JPH0820747B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH0820747B2
JPH0820747B2 JP62257072A JP25707287A JPH0820747B2 JP H0820747 B2 JPH0820747 B2 JP H0820747B2 JP 62257072 A JP62257072 A JP 62257072A JP 25707287 A JP25707287 A JP 25707287A JP H0820747 B2 JPH0820747 B2 JP H0820747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真法や静電印刷法における画像形成
方法に関し、特に、電気的潜像又は磁気的潜像を現像す
るのに用いられる現像剤を改良し、画質を著しく改良し
た画像形成方法に関する。
電子写真法は、セレン,酸化亜鉛,硫化カドミウム等
の無機光導電性材料を、必要に応じて結着剤樹脂中に含
有させた光導電層又は感光板に静電潜像を形成させ、こ
れをトナーから成る現像剤により現像した後、紙やシー
ト等に転写し、次いで溶剤,熱,圧力などにより定着す
るものである。
[開示の概要] 本明細書及び図面は、電子写真法や静電印刷法で電気
的潜像又は磁気的潜像を現像するのに用いられる画像形
成方法において、現像剤が、微細な着色剤含有樹脂粒子
と、該着色剤含有樹脂粒子よりも粒径の小さい流動向上
剤と、粒径が前記着色剤含有樹脂粒子よりも小さくかつ
流動向上剤よりも大きい球形樹脂微粒子とを含有し、前
記着色剤含有樹脂粒子の100℃及び90℃における見掛粘
度を所定の範囲に保持し、前記流動向上剤が疎水化処理
された無機酸化物であり、前記球形樹脂微粒子の表面自
由エネルギー及びビッカース硬さが着色剤含有樹脂粒子
のそれらよりも小さくすることにより、使用時の安定
性,耐久性及び混色性に優れ、現像器や保存容器中で長
期間放置もしくは保存しても特性変化がなく、搬送し易
い現像剤により、飛散が少なく、充分な摩擦帯電性を有
する画像形成方法を提供する技術を開示するものであ
る。
[従来の技術] 電子写真法においては、現像の際にトナーとトナー担
持体との摩擦帯電性が重要である。即ちトナーの帯電量
が少ない場合には、トナーとトナー担持体との静電引力
が弱く、そのためトナー担持体からのトナーの遊離がわ
ずかな衝撃によって起り易く、画像上にカブリを生じ
る。また逆にトナーの帯電量が多すぎる場合には、現像
の際、トナー担持体からトナーが遊離しがたくなり、装
置に強電界が必要となるばかりでなく、現像性が低下
し、濃度ムラが生じる。したがってトナーの製造に際し
て、帯電量を好適な範囲に制御する必要がある。このト
ナーの帯電量を制御する目的で、一般には定着用樹脂と
着色剤の混合物に、主に染料から成る帯電制御剤を微量
添加する方法が採られているが、微量の帯電制御剤を均
一に分散することには困難さが併い、トナー自体の帯電
量にムラを生じてしまう欠点がある。
更に、別な物質を種々の目的で添加した現像剤を使用
する方法も公知である。例えば、特公昭48-8141号公報
には、低表面自由エネルギーの有機重合体微粉末を、残
余のトナーのクリーニング助長剤として混合した現像剤
が開示されている。また、特開昭46-5782号公報及び特
開昭48-47346号公報には、トナーが感光体表面あるいは
キャリア粒子表面に付着するのを防止するための研磨剤
として微粉状シリカを混合した現像剤が開示されてい
る。また、特開昭50-50042号公報には、圧力定着性トナ
ーに少量の微細シリカを混和し、トナーの流動性を改良
する方法が開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の如く、種々の目的で別な物質をトナー粒子と混
合する方法が知られているが、その共通な傾向として
は、特にトナー粒子の流動性を向上させる目的で、流動
向上剤を含有した現像剤が頻繁に用いられている。しか
しながら、このような現像剤を用いて多数枚複写をくり
返していると、流動向上剤を添加した効果が徐々に低下
し、トナーの流動性が悪くなり、画像濃度が薄くなっ
て、カブリ濃度が増大してくる。この現像方法は、複写
中に徐々に流動向上剤を追加するか、補充現像剤中の流
動向上剤を多めにすることにより改善が可能であること
がわかったが、このような操作を行うには、複写機の現
像機構を複雑にしなければならず、好ましくない。
一方、特開昭56-1946号公報には、トナー粒子の流動
性を維持し続けるために、流動向上剤としてシリカ微粒
子をトナーに内外で添加する方法が開示されている。確
かにこの方法によれば、トナーの流動性は長期にわたっ
て維持することが可能となるが、シリカ微粒子をトナー
粒子に内添させているためにトナー粒子の透明性が損わ
れ、カラートナー,特にカラーOHPで鮮明画像を得るた
めの透過性に優れたトナーには適用できない。
更に一方で、近年、装置の小型化・簡易化が要望され
ていて、現像効率を高めるために現像剤担持体部材と静
