JP2759831B2 - プレス形成方法 - Google Patents

プレス形成方法

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JP2759831B2
JP2759831B2 JP27346389A JP27346389A JP2759831B2 JP 2759831 B2 JP2759831 B2 JP 2759831B2 JP 27346389 A JP27346389 A JP 27346389A JP 27346389 A JP27346389 A JP 27346389A JP 2759831 B2 JP2759831 B2 JP 2759831B2
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英行 宮原
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、打抜き後にバリ取り作業等を必要とせず、
その打抜き面を著しく滑らかに仕上げることができる、
プレス成形方法に関するものである。
(従来の技術) プレスの打抜き加工によって成形する製品は多数あ
る。たとえば比較的厚い板材を打抜いて電気製品のシャ
ーシ板にする場合がそれであり、また多数枚を積層して
トランスやモータ等のコアにする場合もある。その他に
も各種の用途に供されるものがあるが、いずれのものも
プレス機で剪断すると、その端面には必ずバリが生ずる
ので、これを除去する仕上げ工程が必要となる。
(発明が解決しようとする課題) このようなことから行なう仕上げ工程は、従来サイド
ペーパーあるいはオイルストーンを用いた手作業で行な
うか、またはバフ仕上機を用いて行なっていた。このよ
うに手作業等で仕上げ加工をするには、その作業に熟達
した作業者が必要となり、また作業に多大の時間がかか
ることになる問題があった。そしてワークがトランスや
モータ等のコアのように積層するものでは、その1枚1
枚についてバリ取り作業を行なわなければならないこと
から、作業性が悪く、コストアップになる問題があっ
た。
本発明はこのような問題点の解決を目的として成され
たものであり、何らの仕上げ加工も必要とせず、プレス
工程のみで剪断後の端面粗度をきわめて小さくできるプ
レス成形方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記課題を解決するための手段として、平
板からなるブランク1の両側から、突出部2,4,5が相互
に位置をずらしてあり、該突出部2,4,5の幅が該突出部
2,4,5の間に形成される隙間9,10,11の幅より大きくした
上下両側の型3,6を押し当て、該両側の型3,6の前記突出
部2,4,5が当接する直前で停止させることにより、前記
ブランク1の前記型3,6に挟まれた部分を硬化1aさせる
押込み工程と、該押込み工程によって得た前記ブランク
1の凸部1bを、角部20aを面取りして対向させた、対を
成す第2の型(上型13および下型14)に押圧挿入するこ
とにより、該ブランク1を抜き上げる仕上げ抜き工程と
から成るプレス成形方法を得たものである。
(作用) このような方法によれば、最初の押込み工程によって
硬化した部分が、次の仕上げ抜き工程において抜かれる
ときの角の部分になるから、型の動きに引きずられるこ
とにより生ずるバリが、その硬度によって生じないこと
になる。
(実施例) 次に、本発明に係るプレス成形方法を図を用いて説明
する。第1図において1はブランクであり、平板状のも
のである。このブランク1の上側には、突出部2を有す
る上型3が設けられ、下側には突出部4,5を有する下型
6が位置している。これら上型3と下型6とは、ブラン
ク1を上下方向から同時に挟むものである。したがって
上下両型3,6に、これを進退させるための駆動機構を設
けてもよいが、たとえば下型6は固定し、上型3のみが
昇降するように、片方のみが動くようなものとしても良
い。
これら上下の両型3,6において、上型3の突出部2と
下型6の突出部4,5とは、図示するように、相互に位置
がずらしてある。そして上型3の突出部2と両側の肩部
7,8との間に形成される隙間9,10は、下型6の突出部4,5
より幅狭に形成されており、下型6の突出部4,5の間に
形成される隙間11は、上型3の突出部2より幅狭に形成
されている。
このような上型3と下型6とを同時に駆動し、あるい
は一方を前述のように固定しておいて他方を駆動し、ブ
ランク1を挟み込み、この挟み込みが進行したところで
両側の型の前記突出部2,4,5が当接する直前(寸法D)
で停止させることにより、前記ブランク1の上型3と下
型6に挟まれた、符号1aで示す部分(第2図参照)を硬
