JPWO2006080356A1 - プレス加工装置、プレス加工方法、及び打抜き加工品 - Google Patents
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Abstract
プレス加工装置には、第1加工ユニットと第2加工ユニット14とが設けられており、第1加工ユニットでは、板材Wにおける貫通孔Pが形成される部位に突状をなす半抜き部15を形成するための第1工程が実行される。また、第2加工ユニット14では、板材Wから前記半抜き部15を第2パンチ26及び第2ダイ23によって打ち抜き加工する第2工程S2が実行される。また、第2工程S2では、板材Wから被打抜き体を打ち抜く際に、その板材Wにおける被打抜き体が打ち抜かれた部位の側壁面Paに対してシェービング加工が施される。
Description
本発明は、例えば無段変速機用ベルトのエレメントやオートマチックトランスミッションのプレス成型部品などの原材となる比較的板厚のある板材に打ち抜き加工を施すプレス加工装置、プレス加工方法、及び前記プレス加工装置にて製造される打抜き加工品に関する。
従来、この種のプレス加工装置として、例えば特許文献1に記載のプレス加工装置(穿孔用プレス金型装置)が提案されている。このプレス加工装置(以下、「第1従来装置」と示す。)は2つの加工ユニット(第1,第2加工ユニット)を備えており、該各加工ユニットにはパンチとダイとがそれぞれ設けられている。そして、第1加工ユニットでは、パンチとダイとを相対移動させることにより、板材において所定形状(例えば断面略円形状)をなす貫通孔が形成される部位に、前記ダイ側へ突状をなす半抜き部が形成される。すなわち、第1加工ユニットでの第1工程では、前記板材において貫通孔が形成される部位に、パンチと対向する側には凹部を有する一方、ダイと対向する側には凸部を有してなる半抜き部が形成される。
そして次に、前記第2加工ユニットでは、前記板材の半抜き部がパンチとダイとの間に配置された場合、パンチが前記板材(半抜き部)の凸部と相対するように配置されると共に、ダイが前記板材(半抜き部)の凹部と相対するように配置される。また、第2加工ユニットのパンチは、その直径が前記貫通孔の直径よりも小さくなるように形成されている。そして、第2加工ユニットでの第2工程では、そのパンチが前記板材の半抜き部をダイ側に押し込むことにより、該半抜き部が被打抜き体となって板材から打ち抜かれ、板材には被打抜き体に対応した形状の貫通孔が形成されるようになっている。
しかしながら、前記第1従来装置にて板材から半抜き部を被打抜き体として打ち抜いた場合には、板材の貫通孔における側壁面(板材から被打抜き体が打ち抜かれた部位の打ち抜き方向に沿う打抜き面)の大部分及び被打抜き体における側壁面(打ち抜き方向に沿う打抜き面)の大部分がそれぞれ粗雑な破断面となってしまう。そのため、前記貫通孔が形成された板材及び前記被打抜き体の各々を打抜き加工品として製品化する場合には、それらの粗雑な破断面を含めた前記各側壁面全体を平坦に整えるべく、前記貫通孔の側壁面及び被打抜き体の側壁面を研磨するための別途装置(研磨装置等)を更に使用する必要があった。そこで、近時では、板材から被打抜き体を打ち抜いた場合に、その板材の貫通孔の側壁面に粗雑な破断面が形成されることを抑制できる装置として、例えば特許文献2に記載のプレス加工装置(以下、「第2従来装置」と示す。)が提案されている。
前記第2従来装置は3つの加工ユニット(第1,第2,第3加工ユニット)を備えており、該各加工ユニットにはパンチとダイとがそれぞれ設けられている。第1加工ユニットでは、前記第1従来装置の第1加工ユニットとほぼ同様に、板材において打ち抜き加工が施される部位に半抜き部を形成するようになっている。第2加工ユニットでは、前記第1従来装置の第2加工ユニットとほぼ同様に、前記板材から半抜き部を被打抜き体として打ち抜くことにより、該板材に孔(ブランク孔)を形成するようになっている。ここで、ブランク孔は、その直径が板材に最終的に形成する貫通孔の直径よりも僅かに小さくなるように形成される。そして、第3加工ユニットでは、前記貫通孔の直径とほぼ同一の直径を有するパンチを前記板材において貫通孔が形成される部位(ブランク孔の周辺部位)に押し込むことにより、パンチがブランク孔の側壁面をシェービング加工するようになっている。その結果、板材は、剪断面状の側壁面を有する貫通孔が形成された打抜き加工品となるようになっている。
ところで、前記第2従来装置においては、板材に半抜き部を形成する工程と、板材にブランク孔を形成する工程と、ブランク孔の側壁面にシェービング加工を施す工程という3つの工程が順次に行われる。そのため、板材に剪断面状の側壁面を有した貫通孔を形成するために必要とされる工程数自体は、第1工程及び第2工程が行われる第1従来装置及び第3工程(研磨工程)が追加的に行われる別途装置を用いたプレス加工方法の場合と何ら変わっていないという実情があった。また、第2従来装置では、前記ブランク孔の側壁面にシェービング加工(第3工程)を施すための第3加工ユニットを更に設けた分だけ、前記第1従来装置に比して装置構成が大型化してしまうという問題があった。
特開平9−174492号公報(図2、図3)
特開2004−176853号公報(請求項1、図1)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、装置自体の大型化及び板材に打ち抜き加工を施すための工程数の増加を抑制しつつ、板材において被打抜き体が打ち抜かれた部位又は板材から打ち抜かれた被打抜き体における打ち抜き方向に沿う打抜き面の少なくとも一部を剪断面状に形成できると共に、板材にばりが発生することを抑制できるプレス加工装置、プレス加工方法、及び打抜き加工品を提供することにある。
上記目標を達成するために、本発明のプレス加工装置は、板材に打ち抜き加工を施すプレス加工装置において、第1上型及び第1下型を有し、第1上型及び第1下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、前記第1上型には、対向する第1パンチ及び第1ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第1下型には、前記第1パンチ及び第1ダイのうち何れか他方が取付固定され、下方向から見て前記第1パンチと前記第1ダイとの間には負のクリアランスが設定され、前記第1パンチ及び第1ダイを上下方向へ相対移動させることにより、前記板材に半抜き加工を施す第1加工ユニットと、第2上型及び第2下型を有し、第2上型及び第2下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、前記第2上型には、雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第2下型には、前記第2パンチ及び第2ダイのうち何れか他方が取付固定され、上下方向から見て前記第2パンチと前記第2ダイとの間には正のクリアランスが設定され、前記第1加工ユニットによる半抜き加工により前記板材に形成された半抜き部を前記第2パンチにより被打抜き体として打ち抜いたとき、同板材の被打抜き体が打ち抜かれる部位には打ち抜き方向に沿う打抜き面が形成され、その打抜き面の少なくとも一部に前記第2パンチがシェービング加工を施す第2加工ユニットとを備える。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状を相似的に拡大させた形状をなすように構成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、前記第1パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合に、互いに相似形状をなす外周部位同士の間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの距離寸法となるように構成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第1ダイには、上下方向に延びる挿通孔が貫通形成されており、前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の前記挿通孔の孔形状を相似的に拡大させた形状をなすように構成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合に、互いに相似関係をなす前記第2パンチの断面の外周部位と前記第1ダイの断面の内周部位との間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの距離寸法となるように構成されている。
本発明のプレス加工装置は、板材に打ち抜き加工を施すプレス加工装置において、第1上型及び第1下型を有し、第1上型及び第1下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、前記第1上型には、対向する第1パンチ及び第1ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第1下型には、前記第1パンチ及び第1ダイのうち何れか他方が取付固定され、上下方向から見て前記第1パンチと前記第1ダイとの間には負のクリアランスが設定され、前記第1パンチ及び第1ダイを上下方向へ相対移動させることにより、前記板材に半抜き加工を施す第1加工ユニットと、第2上型及び第2下型を有し、第2上型及び第2下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、前記第2上型には、雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第2下型には、前記第2パンチ及び第2ダイのうち何れか他方が取付固定され、上下方向から見て前記第2パンチと前記第2ダイとの間には正のクリアランスが設定され、前記第1加工ユニットによる半抜き加工により前記板材に形成された半抜き部を前記第2パンチにより被打ち抜き体として打ち抜くとき、該被打抜き体には打ち抜き方向に沿う打抜き面が形成され、その打抜き面の少なくとも一部に前記第2ダイがシェービング加工を施す第2加工ユニットとを備える。
