JP4204601B2 - プレス機及びプレス方法 - Google Patents

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本発明は、プレス機及びプレス方法に関し、より詳しくは、ダイに形成された貫通孔の一端側から素材を加工した後に他端側からも素材を加工するプレス機及びプレス方法に関する。
従来、破断面を発生させず、シェービングなどの後処理が不必要となる剪断プレスとして、仕上げ抜き、精密打ち抜きやいわゆるファインブランキングプレスなどが周知である。かかるプレスは、ダイとパンチとのクリアランスを極力小さくし(例えば、素材の厚みの1%以下)、また、ダイの刃先部に丸みを持たせることで、破断面を発生させずに加工を行うことができるものである。
ところで、かかるプレスでは、破断面は発生しないものの、プレス方向(ダイ及びパンチの相対変位方向)の後方側にいわゆるカエリが発生してしまうため、このカエリを別途切削加工等を行うことによって取り除く必要がある。
そこで、ダイに形成された貫通孔の一端側から素材を加工した後にさらに他端側からも素材を加工するプレス機及びプレス方法が知られている(例えば、特許文献1)。かかるプレス機及びプレス方法は、プレート状の平坦な素材を所定の輪郭形状を有する製品に加工するものであり、断面が所定の形状を有する貫通孔が形成されたダイと、前記所定の形状に対応してそれぞれ形成され、前記貫通孔の両端側に互いに対向して配置される第一パンチ及び第二パンチとを用いて、前記貫通孔の一端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第一パンチとを相対変位させた後、前記貫通孔の他端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第二パンチとを相対変位させるものである。また、プレート状の平坦な素材をプレスするものであるため、前記第一パンチ及び第二パンチの各パンチ面は、平坦に形成される。
かかるプレス機及びプレス方法によれば、破断面の発生を抑え、且つ、カエリの発生を抑えて加工を行うことができ、切削加工等の必要をなくして、工程数を少なくすることができる。
特開2004−276112号公報
ところで、上記特許文献1に記載のようなプレス機及びプレス方法は、プレート状の平坦な素材を加工する上では優れているものである。しかしながら、例えばモンキーレンチといったような工具など、素材の表面形状が凹凸状に形成されたものである場合には、このようなプレス機及びプレス方法によっては加工を行うことが困難である。
というのは、こういった表面形状が凹凸状を有する製品を製造するに際しては、製品の表面形状に対応させて表面形状が凹凸状に予め形成された素材に対してプレスを行うのであるが、かかる素材に対して上記のような平坦なパンチ面を有するパンチを用いると、平坦なパンチ面を有するパンチと素材とは、素材の表面全体に亘って圧接するのではなく、該素材の表面における突出部分において局所的に圧接することとなる。このため、プレス中に素材が不安定に動くなどといった事態が発生し得る。この場合、上述のとおりダイとパンチとのクリアランスは極力小さく設定されるものであることから、プレス中に素材が動いてしまうと、ダイを破壊したりパンチを破壊したりするといった事態が発生し得る。また、平坦なパンチ面を有するパンチと表面形状が凹凸状に形成された素材とでは、プレス方向と素材の厚み方向とを一致させた状態でプレスを行うことができない場合もある。
そこで、本発明は、表面形状が凹凸状に形成された素材であっても、破断面及びカエリの発生を好適に防止してプレスを施すことができ、延いては凹凸状の表面形状を有する製品を安価に製造することのできるプレス機及びプレス方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプレス機は、所定の形状を有する貫通孔が形成されたダイと、前記所定の形状に対応してそれぞれ形成され、前記貫通孔の両端側に互いに対向して配置される第一パンチ及び第二パンチとを備え、前記貫通孔の一端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第一パンチとを相対変位させた後、前記貫通孔の他端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