JPH0816801B2 - カラートナー - Google Patents

カラートナー

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JPH0816801B2
JPH0816801B2 JP1200389A JP20038989A JPH0816801B2 JP H0816801 B2 JPH0816801 B2 JP H0816801B2 JP 1200389 A JP1200389 A JP 1200389A JP 20038989 A JP20038989 A JP 20038989A JP H0816801 B2 JPH0816801 B2 JP H0816801B2
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particle size
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岡戸  謙次
誠 神林
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真,静電記録の如き画像形成方法に
おける静電荷潜像を顕像化するためのカラートナーに関
する。
[従来の技術] 近年、電子写真用カラー複写機等画像形成装置が広く
普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、その画
像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写真,
カタログ,地図の如き画像の複写では、微細な部分に至
るまで、つぶれたり、とぎれたりすることなく、極めて
微細且つ忠実に再現することが求められている。
また、最近、デジタルな画像信号を使用している電子
写真用カラー複写機の如き画像形成装置では、潜像は一
定電位のドットが集まって形成されており、ベタ部,ハ
ーフトーン部およびライト部はドット密度をかえること
によって表現されている。ところが、ドットに忠実にト
ナー粒子がのらず、ドットからトナー粒子がはみ出した
状態では、デジタル潜像のドット密度の比に対応するト
ナー画像の階調性が得られないという問題点がある。さ
らに、画質を向上させるために、ドットサイズを小さく
して解像度を向上させる場合には、微小なドットから形
成される潜像の再現性がさらに困難になり、解像度およ
び特にハイライト部の階調性の悪い、シャープネスさに
欠けた画像となる傾向がある。
また、初期においては、良好な画質であるが、コピー
またはプリントアウトをつづけているうちに、画質が劣
悪化してゆくことがある。この現象は、コピーまたはプ
リントアウトをつづけるうちに、現像されやすいトナー
粒子のみが先に消費され、現像機中に、現像性の劣った
トナー粒子が蓄積し残留することによって起こると考え
られる。
これまでに、画質をよくするという目的のために、い
くつかの現像剤が提案されている。特開昭51−3244号公
報では、粒度分布を規制して、画質の向上を意図した非
磁性トナーが提案されている。該トナーにおいて、8〜
12μmの粒径を有するトナーが主体であり、比較的粗
く、この粒径では本発明者らの検討によると、潜像への
均密なる“のり”は困難であり、かつ、5μm以下が30
個数%以下であり、20μm以上が5個数%以下であると
いう特性から、粒径分布はブロードであるという点も均
一性を低下させる傾向がある。このような粗めのトナー
粒子であり、且つブロードな粒度分布を有するトナーを
用いて、鮮明なる画像を形成するためには、トナー粒子
を厚く重ねることでトナー粒子間の間隙を埋めて見かけ
の画像濃度を上げる必要があり、所定の画像濃度を出す
ために必要なトナー消費量が増加するという問題点も有
している。
また、特開昭54−72054号公報では、前者よりもシャ
ープな分布を有する非磁性トナーが提案されているが、
中間の重さの粒子の寸法が8.5〜11.0μmと粗く、微小
ドット潜像を忠実に再現する高解像性のカラートナーと
しては、いまだ改良すべき余地を残している。
特開昭58−129437号公報では、平均粒径が6〜10μm
であり、最近粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提
案されているが、5μm以下の粒子が15個数%以下と少
なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
本発明者らの検討によれば、5μm以下のトナー粒子
が、潜像の微小ドットを明確に再現し、且つ潜像全体へ
の緻密なトナーののりの主要なる機能をもつことが知見
された。特に、感光体上の静電荷潜像においては電気力
線の集中のため、輪郭たるエッジ部は内部より電界強度
が高く、この部分に集まるトナー粒子の質により、画質
の鮮鋭さが決まる。本発明者らの検討によれば5μm以
下の粒子の量がハイライト階調性の問題点を解決に有効
であることが判明した。
しかしながら、トナー粒径を小さくして5μm以下の
トナー粒子を多くしていくと、トナー自身の凝集性が高
まり、キャリアとの混合性の低下、あるいは、トナーの
流動性の低下という問題が発生してしまう。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的が上述のごとき問題点を解決したカラー
トナーを提供するものである。
さらに、本発明の目的は、画像濃度が高く、細線再現
性、ハイライト階調性の優れたカラートナーを提供する
ものである。
さらに本発明の目的は、長時間の使用で性能の変化の
ないカラートナーを提供するものである。
さらに本発明の目的は、環境変動に対して性能の変化
のないカラートナーを提供するものである。
さらに本発明の目的は、転写性の優れたカラートナー
を提供するものである。
さらに、本発明の目的は、少ない消費量で、高い画像
濃度を得ることを可能なカラートナーを提供するもので
ある。
さらに、本発明の目的は、デジタルな画像信号による
画像形成装値においても、解像性、ハイライト階調性、
細線再現性に優れたトナー画像を形成し得るカラートナ
ーを提供するものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は、(i)結着樹脂及び着色剤を含有する非磁
性のトナー粒子と2種以上の無機酸化物を有するカラー
トナーと(ii)磁性粒子とを有する現像剤に適用される
カラートナーにおいて、 該カラートナーは、体積平均径が6〜10μmであり、
5μm以下の粒径を有するトナー粒子が15〜40個数%含
有され、12.7〜16.0μmの粒径を有するトナー粒子が0.