本発明のプレス加工装置において、前記第1ダイ及び第2ダイには、上下方向に延びる挿通孔がそれぞれ貫通形成されており、前記第2ダイは、該第2ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の前記挿通孔の孔形状が前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の前記挿通孔の孔形状を相似的に縮小させた形状をなすように構成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第2ダイは、該第2ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合に、互いに相似関係をなす前記第2ダイの断面の内周部位と前記第1ダイの断面の内周部位との間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの距離寸法となるように構成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第1加工ユニットは、前記第1パンチを前記第1ダイに対して相対的に接近させる場合、前記板材の厚み寸法における10%〜50%の距離寸法だけ離間した位置まで接近させるように構成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第1パンチは、前記負のクリアランスの幅寸法が前記板材の厚み寸法に対して1%〜15%の幅寸法となるように形成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチは、前記第1パンチが前記第1上型に取付固定される場合には前記第2下型に取付固定され、前記第1パンチが前記第1下型に取付固定される場合には前記第2上型に取付固定される。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチは、前記正のクリアランスの幅寸法が前記板材の厚み寸法に対して0.3%〜8%の幅寸法となるように形成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第1パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部及び前記第1ダイにおける前記板材と対向する側の内側縁部のうち少なくとも一方には、曲面を有するように面取り加工が施されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第1パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部及び前記第1ダイにおける前記板材と対向する側の内側縁部のうち少なくとも一方に形成された曲面は、前記第1パンチ及び第1ダイを上下方向に切断した場合、板材の厚み寸法における7.5%の長さ寸法以下の曲率半径を有する円弧状をなすように形成されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部には、曲面を有するように面取り加工が施されている。
本発明のプレス加工装置において、前記第2パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部の曲面は、前記第2パンチを上下方向に切断した場合、板材の厚み寸法における7.5%の長さ寸法以下の曲率半径を有する円弧状をなすように形成されている。
本発明の打抜き加工品は、上記構成のプレス加工装置にて板材から被打抜き体が打ち抜かれることにより製造された。
本発明のプレス加工方法は、板材に打ち抜き加工を施すプレス加工方法であって、雌雄関係を有する第1パンチ及び第1ダイを用い、前記板材において被打抜き体が打ち抜かれる部位に半抜き加工を施す第1工程と、雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイを用い、前記板材において前記第1工程で半抜き加工が施された部位から被打抜き体を打ち抜く際に、その被打抜き体が打ち抜かれる部位における打ち抜き方向に沿う打抜き面の少なくとも一部に前記第2パンチがシェービング加工を施す第2工程とを備えた。
本発明のプレス加工方法は、板材に打ち抜き加工を施すプレス加工方法であって、雌雄関係を有する第1パンチ及び第1ダイを用い、前記板材において被打抜き体が打ち抜かれる部位に半抜き加工を施す第1工程と、雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイを用い、前記板材において前記第1工程で半抜き加工が施された部位から被打抜き体を打ち抜く際に、その被打抜き体における打ち抜き方向に沿う打抜き面の少なくとも一部に前記第2ダイがシェービング加工を施す第2工程とを備えた。
(第1の実施形態)
以下、本発明を比較的板厚の板材から被打抜き体を打ち抜く際に用いられるプレス加工装置及びプレス加工方法に具体化した第1の実施形態を図1〜図12に従って説明する。
以下、本発明を比較的板厚の板材から被打抜き体を打ち抜く際に用いられるプレス加工装置及びプレス加工方法に具体化した第1の実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のプレス加工装置11には、ベースプレート12上に第1加工ユニット13及び第2加工ユニット14が並設されている。そして、プレス加工装置11は、各加工ユニット13,14によって金属材料からなる板材W(例えば自動車構造用熱間圧延鋼板(JIS SPH440))に所定形状(本実施形態では断面略円形状)をなす貫通孔P(図12参照)を形成するようになっている。すなわち、前記第1加工ユニット13では、図5に示すように、板材Wにおいて前記貫通孔Pが形成される部位に半抜き加工が施され、板材Wから上方に向けて突状をなす半抜き部15が形成されるようになっている。また、前記第2加工ユニット14では、図12に示すように、第1加工ユニット13にて形成された半抜き部15が被打抜き体15A(図11参照)として打ち抜かれ、板材Wにおける被打抜き体15Aが打ち抜かれた部位に貫通孔Pが形成されるようになっている。この際、前記貫通孔Pは、その側壁面(打抜き方向に沿う打抜き面)Paが粗雑な破断面ではなく剪断面となるように剪断加工(シェービング加工)されている。その後、被打抜き体15Aが打ち抜かれた板材Wに対してさらに加工を施すことにより、打抜き加工品が形成されるようになっている。なお、「半抜き加工」とは、板材Wから被打抜き体(被打抜き体15A)を打ち抜こうとした際に、その打ち抜きを途中で止めて、板材Wに突状をなす突起部(半抜き部15)を形成することである。
次に、前記第1加工ユニット13について図1〜図5に基づき以下説明する。
前記第1加工ユニット13では、図1に示すように、前記ベースプレート12上に下型(第1下型)16が配置され、該下型16上に第1パンチ17が取付固定されている。また、前記ベースプレート12上には下型16の四隅を貫通して上下方向に延びるように柱状のコラム18が複数(4つ)立設されており、下型16は各コラム18に沿って上下動するようになっている。そして、図示はしないが、前記第1加工ユニット13には、前記下型16(及び第1パンチ17)を下死点位置と上死点位置との間でストローク移動させるための駆動源(例えば、油圧シリンダ(流体圧シリンダ)等からなるアクチュエータ)が設けられている。
また、前記第1加工ユニット13には、各コラム18を介して上型(第1上型)19が下型16の上方域に支持されると共に、上型19の下面側には前記第1パンチ17と対応する第1ダイ20が取付固定されている。さらに、前記第1加工ユニット13には、板材Wが第1加工ユニット13内に搬入されてプレス加工を施される際に、その板材Wの上面Waが第1ダイ20の下面20aに当接するように、板材Wを上方に押し上げる板材押え部(図示略)が設けられている。前記第1ダイ20には、図2に示すように、前記貫通孔Pの断面形状(孔形状)に対応して断面略円形状をなす第1ダイ孔(挿通孔)21が形成されており、該第1ダイ孔21は、その直径寸法D1(例えば29.9mm)が前記貫通孔Pの直径寸法d1よりも僅かに短くなるように設定されている。なお、本実施形態では、第1ダイ20における下面20a側(板材Wと対向する側)の内側縁部20bに所謂アール状をなす曲面を有するような加工は施されていない。
前記第1パンチ17は、前記貫通孔Pの断面形状(孔形状)に対応して略円柱形状をなすように形成されている。そして、第1パンチ17における上面17a側(板材Wと対向する側)の端縁部17bには、所謂アール状をなす曲面17cを有するように、加工が施されている。そのため、第1パンチ17を上方に向けて移動させることにより板材Wに半抜き加工を施した場合、図5に示すように、該板材Wの下面Wb側には曲面状をなすだれWcが形成される。そして、本実施形態における第1パンチ17の端縁部17bの曲面17cは、第1パンチ17を上下方向に切断した場合、板材Wの厚み寸法d(例えば4mm)における5%の長さ寸法の曲率半径(例えば0.2mm)を有する円弧状をなすように形成されている。
また、前記第1パンチ17は、図2からも理解できるように、その直径寸法D2(例えば30.1mm)が前記第1ダイ20における第1ダイ孔(挿通孔)21の直径寸法D1よりも大きくなるように設定されている。すなわち、互いに対応関係にある第1パンチ17及び第1ダイ20(第1ダイ孔21)の間のクリアランス(クリアランスの幅寸法)C1は、負のクリアランス(C1=(D1−D2)/2<0)となるように設定されている。そして、本実施形態では、クリアランスC1が板材Wの厚み寸法d(例えば4mm)における2.5%の幅寸法(例えば0.1mm)となるように前記第1パンチ17が形成されている。従って、本実施形態の第1パンチ17は、第1パンチ17の直径寸法D2と第1ダイ孔21の直径寸法D1との差が前記クリアランスC1の2倍(すなわち、D1−D2=2×C1)となるように設定されている。