電潜像担持体部材との間に交流成分と直流成分を重畳し
たバイアス電界を高める現像方法が提案されているが、
単に現像効率を高めるだけでは例えば帯電が不十分であ
った場合、カブリや濃度ムラなどの画像劣化が生じてし
まう。
また、一般の現像機では、現像剤担持体上に現像剤を
塗布する際に現像剤の量を機械的あるいは磁気的に規制
しているが、帯電を迅速かつ安定に高めるためにはかな
り強い規制が必要となり、逆にトナーへのインパクトが
強くなり過ぎてトナー劣化を早め、現像剤寿命を縮めて
いるのが現状である。
本発明は、このような問題点に鑑み創案されたもの
で、使用時の安定性,耐久性及び混色性に優れ、現像器
や保存容器中で長期間放置もしくは保存しても特性変化
がなく、搬送し易い現像剤により、飛散が少なく、十分
な摩擦帯電性を有する画像形成方法を提供することを目
的とし、更に、トラペンでの透過性に優れたカラー現像
剤による画像形成方法を提供することをも目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明において、上記の問題点を解決するための手段
は、磁性粒子とトナー粒子を含有する2成分系現像剤を
現像剤担持体上に供給し、該現像剤担持体表面に塗布さ
れる現像剤の量を非磁性部材と磁性部材とで成る規制手
段により規制し、潜像担持体上の静電潜像に対応するト
ナー像を形成させる画像形成方法において、現像剤が、
微細な着色剤含有樹脂粒子と、該着色剤含有樹脂粒子よ
りも粒径の小さい流動向上剤と、粒径が前記着色剤含有
樹脂粒子よりも小さくかつ流動向上剤よりも大きい球形
樹脂微粒子とを含有し、前記着色剤含有樹脂粒子の100
℃及び90℃における見掛粘度が104〜5×105ポイズ及び
5×105〜5×106ポイズの範囲にあり、前記流動向上剤
が疎水化処理された無機酸化物であり、前記球形樹脂微
粒子の表面自由エネルギー及びビッカース硬さが着色剤
含有樹脂粒子のそれらよりも小さい画像形成方法による
ものとし、かつ前記規制手段の最終段階が非磁性ブレー
ド部材で成り、該非磁性ブレード部材と現像剤担持体と
の間隙が150〜900μmでかつ該非磁性ブレード部材とそ
の上流側に設けられた磁界発生手段のなす角度が0〜25
°でかつ該磁界発生手段の磁力が600ガウス以上である
ことを好適とし、更に、現像剤担持体と潜像担持体の間
に交番電界が印加されている現像領域に2成分系現像剤
の磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシを前記潜像担持体
の表面に摺接させ、前記現像領域における磁性粒子の体
積比率を1.5%〜30%の範囲内に規制することを好適と
し、更に、着色剤含有樹脂粒子がポリエステル樹脂から
成る負荷帯電性樹脂粒子であることを好適とする。
[作用] 本発明では、下記の諸点に着眼し、その結果として上
記の画像形成方法を提案するものである。
流動向上剤として流動付与機能の特に優れた粒径の小
さい無機酸化物を使用すると、該無機酸化物の硬さおよ
び粒径の小ささ故に、着色剤含有樹脂粒子内に埋め込ま
れやすくなる。この傾向は現像速度が速くなるほど、ま
た耐久が進むほど、そして現像剤塗布の規制が強いほど
顕著になってくる。これは、フルカラー用トナーのよう
に特に軟かく、シャープメルト性を要求される着色剤含
有樹脂粒子において殊更に問題となりやすい。
本発明においては流動向上剤として無機酸化物を使用
すると同時に球形樹脂微粒子を添加してこの問題に対処
する。
本発明に用いる球形樹脂微粒子は、粒径が無機酸化物
より大きいので着色剤含有樹脂粒子表面に存在している
無機酸化物がキャリアあるいは現像剤担持体との過度の
圧接により着色剤含有樹脂粒子内に埋めこまれるのを防
止する緩衝材の役割を果している。さらに、球形樹脂微
粒子はビッカース硬さが着色剤含有樹脂粒子のそれより
も小さいので二重の緩衝材の役割を果している。
一方、無機酸化物は球形樹脂微粒子内にも埋め込まれ
るよう働くが、球形樹脂微粒子はその表面自由エネルギ
ーの低さ故にその心配はほとんどない。また球形樹脂微
粒子は粒径が無機酸化物より大きく、形状が球形である
ため、混合の際に三者は均一に混り合い、球形樹脂微粒
子が偏在したり、流動性を妨げたりすることがない。そ
の結果、現像剤全体として非常に良好な流動性が維持さ
れ、なおかつ十分な帯電量が期待でき、良好な状態で現
像が行われる。また球形樹脂微粒子はトナーとして一諸
に現像され、消費されるので現像装置は従来から用いら
れているものが使用できる。
上記球形樹脂粒子の添加効果は着色剤含有樹脂粒子の
100℃及び90℃における見掛粘度が104〜5×105ポイ
ズ、5×104〜5×106ポイズの範囲にあるシャープメル
トのトナーに際して一層効果的である。
この無機酸化物および球形樹脂微粒子は公知所定の方
法で最終現像剤中に導入することができ、三者の物理的
混合状態を形成する。一般に無機酸化物は0.01〜10重量
部、球形樹脂微粒子は0.02〜20重量部であるとき満足な
結果が達成される。
