤、ゲル化剤を必須成分とせず、しか
も低脂肪領域において従来の方法では認められない程安
定性および保存性に優れ、かつ風味が良好なスプレッド
が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低脂肪乳化食品であ
る油中水中油型二重乳化スプレッドとその製造法に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、特別な油
脂の成分及び乳化剤を用いることなく、可塑性油脂、水
および乳化剤を主要な成分とする安定性および保存性に
優れた油中水中油型(以下O1/W/O2型と略記す
る)エマルションからなる二重乳化スプレッドとこの二
重乳化スプレッドの大量生産に適した製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】二重乳化スプレッドは、風味(特に、ト
ップフレ−バ−及び後味の発現が早い等)において優
れ、O1/W/O2型の乳化状態を呈している。しかし
ながら、二重乳化は通常の乳化方法では乳化が難しい上
に、特に低脂肪のスプレッドでは、水分含量が多いた
め、安定なO1/W/O2型乳化物を得ることは極めて
困難であり、しばしば乳化状態が不安定となる。このた
め、保存中に水相を分離したり、製造中及び輸送中に転
相を生じたり、2つの油相(O1及びO2)が合一する
こともあり、著しく商品価値を損なうという不都合があ
る。
【0003】従来より、このような高水分含量のO1/
W/O2型乳化物を安定に保つための手段として種々の
技術が開発されている。これらの技術の多くはO1/W
/O2型乳化物の組成の改良に関するものであり、乳化
方法に関する技術の開発はほとんどなされていない。即
ち、そのほとんどの乳化は常法(例えば、ホモミキサ−
等による攪拌法、超音波法等)により行われており、高
水分含量のO1/W/O2型乳化物の安定化と乳化方法
とを関連させた技術開発は、この発明の発明者らが先に
提案した技術(特願平3-15567 号)を除き、従来行われ
てはいなかった。
【0004】O1/W/O2型乳化物の組成に関する改
良としては、例えば、油相成分としてモノグリセリド、
レシチン等の特定量を含有させる方法や、安定剤(又は
ゲル化剤)として蛋白質、高分子多糖類の特定量を含有
させる方法、あるいは特定の乳化剤を特定量添加する方
法等が知られている。油相成分を改良する方法として
は、例えばレシチンを油相に使用する方法がある(特公
昭55-15804号、特開昭58-152445 号等)。しかしなが
ら、これら従来方法のうち、たとえば、レシチンを油相
に使用する方法の場合には、その優れた乳化力を利用す
るものであるが、風味の点で劣るために後味を損なうと
いう欠点があり、しかも製品の成分が限定される等の不
都合がある。また、水相に蛋白質や高分子多糖類を添加
して安定化させる方法の場合には、カビまたは細菌の発
生を招きやすいこと、食感に対する影響が大きいこと等
の問題があった。さらに、特定の乳化剤を特定量加える
方法の場合にも、乳化物の十分な安定性を得ることが困
難である。特定の乳化剤、またはそれを特定の配合割合
で使用することによって、乳化安定性の向上と後味の改
善に成功した技術(特公昭54-15682、特公昭55-33294、
特開昭61-74540号等)も提案されているが、このように
乳化剤の種類、組成を限定した場合には、製品の物性、
食感、風味も自ずから限定されてしまうという欠点があ
った。
【0005】これに対して、この発明の発明者らは、油
脂、乳化剤の成分および種類が限定されず、安定剤、ゲ
ル化剤を必須成分とせず、かつリ−キ−、転相等を生じ
ない安定な二重乳化スプレッドおよびその製造法につい
て鋭意研究を行った結果、二重乳化スプレッド製造にお
いて、急冷可塑化および混練工程に特に安定な乳化物を
選択することが、安定な二重乳化スプレッドを製造する
ための必須条件であることから、各種の乳化方法と乳化
固形物の安定性との関係に注目し、乳化方法を改良する
こと、詳しくは、二重乳化スプレッド製造に最適な乳化
方法は膜乳化法を改良して応用することにより得られる
ことを見出し、新規な低脂肪スプレッドとその製造法
(特願平3-15567 号。以下先願発明と記載する)を完成
した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに優れた特徴を有する先願発明の方法においても、こ
れを実用化し、工業的規模での生産工程に合致させるに
は、改良しなければならないいくつかの問題点が見い出
された。すなわち、二重乳化スプレッドを先願発明によ
り大量に製造する場合、その製品が、後記する試験例か
らも明らかなように、特に低脂肪製品[最終製品に対す
る油相の割合が25〜50%(重量。以下同じ)の製品]を
水相中の安定剤およびゲル化剤の合計濃度が低い条件
(15%以下)で製造する場合には、その安定性と保存性
が不十分であり、特に製品の販売流通過程および保存条
件等を考慮すると実用的ではない。加えて、先願発明の
方法においてはO1/W/O2型エマルションを調製す
る場合、微細孔径を有する多孔膜を通して水中油型エマ
ルションを油相に圧入することにより乳化を行うことを
通常の手段とするため、乳化を完了するまでに長時間を
要するという不都合が存在した。
【0007】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、先願発明の長所を生かしつつ、その
