JP2769894B2 - カラー現像剤 - Google Patents

カラー現像剤

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JP2769894B2 JP1343252A JP34325289A JP2769894B2 JP 2769894 B2 JP2769894 B2 JP 2769894B2 JP 1343252 A JP1343252 A JP 1343252A JP 34325289 A JP34325289 A JP 34325289A JP 2769894 B2 JP2769894 B2 JP 2769894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真用カラー現像剤に関し、詳しくはフ
ルカラー複写電子写真法に有用な電子写真用カラー現像
剤に関する。
[従来の技術] 従来、二成分系現像剤を用い電子複写装置で多数枚連
続複写を行うと、初期には鮮明で良好な画質を持った画
像が得られるが、数万枚複写後はカブリの多いエッジ効
果が著しく、階調性及び鮮明性に乏しい画像となる問題
が有った。
有彩色トナーを用いるカラー複写において多数枚複写
後に画像の周辺部のみが強調されるエッジ効果が生じる
と、実際の輪郭の近傍に擬似輪郭を形成するなど、色再
現性を含めた、複写再現性を貶めるものとなる。又、従
来の白黒コピーは画像として手紙,文献,報告書など、
ほとんどライン画像部分であり、画像面積が10%以下で
あるのに対して、カラー複写の場合、写真,カタログ,
地図,絵画など階調性を有するベタ画像がかなりの頻度
または領域を占め、画像面積が最低でも20%以上であ
る。
このような、画像面積が大きい原稿を用いて連続複写
を行うと、通常、初期は高画像濃度の複写物が得られる
が、しだいに二成分系現像剤へのトナー補給が間に合わ
なくなり、濃度低下が生じたり、帯電不十分の状態で補
給トナーとキャリアとの混合がなされ、カブリの原因と
なったり、現像スリーブ上で部分的なトナー濃度(トナ
ーとキャリアの混合比を示す。)の増減が生じ画像のカ
スレや画像内濃度の一様性が得られなくなる傾向があ
る。又、近年、カラー電子写真複写機等画像形成装置が
広く普及するに伴い、その用途も多種多様となり、その
画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写
真,カタログ,地図の如き画像の複写では、微細な部分
に至るまで極めて微細且つ忠実に再現することが求めら
れている。
又、最近の、カラー電子写真複写機の如きデジタル画
像信号による画像形成装置では、潜像は一定電位のドッ
トが集まって形成されており、ベタ部,ハーフトーン部
及びライト部はドット密度をかえることによって表現さ
れている。ところが、ドットに忠実にトナー粒子がのら
ず、トナー画像の階調性が得られないという問題点があ
る。更に、ドットサイズを小さくして解像度を向上させ
る場合には、更に再現性が悪く、解像度及び特にハイラ
イト部の階調性の悪い、シャープネスさに欠けた画像と
なる傾向がある。
又、初期においては良好な画質であるが、コピーまた
はプリントアウトを続けるうちに、現像され易いトナー
粒子のみが先に消費され、現像機中に、現像性の劣った
トナー粒子が蓄積し残留することによって画質が低下す
ることもある。
これまでに、画質を向上させるために、いくつかの現
像剤が提案されている。例えば、特開昭51−3244号公報
では、粒度分布を規制して、画質の向上を意図した非磁
性トナー、又、特開昭54−72054号公報では、更にシャ
ープな分布を有する非磁性トナー、特開昭58−129437号
公報では、平均粒径が6〜10μmであり、最多粒子が5
〜8μである非磁性トナーをそれぞれ開示している。
本発明者らの検討によれば、5μm以下のトナー粒子
が、潜像の微小ドットを明確に再現し、且つ潜像全体へ
の緻密なトナーののりの主要なる機能をもつこと、及び
5μ以下の粒子量がハイライト部階調性の問題点の解決
に有効であることが判明した。
しかしながら、トナー粒径を5μm以下にするとトナ
ー自身の凝集性が高まり、キャリアとの混合性の低下、
或は、トナーの流動性の低下という問題が生じ、トナー
を球形にすることにより流動性は解決されるものの、従
来ある懸濁重合法による球形トナーを使用したのでは、
高画像濃度は維持されるが、表面光沢の乏しい画像とな
り、特にベタ画像の占める割合の大きいカラー複写にお
いては品位に欠ける画像となってしまう。
一方、キャリアについても、従来使用されているキャ
リアでは高画質濃度を維持し続けることは困難である。
これまでにも、キャリアの平均粒径や粒度分布を示唆し
たものとして、特開昭51−3238号公報、特開昭58−1448
39号公報、特開昭61−204646号公報がある。特開昭51−
3238号公報は大まかな粒度分布を、特開昭58−144839号
公報は単に平均粒径のみを、特開昭61−204646号公報は
複写装置と適当な現像剤の組合せを、特開昭49−70630
号公報は、キャリアの磁気力に関して、又、特開昭58−
23032号公報には多孔性のフェライトキャリアについ
て、それぞれ開示しているが、カラー現像剤用キャリア
としては何れも満足されるものではない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の問題点を解決した、即ち、 大画像面積のカラー原稿の連続複写を行っても画像濃
度の低下及びカスレの生じない、 繰り返し複写による耐久後でもエッジ効果が抑制され
たカラー複写物が得られる、 トナーとキャリア間の摩擦帯電のすみやかな立ち上が
りの得られる、 摩擦帯電の環境依存性の少ない、 現像器内での搬送性が良好で、トナー凝集・融着の発
生しない、 カラー現像剤を目的とするものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は、磁性粒子と結着樹脂及び負荷電制御剤
を含有する負帯電性絶縁性カラートナーとを有する二成
分系のカラー現像剤であって、 該結着樹脂はポリエステル樹脂を主成分としており、
該ポリエステル樹脂はアルコール成分としてビスフェノ