1〜5.0体積%含有され、16μm以上の粒径を有するトナ
ー粒子が1.0体積%以下含有され、6.35〜10.1μmのト
ナー粒子が下記式 を満足する粒度分布を有し、かつ該トナーの見掛粘度が
100℃において104〜5×105ポイズ、90℃において5×1
04〜5×106ポイズの範囲にあり、DSCの吸熱ピーク値が
58〜72℃であり、 該カラートナーは、該無機酸化物のうちの1種とし
て、シランカップリング剤で表面処理された後、シリコ
ンオイルで表面処理され、さらに凝集を解砕する工程を
通っており、解砕工程を通った後のBET法による比表面
積をSA、表面処理をする前のBET法による比表面積をSi
とした時、SA/Si≧0.8を満足するシリカ微粉体Aを該ト
ナー粒子に対してa重量%含有しており、かつ該無機酸
化物のうちの1種として、該磁性粒子との摩擦帯電量の
絶対値が20μc/g以下で、BET法による比表面積SBが30〜
200m2/gの親水性無機酸化物Bを該トナー粒子に対して
b重量%含有しており、該シリカ微粉体AのBET法によ
る比表面積及び含有量と該親水性無機酸化物BのBET法
による比表面積及び含有量とが下式 SA≧SB,0.3≦a+b≦1.5 を満足することを特徴とするカラートナーに関する。
上記の2種以上の無機酸化物を含有し、上記の粒度分
布を有する本発明のカラートナーは、感光体上に形成さ
れた潜像に忠実に再現することが可能であり、網点およ
びデジタルのような微小なドット潜像の再現にもすぐ
れ、特にハイライト部の階調性および解像性にすぐれた
画像を与える。さらに、コピーまたはプリントアウトを
続けた場合でも高画質を保持し、かつ、高濃度の画像の
場合でも、従来の非磁性トナーより少ないトナー消費量
で良好な現像をおこなうことが可能であり、経済性およ
び、複写機またはプリンター本体の小型化にも利点を有
するものである。
本発明のカラートナーにおいては、5μm以下の粒径
のカラートナー粒子が15〜40個数%(好ましくは20〜35
個数%)であることが一つの特徴である。従来、カラー
トナーにおいては5μm以下のカラートナー粒子は、帯
電量コントロールが困難であったり、カラートナーの流
動性を損ない、また、トナー飛散して機械を汚す成分と
して、さらに、画像のカブリを生ずる成分として、積極
的に減少することが必要であると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm程
度のカラートナー粒子が高品質な画質を形成するための
必須の成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
非磁性トナーおよびキャリアを有する二成分系現像剤を
用いて、感光体上の表面電位を変化し、多数のトナー粒
子が現像され易い大きな現像電位コントラストから、ハ
ーフトーンへ、さらに、ごくわずかのトナー粒子しか現
像されない微小ドットの潜像まで、感光体上の潜像電位
を変化させた潜像を現像し、感光体上の現像されたトナ
ー粒子を集め、トナー粒度分布を測定したところ、8μ
m以下の非磁性トナー粒子が多く、特に5μm程度の非
磁性トナー粒子が微小ドットの潜像上に多いことが判明
した。すなわち、5μm程度の粒径の非磁性トナー粒子
が感光体の潜像の現像に円滑に供給される場合に潜像に
忠実であり、潜像からはみ出すことなく、真に再現性の
優れた画像がえられるものである。
5μm以下の粒径の非磁性トナー粒子が15個数%未満
であると、高画質に有効な非磁性トナー粒子が少なく、
特に、コピーまたはプリントアウトをつづけることによ
ってトナーが使われるに従い、有効な非磁性トナー粒子
成分が減少して、本発明で示すところの非磁性トナーの
粒度分布のバランスが悪化し、画質がしだいに低下して
くる。また、40個数%を超えると、非磁性トナー粒子相
互の凝集状態が生じやすく、本来の粒径以上のトナー塊
となるため、荒れた画質となり、解像性を低下させ、ま
たは潜像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中
ぬけ気味の画像となりやすい。
また、本発明の非磁性トナーにおいては、12.7〜16.0
μmの範囲の粒子が0.1〜5.0体積%(好ましくは0.2〜
3.0体積%)であることがひとつの特徴である。
これは、前述の5μm程度の粒径の非磁性トナー粒子
の存在の必要性と関係があるが、5μm以下の粒径の非
磁性トナー粒子は、確かに微小ドットの潜像を忠実に再
現する能力を有するが、それ自身かなり凝集性が高く、
そのため非磁性トナーとしての流動性が損われることが
ある。
本発明者らは、流動性の改善を目的として、前述の2
種以上の無機酸化物を添加することによって、流動性の
向上を図ったが、無機添加物を添加する手段だけでは、
画像濃度、トナー飛散、カブリ等すべての項目を満足さ
せる条件が非常に狭いことが確認された。それ故、本発
明者らは、さらにトナーの粒度分布について検討を重ね
たところ、5μm以下の粒径の非磁性トナーを15〜40個
数%含有させた上で、12.7〜16.0μmのトナー粒子を0.