なお、「クリアランス」とは、上下方向から見てパンチ(第1パンチ17)とダイ孔(第1ダイ孔21)との間に生じる隙間のことを意味し、クリアランス(クリアランスC1)が「負のクリアランス」である場合は、パンチ(第1パンチ17)の直径(直径寸法D2)の方がダイ孔(第1ダイ孔21)の直径(直径寸法D1)よりも大きいことを示している。すなわち、「負のクリアランスが形成される」とは、上下方向から見てパンチがダイ孔の周りのダイの部位と重なり合うことを意味しており、上下方向から見てパンチとダイ孔との間に実際に隙間が生じることを意味していない。一方、クリアランスが「正のクリアランス」である場合は、パンチの直径の方がダイ孔の直径よりも小さいことを示している。
次に、前記第1加工ユニット13にて実行される第1工程S1について以下説明する。
前記板材Wにおいて打ち抜かれる部位(前記貫通孔Pが形成される部位)が前記第1パンチ17の上方域に配置されると、前記板材押え部が板材Wを上方(第1ダイ20側)に押し上げ、該板材Wの上面Waを第1ダイ20の下面20aに当接させる。そして次に、第1パンチ17が、前記油圧シリンダの駆動に基づき、下死点位置から上方にストローク移動する。すると、図3に示すように、第1パンチ17の上面(板材Wに対向する対向面)17aが板材Wの下面Wbに当接し、その当接した部位を第1パンチ17が上方に向けて押圧する。その結果、板材Wには、図4に示すように、第1ダイ20側(上方)に向けて突状をなす半抜き部15が形成される。こうして第1加工ユニット13では、第1パンチ17及び第1ダイ20を上下方向へ相対的に移動させることにより、板材Wにおいて打ち抜かれる部位に半抜き加工が施される。
ここで、前述したように、第1パンチ17と第1ダイ20(第1ダイ孔21)との間のクリアランスC1は負のクリアランスである。しかし、本実施形態において、前記第1パンチ17の端縁部17bは、円弧状をなすように加工されている。そのため、第1パンチ17が第1ダイ20に向けて板材Wを押し込んだ際に第1パンチ17にかかる押圧力は、第1パンチ17の端縁部17bが加工されていない場合に比して小さくなる。すなわち、第1パンチ17にかかる負担(特に刃先にかかる負担)が良好に低減される。
そして、図5に示すように、前記第1パンチ17は、前記上死点位置までストローク移動すると、その上方への移動を停止する。この際に、第1パンチ17は、その上面17aが第1ダイ20の下面20aに対して板材Wの厚み寸法dにおける35%の距離寸法d2だけ離間した位置まで接近することになる。そして次に、第1パンチ17は、前記下死点位置まで移動し(図2参照)、その移動を停止する。すなわち、第1加工ユニット13における第1工程S1が終了する。その後、前記板材押え部による板材Wの押し上げが停止され、該板材Wが第1ダイ20から離間する。すると、前記板材Wは第1加工ユニット13から第2加工ユニット14内まで順送りされる。なお、第1加工ユニット13で形成される半抜き部15において、第1パンチ17の端縁部17bが上死点位置までストローク移動する途中に当接した部位(以下、「半抜き部15の第1の側壁面15sh」という。)は、第1ダイ20によってシェービングされるため、剪断面状に形成される。
次に、前記第2加工ユニット14について、図1、図6〜図12に基づき以下説明する。
前記第2加工ユニット14は、図1に示すように、前記ベースプレート12上に下型(第2下型)22が配置され、該下型22上に第2ダイ23が取付固定されている。前記第2ダイ23には、図6に示すように、前記貫通孔Pの断面形状(孔形状)に対応して断面略円形状をなす第2ダイ孔(挿通孔)24が形成されており、該第2ダイ孔24は、その直径寸法D4(例えば30.9mm)が前記貫通孔Pの直径寸法d1よりも僅かに大きくなるように設定されている。また、前記下型22上の四隅には柱状のコラム18が立設され、各コラム18を介して上型(第2上型)25が下型22の上方域で上下動可能に支持されている。なお、図示はしないが、前記第2加工ユニット14には、前記上型25(及び第2パンチ26)を上死点位置と下死点位置との間でストローク移動させるための駆動源(例えば、油圧シリンダ(流体圧シリンダ)等からなるアクチュエータ)が前記第1加工ユニット13の場合と同様に設けられている。
前記上型25の下面側には、前記第2ダイ23と雌雄関係を有する第2パンチ26が取付固定されている。すなわち、本実施形態のプレス加工装置11では、前記第1加工ユニット13にて第1パンチ17が下型16に取付固定されているため、第2加工ユニット14では第2パンチ26が上型25に取付固定されている。また、前記第2パンチ26は、前記貫通孔Pの断面形状(孔形状)に対応して略円柱形状をなすように形成されており、その直径寸法D3(例えば30.7mm)が前記第1パンチ17の直径寸法D2よりも例えば0.6mmだけ大きくなるように設定されている。すなわち、第2パンチ26は、該第2パンチ26を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1パンチ17を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状を相似的に拡大させた形状をなすように構成されている。また、第2パンチ26を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、第1パンチ17を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合には、互いに相似形状をなす外周部位同士の間の距離寸法が例えば0.3mmとなる。なお、第2パンチ26の直径寸法D3は、板材WにおいてだれWcが形成された部位を第2パンチ26が切断(本実施形態ではシェービング)できるように設定されている。
また、前記第2パンチ26は、図6からも理解されるように、その直径寸法D3が前記第2ダイ23における第2ダイ孔24の直径寸法D4よりも小さく且つ前記貫通孔Pの直径寸法d1と略同一寸法となるように設定されている。すなわち、雌雄関係を有する第2パンチ26及び第2ダイ23の間のクリアランス(クリアランスの幅寸法)C2は、正のクリアランス(C2=(D4−D3)/2>0)となるように設定されている。そして、本実施形態では、クリアランスC2が板材Wの厚み寸法d(例えば4mm)における2.5%の幅寸法(例えば0.1mm)となるように前記第2ダイ23が形成されている。なお、本実施形態では、第2パンチ26における下面26a側(板材Wと対向する側)の端縁部26bに所謂アール状をなす曲面が形成されるような加工が施されていない。
次に、前記第2加工ユニット14にて実行される第2工程S2について以下説明する。
前記第1加工ユニット13にて半抜き部15が形成された板材Wが第2加工ユニット14内に搬送され、半抜き部15が第2パンチ26の下方に配置されると、第2工程S2が開始される。すなわち、第2パンチ26が、図7に示すように、板材W(半抜き部15)に向けて下方にストローク移動し、板材Wの半抜き部15を下方に押し込む。すると、半抜き部15と板材Wとの間の連結部位における下端側部位(以下、「半抜き部15の第2の側壁面15sb」という。)は、破断面状に形成される。そして、第2パンチ26によって半抜き部15がさらに下方に押し込まれると、図8に示すように、前記半抜き部15における第1の側壁面15shと第2の側壁面15sbとが繋がる結果、半抜き部15が板材Wから切断された状態となる。
そして、図9に示すように、前記第2パンチ26は、半抜き部15をさらに下方に押し込み、板材Wを剪断し始める。すなわち、第2パンチ26は、板材Wから半抜き部15を打ち抜くと共に、該半抜き部15を打ち抜くことで形成される貫通孔Pの側壁面Paに対してシェービング加工を開始する。そして、図10に示すように、第2パンチ26の下方へのさらなるストローク移動に伴い前記貫通孔Pの側壁面Paには次第にシェービング加工が施されていく。
この時点において、半抜き部15は、未だ板材Wの貫通孔P内に嵌合した状態である。そしてさらに、第2パンチ26による前記側壁面Paへのシェービング加工が行われていくと、図11に示すように、半抜き部15は、第2パンチ26により前記貫通孔P外に押し出され、被打抜き体15Aとなる。なお、被打抜き体15Aには、第2パンチ26による前記側壁面Paに対するシェービング加工によって生じたかす(シェービングかす)が付着するため、その側壁面15aが破断面状に形成される。
ここで、前記板材Wの下面Wb側にはだれWcが未だ残されているため、第2パンチ26は、その下面26aが第2ダイ23の上面23aよりも下側となるまで移動しなくても、前記被打抜き体15Aが板材Wから打ち抜かれるようになっている。その後、第2パンチ26が下方へのストローク移動を停止し、続けて上方へのストローク移動を開始すると、前記板材Wからの被打抜き体15Aの打ち抜きが完了する。そして、前記貫通孔Pの側壁面Paは、図12に示すように、第2パンチ26によるシェービング加工により、剪断面状に形成される。
従って、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)もし仮に第1パンチ17及び第1ダイ20(第1ダイ孔21)の間のクリアランスC1が正のクリアランスとなるように設定された場合、板材Wにおいて第1パンチ17と第2ダイ20によって挟まれた部分に引張応力が働くため、第1加工ユニット13にて第1パンチ17により板材Wを上方に押圧した際に、その押圧した部位が破断して板材Wに破断面が形成される可能性がある。しかし、本実施形態では、前記クリアランスC1が負のクリアランスであるため、板材Wにおいて第1パンチ17と第2ダイ20によって挟まれた部分に圧縮応力が働くことにより破断が抑制される結果、第1加工ユニット13にて板材Wに破断面が形成されることを抑制できる。また、第2加工ユニット14では、板材Wから半抜き部15を被打抜き体15Aとして打ち抜いた際に形成される貫通孔Pの側壁面Paに対して第2パンチ26がシェービング加工を施すようになっている。しかも、第2パンチ26及び第2ダイ23の間のクリアランスC2は正のクリアランスであるため、第2パンチ26及び第2ダイ23が接触することを回避できる。従って、装置自体の大型化及び板材Wに打ち抜き加工を施すための工程数の増加を抑制しつつ、板材Wに形成された貫通孔Pの側壁面Paを剪断面状に形成できると共に、板材Wに「ばり」が発生することを抑制できる。