ール誘導体もしくは置換体を有しており、 該負帯電性絶縁性トナーのトナー粒子が実質的に球形
で、体積平均径が6〜10μmであり、5μm以下の粒径
を有するトナー粒子が15〜40個数%存在し、且つ、該負
帯電性絶縁性トナーの溶融粘度が100℃において104〜5
×106ポイズ、90℃において5×104〜5×106ポイズの
範囲にあり、 該磁性粒子は重量平均径が20〜60μmであり、350メ
ッシュ以下の微粉量が40重量%以下であり、400メッシ
ュ以下の微粉量が20重量%以下であり、500メッシュ以
下の微粉量が1〜8重量%であり、3000エルステッドの
印加磁場に対する飽和磁化が55〜75emu/gであり、かつ
残留磁化が10emu/g以下であり、保磁力が10e以下で
あることを特徴とするカラー現像剤である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトナー粒子は実質的に球形で、特性の粒度分
布を有することにより、感光体上に形成された潜像を忠
実に再現することが可能であり、網点及びデジタルのよ
うな微小なドットの潜像の再現にも優れ、特にハイライ
ト部の階調性及び解像性に優れた画像を与える。更に、
コピー又はプリントアウトを続けた場合でも高画質を保
持し、且つ、高濃度の画像の場合でも、従来の非磁性ト
ナーより少ないトナー消費量で良好な現像を行うことが
可能であり、経済性及び、複写機又はプリンター本体の
小型化にも利点を有するものである。
本発明のカラー現像剤において、このような効果が得
られる理由は、必ずしも明確でないが、以下のように推
定される。
すなわち、本発明のカラー現像剤中のトナーにおいて
は、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が15〜40個数
%であることが一つの特徴である。従来、カラートナー
においては5μm以下のトナー粒子は、帯電量コントロ
ールが困難であったり、トナーの流動性を損ない、又、
トナー飛散して機械を汚す原因として、更に、画像のカ
ブリを生ずる原因として、積極的に減少することが必要
であると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm程
度のトナー粒子が高品質な画質を形成するための必須の
成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤を用いて、
感光体上の表面電位を変化し、多数のトナー粒子が現像
され易い大きな現像電位コントラストから、ハーフトー
ンへ、更に、ごくわずかのトナー粒子しか現像されない
小さな微小ドットの潜像まで、感光体上の潜像電位を変
化させた潜像を現像し、感光体上の現像されたトナー粒
子を集め、トナー粒度分布を測定したところ、8μm以
下のトナー粒子が多く、特に5μm程度のトナー粒子が
微小ドットの潜像上に多いことが判明した。即ち、5μ
m程度の粒径のトナー粒子が感光体の潜像の現像に円滑
に供給される場合に潜像に忠実であり、潜像からはみ出
すことなく、真に再現性の優れた画像が得られるもので
ある。
又、本発明において、カラートナーの形状は実質的に
球状である。
5μm以下の粒径のトナー粒子は、確かに微小ドット
の潜像を忠実に再現する能力を有するが、それ自身かな
り凝集性が高く、トナーとしての流動性が損なわれるこ
とがあるからである。
本発明者らは、流動性の改善を目的として、無機酸化
物を添加することによって、流動性の向上を図ったが、
無機酸化物を添加する手段だけでは画像濃度、トナー飛
散、カブリ等全ての項目を満足させる条件が非常に狭
く、トナー形状として実質的に球形をしたトナーを用い
ることにより、流動性が大巾に向上し、高画質化が達成
できることを知見した。
本発明においては、5μm以下の粒径のカラートナー
粒子は全粒子数の15〜40個数%であり、好ましくは20〜
35個数%が良い。粒径5μm以下のトナー粒子が15個数
%未満であると、高画質に有効なトナー粒子が少なく、
特にコピー又はプリントアウトを続けることによってト
ナーが消費されるに従い、有効なカラートナー粒子成分
が減少して、トナーの粒度分布のバランスが悪化して画
質が次第に低下してくる。
また、40個数%を超えると、非磁性トナー粒子相互の
凝集状態が生じ易く、本来の粒径以上のトナー塊となる
ため、荒れた画質となり、解像性を低下、又は潜像のエ
ッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中ぬけ気味の画
像となり易い。
また、12.7〜16.0μmの範囲の粒子が5.0体積%以下
であることが望ましく、好ましくは3.0体積%以下が良
い。これは、12.7〜16.0μmの範囲の粒子が5.0体積%
より多いと、画質が悪化すると共に、必要以上の現像、
すなわち、トナーののりすぎが起こり、トナー消費量の
増大を招く。
更に、16μm以上のトナー粒子においては1.0体積%
以下、好ましくは0.6体積%以下であることが望まし
い。16μm以上のトナー粒子が1.0体積%より多いと、
細線再現における妨げになるばかりでなく、転写におい
て、感光体上に現像されたトナー粒子の薄層面に16μm
以上の粗めのトナー粒子が突出して存在することで、ト
ナー層を介した感光体と転写紙間の微妙な密着状態を不
規則なものとして、転写条件の変動をひきおこし、転写
不良画像を発生する要因となる。又本発明においてカラ
ートナーの体積平均径は6〜10μmであり、体積平均粒
径6μm未満では、グラフィック画像などの画像面積比
率の高い用途では、転写紙上のトナーののり量が少な
く、画像濃度の低いという問題点が生じ易い。これは、
先に述べた潜像におけるエッジ部に対して、内部の濃度
が下がる理由と同じ原因によると考えられる。体積平均
粒径が10μmを超えると解像度が良好でなく、また複写
の初めは良くとも使用を続けていると画質低下を発生し
易い。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
即ち、測定装置としてはコールターカウンターTA−II
型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出
