JP7439802B2 - プレス成形方法及びプレス成形金型 - Google Patents

プレス成形方法及びプレス成形金型 Download PDF

Info

Publication number
JP7439802B2
JP7439802B2 JP2021120156A JP2021120156A JP7439802B2 JP 7439802 B2 JP7439802 B2 JP 7439802B2 JP 2021120156 A JP2021120156 A JP 2021120156A JP 2021120156 A JP2021120156 A JP 2021120156A JP 7439802 B2 JP7439802 B2 JP 7439802B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bending
vertical wall
punch
forming
radius
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021120156A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023016092A (ja
Inventor
徹 簑手
昂至 達川
亮伸 石渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2021120156A priority Critical patent/JP7439802B2/ja
Publication of JP2023016092A publication Critical patent/JP2023016092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7439802B2 publication Critical patent/JP7439802B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、金属素板から自動車部品等の部材をプレス成形するプレス成形方法及びプレス成形金型に関し、特に、ロアアームのような、平面視において二股に分岐する形状を有する天板部と、該天板部に連続する縦壁部を備えたプレス成形品のプレス成形方法及びプレス成形金型に関する。
プレス成形品では、例えば、自動車の足回り部品であるロアアームのように、平面視において二股に分岐する形状を有する天板部と、該天板部に連続する縦壁部を備えたものがある。このようなプレス成形品の一例について、図9を用いて説明する。
図9に示すプレス成形品5は、平面視において二股に分岐する形状を有する天板部1と、天板部1に連続する縦壁部3を有している。以下、このようなプレス成形品5における二股に分岐した部分を分岐部23という。
図9のような二股に分岐する形状を有する天板部1に縦壁部3を形成する際、天板部1の平面視において二股に分岐する屈曲した中央部分(分岐部中央部)に形成される縦壁部3は伸びフランジ変形となるため、縦壁部3の先端(図中の破線円で囲んだo部)に伸びフランジ割れが発生しやすい。
上記のような伸びフランジ割れを回避するため、一般的にこのようなプレス成形品5は以下に述べるような複数の工程で製造されている。
まず、ブランク(金属板)をパッドで押さえたフォーム成形等により、図10に示すような、天板部1と、天板部1から第1屈曲部2を介して連続し縦壁部3の基端側となる中間縦壁部9と、中間縦壁部9から第2屈曲部11を介して連続する棚部13を有する中間成形品7を張り出し成形する(第1成形工程)。
次に、図11に示すように、所定のトリムラインにそってパネルをトリムし、中間成形品7の棚部13から不要部(図中斜線で示した部分)を除去してフランジ部25を残す(トリム工程)。そして、第2屈曲部11を曲げ戻してフランジ部25を立てること(リストライク)により、中間縦壁部9とフランジ部25に相当する部位からなる縦壁部3を成形し(第2成形工程)、図9に示したプレス成形品5を製造する。図9において図中グレーで示した部分は、第2成形工程で曲げ戻した第2屈曲部11に相当する部分である。
上述した方法では、第1成形工程(張り出し成形)によって成形する中間成形品7を介在させることで、その後の第2成形工程(リストライク)時の伸びフランジ変形量を低減している。さらに、中間成形品7に余肉部(トリム工程で除去する部分)を設けたことから、張り出し成形時に図9に示したo部に相当する部分(図10の状態では破線円で示す部分)では材料流れが抑えられるので、板厚の減少を抑制できて、第2成形工程時にo部に生じる伸びフランジ割れを抑制することができる。