[実施例] 以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明
する。
第1図は、本発明の画像形成方法を実施するのに好適
な現像装置の一例を示す構造図である。図において、1
は円筒形状の潜像担持体、2はその潜像担持体1に対向
する中空円筒形状の現像スリーブ、3は現像スリーブ3
に挿入された永久磁石(マグネット)、4は現像容器、
5は磁性粒子、6は磁性粒子容器、7は非磁性のトナー
粒子、8はトナー粒子容器、9はトナー供給部材、10は
非磁性ブレード、11は磁性粒子限定部材、12は磁性体、
13はシール部材、14は飛散防止電極板である。
潜像担持体1は静電記録用絶縁ドラムあるいはα−S
e,Cds,ZnO2,OPC,α−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ
感光ドラムもしくは感光ベルトである。潜像担持体1は
図示しない駆動装置によって矢印a方向に回転される。
2は潜像担持体1に近接もしくは接触されている現像ス
リーブであり、例えばアルミニウム、SUS316等の非磁性
材料で構成されている。現像スリーブ2は現像容器4の
左下方壁に容器長手方向に形成した横長開口に右略半周
面を容器4内へ突入させ、図中左方の略半周面を容器外
へ露出し、回転自在に軸支されて横設してあり、矢印b
方向に回転駆動される。
永久磁石3は、現像スリーブ2内で図示の位置姿勢に
位置決め保持され、現像スリーブ2が回転駆動されても
この磁石3は図示の位置・姿勢にそのまま固定保持され
る。この磁石3はN極の磁極3a,S極の磁極3b,N極の磁極
3c,S極の磁極3dの4磁極を有する。磁石3は永久磁石に
代えて電磁石を配設してもよい。
トナー供給部材9は現像スリーブ2内の永久磁石3に
より形成された磁性粒子のブラシ部分へトナーを供給す
る部材であり、回転自在に軸受した板金にゴムシートを
貼り付け、現像容器4の下面を掃くが如くトナーを搬送
する。トナー供給部材9には、トナー粒子容器8中の図
示されないトナー搬送部材によって、トナーが供給され
る。
非磁性ブレード10は、現像スリーブ2を配設した現像
剤供給器開口の上縁側に、基部を容器側壁に固定し、先
端側は開口上縁位置よりも現像容器4の外側へ突出させ
て開口上縁長手に沿って配設され、現像剤を規制するも
ので、例えばSUS316を横断面路への字形に曲げ加工した
ものである。
磁性粒子限定部材11は、非磁性ブレード24の下面側に
自らの上面を接触させ、前端面を現像剤案内面11aとし
て磁性粒子を限定する。
磁性体12は、現像剤スリーブ2を配設した現像容器4
下部からの磁性粒子5や非磁性トナー粒子7の漏出を防
止するために現像容器下部内面に現像スリーブ2に対向
して配設され、例えば鉄板にメッキを施したものであ
る。磁性体12とS極性の磁極3dとの間の磁界で磁性粒子
5の回収と漏れ防止を達成するシール効果が得られる。
シール部材13は、現像容器36下部部分に溜るトナー粒
子7を封止するもので、弾性を有し、現像スリーブ2の
回転方向に向って曲がっており、現像スリーブ2表面側
を弾性的に押圧している。このシール部材13は、現像剤
の容器内部側への進入を許可するように、現像スリーブ
2との接触域でスリーブ回転方向下流側に端部を有して
いる。
飛散防止電極板14は、現像工程で発生した浮遊現像剤
を現像剤と同極性の電圧を印加して感光体側に付着させ
飛散を防止する電極板である。
また、S磁極3dは、磁性体12との間に一方から他方に
磁界を形成するための磁性シール用磁界発生手段であ
り、磁性体12に対して一部分が対向する。磁性体12は、
現像容器4の現像剤収納部の実質的な端部で現像装置の
下方に位置し、この容器内周辺では回収されたキャリア
用磁性粒子5の移動によって、容器内下方に位置するナ
トー粒子7をスリーブ表面の現像剤中に取り込む。従っ
て、磁性粒子5の安定した回収は、現像能力を安定化す
る効果がある。
磁性体12は「く」ないし「L」字形状であり、鉄等の
永久磁化されていない磁性体や非磁性体を変形させるこ
とによって弱い磁性を帯びたものが好適である。又、磁
性体12として磁石を用いる場合は、スリーブへの対向面
が磁極3cの磁性Nとは異極のS極性でなければならな
い。また、磁石3dの磁性Sとは異極のN極性でなければ
ならない。
つまり、磁性体12は磁性粒子5の拘束を行いつつ磁性
粒子5の損失を防止し、さらに磁性粒子5の回収を容易
にするので、現像容器4内のトナー粒子7が容器内から
漏れるのを防止できる。
さらに、磁極3dを前記のごとく配置することによっ
て、磁極3aとの関係で別の好ましい効果が得られる。す
なわち、現像容器4の収納部底部と磁極3dとの上記関係
によって、磁気ブラシが(単に停滞している状態に比較
して)粗の状態で形成されないので、磁性粒子5中への
トナー粒子7の取込み量が過剰になることがない。過剰
取込みはトナーの帯電不足を招き、カブリ発生の原因と
なる。
なおこの構成は現像容器内に磁性粒子と非磁性あるい
は弱磁性のトナーが混在している場合にも有効である。
実験によると、現像スリーブ2と磁性体12との距離2.