(2)第1加工ユニット13では、板材Wにおいて貫通孔Pが形成される部位(打ち抜かれる部位)に半抜き部15を形成し、第2加工ユニット14では、該半抜き部15周辺を打ち抜き加工するようになっている。そのため、第2加工ユニット14にて前記貫通孔Pの側壁面Paに対してシェービング加工を施した際に発生したシェービングかすを、製品として使用されない半抜き部15と共に被打抜き体15Aとして落下させることができ、第2パンチ26にシェービングかすが付着することを抑制できる。
(3)第1工程S1において、もし仮に第1パンチ17の上面17aと第1ダイ20の下面20aとの間の距離寸法d2が板材Wの厚み寸法dにおける10%の距離寸法よりも小さくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、この場合には、第1パンチ17をストローク移動させて板材Wに対して半抜き加工を施した際に半抜き部15が板材Wから切断されてしまう可能性がある。一方、もし仮に前記距離寸法d2が板材Wの厚み寸法dにおける50%の距離寸法よりも大きくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、この場合には、第2工程S2において、第2パンチ26が板材Wの半抜き部15を下方に押し込んだとしても、板材Wと半抜き部15との連結部位の厚みが本実施形態の場合に比して厚くなる。その結果、半抜き部15の打ち抜き及び貫通孔Pの側壁面Paのシェービング加工を行う際に第2パンチ26にかかる負荷が大きくなってしまう。しかし、本実施形態では、前記距離寸法d2が、板材Wの厚み寸法dにおける35%に設定されているため、第1工程S1にて前記半抜き部15が板材Wから切断されることを抑制できると共に、第2工程S2にて第2パンチ26の負担を良好に低減できる。
(3)第1工程S1において、もし仮に第1パンチ17の上面17aと第1ダイ20の下面20aとの間の距離寸法d2が板材Wの厚み寸法dにおける10%の距離寸法よりも小さくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、この場合には、第1パンチ17をストローク移動させて板材Wに対して半抜き加工を施した際に半抜き部15が板材Wから切断されてしまう可能性がある。一方、もし仮に前記距離寸法d2が板材Wの厚み寸法dにおける50%の距離寸法よりも大きくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、この場合には、第2工程S2において、第2パンチ26が板材Wの半抜き部15を下方に押し込んだとしても、板材Wと半抜き部15との連結部位の厚みが本実施形態の場合に比して厚くなる。その結果、半抜き部15の打ち抜き及び貫通孔Pの側壁面Paのシェービング加工を行う際に第2パンチ26にかかる負荷が大きくなってしまう。しかし、本実施形態では、前記距離寸法d2が、板材Wの厚み寸法dにおける35%に設定されているため、第1工程S1にて前記半抜き部15が板材Wから切断されることを抑制できると共に、第2工程S2にて第2パンチ26の負担を良好に低減できる。
(4)もし仮に前記クリアランス(負のクリアランスの幅寸法)C1が板材Wの厚み寸法dにおける1%の幅寸法よりも小さくなるように設定されていると、第1工程S1にて板材Wの下面Wb側に形成されるだれWcが大きくなりすぎる可能性がある。すなわち、第2工程S2にて板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜いた場合にも、だれWcの一部が板材Wに残ってしまう虞がある。一方、前記クリアランスC1が板材Wの厚み寸法dにおける15%の幅寸法よりも大きくなるように設定されていると、第1パンチ17が板材Wを上方に押圧した際に、その押圧に基づく負荷によって第1パンチ17及び第1ダイ20に対する負荷が大きくなる。そのため、第1パンチ17及び第1ダイ20の寿命が短くなる虞がある。しかし、本実施形態では、前記クリアランスC1が板材Wの厚み寸法dにおける2.5%の幅寸法に設定されているため、第1パンチ17及び第1ダイ20の長寿命化を良好に図ることができると共に、第2工程S2にて板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜いた際に、板材Wに前記だれWcの一部が残ることを抑制できる。
(5)第1加工ユニット13にて第1パンチ17が板材Wを下方から上方に向けて押圧した際に、該板材Wが半抜き部15を中心として上方側へ反ってしまうことがある。しかし、第2加工ユニット14では、板材Wから第2パンチ26が半抜き部15を上方から下方に向けて打ち抜く(押圧する)ため、第1加工ユニット13での半抜き加工の際に生じた板材Wの反りを良好に修正することができる。
(6)もし仮に前記クリアランス(正のクリアランスの幅寸法)C2が板材Wの厚み寸法dにおける0.3%の幅寸法よりも小さくなるように設定されていると、第2パンチ26にて板材Wから半抜き部15を打ち抜く際に第2パンチ26及び第2ダイ23にかかる負荷が、大きくなる虞があった。すなわち、第2パンチ26及び第2ダイ23の寿命が短くなる可能性があった。一方、前記クリアランスC2が板材Wの厚み寸法dにおける8%の幅寸法よりも大きくなるように設定されていると、第2パンチ26にて板材Wを打ち抜き加工した際に、該板材Wに「ばり」が発生する可能性があった。しかし、本実施形態では、前記クリアランスC2が板材Wの厚み寸法dにおける2.5%の幅寸法に設定されている。従って、第2パンチ26及び第2ダイ23の寿命を長くできると共に、第2パンチ26にて板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜いた際に該板材Wに「ばり」が発生することを良好に抑制できる。
(7)もし仮に第2パンチ26の直径寸法D3と第1パンチ17の直径寸法D2との差が0.02mmよりも短くなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、半抜き部15と板材Wとを繋ぐ連結部位の幅寸法が本実施形態の場合に比して短くなりすぎるため(所謂シェービング代の幅が狭くなりすぎるため)、第2工程S2では、貫通孔Pの側壁面Paにシェービング加工が施しにくくなる虞がある。一方、もし仮に第2パンチ26の直径寸法D3と第1パンチ17の直径寸法D2との差が0.6mmよりも長くなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、第2工程S2にて第2パンチ26が板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜く場合に、第2パンチ26の端縁部26bは、本実施形態の場合に比して第1工程S1にて形成された半抜き部15から離間した部位を剪断することになり、第2パンチ26にかかる負荷が大きくなってしまう。しかし、本実施形態では、第2パンチ26は、その直径寸法D3と第1パンチ17の直径寸法D2との差が0.6mmとなるように形成されている。そのため、第2工程S2にて前記所謂シェービング代の幅を良好に確保できると共に、第2パンチ26の寿命をさらに長くできる。
(8)第1パンチ17の端縁部17bには、円弧状の面取り加工が施されているため、第1パンチ17が板材Wを上方(第1ダイ20側)にストローク移動した場合に、第1パンチ17にかかる負荷を良好に低減できる。また、第1パンチ17は、前記円弧状の面取り加工が施されたことにより、所謂鈍刃状に形成されていることになるため、第1工程S1では、板材Wにおける第1パンチ17にて押圧された部位が切断されることを抑制できる。
(9)もし仮に第1パンチ17の端縁部17bの曲面17cが、第1パンチ17を上下方向に切断した場合に、板材Wの厚み寸法dにおける7.5%の長さ寸法の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する円弧状をなすように形成されたとすると、次のような不具合がある。すなわち、第1工程S1において板材Wに半抜き加工を施した場合に、該板材Wに形成されるだれWcが大きくなりすぎる虞がある。しかし、本実施形態では、第1パンチ17の端縁部17bは、その曲面17cが板材Wの厚み寸法dにおける5%の曲率半径を有するように形成されているため、板材Wに形成されるだれWcが大きくなりすぎることを良好に抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図13〜図19に従って説明する。なお、第2の実施形態は、各加工ユニットが第1の実施形態と多少異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図13〜図19に従って説明する。なお、第2の実施形態は、各加工ユニットが第1の実施形態と多少異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のプレス加工装置11は、第1加工ユニット13と第2加工ユニット14とを備えている。この第1加工ユニット13は、その下型16上に第1パンチ17が取付固定されると共に、その上型19の下面側に第1パンチ17と対応する第1ダイ20が取付固定されている。この第1パンチ17は、略円柱形状をなすように形成されており、その直径寸法D2が例えば30mmとなるように形成されている。