力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソ
ナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤と
して界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン
酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型によ
り、アパチャーとして100μアパチャーを用いて、個数
を基準として2〜40μの粒子の粒度分布を測定して、そ
れから本発明に係るところの値を求めた。
本発明においては、前述の粒度分布を有する着色剤含
有樹脂粒子に対して、該磁性粒子との摩擦帯電量の絶対
値が50μc/g以下で、BET法による比表面積が80〜300m2/
gの負帯電性疎水性無機酸化物を該樹脂粒子に対し、0.2
〜1.5重量%添加しても良い。本発明に用いる疎水性無
機酸化物としては、80m2/g以上の比表面積を有し、磁性
粒子との摩擦帯電量の絶対値が50μc/g以上の負帯電性
無機酸化物であれば何ら構わないが、好ましい例とし
て、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された
シリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用い
ることがより好ましい。該処理シリカ微粉体において、
メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜
80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したもの
が特に好ましい。
疎水化方法としてはシリカ微粉体と反応、或は物理吸
着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理することに
よって付与される。
好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気
相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合
物で処理する。
その様な有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチルジシ
ラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、
トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラ
ン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチル
クロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α
−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチルト
リクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、
トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメ
ルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラ
メチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジ
シロキサン及び1分子当り2から12個のシロキサン単位
を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合
した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等があ
る。これらは1種或は2種以上の混合物で用いられる。
その処理シリカ微粉体の粒径としては0.003〜0.1μの
範囲のものを使用することが好ましい。市販品として
は、タラノックス−500(タルコ社)、アエロジル(AER
OSIL)R−972(日本アエロジル社)などがある。
更に本発明においては前述のカラートナーを使用する
ために、現像剤を構成する磁性粒子、いわゆるキャリア
にも特徴を持たせている。
即ち、本発明の電子写真用キャリアは、従来知られて
いるキャリアとは異なり、平均粒径は小さく、又微粉及
び粗粉の存在量をコントロールしているので、粒度分布
が非常に狭くシャープカットされている為に、キャリア
付着に悪影響を与える超微粉もほとんどなく、粒径のそ
ろった均一の小粒径キャリアである。そのため、トナー
との摩擦帯電性の立上りも好ましく改良されている。
又、小粒径で均質なキャリアであることにより、キャリ
ア中に内包しうる帯電性の良好なトナー量も粒径のブロ
ードなキャリアに比してはるかに多い。粒径のブロード
なキャリアを用いた場合、微粉キャリアは、応々にして
現像時に感光体上へキャリア付着する現象が惹起する。
又、粗粉キャリアと混合されるトナーは帯電的に高すぎ
る電荷量を得て、現像しにくいトナーとなる場合が多
い。
500メッシュ以下の超微粉は1〜8重量%、好ましく
は2〜6重量%である。8重量%を越える場合は、キャ
リア付着やトナーとの円滑な摩擦帯電を妨げ、エッジ効
果を助長する傾向がある。1重量%未満の量であると、
磁気ブラシが粗い状態となってしまい、トナーの帯電の
立上がりも悪くなり、トナア飛散やカブリの原因とな
る。
また、250メッシュ以上のキャリア量が示す粗粉量は
画像の鮮鋭性と密接に相関し、1〜7重量%であること
が好ましい。7重量%を越える場合、キャリアのトナー
搬送能力が低下し、トナーの非画像部への飛び散りが増
加し、画像の解像力の低下やガサツキが顕在化しやすく
なる。その為、250メッシュ以上は7重量%以下、好ま
しくは5重量%以下であるのが良い。一方、1重量%以
下であると、現像剤の流動性が悪くなり、現像器内での
現像剤の片寄りなどが生じ安定な画像が得られにくくな
る。
キャリアの平均粒径は20〜60μmであり、好ましくは
30〜56μmである。20μm未満の平均粒径では、感光体