5mmで、キャリア用磁性粒子5は完全に回収され、トナ
ー粒子7の漏れは全く見られず、安定した現像を達成で
きた。この領域に前記対向面が存在することは、磁極3d
の磁力を該対向面が適度に分散して、実質的にはこの領
域の磁力を高めることができるので、磁界シール効果が
増大しているものと考えられる。
非磁性ブレード10の端部と現像スリーブ2面との距離
は150〜900μm、好ましくは200〜800μmである。この
距離が150μmより小さいと後記する磁性粒子がこの間
に詰まり、現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な
現像を行うのに必要な現像剤を塗布することが出来ず、
濃度の薄いムラの多い現像画像しか得られない欠点があ
る。また900μmより大きいと、現像スリーブ2上へ塗
布される現像剤量が増加し、所定の現像剤層厚の規制が
行えず、潜像担持体1への磁性粒子付着が多くなると共
に後述する現像剤の循環、現像剤限定部材11による現像
規制が弱まり、トナーのトリボが不足しカブリやすくな
る欠点がある。
磁極3aの方向と非磁性ブレード10の方向とのなす角度
θは0〜25°、好ましくは5〜20°である。θ<0の場
合、現像剤に働く磁気力,鏡映力,凝集力等により形成
される現像剤薄層がまばらでムラの多いものとなり、θ
>25°を越えると、磁性粒子層の移動は現像剤の流動
性,磁気力,規制部材の拘束力によって決定されるが、
本発明においては、規制部に磁性体12を配設して、磁気
的な拘束力を強め、規制部における現像剤の圧縮度合を
高め、帯電付与性能を高めている。従って、トナー粒子
7は磁性粒子5もしくは現像スリーブ2からより大きな
インパクトを受けている。それ故に、流動性向上剤とし
ての無機酸化物は、その小ささと硬さ故にインパクトを
受けた際に着色剤含有樹脂粒子内に埋め込まれ易くなっ
てしまうのが普通であるが、本発明ではその点が解決さ
れたうえに、現像剤としての良好な流動性と帯電性を損
なわない材料として球形樹脂微粒子を添加するものであ
る。本発明に使用される球形樹脂微粒子としては、表面
自由エネルギー及びビッカース硬さのいずれもが着色剤
含有樹脂粒子のそれよりも小さいものであれば使用可能
で、例えば低分子量ポリエチレン,低分子量ポリプロピ
レンあるいはフッ素含有有機重合体などがある。
特に好ましい帯電特性を与える球形樹脂微粒子として
は、ポリフッ化ビニリデン,4フッ化エチレンなどのフッ
素含有有機重合体で、特に好ましくはポリフッ化ビニリ
デンが良好な結果を示す。
着色剤含有樹脂粒子への添加量は、該樹脂粒子100重
量部に対して0.02〜20重量部,好ましくは0.05〜10重量
部である。0.02重量部以下であると、緩衝材としての効
果がなく、20重量部以上であると、帯電特性が不均一に
なり、かぶりを助長するばかりでなく、カラーOHPにし
たときに、鮮明さが損なわれてしまう。
本発明においては、着色剤含有樹脂粒子の粒径をa,ビ
ッカース硬さをx,流動向上剤の粒径をb,球形樹脂微粒子
の粒径をc,ビッカース硬さをyとしたときに、 a>c>b かつ x>y であることが必要である。
これは、着色剤含有樹脂粒子と球形樹脂微粒子との間
隙に流動向上剤が存在したときに、x<yであると、流
動向上剤が着色剤含有樹脂粒子の内部に埋め込まれてし
まい、実質的に流動向上剤の量が減少したのと同じにな
り、流動性の低下、即ち現像剤の劣化を促進してしま
う。一方、x>yであると、流動向上剤は球形樹脂微粒
子に埋め込まれる方向に作用するが、球形樹脂微粒子は
表面自由エネルギーが小さいために、流動向上剤が球形
樹脂微粒子に埋め込まれることは殆どないので、現像剤
の長寿命化が達成される。
また、本発明の現像剤においては、着色剤含有樹脂粒
子と流動向上剤と球形樹脂微粒子の他に、キャリアを必
要とするが、一般に着色剤含有樹脂粒子の表面に流動向
上剤と球形樹脂微粒子が均一に分散しているので、着色
剤含有樹脂粒子とキャリアの間に流動向上剤と球形樹脂
微粒子とが存在することになる。このときc>bである
と、cがスペーサの役割を果し、キャリアが流動向上剤
を過度に着色剤含有樹脂粒子に押し付けるのを防止して
いて、現像剤の長寿命化と帯電の安定を達成できる。特
に良好な帯電特性を与えるのは、誘電率の高いポリフッ
化ビニリデンである。
本発明で使用される着色剤としては公知の染顔料でよ
く、例えばカーボンブラック,フタロシアニンブルー,
インダスレンブルー,ピーコックブルー,パーマネント
レッド,レーキレッド,ローダミンレーキ,ハンザイェ
ロー,パーマネントイェロー,ヘンジジンイェロー等広
く使用することができる。
その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対して
敏感に反応するように、結着樹脂100重量部に対して12
重量部以下であり、好ましくは0.5〜9重量部が望まし
い。
本発明に使用する結着物質としては、ポリスチレン,
ポリ−p-クロルスチレン,ポリビニルトルエン,スチレ
ン−p-クロルスチレン共重合体,スチレンビニルトルエ
ン共重合体等のスチレン及びその置換体の単独重合体及
びそれらの共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重
合体,スチレン−アクリル酸エチル共重合体,スチレン
−アクリル酸nブチル共重合体等のスチレンとアクリル
酸エステルとの共重合体;スチレン−メタクリル酸エチ
ル共重合体,スチレン−メタクリル酸エチル共重合体,
スチレン−メタクリル酸nブチル共重合体等のスチレン
とメタクリルエステルとの共重合体;スチレンとアクリ
ル酸エステル及びメタクリル酸エステルとの多元共重合
体;その他スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチ
レン−ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ブタ
ジエン共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共重合