1〜5.0体積%含有させることによって流動性の問題も解
決し、高画質化が達成できることを知見した。すなわ
ち、12.7〜16.0μmの範囲のトナー粒子が5μm以下の
非磁性トナー粒子に対して、適度にコントロールされた
流動性をもつためと考えられ、その結果、コピーまたは
プリントアウトを続けた場合でも高濃度で解像性および
階調性のすぐれたシャープな画像が提供されるものであ
る。
5.0体積%より多いと、画質が悪化すると共に、必要
以上の現像、すなわち、トナーののりすぎが起こり、ト
ナー消費量の増大をまねく。一方、0.1体積%未満であ
ると、流動性の低下により画像濃度が低下してしまう。
さらに、6.35〜10.1μmのトナー粒子について、その
体積%(V)と個数%(N)と体積平均粒径(v)の
あいだに、 なる関係を本発明のカラートナーが満足していることも
特徴のひとつである。
本発明者らは、粒度分布の状態と現像特性を検討する
なかで、上記式で示すような最も目的を達成するに適し
た粒度分布の存在状態があることを知見した。
すなわち、一般的な風力分級によって粒度分布を調整
した場合、上記値が大きいということは微小ドット潜像
を忠実に再現する5μm程度のトナー粒子は増加し、上
記値が小さいということは逆に5μm程度のトナー粒子
は減少することを示していると解される。
したがって、vが6〜10μmの範囲にあり、かつ、
上記関係式をさらに満足する場合に、良好なトナー流動
性および忠実な潜像再現性が達成される。
また、16μm以上の粒径の非磁性トナー粒子が1.0体
積%以下であることが良く、さらに好ましくは0.6体積
%以下であり、1.0体積%より多いと、細線再現におけ
る妨げになるばかりでなく、転写において、感光体上に
現像されたトナー粒子の薄層面に16μm以上の粗めのト
ナー粒子が突出して存在することで、トナー層を介した
感光体と転写紙間の微妙な密着状態を不規則なものとし
て、転写条件の変動をひきおこし、転写不良画像を発生
する要因となる。
また、非磁性トナーの体積平均径は6〜10μm、好ま
しくは7〜9μmであり、この値は先にのべた各構成要
素と切りはなして考えることはできないものである。体
積平均粒径6μm未満では、グラフィク画像などの画像
面積比率の高い用途では、転写紙上のトナーののり量が
少なく、画像濃度の低いという問題点が生じやすい。こ
れは、先に述べた潜像におけるエッジ部に対して、内部
の濃度が下がる理由と同じ原因によると考えられる。体
積平均粒径10μmを超えると解像度が良好でなく、また
複写の初めは良くとも使用をつづけていると画質低下を
発生しやすい。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
すなわち、測定装置としてはコールターカウンタ−TA
−II型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布
を出力するインターフェイス(日科機製)およびCX−1
パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解
液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製
する。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg
加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜
3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−
II型により、アパチャーとして100μアパチャーを用い
て、個数を基準として2〜40μの粒子の粒度分布を測定
して、それから本発明に係るところの値を求めた。
本発明においては、前述の粒度分布を有するカラート
ナーが、該無機酸化物のうちの1種として、シランカッ
プリング剤で表面処理された後、シリコンオイルで表面
処理され、さらに凝集を解砕する工程を通っており、解
砕工程を通った後のBET法による比表面積をSA、表面処
理をする前のBET法による比表面積をSiとした時、SA/Si
≧0.8を満足するシリカ微粉体Aを該トナー粒子に対し
てa重量%含有しており、かつ該無機酸化物のうち1種
として、該磁性粒子との摩擦帯電量の絶対値が20μc/g
以下で、BET法による比表面積SBが30〜200m2/gの親水性
無機酸化物Bを該トナー粒子に対してb重量%含有して
おり、該シリカ微粉体AのBET法による比表面積及び含
有量と該親水性無機酸化物BのBET法による比表面積及
び含有量とが、下式 SA≧SB,0.3≦a+b≦1.5 を満足することにも特徴がある。
前述した通り、本発明における粒度分布を有するトナ
ーを使用すれば、微小ドットによる潜像に対するトナー
の現像が忠実であり、潜像端部のトナー付着の乱れが少
ない。
しかしながら、トナーを小粒径化すると、トナーに働
く、クーロン力やファンデルワールス力が、重力,慣性
力に比べて相対的に強くなるので、トナー同士の付着力
が強くなり、トナー凝集体が生じやすくなる。
さらに、トナーを小粒径化すると、トナー粒子の表面
積が増え、帯電が過大になりやすくなる。たとえば、特
開昭54−72054号公報や、特開昭58−129437号公報の構
成では、トナーの凝集防止や、帯電量のコントロールが
十分とは言えない。
これに対して、本発明では、磁性粒子との摩擦帯電量
の絶対値が20μc/g以下である無機酸化物を添加するこ
とによって改良した。この低帯電性無機酸化物を適量添
加することによって、トナーの帯電量を好適なレベルに
コントロールすることができ、さらに帯電に起因する付
着力を弱め、トナー凝集体を生成しにくくする。トナー
の流動性が良好になることによって、現像剤の混合性、
トナーのクリーニング性なども良好となる。
また、トナーを小粒径化すると、トナーとキャリアの
接触点が増え、キャリアスペントが起こりやすくなる。
これに対しても、低帯電性無機酸化物は、キャリアとト
ナー間の良好なスペーサーとなり、良い効果を及ぼす。
上述のように、親水性の低帯電性無機酸化物は、トナ
ー凝集の防止あるいは過剰帯電の抑制に非常に効果的で
あるが、これらは、以下に述べる理由によって、30m2/g
(約40mμ)〜200mm2/g(約12mμ)の範囲である必要が
あり、より好ましくは、80m2/g(約25mμ)〜150m2/g
(約15mμ)の範囲であるのがよい。
すなわち、200m2/gよりも大きなBET比表面積を有する
低帯電性無機酸化物では、流動性は十分となるが、弊害
は、その親水性故劣化しやすいトナーとなる。劣化は、
トナー消費の少ない状態で、複写のランニングが続いた
場合に、帯電量が大きく変化したり、現像剤の流動性が
悪くなったりという現象として表れる。
また、30m2/gよりも小さなBET比表面積を有する低帯
電性無機酸化物では、他の流動性付与剤と併用しても、
十分な流動性を得にくくなる。また、流動性付与剤の分
散も不十分となりやすく、画像にカブリが生じてしま
う。
また、トナーを小粒径化することによる弊害としてさ
らにトナー転写性の悪化が挙げられる。これは、小粒径
トナーが感光体の潜像に対して、薄いトナー層を形成す
ることや、帯電量がいくぶん高めであることなどが原因