へのキャリア付着が激増し、60μmを越える平均粒径の
キャリアは、カラー複写のハイライト再現性を悪化させ
る。
キャリアの磁気特性は現像スリーブに内蔵されたマグ
ネットローラーによって影響され、現像剤の現像特性及
び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。本発明にお
いてはマグネットローラーを内蔵した現像スリーブ上
で、マグネットローラーを固定して現像スリーブを単体
で回転し、磁性粒子と絶縁性カラートナーからなる二成
分系現像剤を循環搬送し、該二成分現像剤にて静電潜像
担持体表面に担持された静電潜像を現像するに際して、
該現像スリーブが外径32ミリであり、該マグネットロー
ラーが反発極を有する5極構成であり、現像領域におけ
る磁束密度が600〜1200ガウスであり、キャリアの飽和
磁化が75emu〜55emuのとき、カラー複写において画像の
均一性や階調再現性に優れ好適である。
飽和磁化が75emu/g(3000エルステッドの印加磁場に
対し)を越える場合であると、現像時感光体上の静電潜
像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより
構成されるブラシ状の穂立ちが固く締った状態となり、
階調性や中間調の再現が悪くなる。また、55emu/g未満
であると、トナー及びキャリアを現像スリーブ上に良好
に保持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛
散が悪化するという問題点が発生し易くなる。更にキャ
リアの残留磁化及び保磁力が高すぎると現像器内の現像
剤の良好な搬送性が妨げられ、画像欠陥としてカスレや
ベタ画像中での濃度不均一等が発生しやすくなり、現像
能力を低下せしめるものとなる。それゆえ、一般の白黒
複写と異なりカラー複写における現像性を維持するため
には、その残留磁化が10emu/g以下、好ましくは5emu/g
以下より好ましくは実質上Oであり、保磁力が10e以
下(3000エルステッド、印加磁場に対し)、好ましくは
6.0e以下より好ましくは実質上Oであることが重要
である。
本発明による負帯電性着色剤含有樹脂粒子に使用する
結着物質としては、次式 (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yはそ
れぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜
10である。)で代表されるビスフェノール誘導体もしく
は置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸ま
たはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとか
らなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸など)とを共縮重合したポリエス
テル樹脂が用いられる。該ポリエステル樹脂はシャープ
な溶融特性を有する。
更に上記ポリエステル樹脂はその溶媒特性により、容
易に球形化ができ、又、定着性に優れカラートナーとし
て適している。
特に、トラペンでの光透過性の点で、90℃における見
掛粘度が5×104〜5×106ポイズ、好ましくは7.5×104
〜2×106ポイズ、より好ましくは105〜106ポイズであ
り、100℃における見掛粘度は104〜5×105ポイズ、好
ましくは104〜3×105ポイズ、より好ましくは104〜2
×105ポイズであることにより、光透過性良好なカラーO
HPが得られ、フルカラートナーとしても定着性、混色性
及び耐高温オフセット性に良好な結果が得られる。90℃
における見掛粘度P1と100℃における見掛粘度P2との差
の絶対値が、2×105<|P1−P2|<4×106の範囲にあ
るのが特に好ましい。
これらポリエステル樹脂を結着樹脂としたトナーを得
る方法としては、例えば従来より公知の粉砕法により所
望粒径の粒子を得た後、加熱気流中処理等の公知の球形
化処理を施すことがあげられる。
本発明に係るトナーには荷電特性を安定化するために
荷電制御剤を配合する。その際トナーの色調に影響を与
えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましい。負荷電制
御剤としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体
(例えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体又は
亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制
御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加す
るのが良い。
次に図面を参照して本発明の現像剤を用いることがで
きる現像装置の一例を説明する。
第1a図は、カラー画像形成装置に使用される回転式現
像手段において、像担持体と対面した現像位置に回転移
送された一つの現像装置を示している。
現像装置1は現像容器2を備え、該現像容器2内には
スクリュー4及び6が配設される。該スクリュー4,6に
より現像剤8は現像容器2内で往復循環される。
又、現像装置1は、像担持体100上に形成された静電
潜像を現像するために、現像容器内の現像剤8を像担持
体100の方へと搬送するために現像剤担持体10を有す
る。通常、現像剤担持体10は、図示されるように磁化さ
れた固定の磁石ローラ10aと、該磁石ローラ10aの周面に
図示矢印方向に回転自在に取付けられ、現像剤を像担持
体100の方へと搬送する現像スリーブ10bとから構成され
る。現像スリーブ10bは、その軸10cが第2図に図示され
るように、現像容器2の両側壁2a(第2図には片側の側
壁2aのみ図示)に軸受12を介して支持されている。
斯る構成により、現像スリーブ10bの回転によりN2
でくみ上げられた現像剤8はS2極→N1極→S1極と搬送さ
れ、規制ブレード30により規制され、現像剤薄層が形成
される。S1極は現像主極であり、ここで穂立ちした現像
