JP3696656B2 - 打抜き加工方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は打抜き加工方法に係り、とくに金属板を打抜いて金属片から成る部品を作製するのに適用して好適な打抜き加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス打抜きによって小さな金属製の部品を製作する場合に、従来は図5に示すようにして打抜きを行なうようにしていた。すなわちダイ1上に金属板から成る材料を載置するとともに、パンチ2を下降させることによって、ダイ1上の金属板を打抜いて金属片3を打抜くようにしていた。
【0003】
この場合にパンチ2によって剪断された金属片3の切断面は切断の開始時にえぐり取られて形成される傾斜面4と、パンチ2によって剪断された剪断面5と、剪断面5の下側に位置し、むしり取られた面から成る破断面6とによって構成されるとともに、破断面6の下側にはバリ7が形成されるようになっていた。とくに上記剪断面5は通常金属片3の板厚の1/3〜1/2とされており、しかもその表面には縦筋が発生するのが常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこのような打抜きは、図5に示すダイ1とパンチ2との間のクリアランスのギャップGを打抜く金属板の板厚の5〜10%程度の値に設定して行なうようにしており、このために金属片3の切断面は傾斜面4と剪断面5と破断面6とから構成されるとともに、さらにバリ7が発生するようになっていた。
【0005】
このためにプレス打抜きによる切断面を図6に示す案内部材8のガイド溝9と接触させながら金属片3を摺動させて使用すると、剪断面5の部分が板厚の半分以下しかないために、接触面積が少なく、さらに剪断面5に発生する縦筋によって、相手側の案内部材8がプラスチックのような軟らかい部材である場合には、案内部材8のガイド溝9の部分を削ることになる。また相手側の案内部材8が金属製の部材の場合には、動作の際にゴリ感を発生する。またガイド溝9内を摺動するために要する力量が大きくなければならない等の不具合が発生する。
【0006】
このような不具合を防止するためには、プレス打抜きの後にバレル工程を追加し、金属片3の剪断面5の縦筋を滑らかに仕上げるようにしている。あるいはまた金属片3にメッキ等の表面処理を行ない、プレス打抜き面の面粗度を上げるようにしている。さらにはまたプレス打抜き面であって案内部材8のガイド溝9との接触面にグリスを塗布するようにしている。しかしこの何れの対策もコストアップの要因となり、一般的にはプレスの打抜き面を摺動面として使うには不適当であった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、プレスの打抜き面が相手方の部材を削ったり動作の際にゴリ感を発生したりすることがなく、あるいはまた摺動動作に要する力量が小さくて済むようにした金属片の打抜き加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ダイに対するパンチのクリアランスを0.03mm以下とし、このパンチによって所要の寸法よりも、板厚をtとするときに、打抜き方向と直交する方向に5t/100の値だけ小さく金属片を打抜くようにし、打抜かれた金属片をプレス加工によって押潰し、パンチによって剪断された側端面を金型の内周囲の当接壁面に押当てて平滑な面に仕上げる表面加工を行なうようにしたものである。
【0009】
とくにダイに対するパンチのクリアランスを0.01mm以下とすることが好ましい。
【0010】
打抜かれた金属片をプレス加工によって押潰すプレス加工用の上下のパンチ型の互いに対向する面にそれぞれ突部を形成しておき、これらの突部によって金属片を押潰して剪断された側端面を金型の内周囲の当接壁面に押当てるようにしてよい。また金型の内周囲の当接壁面を鏡面にしておくことにより、プレス加工によってこの鏡面から成る当接壁面に押当てられる金属片の対応する側端面が光沢面になる。
【0011】
【作用】
打抜き工程において所要の寸法よりも、板厚をtとするときに、打抜き方向と直交する方向に5t/100の値だけ小さく打抜かれた金属片がプレス加工によって押潰され、パンチによって剪断された側端面が金型の内周囲の当接壁面に押当てられて平滑な面に仕上げられる。