このようなプレス成形方法として、張り出し成形とトリムを同一工程で実施する例が特許文献1に開示されている。
特開2017-217698号公報
発明者らは、種々の形状を持つロアアーム等のプレス成形品について、有限要素法による成形解析やプレス成形実験を実施し、分岐部23の形状によっては、分岐部中央部に形成される縦壁部3の先端(o部)だけでなく、分岐部中央部の近傍における第2成形工程で曲げ戻した部分(図9中の破線円で囲んだa部、b部である曲げ稜線方向における分岐部中央部の両側の部分、以下、単に「分岐部両側部」という)にも、成形中に割れが発生することを明らかにした。a部及びb部に割れが発生する理由について、図9、図10、図12を用いて説明する。
図12(a)は、図11に示した中間成形品7のA´-A´断面図であり、図12(b)は、図9に示したプレス成形品5のA-A断面図である。A´-A´断面図及びA-A断面図は、中間成形品7及びプレス成形品5におけるa部に相当する部分の断面を示すものである。
第1成形工程及びトリム工程によって形成された中間縦壁部9、第2屈曲部11及びフランジ部25(図12(a)参照)は、第2成形工程によって第2屈曲部11が曲げ戻されることで、図12(b)に示すように、縦壁部3となる。このとき、曲げ戻された第2屈曲部11に相当する部分には加工硬化が生じるため、図中矢印で示す部分の板厚が減少する。
さらに、伸びフランジ変形によって材料不足が生じやすいo部が近傍にあることで(図9参照)、a部からo部へ向かう材料流れが生じる。この板厚減少及び材料流れの両作用によってa部に割れが発生する。また、同様の理由でb部にも割れが生じる。
上記のような、a部、b部に生じる割れを抑制するには、中間成形品7の第2屈曲部11の曲げ半径を大きくするなどして、加工硬化を低減し、第1成形工程での変形量を小さくすればよい。しかし、a部、b部に加えてo部もともに第1成形工程での変形量を小さくすると、その後の第2成形工程での伸びフランジ変形量が大きくなり、o部に割れが生じやすくなる。
このように、従来の技術では、分岐部中央部に形成される縦壁部3の先端(o部)と、分岐部両側部における曲げ戻した部分(a部、b部)の割れを同時に防止することが難しいという課題があった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、ロアアーム等の、平面視において二股に分岐する形状を有する天板部と、該天板部に連続する縦壁部を備えたプレス成形品を成形する際、分岐部中央部に形成される縦壁部の先端と、分岐部両側部における曲げ戻した部分ともに、同時に割れを防止することができるプレス成形方法及びプレス成形金型を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、平面視において二股に分岐する形状を有する天板部と、該天板部に連続する縦壁部を備えたプレス成形品をプレス成形するものであって、金属板をパッドでパンチに押し付けた状態で、前記天板部と、該天板部から第1屈曲部を介して連続し前記縦壁部の基端側となる中間縦壁部と、該中間縦壁部から第2屈曲部を介して連続する棚部を、前記パンチとダイが協働して張り出し成形する第1成形工程と、前記棚部から不要部を除去してフランジ部を残すトリム工程と、前記第1屈曲部の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形すると共に、前記第2屈曲部を曲げ戻して前記中間縦壁部と前記フランジ部に相当する部位からなる前記縦壁部を形成して目標形状に成形する第2成形工程とを備え、前記第1成形工程は、前記第1屈曲部の曲げ半径を前記目標形状における第1屈曲部の曲げ半径よりも小さく、かつ、前記第2屈曲部における分岐部中央部の曲げ半径が、該分岐部中央部の曲げ稜線方向両側の部分の曲げ半径よりも小さくなるように成形することを特徴とするものである。
(2)本発明に係るプレス成形金型は、上記(1)に記載のプレス成形方法を実現するためのものであって、前記天板部と、該天板部から第1屈曲部を介して連続し前記縦壁部の基端側となる中間縦壁部と、該中間縦壁部から第2屈曲部を介して連続する棚部を有する中間成形品を成形する第1金型と、前記棚部から不要部を除去してフランジ部を残すトリム金型と、前記第1屈曲部の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形すると共に、前記第2屈曲部を曲げ戻して、前記中間縦壁部と前記フランジ部に相当する部位からなる前記縦壁部を形成して目標形状に成形する第2金型とを備え、前記第1金型は、前記第1屈曲部