と考えられる。
この弊害に対して、本発明ではシランカップリング剤
で表面処理された後、シリコンオイルで表面処理され、
さらに凝集を解砕する工程を通っており、解砕工程を通
った後のBET法による比表面積をSA、表面処理をする前
のBET法による比表面積をSiとした時、SA/Si≧0.8を満
足するシリカ微粉体を用いることによって解決した。
SA/Siは解砕処理の程度を表わしており、値が1に近
いほどよく解砕されていることになる。本発明では、SA
/Siが0.8以上のものを用い、より好ましくは0.85以上の
ものがよい。
シリコンオイルで表面処理したシリカ微粉体を流動性
付与剤として用いれば、トナー転写性が向上する。おそ
らく、シリコンオイルの粘性が、トナー、トナー間やド
ラム、トナー間の付着力に影響していると思われる。
しかし、シリコンオイルのみの表面処理では、帯電能
が高すぎてしまったり、オイルの粘性のため、トナーへ
の流動性付与が不十分となる。そこで本発明では、シラ
ンカップリング剤との2段処理を行い、さらに、シリカ
微粉体の凝集を解砕した。
いずれの処理も、オイル単独の処理よりもシリカ微粉
体を一次粒子に近づける働きをする。そのため、これら
の処理によって、トナー転写性の改善と、十分な流動性
付与の両立が可能となった。
また、流動性が良好になることにより、生産工程のう
えでも、発明の良い効果が得られる。本発明の場合、ト
ナー粒径が小さいので、わずかな粗粒が含まれていて
も、転写不良などの弊害として表われてしまう。そのた
め、外添後には、150メッシュ以上、好ましくは200メッ
シュ以上の細かいふるいでトナーをふるい、外添時に発
生する融着物などを取り除く。このような細かいふるい
を通過させるには、流動性が良い必要があり、本発明は
効果的である。
また、このシリカ微粉体は、帯電性と流動性付与能力
という点で低帯電性無機酸化物を補う働きをする。その
ため、BET比表面積は、80m2/g以上でないと十分な働き
が得られない。より好ましくは150m2/g以上がよい。
本発明をより効果的にするためには、疏水性無機酸化
物Aの比表面積をSA,親水性無機酸化物Bの比表面積をS
Bとしたとき SA≧SB であり、AおよびBをトナー粒子に対して、以下の式を
満足するようそれぞれa重量%,b重量%として、 0.3≦a+b≦1.5 含有させることが必要である。
(a+b)が上記範囲にないと、帯電性と流動性のバ
ランスがとりにくくなる。
さらに、(a+b)>1.5であると、トナーとしての
定着特性が低下し、特にトランスペアレンシーフィルム
の透過性が低下してしまう。
本発明に用いるシリカ微粉体の表面処理条件として
は、第一反応として、シランカップリング反応を行な
い、シラノール基を化学結合により消失させた後、第二
反応として、シリコンオイルにより、表面に疏水性の薄
膜を形成する。
シリコンオイルの処理量としてはシランカップリング
後のケイ酸微粉体100重量部に対し、A/25±A/30重量部
(A:ケイ酸微粉体の比表面積)好ましくは、A/25±A/40
重量部である。この際、シランカップリング剤は、シリ
コンオイルが均質の薄膜を形成する為の補助的な役割を
有し、処理順序には重要な意味がある。また、シリコン
オイルは、微粉体の帯電性を決定する為に添加してお
り、周囲の環境による帯電性の変化が少ないという特徴
がある。処理量としては(A/25−A/30)重量部未満に於
いては、シリコンオイルの被膜が不均一になり現像剤へ
の帯電付与が不充分となる。
この傾向は特に高湿下に於いて著しく、画質の低下を
伴う。また、(A/25+A/30)重量部を超えると、シリコ
ンオイルが微粉体を結着させてしまい、凝集体を生じや
すくなる。
これにより、現像剤への帯電付与性を低下する。
本発明に用いられるケイ酸微粉末体は、ケイ素ハロゲ
ン化合物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式
シリカが好ましい。
また、製造時塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金
属ハロゲン化合物と共に蒸気相酸化させ、シリカと金属
酸化物の複合微粉体としてもよい。
その粒径は、平均の一次粒径として0.001〜2μの範
囲である事が望ましく、特に0.002〜0.2μが好ましい。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、一般式 で表わされ、例えばジメチルジクロルシラン、トリメチ
ルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサ
メチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベ
ンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、ジビニルクロルシラン等が挙げられるが。上記に
限定されるものではない。
本発明に用いられるシリコンオイルは、一般式 で表わされ、例えば、ジメチルシリコンオイル、アルキ
ル変性シリコンオイル、α−メチルスチレン変性シリコ
ンオイル、クロルフェニルシリコンオイル、フッ素変性
シリコンオイル等が挙げられるが、上記に限定されるも
のではない。
上記シリコンオイルは、25℃に於ける粘度が50〜1000
センチストークスのものが好ましい。50センチストーク
ス未満では熱が加わる事により一部揮発し、帯電特性が
劣化する。また、1000センチストークスを超えると、処
理作業上、取扱いが困難となる。
シランカップリング処理の方法としては、公知技術が
使用できる。例えば、ケイ酸微粉体をクラウド状にした
後、気化させたシランカップリング剤を反応させる乾式
処理、ケイ酸微粉体を溶媒中に分散させた後シランカッ
プリング剤を滴下反応させる湿式法が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
シリコンオイル処理の方法としては、公知技術が使用
できる。例えば、ケイ酸微粉体とシリコンオイルとを、
混合機を用い混合する。ケイ酸微粉体中にシリコンオイ
ルを噴霧器を用い噴霧する、或いは溶剤中にシリコンオ
イルを溶解させた後、ケイ酸微粉体を混合する等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
解砕手段としては、例えば、第4−1図に示す様な装
置を用いる。添加剤は導入口13から投入され、入口室9
を通り、回転する分散羽根3にそって回転するブレード
4とライナー7の間の衝撃部8を通り、出口室10を通
り、リターン路11及びブロワー14を通り再び同回路を循
環する。解砕処理が終了後、取出し口12から取り出され
る。ここにおいて必要により、ジャケット15に冷却水を
流して雰囲気温度を調整するのが好ましい。第4−2図
において、ブレード4とライナー7との間隙aが最短間
隙であり、ブレード4の幅bに対応する空間が衝撃部で
ある。解砕を行なう装置としては、この他にトナーの分
級に用いられるジグザグ分級器、或は、粉砕に用いられ
るピンミルなどを改良した装置を用いる事ができるが装
置についてはこれらに限定するものではない。
一方、親水性の無機酸化物としては、アルミナ,酸化
チタンが気相法によって比較的容易にシャープな粒度の
