JP6874534B2 - プレス成形品の製造方法及びプレス装置 - Google Patents
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Description
以下、図1〜図7を用いて、第1実施形態に係るプレス成形品の製造方法(以下、単に「プレス方法」という)について説明する。第1実施形態のプレス方法では、第1工程において、素材金属板に曲げ加工及びトリム加工を施して中間成形品20が形成され、第2工程において、中間成形品20に曲げ加工を施して最終成形品であるプレス成形品10が形成される。
以下、始めにプレス成形品10及び中間成形品20の構成について説明し、次いで、プレス方法及び該プレス方法に用いられるプレス装置30について説明する。なお、図面において同一の部材などには同一の符号を付しており、以下の説明において同一部材について先に説明したものは、適宜説明を省略している。
図4を用いてプレス成形品10の構成について説明する。なお、以下の説明では、図4に示される矢印A1及びA2の方向をプレス成形品10の上下方向とし、矢印B1及びB2の方向をプレス成形品10の前後方向とし、矢印C1及びC2の方向をプレス成形品10の幅方向としている。
図5を用いて中間成形品20について説明する。なお、図5に示される矢印A1及びA2を中間成形品20の上下方向とし、矢印B1及びB2の方向を中間成形品20の前後方向とし、矢印C1及びC2の方向を中間成形品20の幅方向としている。そして、中間成形品20の上下方向、前後方向、幅方向は、プレス成形品10の上下方向、前後方向、幅方向にそれぞれ一致している。さらに、図5では、中間成形品20の一部のみを図示している。
次に、プレス成形品の製造方法について説明する。プレス成形品の製造方法では、プレス装置30を用いてプレス成形品10を製造する。初めに、図1〜図3を用いて、プレス装置30について説明する。なお、図1〜図3では、矢印A1及びA2をプレス装置30の上下方向としている。そして、プレス装置30の上下方向とプレス成形品10及び中間成形品20の上下方向とが一致している。また、図1〜図3は、図4に示されるプレス成形品10の1−1線位置における縦断面図として図示している。
図1に示されるように、第1プレス型32は、第1プレス型32の上側部分を構成する第1ダイ40と、第1プレス型32の下側部分を構成する第1パンチ50と、を含んで構成されている。そして、第1ダイ40及び第1パンチ50が、上下方向に対向して配置されている。
また、第1ダイ40の下端部には、先端フランジ成形面40Cに対して縦フランジ成形面40Bとは反対側の位置において、ダイ側トリムナイフ42が一体に設けられている。このダイ側トリムナイフ42は、先端フランジ成形面40Cに対して下側へ突出しており、ダイ側トリムナイフ42の下端部には、中間成形品20の中間先端フランジ28Bの外周縁部をせん断(切断)して中間先端フランジ28Aを形成するための「トリム刃」としての第1トリム刃42Aが設けられている。すなわち、第1トリム刃42Aは、中間成形品20のトリム加工後の中間先端フランジ28Aの外周縁部に対応した形状に形成されている。
また、第1パンチ50の先端フランジ成形面50Cが形成された部分には、パンチ側トリムナイフ52が一体に設けられており、パンチ側トリムナイフ52の側面52Aは、中間成形品20のトリム加工後の中間先端フランジ28Aの外周縁部に対応した形状に形成されている。さらに、パンチ側トリムナイフ52の上端部には、第2トリム刃52Bが設けられており、第2トリム刃52Bは、中間成形品20のトリム加工前の中間先端フランジ28Bの外周縁部を第1ダイ40の第1トリム刃42Aと協働してせん断(切断)する部分である。
図3(A)に示されるように、第2プレス型34は、第2プレス型34の上側部分を構成する第2ダイ60と、第2プレス型34の下側部分を構成する第2パンチ70と、を含んで構成されている。そして、第2ダイ60及び第2パンチ70が、上下方向に対向して配置されている。
まず、比較例1及び比較例2のプレス方法について説明する。比較例1のプレス方法では、第1実施形態のプレス方法に対して、第1工程におけるトリム加工が省略されている。すなわち、比較例1の第2工程では、面積の大きい中間先端フランジ28Bを有する中間成形品20を用いてプレス成形品10を製造するようになっている。