を成形する第1パンチ肩部を有する第1パンチと、該第1パンチと対向して配置され金属板を前記第1パンチに押し付ける第1パッドと、前記第2屈曲部を成形する第1ダイ肩部を有する第1ダイとを有し、前記第2金型は、前記第1屈曲部の曲げ半径を目標形状に成形する第2パンチ肩部を有する第2パンチと、該第2パンチと対向して配置され金属板を前記第2パンチに押し付ける第2パッドと、前記第2屈曲部を曲げ戻す第2ダイとを有し、前記第1パンチ肩部の曲率半径RP1が前記第2パンチ肩部の曲率半径RP2よりも小さく、かつ、前記第1ダイ肩部における前記第2屈曲部の分岐部中央部を成形する部分の曲率半径RDCが前記第1ダイ肩部における前記第2屈曲部の分岐部中央部の曲げ稜線方向両側部分を成形する部分の曲率半径RDSよりも小さくなるように設定されていることを特徴とするものである。
本発明においては、第1成形工程において、第1屈曲部の曲げ半径を目標形状における第1屈曲部の曲げ半径よりも小さく、かつ、第2屈曲部における分岐部中央部の曲げ半径が、分岐部両側部の曲げ半径よりも小さくなるように成形することにより、分岐部中央部の第2成形工程時の伸びフランジ変形量を抑えつつ分岐部両側部における曲げ戻し部分の板厚減少を抑えることができ、さらに、第2成形工程において、第1屈曲部から縦壁部に向かう材料流れを促進することができる。これにより、分岐部中央部に形成される縦壁部の先端と、分岐部両側部における曲げ戻した部分の割れを同時に防止することができる。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第1成形工程及びこれに用いる第1金型の説明図である。 図3(a)は、図1(a)のO-O断面、図3(b)は、図1(a)のP-P断面を示す図である。 図1(a)における第2屈曲部のO-O断面及びP-P断面を示す図であり、第2屈曲部における分岐部中央部の曲げ半径と分岐部両側部の曲げ半径の違いを説明する説明図である。 本発明の一実施の形態に係るトリム工程及びこれに用いるトリム金型の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る第2成形工程及びこれに用いる第2金型の説明図である。 図1(c)のQ-Q断面を示す図である。 図1(a)における第1屈曲部の断面及び図1(c)における第1屈曲部の断面を示す図であり、第2成形工程時の材料流れを説明する説明図である。 本発明の一実施の形態に係る目標形状と、該目標形状の成形過程で生ずる課題を説明する説明図である。 従来のプレス成形方法の説明図である(その1)。 従来のプレス成形方法の説明図である(その2)。 図9に示した目標形状の成形過程でa部、b部に割れが生ずる理由を説明する説明図である。
本実施の形態に係るプレス成形方法は、平面視において二股に分岐する形状を有する天板部1と、天板部1に連続する縦壁部3を有するプレス成形品5(図9参照)を成形するものであって、図1に示すように、金属板を中間成形品7に成形する第1成形工程S1と、第1成形工程S1で成形された中間成形品7から不要部を除去するトリム工程S3と、トリム工程S3で不要部を除去した中間成形品7を目標形状に成形する第2成形工程S5とを備えたものである。
以下、各工程を説明する。なお、図1において、目標形状及び中間成形品7を説明した図9~図11と同一部分及び対応する部分には同一の符号が付してある。
<第1成形工程>
第1成形工程S1は、図1(a)に示すような中間成形品7を成形する工程であり、中間成形品7は、天板部1と、天板部1から第1屈曲部2を介して連続し縦壁部3の基端側となる中間縦壁部9と、中間縦壁部9から第2屈曲部11を介して連続する棚部13を有している。
このような中間成形品7を成形する第1成形工程S1は、図2に示すように、第1屈曲部2を成形する第1パンチ肩部15aを有する第1パンチ15と、第1パンチ15と対向して配置され金属板を第1パンチ15に押し付ける第1パッド17と、第2屈曲部11を成形する第1ダイ肩部19aを有する第1ダイ19からなる第1金型21によって行われる。
図2(a)は、中間成形品7の分岐部中央部の断面であるO-O断面(図1(a)の拡大図参照)、図2(b)は、分岐部両側部の一方(a部側)の断面であるP-P断面(図1(a)の拡大図参照)の成形下死点の状態を示す図である。なお、分岐部両側部の他方(b部側)の断面も一方(a部側)と同様であるので図示を省略する。
図2(a)と図2(b)を比較すると分かるように、第2屈曲部11を成形する第1ダイ肩部19aに関し、第2屈曲部11の分岐部中央部を成形する部分の曲率半径RDC(以降、単に「ダイ肩RDC」という)が第2屈曲部11の分岐部両側部を成形する部分の曲率半径RDS(以降、単に「ダイ肩RDS」という)よりも小さく設定されている(RDC<RDS)。