第二パンチとを相対変位させるプレス機であって、表面形状が凹凸状に形成された素材をプレスすべく、前記第一パンチ及び第二パンチの各パンチ面は、前記素材の表面形状に合わせて前記素材の凹凸に嵌まり合う凹凸状に形成され形成され、前記貫通孔は、両端側に向けて拡開し、プレス方向に対して傾斜する壁面で画定される傾斜部と、各傾斜部の間に設けられ、プレス方向に平行な壁面で画定される中間部とを備えて構成され、前記素材が前記貫通孔の一端側から加工されて前記貫通孔の少なくとも中間部に位置する際に、さらに前記第二パンチが前記素材に圧接し、前記第一パンチ及び第二パンチによって前記素材をプレス方向の両側から圧縮すると共に、前記素材が前記貫通孔の他端側から加工されて前記貫通孔の一端側に戻る際に、前記素材が圧縮されることにより、素材の端面にカエリが発生するのを防止すべく、前記第一パンチが前記素材と離間することを特徴とする。
また、本発明に係るプレス方法は、所定の形状を有する貫通孔が形成されたダイと、前記所定の形状に対応してそれぞれ形成され、前記貫通孔の両端側に互いに対向して配置される第一パンチ及び第二パンチとを用い、前記貫通孔の一端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第一パンチとを相対変位させた後、前記貫通孔の他端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第二パンチとを相対変位させるプレス方法であって、表面形状が凹凸状に形成された素材をプレスすべく、前記第一パンチ及び第二パンチの各パンチ面は、前記素材の表面形状に合わせて前記素材の凹凸に嵌まり合う凹凸状に形成され、前記貫通孔は、両端側に向けて拡開し、プレス方向に対して傾斜する壁面で画定される傾斜部と、各傾斜部の間に設けられ、プレス方向に平行な壁面で画定される中間部とを備えて構成され、前記第二パンチが前記素材に圧接し、前記第一パンチ及び第二パンチが前記素材をプレス方向の両側から圧縮する状態にて、前記素材が前記貫通孔の一端側から少なくとも中間部に位置するように、前記素材を前記貫通孔の一端側から加工する工程と、前記素材が圧縮されることにより、素材の端面にカエリが発生するのを防止すべく、前記第一パンチが前記素材と離間する状態にて、前記素材が前記貫通孔の一端側に戻るように、前記素材を前記貫通口の他端側から加工する工程とを備えることを特徴とする。
上記構成からなるプレス機及びプレス方法によれば、前記各パンチのパンチ面がそれぞれ凹凸状に形成された素材の表面に対して密接することができるため、前記各パンチと素材とが相対的に動かない安定した状態とすることができ、また、プレス方向と素材の厚み方向とを平行な状態とすることができる。
また、前記貫通孔は、両端側に向けて拡開し、プレス方向に対して傾斜する壁面で画定される傾斜部と、各傾斜部の間に設けられ、プレス方向に平行な壁面で画定される中間部とを備えて構成されるため、前記貫通孔の一端側から加工を行う第一段階では、プレス方向に沿う素材の端面が貫通孔の壁面によってバニシングされるとともに、プレス方向後方側にカエリが発生する。この際、他端側の傾斜部に位置する素材は、傾斜部に比べて小さい断面積を有する中間部に位置していたときよりも膨張した状態となっている。これに続いて、前記貫通孔の他端側から加工を行う第二段階では、前記第一段階で発生したカエリが貫通孔の壁面に当接して逆方向に押し返されつつ素材の端面に積層される。このため、最終的にカエリが発生するのをより効果的に防止できる。
さらに、前記素材が前記貫通孔の一端側から加工されて前記貫通孔の少なくとも中間部に位置する際に、さらに前記第二パンチが前記素材に圧接し、前記第一パンチ及び第二パンチによって前記素材をプレス方向の両側から圧縮するため、中間部に位置する素材は、第一パンチ及び第二パンチの各パンチ面と中間部を画定する壁面とで包囲される状態となり、各パンチによって中間部を画定する壁面に押し付けられつつ擦られるため、端面のバニシングを良好に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、表面形状が凹凸状に形成された素材であっても、破断面及びカエリの発生を好適に防止してプレスを施すことができ、延いては凹凸状の表面形状を有する製品を、工程数を少なく抑えて安価に製造することができる。