欠点を解消して、安定性と保存性に優れ、しかも工業的
規模での大量生産に適した二重乳化スプレッドと、その
製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、微細孔径を有する多孔膜を通し
て圧入した水中油型エマルションと、これとは異なる粒
子径の水中油型エマルションとを油相中に有してなる混
合油中水中油型エマルションを調製し、この混合油中水
中油型エマルションを急冷可塑化することを特徴とする
二重乳化スプレッドの製造法と、この方法によって製造
してなる二重乳化スプレッドを提供する。
【0009】またこの発明は、上記製造法における混合
油中水中油型エマルションを、(1) 微細孔径を有する
多孔膜を通して水中油型エマルションを油相に圧入して
調製した油中水中油型エマルションの最外相油脂中に水
中油型エマルションを添加し、これらを乳化して調製す
ること、(2) 油相に水中油型エマルションを添加し、
これらを乳化して調製した油中水中油型エマルションの
最外相油脂中に、微細孔径を有する多孔膜を通して水中
油型エマルションを圧入して調製すること、(3) 微細
孔径を有する多孔膜を通して水中油型エマルションを油
相に圧入して調製した油中水中油型エマルションの最外
相油脂中に、別の微細孔径を有する多孔膜を通して水中
油型エマルションを圧入して調製すること、(4) 微細
孔径を有する多孔膜を通して水中油型エマルションを油
相に圧入して調製した油中水中油型エマルションと、別
途調製した油中水中油型エマルションとを混合して調製
すること、および(5) 連続的に還流する油相に、水中
油型エマルションを添加して乳化するとともに、微細孔
径を有する多孔膜を通して水中油型エマルションを圧入
して調製すること、を好ましい態様としている。
【0010】さらにこの発明は、上記(1) 、(2) 、(4)
および(5) の態様において、油相に添加した水中油型エ
マルションを攪拌機により攪拌乳化することを最も好ま
しい態様としてもいる。以下、この発明の構成につい
て、詳細に説明する。この発明の油脂組成物における油
相(O1及びO2)を構成する油脂としては、油脂が食
用であるということ以外はその成分、種類に限定され
ず、例えば、菜種油、大豆油、パ−ム油、パ−ム核油、
コ−ン油、サフラワ−油、ひまわり油、綿実油、ヤシ
油、乳脂肪、魚油、牛脂、豚脂等の広範囲な種類の動植
物油脂、およびこれらに水素添加、エステル交換、分別
等の処理を施した加工油脂等であり、これらを単独或い
は2種以上組合わせて使用することができる。また、O
1及びO2にはそれぞれ異なった種類の油脂を使用する
こともできる。
【0011】油脂組成物における油相の比率は最終製品
(二重乳化スプレッド)の全組成物の25%以上(この
内、最外相油脂の比率は好ましくは20%以上。)の割合
であり、特に25〜75%の割合が望ましい。一方、油脂組
成物の水相(W)は、何も加えない水そのもの、または
水に澱粉、加工澱粉、蛋白質、糖類、微生物由来多糖
類、呈味剤、食塩、乳製品等を溶解、分散したものも適
宜使用することができる。特に、安定剤およびゲル化剤
の合計の添加濃度は水相に対して0〜15%の割合が望ま
しい。
【0012】この発明の油脂組成物を構成する乳化剤
は、食用であるということ以外はその種類は特に限定さ
れず、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸
エステルを含む)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル、ポリグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリ
ン酸エステル等を例示することができ、これらを単独ま
たは2種以上混合し、油脂組成物に対して0.01〜5.0%の
割合で添加し、使用することができる。
【0013】この発明の方法に使用する微細孔径を有す
る多孔膜は、公知のものであり、例えば、アルミナセラ
ミックス膜体、ガラス質ミクロ多孔膜(特許第1,518,98
9 号の実施例1に記載されている方法により製造され
る)、または市販のMPG(MICROPOROUS GLASS の略。
商標。伊勢化学工業社製)膜等である。これらの膜は、
通常0.05〜20μm の任意の孔径で製造可能であり、目的
とするエマルションにより適宜の孔径の膜を使用でき
る。また、この発明においては、必ずしも孔径が均一で
ある必要はない。
【0014】この発明の方法に使用する乳化方法は、膜
乳化法をも含めた公知の方法であり、例えば、攪拌機に
よる攪拌乳化法、ジェット流による攪拌乳化法、気体吹
き込みによる攪拌乳化法、噴霧による噴霧乳化法および
超音波による超音波乳化法等である。この発明の方法に
使用する攪拌機は、公知のものであり、例えば、ホモミ
キサ−、ホモゲナイザ−等である。
【0015】この発明の方法に使用する急冷可塑化およ
び混練装置は、特に限定されず、公知の急冷可塑化混練
装置(例えば、ボテ−タ−、パ−フェクタ−、コンビネ
−タ−等)のいずれであってもよい。なお、この発明の
混合O1/W/O2型エマルション(膜乳化O1/W/
O2型エマルションと膜乳化以外の乳化方法により得ら
れたO1/W/O2型エマルションとを混合したO1/
W/O2型エマルション)における膜乳化O1/W/O
2型エマルションの比率は少なくとも30%の割合であ
り、特に30〜90%の割合が望ましい。
【0016】次に、この発明の方法による二重乳化スプ