また、前記第1ダイ20には、図13に示すように、断面略円形状をなす第1ダイ孔21が形成されており、第1パンチ17との間の負のクリアランスC1が板材Wの厚み寸法d(例えば4mm)における3.8%の幅寸法(例えば0.15mm)となるように設定されている。すなわち、第1ダイ20の第1ダイ孔21は、その直径寸法D1が例えば29.7mmとなるように設定されている。また、第1ダイ20における下面20a側(板材Wと対向する側)の内側縁部20bには、所謂アール状をなす曲面20cを有するように加工が施されている。そして、本実施形態における前記第1ダイ20の内側縁部20bの曲面20cは、第1ダイ20を上下方向に切断した場合、板材Wの厚み寸法d(例えば4mm)における7.5%の長さ寸法の曲率半径(例えば0.3mm)を有する円弧状をなすように形成されている。
次に、前記第1加工ユニット13にて実行される第1工程S1について以下説明する。
前記板材Wにおいて打ち抜かれる部位が前記第1パンチ17の上方域に配置されると、前記板材押え部が板材Wを上方(第1ダイ20側)に押し上げ、該板材Wの上面Waを第1ダイ20の下面20aに当接させる。そして次に、第1パンチ17が、前記油圧シリンダの駆動に基づき、下死点位置から上方にストローク移動する。すると、第1パンチ17の上面(板材Wに対向する対向面)17aが板材Wの下面Wbに当接し、その当接した部位を第1パンチ17が上方に向けて押圧する。その結果、板材Wには、第1ダイ20側(上方)に向けて突状をなす半抜き部15が形成される。こうして第1加工ユニット13では、第1パンチ17及び第1ダイ20を上下方向へ相対的に移動させることにより、板材Wにおいて被打抜き体15Aが打ち抜かれる部位に半抜き加工が施される。
そして、前記第1パンチ17は、前記上死点位置までストローク移動すると、その上方への移動を停止する。この際に、第1パンチ17は、その上面17aが第1ダイ20の下面20aに対して板材Wの厚み寸法dにおける45%の距離寸法だけ離間した位置まで接近することになる。そして次に、第1パンチ17は、前記下死点位置まで移動し、その移動を停止する。すなわち、第1加工ユニット13における第1工程S1が終了する。その後、前記板材押え部による板材Wの押し上げが停止され、該板材Wが第1ダイ20から離間する。すると、前記板材Wは第1加工ユニット13から第2加工ユニット14内まで順送りされる。なお、本実施形態における半抜き部15は、第1ダイ20の内側縁部20bに所謂アール状の加工が施されているため、第1の実施形態の場合に比して、その上面Wa側のだれ15bが大きくなるように形成される。また、第1加工ユニット13で形成される半抜き部15の第1の側壁面15shは、第1の実施形態の場合と同様に、第1ダイ20によってシェービングされるため、剪断面状に形成される。
次に、前記第2加工ユニット14について、図14〜図19に基づき以下説明する。
第2加工ユニット14には、その下型22上に第2ダイ23が取付固定されると共に、その上型25の下面側に第2ダイ23と雌雄関係を有する第2パンチ26が取付固定されている。前記第2ダイ23には、図14に示すように、断面略円形状をなす第2ダイ孔24が形成されており、該第2ダイ孔24は、その直径寸法D4(例えば29.3mm)が前記第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1よりも例えば0.4mmだけ大きくなるように設定されている。また、第2ダイ孔24は、その直径寸法D4が前記貫通孔Pの直径寸法d1よりも僅かに小さくなると共に、後述する被打抜き体15Aの直径寸法d3(図19参照)と略同一寸法となるように設定されている。
前記第2パンチ26は、略円柱形状をなすように形成されており、該第2パンチ26を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1パンチ17を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状を相似的に縮小させた形状をなすように構成されている。また、第2パンチ26の直径寸法D3は、第2パンチ26が板材WにおいてだれWdが形成された部位を切断(本実施形態ではシェービング)可能になると共に、前記第2ダイ孔24の直径寸法D4よりも例えば0.2mmだけ短くなるように設定されている。すなわち、雌雄関係を有する第2パンチ26及び第2ダイ23の間のクリアランス(クリアランスの幅寸法)C2は、正のクリアランス(C2=(D4−D3)/2>0)となるように設定されている。そして、本実施形態では、クリアランスC2が板材Wの厚み寸法d(例えば4mm)における2.5%の幅寸法(例えば0.1mm)となるように前記第2ダイ23が形成されている。
次に、前記第2加工ユニット14にて実行される第2工程S2について以下説明する。
前記第1加工ユニット13にて半抜き部15が形成された板材Wが第2加工ユニット14内に搬送され、半抜き部15が第2パンチ26の下方に配置されると、第2工程S2が開始される。すなわち、第2パンチ26が、図15に示すように、板材W(半抜き部15)に向けて下方にストローク移動し、板材Wの半抜き部15を下方に押し込む。この際に、第2パンチ26の端縁部26bは、板材Wの半抜き部15の断面円弧状をなす縁部(上側のだれ)に位置対応している。すると、半抜き部15の第2の側壁面15sbは、第1の実施形態の場合と同様に、破断面状に形成される。そして、第2パンチ26によって半抜き部15がさらに下方に押し込まれると、図16に示すように、前記半抜き部15における第1の側壁面15shと第2の側壁面15sbとが繋がる結果、半抜き部15が板材Wから切断された状態となる。
そして、図17に示すように、前記第2パンチ26が半抜き部15をさらに下方に押し込むと、第2ダイ23が半抜き部15(被打抜き体15Aとなる部位)の側壁面(打抜き面)15aを剪断し始める。すなわち、第2ダイ23は、第2パンチ26によって下方に押圧される半抜き部15を板材Wから打ち抜くと共に、該半抜き部15の側壁面15aに対してシェービング加工を開始する。そして、図18に示すように、第2パンチ26の下方へのさらなるストローク移動に伴い前記半抜き部15の側壁面15aには次第にシェービング加工が施されていく。
この時点において、半抜き部15は、未だ板材Wの貫通孔P内に嵌合した状態である。そしてさらに、第2ダイ23による前記側壁面Paへのシェービング加工が行われていくと、図19に示すように、半抜き部15は、第2パンチ26により前記貫通孔P外へ押し出されることにより、板材Wから打ち抜かれて被打抜き体15Aとなり、該被打抜き体15Aの側壁面15aは、第2ダイ23によるシェービング加工により、その大部分が剪断面状に形成される。なお、被打抜き体15Aの側壁面15aのうち剪断面状に形成された部位以外の部分は、半抜き部15(被打抜き体15A)が第2パンチ26からの押圧により板材Wから最終的に切断された部位であり、破断面状に形成される。また、板材Wには、第2ダイ23による前記側壁面15aに対するシェービング加工によって生じたかす(シェービングかす)が付着するため、その側壁面Paが破断面状に形成される。
本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(3)〜(5)、(8)及び(9)に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(10)もし仮に第1パンチ17及び第1ダイ20(第1ダイ孔21)の間のクリアランスC1が正のクリアランスとなるように設定された場合、板材Wにおいて第1パンチ17と第2ダイ20によって挟まれた部分に引張応力が働くため、第1加工ユニット13にて第1パンチ17により板材Wを上方に押圧した際に、その押圧した部位が破断して板材Wに破断面が形成される可能性がある。しかし、本実施形態では、前記クリアランスC1が負のクリアランスであるため、板材Wにおいて第1パンチ17と第2ダイ20によって挟まれた部分に圧縮応力が働くことにより破断が抑制される結果、第1加工ユニット13にて板材Wに破断面が形成されることを抑制できる。また、第2加工ユニット14では、板材Wに打ち抜き加工を施す際に、半抜き部15(被打抜き体15A)の側壁面15aに対して第2ダイ23がシェービング加工を施すようになっている。しかも、第2パンチ26及び第2ダイ23の間のクリアランスC2は正のクリアランスであるため、第2パンチ26及び第2ダイ23が接触することを回避できる。従って、装置自体の大型化及び板材Wに打ち抜き加工を施すための工程数の増加を抑制しつつ、板材Wから打ち抜かれた被打抜き体15Aの側壁面15aを剪断面状に形成できると共に、被打抜き体15Aに「ばり」が発生することを抑制できる。
(11)第1加工ユニット13では、板材Wにおいて貫通孔Pが形成される部位(打ち抜かれる部位)に半抜き部15を形成し、第2加工ユニット14では、該半抜き部15周辺を打ち抜き加工するようになっている。そのため、第2加工ユニット14にて被打抜き体15Aの側壁面15aに対してシェービング加工を施した際に発生したシェービングかすを、製品として使用されない板材Wに付着させた状態にすることができ、第2パンチ26にシェービングかすが付着することを抑制できる。
(12)もし仮に前記クリアランス(正のクリアランスの幅寸法)C2が板材Wの厚み寸法dにおける0.3%の幅寸法よりも小さくなるように設定されていると、第2パンチ26にて板材Wから半抜き部15を打ち抜く際に第2パンチ26及び第2ダイ23にかかる負荷が、大きくなる虞があった。すなわち、第2パンチ26及び第2ダイ23の寿命が短くなる可能性があった。一方、前記クリアランスC2が板材Wの厚み寸法dにおける8.0%の幅寸法よりも大きくなるように設定されていると、第2パンチ26及び第2ダイ23にて板材Wから被打抜き体15Aを打抜いた際に、該被打抜き体15Aに「ばり」が発生する可能性があった。しかし、本実施形態では、前記クリアランスC2が板材Wの厚み寸法dにおける2.5%の幅寸法に設定されている。従って、第2パンチ26及び第2ダイ23の寿命を長くできると共に、第2パンチ26及び第2ダイ23にて板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜いた際に該被打抜き体15Aに「ばり」が発生することを良好に抑制できる。