【0012】
【実施例】
以下本発明の一実施例に係る加工方法を図面に基いて説明する。この技術は、従来技術の不具合要因であるプレス打抜き面の接触面積の板厚分の確保および該面の縦筋の光沢面化および面粗度の向上を目的とし、不具合防止のための2次加工を省略し得る方法に関するものである。
【0013】
本実施例の方法は基本的には順送り型対応とし、そのスペースの範囲内で実現される。第1ステージにおいては図1に示すように、ダイ15とパンチ16とによって打抜き加工を行ない、金属板の材料から金属片17を打抜く。
【0014】
通常金型のパンチ16のダイ15に対する適正クリアランスは材料となる金属片の板厚の5〜10%であるのに対し、ここでは金属片17を打抜くための金属板の板厚に関係なく、片側のクリアランスを0.03mm以下とし、より好ましくは0.01mmとする。すなわち通常よりもはるかに小さなクリアランスに図1のGのギャップを設定する。
【0015】
このような状態においてダイ15に対してパンチ16を下降させると、金属片17の側端面の板厚の全面が剪断面になる。さらにここでは金属板の打抜き寸法は、必要とする寸法に対して板厚の5%程度小さくしており、ひとまわり小さく打抜くようにしている。
【0016】
次に第2ステージで光沢面仕上げ加工を行なう。この仕上げ加工は図2に示す金型20と、上側のパンチ型21と下側のパンチ型22とによって行なう。上下のパンチ型21、22にはそれぞれそれらの下面および上面に突部23、24が設けられている。また金型20の内周囲の当接壁面25が鏡面から構成されている。
【0017】
このように金型20は必要寸法の当接壁面25を有し、この壁面25を鏡面仕上げとしてさらにコーティング仕上げを行なうようにしている。また上側のパンチ型21および下側のパンチ型22を備え、これらにそれぞれ突部23、24を設け、これらの突部23、24によって金属片17を強圧するようにしている。
【0018】
所要の寸法よりもひとまわり小さく打抜かれた金属片17は図3に示すように上下のパンチ型21、22によって強圧されるとともに、それらの突部23、24によって塑性変形し、鏡面仕上げされた金型20の当接壁面25に金属片17の剪断された側端面が当り、このために金属片17の打抜き剪断面の縦筋は圧縮され、この金属片17の剪断面に対して金型20の当接壁面25が転写されることになる。従って金属片17はその剪断面が光沢面26に加工されることになる。なお上下のパンチ型21、22の突部23、24によって図4に示すように金属片17の上部と下部とにはそれぞれ凹部27、28が形成されることになる。
【0019】
このように本実施例に係る打抜き加工方法は、板金の順送り型プレス加工において、第1ステージで打抜き加工を行なうとともに、その際に抜きパンチ16とダイ15とのクリアランスを小さくして0.01mmとし、金属片17の切断面の板厚の全面を剪断面とするものである。またこの抜き寸法を所要の寸法対して板厚の5%程度小さくし、ひとまわり小さな形で打抜く。
【0020】
次に第2ステージで光沢面仕上げ加工を行なう。この際に金型20はワークの外形の所要寸法の当接壁面および突部23、24を有する上下のパンチ型21、22を具備するようにしている。これらの突部23、24によって金属片17を強圧し、必要寸法よりもひとまわり小さく打抜かれた材料を塑性変形させて所要寸法の当接壁面25に押当てるようにしている。この当接壁面25は鏡面仕上げされており、金属片17の剪断面の縦筋が圧縮されるとともに、鏡面が転写される。これによって抜き剪断面の光沢仕上げが実現される。
【0021】
このような金属片17の光沢仕上げ面から成る側端面は他部品との摺動面として使用することが可能になり、従来剪断面を摺動面として使用するために行なっていたバレル工程、メッキ、グリス塗布等の2次加工が不要になってコストダウンの効果を生ずる。また板金の剪断面を摺動面として使用することが可能になるために、設計の自由度が大幅に向上するとともに、従来のように別の摺動用部材を必要としなくなる。なおここで金属片17としては鉄、真鍮、アルミニウム、ステンレス等の各種の金属板を打抜いて製作したものであってよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ダイに対するパンチのクリアランスを0.03mm以下とし、該パンチによって所要の寸法よりも、板厚をtとするときに、打抜き方向と直交する方向に5t/100の値だけ小さく金属片を打抜き、打抜かれた金属片をプレス加工によって押潰し、パンチによって剪断された側端面を金型の内周囲の当接壁面に押当てて平滑な面に仕上げる表面加工を行なうようにしたものである。