ものを得ることができるので好ましいが、製造法,結晶
構造について特に制約はない。ただし粒子の形状が極端
に角ばった形状,針状となるものは好ましくない。
本発明のトナー粒子に使用する結着物質としては、従
来電子写真用トナー結着樹脂として知られる各種の材料
樹脂が用いられる。
例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合
体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレン系共重合
体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体のようなエチレン系
共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリ
ルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、マレイン酸系樹脂等である。また、いずれの樹脂も
その製造方法等は特に制約されるものではない。
これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高いポリエステ
ル系樹脂を用いた場合、本発明の効果は絶大である。す
なわち、ポリエステル系樹脂は、定着性にすぐれ、カラ
ートナーに適している反面、負帯電能が強く帯電が過大
になりやすいが、本発明の構成にポリエステル樹脂を用
いると弊害は改善され、優れたトナーが得られる。
特に、次式 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yは
それぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2
〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体もし
くは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸
またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルと
からなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸など)とを共縮重合したポリ
エステル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好
ましい。
特に、トランスペアレンシーフィルムでの光透過性の
点で、90℃における見掛粘度が5×104〜5×106ポイ
ズ、好ましくは7.5×104〜2×106ポイズ、より好まし
くは105〜106ポイズであり、100℃における見掛粘度は1
04〜5×105ポイズ、好ましくは104〜3×105ポイズ、
より好ましくは104〜2×105ポイズであることにより、
光透過性良好なカラーOHPが得られ、フルカラートナー
としても定着性、混色性及び耐高温オフセット性に良好
な結果が得られる。90℃における見掛粘度P1と100℃に
おける見掛粘度P2との差の絶対値が、2×105<|P1−P2
|<4×106の範囲にあるのが特に好ましい。
着色剤としては公知の染顔料、例えばフタロシアニン
ブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、パー
マネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハ
ンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエ
ロー等広く使用することができる。その含有量として
は、OHPフィルムの光透過性に対し敏感に反映するよう
結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、好ま
しくは0.5〜9重量部である。
本発明に係るトナーには荷電特性を安定化するために
荷電制御剤を配合しても良い。その際トナーの色調に影
響を与えない無色または淡色の荷電制御剤が好ましい。
本発明においては、負荷電性現像剤を使用したとき、本
発明は一層効果的になり、その際の負荷電制御剤として
は例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えばジ
ーターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体または亜
鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制御
剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加する
のが良い。
本発明に使用される磁性粒子としては、例えば表面酸
化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、
マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金ま
たは酸化物及びフェライトなどが使用できる。また、そ
の製造方法として特別な制約はない。
本発明においては、上記磁性粒子の表面を樹脂等で被
覆するが、その方法としては、樹脂等の被覆を溶剤中に
溶解もしけは懸濁せしめて塗布し磁性粒子に付着せしめ
る方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法が
いずれも適用できる。被覆層の安定のためには、被覆材
が溶剤中に溶解する方が好ましい。
上記磁性粒子の表面への被覆物質としては、トナー材
料により異なるが、例えば、アミノアクリレート樹脂、
アクリル樹脂、あるいはそれらの樹脂とスチレン系樹脂
との共重合体、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエ
チレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどが好適である
が、必ずしもこれに制約されない。
本発明に最適なものは、アクリル樹脂あるいはそれら
の樹脂とスチレン系樹脂との共重合体などである。
本発明に用いられる磁性粒子の材質として最適なの
は、98%以上のCu−Zn−Fe(組成比(5〜20):(5〜
20):(30〜80)の組成からなるフェライト粒子であっ
て、これは表面平滑化が容易で帯電付与能が安定し、か
つコートを安定にできるものである。
上記化合物の被覆量は、磁性粒子の帯電付与特性が前
述の条件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般に
は総量で本発明の磁性粒子に対し0.1〜30重量%(好ま
しくは0.3〜20重量%)である。
これら磁性粒子の重量平均粒径は35〜65μm、好まし
くは40〜60μmを有することが好ましい。さらに、重量
分布26μm以下が2〜6%であり、かつ重量分布35μm
〜43μm間が5%以上25%以下であり、かつ74μm以上
が2%以下であるときに良好な画像を維持できる。
本発明において、上述の磁性粒子とトナー粒子の混合
比率は現像剤中のトナー濃度として、2.0重量%〜9重
量%、好ましくは3重量%〜8重量%にすると通常良好