上記比較例1のプレス方法では、第1工程後の中間成形品20において、第1実施形態の中間先端フランジ28Aと比べて面積の大きい中間先端フランジ28Bが形成される。そして、中間先端フランジ28Bは、第1実施形態の中間先端フランジ28Aに対して余肉部(図5の二点鎖線は、余肉部の縁を示している。)を有する形状になっているといえる。このため、比較例1では、第1工程において中間先端フランジ28Bが伸びフランジ成形されても、第1工程後の中間成形品20における中間先端フランジ28Bに生じる板厚減少率を低くすることができる。
次に、比較例2のプレス方法では、第1工程後の中間成形品20において、第1実施形態の中間先端フランジ28Bと比べて面積の小さい中間先端フランジ28Aが形成される。すなわち、中間成形品20の中間先端フランジ28Aが、第1実施形態の中間先端フランジ28Bの余肉部を切り欠いた形状になるように形成される。このため、比較例2では、第1工程において中間先端フランジ28Aが伸びフランジ成形されると、第1工程後の中間成形品20における中間先端フランジ28Aに生じる板厚減少率が高くなる。
これらに対して、第1実施形態のプレス方法では、第1工程の終期までは、面積の大きい中間先端フランジ28Bを有する中間成形品20が形成される。このため、上記比較例1と同様に、第1工程後の中間成形品20における中間先端フランジ28Bに対する板厚減少率を低くすることができる。そして、第2工程の開始前において、中間先端フランジ28Bの一部を除去して中間先端フランジ28Aを形成する。このため、第2工程において、面積の小さい中間先端フランジ28Aを有する中間成形品20を用いてプレス成形品10を形成することができる。これにより、上記比較例2と同様に、第2工程における縦フランジ16に対する板厚減少率を低くすることができる。以上により、第1実施形態のプレス方法では、第1工程(換言すると、プレス方法の前期)において、プレス成形品10の先端フランジ18に対する板厚減少率を低くして、且つ第2工程(換言すると、プレス方法の後期)において、縦フランジ16に対する板厚減少率を低くすることができる。すなわち、縦フランジ16の板厚減少率と先端フランジ18の板厚減少率とのバランスをとるように、プレス成形品10を形成することができる。換言すると、縦フランジ16及び先端フランジ18の一方の板厚減少率が極端に高くならないように、フランジ14に生じる板厚減少率を分散させて、フランジ14(縦フランジ16及び先端フランジ18)における最大板厚減少率を低くすることができる。したがって、フランジ14(縦フランジ16及び先端フランジ18)の割れの発生を効果的に抑制することができる。
なお、第1実施形態のプレス方法では、第1工程において素材金属板Pに曲げ加工を施して中間成形品20を形成し、第2工程において中間成形品20に曲げ加工を施してプレス成形品10を形成する構成になっている。これに代えて、第1工程において素材金属板Pに絞り加工を施して中間成形品20を成形してもよい。また、第2工程において中間成形品20に対して絞り加工を施して、プレス成形品10を成形してもよい。以下、第1工程を絞り加工にした場合と、第2工程を絞り加工にした場合と、について説明する。
また、第1ダイ40における先端フランジ成形面40Cが形成された部分にダイ側トリムナイフ42が一体に設けられており、ダイ側トリムナイフ42の下端部に第1トリム刃42Aが設けられている。さらに、ダイ側トリムナイフ42に対して縦フランジ成形面40Bとは反対側の部分には、後述する下側トリム型部84を収容可能にする凹部44が形成されている。そして、ダイ側トリムナイフ42の第1トリム刃42Aが、後述する下側トリム型部84の第2トリム刃84Aと協働して中間成形品20に対してトリム加工を施すようになっている。なお、第1ダイ40には、第1実施形態と同様に、第1移動装置36が連結されている。
次に、図10を用いて、第2工程において絞り加工を行う場合の第2プレス型34について説明する。図10(A)に示されるように、この場合の第2プレス型34は、第2プレス型34の上側部分を構成する第2ダイ60と、第2プレス型34の下側部分を構成する第2パンチ70及び第2ブランクホルダ90と、を含んで構成されている。
以上説明した第1実施形態及びその変形例では、第1プレス型32を用いた第1工程と、第2プレス型34を用いた第2工程と、の2工程(2回のプレス工程)により、素材金属板Pからプレス成形品10を成形する方法を説明した。
しかし、図15(D)に示されるように、1つ(同一)のプレス型を用いた1工程(1回のプレス工程)により、素材金属板Pからプレス成形品10を成形(製造)してもよい。
