JP2004000924A - W/o/w型複合エマルション - Google Patents

W/o/w型複合エマルション Download PDF

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智明 吉野
Toru Nagahama
徹 長濱
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Abstract

【課題】加熱安定性及び経時的な分散安定性にすぐれた医薬品、医薬部外品、食品等に幅広く適用可能なW/O/W型複合エマルションを得ることを目的とする。
【解決手段】W/O/W型複合エマルションの外水相に、ケン化度が85〜90mol%であるポリビニルアルコールを配合することにより、熱に対して非常に安定であり、経時的にも安定であるW/O/W型複合エマルションが得られる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、医薬部外品、食品等に応用できるW/O/W型複合エマルションに関する。
【0002】
【従来の技術】
内服用の液剤は、苦味や不快味を有する薬物を配合しようとする場合、その薬剤の風味を直接感じるため、服用性が著しく低下してしまう。また、水溶液中では、薬物同士が相互に作用しやすいため、反応性の高い薬物の同時配合は、安定性、安全性の面から難しく、さらに服用性の著しい低下をきたすこともあるので、液剤の応用範囲を狭めていた。
【0003】
しかしながら、W/O/W型複合エマルションは、同一水性相に含有させることが好ましくないか不可能である2種以上の成分(配合禁忌成分)を同一の液剤に含有させる際有用である。加えて内服用の液剤の場合、苦味や不快味を有する水溶性薬物を内水相に封入することにより、服用可能な製剤にすることができる。
【0004】
ところが、一般的にW/O/W型複合エマルションは安定性が悪い。W/O/W型複合エマルションの外水相に水溶性高分子を配合し安定性を向上させる技術が開示されている(特許文献1)。しかし、ここで具体的に開示されている技術は安定性が保持されやすい粘性の高いクリーム剤で、粘性の低い液剤には応用できない。また、液剤等の粘性の低い剤形では油滴の分散(乳化)安定性が悪いため、油滴の浮上や凝集が起きやすく、従来の技術ではW/O/W型複合エマルションを使用することができない。さらに内服液剤は、製造される工程で加熱滅菌されるため、この加熱による乳化状態の悪化が問題となる。
【0005】
また、一般にエマルションの粒子径が小さくなるほど、水溶液中での分散安定性は高くなると言われており、このW/O/W型複合エマルションを液剤として使用する場合にも、エマルションの分散安定性を確保するためには含有される油滴の直径はできるだけ小さいものである必要がある。しかし、W/O/W型複合エマルションの一般的な性質として、エマルションの粒子径が小さいほど液剤中でのエマルションの分散安定性は高くなるが、粒子径を小さくすると内水相へ封入した薬物の封入率が低下する。
【0006】
これまで、W/O/W型複合エマルションに関する技術として、油相と非イオン性界面活性剤とを溶解させ、多価アルコールを添加し転相乳化することにより、粒子径の小さいエマルションを得る方法(特許文献2〜4)や特定の乳化剤を用いる方法(特許文献5)が知られている。しかし、これらの方法では、外水相中の親水性乳化剤の濃度が比較的高くなり、飲用とする場合、味に与える影響などが問題となっていた。さらに、外水相中の親水性乳化剤の濃度が高い場合、内水相に薬物を封入したW/O/W型複合エマルションからの薬物の漏出の促進が問題となっていた。
【0007】
したがって、低粘度で液剤として用いることができ、加熱安定性や分散安定性に優れたW/O/W型複合エマルションについては知られていなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭59−80326号公報
【特許文献2】
特開昭62−250941号公報
【特許文献3】
特公昭63−61050号公報
【特許文献4】
特公昭63−61050号公報
【特許文献5】
国際公開第97/44124号パンフレット
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱安定性及び経時的な分散安定性にすぐれた医薬品、医薬部外品、食品等に幅広く適用可能なW/O/W型複合エマルションを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため種々検討した結果、W/O/W型複合エマルションの外水相に、ポリビニルアルコールを配合することにより、熱に対して非常に安定であり、経時的にも安定であるW/O/W型複合エマルションが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
つまり、本発明は(1)外水相にポリビニルアルコールを含有し、当該ポリビニルアルコールのケン化度が85〜90mol%であることを特徴とするW/O/W型複合エマルション、(2)平均粒子径が0.05μm〜2μmである(1)記載のW/O/W型複合エマルション、(3)平均粒子径が0.1μm〜1μmである(1)記載のW/O/W型複合エマルション、(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のW/O/W型複合エマルションを含有する液剤を提供する。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明で用いるポリビニルアルコールは、広く医薬品や化粧品に使用され、安定化剤、可溶化剤及び結合剤等として用いられている。このポリビニルアルコールは、通常市販されているものを用いることができる。