体,スチレン−アクリルニトリルインデン共重合体,ス
チレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレンと他
のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリメチ
ルメタクリレート,ポリブチルメタクリレート,ポリ酢
酸ビニル,ポリエステル,ポリアミド,エポキシ樹脂,
ポリビニルブチラール,ポリアクリル酸,フェノール樹
脂,脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂,石油樹脂,塩素化
パラフィン等が単独または混合して使用できる。特に圧
力定着方式に供せられるトナー用の結着樹脂として低分
子ポリエチレン,低分子量ポリプロピレン,エチレン−
酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共
重合体,高級脂肪酸,ポリアミド樹脂,ポリエステル樹
脂等が単独または混合して使用できる。
本発明の実施上特に好ましい樹脂としては、スチレン
−アクリル酸エステル系樹脂,ポリエステル樹脂があ
る。
特に、次式 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yは
それぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2
〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体もし
くは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸
又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとから
なるカルボン酸成分(例えばフマル酸,マレイン酸,無
水マレイン酸,フタル酸,テレフタル酸,トリメリット
酸,ピロメリット酸など)とを少なくとも共縮重合した
ポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでよ
り好ましい。
特に、トラペンでの透過性の点で、90℃における見掛
粘度が5×104〜5×106ポイズ、好ましくは25×104
2×106ポイズ、より好ましくは105〜106ポイズであ
り、100℃における見掛粘度は104〜5×105ポイズ、好
ましくは104〜3.0×105ポイズ、より好ましくは104〜2
×105ポイズであることにより、透過性良好なカラーOHP
が得られ、フルカラートナーとしても定着性,混色性及
び耐高温オフセット性良好な結果が得られる。
特に90℃における見掛粘度P1と100℃における見掛粘
度P2との差の絶縁値が2×105<|P1-P2|<4×106
範囲にあるのが好ましい。
本発明では、上記範囲の見掛粘度を有する非常に軟ら
かい着色剤含有樹脂粒子に対しては、流動向上剤の劣化
防止及び埋込み防止に一層効果的である。
本発明に流動向上剤として使用される無機酸化物とし
ては、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、その
添加後に流動性が増加し得るものであれば、どのような
ものでも使用できる。例えば酸化亜鉛粉末、微粉末シリ
カ,酸化アルミナ等があり、またそれらにシランカプリ
ング剤,チタンカプリング剤,シリコンオイルなどによ
り疎水化の表面処理を施したものがよい。
特に好ましい流動向上剤としては、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわ
ゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもの
で、従来公知の技術によって製造されるものである。例
えば四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化
反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なも
のである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl 又、その製造工程において、例えば塩化アルミニウム
又は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属
酸化物の複合微粉体を得る事も可能であり、それらも包
含する。
その粒径は平均の一次粒径として、0.001〜2μの範
囲内である事が望ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2
μの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸
化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例え
ば以下の様な商品名で市販されているものがある。
AEROSIL 130 (日本アエロジル社) 200 300 380 TT600 MOX170 MOX 80 COK 84 Ca−O−SiL M- 5 (CABOT Co.社) MS- 7 MS-75 HS- 5 EH- 5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER-CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D-C Fine Silica (ダウコーニングCo.社) Fransol (Fransil社) さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の相酸化により生
成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉
体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理