剤が像担持体100上の静電潜像を現像し、その後N3極、N
2極の反発磁界により現像スリーブ10b上の現像剤は現像
容器2内へ落下する。
又、このような構成の現像装置においては、現像容器
2内を上述のように循環移動される現像剤8が現像スリ
ーブ10bの表面に沿って前記軸受12部へと移送され、該
軸受部を介して外部へと漏出したり、或いは軸受内に留
まって軸受の機能を減少させ、それによって現像スリー
ブ10bの円滑な回転が阻害されるのを防止するために、
第2図及び第3図に図示するように、現像スリーブ10b
の両端部周面には弾性体、不織布などの端部シール部材
14とか、現像スリーブ10bとの確実な接触を保証する弾
性接触舌片16aが形成された端部シール部材16とかが設
けられ、現像スリーブ周面と現像容器側壁2aとの空隙部
を閉鎖する手段が講じられている。
しかしながら、このような従来の構成では、端部シー
ル部材14,16と現像スリーブ10bの周面との間にはわずか
にではあるが現像剤が侵入する。そのため、現像装置を
長期間使用した場合にはこの現像剤が端部シール部材1
4,16の間で融着や凝集を起こす。この現象は溶融粘度の
低い本発明のトナーと組合せた時、より顕著に発生して
しまう。
この凝集体の一部は現像剤に取り込まれてしまうが、
凝集体が大きい場合には規制ブレード30部分につかま
り、現像剤が現像スリーブ10b上にコートされない部分
ができ、これによって画像上白スジが発生することがあ
る。
又、凝集体が小さい場合には現像剤と一緒に現像さ
れ、特にベタ画像の場合に、現像された凝集体を中心に
転写抜けを生じ、画像上に白斑点状の欠陥が生じ、画質
を著しく低下させてしまう。これを防ぐ目的で端部シー
ル部材の密着性を大とすると、現像スリーブに極めて大
きなストレスが加わり、現像スリーブ駆動モータの負荷
が増大することとなり、又長期にわたって完全に現像剤
の侵入を防ぐことは困難であった。従って、本発明にお
いては、前記現像剤担持体の両端部には、該現像剤担持
体の表面と所定の空隙をもって該現像剤担持体の少なく
とも一部の周面に沿って磁性部材を配置し、該磁性部材
と、該現像剤担持体内部に配置された磁石とにより磁性
部材の現像剤担持体側の面に磁力線が集中するように磁
気回路を形成せしめて該空隙部に磁力線に沿って現像剤
による磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシによって現像
剤の外部への漏出をシールすることを特徴とする現像装
置を使用することが好ましい。
更に磁性部材に隣接して、永久磁石が補助シール部材
として配置されていることが好ましい。
第4図に一例を挙げる。
このように、現像スリーブ10bの両端部に磁性板及び
永久磁石を配置することにより、現像スリーブ10bの内
部に設けた磁石ローラ10aの磁力によって磁性板21が磁
化され、磁石ローラ10aと、該磁性板21との間に磁気回
路が形成され、磁性板21の現像スリーブ10b側先端部に
磁界が集中し、従って該磁性板と現像スリーブ10bとの
間の空隙部に現像剤による密な磁気ブラシが形成され
る。該磁気ブラシは、現像スリーブ10bに沿って現像容
器側壁2aと現像スリーブ10b表面との間の隙間を通って
軸受12へと侵入する現像剤を阻止する作用をなす。つま
り、磁性板21と現像スリーブ10bとの間の空隙部に形成
される現像剤による磁気ブラシは端部シール部材として
の機能をなす。
本発明においては、現像剤の侵入を端部に配置された
磁性板及び永久磁石による磁界の力による磁気ブラシに
よって阻害するのであるから、磁気ブラシの状態という
のは非常に重要である。
その点本発明の特定の粒度分布を有する磁性粒子及び
トナーの組合せは、トナー濃度の振れによらず常に安定
で密な磁気ブラシが形成され、シール効果に優れてい
る。
このように本発明においては、現像能力の観点から、
及び端部のシール機能の観点からも非常に良好な磁気ブ
ラシが形成される。
更に本発明に適用される現像装置の一例を紹介する。
非磁性ブレード30の端部と現像スリーブ10面との距離
dは300〜1000μm、好ましくは400〜900μmである。
この距離が300μmより小さいと後述する磁性粒子がこ
の間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に良好な
現像を行うのに必要な現像剤を塗布することが出来ず濃
度の薄いムラの多い現像画像しか得られない欠点があ
る。dは現像剤中に混在している不用粒子による不均一
塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには40
0μm以上が好ましい。又1000μmより大きいと現像ス
リーブ10上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤
層厚の規制が行えず、潜像担持体への磁性粒子付着が多
くなると共に後述する現像剤の循環、現像剤限定部材に
よる現像規制が弱まりトナーのトリボが不足しカブリ易
くなる欠点がある。
第1b図に示した角度θ1は−5°〜35°、好ましくは
0°〜25°である。θ1<−5°の場合、現像剤に働く
磁気力,鏡映力,凝集力等により形成される現像剤薄層
がまばらでムラの多いものとなり、θ>35°を越えると
非磁性ブレードでは現像剤塗布量が増加し、所定の現像
剤量を得ることが難しい。
この磁性粒子層は、スリーブ10が矢印方向に回転駆動
されても磁気力,重力に基づく拘束力とスリーブ10の移
動方向への搬送力との釣合によってスリーブ表面から離
れるに従って動きが遅くなる。もちろん重力の影響によ
り落下するものもある。
従って磁極N1,N3の配設位置と磁性粒子の流動性及び
磁気特性を適宜選択する事により磁気粒子層はスリーブ
に近い程磁極N1方向に搬送し移動層を形成する。この磁
性粒子の移動によりスリーブ10の回転に伴なって現像領
域へ搬送され現像に供される。
本発明に使用されるキャリアとしては、本発明の要旨
を妨げない範囲で公知の材料を用いることができ、例え
ば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバ
ルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの
