JP3436805B2 - 分解輸送変圧器 - Google Patents

分解輸送変圧器

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JP3436805B2 JP24361194A JP24361194A JP3436805B2 JP 3436805 B2 JP3436805 B2 JP 3436805B2 JP 24361194 A JP24361194 A JP 24361194A JP 24361194 A JP24361194 A JP 24361194A JP 3436805 B2 JP3436805 B2 JP 3436805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送変電用に使用される
分解輸送変圧器に係り、特にその変圧器タンクの構成に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電力需要の増大にともなって、送
変電用に使用される変圧器も高電圧化および大容量化し
ている。このため、都市部での用地取得は益々困難とな
り、輸送条件が一段と厳しい山間地に据え付けることが
多くなっている。したがって、変圧器の輸送寸法の縮小
化および重量の軽量化は重要な課題となっている。従
来、このような山間地などに設置する変圧器としては、
分解輸送変圧器が用いられてきた。この分解輸送変圧器
とは、次のようなものである。すなわち、一旦工場で組
み立てを完了した後、輸送時に鉄心、コイル、上下部タ
ンクなどの各部分に分解し、この分解部分を現地まで一
般の低床トレーラで輸送し、現地でこれらを再組立する
というものである。このような分解輸送変圧器によっ
て、輸送条件が厳しい山間地でも高電圧、大容量変圧器
を据え付けることが実現可能となった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、変圧器は変
圧器タンク内に絶縁油とともに鉄心、コイルなどを収納
して構成されている。このうち、変圧器本体について
は、鉄心を4個のU字形鉄心ユニットに、コイルは各相
の3個の組立ユニットに分解することが可能である。し
たがって、大容量変圧器において一般の低床トレーラで
輸送することに何ら問題は生じない。一方、変圧器タン
クは、組立時や運転中に作用する内外の圧力に耐える必
要性から、変圧器機器部品の中で最大形状となる。例え
ば、500kV、1000MVA級変圧器では、タンク
の大きさは幅約3.7m、高さ約4.5m、長さ約12
mとなる。一方、低床トレーラでの輸送制限は、幅、高
さ共3.2m、長さ11mまでである。したがって、こ
の条件からもタンクの分割輸送は必須事項であることは
明らかである。しかしながら、タンク内壁面の各3相の
コイル正面にはタンクの過熱防止用磁気シールドが取り
付けられるため、この範囲におけるタンクの分割は制約
を受けざるを得ない。また、複雑な分割方法では現地で
の再組み立て作業が非効率的となるばかりか組み立て作
業に伴って発生する塵などの異物により、変圧器の品質
が低下してしまうという可能性が生じる。したがって、
低床トレーラでの輸送および再組み立て作業が容易であ
るようにタンクを分割構成することは困難であった。
【0004】このうち、変圧器本体については、鉄心を
4個のU字形鉄心ユニットに、コイルは各相の3個の組
立ユニットに分解することが可能である。したがって、
大容量変圧器において一般の低床トレーラで輸送するこ
とに何ら問題は生じないため、本件では特に触れないも
のとする。
【0005】本発明は上記のような従来技術の問題点を
解決するために提案されたものであり、その主な目的
は、高電圧および大容量の分解輸送変圧器タンクの最大
輸送サイズ、重量を大幅に低減することによって輸送の
容易化を図ると共に、分解範囲を最小限にとどめて現地
での組立工期の短縮と組立品質の向上が実現可能な分解
輸送変圧器を提供することである。
【0006】具体的には、請求項1の発明の目的は、変
圧器タンクを高さ方向について3分割、さらに中央部タ
ンクは少なくとも2個以上に分割可能とし、組立時およ
び輸送時における変圧器サイズおよび重量の大幅な低減
化を実現可能とすることである。また、分割部はコイル