したものが特に好ましい。
疎水化方法としてはシリカ微粉体と反応、あるいは物
理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理するこ
とによって付与される。
好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気
相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合
物で処理する。
その様な有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチルジシ
ラザン,トリメチルシラン,トリメチルクロルシラン,
トリメチルエトキシシラン,ジメチルジクロルシラン,
メチルトリクロルシラン,アリルジメチルクロルシラ
ン,アリルフェニルジクロルシラン,ベンジルジメチル
クロルシラン,ブロムメチルジメチルクロルシラン,α
−クロルエチルトリクロルシラン,ρ−クロルエチルト
リクロルシラン,クロルメチルジメチルクロルシラン,
トリオルガノシリルメルカプタン,トリメチルシリルメ
ルカプタン,トリオルガノシリルアクリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン,ジメチルエトキシシラン,
ジメチルジメトキシシラン,ジフェニルジエトキシシラ
ン,ヘキサメチルジシロキサン,1,3-ジビニルテトラメ
チルジシロキサン,1,3-ジフェニルテトラメチルジシロ
キサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を
有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合し
た水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
その処理シリカ微粉体の粒径としては0.003〜0.1μの
範囲のものを使用することが好ましい。市販品として
は、タラノックス‐500(タルコ社)、AEROSIL R-972
(日本アエロジル社)などがある。
着色剤含有樹脂粒子への添加量としては、該樹脂粒子
100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5
重量部である。0.01重量部以下では流動性向上に効果は
なく、10重量部以上ではカブリや文字のにじみ、機内飛
散を助長する。
本発明に係るトナーには、荷電特性を安定化するため
に荷電制御剤を配合しても良い。その際、トナーの色調
に影響を与えない無色または淡色の荷電制御剤が好まし
い。本発明においては、負荷電性現像剤を使用したと
き、一層効果的になり、その際の負荷電制御剤として
は、例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば
ジーターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体または
亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制
御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加す
るのが良い。
本発明に使用されるキャリアとしては、例えば表面酸
化または未酸化の鉄,ニッケル.銅,亜鉛,コバルト,
マンガン,クロム,希土類等の金属及びそれらの合金ま
たは酸化物及びフェライトなどが使用できる。又その製
造方法として特別な制約はない。
又、上記キャリアの表面を樹脂等で被覆することも可
能である。その方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中
に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せし
める方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法
がいずれも適用できる。
キャリア表面への固着物質としてはトナー材料により
異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン,モノク
ロロトリフルオロエチレン重合体,ポリフッ化ビニリデ
ン,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ジターシャー
リーブチルサリチル酸の金属錯体,スチレン系樹脂,ア
クリル系樹脂,ポリアミド,ポリビニルブチラール,ニ
グロシン,アミノアクリレート樹脂,塩基性染料及びそ
のレーキ,シリカ微粉体,アルミナ微粉末などを単独或
は複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこれに制約
されない。
上記化合物の処理量は、キャリアが前記条件を満足す
るよう適宜決定すれば良いが、一般には総量で本発明の
キャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは0.5〜20重量
%)が望ましい。
これらキャリアの平均粒径は10〜100μ、好ましくは2
5〜70μ、より好ましくは30〜65μを有することが好ま
しい。
本発明における球形樹脂微粒子を使用した際に良好な
帯電特性を与える特に好ましい態様としては、Cu-Zn-Fe
の3元系のフェライトであり、表面をフッ素系樹脂とス
チレン系樹脂の如き樹脂の組合わせ、例えばポリフッ化
ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂;
ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタア
クリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン系共重合
体;などを90:10〜20:80、好ましくは70:30〜30:70の比