合金又は酸化物及びフェライトなどがある。好ましく
は、亜鉛、銅、ニッケル、コバルトの金属から選ばれた
フェライトが磁気特性の点で好ましく使用できる。粒度
分布のコントロール方法は、上記の粒度分布を満足させ
る手段であれば何ら構わないが、好ましくは粗粉側はメ
ッシュによるコントロール微粉側は気流分級によるコン
トロール手段が好ましい。
又、上記キャリアの表面を樹脂等で被覆することも可
能である。その方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中
に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せし
める方法、単に粉体で混合する方法等がいずれも適用で
きる。
キャリア表面への固着物質としてはトナー材料により
異なるが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,モノ
クロロトリフルオロエチレン重合体,ポリフッ化ビニリ
デン,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ジ−tert−
ブチルサリチル酸の金属錯体,スチレン系樹脂,アクリ
ル系樹脂,ポリアシド,ポリビニルブチラール,ニグロ
シン,アミノアクリレート樹脂,塩基性染料及びそのレ
ーキ,シリカ微粉末,アルミナ微粉末などを単独或は複
数で用いるのが適当である。
上記化合物の処理量は、キャリアが前記条件を満足す
るよう適宜決定すれば良いが、一般には総量で本発明の
キャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは0.2〜20重量
%)が望ましい。
本発明において、特に好ましい態様としては、スチレ
ン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチ
ル(20〜60:5〜30:10〜50)の組み合わせが例示され
る。
また、フェライトとしては、Cu−Zn−Feの3元系フェ
ライトが特に好ましい。
本発明に用いる6〜11μのカラートナーと混合して二
成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中
のトナー濃度として、2.0〜12重量%、好ましくは3.0〜
10重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃
度が2.0重量%以下では画像濃度が低く実用不可となり
易く、12重量%以上では本発明の粒度分布の範囲内のキ
ャリアを使用してもカブリや機内飛散を増加せしめ、現
像剤の耐用寿命を短め易い。
本発明のキャリアと共に用いてカラー現像剤を構成す
る場合用いられる着色剤としては、染料としては、例え
ばC.I.ダイレクトレッド1,C.I.ダイレクトレッド4,C.I.
アシッドレッド1,C.I.ベーシックレッド1,C.I.モーダン
トレッド30,C.I.ダイレクトブルー1,C.I.ダイレクトブ
ルー2,C.I.アシッドブルー9,C.I.アシッドブルー15,C.
I.ベーシックブルー3,C.I.ベーシックブルー5,C.I.モー
ダントブルー7等がある。
顔料としては、ナフトールイエローS,ハンザイエロー
G,パーマネントイエローNCG,パーマネントオレンジGTR,
ピラゾロンオレンジ,ベンジジンオレンジG,パーマネン
トレッド4R,ウオッチングレッドカルシウム塩,ブリリ
アントカーミン3B,ファストバイオレットB,メチルバイ
オレットレーキ,フタロシアニンブルー,ファーストス
カイブルー,インダンスレンブルーBC等がある。
好ましくは顔料としてはジスアゾイエロー、不溶性ア
ゾ、銅フタロシアニン、染料としては塩基性染料、油溶
性染料が適している。
特に好ましくはC.I.ピグメントイエロー17,C.I.ピグ
メントイエロー15,C.I.ピグメントイエロー13,C.I.ピグ
メントイエロー14,C.I.ピグメントイエロー12,C.I.ピグ
メントレッド5,C.I.ピグメントレッド3,C.I.ピグメント
レッド2,C.I.ピグメントレッド6,C.I.ピグメントレッド
7,C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー16,カ
ルボキシベンズアミドメチル基を2〜3個有する銅フタ
ロシアニン顔料または下記で示される構造式(1)を有
する、フタロシアニン骨格にカルボキシベンズアミドメ
チル基を2〜3個置換したBa塩である銅フタロシアニン
顔料などである。
又は−Hを示し、R及びR′は炭素数1〜5のアルキレ
ン基を示す。但し、X1〜X4のすべてが−Hの場合を除
く。] 染料としてはC.I.ソルベントレッド49,C.I.ソルベン
トレッド52,C.I.ソルベントレッド109,C.I.ベイシック
レッド12,C.I.ベイシックレッド1,C.I.ベイシックレッ
ド3bなどである。
以下本発明に使用する測定方法について述べる。
I粒度分布 本発明における磁性粒子の粒度分布の測定法は、以下
の通りである。
試料約100gを0.1gの桁まで計りとる。
篩は、100〜400メッシュの標準篩(以下篩という)を
用い、上から100,145,200,250,350,400の大きさの順に
積み重ね底には受け皿を置き、試料は一番上の篩に入れ
てふたをする。
これを振動機によって水平旋回数毎分285±6回、衝
動回数毎分150±10回で15分間ふるう。
ふるった後、各篩及び受皿内の鉄粉を0.1gの桁まで計
り取る。
重量百分率で小数第2位まで算出し、JIS−Z8401によ
って少数第1位まで丸める。
ただし、篩の枠の寸法は篩面から上の内径が200mm、
上面から篩面までの深さが45mmであること。
各部分の鉄粉の重量の総和は、始め取った試料の質量
の99%以下であってはならないこと。
また、平均粒径は上述の粒度分布測定値より、下式に
従って求める。
磁性粒子の500メッシュ以下の量は50gの試料量を500
メッシュ標準ふるい上に乗せて下から吸引して重量減少
から算出する。
磁性粒子の磁気特性の測定装置としては、BHU−60型
磁化測定装置(理研測定製)を用いる。測定試料は約1.