【0014】
ポリビニルアルコールのケン化度は、85〜90(mol%)であるものが好ましい。ケン化度が85〜90(mol%)の範囲にあるポリビニルアルコールを外水相に含むW/O/W型複合エマルションは、加熱安定性や経時的な分散安定性が著しく向上する。ポリビニルアルコールの平均重合度は、発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、好ましくは重合度が300〜4100のものを使用する。ポリビニルアルコールの含有量は、発明の効果を損なわない限り限定されないが、通常0.05〜10質量%配合することができる。好ましくは、0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。ポリビニルアルコールの含有量が0.05質量%よりも少ないとW/O/W型エマルションの安定性が悪くなり、10質量%よりも多いと粘度が上がり液剤としての取り扱いが困難となるためである。
【0015】
油相として用いられる油は特に制限されず、エマルション製造用に従来から用いられている天然または合成の油を用いることができる。例えば動植物油、硬化動食物油、分別動食物油等の油性成分を適宜用いることができる。これらの油性成分は、目的とするエマルションに望まれる特性により、硬化あるいは分別して用いることができ、また2種以上の成分を配合して用いることもできる。また、本発明では油相に油溶性の薬剤を配合することもできる。これにより油溶性薬剤と水溶性薬剤を同時に摂取することができる製剤とすることができる。
本発明において、親油性乳化剤として用いるポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルとしては、各種の不飽和脂肪酸が適宜広範に使用することができるが、好適には炭素数16〜22の不飽和脂肪酸が使用される。具体例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。さらに、不飽和脂肪酸の中でもヒドロキシ不飽和脂肪酸が好ましく、例えばポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが挙げられる。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとしては、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ペンタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイン酸エステルなどがあるが、これらのいずれも用いることができ、これらは単独で、または2種以上を併用することもできる。
【0016】
これらの親油性乳化剤の添加量は、十分な乳化効果が得られる限り特に制限されないが、通常エマルション全体に対し0.01〜45重量%程度である。
また、外水相に添加する乳化剤についても、公知の親水性乳化剤を使用することができる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、レシチン、高分子乳化剤等が挙げられる。特に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
【0017】
これらの親水性乳化剤のHLB(Hydrophlic Lipophilic Balance)は8.0以上であることが好ましく、10.0以上であることがより好ましい。これらの親水性乳化剤は、所望の乳化特性に応じて単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0018】
これらの親水性乳化剤の添加量についても、十分な乳化効果が得られる限り特に制限されないが、通常エマルション全体に対し0.2重量%以下であることが好ましい。親水性乳化剤の量が多すぎると、内水相の薬物が外水相に流出し本発明の効果を損なってしまうためである。
【0019】
得られたW/O/W型複合エマルションの平均粒子径は、通常0.05μm〜2.0μmである。好ましくは0.1μm〜1.0μmである。平均粒子径が0.05μm以下であると薬物の封入率が悪くなり、2.0μm以上であると、分散安定性が悪くなるからである。ここで平均粒子径とは、W/O/W型複合エマルションにおける油滴径であり、それをメジアン径であらわしたものである。
【0020】
本発明のW/O/W型複合エマルションにおける内水相には、水溶性成分であれば種類や量を問わずに配合することができる。例えば、鉄などの服用性の悪い成分やビタミン等のような他の成分により不安定化される成分等である。また、必要があれば外水相に本発明の効果を損なわない程度に、他の有効成分、防腐剤、pH調整剤、矯味剤、香料などを配合できる。
【0021】