率の混合物としたもので、0.01〜5重量%、好ましくは
0.1〜1重量%コーティングし、250メッシュパス,350メ
ッシュオンのキャリア粒子が70重量%以上ある上記平均
粒径を有するコートフェライトキャリアであるものが挙
げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:10)
が例示され、スチレン系共重合体としてはスチレン−ア
クリル酸2-エチルヘキシル(20:80〜80:20)、スチレン
−アクリル酸2-エチルヘキシン−メタクリル酸メチル
(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
上記コートフェライトキャリアは粒径分布がシャープ
であり、本発明のカラートナーキットに対し好ましい摩
擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効
果がある。
本発明に係るトナーと混合して二成分現像剤を調製す
る場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、
5.0重量%〜15重量%、好ましくは6重量%〜13重量%
にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が5.0
%以下では画像濃度が低く実用不可となり、15%以上で
はカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を
縮める。
以下、実施例及び比較例の各測定手段について述べ
る。
(1)見掛け粘度測定 フローテスターCFT-500型(島津製作所製)を用い
る。試料は60meshバス品を約1.0〜1.5g秤量する。これ
を成形器を使用し、100kg/cm2の加重で1分間加圧す
る。
この加圧サンプルを下記の条件で、常温常湿下(温度
約20〜30℃,湿度30〜70%RH)でフローテスター測定を
行い、湿度−見掛け粘度曲線を得る。得られたスムース
曲線より、90℃,100℃の見掛け粘度を求めそれを該試料
の温度に対する見掛け粘度とする。
RATE TEMP 6.0D/M(℃1分) SET TEMP 70.0DEG(℃) MAX TEMP 200.0DEG INTERVAL 3.0DEG PREHEAT 300.0SEC(秒) LOAD 20.0KGF(kg) DIE(DIA) 1.0MM(mm) DIE(LENG) 1.0MM PLUNGER 1.0CM2(cm2) (2)ビッカース硬さの測定 ビッカース硬度は、明石製作所製微小硬度計(MVK-
F)を用いて測定することができる。硬度測定方法はJIS
Z2244に準拠したものであり、この方法においては、印
加重量が10gで所要時間が15秒となるように負荷速度を
設定し、試験温度23±5℃にて測定する。
実施例1 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得ら
れたポリエステル樹脂 100 フタロシアニン顔料 5 含クロム有機錯体 4 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、3本
ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練し、冷却後ハ
ンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いで
エアージェット方式による微粉砕機で40μm以下の粒径
に微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を分級して本
発明の粒度分布となるように2〜23μmを選択し、着色
剤含有樹脂粒子を得た。
この見掛粘度は90℃で6.0×105ポイズ100℃で1.1×10
4ポイズであった。ビッカース硬さは約20であった。
上記着色剤含有樹脂粒子100重量部に0.5重量部のヘキ
サメチルジシラザンで処理したシリカ微粉末(粒径0.1
〜0.2μ)と0.3重量部のポリフッ化ビニリデン(粒径0.
5〜0.7μビッカース硬さ約13)を外添添加しシアントナ
ーとした。
このシアントナー10重量部に対し、ビニリデンフルオ
ライド−テロラフルオロエチレン共重合体(共重合モル
比8:2)とスチレン−アクリル酸−2-エチルヘキシルメ
タクリル酸メチル(共重合モル比(45:20:35)を50:50
の重量比率で0.5重量%コーティングしたCu-Zn-Fe系フ
ェライトキャリアを総量100重量部になるように混合し
現像剤とした。) 上記現像剤を使用し、第1図に示した現像装置を現像
スリーブとカットブレードとの間隙を650μに設定し
て、キャノン製PC-10型複写機の反転現像用の改造機に
組み込み、感光ドラム1(有機感光材料)とスリーブ22
の表面との間隔を450μmとした。感光ドラムと現像ス
リーブとの周速差はほぼ0である。現像スリーブは外径
寸法20mmを用い、感光ドラムは外径寸法60mmを用いた。
感光ドラムはOPCドラムを用い−600Vの帯電潜像電位−1
50Vの露光潜像電位とした。バイアス電源4として周波
数1800Hz,ピーク対ピーク値1400Vの交流電圧に−500Vの
直流電圧を重畳させたものを用いて現像を行った。
その結果カブリのない画像濃度1.5の非常に良好な結
果が得られた。
このときVbackを振ってカブリラチチュードを調べた
ところ、標準のVback−100V設定に対して70V余裕があっ
た。さらに3000枚の連続耐久を行ったところ、ラチチュ
ードは40Vの余裕と若干悪くなったが、十分に実用に耐
えるもので、標準設定ではまったく問題なかった。
また、カラーOHPを作製し、投影像を見たところ、鮮
明な像が得られた。
さらに、低温低湿下(20℃/10%)高温高湿下(30℃/
80%)で、3000枚の連続耐久を行ったところ、初期から
良好な画像が得られた。
比較例1 ポリフッ化ビリニデンを使用しないこと以外は実施例
1と同様に画出しを行ったところ、初期Vbackラチチュ
ードは70Vで実施例1と同様であったが、2000枚の連続