0g秤量し内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の装
置にセットする。
測定は印加磁場を徐々に加え、最大3000エルステッド
まで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的
に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これよ
り、飽和磁化,残留磁化,保磁力を求める。
II溶融粘度測定: フローテスターCFT−500型(島津製作所製)を用い
る。試料は60メッシュパス品を約1.0〜1.5g秤量する。
これを成形器を使用し、100kg/cm2の加重で1分間加圧
する。
この加圧サンプルを下記の条件で、常温常湿下(温度
約20〜30℃,湿度30〜70%RH)でフローテスター測定を
行い、温度−溶融粘度曲線を得る。得られたスムース曲
線より、90℃,100℃の溶融粘度を求めそれを該試料の温
度に対する溶融粘度とする。
RATE TEMP 6.0 D/M(℃1分) SET TEMP 70.0 DEG(℃) MAX ETMP 200.0 DEG INTERVAL 3.0 DEG PREHEAT 300.0 SEC(秒) LOAD 20.0 KGF(kg) DIE(DIA) 1.0 MM(mm) DIE(LENG) 1.0 MM PLUNGER 1.0 CM2(cm2) III摩擦帯電量測定: 測定法を図面を用いて詳述する。
第5図はトナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明
図である。先ず、底に500メッシュのスクリーン503のあ
る金属製の測定容器502に摩擦帯電量を測定しようとす
る流動性向上剤とキャリアの重量比1:49の混合物を50〜
100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、約10〜40秒
間手で振盪し、該混合物(現像剤)約0.5〜0.8gを入れ
金属製のフタ504をする。このときの測定容器502全体の
重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機501(測定容
器502と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸
引口507から吸引し風量調節弁506を調製して真空計505
の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは
2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このときの電
位計509の電位をV(ボルト)とする。ここで508はコン
デンサーであり容量をC(μF)とする。又、吸引後の
測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。このトナー
の摩擦帯電量(μc/g)は下式の如く計算される。
(但し、測定条件は23℃,60%RHとする。) IV疎水化度測定: メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有するシ
リカ微粉体の疎水化度を確認する実験的試験である。
処理されシリカ微粉体の疎水化度を評価するために本
明細書において規定される“メタノール滴定試験”は次
の如く行う。供試シリカ微粉体0.2gを容量250mlの三角
フラスコ中の水50mlに添加する。メタノールをビューレ
ットからシリカの全量が湿潤されるまで滴定する。この
際フラスコ内の溶液はマグネチックスターラーで常時攪
拌する。その終点はシリカ微粉体の全量が液体中に懸濁
されることによって観察され、疎水化度は終点に達した
際のメタノールおよび水の液状混合物中のメタノールの
百分率として表わされる。
[実施例] 以下に実施例及び図面をもって本発明を詳細に説明す
る。尚、[%]及び「部」は重量%及び重量部を示す。
実施例1 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得
られたポリエステル樹脂100重量部に対し、表1の処方
量の着色剤及び荷電制御剤を用い、それぞれイエロー,
マゼンタ,シアン,黒色の粉砕カラー粒子(カラートナ
ー)を得た。
その製造方法は、上記の各処方量を充分ヘンシェルミ
キサーにより予備混合を行い、3本ロールミルで少なく
とも2回以上溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて
約1〜2mm程度に粗粉砕し次いでエアージェット方式に
よる微粉砕機で30μm以下の粒径に微粉砕した。更に得
られた微粉砕物を90℃の加熱気流中に分級した樹脂粒子
を入れ、1時間加熱処理し、冷却後、分級して本発明の
粒度分布となるように2〜12μmの範囲の粒子を選択
し、流動性向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理
したシリカ微粉末を各分級品100重量部に対し0.5重量
部、外添添加し、シリカ微粉末が外添されたカラートナ
ーとした。
これらのカラートナー5重量部に対し、表2に示すキ
ャリアAを総量100重量部になるように混合して現像剤
とした。このキャリアAはスチレン(St)−2−エチル