以下に、本発明に係るプレス機及びプレス方法の一実施形態について説明する。
本発明に係るプレス機及びプレス方法は、例えばモンキーレンチ等のように、凹凸状の表面形状を有する製品を製造するのに好適なものであり、表面形状が目的とする製品の凹凸状の表面形状に対応させて同様な凹凸状に予め形成された図1に示すような素材1をプレスするものである。具体的には、該凹凸は、素材1若しくは製品の厚み方向に沿って突出する若しくは窪むように設けられる。このような素材1は、例えば丸棒形状を有する原素材を熱間鍛造プレスすることなどにより予め作製される。該素材1は、周囲にばり2を有するものであり、本実施形態に係るプレス機及びプレス方法は、前記ばり2を除去しつつ、該素材1のプレス方向に沿う端面に対して破断面やカエリが発生しないようにプレスを行うものである。
また、前記素材1は、複数個の製品が一組の状態となっている。従って、前記素材1は、前記ばり2を除去する工程の他にも各製品に分離する工程などの複数の工程を経て完成した製品とされるものであり、本発明に係るプレス機及びプレス方法は、各工程において利用可能なものであるが、以下では、前記ばり2を除去する第一の工程を行う場合における実施形態について説明する。
本実施形態に係るプレス機は、図2に示すように、一対のダイアセンブリ10,20(上部ダイアセンブリ10及び下部ダイアセンブリ20)を備えて構成される。また、該プレス機は、プレス方向の直交方向に沿う断面が所定の形状を有する素材加工用の貫通孔31が形成されたダイ30と、前記所定の形状に対応してそれぞれ形成され、前記貫通孔31の両端側に互いに対向して配置される一対のパンチ40,50(第一パンチ40及び第二パンチ50)とを備える。前記第一パンチ40は、前記貫通孔31の一端側から加工を行うべく前記ダイ30と相対変位するものであり、前記第二パンチ50は、前記貫通孔31の他端側から加工を行うべく前記ダイ30と相対変位するものである。前記ダイ30及び各パンチ40,50における前記所定形状は、製品の輪郭形状に対応して設定される。そして、各パンチ40,50は、それぞれダイ30に対して相対変位可能に設けられる。さらに、前記第一パンチ40及び第二パンチ50の各パンチ面41,51は、前記素材1の表面形状に対応させていわば型彫りがなされている。
具体的には、前記第一パンチ40は、前記下部ダイアセンブリ20に備えられ、前記ダイ30及び第二パンチ50は、前記上部ダイアセンブリ10に備えられる。前記第一パンチ40は、プレス機に対して固定状態で設けられ、前記ダイ30が上下動することで、該ダイ30と相対変位することとなる。一方、前記第二パンチ50は、前記ダイ30に対して独立に上下動可能であり、これによって該ダイ30と相対変位することとなる。
また、前記下部ダイアセンブリ20には、さらに、ストリッパー60が備えられる。該ストリッパー60は、前記第一パンチ40に外嵌された状態で該第一パンチ40に対して相対変位可能に設けられ、前記ダイ30が降下して来ると前記ばり2を介してダイ30に押し下げられることで、前記素材1をばり2と分離するものである。ストリッパー60としては、好ましくは、降下した状態を維持可能な油圧式のものが用いられる。
前記各パンチ40,50は、図4、図5に示すように、前記貫通孔の形状に合わせるべく、複数個の製品が一組となって構成される外周形状に対応して形成され、該外周形状に対して前記ダイ30とのクリアランスの分小さく形成される。また、前記各パンチ面41,51は、具体的には、前記素材1の表面形状に合わせて前記素材1の凹凸に嵌まり合う凹凸状に形成され、素材1とパンチ40,50とが密接可能となっている。そして、前記各パンチ面41,51の凹凸は、前記プレス方向に沿って突出する若しくは窪むように形成される。これにより、かかるパンチ40,50と前記素材1とは、プレス方向と素材1の厚み方向とが一致する状態で当接可能である。
また、前記各パンチ40,50は、図4(B),図5(B)に示すように、パンチ40,50の厚み方向に平行な端面を有する先端部を前記厚み方向の所定長さに亘ってパンチ面41,51近傍に備えるとともに、前記厚み方向に対して傾斜する基端部を基端側にかけて備える。即ち、前記パンチ面41,51から厚み方向に沿う所定長さに亘っては、外周形状が一定の大きさに設定され、前記所定長さ位置から基端側にかけては、外周形状が前記パンチ面41,51近傍の先端部よりも小さく設定される。これにより、前記パンチ面41,51近傍の先端部においては、ダイ30との間に十分小さなクリアランスを確保するとともに、前記基端部では、パンチ40,50が貫通孔31の壁面から逃げるようにすることが可能となる。