正面を避けて設け、磁気シールドを分断することなく取
り付けることを可能とすることである。
【0007】請求項2の発明の目的は、左右のコ字形タ
ンクのみの組み立てを可能として、磁気シールドやタッ
プリード等をタンクに組み込んだまま輸送し、現地組み
立てを簡便化することである。
【0008】請求項3の発明の目的は、変圧器タンク内
外に張り出すフランジ内部の締め付け固定用穴で各分割
タンクを締め付け固定させ、再組立時にはフランジ外部
を溶接して固定することにより、分割部分の強度および
油密特性を向上させることである。
【0009】請求項4の発明の目的は、補強材の適切配
置によって強度特性を向上させ、中央部タンクの補強ビ
ーム形状の縮小による輸送サイズ低減が可能とすること
である。
【0010】請求項5の発明の目的は、変圧器タンクか
ら負荷時タップ切換器を独立させて、組立時および輸送
時における変圧器サイズおよび重量の大幅な低減化を実
現可能し、さらに現地組立作業の省略と組立品質の向上
を図ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、複数個に分割可能な変圧
器タンクに上下ヨーク部を有する鉄心およびコイルを収
納してなる分解輸送変圧器において、変圧器タンクを高
さ方向について上部タンク、中央部タンクおよび下部タ
ンクの3個の分割タンクに分割し、分割タンクの分割部
を鉄心の上下ヨーク部の内側位置よりそれぞれ上下外側
に対向する位置とし、中央部タンクの両短尺面の幅方向
について少なくとも2個以上の分割タンクに分割するこ
とを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の中
央部タンクの両短尺面において、左右のコ字形タンクと
中間パネルに分割することを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の分割タンクの分割部において、変圧器タンク内外
に張り出すフランジを設け、変圧器タンク内部に張り出
すフランジに締め付け固定用の穴を設け、外部に張り出
すフランジがタンク組み立て時における溶接部となるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項4記載の分解輸送変圧器のタンク
は、請求項1,2または3記載の本発明の変圧器タンク
の垂直方向の周囲に少なくとも1本以上の補強材を配置
し、中央部タンクの水平方向の周囲に固定された補強材
と直交して連結することを特徴とする。
【0015】請求項5記載の分解輸送変圧器のタンク
は、請求項1,2,3または4記載の分解輸送変圧器が
前記変圧器タンクとは独立して負荷時タップ切換器を収
納する負荷時タップ切換器用タンクを有し、中央部タン
クの片側短尺面に負荷時タップ切換器用タンクとの接続
手段が2か所設けられていることを特徴とする。
【0016】
【作用】上記のような構成を有する請求項1記載の発明
では、分割タンク中最大サイズとなる中央部タンクがさ
らに分割されるため、大容量タンクにおいても幅3.2
m以下、分割タンクの分割位置の選定により高さ3.2
m以下とすることが可能となる。また、分割部を鉄心の
上下ヨーク部の内側位置よりそれぞれ上下外側に対向す
る位置としてコイル正面を避けたことによって、コイル
からの漏れ磁束を収束するための磁気シールドを分断す
ることなく中央部タンクに取り付けることが可能とな
り、分解輸送時に中央部タンクから取り外す必要性も生
じない。
【0017】請求項2記載の発明は、中央部タンクの両
短尺面において、左右のコ字形タンクと中間パネルに分
割することにより、左右のコ字形タンクを互いに組み合
わせて、磁気シールドやタップリード等をタンクに組み
込んだまま輸送することが可能となる。
【0018】請求項3の記載の発明は、変圧器タンク内
外に張り出すフランジにおいて、フランジ面でガスケッ
トを挟んでフランジ内部をボルトで締め付け固定し、再
組み立て時にはさらに外部を溶接することによって分割
タンクをフランジ内外周部分で確実に据付保持すること
ができる。
【0019】請求項4記載の発明では、補強材を変圧器
タンクの縦横に配置、固定してそれぞれを連結させたこ
とによって、変圧器タンクの強度特性を向上させ、中央
部タンクの補強ビーム形状の縮小による輸送サイズ低減