以下まず、第2実施形態として、1工程(1回のプレス工程)により、素材金属板Pに曲げ加工及びトリム加工を施してプレス成形品10を成形するためのプレス装置130を説明する。その後、第3実施形態として、1工程(1回のプレス工程)により、素材金属板Pに絞り加工及びトリム加工を施してプレス成形品10を成形するためのプレス装置130を説明する。
図11Aに示されるように、第2実施形態のプレス装置130は、1工程曲げプレス型132(以下、単に「プレス型132」)を備えている。プレス型132は、プレス型132の上側部分を構成するダイ140と、プレス型132の下側部分を構成するパンチ150と、を含んで構成されている。そして、ダイ140及びパンチ150が、上下方向に対向して配置されている。
ダイ140は、プレス成形品10の外表面(板厚方向他方側の面)に対応した成形面を有している。具体的には、ダイ140は、プレス成形品10の天板12を成形するための天板成形面140Aと、縦フランジ16を成形するための縦フランジ成形面140Bと、先端フランジ18を成形するための先端フランジ成形面140Cと、を有している。
ダイ140の縦フランジ成形面140Bと先端フランジ成形面140Cとの境界部が「ダイ肩」である。
パンチ150は、プレス成形品10の内表面(板厚方向一方側の面)に対応した成形面を有している。具体的には、パンチ150は、ダイ140の天板成形面140Aに対応する「頂面」としての天板成形面150Aと、縦フランジ成形面140Bに対応する縦フランジ成形面150Bと、先端フランジ成形面140Cに対応する先端フランジ成形面150Cと、を有している。
つまり、パンチ150の天板成形面150Aは、プレス成形品10の天板12の内表面に対応した形状とされており、パンチ150の縦フランジ成形面150Bは、プレス成形品10の縦フランジ16の内表面に対応した形状とされている。よって、パンチ150の天板成形面150A(「頂面」)と縦フランジ成形面150Bとの境界部(すなわち「頂面の縁」)は、プレス成形品10の凹状外周部12Aの内表面に対応した形状とされており、上方から見て天板成形面150Aの内側へ凸となる凹状の「凹状縁部」となっている。
なお、図11A〜11Dに示されている断面は、この凹状縁部の延在方向に対して垂直な断面である。すなわち、天板成形面150Aと縦フランジ成形面150Bの境界のパンチ肩の稜線(凹状縁部)は図11A〜11Dの紙面を貫通する方向に延在し、天板成形面150A側に凸に湾曲する。
図11Aに示されるように、ダイ140の縦フランジ成形面140Bと先端フランジ成形面140Cとの境界部(ダイ肩)に対する第1トリム刃142Aのプレス方向(下方向)への離間距離(以下、単に「第1トリム刃142Aの離間距離」)をαとし、ダイ140の縦フランジ成形面140Bのプレス方向の寸法(以下、「ダイ穴深さ」)をβとした場合、第1トリム刃142Aの離間距離αはダイ穴深さβよりも小さく設定されている(α<β)。
なお、ダイ140の縦フランジ成形面140Bのプレス方向の寸法βは、パンチ150の縦フランジ成形面150Bのプレス方向の寸法と一致しており、また、プレス成形品10の縦フランジの高さ寸法H1に対応している。
次に、第2実施形態のプレス装置130を用いたプレス方法について説明する。
そして、図11Bに示されるように、第1移動装置36によってダイ140をパンチ150に対して下側へ相対移動させて、中間成形品20の中間縦フランジ26に対応する部分をダイ140及びパンチ150によって成形する。
なお、図11Bには、ダイ140の第1トリム刃142Aが中間成形品20の中間先端フランジ28Bに接触した瞬間(すなわち、トリム工程の直前)の状態が示されている。この状態では、パッド141により、パンチ側トリムナイフ152の上面に中間成形品20の中間先端フランジ28Bが押さえられている。
次に、図11Cに示されるように、中間成形品20に対してトリム加工が施される。具体的には、ダイ140の第1トリム刃142Aとパンチ150の第2トリム刃152Bとが協働して、中間成形品20の中間先端フランジ28Bの外周縁部をせん断し、中間先端フランジ28Bの一部を除去する。これにより、中間成形品20の中間先端フランジ28Aが形成される。