前記ダイ30の貫通孔31は、図3(A)に示すように、プレス方向に直交する断面形状が、複数個の製品が一組となって構成される外周形状に対応して形成され、具体的には、該外周形状とほぼ同一の大きさに形成される。また、前記貫通孔31は、図3(B)に示すように、両端側に向けて拡開し、プレス方向に対して傾斜する壁面32a,33aで画定される傾斜部32,33と、各傾斜部32,33の間に設けられ、プレス方向に平行な壁面34aで画定される中間部34とを備えて構成される。具体的には、一端側の傾斜部32は、傾斜角度αがプレス方向に対して約10°に設定され、他端側の傾斜部33は、傾斜角度βがプレス方向に対して約1°に設定される。そして、前記中間部34は、前記一端側の傾斜部32とプレス方向寸法が同等に設定され、前記他端側の傾斜部33は、前記一端側の傾斜部32及び中間部34に比べてプレス方向寸法が大きく設定される。
なお、前記貫通孔31の中間部34におけるダイ30と各パンチ40,50との上記クリアランスは、約0.03mmに設定され、素材1の厚みに対する割合で表わすと、約0.003%程度に設定される。
ところで、前記第二パンチ50は、ダイ30から素材を押し出すいわゆるノックアウトとしても機能する。即ち、第二パンチ50は、少なくとも前記貫通孔31の一端側の傾斜部32に臨む位置に進出可能に構成され、好ましくは、前記貫通孔31の中間部34と一端側の傾斜部32との境界よりも下方に突出可能に構成される。これにより、素材1は、上死点近傍においてダイ30から押し出される態様となる。具体的には、本実施形態に係るプレス機は、機械式のノックアウト装置を備えたいわゆる機械式プレス機と呼ばれるものであり、ダイ30が上死点まで上昇した際に、第二パンチ50に取り付けられたラムがノックアウト装置に備えられたノックアウトバーに突き当たることで上昇不能となり、上述のような第二パンチ50のダイ30に対する相対変位やノックアウトが実現される。
次に、上記構成からなるプレス機を用いて素材をプレスする動作及び方法について説明する。
プレス開始時点では、前記ストリッパー60が第一パンチ40のパンチ面41と同等高さとなっており、前記素材1を第一パンチ40及びストリッパー60に跨るように載置する(図6(A))。この状態から、まず、貫通孔31の一端側から素材1を加工する第一段階が開始され、ダイ30及び第二パンチ50を第一パンチ40側に降下させる。そして、剪断に際しては、ダイ30の貫通孔31の中に素材1が一端側から入り込み、ダイ30の貫通孔31の周縁部が素材1の周囲のばり2に圧接する(図6(B))。ばり2は、貫通孔31の周縁部とストリッパー60とに挟み込まれつつダイ30の降下に従ってストリッパー60とともに降下する一方、素材1は第一パンチ40に圧接し、これによって素材1とばり2とが分離される(図6(C))。
ダイ30は、さらに降下を続け、素材1が貫通孔31の中間部34に位置する状態となる。このとき、ダイ30とともに降下してきた第二パンチ50が素材1に圧接し、該素材1は、前記第一パンチ40及び第二パンチ50によってプレス方向の両側から圧縮される状態となる。即ち、素材1は、第一パンチ40及び第二パンチ50の各パンチ面41,51と中間部34を画定する壁面34aとで包囲される状態となり、各パンチ40,50によって中間部34を画定する壁面34aに押し付けられつつ擦られるため、端面のバニシングを良好に行うことができる。ダイ30がそこからさらに降下すると、素材1が前記他端側の傾斜部33に位置する状態となり、前記第一段階が終了する。
このとき、前記素材1は、中間部34よりも断面が大きく形成された他端側の傾斜部33に存在することで、中間部34に位置した際よりもわずかに膨張しており、他端側の傾斜部33の壁面33aに当接して引っ掛かる状態(若しくは、他端側の傾斜部33に保持される状態)となっている。