レッドの製造例を添付した図面に添って説明する。たと
えば、図1は、この発明の方法を実施するための一例を
示した工程略図である。攪拌機(1)を設置した循環槽
(2)には、所定量の油相(O2)が貯蔵されており、
この油相は、ポンプ(3)によりパイプライン(4)を
経由して微細孔径を有する多孔膜を装着したモジュール
(以下多孔膜モジュールと記載する)(5)の中心部に
移送される。一方、圧力容器(6)には、従来の方法
(例えば、ホモゲナイザ−による方法、多孔膜による方
法等)により調製された所定量の水中油 (O1/W) 型エ
マルション(これらのエマルションの水相に対する油相
の比率は50%以下である。)が貯蔵されており、このO
1/W型エマルションは、バルブ(7)で調節されてパイ
プライン(8)を経由して導入された不活性ガスまたは
圧力ポンプ等で所定の圧力に加圧され、バルブ(9)を
通り、パイプライン(10)を経由して多孔膜モジュー
ル(5)に供給され、多孔膜の微細な孔から油相(O
2)に圧入されO1/W/O2型エマルションが調製さ
れる。このように調製されたO1/W/O2型エマルシ
ョンは、パイプライン(11)を経由して再び循環槽
(2)に戻る。同時に、圧力容器(6´)に貯蔵された
所定量のO1/W型エマルションが、バルブ(7´)で調
節されてパイプライン(8´)を経由して導入された不
活性ガスまたは圧力ポンプ等で所定の圧力に加圧され、
バルブ(9´)を通り、パイプライン(10´)を経由
して循環槽(2)に供給され、ここで膜乳化O1/W/
O2型エマルションの油相(O2)に対し添加され、攪
拌機(1)により攪拌乳化され、混合され、混合O1/
W/O2型エマルションが調製される。
【0017】なお、多孔膜モジュール(5)内における
油相(O2)還流速は0.4 〜5m/ 秒であり、通常0.8 〜
2m/ 秒の範囲から適宜決定される。また、膜乳化におけ
るO1/W型エマルションを圧入する圧力は、使用する水
溶液の種類、特に安定剤、ゲル化剤の種類、含有量、乳
化剤の種類、量、乳化温度等により異なるが、通常0.00
1 〜30.0kg/cm2 であり、また圧入時の温度は、室温か
ら80℃の範囲である。
【0018】このように調製した混合O1/W/O2型
エマルションは、パイプライン(4)、多孔膜モジュー
ル(5)、パイプライン(11)を経由して循環槽
(2)へと連続的に還流し、この間に、多孔膜モジュー
ル(5)内での膜乳化および循環槽(2)内での攪拌乳
化が繰り返される。そして、ほぼ全てのO1/W型エマル
ションが油相(O2)に乳化されるまでこの循環工程は
継続される。乳化終了後、得られた混合O1/W/O2
型エマルションはパイプライン(12)を通って次ぎの
工程に移送される。必要に応じて得られたエマルション
を常法により殺菌または滅菌することもできる。以上に
より安定な混合O1/W/O2型エマルションが得ら
れ、このエマルションを、急冷可塑化および混練装置を
用いて、冷却温度0〜20℃の条件により急冷可塑化し、
混練することにより二重乳化スプレッドを製造する。
【0019】なお、以上の方法における多孔膜による乳
化および攪拌機による乳化の工程の順序はどちらが先で
あっても構わない。また、攪拌乳化および多孔膜による
乳化に供給されるO1/W型エマルションは異なる組成で
あっても、あるいは、同じ組成であってもよく、同じ組
成であれば、同じ貯蔵容器(圧力容器(6))から供給
されてもよい。ただし、攪拌乳化のためにO1/W型エマ
ルションを供給するための装置は、圧力容器(6´)で
ある必要はなく通常の貯水槽からポンプによりO1/W型
エマルションを供給してもよい。
【0020】さらに、この発明の方法では図1に例示し
た工程における攪拌機(1)による攪拌乳化を他の乳化
方法と置き換えることも可能である。たとえば、図2に
別の工程略図を例示したように、各々異なる微細孔径を
有する多孔膜を備えた多孔膜モジュール(5)(5´)
を組み合わせた方法によってもこの発明は実施可能であ
る。ただし、この図2に例示した工程では、複数の多孔
膜モジュールを用いることが必須であることを除き、そ
れらの配置は任意である。つまり、多孔膜モジュール
(5)(5´)を直列二重連結にすることが必須ではな
く、並列にしてもよく、また、循環槽(2)を中心に据
えて、各々独立の多孔膜モジュール(5)(5´)によ
る循環工程を循環槽(2)に対して接続配置することも
可能である。更に、多孔膜による乳化と、攪拌機等によ
る乳化(図2に例示した別の多孔膜による乳化を含む)
は、連続または同時に並行して行う必要はなく、別々に
行ってもよい。具体的には、多孔膜による乳化により膜
乳化O1/W/O2型エマルションを調製し、このエマ
ルションを別の攪拌機等付きの容器に移した後、このエ
マルションの油相(O2)に対しO1/W型エマルション
を添加し攪拌機等による乳化混合を行い、この混合O1
/W/O2型エマルションを、急冷可塑化する方法によ
ってもこの発明は実施可能である。なお、乳化法の順序
を逆にして、攪拌機等による乳化により得られたO1/
W/O2型エマルションの油相(O2)に対し膜乳化を
行ってもよい。また、多孔膜による乳化と攪拌機等によ
る乳化を別個に独立に行い、得られた膜乳化O1/W/
O2型エマルションと攪拌等乳化O1/W/O2型エマ
ルションとを混合し、この混合エマルションを、急冷可
塑化する方法によってもこの発明は実施可能である。
【0021】以上のようにして得られた安定なO1/W