この状態から、第1移動装置36によってダイ140をさらに下側へ移動させて、ダイ140の先端フランジ成形面140Cによって中間成形品20の中間先端フランジ28Aを下側へ押し込む。このとき、中間成形品20の中間先端フランジ28Aと中間縦フランジ26との間の屈曲部24を下側へ曲げ伸ばしながら(換言すると、屈曲部24の位置を下側へずらしながら)、プレス成形品10の縦フランジ16及び先端フランジ18を成形する。
すなわち、図11A〜11Bに示されるトリム前成形工程で、素材金属板Pに曲げ加工を施して、プレス成形品10の縦フランジ16よりも高さの低い中間縦フランジ26を形成すると共に、面積の大きい中間先端フランジ28Bを形成する。そして、図11B〜11Cに示されるトリム工程で、中間成形品20の中間先端フランジ28Bの一部を除去して、中間先端フランジ28Bよりも面積の小さい中間先端フランジ28Aを形成する。さらに、図11C〜11Dに示されるトリム後成形工程で、中間成形品20に対して曲げ加工を施して、中間縦フランジ26及び中間先端フランジ28Aの間の屈曲部24を曲げ伸ばして、プレス成形品10を形成する。
その結果、第2実施形態のプレス方法でも、トリム前成形工程においてプレス成形品10の先端フランジ18に対する板厚減少率を低くして、且つ、トリム後成形工程において縦フランジ16に対する板厚減少率を低くすることができる。すなわち、縦フランジ16の板厚減少率と先端フランジ18の板厚減少率とのバランスをとるように、プレス成形品10を形成することができる。
次に、図12A〜12Dを用いて、一工程のプレス工程による絞り加工及びトリム加工を施してプレス成形品10を製造するための第3実施形態のプレス装置130について説明する。
ダイ140は、プレス成形品10の外表面(板厚方向他方側の面)に対応した成形面を有している。具体的には、ダイ140は、プレス成形品10の天板12を成形するための天板成形面140Aと、縦フランジ16を成形するための縦フランジ成形面140Bと、先端フランジ18を成形するための先端フランジ成形面140Cと、を有している。
ダイ140の縦フランジ成形面140Bと先端フランジ成形面140Cとの境界部が「ダイ肩」とされている。
一方、パンチ150は、ダイ140の天板成形面140Aに対応する「頂面」としての天板成形面150Aと、縦フランジ成形面140Bに対応する縦フランジ成形面150Bと、を有している。
パンチ150の天板成形面150Aと縦フランジ成形面150Bとの境界部が、パンチ150の「頂面の縁」又は「パンチ肩」とされている。パンチ150の頂面の縁は、プレス成形品10の凹状外周部12Aの内表面に対応した形状とされており、上方から見て天板成形面150Aの内側へ凸となる凹状の「凹状縁部」となっている。
図12Aに示されるように、第2トリム刃84Aのパンチ肩(頂面の縁、パンチ150の天板成形面150Aと縦フランジ成形面150Bとの境界部)に対するプレス方向(下方向)への離間距離をγとし、ダイ140の縦フランジ成形面140Bのプレス方向の寸法(すなわち「ダイ穴深さ」)をβとした場合、第2トリム刃84Aのパンチ肩に対する離間距離γは、ダイ穴深さβよりも小さく設定されている(γ<β)。
なお、ダイ140の縦フランジ成形面140Bのプレス方向の寸法βは、プレス成形品10の縦フランジの高さ寸法H1に対応している。
次に、第3実施形態のプレス装置130を用いたプレス方法について説明する。
図12Aに示されるように、まず、素材金属板Pをパンチ150の天板成形面150A上に設置(セット)する。そして、第1移動装置36及び第1加圧装置82を作動させて、ダイ140の先端フランジ成形面140Cと第1ブランクホルダ80のブランク加圧面80Aとによって、素材金属板Pを挟持する。そして、図12Bに示されるように、第1移動装置36及び第1加圧装置82を作動させて、ダイ140及び第1ブランクホルダ80によって素材金属板Pを挟持した状態を維持しながら、ダイ140及び第1ブランクホルダ80をパンチ150に対して下側へ相対移動させて、中間成形品20の中間縦フランジ26に対応する部分を形成する。
なお、図12Bには、下側トリム型部84の第2トリム刃84Aが中間成形品20の中間先端フランジ28Bに接触した瞬間(すなわち、トリム工程の直前)の状態が示されている。この状態では、パッド141により、下側トリム型部84の上面に中間成形品20の中間先端フランジ28Bの先端部が押さえられている。
次に、図12Cに示されるように、中間成形品20に対してトリム加工が施される。具体的には、ダイ140の第1トリム刃142Aと下側トリム型部84の第2トリム刃84Aとが協働して、中間成形品20の中間先端フランジ28Bの外周縁部をせん断して、中間先端フランジ28Bの一部を除去する。これにより、中間成形品20の中間先端フランジ28Aが形成される。