が可能となる。
【0020】請求項5記載の本発明は、変圧器タンクか
ら独立した負荷時タップ切換器タンクを中央部タンクの
片側短尺面に設けられた2か所の接続手段によって中央
部タンクと接続することによって、中央部タンク内部へ
のタップリードの組込輸送と中央部タンク高さを有効に
活用し、現地タップリード接続作業が容易となり、組み
立て品質を向上させる。
【0021】
【実施例】以下、本発明による分解輸送変圧器タンクの
実施例について、添付図面にしたがってを具体的に説明
する。なお、図1から図10において、同一部分には同
一符号を付すものとする。
【0022】(1)第1実施例の構成 図1から図9に示す本実施例は請求項1から5に対応す
る本発明の分解輸送変圧器タンクである。
【0023】図4に示されるように、本実施例における
分解輸送変圧器は、本体タンク4と負荷時タップ切換器
9が収納された負荷時タップ切換器タンク10から構成
され、両者は各タンクの高さ方向において中央部に設け
られる1対の接続ダクト20によって接続される。この
本体タンク4内には図1に示されるとおり、変圧器本体
を構成する鉄心1とコイル2が絶縁油3とともに収納さ
れており、さらに本体タンク4内壁のコイル2に対向す
る部位には漏れ磁束を収束するための磁気シールド7が
取り付けられている。また、コイル2は鉄心1のヨーク
部1a、1b間に配置される。
【0024】このような本体タンク4は高さ方向につい
て3分割に分割可能な構成とし、分割タンクは上部から
順に上部タンク6A、中央部タンク5、下部タンク6B
とする。また、上部タンク6Aと中央部タンク5、およ
び中央部タンク5と下部タンク6Bはそれぞれ各分割タ
ンクに設けられる水平タンクフランジ8b1 または8b
2 において接続される。この水平タンクフランジ8
1 ,8b2 は、鉄心1におけるヨーク部1a,1bに
対してコイル2と反対側位置で対向するように配置され
る。したがって、図1に示されるようにS1 >0,S2
>0となるようにする。
【0025】本体タンク4の幅方向の外周において、中
央部タンク5の接続ダクト20を避ける位置には補強ビ
ーム11が水平方向に上下2段に溶接16される。さら
に、本体タンク4の高さ方向の外周において、鉄心1と
垂直方向に、上部タンク6Aの天板部には固定ビーム1
2A、下部タンク6Bの底部には12Bがそれぞれ1対
ずつ溶接16され、これら補強ビーム11および固定ビ
ーム12A,12Bと直行して且つ固定ブーム12A,
12Bの両端を支持した1対の縦補強材13が、前記補
強ビーム11および固定ブーム12A,12Bと連結さ
れる。なお、補強ビーム11は中央部タンク5の分割部
に合わせて分割可能な構成を有するものとする。
【0026】中央部タンク5は横方向に4分割に分割可
能な構成とし、図2および図3に示されるように、中央
部タンク5の両短尺面において左右のコ字形タンク5
A,5Bをおよび1対の中間パネル5Cに分割される。
このコ字形タンク5Aと中間パネル5C、および中間パ
ネル5Cとコ字形タンク5Bはそれぞれ各分割タンクに
設けられる垂直フランジ8a1 または8a2 において接
続される。また、前記本体タンク4と負荷時タップ切換
器タンク10を接続する1対の接続ダクト20は、コ字
形タンク5A,5Bの短尺面に設けられる。したがっ
て、コイル2より引き出される多本数のタップリード1
8は、コイル2に対向する両側のコ字形タンク5A,5
Bの長尺側内面に支持されて、その後2か所の接続ダク
ト20に分離されて導かれ、負荷時タップ切替器9と接
続される。
【0027】上記分割タンクである上部タンク6A、中
央部タンク5、下部タンク6B、および左右のコ字形タ
ンク5A,5B、中間パネル5C部分における各接続フ
ランジにおける接続部分の詳細を図5から図7に示し
た。
【0028】垂直フランジ8a1 ,8a2 および水平タ
ンクフランジ8b1 ,8b2 の1対の各接続フランジは
本体タンク4内外部に張り出す構成を有するものとす
る。この本体タンク4内側における各接続フランジの張
り出し部には、図5に示されるように、本体タンク4の
長尺方向に沿って複数個のボルト穴15が設けられる。
このような各接続フランジは、互いに接する各フランジ
の平面部でガスケット14a,14bを挟み、本体タン