(13)もし仮に第2ダイ23における第2ダイ孔24の直径寸法D4と第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1との差が0.02mmよりも短くなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、半抜き部15と板材Wとを繋ぐ連結部位の幅寸法が本実施形態の場合に比して小さくなりすぎるため(所謂シェービング代の幅が狭くなりすぎるため)、第2工程S2では、被打抜き体15Aの側壁面15aにシェービング加工が施しにくくなる虞がある。一方、もし仮に第2ダイ23における第2ダイ孔24の直径寸法D4と第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1との差が0.6mmよりも大きくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、第2工程S2にて第2パンチ26及び第2ダイ23が板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜く場合に、第2ダイ23の内側縁部は、本実施形態の場合に比して第1工程S1にて形成された半抜き部15の内周側部位を剪断することになり、第2ダイ23にかかる負荷が大きくなってしまう。しかし、本実施形態では、第2ダイ23は、その第2ダイ孔24の直径寸法D4と第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1との差が0.4mmとなるように形成されている。そのため、第2工程S2にて前記所謂シェービング代の幅を良好に確保できると共に、第2ダイ23の寿命をさらに長くできる。
(14)もし仮に第1ダイ20の内側縁部20bの曲面20cが、第1ダイ20を上下方向に切断した場合に、板材Wの厚み寸法dにおける7.5%の長さ寸法の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する円弧状をなすように形成されたとすると、次のような不具合がある。すなわち、第1工程S1において板材Wに半抜き加工を施した場合に、該板材Wの上側に形成されるだれが大きくなりすぎる虞がある。しかし、本実施形態では、第1パンチ17の端縁部17bは、その曲面17cが板材Wの厚み寸法dにおける7.5%の曲率半径を有するように形成されているため、板材Wに形成されるだれWcが大きくなりすぎることを良好に抑制できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図20に従って説明する。なお、第3の実施形態は、各加工ユニットが第1の実施形態と多少異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図20に従って説明する。なお、第3の実施形態は、各加工ユニットが第1の実施形態と多少異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のプレス加工装置11は、第1加工ユニット13と第2加工ユニット14とを備えており、所定厚み(例えば3mm)を有する金属材料からなる板材W(例えば自動車構造用熱間圧延鋼板(JIS SAPH370))に所定形状(本実施形態では断面略円形状)をなす貫通孔Pを形成するようになっている。この第1加工ユニット13は、その下型16上に第1パンチ17が取付固定されると共に、その上型19の下面側に第1パンチ17と対応する第1ダイ20が取付固定されている。この第1パンチ17は、略円柱形状をなすように形成されており、その直径寸法D2が例えば20.2mmとなるように形成されている。
また、前記第1ダイ20には、断面略円形状をなす第1ダイ孔21が形成されており、第1パンチ17との間の負のクリアランスC1が板材Wの厚み寸法d(例えば3mm)における10%の幅寸法(例えば0.3mm)となるように設定されている。すなわち、第1ダイ20における第1ダイ孔21は、その直径寸法D1が例えば19.6mmとなるように設定されている。なお、本実施形態において、第1パンチ17における上面17a側(板材Wと対向する側)の端縁部17b及び第1ダイ20における下面20a側(板材Wと対向する側)の内側縁部20bには、所謂アール状をなす曲面が形成されるような加工が施されていない。
次に、前記第1加工ユニット13にて実行される第1工程S1について以下説明する。
前記板材Wにおいて打ち抜かれる部位が前記第1パンチ17の上方域に配置されると、前記板材押え部が板材Wを上方(第1ダイ20側)に押し上げ、該板材Wの上面Waを第1ダイ20の下面20aに当接させる。そして次に、第1パンチ17が、前記油圧シリンダの駆動に基づき、下死点位置から上方にストローク移動する。すると、板材Wには、第1ダイ20側(上方)に向けて突状をなす半抜き部15が形成される。こうして第1加工ユニット13では、第1パンチ17及び第1ダイ20を上下方向へ相対的に移動させることにより、板材Wにおいて被打抜き体15Aが打ち抜かれる部位に半抜き加工が施される。また、この際に、板材Wにおいて第1パンチ17の端縁部17bと接触した部位は、該第1パンチ17によってシェービング加工が施される結果、剪断面状に形成される。
そして、前記第1パンチ17は、前記上死点位置までストローク移動すると、その上方への移動を停止する。この際に、第1パンチ17は、その上面17aが第1ダイ20の下面20aに対して板材Wの厚み寸法dにおける33%の距離寸法だけ離間した位置まで接近することになる。そして次に、第1パンチ17は、前記下死点位置まで移動し、その移動を停止する。すなわち、第1加工ユニット13における第1工程S1が終了する。その後、前記板材押え部による板材Wの押し上げが停止され、該板材Wが第1ダイ20から離間する。すると、前記板材Wは第1加工ユニット13から第2加工ユニット14内まで順送りされる。
次に、前記第2加工ユニット14について以下説明する。
第2加工ユニット14には、その下型22上に第2ダイ23が取付固定されると共に、その上型25の下面側に第2ダイ23と雌雄関係を有する第2パンチ26が取付固定されている。前記第2ダイ23には、断面略円形状をなす第2ダイ孔24が形成されており、該第2ダイ孔24は、その直径寸法D4(例えば20.5mm)が前記第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1よりも例えば0.3mmだけ大きくなるように設定されている。
前記第2パンチ26は、略円柱形状をなすように形成されており、該第2パンチ26を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1パンチ17を上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状を相似的に拡大させた形状をなすように構成されている。また、第2パンチ26は、その直径寸法D3が前記第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1よりも0.5mmだけ大きくなるように形成されている。すなわち、第2パンチ26は、その直径寸法D3が例えば20.1mmとなるように設定されている。そのため、第2パンチ26の直径寸法D3は、前記第2ダイ孔24の直径寸法D4よりも例えば0.4mmだけ短くなる。従って、雌雄関係を有する第2パンチ26及び第2ダイ23の間に形成されるクリアランス(クリアランスの幅寸法)C2は、正のクリアランス(C2=(D4−D3)/2>0)となるように設定されている。そして、本実施形態では、クリアランスC2が板材Wの厚み寸法d(例えば3mm)における6.7%の幅寸法(例えば0.2mm)となるように前記第2ダイ23が形成されている。
次に、前記第2加工ユニット14にて実行される第2工程S2について以下説明する。
前記第1加工ユニット13にて半抜き部15が形成された板材Wが第2加工ユニット14内に搬送され、半抜き部15が第2パンチ26の下方に配置されると、第2工程S2が開始される。すなわち、第2パンチ26が、板材W(半抜き部15)に向けて下方にストローク移動し、板材Wの半抜き部15を下方に押し込む。すると、前記半抜き部15の第2の側壁面15sbは、破断面状に形成される。そして、第2パンチ26によって半抜き部15がさらに下方に押し込まれると、前記半抜き部15における第1の側壁面15shと第2の側壁面15sbとが繋がる結果、半抜き部15が板材Wから切断された状態となる。
そして、前記第2パンチ26が半抜き部15をさらに下方に押し込むと、第2パンチ26が前記貫通孔Pの側壁面Paにシェービング加工し始める。この際に、第2パンチ26の直径寸法D3は、第1パンチ17の直径寸法D3よりも0.1mmだけ小さい。そのため、図20に示すように、第2パンチ26によって剪断された部位(図20では上側部位)P1は、その直径寸法(例えば20.1mm)が第1パンチ17によって剪断された部位(図20では下側部位)P2の直径寸法(例えば20.2mm)よりも小さくなるように形成される。そのため、本実施形態のプレス加工装置11によって板材Wに形成された貫通孔Pには、上側部位P1と該上側部位P1の直径寸法よりも大きな直径寸法を有する下側部位P2とが形成される。
本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(5)、(8)及び(9)に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(15)もし仮に第2パンチ26の直径寸法D3と第1ダイ20における第1ダイ孔21のの直径寸法D1との差が0.02mmよりも小さくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、半抜き部15と板材Wとを繋ぐ連結部位の幅寸法が本実施形態の場合に比して小さくなりすぎるため(所謂シェービング代の幅が狭くなりすぎるため)、第2工程S2では、貫通孔Pにおける上側部位P1の側壁面Paにシェービング加工が施しにくくなる虞がある。一方、もし仮に第2パンチ26の直径寸法D3と第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1との差が0.6mmよりも大きくなるように設定されていると、次のような不具合がある。すなわち、第2工程S2にて第2パンチ26及び第2ダイ23が板材Wから被打抜き体15Aを打ち抜く場合には、第2パンチ26の端縁部26bにかかる負荷が大きくなってしまう。しかし、本実施形態では、第2パンチ26は、その直径寸法D3と第1ダイ20における第1ダイ孔21の直径寸法D1との差が0.5mmとなるように形成されている。そのため、第2工程S2にて前記所謂シェービング代の幅を良好に確保できると共に、第2パンチ26の寿命をさらに長くできる。