この状態から、第1移動装置36によってダイ140をさらに下側へ移動させて、ダイ140の先端フランジ成形面140Cと第1ブランクホルダ80のブランク加圧面80Aとによって中間成形品20の中間先端フランジ28Aを加圧挟持した状態を維持したまま、ダイ140及び第1ブランクホルダ80をパンチ150に対して相対的に下側へ移動させる。このとき、中間成形品20の中間先端フランジ28Aと中間縦フランジ26との間の屈曲部24を下側へ曲げ伸ばしながら(換言すると、屈曲部24の位置を下側へずらしながら)、プレス成形品10の縦フランジ16及び先端フランジ18を成形する。図12Dに示されるように、ダイ140が下死点に到達すると、ダイ140の天板成形面140A及びパンチ150の天板成形面150Aによって、プレス成形品10の天板12が加圧挟持されて、プレス成形品10が形成される。
その結果、第3実施形態のプレス方法でも、トリム前成形工程においてプレス成形品10の先端フランジ18に対する板厚減少率を低くして、且つ、トリム後成形工程において縦フランジ16に対する板厚減少率を低くすることができる。すなわち、縦フランジ16の板厚減少率と先端フランジ18の板厚減少率とのバランスをとるように、プレス成形品10を形成することができる。
最後に、図13A、13Bを用いて、第4実施形態のプレス装置230について説明する。
なお、上述の各実施形態では、プレス成形品10が一箇所のフランジ14を有する構成になっているが、プレス成形品10の構成はこれに限らない。例えば、プレス成形品10が一対のフランジ14を有する構成にして、一対のフランジ14が形成された部位におけるプレス成形品10の断面形状を、溝状やハット形状にしてもよい。さらに、プレス成形品10の天板12に凹部又は凸部等の形状を追加してもよい。
12 天板
12A 凹状外周部(凹状縁部)
12B 凹状縁部
14 フランジ
16 縦フランジ
18 先端フランジ
20 中間成形品
22 中間天板
26 中間縦フランジ
28A 中間先端フランジ
28B 中間先端フランジ
30 プレス装置
32 第1プレス型
34 第2プレス型
40 第1ダイ
42A 第1トリム刃(トリム刃)
50 第1パンチ
52B 第2トリム刃(トリム刃)
60 第2ダイ
70 第2パンチ
84A 第2トリム刃(トリム刃)
130 プレス装置
132 プレス型
140 ダイ
140A 天板成形面
140B 縦フランジ成形面
140C 先端フランジ成形面(板押さえ面)
141 パッド
142A 第1トリム刃
150 パンチ
150A 天板成形面(頂面)
150B 縦フランジ成形面
150C 先端フランジ成形面
152B 第2トリム刃
2009 特開
α ダイのダイ肩に対するプレス方向の離間距離
β ダイのダイ穴の深さ
γ パンチの頂面の縁の凹状縁部に対するプレス方向の離間距離
P 素材金属板
Claims (14)
- 板厚方向視の形状が内側へ凸となる凹状に形成された凹状縁部を有する天板と、該凹状縁部の部位において前記天板の板厚方向一方側へ屈曲されたフランジと、を有するプレス成形品の製造方法であって、
前記フランジは、前記凹状縁部の部位において前記天板の板厚方向一方側へ屈曲された縦フランジと、該縦フランジの先端部において該縦フランジの板厚方向の前記天板とは反対側へ屈曲された先端フランジと、によって構成され、又は、前記凹状縁部の部位において前記天板の板厚方向一方側へ屈曲された縦フランジによって構成されており、
素材金属板に曲げ加工又は絞り加工を施すことで、前記天板に対応する中間天板と、前記フランジの基端部となる中間縦フランジと、前記中間縦フランジの先端部において前記中間縦フランジの板厚方向の前記中間天板とは反対側へ屈曲された中間先端フランジと、を有する中間成形品を形成するトリム前成形工程と、
前記中間先端フランジの一部を除去して前記中間先端フランジの面積を小さくするトリム工程と、
前記中間縦フランジと前記トリム工程で面積が小さくなった前記中間先端フランジとの間の屈曲部を曲げ伸ばして前記プレス成形品を形成するトリム後成形工程と、
を備えたプレス成形品の製造方法。 - 前記トリム前成形工程及び前記トリム後成形工程は、第1プレス型を用いる第1工程と第2プレス型を用いる第2工程との2工程に分けて行われ、
前記トリム工程は、前記第1工程の開始後で前記第2工程の開始前に行われる