ク4内側の各接続フランジの張り出し部に設けられるボ
ルト穴15においてボルトによって締め付けられて接続
される。
【0029】(2)第1実施例における組み立て方法 上記のような構成を有する本実施例の分解輸送変圧器に
おける分解輸送時の組み立て構成、および輸送後の現地
組み立て構成を順に説明する。
【0030】分解輸送時には、まず縦補強材13および
材本体タンク4が一旦各ユニットに分解され、変圧器本
体が取り出される。変圧器本体については、鉄心1が4
個のU字形鉄心ユニットに、コイル2が各相の3個の組
み立てユニットに分解される。その後、図8に示される
ように、分解された中央部タンク5において中間パネル
5Cを除いた左右のコ字形タンク5A,5Bが垂直フラ
ンジ8a1 と8a2 において組み合わされる。この接続
部は図9に示されるように、垂直フランジ8a1 ,8a
2 の互いに接する平面部でガスケット14aが挟まれ、
本体タンク4内の張り出し部に設けられているボルト穴
15においてボルトによって締めつけられる。そしてこ
の左右のコ字形タンク5A,5Bの上下の開口部には、
それぞれ輸送カバー17が取り付けられる。
【0031】輸送後の現地組み立て時には、分解輸送時
に組み立てられた左右のコ字形タンク5A,5Bは分解
され、再度中間パネル5Cを含めて本体タンク4が組み
立てられる。次に、図5に示されるように水平タンクフ
ランジ8b1 ,8b2 それぞれの互いに接する平面部で
ガスケット14aが挟まれ、ボルト穴15においてボル
トによって締めつけられる。その後、この本体タンク4
外側における垂直フランジ8a1 ,8a2 および水平タ
ンクフランジ8b1 ,8b2 の各1対の張り出し部が、
図6に示されるように溶接16されて一体化される。そ
の後、縦補強材13が補強ビーム11および固定ブーム
12A,12Bと連結される。
【0032】(3)第1実施例の作用効果 以上のような構成を有する本実施例の分割輸送タンクの
製作にあたって懸念される主な問題は、低床トレーラー
での輸送可能な大きさおよび重量の実現可能性、分割に
伴う変圧器タンクの強度および機能性維持の可否、およ
び再組み立て時の簡便性である。これらの点に留意しつ
つ、本実施例が有する作用効果を下記に記載する。
【0033】まず、本実施例では図2に示されるよう
に、負荷時タップ切換器9は、本体タンク4とは別に独
立した負荷時タップ切換器タンク10に収納されてい
る。仮に、この負荷時タップ切換器9を本体タンク4に
収納した場合、大容量変圧器ではタンクの長尺面の長さ
が12m以上にも達し、一般低床トレーラで輸送するこ
とは難しい。したがって、本実施例のように負荷時タッ
プ切換器タンク10を独立させることによりタンクの長
尺面の長さにおける制約を解消することが可能となる。
【0034】また、本体タンク4は高さ方向について3
分割される構成を有する。したがって、500kV−1
000MVA級大容量変圧器におけるタンクの高さは約
4.5mになるが、本実施例では最小中央部タンク高さ
を確保しつつ且つ一般低床トレーラでの輸送制限高さ
3.2m内で各分割部タンクを構成することができ、タ
ンクの高さについての制約を解消することができる。な
お、上部タンク6A、下部タンク6Bは高さ寸法が小さ
いため、輸送する際にはタンク幅方向を傾斜させてトレ
ーラ上に立てて積載することによって輸送時の高さのみ
ならず、幅制限に関しても3.2m以内とすることが可
能である。一方、各分割タンク中最大形状となる中央部
タンク5は、さらにその短尺な面において4分割に分割
される構成とするために大幅なサイズの縮小が実現し、
1000MVA級以上の大容量変圧器の場合でも一般低
床トレーラでの輸送制限幅3.2m内での輸送が可能と
なる。
【0035】なお、高さ方向について3分割される本体
タンク4の上下の垂直フランジ位置は、鉄心1の上下ヨ
ーク部内側位置に対しさらに上下外側とされ、S1 >
0,S2 >0とされる。したがって、本体タンク4の磁
気シールド取り付け位置は中央部タンク5内壁面のコイ
ル2対向部分とされる。これらによって磁気シールド7
が分断されることなくコイルの漏れ磁束を効果的に吸収
し、タンク壁の局部加熱を防止することが可能となる。
【0036】上記のような本体タンク4と負荷時タップ
切換器タンク10との接続は、コイル2より引き出され