なお、前記各実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・前記第1の実施形態において、第1パンチ17の端縁部17bは、その曲面17cの曲率半径が板材Wの厚み寸法dにおける7.5%の曲率半径以下の曲率半径であれば、任意の曲率半径(例えば、前記厚み寸法dにおける1.5%の曲率半径)になるように形成されていてもよい。
・前記第1の実施形態において、第1ダイ20の内側縁部20bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの10%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。また、第2パンチ26の端縁部26bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの5%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。
・前記第2の実施形態において、第1ダイ20の内側縁部20bは、その曲面20cの曲率半径が板材Wの厚み寸法dにおける7.5%の曲率半径以下の曲率半径であれば、任意の曲率半径(例えば、前記厚み寸法dにおける6%の曲率半径)になるように形成されていてもよい。
・前記第2の実施形態において、第1パンチ17の端縁部17bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの5%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。また、第2パンチ26の端縁部26bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの5%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。
・前記第3の実施形態において、第1パンチ17の端縁部17bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの5%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。また、第1ダイ20の内側縁部20bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの10%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されてもいてよい。また、第2パンチ26の端縁部26bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの5%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。さらに、第2パンチ26の端縁部26bは、その縦断面形状が板材Wの厚み寸法dにおける15.0%の直径寸法以下の任意の直径寸法(例えば、厚み寸法dの5%の直径寸法)の円形状の一部をなすように形成されていてもよい。
・前記第1の実施形態において、第2パンチ26は、その直径寸法D3と第1パンチ17の直径寸法D2との差が0.02mm〜0.6mmの範囲内であれば、前記直径寸法D3と直径寸法D2との差が任意の直径寸法(例えば0.1mm)になるように形成されていてもよい。
・前記第1の実施形態において、第1パンチ17及び第2パンチ26は、上下方向と直交する方向に切断した場合の各断面形状を、板材Wに形成する貫通孔Pの断面形状(孔形状)に応じて任意の断面形状(例えば、断面多角形状)となるようにそれぞれ構成してもよい。ただし、第2パンチ26は、その断面形状が前記第1パンチ17の断面形状を略相似的に拡大させた形状であることが望ましい。
すなわち、第1パンチ17及び第2パンチ26は、断面形状が略正方形状にそれぞれ形成されたものであってもよい。ここで、図21に示すように、第1パンチ17の断面(以下、「第1パンチ断面」と示す。)17Aと第2パンチ26の断面(以下、「第2パンチ断面」と示す。)26Aとを上下方向において模式的に重ね合わせたとする。この場合、互いに相似形状をなす外周部位17d,26d同士の間の距離寸法daは、0.01mm〜0.3mmの範囲内であれば、任意の距離寸法(例えば0.15mm)に設定されていてもよい。この場合、第1パンチ断面17Aの上辺と第2パンチ断面26Aの上辺との間の距離寸法、及び第1パンチ断面17Aの右辺と第2パンチ断面26Aのとの間の距離寸法は、それぞれ前記距離寸法daとなる。同様に、第1パンチ断面17Aの下辺と第2パンチ断面26Aの下辺との間の距離寸法、及び第1パンチ断面17Aの左辺と第2パンチ断面26Aの左辺との間の距離寸法もまた、それぞれ前記距離寸法daとなる。なお、ここでいう「上下左右」は、図21における「上下左右」を示すものである。
・また、前記第1の実施形態のプレス加工装置11は、図22及び図23に示すように、他の加工装置(例えば、前記各パンチ17,26や各ダイ20,23とは大きさや形状が異なるパンチ及びダイを有するプレス加工装置)と共にキャリア40を形成するためのものであってもよい。なお、キャリア40とは、オートマチックトランスミッションのプレス成型部品の一種である。
・また、前記第2の実施形態においても、第1パンチ17及び第2パンチ26は、上下方向と直交する方向に切断した場合の各断面形状を、板材Wに形成する貫通孔Pの断面形状(孔形状)に応じて任意の断面形状(例えば、断面多角形状)となるようにそれぞれ構成してもよい。すなわち、第2の実施形態のプレス加工装置11は、図24に示すように、外側面(側壁面15A)側に複数の突起35が形成されてなるバッキングプレート36を形成するためのものであってもよい。この場合において、第2ダイ23は、その第2ダイ孔24の孔形状が第1ダイ20における第1ダイ孔21の孔形状を略相似的に縮小させた形状であることが望ましい。
・さらに、前記第3の実施形態においても、第1パンチ17及び第2パンチ26は、上下方向と直交する方向に切断した場合の各断面形状を、板材Wに形成する貫通孔Pの断面形状(孔形状)に応じて任意の断面形状(例えば、断面多角形状)となるようにそれぞれ構成してもよい。この場合において、第2パンチ26は、その断面形状が第1ダイ20における第1ダイ孔21の孔形状を略相似的に拡大させた形状であることが望ましい。
・前記各実施形態において、第2パンチ26は、クリアランスC2が板材Wの厚み寸法dにおける0.3%〜8%の幅寸法の範囲内であれば任意の幅寸法(例えば、前記厚み寸法dにおける1%の幅寸法)になるように形成されていてもよい。
・前記各実施形態において、第1パンチ17は、クリアランスC1が板材Wの厚み寸法dにおける1%〜15%の幅寸法の範囲内であれば任意の幅寸法(例えば、前記厚み寸法dにおける3.0%の幅寸法)になるように形成されていてもよい。
・前記第2の実施形態において、第2ダイ23は、該第2ダイ23の断面の内周部位と第1ダイ20の断面の内周部位との間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの範囲内で任意の距離寸法(例えば3mm)となるように構成されていてもよい。このように構成した場合、第2加工ユニット14において、第2ダイ23は、被打抜き体15Aの側壁面15aの一部のみを剪断することになる。すなわち、被打抜き体15Aは、直径寸法が大きい大径部と、該大径部よりも直径寸法が小さい小径部とが上下方向に連設されることになる。
・前記各実施形態において、第1加工ユニット13にて板材Wに半抜き加工を施した際における第1パンチ17の上面17aと第1ダイ20の下面20aとの上下方向の距離寸法d2は、前記厚み寸法dにおける10%〜50%の距離寸法の範囲内であれば任意の距離寸法となるように設定されたものであってもよい。例えば、前記距離寸法d2が前記厚み寸法dにおける40%の距離寸法となるように設定されていてもよい。
・前記第1の実施形態において、プレス加工装置は、図25(a)(b)(c)に示すように、板材30に対して切欠き部31を形成するプレス加工装置11に具体化してもよい。すなわち、第1工程S1では、板材30において切欠き部31が形成される部位に半抜き部32を形成する。そして、第2工程S2では、前記板材30の半抜き部32を打ち抜き加工すると共に、切欠き部31の側壁面31aをシェービング加工する。その結果、板材30には、剪断面状に加工された側壁面31aを有する切欠き部31が形成される。
・前記各実施形態において、プレス加工装置11は、第1パンチ17が第1加工ユニット13における上型19の下面側に取付固定されると共に、第2パンチ26が第2加工ユニット14における下型22の上面側に取付固定された構成であってもよい。この場合、第1工程S1においては、図25(a)に示すように、板材30に下方に向けて突状をなす半抜き部32が形成されることになる。
・前記各実施形態において、プレス加工装置11は、第1パンチ17が第1加工ユニット13における上型19の下面側に取付固定されると共に、第2パンチ26が第2加工ユニット14における上型25の下面側に取付固定された構成であってもよい。このように構成した場合は、第1加工ユニット13の第1工程S1により半抜き部32が形成された板材30を、半抜き部32の凸部が上方を向くように反転させた後に、第2加工ユニット14内に搬入するようにしてもよい。