/O2型二重乳化スプレッドは、保存における良好な安
定性および滑らかな食感で良好な風味を有している。次
に、試験例を示してこの発明の二重乳化スプレッドにお
ける安定性、保存性および食感等の特性を詳しく説明す
る。 (試験例1)
【0022】各種乳化方法による乳化固形物の安定性に
関する試験 1)試料の調製 表1および以下に記載した乳化方法、条件および組成に
より7種類の乳化試料を調製し、各乳化試料を急冷可塑
化混練装置(パイロットコンビネ−タ−。西ドイツ、シ
ュレ−ダ−社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練
し、試料番号1〜7の7種類のスプレッド試料を調製し
た。 試料番号1:従来法により最外相油脂(O2)に水中油
(O1/W)型エマルションを加え、攪拌機360rpmで30
分間乳化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプレッ
ド試料 試料番号2:従来法により最外相油脂(O2)に水中油
(O1/W)型エマルションを加え、ホモミキサ−10,0
00rpm で5分間乳化し、急冷可塑化し、混練し、製造し
たスプレッド試料 試料番号3:平均孔径3.0 μm の親水膜を用いて最外相
油脂(O2)に水中油(O1/W)型エマルションを乳
化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプレッド試料 試料番号4:平均孔径5.0 μm の疎水膜を用いて最外相
油脂(O2)に水中油(O1/W)型エマルションを乳
化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプレッド試料 試料番号5:平均孔径3.0 μm の親水膜を用いて全水中
油(O1/W)型エマルションの50%を乳化してO1/
W/O2型エマルションを調製し、これと並行して、残
りの50%の水中油(O1/W)型エマルションを、O1
/W/O2型エマルションの油相(O2)に対し添加
し、攪拌機360rpmで攪拌乳化して、混合し、混合O1/
W/O2型エマルションを調製し、急冷可塑化し、混練
し、製造したスプレッド試料 試料番号6:平均孔径5.0 μm の疎水膜を用いたことを
除いて、試料番号5と同一の方法により製造したスプレ
ッド試料 試料番号7:平均孔径3.0 μm の親水膜を用いて全水中
油(O1/W)型エマルションの50%を乳化してO1/
W/O2型エマルションを調製し、これと並行して、平
均孔径7.0 μm の疎水膜を用いて、残りの50%の水中油
(O1/W)型エマルションを、O1/W/O2型エマ
ルションの油相(O2)に対し乳化して、混合し、混合
O1/W/O2型エマルションを調製し、急冷可塑化
し、混練し、製造したスプレッド試料
【0023】2)試験方法 a)表面状態 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存し、のち7
日間25℃に静置し、その表面状態、水相分離状態を観察
し、次の基準により評価した。 A:スプレッド試料の表面状態が非常に滑らかで水相分
離が全く認められない。 B:スプレッド試料の表面状態が滑らかで水相分離が認
められない。 C:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、時々水滴が
認められる。 D:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、水相の分離
が認められる。
【0024】b)O1/W/O2状態の安定性 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存した後に、
位相差顕微鏡(倍率200倍)により、一定視野範囲
(300μm×300μm)の最外相油脂(O2)中の
水中油(O1/W)型乳化粒子と水(W)型乳化粒子の
数量比率を求めた。水中油(O1/W)型乳化粒子の比
率が高いほどO1/W/O2状態が安定であると評価さ
れる。 X:油脂(O2)中の水中油(O1/W)型乳化粒子の
比率が90%以上でO1/W/O2状態が非常に安定。 Y:油脂(O2)中の水中油(O1/W)型乳化粒子の
比率が70%以上でO1/W/O2状態が安定。 Z:油脂(O2)中の水中油(O1/W)型乳化粒子の
比率が70%未満でO1/W/O2状態が不安定。
【0025】c)官能検査 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存したのち、
その食感について男女各20名からなるパネルで官能検
査を行い、次の基準により評価した。 a:口あたりが非常に滑らか b:口あたりが滑らか c:口あたりが滑らかでない d:口どけが非常によい e:口どけがよい f:口どけが悪い g:トップフレ−バ−及び後味がつよい h:トップフレ−バ−及び後味がよわい d)O1/W/O2エマルションの平均粒子径 位相差顕微鏡(倍率200倍)により、一定視野範囲
(300μm×300μm)の最外相油脂(O2)中の
水中油(O1/W)型乳化粒子を確認し、その直径を測
定することにより、平均粒子径を算出した。 e)保存性 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存したのち、
最長50日間、25℃に静置し、カビが発生するまでに要す
る日数を計測した。
【0026】3)試験結果 この試験の結果は表1に示したとおりである。試料番号