請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。 - 前記トリム工程では、前記中間先端フランジの縁部を、前記第1プレス型に設けられたトリム刃によってせん断する請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
- 前記トリム前成形工程、前記トリム工程及び前記トリム後成形工程は、同一のプレス型を用いて行われる
請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。 - 前記トリム工程が、前記第1工程内において行われる請求項2又は請求項3に記載のプレス成形品の製造方法。
- 前記トリム工程が、前記第1工程の終期において行われる請求項2、請求項3又は請求項5に記載のプレス成形品の製造方法。
- 板厚方向視の形状が内側へ凸となる凹状に形成された凹状縁部を有する天板と、該凹状縁部の部位において前記天板の板厚方向一方側へ屈曲されたフランジと、を有するプレス成形品を製造するプレス装置であって、
前記天板に対応する中間天板と、前記フランジの基端部となる中間縦フランジと、前記中間縦フランジの先端部において前記中間縦フランジの板厚方向の前記中間天板とは反対側へ屈曲された中間先端フランジと、を有する中間成形品を形成する第1プレス型と、
前記中間縦フランジと前記中間先端フランジとの間の屈曲部を曲げ伸ばして前記プレス成形品を形成する第2プレス型と、
を備え、
前記第1プレス型は、
第1ダイと、
前記第1ダイに対向して配置された第1パンチと、
前記第1ダイに設けられた第1トリム刃と、
前記第1パンチに設けられ、前記第1トリム刃と協働して成形中の前記中間先端フランジを切断する第2トリム刃と、
を含んで構成されているプレス装置。 - 板厚方向視の形状が内側へ凸となる凹状に形成された凹状縁部を有する天板と、該凹状縁部の部位において前記天板の板厚方向一方側へ屈曲されたフランジと、を有するプレス成形品を製造するプレス装置であって、
前記天板に対応する中間天板と、前記フランジの基端部となる中間縦フランジと、前記中間縦フランジの先端部において前記中間縦フランジの板厚方向の前記中間天板とは反対側へ屈曲された中間先端フランジと、を有する中間成形品を形成する第1プレス型と、
前記中間縦フランジと前記中間先端フランジとの間の屈曲部を曲げ伸ばして前記プレス成形品を形成する第2プレス型と、
を備え、
前記第1プレス型は、
第1ダイと、
前記第1ダイと対向して配置された第1パンチ及び第1ブランクホルダと、
前記第1ダイに設けられた第1トリム刃と、
前記第1ダイと対向して配置され、前記第1トリム刃と協働して成形中の前記中間先端フランジを切断する第2トリム刃と、を含んで構成されているプレス装置。 - ダイと、
前記ダイとプレス方向に対向して配置され、頂面の縁に前記頂面の内側へ凸となる凹状の凹状縁部を備えたパンチと、
前記凹状縁部の延在方向に対して垂直な断面内で、前記パンチの端部に設けられた第2トリム刃と、
前記断面内で前記第2トリム刃とすれ違う位置に配置され、前記ダイのダイ肩に対するプレス方向の離間距離が前記ダイのダイ穴の深さより小さい第1トリム刃と、
を備えるプレス装置。 - 前記ダイの板押さえ面に形成された穴に収納されるパッド
をさらに備える請求項9に記載のプレス装置。 - 前記第1トリム刃とプレス方向に対向して配置されるブランクホルダ
をさらに備える請求項9又は請求項10に記載のプレス装置。 - ダイと、
前記ダイとプレス方向に対向して配置され、頂面の縁に前記頂面の内側へ凸となる凹状の凹状縁部を備えたパンチと、
前記凹状縁部の延在方向に対して垂直な断面内で、前記ダイのダイ肩と反対側のダイの端部の肩部に設けられた第1トリム刃と、
前記断面内で前記第1トリム刃とすれ違う位置に配置され、前記凹状縁部に対するプレス方向の離間距離が前記ダイのダイ穴の深さより小さい第2トリム刃と、
を備えるプレス装置。 - 前記ダイ穴と反対側に前記第1トリム刃に隣接して配置され、かつ前記第2トリム刃とプレス方向に対向して配置されるパッド
をさらに備える請求項12に記載のプレス装置。 - 前記断面内で、前記ダイの板押さえ面とプレス方向に対向し、かつ前記第2トリム刃と前記パンチの間に配置されるブランクホルダ
をさらに備える請求項12又は請求項13に記載のプレス装置。
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