本発明のW/O/W型複合エマルションの用途は特に限定されないが、医薬品、医薬部外品、食品等の用途に好ましく使用できる。例えば、ドリンク剤や飲料などの内服用として、若しくは皮膚等に塗布する外用として使用することができる。
【0022】
本発明のW/O/W型複合エマルションは以下の様に製造することができる。最初に、油性成分と親油性乳化剤等の油相を容器に入れ、これを例えば真空乳化機のような攪拌機にセットし、攪拌しながら50〜90℃程度で加熱溶解させ均一にする。次に封入対象物質及び任意の添加物を含む所定量の水相を徐々に添加し、液温を50〜90℃程度で一定に維持しながら攪拌乳化し、その後、20〜40℃まで冷却しながら一定時間攪拌し、W/O型エマルションを調製する。このW/O型エマルションは、0.01〜0.5μm程度の平均水相粒子径を有するように製造されていることが望ましい。さらにこのW/O型エマルションを所定量のポリビニルアルコール及び任意の添加物を含有する外水相に分散させることにより、W/O/W型複合エマルションを製造することができる。このW/O/W型複合エマルションの製造方法としては、慣用されている方法を適宜用いることができる。例えば、高圧ホモジナイザー法、高速攪拌法、超音波乳化法、膜乳化法などが挙げられる。また、このW/O/W型複合エマルションを調製する際には、必要に応じて熱を加えることができる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
Figure 2004000924
b、cを70〜80℃に加温し、混合溶解した後、攪拌しながらaを徐々に添加し、液温を70〜80℃程度で一定に維持しながら攪拌乳化し、その後、20〜40℃まで冷却しながら一定時間攪拌し、W/O型エマルションを得た。
【0025】
このとき、動的光散乱式粒度分布測定装置により、このW/O型エマルション平均粒子径を測定した結果、113.8nmであった。
【0026】
[W/O/W型複合エマルションの調製]
2.0重量%ポリビニルアルコール(ケン化度86−90mol%)、20重量%砂糖を含む水溶液190gに、ホモジナイザーで攪拌しながら製造例1で得られたW/O型エマルション10gを添加し、粒子径の比較的大きいW/O/W型複合エマルションを得た。その後、多孔質膜を通過させることにより、平均粒子径が0.593μmの微細なW/O/W型複合エマルションを得た。このときのW/O/W型複合エマルションの平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定を行った。
【0027】
実施例1〜3
[W/O/W型複合エマルションの調製]
製造例1で調製したW/O型エマルションを用い、製造例1と同様の方法で表1に示した各組成となるようにW/O/W型複合エマルションを調製した(pH5.0)。なお、ここで用いたPVAのケン化度は86−90mol%である。
得られたW/O/W型複合エマルションについて、加熱(80℃25分)前後の安定性をW/O/W型複合エマルションの平均粒子径及び目視による乳化安定性、薬物封入率により評価を実施した。
【0028】
<W/O/W型複合エマルションの平均粒子径測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定した。
【0029】
<乳化安定性の評価>
下記の5段階の評価基準で評価を実施した。
A:変化なし
B:わずかな変化が認められた
C:クリーミングが起こったが、振ると再分散した
D:クリーミングが起こり、振っても再分散しなかった
E:油と水が分離し、エマルションの破壊が認められた
<薬物封入率の測定>
封入対象物質のW/O/W型複合エマルション中への封入率は次式により算出した。
封入率(%)=(Wi−Wo×A)/Wi×100
Wi:W/O/W型複合エマルション中の封入対象物質量
Wo:外水相中の封入対象物質量
A:外水相重量/W/O/W型複合エマルション重量
W/O/W型複合エマルション中の封入対象物質量はエマルションについて湿式灰化法等の前処理操作を行い、また外水相に含まれる封入対象物質量は複合エマルションを遠心分離によりエマルション粒子と外水相を分離する操作を行った後に、原子吸光法により測定した。
【0030】
比較例1〜9
[W/O/W型複合エマルションの調製]
製造例1で調製したW/O型エマルションを用い、表1に示した各組成となるようにW/O/W型複合エマルションを調製した(pH5.0)。
得られたW/O/W型複合エマルションについて、加熱(80℃25分)前後の安定性をW/O/W型複合エマルションの平均粒子径及び目視による乳化安定性、薬物封入率により評価を実施した。
【0031】
<W/O/W型複合エマルションの平均粒子径測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定した。
【0032】
<乳化安定性の評価>
上述に示した5段階の評価基準で評価を実施した。
【0033】
<薬物封入率の測定>
上述に示した方法により算出した。
なお、表1においてFACはクエン酸鉄アンモニウム、PGCRはポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、PVPはポリビニルピロリドン、HPCはヒドロキシプロピルセルロースを示す。
【0034】
【表1】
Figure 2004000924
【0035】
