JP7277725B2 - プレス成形せん断加工方法 - Google Patents
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Description
(1)第1面及びその反対側の第2面を有する被加工材を、
前記被加工材の第2面側に配置され且つ突出した中央部及び周辺部を有する凸形状の第1のダイスと、前記被加工材の第1面側に配置され且つ前記第1のダイスの前記周辺部と対向するように配置された凹形状のパンチとの間、または
前記被加工材の第1面側に配置され且つ突出した中央部及び周辺部を有する凸形状のパンチと、前記被加工材の第2面側に配置され且つ前記パンチの前記周辺部と対向するように配置された凹形状の第1のダイスとの間に、
配置すること、
前記パンチと前記第1のダイスとで前記被加工材をプレス成形して、プレス成形体を得ること、並びに
前記パンチと前記第1のダイスとで前記プレス成形体を押えながら、前記パンチと、前記第1のダイスの周囲に配置された第2のダイスとで、前記プレス成形体をせん断加工して、加工材を得ること
を含む、プレス成形せん断加工方法。
(2)前記せん断加工を、前記プレス成形の完了と同時または完了後に開始する、上記(1)に記載のプレス成形せん断加工方法。
(3)前記被加工材が、590MPa以上の引張強度を有する鋼板である、上記(1)または(2)に記載のプレス成形せん断加工方法。
(4)前記被加工材が、1180MPa以上の引張強度を有する鋼板である、上記(1)または(2)に記載のプレス成形せん断加工方法。
(5)前記加工材が曲線形状を有し、
前記プレス成形体が、前記加工材の曲率半径の中央値rに対して0.8r以下の箇所に前記せん断加工で切り落とされる切り代を有し、
前記せん断加工が、前記切り代を切り落とすことを含む、
上記(1)~(4)のいずれかに記載のプレス成形せん断加工方法。
(6)前記加工材が曲線形状を有し、
前記プレス成形体が、前記加工材の曲率半径の中央値rに対して0.5r以下の箇所に前記せん断加工で切り落とされる切り代を有し、
前記せん断加工が、前記切り代を切り落とすことを含む、
上記(1)~(4)のいずれかに記載のプレス成形せん断加工方法。
(7)前記プレス成形体が、前記切り代を、前記加工材において内周部となる箇所に有する、上記(5)または(6)に記載のプレス成形せん断加工方法。
(8)被加工材にプレス成形及びせん断加工を行うプレス成形せん断加工装置であって、
突出した中央部及び周辺部を有する凸形状の第1のダイス、前記第1のダイスの周囲に配置された第2のダイス、及び前記第1のダイスと対向する位置に配置された凹形状のパンチ、または、
突出した中央部及び周辺部を有する凸形状のパンチ、前記パンチと対向する位置に配置された凹形状の第1のダイス、及び前記第1のダイスの周囲に配置された第2のダイス
を備え、
前記パンチと前記第1のダイスとの少なくとも一方を前記被加工材の板厚方向に駆動させ、前記被加工材をプレス成形してプレス成形体を得るプレス成形機構、並びに
前記パンチと前記第1のダイスとで前記プレス成形体を押さえながら、前記パンチと前記第2のダイスとの少なくとも一方を前記被加工材の板厚方向に駆動させ、前記プレス成形体をせん断加工して、加工材を得る、せん断加工機構、
をさらに備えた、プレス成形せん断加工装置。
(9)前記パンチの移動方向に平行な方向において、前記第2のダイスの前記被加工材に対向する端面の位置が、前記第1のダイスの周辺部の表面の位置よりも前記パンチ側に2mm以内の範囲で突出している、上記(8)に記載のプレス成形せん断加工装置。
(10)前記パンチの移動方向に平行な方向において、前記第2のダイスの前記被加工材に対向する端面の位置が、前記第1のダイスの周辺部の表面の位置と同じか、または第1のダイスの前記周辺部の表面の位置よりもパンチ側とは反対側にある、上記(9)に記載のプレス成形せん断加工装置。
プレス成形体における切り代は、さらに好ましくは、前記好ましい曲率半径を有する箇所であって曲線形状の加工材の内周側となる位置に設ける。図18に例示する本開示のプレス成形せん断加工を行って得られる加工材のシミュレーションモデルを参照しながら説明する。図18に例示する加工材12は、直線部分12A、12B、並びに内周側12D及び外周側12Eを備えた曲線部分12Cを有し、曲線部分12Cの内周側12Dにおいて曲率半径が最も小さい。プレス成形体は、加工材12の内周側12Dとなる箇所に、切り代11Fを有することができる。
シミュレーションにより、プレス成形せん断加工後の加工材の応力及び変形評価を行った。シミュレーション条件は、以下の通りである:
工具は剛体;
被加工材は、弾塑性体、1470MPa級鋼板、ヤング率200GPa、ポアソン比0.3、板厚1.6mm;
ソルバーはAbaqus;
成形解析は動的陽解法(FEM);
スプリングバック解析は静的陰解法(FEM)。
図5に示す曲線形状を有し幅が300mmの板状の被加工材10を、シミュレーションモデルとして用意した。この被加工材10は、それぞれの長さが300mmの直線部分10A、10Bと曲率半径の中央値が860mmの曲線部分10Cとが一体で構成されていた。