5、6および7の安定性は、試料番号1および2のそれ
よりも顕著に優れていた。また、試料番号5、6および
7の食感は、試料番号1および2のそれよりも顕著に優
れていた。さらに、試料番号5、6および7の安定性
は、試料番号3および4のそれよりも優れていた。ま
た、試料番号5、6および7の食感は、試料番号3およ
び4のそれよりも優れていた。加えて、試料番号5、6
および7の保存性は、試料番号1、2、3、および4の
それよりも顕著に優れていた。従って、この発明の方法
により製造された試料番号5、6および7は、これまで
に認められたことのない、格段に優れた製品であること
が認められた。尚、条件および組成を変更して試験して
もほぼ同様の結果が得られた。
【0027】
【表1】
【0028】(試験例2) 混合O1/W/O2型エマルションに対する膜乳化O1
/W/O2型エマルションの最適割合の範囲を求める試
験 1)試料の調製 各種の親水膜および攪拌機を使用し、表2に記載した乳
化条件および組成により、連続的に還流する油相(O
2)に全O1/W型エマルションの20〜95%を膜乳化す
るとともに、これと並行して残りのO1/W型エマルシ
ョンを添加し、攪拌機360rpmで攪拌乳化して、混合し、
5種類の乳化試料を調製し、各乳化試料を急冷可塑化混
練装置(パイロットコンビネ−タ−。西ドイツ、シュレ
−ダ−社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練し、試
料番号8〜1 2の5種類のスプレッド試料を調製し
た。 2)試験方法 各スプレッド試料について、その安定性に関しては、1
夜5℃に保存し、のち7日間25℃に静置し、その表面状
態、水相分離状態を、試験例1と同一の方法により試験
した。さらに、食感および保存性についても試験例1と
同一の方法により試験した。 3)試験結果 この試験の結果は表2に示したとおりである。試料番号
9、10および11の安定性および食感は、試料番号8およ
び12のそれよりも優れており、また、試料番号9、10お
よび11の保存性は、試料番号8および12のそれよりも顕
著に優れていた。この結果は混合O1/W/O2型エマ
ルション(膜乳化O1/W/O2型エマルションと膜乳
化以外の乳化方法により得られたO1/W/O2型エマ
ルションとを混合したO1/W/O2型エマルション)
に対する望ましい膜乳化O1/W/O2型エマルション
の割合(全O1/W型エマルションに対する膜乳化O1
/W/O2型エマルションの中のO1/W型エマルショ
ンの占める割合)が少なくとも30%の割合であり、特に
30〜90%の割合であることを示している。
【0029】
【表2】
【0030】(試験例3) 最終製品に対する油相の最適割合の範囲を求める試験 1)試料の調製 各種の親水膜および攪拌機を使用し、表3に記載した乳
化条件および組成により、試験例2と同一の方法によ
り、4種類の乳化試料を調製し、各乳化試料を急冷可塑
化混練装置(パイロットコンビネ−タ−。西ドイツ・シ
ュレ−ダ−社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練
し、試料番号13〜16の4種類のスプレッド試料を調
製した。 2)試験方法 各スプレッド試料について、その表面状態、水相分離状
態及び、食感について試験例2と同一の方法により試験
した。 3)試験結果 この試験の結果は第3表に示すとおりであった。試料番
号13、14および15の安定性は、試料番号16のそれよりも
優れており、この結果は最終製品に対する望ましい油相
の割合が25%以上であることを示している。尚、最外相
油相を20%未満とすると良好なスプレッドとならなかっ
た。さらに、最外相油相を20%以上の望ましい濃度とな
し、最内相油相の割合を変動させて試験したが、最外相
油相と最内相油相との合計が25% 以上であれば、安定で
あることが確認された。
【0031】
【表3】
【0032】(試験例4) 水相中の安定剤・ゲル化剤の最適割合の範囲を求める試
験 1)試料の調製 各種の親水膜および攪拌機を使用し、表4に記載した乳
化方法、条件および組成により、試験例2と同一の方法
により、11種類の乳化試料を調製し、各乳化試料を急冷
可塑化混練装置(パイロットコンビネ−タ−。西ドイツ
・シュレ−ダ−社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混
練し、試料番号17〜27の11種類のスプレッド試料を
調製した。 2)試験方法 各スプレッド試料について、その表面状態、水相分離状
態及び、食感について試験例2と同一の方法により試験
した。
【0033】3)試験結果 この試験の結果は表4に示したとおりである。試料番号
17および、試料番号17〜27よりも油相の割合の低い表3
の試料番号14および15の安定性および食感の試験結果
は、水相に安定剤・ゲル化剤を添加しなくとも(すなわ
ち水相中の安定剤・ゲル化剤の濃度が0%であっても)
安定で食感の優れたスプレッドが得られることを示して
いる。試料番号18〜22のスプレッドの安定性および食感
の試験結果は、安定剤・ゲル化剤の種類に影響をうけな
いということを示している。これより、水相中の望まし
い安定剤・ゲル化剤の割合を求める試験にはカゼインナ
トリウム、キサンタンガムを用いた。試料番号23〜25の
食感は、試料番号26〜27のそれよりも優れており、この
結果は水相中の望ましい安定剤・ゲル化剤の割合が15%