この実験結果より、W/O/W型複合エマルションの外水相にPVAを配合した場合のみ分散安定性及び薬物封入率の良好なW/O/W型複合エマルションが得られた(実施例1〜3)。一方,外水相にPVA以外の高分子を配合した場合には、顕著な乳化安定性の悪化が見られ、分散安定性の良いW/O/W型複合エマルションは得られなった(比較例1〜9)。ここで比較検討したPVP、HPC、キサンタンガムは水溶性高分子として液剤の粘度を上げエマルションの安定性に関与するものであるが、今回の実験においてPVA以外に安定性に寄与するものではなかった。なお、分散安定性が著しく悪化したものは、W/O/W型エマルションが破壊されたものであるため粒子径の測定が不能であった。
【0036】
実施例4〜9及び比較例10
[W/O/W型複合エマルションの調製]
製造例1で調製したW/O型エマルションを用い、製造例1と同様の方法で表2に示した各組成となるようにW/O/W型複合エマルションを調製した(pH5.0)。なお、表2においてDGMMはデカグリセリンモノミリスチン酸エステルを示す。
得られたW/O/W型複合エマルションについて、加熱(80℃25分)前後及び40℃1ヶ月の安定性をW/O/W型複合エマルションの平均粒子径及び目視による乳化安定性により評価を実施した。
【0037】
<W/O/W型複合エマルションの平均粒子径測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定した。
【0038】
<乳化安定性の評価>
上述に示した5段階の評価基準で評価を実施した。
【0039】
【表2】
Figure 2004000924
【0040】
このように、W/O/W型複合エマルションの外水相がポリビニルアルコールが配合されておらず親水性乳化剤のみ配合されている場合、加熱後及び40℃1ヶ月の経変後に粒子径の増大、40℃1ヶ月の経変後に乳化安定性の悪化が見られ、分散安定性の良いW/O/W型複合エマルションは得られなった(比較例10)。しかし、驚くべきことに、W/O/W型複合エマルションの外水相にPVAを配合した場合には、分散安定性の良好なW/O/W型複合エマルションを得られた(実施例4〜7)。これにより、PVAを配合することにより、長期に安定なW/O/W型複合エマルションを得ることができることが判明した。
【0041】
実施例8
[W/O/W型複合エマルションの調製]
製造例1で調製したW/O型エマルションを用い、表3に示した組成となるようにW/O/W型複合エマルションを調製した(pH5.0)。
【0042】
実施例8のW/O/W型複合エマルションを用いて、プレート滅菌(110℃30秒2回)による安定性に与える影響を確認した結果、表3に示したように、本発明により分散安定性の確保が図れることが証明された。
【0043】
【表3】
Figure 2004000924
【0044】
実施例9〜12および比較例11〜13
製造例1で調製したW/O型エマルションを用い、表5に示した組成となるようにW/O/W型複合エマルションを調製した(pH5.0)。また、ポリビニルアルコールのケン化度については、表4に示した。
【0045】
【表4】
Figure 2004000924
【0046】
【表5】
Figure 2004000924
【0047】
この結果から、40℃3ヶ月という長期安定性試験においてケン化度が85〜90mol%の範囲以内にあるポリビニルアルコールのみを用いているものが、著しく安定性が向上した。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のW/O/W型複合エマルションは、その外水相に、高分子であるポリビニルアルコールを配合することにより、加熱安定性の良好であり、しかも長期に安定なW/O/W型複合エマルションが得られる。特に、液剤に有用である。これにより、保存のための加熱滅菌処理を経た製造においても、加熱安定性に優れた医薬、食品等に幅広く適用可能なW/O/W型複合エマルションからなる液剤を提供することができる。
【0049】
また、W/O型エマルション中の水に苦味や不快味を有する薬物、他の成分によって不安定化されやすい薬物を配合し、W/O/W型複合エマルションを製造し、液剤とすることにより、内服用の場合には、服用性の著しく改善された内服液剤を提供が可能となり、それ以外の用途においても、内水相と外水相を隔離することができるので従来、同時配合が困難であった配合禁忌を生じる成分を同時配合することも可能となり、不安定な薬物を安定に配合できるため、有効期間の長い液剤を提供することができるようになった。

Claims (4)

  1. 外水相にポリビニルアルコールを含有し、当該ポリビニルアルコールのケン化度が85〜90mol%であることを特徴とするW/O/W型複合エマルション。
  2. 平均粒子径が0.05μm〜2μmである請求項1記載のW/O/W型複合エマルション。
  3. 平均粒子径が0.1μm〜1μmである請求項1記載のW/O/W型複合エマルション。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のW/O/W型複合エマルションを含有する液剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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