た多本数のタップリード18はコイル2面に対向する両
側のコ字形タンク5A,5B内壁面でそのまま支持され
て、コ字形タンク5A,5Bに設けられる2カ所の接続
ダクト5aで行われ、多本数のタップリード18は2カ
所で負荷時タップ切換器9側と接続される。このような
多本数のタップリード18の現地での接続は、2箇所に
分散して行われるため、接続作業を広いスペースで短時
間で行うことが可能となり、現地組み立て品質の向上が
図れる。
【0037】以上のような本実施例では、再組み立て時
におけるタンクの分割による強度の低下およびそれに伴
う機能、品質の低下について懸念がなされてしかるべき
である。しかしながら、各分割タンクに設けられる垂直
フランジ、水平フランジは本体タンク4内外に張り出し
た平面部においてガスケット14a,14bを挟んで組
み立てられる。現地組み立てに際しては、本体タンク4
内部の各フランジ部はボルトで固定され、本体タンク4
外部の各フランジ部の外周は溶接16により強固に連結
シールされて一体化される。したがって、タンク強度お
よび油密特性を確保し向上させたタンクを得ることがで
きる。なお、図8,図9に中央部タンク5の輸送状態が
示されているように、コ字形タンク5A,5Bは垂直フ
ランジ8b1 ,8b2 で組み合わされ、上下に輸送カバ
ー17が取り付けられて密封されることにより、コ字形
タンク5A,5Bに取り付けられた磁気シールド7やタ
ップリード18をそのまま組み込んだ状態で現地まで輸
送することも可能となる。
【0038】また、一般にタップード18の長さが10
mを超える大容量変圧器タンクでは、高さ方向について
3分割することにより変圧器組み立てや運転中に加わる
内外の圧力に耐える断面形状を有する補強ビームをタン
ク周囲に配置することは困難となる。しかしながら、本
実施例では強度条件上最も過酷となる本体タンク4の長
尺な面およびタンク分割部の継目部の強化目的で短尺な
面に補強ビーム11が溶接され、これと直交する固定ビ
ーム12A,12Bおよび縦補強材13が本体タンク4
周囲に連結配置される。この結果、本体タンク4は内外
の圧力に対する十分な強度特性を有すると共に、補強ビ
ーム11の断面形状を大幅に縮小し、中央部タンク5の
輸送重量、サイズを縮小することが可能となる。
【0039】現在、一般低床トレーラによる分解輸送変
圧器は、その構成部品中で最大形状であるタンクの輸送
制約でその適用制限が抑えられている。しかしながら、
上記のような本実施例によれば、500kV,1000
〜1500MVA級変圧器タンクの一般低床トレーラに
よる輸送が可能となり、分割に伴う変圧器タンクの強度
および機能性維持の可否、および再組み立て時の簡便性
に対する問題点を解消し、且つ輸送費を大幅に低減した
分解輸送変圧器の適用範囲を大容量変圧器まで拡大する
ことが実現可能となる。
【0040】(4)他の実施例 図10は、本発明の第2の実施例を示したものである。
【0041】第1実施例では、磁気シールド7は中央部
タンク5内壁面のコイル2に対向した部位に配置される
構成であるが、第2実施例では上部タンク6A、下部タ
ンク6Bの長尺部垂直面あるいは傾斜面の大部分に、中
央部タンク5に取り付けられる磁気シールド7の配置に
合わせてアルミニウムあるいは銅製の電磁シールド19
が取り付けられる。これにより、さらにタンク局部過熱
防止効果を高めることが可能となる。
【0042】なお、本発明の分割輸送タンクは上記のよ
うな構成に限定されるものではなく、その形状、配置お
よび数量は適宜変更されることが可能である。例えば、
第1実施例では中央部タンク5の短尺な面での分割は両
面とも2箇所としたが、1箇所であっても同様の効果を
得ることは可能である。また、縦補強材13も本実施例
では2本設けられているが、その本数は強度が維持でき
る範囲であれば限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】上記のような本実施例では、高電圧、大
容量変圧器に分解輸送方式を適用する際に最大の難点と
なる、変圧器構成部品の中で最大形状である変圧器タン
クの安全且つ確実な輸送が可能となる。すなわち、本発
明によれば、高電圧、大容量変圧器タンクの一般低床ト
レーラでの輸送が実現可能となり、分割に伴う変圧器タ