以下であることを示している。尚、試料番号24および試
料番号27はカゼインナトリウムおよびキサンタンガムの
比率を同一として添加し試験した。尚、条件を変更して
この発明の方法により調製した試料についても、ほぼ上
記と同様な結果が得られた。
【0034】
【表4】
【0035】次に実施例を示し、この発明を更に詳細か
つ具体的に説明するが、この発明の方法は以下の実施例
に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】
実施例1 市販の大豆油及びパ−ム硬化油(いずれも太陽油脂社
製)各1.6kg を混合し、この混合物に2.0%の割合でポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂本薬品工業
社製)を添加し、均一に混合し、最外相油脂(O2)を
調製した。一方、水中油(O1/W)型エマルションと
して、予め市販の大豆油及びパ−ム油(いずれも太陽油
脂社製)各0.5kg を混合し、この混合物に2.0%の割合で
ソルビタン脂肪酸エステル(花王社製)を添加したもの
と、水8.0kg に食塩およびキサンタンガムををそれぞれ
1.6%および0.2%の割合で添加したものを均一に混合し、
60℃まで加熱後、ホモジナイザ−(マントンゴ−リン社
製)を使用して、乳化圧力500kg/cm2 で処理したO1/
W型エマルション1を調製した。また、別途、予め市販
の大豆油及びパ−ム油(いずれも太陽油脂社製)各0.25
kgを混合し、この混合物に2.0%の割合でソルビタン脂肪
酸エステル(花王社製)を添加したものと、水2.5kg に
食塩、ゼラチンおよびグア−ガムをそれぞれ1.6%、3.0%
および1.0%の割合で添加したものを均一に混合し、60℃
まで加熱後、ホモジナイザ−(マントンゴ−リン社製)
を使用して、乳化圧力170kg/cm2 で処理したO1/W型
エマルション2を調製した。図1に例示した工程によ
り、圧力容器(6)に貯蔵されたO1/W型エマルショ
ン1をパイプライン(10)を経由して孔径7.8 μmの
親水膜(伊勢化学工業社製)を装着した多孔膜モジュ−
ル(5)に供給し、ここで油相(O2)に圧入し、乳化
し、この膜乳化物をパイプライン(11)を経由して循
環槽(2)に戻した。これと同時に並行して、圧力容器
(6´)に貯蔵されたO1/W型エマルション2をパイ
プライン(10´)を経由して循環槽(2)内へ供給
し、ここで油相(O2)に添加し、攪拌機(1)により
攪拌乳化し、上記の膜乳化物とも混合した。そして、こ
れらの混合乳化物を再び多孔膜による乳化の工程に送
り、循環槽(2)に戻して攪拌機により乳化を行なうと
いう循環を、全てのO1/W型エマルションが油相(O
2)に乳化されるまで行い、混合O1/W/O2型エマ
ルション約14.8kgを得た。次に、このエマルションを85
℃で10分加熱殺菌し、急冷可塑化混練装置(パイロット
コンビネ−タ−。ドイツ・シュレ−ダ−社製)を用いて
5℃に急冷可塑化し、混練し、約14.5kgの二重乳化スプ
レッドを得た。この二重乳化スプレッドを試験例1と同
一の方法により試験した結果、極めて安定で水相分離が
無く、口あたりが極めて滑らかであり、口どけが極めて
良好でつよいクリ−ム感があった。
【0037】実施例2 市販の大豆硬化油およびコ−ン油(いずれも太陽油脂社
製)各2.0kg を混合し、この混合物に0.5%の割合でショ
糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)および1.5%の割
合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂本
薬品工業社製)をそれぞれ添加し、均一に混合し、油相
(O2)を調製した。水中油(O1/W)型エマルショ
ンとして、予め市販の大豆油及びコ−ン油(いずれも太
陽油脂社製)各0.5kg を混合し、この混合物に2.0%の割
合でソルビタン脂肪酸エステル(花王社製)を添加した
ものと、水5.0kg に食塩およびキサンタンガムをそれぞ
れ1.5%および0.1%の割合で添加したものを均一に混合
し、60℃まで加熱後、ホモジナイザ−(マントンゴ−リ
ン社製)を使用して、乳化圧力500kg/cm2 で処理したO
1/W型エマルション1を調製した。また、別途、予め
市販の大豆油及びコ−ン油(いずれも太陽油脂社製)各
0.25kgを混合し、この混合物に2.0%の割合でソルビタン
脂肪酸エステル(花王社製)を添加したものと、水5.0k
g に食塩1.5%、カゼインナトリウム3.0%の割合で添加し
たものを均一に混合し、60℃まで加熱後、ホモジナイザ
−(マントンゴ−リン社製)を使用して、乳化圧力500k
g/cm2 で処理したO1/W型エマルション2を調製し
た。図2に例示した工程により、圧力容器(6)に貯蔵
されたO1/W型エマルション1をパイプライン(1
0)を経由して孔径2.2 μmの親水膜(伊勢化学工業社
製)を装着した多孔膜モジュ−ル(5)に送り、ここで
油相(O2)に圧入し、乳化し、膜乳化物を調製した。
次いで、この膜乳化物をパイプライン(11)を経由し
て孔径15.0μm の疎水膜(伊勢化学工業社製)を装着し
た多孔膜モジュ−ル(5´)に送り、ここで圧力容器
(6´)に貯蔵されたO1/W型エマルション2を膜乳
化物の油相(O2)に圧入し、乳化し、この混合乳化物
をパイプライン(11´)を経由して再び循環槽(2)
に戻した。そしてこの混合乳化物を再び二種類の多孔膜
による乳化の工程に送り、循環槽(2)に戻すという循