な結果が得られる。トナー濃度が2.0%以下では画像濃
度が低く実用不可となり、9%以上ではカブリや機内飛
散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
また、本発明においては、滑剤としての脂肪酸金属
塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミなど
またはフッ素含有重合体の微粉末、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等および
テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重
合体の微粉末あるいは、酸化セリウム、炭化ケイ素の如
き研磨剤あるいは、酸化スズ、酸化亜鉛等の導電性付与
剤を添加しても良い。
本発明に係るトナー粒子を作製するには、熱可塑性樹
脂を必要に応じて着色剤としての顔料又は染料、荷電制
御剤、その他の添加剤等をボールミルの如き混合機によ
り充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストル
ーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して
樹脂類を互いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又
は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び厳密な分級をおこな
って本発明に係るところのトナー粒子を得ることが出来
る。
以下に本発明において使用するトナーの特性値に係る
各測定法について述べる。
(1)摩擦帯電量測定: 第1図が摩擦帯電量測定装置の説明図である。先ず測
定しようとする粒子と現像剤として使用する磁性粒子の
混合物を作る。混合の比率はカラートナー及びトナー粒
子の場合には、磁性粒子95重量部に対して5重量部であ
り、流動性付与剤の場合には磁性粒子98重量部に対して
2重量部である。
測定しようとする粒子及び磁性粒子を測定環境に置い
て、12時間以上放置した後ポリエチレン製のビンに入
れ、十分混合、攪拌する。
次に、底に500メッシュ(磁性粒子の通過しない大き
さに適宜変更可能)の導電性スクリーン3のある金属製
の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとする粒子と磁
性粒子の混合物を入れ金属製のフタ4をする。このとき
の測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、
吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁
体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整
して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分
(約2分間)吸引を行ない測定しようとする粒子を吸引
除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)と
する。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)
とする。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW
2(g)とする。この摩擦帯電量T(μc/g)は下式の如
く計算される。
(2)見掛け粘度測定: フローテスターCFT−500型(島津製作所製)を用い
る。試料は60meshパス品を約1.0〜1.5g秤量する。これ
を成形器を使用し、100kg/cm2の加重で1分間加圧す
る。
この加圧サンプルを下記の条件で、常温常湿下(温度
約20〜30℃,湿度30〜70%RH)でフローテスター測定を
行い、湿度−見掛け粘度曲線を得る。得られたスムース
曲線より、90℃,100℃の見掛け粘度を求めそれを該試料
の温度に対する見掛け粘度とする。
RATE TEMP 6.0D/M(℃1分) SET TEMP 70.0DEG(℃) MAX TEMP 200.0DEG INTERVAL 3.0DEG PREHEAT 300.0SEC(秒) LOAD 20.0KGF(kg) DIE(DIA) 1.0MM (mm) DIE(LENG) 1.0MM PLUNGER 1.0CM2 (cm2) (3)DSCによる吸熱ピーク値測定: 本発明に於いては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定す
る。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量す
る。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空の
アルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜200℃の間で、
昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメイ
ンピークの吸熱ピークが得られた温度を、本発明の吸熱
ピーク値とする。
(4)疎水化度測定: メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有するシ
リカ微粉体の疎水化度を確認する実験的試験である。
処理されたシリカ微粉体の疎水化度を評価するために
本明細書において規定される“メタノール滴定試験”は
次の如く行う。供試シリカ微粉体0.2gを容量250mlの三
角フラスコ中の水50mlに添加する。メタノールをビュー
レットからシリカの全量が湿潤されるまでに滴定する。
この際フラスコ内の溶液はマグネチックスターラーで常
時攪拌する。その終点はシリカ微粉体の全量が液体中に
懸濁されることによって観察され、疎水化度は終点に達
した際のメタノールおよび水の液状混合物中のメタノー
ルの百分率として表わされる。
[実施例] 以下に実施例をもって本発明を詳細に説明する。尚、
「%」及び「部」は、重量%及び重量部を示す。
実施例1 プロポキシ化ビスフエノールと フマル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部 フタロシアニン顔料 5部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯塩 4部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、
3本ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練し、冷却
後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕し
た。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕
した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分
級して体積平均粒径が8.3μm,5μm以下が25個数%,12.