ンクの強度および機能性維持の可否、および再組み立て
時の簡便性に関する問題も解消することができる。従っ
て、鉄心、コイル、タンク全ての変圧器部品を道路補強
工事を行うことなく、工場から現地発変電所まで一般ト
レーラで輸送することが可能となり、輸送コストの大幅
な低減と、道路補強工事のための調査、検討時間の削減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における分解輸送変圧器タンクと変
圧器本体の関係を示し、図4におけるD矢視図からの断
面図である。
【図2】第1実施例における分解輸送変圧器タンクと変
圧器本体の関係を示し、図4X−Xにおける上方向から
の断面図である。
【図3】第1実施例における分解輸送変圧器タンクの側
面図且つ図4におけるD矢視図である。
【図4】第1実施例における分解輸送変圧器の正面図で
ある。
【図5】第1実施例における分解輸送変圧器タンクの短
尺面の分割部拡大断面図である。
【図6】図5のA矢視図である。
【図7】第1実施例における分解輸送変圧器タンクの短
尺面の分割部拡大図且つ図5のB矢視図である。
【図8】第1実施例における分解輸送時の中央部タンク
組み立て側面図である。
【図9】第1実施例における分解輸送時の分解輸送変圧
器タンクの短尺面の分割部拡大断面図である。
【図10】第2実施例における分解輸送変圧器タンクと
変圧器本体の関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1…鉄心 1a…ヨーク部 1b…ヨーク部 2…コイル 3…絶縁油 4…本体タンク 5…中央部タンク 5A…コ字形タンク 5B…コ字形タンク 5C…中央部パネル 6A…上部タンク 6B…下部タンク 7…磁気シールド 8a1 …水平タンクフランジ 8a2 …水平タンクフランジ 8b1 …垂直タンクフランジ 8b2 …垂直タンクフランジ 9…負荷時タップ切換器 10…負荷時タップ切換器タンク 11…補強ビーム 12A…固定ビーム 12B…固定ビーム 13…縦補強材 14a…ガスケット 14b…ガスケット 15…ボルト 16…溶接 17…輸送カバー 18…タップリード 19…電磁シールド 20…接続ダクト

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個に分割可能な変圧器タンクに上下
    ヨーク部を有する鉄心およびコイルを収納してなる分解
    輸送変圧器において、 前記変圧器タンクを高さ方向について上部タンク、中央
    部タンクおよび下部タンクの3個の分割タンクに分割
    し、前記分割タンクの分割部を鉄心の上下ヨーク部の内
    側位置よりそれぞれ上下外側に対向する位置とし、前記
    中央部タンクの両短尺面の幅方向について少なくとも2
    個以上の分割タンクに分割することを特徴とする分解輸
    送変圧器。
  2. 【請求項2】 前記中央部タンクの両短尺面において、
    左右のコ字形タンクと中間パネルに分割することを特徴
    とする請求項1記載の分解輸送変圧器。
  3. 【請求項3】 前記分割タンクの分割部において、前記
    変圧器タンク内外に張り出すフランジを設け、前記変圧
    器タンク内部に張り出すフランジに締め付け固定用の穴
    を設け、外部に張り出すフランジがタンク組み立て時に
    おける溶接部となることを特徴とする請求項1または2
    記載の分解輸送変圧器。
  4. 【請求項4】 前記変圧器タンクの垂直方向の周囲に少
    なくとも1本以上の補強材を配置し、前記中央部タンク
    の水平方向の周囲に固定された補強材と直交して連結す
    ることを特徴とする請求項1,2または3記載の分解輸
    送変圧器。
  5. 【請求項5】 前記分解輸送変圧器が前記変圧器タンク
    とは独立して負荷時タップ切換器を収納する負荷時タッ
    プ切換器用タンクを有し、 前記中央部タンクの片側短尺面に前記負荷時タップ切換
    器用タンクとの接続手段が2か所設けられていることを
    特徴とする請求項1,2,3または4記載の分解輸送変
    圧器。
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