化させることができる。この工程を押込み工程と称する
こととする。次に、この押込み工程によって得たブラン
ク1の凸部1bを、角部を面取りして対向させた、対を成
す第2の型のうちの上型13と下型14とで打抜き作業をす
る。この上型13には突出部15が設けられており、下型14
の突出部16,17に挟まれる隙間18に対向させてある。そ
して上型13の突出部15と、その外側の肩部19,20に挟ま
れる隙間21,22の幅寸法を、下型14の突出部16,17の幅寸
法に対応させてある。
このような形状と寸法関係に製作した第2の型である
上型13と下型14とを、上下に適当間隔離して位置させ、
その間に、前述の押込み工程を経たブランク1をセット
する。そして図示しない駆動機構によって上型13と下型
14とを近接させると、第3図に示すようにブランク1の
凸部1bが上型13の隙間21,22に食込み、外周部が削られ
ることになる。上型13と下型14とは、前述のようにどち
らを駆動してもよいが、この仕上げ抜き工程では、便宜
上、下型14が上昇するものとすると、この下型14をさら
に上昇させることにより、第4図に示すように目指すワ
ーク23を得ることができる。このワーク23は、第2図に
符号1bで示した凸部が上型13の隙間21,22によって絞ら
れるために形成されるものである。一般に、ブランクが
型から抜けるときには、型の動きに引きずられることに
より、その終端部にバリを生ずることになるが、本発明
においては、まず押込み工程を行なってブランク1に部
分的な硬化部分(符号1aで示す部分)を形成するので、
この硬化部分がバリを発生させないことになる。すなわ
ち、打抜き後にバリ取り作業等を必要とせず、その打抜
き面を著しく滑らかに仕上げることができることにな
る。
第5図および第6図は、第2の型のうちの上型13の肩
部19(20)の形状を示すものである。このうち第5図の
ものは、角部19a(20a)を小円形(アール形状)にし、
ブランク1の隙間21,22への挿入時の抵抗を和らげるよ
うにしてあり、第6図のものは同様部分を斜めにカット
しているものである。これらは、いずれの形状にしても
よいが、使用するブランク1の材質あるいは厚さ等によ
って適宜選択するのがよい。
以上説明した実施例において、各部の寸法定数を便宜
上符号A〜Dを付して説明すると、A(第3図ならびに
第4図参照)は最終仕上げ寸法であり、BはAに、仕上
げ抜き工程での削り代を加えた寸法、CはBに、押込み
工程で抜けない程度の寸法を加えた寸法、Dはブランク
1に硬化部分13を形成するためのものであり、この値が
小さいほど最終製品の剪断面が大きくなるものである。
(発明の効果) 本発明は、以上説明したように構成されたプレス成形
方法であるから、次のような効果がある。
破断面がきわめて少なく、面粗度1.5S以下の滑らか
な剪断面が得られる。
ダレ込み、歪がきわめて少なく、製品のフラットが
出やすい。
端面の加工精度がきわめて良好であることから、端
面に近い孔、ピッチ間の少ない隣接孔、板厚より小さ
な、あるいは板厚より狭い形状の加工ができる。
最初の工程でブランクの硬化を行なうため、柔らか
く、粘りのある材料でも、バリ、カエリを少なくするこ
とができる。
押込み工程により破断を起きにくくするため、硬く
て破断の出やすい材料でも剪断量を多く、破断量を少な
くすることができる。
ファインブランキング等、特殊な装置を使わずに、
一般的なプレス機械での加工が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明方法の手順を示す断面図、
第5図および第6図は上型の肩部を拡大して示す側面図
である。 1……ブランク 1a……硬化部分 2,4,5……突出部 3,13……上型 6,14……下型 7,8,19,20……肩部 9,10,11,21,22……隙間

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板からなるブランクの両側から、突出部
    が相互に位置をずらしてあり、該突出部の幅が該突出部
    の間に形成される隙間の幅より大きくした上下両側の型
    を押し当て、該両側の型の前記突出部が当接する直前で
    停止させることにより、前記ブランクの前記型に挟まれ
    た部分を硬化させる押込み工程と、該押込み工程によっ
    て得た前記ブランクの凸部を、角部を面取りして対向さ
    せた、対を成す第2の型に押圧挿入することにより、該
    ブランクを抜き上げる仕上げ抜き工程とから成るプレス
    成形方法。
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