環を、全てのO1/W型エマルションが油相(O2)に
乳化されるまで行い、混合O1/W/O2型エマルショ
ン約15.3kgを得た。次に、このエマルションを85℃で10
分加熱殺菌し、急冷可塑化混練装置(パイロットコンビ
ネ−タ−。ドイツ・シュレ−ダ−社製)を用いて5℃に
急冷可塑化し、混練し、約15.0kgの二重乳化スプレッド
を得た。この二重乳化スプレッドを試験例1と同一の方
法により試験した結果、極めて安定で水相分離が無く、
口あたりが極めて滑らかであり、口どけが極めて良好で
非常に強いクリ−ム感があった。
【0038】実施例3 市販の大豆硬化油およびコ−ン油(いずれも太陽油脂社
製)各2.0kg を混合し、この混合物に、0.5%の割合でシ
ョ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)、1.5%の割合
でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂本薬
品工業社製)を添加し、均一に混合し、油相(O2)を
調製した。一方、水中油(O1/W)型エマルションと
して、予め市販の大豆油及びコ−ン油(いずれも太陽油
脂社製)各0.5kg を混合し、この混合物に2.0%の割合で
ソルビタン脂肪酸エステル(花王社製)を添加したもの
と、水6.0kg に食塩を1.6%の割合で添加したものを均一
に混合し、60℃まで加熱後、ホモジナイザ−(マントン
ゴ−リン社製)を使用して、乳化圧力500kg/cm2 で処理
したO1/W型エマルションを調製した。圧力容器に貯
蔵したO1/W型エマルションのうちの一部である2.8k
g を孔径2.7 μmの親水膜(伊勢化学工業社製)を通し
て油相(O2)に圧入し、乳化しながら循環槽を介して
還流させた。これと同時に並行して、同じ圧力容器に貯
蔵した残りのO1/W型エマルション4.2kg を循環槽内
で油相(O2)に添加し、攪拌機により攪拌乳化し、上
記の膜乳化物とも混合した。これらの混合乳化物を再び
多孔膜による乳化の工程に送り、循環槽に戻して攪拌機
による乳化を行なうという循環を、全てのO1/W型エ
マルションが油相(O2)に乳化されるまで行い、混合
O1/W/O2型エマルション約10.8kg を得た。次
に、このエマルションを85℃で10分加熱殺菌し、急冷可
塑化混練装置(パイロットコンビネ−タ−。ドイツ・シ
ュレ−ダ−社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練
し、約10.5kg の二重乳化スプレッドを得た。この二重
乳化スプレッドを試験例1と同一の方法により試験した
結果、極めて安定で水相分離が無く、口あたりが極めて
滑らかであり、口どけが極めて良好でつよいクリ−ム感
があった。
【0039】実施例4 市販の大豆油および大豆硬化油(いずれも太陽油脂社
製)各2.0kg を混合し、この混合物に2.0%の割合でポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂本薬品工業
社製)を添加し、均一に混合し、油相(O2)を調製し
た。水中油(O1/W)型エマルションとして、予め市
販の大豆油(太陽油脂社製)1.0kg に2.0%の割合でソル
ビタン脂肪酸エステル(花王社製)を添加したものと、
水3.0kg に食塩、ゼラチンおよびキサンタンガムをそれ
ぞれ1.6%、3.0%および1.0%の割合で添加したものを均一
に混合し、60℃まで加熱後、ホモジナイザ−(マントン
ゴ−リン社製)を使用して、乳化圧力170kg/cm2 で処理
したO1/W型エマルション1を調製した。また、別
途、予め市販の大豆油(太陽油脂社製)0.5kg に2.0%の
割合でソルビタン脂肪酸エステル(花王社製)を添加し
たものと、水3.0kg に食塩およびキサンタンガムをそれ
ぞれ1.6%および0.2%の割合で添加したものを均一に混合
し、60℃まで加熱後、ホモジナイザ−(マントンゴ−リ
ン社製)を使用して、乳化圧力500kg/cm2 で処理したO
1/W型エマルション2を調製した。O1/W型エマル
ション1を攪拌槽内で油相(O2)に対し添加し、攪拌
機により攪拌乳化し、攪拌乳化物を調製した。攪拌乳化
終了後、攪拌乳化物の油相(O2)に対して、孔径3.0
μmの親水膜(伊勢化学工業社製)を装着した多孔膜モ
ジュ−ルによりO1/W型エマルション2を圧入し、乳
化し、混合して、混合乳化O1/W/O2型エマルショ
ン約11.2kg を得た。次に、このエマルションを85℃で
10分加熱殺菌し、急冷可塑化混練装置(パイロットコン
ビネ−タ−。ドイツ・シュレ−ダ−社製)を用いて5℃
に急冷可塑化し、混練し、約10.9kg の二重乳化スプレ
ッドを得た。この二重乳化スプレッドを試験例1と同一
の方法により試験した結果、極めて安定で水相分離が無
く、口あたりが極めて滑らかであり、口どけが極めて良
好でつよいクリ−ム感があった。
【0040】実施例5 市販のコ−ン油および大豆硬化油(いずれも太陽油脂社
製)各3.6kg を混合し、この混合物に、0.5%の割合でシ
ョ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)、1.5%の割合
でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂本薬
品工業社製)を添加し、均一に混合し、油相(O2)1
を調製した。また、市販のパ−ム油(太陽油脂社製)0.