【0023】
従って本発明によれば、打抜きの際の小さなクリアランスによって側端面のほぼ全面を剪断面とすることができるとともに、この剪断面をプレス加工によって表面加工することにより、平滑な面に仕上げることが可能になる。従って後からメッキやバレル加工等の2次加工を行なう必要がなくなり、部品の製作のコストの低減が図られることになる。また板厚をtとするときに5t/100の値だけひとまわり小さく打抜くことによって、プレス加工の加工代を十分に確保できるようになる。
【0024】
とくにダイに対するパンチのクリアランスを0.01mm以下とすることによって、側端面のほぼ全面を剪断面とすることが可能になり、側端面における破断面の発生をより確実に防止できるようになる。
【0026】
打抜かれた金属片をプレス加工によって押潰すプレス加工用の上下のパンチ型の互いに対向する面にそれぞれ突部を形成しておき、これらの突部によって金属片を金型の内周囲の当接壁面に押当てるようにした構成によれば、とくに上下のパンチ型の突部によって金属片の側端面を金型の内周囲の当接壁面により確実にかつ強く押当てることが可能になり、これによって側端面の加工が確実に行なわれることになる。
【0027】
金型の内周囲の当接壁面を鏡面にしておくことによって、プレス加工の際にこの鏡面が金属片の側端面に転写され、極めて平滑な側端面を有する金属片が製作されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る打抜き方法の第1ステージの打抜きを示す縦断面図である。
【図2】同プレス加工の装置の縦断面図である。
【図3】プレス加工を行なった状態の縦断面図である。
【図4】プレス加工された金属片の要部縦断面図である。
【図5】従来の打抜き加工を示す要部縦断面図である。
【図6】打抜き加工された従来の金属片の摺動運動を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
15 ダイ
16 パンチ
17 金属片
20 金型
21 パンチ型(上側)
22 パンチ型(下側)
23 突部(上側)
24 突部(下側)
25 当接壁面
26 光沢面
27、28 凹部
Claims (4)
- ダイに対するパンチのクリアランスを0.03mm以下とし、該パンチによって所要の寸法よりも、板厚をtとするときに、打抜き方向と直交する方向に5t/100の値だけ小さく金属片を打抜く打抜き行程と、
打抜かれた金属片をプレス加工によって押潰し、前記パンチによって剪断された側端面を金型の内周囲の当接壁面に押当てて平滑な面に仕上げる表面加工を行なう行程と、
をそれぞれ具備する打抜き加工方法。 - ダイに対するパンチのクリアランスを0.01mm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の打抜き加工方法。
- 打抜かれた金属片をプレス加工によって押潰すプレス加工用の上下のパンチ型の互いに対向する面にそれぞれ突部が形成されており、該突部によって金属片を押潰して剪断された側端面を金型の内周囲の当接壁面に押当てるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の打抜き方法。
- 前記金型の内周囲の当接壁面が鏡面になっていることを特徴とする請求項1に記載の打抜き方法。
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JP14534495A JP3696656B2 (ja) | 1995-05-19 | 1995-05-19 | 打抜き加工方法 |
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1995
- 1995-05-19 JP JP14534495A patent/JP3696656B2/ja not_active Expired - Fee Related
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