また、第1屈曲部2を成形する第1パンチ肩部15aに関し、第1パンチ肩部15aの曲率半径RP1(以降、単に「パンチ肩RP1」という)が第2成形工程で用いる第2パンチ35の第2パンチ肩部35aの曲率半径RP2(図6参照)よりも小さく設定されている(RP1<RP2)。
なお、第1ダイ肩部19aにおける分岐部中央部を成形する部分と分岐部両側部を成形する部分の間は、R(アール)が徐々に変化する形状(徐変部)(図1(a)の拡大図)となっている。
上記のような第1金型21を用いた第1成形工程S1においては、第1パンチ15と第1パッド17で金属板を把持した状態で、第1ダイ19を初期位置(図示せず)から、図2(a)、図2(b)に示す下死点の位置まで下降させることで、天板部1と、天板部1から第1屈曲部2を介して連続し縦壁部3の基端側となる中間縦壁部9と、中間縦壁部9から第2屈曲部11を介して連続する棚部13を有する中間成形品7(図1(a)参照)が成形される。
中間成形品7における第1屈曲部2及び第2屈曲部11の形状について、図3を用いて説明する。図3(a)、図3(b)は、それぞれ図1(a)の拡大図に示す中間成形品7のO-O断面、P-P断面である。
図3(a)、図3(b)に示すように、中間成形品7における第1屈曲部2の曲げ半径R1´が目標形状における第1屈曲部2の曲げ半径R1(図7参照)より小さくなっており(R1´<R1)、第2屈曲部11における分岐部中央部の曲げ半径R2Cが分岐部両側部の曲げ半径R2Sよりも小さくなっている(R2C<R2S)。
また、第2屈曲部11における曲げ半径R2Cの部分(分岐部中央部)と曲げ半径R2Sの部分(分岐部両側部)の間は、曲げ稜線方向に曲げ半径が中央から両側に向かって徐々に拡大する徐変部となっている。
R2C<R2Sとする理由について、図4を用いて以下に説明する。なお、R1´<R1とする理由については第2成形工程の説明にて後述する。
図4は、第2屈曲部11のO-O断面(実線、分岐部中央部)とP-P断面(破線、分岐部両側部)を、曲げ半径の違いが分かりやすいように重ねて示したものである。
図4に示すように、分岐部中央部の第2屈曲部11の曲げ半径(R2C)を小さくし、分岐部両側部の曲げ半径(R2S)を大きくすることで、O-O断面における線長(X点からX´点に至る実線の距離)が長く、P-P断面における線長(X点からX´点に至る破線の距離)が短くなる。したがって、第1成形工程S1では、分岐部中央部の変形量が、分岐部両側部よりも大きくなっている。
なお、X点、X´点は両断面を重ねたときに両断面で共通する点である。
このように中間成形品7の第2屈曲部11における分岐部中央部の曲げ半径を、分岐部両側部の曲げ半径よりも小さくして(R2C<R2S)、第1成形工程S1において分岐部中央部の変形量を分岐部両側部よりも大きくする理由は以下のとおりである。
本実施の形態におけるプレス成形方法は、第1成形工程S1と、第2成形工程S5によって、分岐部23の分岐部中央部に縦壁部3を形成するものであるから、第1成形工程S1における変形量が大きければ、第2成形工程S5における伸びフランジ変形量は小さくなる。
よって、中間成形品7の成形時に分岐部中央部の変形量を大きくして、中間縦壁部9の面積が広くなるように成形しておくことで、第2成形工程S5における伸びフランジ変形量が小さくなり、図9に示したo部の割れが抑制される。
一方、分岐部両側部では、曲げ半径R2Sを大きくして中間成形品7の成形時における変形量を小さく抑えているので、第2屈曲部11の加工硬化が抑えられる。さらに、上記で説明したように、第2成形工程S5においてo部に生じる伸びフランジ変形量も低減されるので、分岐部両側部からo部へ向かう材料流れも緩和され、第2成形工程S5で曲げ戻しても図9に示したa部及びb部の割れが抑制される。
<トリム工程>
トリム工程S3は、第1成形工程S1で成形された中間成形品7の棚部13から不要部を除去してフランジ部25を形成する工程である。
図5は、図1(b)のB-B断面におけるトリム途中の状態を示す図である。
トリム工程S3は、図5に示すように、上刃27と、下刃29と、板押さえ31を有するトリム金型33によって行われる。上刃27及び下刃29は、協働して中間成形品7の棚部13から不要部を除去するためのものであり、それぞれ、切断するライン(トリムライン)に対応した形状のトリム刃(図示せず)を備えている。
