JP2760629B2 - 分解輸送形変圧器 - Google Patents

分解輸送形変圧器

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は分解輸送形変圧器に係り、特に輸送時の重量
寸法を大幅に低減するための変圧器巻線の輸送に関する
ものである。
(従来の技術) 近年来電力需要の増大に伴い送電系統も500kV送電な
どと高電圧化するとともに、送変電用に使用される変圧
器も大容量化,大形化している。また送電距離が長大化
しており、変圧器も輸送条件が一段と厳しい山間地に据
付けることが多く、その輸送重量,寸法の大幅な縮小が
望まれている。従来例えば300MVA級3相変圧器の場合、
3個の単相変圧器に分割輸送し、現地で3相一括タンク
あるいはダクトで単相変圧器を接続し、3相接続を行う
ことにより3相変圧器として構成する方法がある。一方
都市部における送変電所は地価の高騰、騒音問題などに
より立地条件が悪化の一途をたどっているため省スペー
スならびに騒音防止の観点からいわゆる地下変電所が増
加している。
これらの輸送あるいは設置の条件を緩和するために、
工場で組立てられた変圧器を鉄心脚、鉄心、上下ヨー
ク、コイル及び分割タンク等に分解輸送し、現地で再組
立を行う方法がある。
(発明が解決しようとする課題) 300MVA級変圧器の3相分割輸送の場合においては、単
位変圧器の輸送重量は、約50トン程度に低減するのが限
度である。又一般的に巻線は鉄心1脚に対して複数本の
巻線で構成されているため各々の巻線を軸方向に均等で
かつ強固に締付けておかないと、輸送時の衝撃力で巻線
がゆるみ破損する恐れがある。このため現地組立時に巻
線を強固に固定した構造物を分解したり詳細な点検が必
要となり再組立するために長時間を要し、変圧器中身の
絶縁物が吸湿するために再乾燥する設備が必要になる。
特に地下変電所においては高湿度が予想されるため、コ
イルの絶縁強度に対する信頼性が著しく低下する。
本発明は上記の点を考慮してなされたもので、その目
的とするところは、大容量変圧器において、分解輸送さ
れるユニット輸送重量を300MVA級変圧器の重量および寸
法を大幅に低減するとともに、現地における組立作業の
簡略化、作業時間の低減をはかった分割輸送油入変圧器
を提供することにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するために本発明によれば、重量物
でかつ衝撃に対して弱い巻線を鉄心脚単位に分解し、輸
送用タンクに収納して輸送する場合、輸送用タンク内面
に円筒または多角筒形支持物を立てて固着し巻線を円筒
軸方向に挿入した後、巻線最内径側絶縁筒と筒形支持物
の間に間隔片を挿入して固定し巻線端板を締付け金具で
締付け筒形支持物に固定して、輸送ならびに組立を容易
にしたことを特徴とするものである。
(作 用) このように変圧器の中身部分を構成する鉄心および巻
線を各々別々に分解し、別タンクにて輸送する。この場
合巻線をタンクに固着した。筒形支持物に挿入して間隔
片で隙間を埋め巻線の半径方向を強固に支持するととも
に、軸方向をタンクと締付け金具で挟み込み強固に締付
けて輸送することになる。このように単純な構成でしか
も強剛性を得られるため、輸送時における巻線の破損が
防止できる上、輸送寸法や重量を低減することができ
る。
さらに現地における分解・組立作業が改善され、組立
時間を大幅に短縮することができる。
(実施例) 以下本発明の弁解輸送形変圧器の一実施例を説明す
る。第2図において例えば鉄心2に巻線1が挿入された
一般的な変圧器中身の巻線1を鉄心2から抜き取り、第
1図に示す様に下部タンク3と上部タンク4で構成した
輸送用タンクに収納して輸送する場合、下部タンク3の
底板面に金属製の円筒又は多角筒のシリンダ、即ち筒形
支持物5を溶接あるいはボルト類で固定しシリンダ5の
下端部周囲に支持板9を設けて、巻線1をシリンダ5の
軸方向に添って挿入して支持板9の上に載せる。シリン
ダ5と巻線1の間には間隔片10を挿入して隙間を埋め、
シリンダ5の上端には複数のネジを切った座6を取付け
ておき、巻線1上端部を締付け金具7aで押さえ付けてボ
ルト8で座6に固定した後上部タンク4で蓋をして輸送
する。一方現地での分解組立時は上部タンク4を外し、
ボルト8、締付け金具7aおよび間隔片10を取外し、巻線
1をシリンダ5から抜き取って第2図に示す鉄心2に再
び挿入して中身を組立てる。
このような輸送形態をとることにより輸送用タンク3,
4内に巻線1を強固に固定できるため輸送時の衝撃力に
よる巻線1の破損、巻線1のゆるみを防止できる上、現
地の分解は締付け金具を外しシリンダから巻線1を抜き
取るという単純な作業になり後期を短縮することができ
る。
次に本発明の他の実施例を第3図、第4図を参照して
説明する。第1図、第2図と同一部分には同一符号を記
し、その説明は省略する。
第3図は巻線1の上部に締付け金具7bを載せ、シリン
ダ5上端の座6に固定金具12をボルト8で固定する。締
付け金具7bと固定金具12の間に巻線1を締付ける固定ボ
ルト11を置く。
この様に構成することにより、巻線1の高さ寸法が異
なる場合でも巻線1を強固に固定することが可能とな
り、汎用性の高い輸送用タンクになり輸送費用がより安
価になる。
第4図は第1図の構成を横向きにした場合の例で締付
け金具7aと上部タンク4の間に固定片13を挿入固定する
と共に、上部タンク4にマンホール14を設けたものであ
る。
この様に構成することにより、巻線1をシリンダ5に
挿入し締付け金物7aで巻線1を締付け固定した後、上部
タンク4を取り付けた状態でマンホール14から固定片13
を取付けることができる。これにより巻線を横向にして
輸送することができるため、巻線の高さと直径の比率か
ら最適な輸送形能を選択できるメリットが生じ輸送が容
易になる。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、輸送用タンクに巻線の固定シリン
ダを固着させ巻線を挿入し、締付け金具で巻線を強固に
固定したことにより、輸送時の衝撃による巻線の破損を
防止できる上構成が単純なため輸送寸法や重量を低減で
きると共に、悪環境下における現地組立時間を大幅に削
減することができるので、信頼性の高い分解輸送形変圧
器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による分解輸送形変圧器を示
す断面図、第2図は一般的な変圧器の中身構成を示す正
面図、第3図及び第4図は本発明の他の実施例を示す断
面図である。 1……巻線、2……鉄心 3……下部タンク、4……上部タンク 5……筒状支持物、6……座 7a……締付け金具、8……ボルト 9……支持板、10……間隔片

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻線を各相毎に分解して輸送タンクに納め
    て輸送する分解輸送形変圧器において、輸送タンク内部
    底面に筒状支持物を固定し、巻線の内径部をこの筒状支
    持物に挿入し、タンク底面で受けると共に、巻線上部に
    締付け板を乗せ前記筒状支持物に締付け板を締付けるこ
    とにより巻線を輸送タンク内部底面と締付け板との間に
    締付けて輸送することを特徴とする分解輸送形変圧器。
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