次に、前記貫通孔31の他端側から加工を行う第二段階に移行する。ダイ30は素材1を他端側の傾斜部33に位置させた状態で第二パンチ50とともに上昇を開始する(図6(D))。なお、ダイ30の上昇に伴って、ストリッパー60が分離されたばり2を押し上げるため、適当なタイミングでばり2を取り除く。やがて、第二パンチ50が上死点近傍まで上昇すると、該第二パンチ50はノックアウトバーに突き当たり上昇不能となる(即ち、ダイ30の上昇中において停止した状態となる)一方、ダイ30はさらに上昇を続ける。このため、前記素材1は第二パンチ50から押される状態となり、素材1は、第一段階とは逆方向に、前記他端側の傾斜部33から中間部34を経て一端側の傾斜部32に押し戻され、ノックアウトが行われる(図6(E))。そして、中間部34においては、前記第一段階で発生したカエリが壁面34aに当接して逆方向に押し返されつつ素材の端面に積層される。このため、最終的にカエリが発生するのをより効果的に防止できる。
なお、上述のとおり、本実施形態に係るプレス機及びプレス方法は、前記ばり2を除去する第一の工程を行うものであり、素材1は、複数の工程を経て完成品とされるものである。ここで、第一の工程以降の工程について説明すると、第二の工程において、いわゆるつぶしと呼ばれる圧縮が施される。第三の工程において、一体となっていた各製品が切り離されるとともに、ウォームが収容される窓と柄の後端部に形成される穴(一般に「尻穴」と呼ばれる)とが形成される。さらに、第四の工程において、完成品と略同一の形状となった素材に対して本発明に係るプレスを再度施し、最終的な仕上げを行う。第四の工程におけるダイ及びパンチの所定形状は、製品の輪郭形状に対応して設定される。
以上のように、本実施形態に係るプレス機及びプレス方法によれば、表面形状が凹凸状に形成された素材であっても、破断面及びカエリを発生させることのないプレスを施すことができ、延いては凹凸状の表面形状を有する製品を、工程数を少なく抑えて安価に製造することができる。
なお、本発明に係るは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、凹凸状の表面形状を有する製品として、モンキーレンチを例に挙げたが、これに限定されるものではなく、本発明のプレス機及びプレス方法は、スパナ等の他の工具や、工具以外のものに対しても適用することができる。
また、上記実施形態においては、複数個の製品が一組となって素材1が構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、一製品単位で素材が構成されるものであってもよい。そして、上記実施形態においては、素材1が複数の工程を経て完成品に加工されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、本発明に係るプレスを一度のみ施すことにより、製品を製造するものであってもよい。
さらに、上記実施形態に係るプレス機は、機械式のノックアウト装置を備えたいわゆる機械式プレス機であるとして説明したが、これに限定されるものではなく、油圧式のノックアウト装置を備えたものであってもよい。油圧式のノックアウト装置を採用すれば、第二パンチ50を油圧制御することにより、前記第一段階において第一パンチ40近傍まで降下した第二パンチ50が依然として第一パンチ40の近傍にある状態で、引き続き第二段階において前記貫通孔31の他端側からの加工及びノックアウトを行うことが可能となる。また、油圧式のノックアウト装置を採用する場合には、該油圧式のノックアウトとストリッパーとを連動させることが好ましい。
しかも、油圧式のノックアウト装置を採用すれば、第二段階において、前記素材が前記貫通孔31の他端側から加工されて前記貫通孔31の少なくとも中間部34に位置する際に、第二パンチ50が素材1に圧接し、第一段階と同様に、前記第一パンチ40及び第二パンチ50によって前記素材1をプレス方向の両側から圧縮する状態でプレスを行うことも可能となる。
また、上記実施形態においては、油圧式のストリッパー60が用いられるものとして説明したが、スプリング式やエアー式のものであってもよい。この場合には、加工後素材1が再度ばり2の中に入り込み得るため、これらを分離する作業を要し得る。
そして、上記実施形態においては、第一パンチ40がプレス機に対して固定状態で設けられるものであるとして説明したが、これに限定されるものではなく、前記第一パンチ40が可動に設けられるものであってもよい。