7μm〜16μmが1.6体積%,16μm以上が実質上0, である着色剤含有樹脂粒子(非磁性のトナー粒子)を得
た。
この粒子の見掛粘度は、90℃で6.00×105ポイズ、100
℃で1.1×104ポイズであった。
上記トナー粒子100部に対して、BET法による非表面積
が100m2/gであり、本実施例に用いる磁性粒子との帯電
量が−3μc/gであるアルミナ微粉体0.5部とヘキサメチ
ルジシラザンで乾式処理を行なった後、ジメチルシリコ
ンオイル(KF−96信越化学)で噴霧による処理を行な
い、次に第4−1図に示す解砕機で解砕したシリカ微粉
体(BET法による非表面積SA=160cm2/g、SA/Si=160/18
0=0.89)0.5部をあわせて外添した後、200メッシュの
ふるいでふるってシアントナーとした。このトナーのDS
Cの吸熱ピークは67.2℃であった。
参考のために、多分割分級機を用いての分級工程を第
2図に模式的に示し、該多分割分級機の断面斜視図(立
体図)を第3図に示した。
このシアントナー6部に対し、スチレン−メタクリル
酸メチル−アクリル酸2エチルヘキシル共重合体で表面
被覆したCu−Zn−Fe系フェライト粒子94部を混合して現
像剤とした。
このトナーの低温低湿環境(15℃,10%RH)における
帯電量,高温高湿環境(32.5℃,85%RH)における帯電
量を第1表に示す。
この現像剤を用い、市販の普通紙複写機(CLC−1キ
ヤノン製)をスリーブ周速280ミリ/secとなるよう改造
して、30,000枚のランニングテストを常温常湿(23℃,6
0%RH),低温低湿(15℃,10%RH),高温高湿(32.5
℃,85%RH)の各環境において行った結果、いずれの環
境においても十分な画像濃度の高画質が画像が得られ
た。
比較例1 流動性付与剤として、BET法による非表面積が220m2/g
であり、ジメチルジクロルシランで疎水化処理した後、
ジメチルシリコンオイルKF−96で噴霧による処理を行な
い、次に、第4−1図の解砕機で解砕したシリカ微粉体
(SA/Si=220/250=0.88)0.8部だけを使用したことを
除いては、実施例1と同様に行ったところ、低温低湿下
において、画像濃度が1.40から1000枚で1.20に低下し、
複写のランニングが進むにつれてさらに著しくなった。
比較例2 流動性付与剤として、BET法による非表面積が120m2/g
である帯電量−3μc/gのアルミナ微粉体1.0部だけを使
用したことを除いては、実施例1と同様に行ったとこ
ろ、複写のランニング中のトナー飛散が実施例1に比べ
て多く、また、画像にカブリを生じた。その後、トナー
濃度を3%に下げて、同様に行ったが、トナー飛散とカ
ブリは不満足なレベルであった。
比較例3 流動性付与剤として、BET法による比表面積が20m2/g
である帯電量+5μc/gの酸化チタン0.5部とBET法によ
る比表面積が250m2/gであり、ヘキサメチルジシラザン
で疎水化処理した後、ジメチルシリコンオイルで処理を
行ない、次に第4−1図に示す解砕機で解砕したシリカ
微粉体(SA/Si=250/300=0.83)0.5部をあわせて使用
したことを除いては、実施例1と同様に行ったところ、
磁性粒子との混合状態が悪く、十分摩擦帯電していない
トナー粒子が生じ、複写のランニングが500枚程度進ん
だあたりから画像にカブリが目立つようになった。ま
た、その後、トナー濃度の制御も不安定となったので、
ランニングテストを中止した。
比較例4 実施例1において流動性付与剤のうち、シリカ微粉体
を、ジメチルシリコンオイルだけで処理し次に、解砕処
理を行ったシリカ微粉体(比表面積=170m2/g(SA/Si
170/200=0.85))に変更したことを除いては、実施例
1と同様に行ったところ、低温低湿環境のランニングテ
ストで、画像濃度が初期の1.40に対して、500枚では1.1
5と低下し、その後も回復しなかった。また、500枚以降
の画像は、背景部のカブリが目立った。
比較例5 実施例1において流動性付与剤のうち、シリカ微粉体
を解砕処理をしていないシリカ微粉体(比表面積=140m
2/g(SA/Si=140/180=0.78))に変更したことを除い
ては実施例1と同様に行った。しかし、生産工程の外添
後に行うふるいがけ(200メッシュ)においてトナーの
通過性が悪く、実施例1に比べて約2倍の時間を費やし
た。また、ランニングテストでは、トナーと磁性粒子と
の混合状態が悪く、画像として、実施例1よりも約10V
カブリラチチュードが狭くなった。
実施例2 実施例1において、流動性付与剤のうち、シリカ微粉
体をヘキサメチルジシラザンで処理した後、オレフィン
変性シリコンオイル(KF−415信越化学)で処理を行
い、次に第4−1図に示す解砕機で十分解砕したシリカ
微粉体(比表面積=190m2/g(SA/Si=190/200=0.9
5))に変更したことを除いては、実施例1と同様に行
ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