・前記各実施形態において、プレス加工装置11は、オートマチックトランスミッションの成型部品であれば任意の成型部品を形成するものに具体化してもよい。また、無段変速機用ベルトのエレメントを形成するものに具体化してもよい。すなわち、薄板ではない比較的板厚のある部品であれば任意の成型部品を形成するものであってもよい。
Claims (19)
- 板材に打ち抜き加工を施すプレス加工装置において、
第1上型及び第1下型を有し、
第1上型及び第1下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、
前記第1上型には、対向する第1パンチ及び第1ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第1下型には、前記第1パンチ及び第1ダイのうち何れか他方が取付固定され、
上下方向から見て前記第1パンチと前記第1ダイとの間には負のクリアランスが設定され、前記第1パンチ及び第1ダイを上下方向へ相対移動させることにより、前記板材に半抜き加工を施す第1加工ユニットと、
第2上型及び第2下型を有し、
第2上型及び第2下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、
前記第2上型には、雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第2下型には、前記第2パンチ及び第2ダイのうち何れか他方が取付固定され、
上下方向から見て前記第2パンチと前記第2ダイとの間には正のクリアランスが設定され、前記第1加工ユニットによる半抜き加工により前記板材に形成された半抜き部を前記第2パンチにより被打抜き体として打ち抜いたとき、同板材の被打抜き体が打ち抜かれる部位には打ち抜き方向に沿う打抜き面が形成され、その打抜き面の少なくとも一部に前記第2パンチがシェービング加工を施す第2加工ユニットと
を備えるプレス加工装置。 - 前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状を相似的に拡大させた形状をなすように構成されている請求項1に記載のプレス加工装置。
- 前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、前記第1パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合に、互いに相似形状をなす外周部位同士の間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの距離寸法となるように構成されている請求項2に記載のプレス加工装置。
- 前記第1ダイには、上下方向に延びる挿通孔が貫通形成されており、前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状が前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の前記挿通孔の孔形状を相似的に拡大させた形状をなすように構成されている請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第2パンチは、該第2パンチを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合に、互いに相似関係をなす前記第2パンチの断面の外周部位と前記第1ダイの断面の内周部位との間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの距離寸法となるように構成されている請求項4に記載のプレス加工装置。
- 板材に打ち抜き加工を施すプレス加工装置において、
第1上型及び第1下型を有し、
第1上型及び第1下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、
前記第1上型には、対向する第1パンチ及び第1ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第1下型には、前記第1パンチ及び第1ダイのうち何れか他方が取付固定され、
上下方向から見て前記第1パンチと前記第1ダイとの間には負のクリアランスが設定され、前記第1パンチ及び第1ダイを上下方向へ相対移動させることにより、前記板材に半抜き加工を施す第1加工ユニットと、
第2上型及び第2下型を有し、
第2上型及び第2下型の少なくとも一方は他方に対して上下方向に移動可能であり、
前記第2上型には、雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイのうち何れか一方が取付固定されると共に、前記第2下型には、前記第2パンチ及び第2ダイのうち何れか他方が取付固定され、
上下方向から見て前記第2パンチと前記第2ダイとの間には正のクリアランスが設定され、前記第1加工ユニットによる半抜き加工により前記板材に形成された半抜き部を前記第2パンチにより被打ち抜き体として打ち抜くとき、該被打抜き体には打ち抜き方向に沿う打抜き面が形成され、その打抜き面の少なくとも一部に前記第2ダイがシェービング加工を施す第2加工ユニットと
を備えるプレス加工装置。 - 前記第1ダイ及び第2ダイには、上下方向に延びる挿通孔がそれぞれ貫通形成されており、前記第2ダイは、該第2ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の前記挿通孔の孔形状が前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の前記挿通孔の孔形状を相似的に縮小させた形状をなすように構成されている請求項6に記載のプレス加工装置。
- 前記第2ダイは、該第2ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状と、前記第1ダイを上下方向と直交する方向に切断した場合の断面形状とを上下方向において重ね合わせた場合に、互いに相似関係をなす前記第2ダイの断面の内周部位と前記第1ダイの断面の内周部位との間の距離寸法が0.01mm〜0.3mmの距離寸法となるように構成されている請求項7に記載のプレス加工装置。
- 前記第1加工ユニットは、前記第1パンチを前記第1ダイに対して相対的に接近させる場合、前記板材の厚み寸法における10%〜50%の距離寸法だけ離間した位置まで接近させるように構成されている請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第1パンチは、前記負のクリアランスの幅寸法が前記板材の厚み寸法に対して1%〜15%の幅寸法となるように形成されている請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第2パンチは、前記第1パンチが前記第1上型に取付固定される場合には前記第2下型に取付固定され、前記第1パンチが前記第1下型に取付固定される場合には前記第2上型に取付固定される請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第2パンチは、前記正のクリアランスの幅寸法が前記板材の厚み寸法に対して0.3%〜8%の幅寸法となるように形成されている請求項1〜請求項11のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第1パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部及び前記第1ダイにおける前記板材と対向する側の内側縁部のうち少なくとも一方には、曲面を有するように面取り加工が施されている請求項1〜請求項12のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第1パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部及び前記第1ダイにおける前記板材と対向する側の内側縁部のうち少なくとも一方に形成された曲面は、前記第1パンチ及び第1ダイを上下方向に切断した場合、板材の厚み寸法における7.5%の長さ寸法以下の曲率半径を有する円弧状をなすように形成されている請求項13に記載のプレス加工装置。
- 前記第2パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部には、曲面を有するように面取り加工が施されている請求項1〜請求項14のうち何れか一項に記載のプレス加工装置。
- 前記第2パンチにおける前記板材と対向する側の端縁部の曲面は、前記第2パンチを上下方向に切断した場合、板材の厚み寸法における7.5%の長さ寸法以下の曲率半径を有する円弧状をなすように形成されている請求項15に記載のプレス加工装置。
- 請求項1〜請求項16のうち何れか一項に記載のプレス加工装置にて板材から被打抜き体が打ち抜かれることにより製造された打抜き加工品。
- 板材に打ち抜き加工を施すプレス加工方法であって、
雌雄関係を有する第1パンチ及び第1ダイを用い、前記板材において被打抜き体が打ち抜かれる部位に半抜き加工を施す第1工程と、
雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイを用い、前記板材において前記第1工程で半抜き加工が施された部位から被打抜き体を打ち抜く際に、その被打抜き体が打ち抜かれる部位における打ち抜き方向に沿う打抜き面の少なくとも一部に前記第2パンチがシェービング加工を施す第2工程とを備えたプレス加工方法。 - 板材に打ち抜き加工を施すプレス加工方法であって、
雌雄関係を有する第1パンチ及び第1ダイを用い、前記板材において被打抜き体が打ち抜かれる部位に半抜き加工を施す第1工程と、
雌雄関係を有する第2パンチ及び第2ダイを用い、前記板材において前記第1工程で半抜き加工が施された部位から被打抜き体を打ち抜く際に、その被打抜き体における打ち抜き方向に沿う打抜き面の少なくとも一部に前記第2ダイがシェービング加工を施す第2工程とを備えたプレス加工方法。
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