耐久を行ったところ、カブリラチチュードは10Vと実施
例1に比べて40V狭くなった。画像濃度も初期1.5あった
のが1.2と低下した。
参考のためにシリカ微粉末ポリフッ化ビニリデンを使
用しないで着色剤含有樹脂粒子だけで画出ししたとこ
ろ、初期は画像濃度1.4でカブリも良好であったが500枚
の連続耐久後は画像濃度1.0でカブリも非常に悪くなっ
てしまった。すなわち、実施例1において、比較例1よ
りもカブリが良く、画像濃度が高く維持されているの
は、シリカ劣化およびシリカの埋め込みが防止されたか
らと考えられる。
比較例2 ビッカース硬さ約7,粒径1〜2μのポジ帯電性のポリ
アミド樹脂粒子を使用すること以外は実施例1と同様画
出しを行ったところ、初期は画像濃度1.6、カブリも良
好であったが、300枚くらいからガフリが目立ち始め、
画像濃度も1.1まで低下してしまった。これはポリアミ
ド樹脂粒子の表面自由エネルギーが大きいためにシリカ
劣化および埋め込みに対して防止効果が少ないためと考
えられる。
比較例3 ビッカース硬さ約45、粒径1〜2μの尿素樹脂粒子を
使用する以外は実施例1同様画出しを行ったところ初期
は画像濃度1.5、カブリも良好であったが、500枚くらい
からカブリが目立ち始め、画像濃度も1.0まで低下し
た。これは尿素樹脂粒子がビッカース硬さが高いため、
表面自由エネルギーが低くても効果が長続きしなかった
ためと考えられる。
実施例2 ビッカース硬さ約4、粒径1〜2μの4フッ化エチレ
ンを使用すること以外は実施例1と同様画出しを行った
ところ実施例1に比べてカブリラチチュードは約10V狭
いものの画像濃度も1.5で耐久性も良好であった。
実施例3 ビッカース硬さ約8、粒径2〜3μの低分子量ポリプ
ロピレンを使用すること以外は実施例1と同様に画出し
を行ったところ実施例1に比べて若干劣るものの実施例
2と同様良好な結果が得られた。
実施例4 粒径1〜2μのアルミナ微粉末、粒径2〜4μのポリ
フッ化ビニリデンを使用すること以外は実施例1と同様
に画出しを行ったところ良好な結果が得られた。
比較例4 粒径2〜3μのアルミナ微粉末、粒径1〜2μのポリ
フッ化ビニリデンを使用すること以外は実施例1と同様
な画出しを行ったところ、10000枚連続耐久後でカブリ
ラチチュードが10V、画像濃度が1.1と低下した。これ
は、アルミナ微粉末の方法がポリフッ化ビニリデンより
も粒径が大きいためにポリフッ化ビリニデンのスペーサ
ーとしての効果がないためと考えられる。
以上、実施例1〜4、比較例1〜4の結果を第1表に
示す。
[発明の効果] 以上、説明したとおり、本発明によれば、使用時の安
定性,耐久性及び混色性に優れ、現像器や保存容器中で
長期間放置もしくは保存しても特性変化がなく、搬送し
易い現像剤により、飛散が少なく、充分な摩擦帯電性を
有する画像形成方法を提供することができ、更に、トラ
ペンでの透過性に優れたカラー現像剤による画像形成方
法を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図である。 1…潜像担持体、2…現像スリーブ、3…永久磁石、4
…現像容器、5…磁性粒子、6…磁性粒子容器、7…ト
ナー粒子、8…トナー粒子容器、9…トナー供給部材、
10…非磁性ブレード、11…磁性粒子限定部材、12…磁性
体、13…シール部材、14…飛散防止電極板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性粒子とトナー粒子とを含有する2成分
    系現像剤を現像剤担持体上に供給し、該現像剤担持体表
    面に塗布される現像剤の量を非磁性部材と磁性部材とで
    成る規制手段により規制し、潜像担持体上の静電潜像に
    対応するトナー像を形成させる画像形成方法において、
    現像剤が、微細な着色剤含有樹脂粒子と、該着色剤含有
    樹脂粒子よりも粒径の小さい流動向上剤と、粒径が前記
    着色剤含有樹脂粒子よりも小さくかつ流動向上剤よりも
    大きい球形樹脂微粒子とを含有し、前記着色剤含有樹脂
    粒子の100℃及び90℃における見掛粘度が104〜5×105
    ポイズ及び5×105〜5×106ポイズの範囲にあり、前記
    流動向上剤が疎水化処理された無機酸化物であり、前記
    球形樹脂微粒子の表面自由エネルギー及びビッカース硬
    さが着色剤含有樹脂粒子のそれらよりも小さいことを特
    徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】規制手段の最終段階が非磁性ブレード部材
    で成り、該非磁性ブレード部材と現像剤担持体との間隙
    が150〜900μmで、かつ該非磁性ブレード部材とその上
    流側に設けられた磁界発生手段とのなす角度が0〜25°
    でかつ該磁界発生手段の磁力が600ガウス以上であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の画像形成
    方法。
  3. 【請求項3】現像剤担持体と潜像担持体の間に交番電界
    が印加されている現像領域に2成分系現像剤の磁気ブラ
    シを形成し、該磁気ブラシを前記潜像担持体の表面に摺
    接させ、前記現像領域における磁性粒子の体積比率を1.
    5%〜30%の範囲内に規制することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項もしくは第2項のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】着色剤含有樹脂粒子がポリエステル樹脂か
    ら成る負荷帯電性樹脂粒子であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項もしくは第2項のいずれかに記載の画
    像形成方法。
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