実施例3 実施例1において、ローダミン系顔料を3部使用し、 体積平均粒径 8.5μm 5μm以下が 17 個数% 12.7〜16μm 2.6体積% 16μm以上 0.1体積% であるマゼンタ色のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に、BET法による比表面積が95m2/
gであって、帯電量が実質上の0μc/gのアルミナ微粉体
0.4部と、ジメチルジクロルシランで表面処理した後、
ジメチルシリコンオイルKF−96で表面処理しさらに、解
砕処理を行ったシリカ微粉体(BET法による比表面積230
m2/g(SA/Si=230/260=0.88))0.6部をあわせて外添
してマゼンタトナーとした。このトナーの見掛密度は0.
37g/cm3、見掛粘度は90℃で5.7×105,100℃で5.8×104
ポイズ,DSCの吸熱ピークは67.8℃であった。
上記トナー6部に対し、スチレン−アクリル酸共重合
体を表面被覆したフェライト粒子94部を混合して現像剤
とした。
この現像剤を用いて実施例1と同様に画出しを行なっ
たところ、実施例1同様良好な結果が得られた。
[発明の効果] 本発明によれば、高画質で良好な色再現性を有する画
像を得ることができる上、環境変動によっても良好な環
境特性を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は摩擦帯電量測定装置の説明図である。第2図は
多分割分級手段を用いた分級工程に関する説明図を示
し、第3図は多分割分級手段の概略的な断面斜視図を示
し、第4図は、本発明に用いる解砕機の一例を示す。 51……多分割分級装置、61……粗粉 62……所定の粒度を有する粉体 63……微粉、76……コアンダブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 375 361 (72)発明者 馬場 善信 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−129866(JP,A) 特開 昭63−83733(JP,A) 特開 昭59−33459(JP,A) 特開 平1−112253(JP,A) 特開 平1−100563(JP,A) 特開 昭63−125950(JP,A) 特開 昭59−33460(JP,A) 特開 昭63−231369(JP,A) 特開 昭58−185405(JP,A) 特開 昭63−139371(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)結着樹脂及び着色剤を含有する非磁
    性のトナー粒子と2種以上の無機酸化物を有するカラー
    トナーと(ii)磁性粒子とを有する現像剤に適用される
    カラートナーにおいて、 該カラートナーは、体積平均径が6〜10μmであり、
    5μm以下の粒径を有するトナー粒子が15〜40個数%含
    有され、12.7〜16.0μmの粒径を有するトナー粒子が0.
    1〜5.0体積%含有され、16μm以上の粒径を有するトナ
    ー粒子が1.0体積%以下含有され、6.35〜10.1μmのト
    ナー粒子が下記式 を満足する粒度分布を有し、かつ該トナーの見掛粘度が
    100℃において104〜5×105ポイズ、90℃において5×1
    04〜5×106ポイズの範囲にあり、DSCの吸熱ピーク値が
    58〜72℃であり、 該カラートナーは、該無機酸化物のうちの1種とし
    て、シランカップリング剤で表面処理された後、シリコ
    ンオイルで表面処理され、さらに凝集を解砕する工程を
    通っており、解砕工程を通った後のBET法による比表面
    積をSA、表面処理をする前のBET法による比表面積をSi
    とした時、SA/Si≧0.8を満足するシリカ微粉体Aを該ト
    ナー粒子に対してa重量%含有しており、かつ該無機酸
    化物のうちの1種として、該磁性粒子との摩擦帯電量の
    絶対値が20μc/g以下で、BET法による比表面積SBが30〜
    200m2/gの親水性無機酸化物Bを該トナー粒子に対して
    b重量%含有しており、該シリカ微粉体AのBET法によ
    る比表面積及び含有量と該親水性無機酸化物BのBET法
    による比表面積及び含有量とが下式 SA≧SB,0.3≦a+b≦1.5 を満足することを特徴とするカラートナー。
  2. 【請求項2】該トナー粒子の結着樹脂が、ポリエステル
    樹脂を主成分とし、該親水性無機酸化物がアルミナ及び
    /または酸化チタンであることを特徴とする請求項1に
    記載のカラートナー。
  3. 【請求項3】該カラートナーは、該トナー粒子と該無機
    酸化物を混合せしめた後、150メッシュ以上のふるいを
    通過させる工程を有する製造方法によって製造されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のカラートナー。
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