ヘキシルアクリレート(2EHA)−メチルメタクリレート
(MMA)共重合体(共重合比45:20:35)を約0.5μmの膜
厚でコートしたフェライトキャリアで、500メッシュパ
ス率は3.7%、又11μm以下の磁性粒子の含有量は実質
上0であることを電子顕微鏡により確認した。
市販のキヤノン製カラー複写機(CLC−1)を現像ス
リーブ径32mm、現像主極980ガウスを持つ5極構成のマ
グネットローラーを内蔵するよう第1図,第4図に示す
構成に改造し、さらにスリーブ周速を280mm/secとなる
ように設定し、上記現像剤を用いて、フルカラーモード
で約40%の画像面積をもつ原稿を用いて2.0万枚の耐刷
後でもエッジ効果の少ないオリジナルカラーチャートを
忠実に再現するフルカラー画像が得られた。また、連続
複写中もカスレや濃度低下のない画像が得られ、複写機
内での搬送,現像剤濃度検知も良好で安定したものであ
った。さらに、低温低湿(15℃,10%RH)及び高温高湿
(35℃,85%RH)の環境下でも色彩の優れたフルカラー
画像が得られた。OHPフィルムを使用した場合もトナー
の透過性は非常に好ましいものであった。
比較例1 実施例1においてキャリア微粉の風力分級を強化して
400メッシュ以下の微粉量を2.0%,500メッシュ以下の微
粉量を実質的に0にする以外は実施例1と同様にして画
出しを行ったところ、端部のシール効果は実施例1に比
べて低下し、端部の機内汚れが実施例1に比べて多くな
った。本キャリアを使用した場合、ベタ画像の均一性も
若干実施例1に比べて劣っており、磁気ブラシを観察し
たところ実施例1に比べて粗な状態となっていた。
比較例2 実施例1において、球形化処理を施さず、不定形のま
ま、本発明の粒度分布となるように2〜12μmの範囲の
粒子を分級採取した以外は実施例1と同様に画出しを行
なったところ、初期よりカブリがみられ、画質的にもガ
サつきがみられ、カラー画像としては低品位のものであ
った。
比較例3 実施例1において、5μm以下が42.0個数%の球形化
シアントナーを使用する以外は実施例1と同様に画出し
を行ったところ、端部のシール効果は実施例1に比べて
低下し、シアントナーによる端部の機内汚れが実施例1
に比べて多くなった。
また、本トナーを使用した場合、耐久性に関しては、
初期は非常に高解像性の画像が得られたものの、シアン
の背景部へのカブリが多く、低温低湿下において耐久に
より画像濃度が低下した。
実施例2 実施例1において、Liを添加して73emu/gの飽和磁化
を持つキャリアを使用する以外は実施例1と同様に画出
しを行なったところ、実施例1同様良好な結果が得られ
た。
比較例4 実施例1においてBiを添加して77emu/gの飽和磁化を
持つキャリアを使用した以外は実施例1と同様に画出し
を行なったところ、端部シールの部分で現像スリーブ上
に現像剤のコートが不均一となってしまった。
さらに画出しを続けたところ、画像上にピッチムラが
生じてしまった。
[発明の効果] 以上のように、本発明によると複写機内の汚染が防止
され、高画質の複写画像を長期に渡り安定して提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1a図は現像装置の一例を示す概略図、第1b図はその一
部の拡大図、第2,3図は従来の現像装置を示す図、第4
図は現像装置を示す図、第5図はトナーのトリボ電荷量
測定装置を示す図である。 1:現像装置、8:現像容器 10:現像剤担持体、10b:スリーブ 10a:磁石ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−223471(JP,A) 特開 昭63−301960(JP,A) 特開 昭60−140361(JP,A) 特開 昭63−73271(JP,A) 特開 平1−112253(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08 G03G 9/107

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性粒子と結着樹脂及び負荷電制御剤
    を含有する負帯電性絶縁性カラートナーとを有する二成
    分系のカラー現像剤であって、 該結着樹脂はポリエステル樹脂を主成分としており、該
    ポリエステル樹脂はアルコール成分としてビスフェノー
    ル誘導体もしくは置換体を有しており、 該負帯電性絶縁性トナーのトナー粒子が実質的に球形
    で、体積平均径が6〜10μmであり、5μm以下の粒径
    を有するトナー粒子が15〜40個数%存在し、且つ、該負
    帯電性絶縁性トナーの溶融粘度が100℃において104〜5
    ×106ポイズ、90℃において5×104〜5×106ポイズの
    範囲にあり、 該磁性粒子は重量平均径が20〜60μmであり、350メッ
    シュ以下の微粉量が40重量%以下であり、400メッシュ
    以下の微粉量が20重量%以下であり、500メッシュ以下
    の微粉量が1〜8重量%であり、3000エルステッドの印
    加磁場に対する飽和磁化が55〜75emu/gであり、かつ残
    留磁化が10emu/g以下であり、保磁力が10e以下であ
    ることを特徴とするカラー現像剤。
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