トリム工程S3においては、第1成形工程S1で成形された中間成形品7の天板部1と棚部13の一部を下刃29と板押さえ31で挟持し、例えば、上刃27を初期位置(図示せず)から下方に相対的に移動して棚部13から不要部(図1(b)の斜線で示す部分)を切り落とすことによりフランジ部25を形成する。
<第2成形工程>
第2成形工程S5は、第1屈曲部2の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形すると共に、トリム工程S3で不要部を除去した中間成形品7の第2屈曲部11を曲げ戻して縦壁部3を形成して、目標形状に成形する工程である。
図6は、図1(c)のC-C断面におけるリストライク下死点の状態を示す図である。
第2成形工程S5は、図6に示すように、第1屈曲部2の曲げ半径を目標形状に成形する第2パンチ肩部35aを有する第2パンチ35と、第2パンチ35と対向して配置され金属板を第2パンチ35に押し付ける第2パッド37と、第2屈曲部11を曲げ戻す第2ダイ39を有する第2金型41によって行われる。
第2パンチ肩部35aは、目標形状の第1屈曲部2の内表面に対応した形状を有しており、前述したように、第2パンチ肩部35aの曲率半径RP2(以降、単に「パンチ肩RP2」という)と第1成形工程で用いる第1パンチ15の第1パンチ肩部15aの曲率半径RP1(図2参照)はRP1<RP2の関係となっている。
上記のような第2金型41を用いた第2成形工程S5においては、第2パンチ35と第2パッド37で中間成形品7の天板部1を把持した状態で、第2ダイ39を初期位置(図示せず)から、図6に示す下死点の位置まで下降させることで、第1屈曲部2の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形すると共に、第2屈曲部11を曲げ戻してフランジ部25を立てて縦壁部3を形成し、図1(c)及び図7に示すようなプレス成形品5を成形する。
図7は図1(c)の拡大図におけるQ-Q断面を示すものである。
図7に示すように、プレス成形品5における第1屈曲部2の曲げ半径R1は、中間成形品7における第1屈曲部2の曲げ半径R1´よりも大きくなっている(R1´<R1)。
R1´<R1とする理由について、図8を用いて以下に説明する。
図8は、中間成形品7における第1屈曲部2の断面(破線)と目標形状(プレス成形品5)における第1屈曲部2の断面(実線)を、曲げ半径の違いが分かりやすいように重ねて示したものである。図8におけるY点、Y´点は両断面を重ねたときに両断面で共通する点である。
図8に示すように、中間成形品7の第1屈曲部2の断面における線長(Y点からY´点に至る破線の距離)に比べて、目標形状の第1屈曲部2の断面における線長(Y点からY´点に至る実線の距離)が短い。よって、第2成形工程S5において中間成形品7の第1屈曲部2の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形することで(図中矢印(1))、第1屈曲部2の材料が縦壁部3の方向に流れる(図中矢印(2))。
その結果、o部(図9参照)に材料が供給されるので、o部における伸びフランジ割れをさらに緩和することができる。
以上のように、本実施の形態では、第1成形工程S1において、中間成形品7における第1屈曲部2の曲げ半径R1´を目標形状における第1屈曲部2の曲げ半径R1よりも小さく(R1´<R1)、かつ、第2屈曲部11における分岐部中央部の曲げ半径R2Cが、分岐部両側部の曲げ半径R2Sよりも小さく(R2C<R2S)なるように成形し、トリム工程S3で不要部を除去してフランジ部25を形成後、第2成形工程S5において、第1屈曲部2を目標形状に成形しながら第2屈曲部11を曲げ戻すと共に、伸びフランジ変形となる部位を成形している。
これにより、分岐部中央部では、中間成形品7の成形時における変形量を大きくすることで、プレス成形品5の成形時における伸びフランジ変形が抑制されているので、縦壁部3の先端に生じる割れを防止することができる。さらには、プレス成形品5の成形時において、第1屈曲部2から縦壁部3への材料流入を促進しているので、より高い伸びフランジ割れの防止効果が得られる。
また、分岐部両側部では、中間成形品7の成形時における変形量を小さくすることで、プレス成形品5の成形時における曲げ戻し部分の板厚減少が抑制され、かつ、分岐部中央部の伸びフランジ変形が抑制されることで、分岐部両側部から伸びフランジ部へ向かう材料流れも緩和され、曲げ戻し部分に生じる割れを防止することができる。
なお、上記の説明ではプレス成形を3工程に分けて実施する例を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、第1成形工程S1とトリム工程S3を1工程で行うことで、全体として2工程で行うようにしてもよい。例えば、第1成形工程S1の第1パンチ15と第1ダイ19にそれぞれトリム刃を設けるなどすれば、中間成形品7を成形すると同時に、不要部の除去を行うことができる。