図8に示す曲線形状を有し幅が280mmの板状の被加工材10を、シミュレーションモデルとして用意した。この被加工材10は、それぞれの長さが300mmの直線部分10A、10Bと曲率半径の中央値が860mmの曲線部分10Cとが一体で構成されていた。
実施例1におけるせん断加工後に金型から取り外す前の、パンチと第1のダイスで押さえた状態の加工材(図3の状態)の主応力、及び比較例1におけるプレス成形後に金型から取り外す前の、パンチとダイスで押さえた状態のプレス成形体の主応力を、上記シミュレーション条件で計算した。図11に示すように、主応力の測定箇所は、曲線部分の内周側12Dである。主応力の計算結果を表1に示す。
実施例1におけるせん断加工後に金型から取り外した後の加工材のスプリングバックによる変形量、及び比較例1におけるプレス成形後に金型から取り外した後のプレス成形体のスプリングバックによる変形量を、上記シミュレーション条件で計算した。
(実施例2)
実施例1の条件で実際に、被加工材についてプレス成形せん断加工を行った。
実施例1の条件で実際に、被加工材についてプレス成形を行った。次いで、プレス成形体をパンチ及び第1のダイスから取り外し、別のせん断加工装置を用いて、プレス成形体の実施例1と同様の箇所(アーム部の端部から20mmの位置)にせん断加工を行った。別のせん断加工装置のせん断刃(パンチ)とダイスは、本開示のプレス成形せん断加工装置のパンチ及びダイスと同じ形状を有し、同じ材料(SKD11)で構成されていた。
実施例2におけるパンチの損傷状態と、比較例2におけるせん断刃の損傷状態とを比較した。表3に、パンチ(実施例2)及びせん断刃(比較例2)が欠損したときのショット数を示す。ショット数とは、せん断加工の回数である。比較例2は1ショットでせん断刃が欠損したのに対し、実施例2では500ショット後もパンチに欠損がなかった。
実施例2及び比較例2におけるせん断加工時の騒音を比較した。表4にA特定音圧レベルの評価値を示し、表5に騒音評価結果を示す。実施例2は比較例2に比べて騒音が低減されていた。
10A、10B 被加工材の直線部分
10C 被加工材の曲線部分
11 プレス成形体
11A、11B プレス成形体の直線部分
11C プレス成形体の曲線部分
11D プレス成形体の内周側
11E プレス成形体の外周側
11F 切り代
12 加工材
12A、12B 加工材の直線部分
12C 加工材の曲線部分
12D 加工材の内周側
12E 加工材の外周側
13 プレス成形体の端部
13A 切り離されるプレス成形体の端部の片側の幅
20 パンチ
21 パンチの突出した中央部
22 パンチの周辺部
23 パンチの上端部
24 パンチの上中央部
30 第1のダイス
31 第1のダイスの突出した中央部
32 第1のダイスの周辺部
33 ばね
36 第1のダイスの下中央部
40 第2のダイス
50 ホルダー
51 ばね
60 台座
70 押え部材
71 ばね
Claims (6)
- 第1面及びその反対側の第2面を有する被加工材を、
前記被加工材の第2面側に配置され且つ突出した中央部及び周辺部を有する凸形状の第1のダイスと、前記被加工材の第1面側に配置され且つ前記第1のダイスの前記周辺部と対向するように配置された凹形状のパンチとの間、または
前記被加工材の第1面側に配置され且つ突出した中央部及び周辺部を有する凸形状のパンチと、前記被加工材の第2面側に配置され且つ前記パンチの前記周辺部と対向するように配置された凹形状の第1のダイスとの間に、
配置すること、
前記パンチと前記第1のダイスとで前記被加工材をプレス成形して、プレス成形体を得ること、並びに
前記パンチと前記第1のダイスとで前記プレス成形体を押えながら、前記パンチと、前記第1のダイスの周囲に配置された第2のダイスとで、前記プレス成形体をせん断加工して、加工材を得ること
を含み、
前記加工材が、曲線形状を有し、
前記プレス成形体が、曲線形状の前記加工材の内周側となる箇所にのみ切り代を有し、
前記せん断加工が、前記切り代のみを切り落とす、
プレス成形せん断加工方法。 - 前記せん断加工を、前記プレス成形の完了と同時または完了後に開始する、請求項1に記載のプレス成形せん断加工方法。
- 前記被加工材が、590MPa以上の引張強度を有する鋼板である、請求項1または2に記載のプレス成形せん断加工方法。
- 前記被加工材が、1180MPa以上の引張強度を有する鋼板である、請求項1または2に記載のプレス成形せん断加工方法。
- 前記加工材が曲線形状を有し、
前記プレス成形体が、前記加工材の曲率半径の中央値rに対して0.8r以下の箇所に前記せん断加工で切り落とされる切り代を有し、
前記せん断加工が、前記切り代を切り落とすことを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のプレス成形せん断加工方法。 - 前記加工材が曲線形状を有し、
前記プレス成形体が、前記加工材の曲率半径の中央値rに対して0.5r以下の箇所に前記せん断加工で切り落とされる切り代を有し、
前記せん断加工が、前記切り代を切り落とすことを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のプレス成形せん断加工方法。
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