さらに、前記一端側の傾斜部32及び他端側の傾斜部33は、傾斜角度α及びβがプレス方向に対してそれぞれ約10°及び約1°に設定されるものとして説明したが、かかる角度に限定されるものではない。ただし、45°より大きいと、加工中に素材1とダイ30とが噛んでしまうため、45°以下であることが好ましい。
本発明の実施形態に係るプレス機及びプレス方法によってプレスが行われる素材を示す図であって、(A)は上面図を示し、(B)は(A)のI−I線断面図を示す。 同実施形態に係るプレス機を示す。 同実施形態に係るプレス機に備えられるダイを示す図であって、(A)は上面図を示し、(B)は貫通孔の部位の断面図を示す。 同実施形態に係るプレス機に備えられる第一パンチを示す図であって、(A)は上面図を示し、(B)は側面図を示す。 同実施形態に係るプレス機に備えられる第二パンチを示す図であって、(A)は上面図を示し、(B)は側面図を示す。 同実施形態に係るプレス方法を説明する図であって、(A),(B),(C)は第一段階を示し、(D),(E)は第二段階を示す。
符号の説明
1…素材、2…ばり、10…上部ダイアセンブリ、20…下部ダイアセンブリ、30…ダイ、31…貫通孔、32…傾斜部、33…傾斜部、34…中間部、40…第一パンチ、41…パンチ面、50…第二パンチ、51…パンチ面、60…ストリッパー

Claims (2)

  1. 所定の形状を有する貫通孔が形成されたダイと、前記所定の形状に対応してそれぞれ形成され、前記貫通孔の両端側に互いに対向して配置される第一パンチ及び第二パンチとを備え、前記貫通孔の一端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第一パンチとを相対変位させた後、前記貫通孔の他端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第二パンチとを相対変位させるプレス機であって、
    表面形状が凹凸状に形成された素材をプレスすべく、前記第一パンチ及び第二パンチの各パンチ面は、前記素材の表面形状に合わせて前記素材の凹凸に嵌まり合う凹凸状に形成され、
    前記貫通孔は、両端側に向けて拡開し、プレス方向に対して傾斜する壁面で画定される傾斜部と、各傾斜部の間に設けられ、プレス方向に平行な壁面で画定される中間部とを備えて構成され、
    前記素材が前記貫通孔の一端側から加工されて前記貫通孔の少なくとも中間部に位置する際に、さらに前記第二パンチが前記素材に圧接し、前記第一パンチ及び第二パンチによって前記素材をプレス方向の両側から圧縮すると共に、
    前記素材が前記貫通孔の他端側から加工されて前記貫通孔の一端側に戻る際に、前記素材が圧縮されることにより、素材の端面にカエリが発生するのを防止すべく、前記第一パンチが前記素材と離間することを特徴とするプレス機。
  2. 所定の形状を有する貫通孔が形成されたダイと、前記所定の形状に対応してそれぞれ形成され、前記貫通孔の両端側に互いに対向して配置される第一パンチ及び第二パンチとを用い、前記貫通孔の一端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第一パンチとを相対変位させた後、前記貫通孔の他端側から素材を加工すべく前記ダイと少なくとも前記第二パンチとを相対変位させるプレス方法であって、
    表面形状が凹凸状に形成された素材をプレスすべく、前記第一パンチ及び第二パンチの各パンチ面は、前記素材の表面形状に合わせて前記素材の凹凸に嵌まり合う凹凸状に形成され、
    前記貫通孔は、両端側に向けて拡開し、プレス方向に対して傾斜する壁面で画定される傾斜部と、各傾斜部の間に設けられ、プレス方向に平行な壁面で画定される中間部とを備えて構成され、
    前記第二パンチが前記素材に圧接し、前記第一パンチ及び第二パンチが前記素材をプレス方向の両側から圧縮する状態にて、前記素材が前記貫通孔の一端側から少なくとも中間部に位置するように、前記素材を前記貫通孔の一端側から加工する工程と、
    前記素材が圧縮されることにより、素材の端面にカエリが発生するのを防止すべく、前記第一パンチが前記素材と離間する状態にて、前記素材が前記貫通孔の一端側に戻るように、前記素材を前記貫通口の他端側から加工する工程とを備えることを特徴とするプレス方法。
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