また、分岐部23以外の縦壁部については、前述した3工程を実施する間に成形してもよいし、別工程で成形しても本発明の実施には差し支えない。また、天板部1の成形についても同様である。
本発明の効果確認のため、図9に示すような、ロアアーム部品を目標形状とするプレス成形についてCAE解析を行った。
材料となる金属板は、板厚2.3mm、引張強度が780MPa級の熱延鋼板とした。
プレス成形工程は、実施の形態1で説明した、第1成形工程S1、トリム工程S3、第2成形工程S5の3工程とした。
従来例として、中間成形品7の第1屈曲部2の曲げ半径が目標形状(プレス成形品5)と同じであり、第2屈曲部11の分岐部中央部と分岐部両側部の曲げ半径も同じであるものを2種類解析した。従来例1、2における第1屈曲部2の曲げ半径は中間成形品7、プレス成形品5ともに7mmとした。第2屈曲部11の曲げ半径は分岐部中央部と分岐部両側部ともに、5mm(従来例1)又は7mm(従来例2)とした。また、ここで曲げ半径とは、板厚中心部分の円弧に対する半径である(以下同様)。
また、比較例として、第1屈曲部2の曲げ半径は中間成形品7、プレス成形品5ともに7mmとした。第1屈曲部2の曲げ半径が目標形状(プレス成形品5)と同じであり、中間成形品7の第2屈曲部11における分岐部中央部の曲げ半径が分岐部両側部の曲げ半径よりも小さいものを解析した。比較例における第2屈曲部11の曲げ半径は分岐部中央部を5mm、分岐部両側部を7mmとした。
また、本発明例として、上記比較例に対し中間成形品7の第1屈曲部2の曲げ半径を目標形状より小さくしたものを解析した。発明例における中間成形品7の第1屈曲部2の曲げ半径を5mmとし、その他の部位の曲げ半径は比較例と同じものとした。
CAE成形解析により得られた、第2成形工程S5の下死点における、a部、b部、o部(図9参照)の最大板厚減少率を表1に示す。
Figure 0007439802000001
種々の形状のロアアームを試作した発明者らの過去の知見では、板厚2.3mm、引張強度が780MPa級熱延鋼板の場合、CAE成形解析で板厚減少率が20%を超えると割れが発生する。よって、本実施例において割れが発生する成形限界は、板厚減少率20%とした。
上記の表1の従来例1は、第2屈曲部11の分岐部中央部(o部)と分岐部両側部(a部、b部)の曲げ半径を同じとし、分岐部中央部の板厚減少率が成形限界範囲内であるが、分岐部両側部の板厚減少率が成形限界範囲を超える例である。
表1に示すように、従来例1の場合、o部の板厚減少率は成形限界の20%未満であるが、a部、b部の板厚減少率は成形限界の20%を超えている。よって、従来例1のプレス成形方法では、o部に割れは発生しないが、a部、b部に割れが発生すると判定された。
また、表1の従来例2は、第2屈曲部11の分岐部中央部と分岐部両側部の曲げ半径を同じとし、分岐部中央部の板厚減少率が成形限界範囲を超え、分岐部両側部の板厚減少率が成形限界範囲内となる例である。
従来例2の場合、a部、b部の板厚減少率は成形限界の20%未満であるが、o部の板厚減少率は成形限界の20%を超えている。よって、従来例2のプレス成形方法では、a部、b部に割れは発生しないが、o部に割れが発生すると判定された。
次に、比較例の場合、a部、b部、o部の全てにおいて板厚減少率は成形限界の20%未満であり、いずれの場所でも割れは発生しないと判定された。
これに対して発明例の場合、a部、b部、o部の全てにおいて板厚減少率は成形限界の20%未満であり、いずれの場所でも割れは発生しないと判定され、さらに、o部において比較例よりも板厚減少率が向上しており、より良好な結果が得られた。
以上、本実施例の結果から、ロアアームのような平面視において二股に分岐する形状を有するプレス成形品の分岐部中央部の縦壁部先端と、分岐部両側部の割れを同時に防止できることがわかった。
また、上記から、第2屈曲部11の分岐部中央部と分岐部両側部の曲げ半径の設定方法として、以下のようにすればよいことが分かる。
すなわち、第2屈曲部11の分岐部中央部と分岐部両側部の曲げ半径を同じとし、その値を種々変更して、第2成形工程(リストライク)下死点の板厚減少率を求めることで、分岐部中央部と分岐部両側部の曲げ半径が同じであって、分岐部中央部の板厚減少率が成形限界範囲内で分岐部両側部の板厚減少率が成形限界を超える例(A値)と、分岐部中央部の板厚減少率が成形限界範囲を超え、分岐部両側部の板厚減少率が成形限界内となる例(B値)とを予め求めておき、分岐部中央部の曲げ半径を成形限界範囲内となるA値以下とし、分岐部両側部の曲げ半径を成形限界範囲内となるB値以上とし、かつ分岐部中央部の曲げ半径を分岐部両側部の曲げ半径より小さく設定するとよい。