8kg に2.0%の割合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル(坂本薬品工業社製)を添加し、均一に混合
し、油相(O2)2を調製した。一方、水中油(O1/
W)型エマルションとして、予め市販のコ−ン油(太陽
油脂社製)1.0kg に2.0%の割合でソルビタン脂肪酸エス
テル(花王社製)を添加したものと、水10.8kgに食塩お
よびキサンタンガムをそれぞれ1.3%および0.2%の割合で
添加したものを均一に混合し、60℃まで加熱後、ホモジ
ナイザ−(マントンゴ−リン社製)を使用して、乳化圧
力500kg/cm2 で処理したO1/W型エマルション1を調
製した。また、別途、予め市販のコ−ン油(太陽油脂社
製)0.5kg に2.0%の割合でソルビタン脂肪酸エステル
(花王社製)を添加したものと、水1.2kgに食塩、ゼラ
チンおよびグア−ガムをそれぞれ1.6%、3.0%および1.0%
の割合で添加したものを均一に混合し、60℃まで加熱
後、ホモジナイザ−(マントンゴ−リン社製)を使用し
て、乳化圧力170kg/cm2 で処理したO1/W型エマルシ
ョン2を調製した。油相(O2)1に対して、孔径3.0
μmの疎水膜(伊勢化学工業社製)を装着した多孔膜モ
ジュ−ルによりO1/W型エマルション1を圧入し、乳
化し、膜乳化物を調製した。別途、O1/W型エマルシ
ョン2を攪拌槽内で油相(O2)2に対し添加し、攪拌
機により攪拌乳化し、攪拌乳化物を調製した。それぞれ
の乳化の終了後、膜乳化物と攪拌乳化物を混合して、混
合O1/W/O2型エマルション約21.2kgを得た。次
に、このエマルションを85℃で10分加熱殺菌し、急冷可
塑化混練装置(パイロットコンビネ−タ−。ドイツ・シ
ュレ−ダ−社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練
し、約20.9kgの二重乳化スプレッドを得た。
【0041】この二重乳化スプレッドを試験例1と同一
の方法により試験した結果、極めて安定で水相分離が無
く、口あたりが極めて滑らかであり、口どけが極めて良
好で非常に強いクリ−ム感があった。
【0042】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、以下の効果が奏される。 (1)低脂肪領域(最終製品に対する全油相の割合が20
〜50%(重量))の二重乳化スプレッドにおいて、製品
の販売流通および保存条件等を考慮した場合に、従来の
方法および先願発明の方法では認められない程風味良好
で極めて安定性および保存性の向上した二重乳化スプレ
ッドが得られる。 (2)風味のより一層向上したスプレッドが得られる。 (3)この発明の方法においては、安定剤、ゲル化剤等
の粘性物質および多孔膜に吸着しやすい汚染性の物質の
多孔膜に対する影響を、水中油(O1/W)型エマルシ
ョンを油相(O2)に直接添加するかまたは微細孔径の
比較的大きな多孔膜を微細孔径の小さな多孔膜に組み合
わせることにより排除し、膜乳化時間および膜の洗浄再
生時間を先願発明の1/2 〜1/3 に短縮できることから、
生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するための一例を示す工程略図
である。
【図2】この発明を実施するための別の例を示す工程略
図である。
【符号の説明】
1 攪拌機 2 循環槽 3 ポンプ 4 パイプライン 5,5´ 多孔膜モジュール 6,6´ 圧力容器 7,7´ バルブ 8,8´ パイプライン 9,9´ バルブ 10,10´ パイプライン 11,11´ パイプライン 12 パイプライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 清孝 神奈川県座間市東原5−1−15−506 さ がみ野さくら (72)発明者 藤本 雅久 神奈川県座間市東原5−1−15−105 さ がみ野さくら

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細孔径を有する多孔膜を通して圧入し
    た水中油型エマルシンと、これとは異なる粒子径の水中
    油型エマルションとを油相中に有してなる混合油中水中
    油型エマルションを調製し、この混合油中水中油型エマ
    ルションを急冷可塑化することを特徴とする二重乳化ス
    プレッドの製造法。
  2. 【請求項2】 微細孔径を有する多孔膜を通して水中油
    型エマルションを油相に圧入して調製した油中水中油型
    エマルションの最外相油脂中に水中油型エマルションを
    添加し、これらを乳化して混合油中水中油型エマルショ
    ンを調製する請求項1の二重乳化スプレッドの製造法。
  3. 【請求項3】 油相に水中油型エマルションを添加し、
    これらを乳化して調製した油中水中油型エマルションの
    最外相油脂中に、微細孔径を有する多孔膜を通して水中
    油型エマルションを圧入して混合油中水中油型エマルシ
    ョンを調製する請求項1の二重乳化スプレッドの製造
    法。
  4. 【請求項4】 微細孔径を有する多孔膜を通して水中油
    型エマルションを油相に圧入して調製した油中水中油型
    エマルションの最外相油脂中に、別の微細孔径を有する
    多孔膜を通して水中油型エマルションを圧入して混合油
    中水中油型エマルションを調製する請求項1の二重乳化
    スプレッドの製造法。
  5. 【請求項5】 微細孔径を有する多孔膜を通して水中油
    型エマルションを油相に圧入して調製した油中水中油型
    エマルションと、別途調製した油中水中油型エマルショ
    ンとを混合して混合油中水中油型エマルションを調製す
    る請求項1の二重乳化スプレッドの製造法。
  6. 【請求項6】 連続的に還流する油相に、水中油型エマ
    ルションを添加して乳化するとともに、微細孔径を有す
    る多孔膜を通して水中油型エマルションを圧入して混合
    油中水中油型エマルションを調製する請求項1の二重乳
    化スプレッドの製造法。
  7. 【請求項7】 油相に添加した水中油型エマルション
    を、攪拌機により攪拌乳化する請求項2、3、5および
    6の二重乳化スプレッドの製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの方法により製
    造してなる二重乳化スプレッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001080659A3 (en) * 2000-04-20 2002-03-21 Univ Guelph Process for preparing high liquid oil margarine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001080659A3 (en) * 2000-04-20 2002-03-21 Univ Guelph Process for preparing high liquid oil margarine

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