1 天板部
2 第1屈曲部
3 縦壁部
5 プレス成形品
7 中間成形品
9 中間縦壁部
11 第2屈曲部
13 棚部
15 第1パンチ
15a 第1パンチ肩部
17 第1パッド
19 第1ダイ
19a 第1ダイ肩部
21 第1金型
23 分岐部
25 フランジ部
27 上刃
29 下刃
31 板押さえ
33 トリム金型
35 第2パンチ
35a 第2パンチ肩部
37 第2パッド
39 第2ダイ
41 第2金型

Claims (2)

  1. 平面視において二股に分岐する形状を有する天板部と、該天板部に連続する縦壁部を備えたプレス成形品をプレス成形するプレス成形方法であって、
    金属板をパッドでパンチに押し付けた状態で、前記天板部と、該天板部から第1屈曲部を介して連続し前記縦壁部の基端側となる中間縦壁部と、該中間縦壁部から第2屈曲部を介して連続する棚部を、前記パンチとダイが協働して張り出し成形する第1成形工程と、
    前記棚部から不要部を除去してフランジ部を残すトリム工程と、
    前記第1屈曲部の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形すると共に、前記第2屈曲部を曲げ戻して前記中間縦壁部と前記フランジ部に相当する部位からなる前記縦壁部を形成して目標形状に成形する第2成形工程とを備え、
    前記第1成形工程は、前記第1屈曲部の曲げ半径を前記目標形状における第1屈曲部の曲げ半径よりも小さく、かつ、前記第2屈曲部における分岐部中央部の曲げ半径が、該分岐部中央部の曲げ稜線方向両側の部分の曲げ半径よりも小さくなるように成形することを特徴とするプレス成形方法。
  2. 請求項1記載のプレス成形方法を実現するためのプレス成形金型であって、
    前記天板部と、該天板部から第1屈曲部を介して連続し前記縦壁部の基端側となる中間縦壁部と、該中間縦壁部から第2屈曲部を介して連続する棚部を有する中間成形品を成形する第1金型と、
    前記棚部から不要部を除去してフランジ部を残すトリム金型と、
    前記第1屈曲部の曲げ半径を目標形状の曲げ半径に成形すると共に、前記第2屈曲部を曲げ戻して、前記中間縦壁部と前記フランジ部に相当する部位からなる前記縦壁部を形成して目標形状に成形する第2金型とを備え、
    前記第1金型は、前記第1屈曲部を成形する第1パンチ肩部を有する第1パンチと、該第1パンチと対向して配置され金属板を前記第1パンチに押し付ける第1パッドと、前記第2屈曲部を成形する第1ダイ肩部を有する第1ダイとを有し、
    前記第2金型は、前記第1屈曲部の曲げ半径を目標形状に成形する第2パンチ肩部を有する第2パンチと、該第2パンチと対向して配置され金属板を前記第2パンチに押し付ける第2パッドと、前記第2屈曲部を曲げ戻す第2ダイとを有し、
    前記第1パンチ肩部の曲率半径RP1が前記第2パンチ肩部の曲率半径RP2よりも小さく、かつ、前記第1ダイ肩部における前記第2屈曲部の分岐部中央部を成形する部分の曲率半径RDCが前記第1ダイ肩部における前記第2屈曲部の分岐部中央部の曲げ稜線方向両側部分を成形する部分の曲率半径RDSよりも小さくなるように設定されていることを特徴とするプレス成形金型。
JP2021120156A 2021-07-21 2021-07-21 プレス成形方法及びプレス成形金型 Active JP7439802B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021120156A JP7439802B2 (ja) 2021-07-21 2021-07-21 プレス成形方法及びプレス成形金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021120156A JP7439802B2 (ja) 2021-07-21 2021-07-21 プレス成形方法及びプレス成形金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023016092A JP2023016092A (ja) 2023-02-02
JP7439802B2 true JP7439802B2 (ja) 2024-02-28

Family

ID=85131594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021120156A Active JP7439802B2 (ja) 2021-07-21 2021-07-21 プレス成形方法及びプレス成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7439802B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015008495A1 (ja) 2013-07-19 2015-01-22 Jfeスチール株式会社 プレス成形方法
WO2015155974A1 (ja) 2014-04-11 2015-10-15 新日鐵住金株式会社 プレス成形品の製造方法、及び自動車用ロアアーム
JP2017217698A (ja) 2016-06-03 2017-12-14 新日鐵住金株式会社 プレス成形品の製造方法及びプレス装置
JP6897841B1 (ja) 2020-04-09 2021-07-07 Jfeスチール株式会社 プレス成形品

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015008495A1 (ja) 2013-07-19 2015-01-22 Jfeスチール株式会社 プレス成形方法
WO2015155974A1 (ja) 2014-04-11 2015-10-15 新日鐵住金株式会社 プレス成形品の製造方法、及び自動車用ロアアーム
JP2017217698A (ja) 2016-06-03 2017-12-14 新日鐵住金株式会社 プレス成形品の製造方法及びプレス装置
JP6897841B1 (ja) 2020-04-09 2021-07-07 Jfeスチール株式会社 プレス成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023016092A (ja) 2023-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101718269B1 (ko) 프레스 성형품의 제조 방법
JP5114688B2 (ja) 形状凍結性に優れた金属部材の成形方法
JP4693475B2 (ja) プレス成形方法およびそれに用いる金型
CN112584944B (zh) 压制成型方法
KR101614755B1 (ko) 프레스 성형 방법
JP7276307B2 (ja) プレス成形方法及びプレス成形金型
JP2017030038A (ja) プレス成形品の製造方法及びプレス成形型
WO2019167792A1 (ja) プレス部品の製造方法、プレス成形装置及びプレス成形用の金属板
JPWO2017131042A1 (ja) プレス装置及びプレス成形品の製造方法
CN107921504A (zh) 拉伸凸缘成形零件的制造方法
JP2018027567A (ja) プレス成形型
JP6319529B1 (ja) プレス成形用の金属板及びその製造方法、並びにプレス品製造方法
JP7439802B2 (ja) プレス成形方法及びプレス成形金型
JP6112226B2 (ja) プレス成形方法、及びプレス成形部品の製造方法
JPWO2020153500A1 (ja) プレス成形方法およびプレス装置
EP3778053A1 (en) Designing method for press-molded article, press-molding die, press-molded article, and production method for press-molded article
JP7331820B2 (ja) プレス成形方法及びプレス成形金型
JP7302747B2 (ja) プレス成形品の製造方法及びプレス成形装置
JP7156343B2 (ja) プレス成形方法及びプレス成形金型
JPWO2020105647A1 (ja) 湾曲部材の製造方法
JP7396550B1 (ja) プレス成形方法及びプレス成形品の製造方法
JP7294355B2 (ja) プレス成形方法およびプレス成形金型
WO2024053186A1 (ja) プレス成形品の製造方法
JP7310712B2 (ja) プレス成形方法
JP6624292B2 (ja) プレス品製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230221

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7439802

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150